JPH07116414A

JPH07116414A - 回転ドラム式濾過装置

Info

Publication number: JPH07116414A
Application number: JP5264886A
Authority: JP
Inventors: Takuo Mochizuki; 望月▲たく▼夫
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1993-10-22
Filing date: 1993-10-22
Publication date: 1995-05-09

Abstract

(57)【要約】【目的】濾過面の目詰まりも無く、耐久性に優れ、尚か
つ小型でありながらも連続稼働可能な回転ドラム式濾過
装置を提供できるようにすることを目的とするものであ
る。【構成】周面に濾過面を形成した略円筒形の回転ドラム
と、内方に処理液を貯留しその処理液が濾過面に接する
状態で設けられた貯留槽と、負圧形成手段で形成された
負圧を回転ドラム内に供給する負圧供給装置と、回転ド
ラムの周面に形成された吸着物を掻き落とす掻き落とし
手段とを備え、濾過面は断面が逆三角形状の線条を枠体
にドラムの回転方向に捲回し、隣合う線条間に濾過面の
スリットを形成するとともに、スリットの幅を２mm以下
に設定したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は回転ドラム式濾過装置に
関し、なかでも浚渫作業で発生する汚泥の処理や汚水を
処理する時の濾過ならびに脱水（両者を含めて本発明で
は単に濾過と言う）処理する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の回転ドラム式濾過装置は比較的
大きな固塊物を固・液分離する為、図７に示すように、
真空ポンプ１３０で発生させた負圧でレシーバータンク
１６０内を負圧にし、レシーバータンク１６０内の負圧
を吸引管１６１を介して回転ドラム１０４に供給し、こ
の負圧で回転ドラム１０４内を負圧にし、以て、回転ド
ラム１０４の周面に形成された濾過面１０２から汚泥を
吸着させて濾過ならびに脱水処理するように構成されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の一般
的な回転ドラム式濾過装置は、先ず、回転ドラム１０４
の周面に形成される濾過面１０２が図８に示すように、
レーザ等により穿孔された円形の透孔１６２よりなるこ
とから、この透孔に負圧で吸着された固塊物を掻き落と
し手段で掻き落とす時に、掻き落としブレード１１８が
固塊物１１０を剪断する方向に作用するので、大きな力
を必要とし、回転ドラムの駆動装置も大きなものを必要
とすると言う問題があった。

【０００４】また、掻き落としブレード１１８にも大き
な力が作用することから、摩耗も早く、濾過面１０２及
び掻き落としブレード１１８の耐久性が低いと言う問題
もある。

【０００５】更に、透孔１６２に負圧で吸着された固塊
物１１０の透孔１６２から露出する上面部分が掻き落と
しブレード１１８で剪断されても、固塊物１１０の下半
部が透孔１６２を塞いだまま残ることが多く、濾過面１
０２が早期に目詰まりしてしまうので濾過面１０２を頻
繁に清掃しなくては成らず、この濾過面１０２の清掃の
為に稼働効率が低下してしまうと言う問題もあった。

【０００６】しかも、吸引管１６１を介して回転ドラム
１０４から吸引される水分はレシーバータンク１６０に
貯留されることから、このレシーバータンク１６０が満
杯になると回転ドラム式濾過装置の稼働を停止して貯留
された水分を抜かなくては成らず、回転ドラム式濾過装
置を連続して稼働させることが出来ないと言う問題もあ
った。

【０００７】加えてレーザ等で穿孔して形成される透孔
１６２の幅が一般的には２mmより大きな幅に形成される
ことから、ここから吸引される固塊物も２mmより大きな
ものとなり、こうした比較的大きな固塊物を吸引した場
合、吸引手段を構成する吸引ポンプが磨滅・損傷し易く
耐久性が著しく低下する。したがって、レシーバータン
クを設けても固塊物を完全に分離除去することが出来な
い為、こうした濾過装置における一般的な吸引手段で
は、多少の固塊物を吸引してもいいような効率の低い大
型のものを使用せざるを得ないというのが現状である。

【０００８】本発明は上記問題点に鑑み提案されたもの
で、濾過面の目詰まりも無く、耐久性に優れ、尚かつ小
型でありながらも連続稼働可能な回転ドラム式濾過装置
を提供できるようにすることを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る回転ドラム式濾過装置は、第１に、周面
に濾過面を形成した略円筒形の回転ドラムと、内方に処
理液を貯留しその処理液が濾過面に接する状態で設けら
れた貯留槽と、負圧形成手段で形成された負圧を回転ド
ラム内に供給する負圧供給装置と、回転ドラムの周面に
形成された吸着物を掻き落とす掻き落とし手段とを備
え、濾過面は断面が逆三角形状の線条を枠体にドラムの
回転方向に捲回し、隣合う線条間に濾過面のスリットを
形成するとともに、スリットの幅を２mm以下に設定した
ことを特徴とするものである。

【００１０】第２に、負圧形成手段が貯留槽と貯留槽内
の液体を吸引して加圧する加圧ポンプと、加圧された液
体を噴射して負圧を形成するジェットポンプとからな
り、該ジェットポンプで形成された負圧を供給する吸引
口を回転ドラムの内部下方に開口させたことを特徴とす
る。

【００１１】第３に、負圧形成手段が、加圧された液体
を噴射して負圧を形成し、形成された負圧で空気を吸引
して混気ジェット流を形成し、該混気ジェット流で回転
ドラム内に供給される負圧を形成する混気式ジェットポ
ンプであることも特徴である。

【００１２】第４に、負圧形成手段のジェットポンプ
を、回転ドラムを枢支する枢支軸内に形成したことも特
徴とし、吸引口から吸引された濾過済み液を負圧形成手
段のジェットポンプ内を通過させて吐出口から排出する
ように構成したことも特徴の１つである。

【００１３】

【作用】先ず、回転ドラムを回転させながら、例えば、
負圧形成手段を貯留槽等の液体を吸引して加圧する加圧
ポンプと、加圧された液体を噴射して負圧を形成するジ
ェットポンプとで構成したり、更に、このジェットポン
プを、回転ドラムを枢支する枢支軸内に形成したもので
は、ジェットポンプで形成された負圧が回転ドラムの負
圧作用空間に供給されると、この負圧で貯留槽の処理液
が濾過面から吸引される。

【００１４】また、加圧ポンプで加圧された液体を噴射
して負圧を形成し、形成された負圧で空気を吸引して混
気ジェット流を形成し、この混気ジェット流で回転ドラ
ム内に供給される負圧を形成する混気式ジェットポンプ
では、混気ジェット流に混入された空気がクッションの
作用をし、ジェット流が負荷の変動や周囲の側壁との粘
性及び摩擦等によりその勢いが低下しようとするのを防
止する。

【００１５】そして、負圧形成手段により形成された負
圧が負圧供給装置により回転ドラム内に作用すると、こ
の負圧で濾過面に処理液中の固塊物がスリット部分に吸
着され、水分とこのスリットを通過する２mm以下の極微
小な固塊物が回転ドラム内に吸引されて処理液が濾過さ
れる。此処で、スリット部分に吸着された固塊物が空気
中に露出している場合には露出している部分から空気を
吸引し、当該固塊物は脱水されるのである。

【００１６】しかして、濾過面のスリットに吸着保持さ
れた固塊物は回転ドラムの回動に伴い掻き落とし手段の
位置に搬送され、掻き落とし手段で掻き落とされるので
あるが、固塊物が非常に固い場合でも、スリットを形成
する線条の断面が逆三角形状に形成されていることか
ら、固塊物が掻き落とし手段で押されながらスリットを
摺動する時に、線条の逆三角形状のエッジで徐々に切断
されるので掻き落とし手段に大きな抵抗が作用せず簡単
に掻き落とし及び切断が行われるのである。

【００１７】また、スリットを形成する線条の断面が逆
三角形状に形成されており、スリットが回転ドラムの内
方で広がる形状になっていることから、濾過面から突出
する部分が掻き落とし手段で切断された固塊物はスリッ
トから回転ドラムの内方に即座に吸引されるので、濾過
面のスリットが目詰まりすることはないのである。こう
して回転ドラムの内方に吸引された固塊物はスリットが
２mm以下に設定してあるので、固塊物の大きさも２mm以
下の細かいものとなり、吸引口から吸引された濾過済み
液が負圧形成手段のジェットポンプ内を通過し吐出口か
ら排出される時にも固塊物のために損傷することもない
のである。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の回転ドラム式濾過装置の一実
施例を図面に基づいて説明する。〔実施例１〕この実施例に回転ドラム式濾過装置１は図
１及び図２に示すように、周面部に濾過面２が形成され
駆動手段３で回転可能に構成された回転ドラム４と、回
転ドラム４の斜め上寄り部に配設され汚泥５を貯溜した
汚泥槽（貯留槽）６と、回転ドラム４の内部に設けられ
固定体７と、濾過面２の内周面２ａと固定体７との間に
形成される負圧作用空間８に負圧を作用させる負圧供給
装置９と、濾過面２に吸着されて脱水された固塊物（吸
着物）１０を掻き落とす掻き落とし手段１１とを備えて
なる。

【００１９】上記濾過面２は、回転ドラム４の左右の両
側板４ａ・４ｂ間に多数の骨材１２を架着して略円筒形
の枠体１３を形成し、この枠体１３の外周面に断面が逆
三角形状のワイヤー１４をその隣合う端縁同士の隙間Ｓ
が２mm以下の範囲内の所定幅になるように捲回し、当該
隙間Ｓで回転ドラム４の回転方向に連続する濾過用のス
リット１５を形成して構成してある（図３・図４参
照）。

【００２０】此処で、スリット１５幅を２mm以下に設定
するのは、濾過する処理液の種類に応じて種々に変更す
ることが可能であるが、スリット１５幅が２mmを越えた
場合、此処を通過して回転ドラム４内に吸引される固塊
物の大きさが２mmを越えてしまい、後述する負圧形成手
段４３を形成するジェットポンプM.J.P の磨耗が著しく
なるためである。

【００２１】因みに汚泥等を濾過する場合には、 0.2mm
以下にすると目詰まりが起き易く、0.8mmを越えると濾
過機能が低下する為、 0.2mm〜 0.8mmの間に設定するの
が望ましい。

【００２２】回転ドラム４を駆動する駆動装置３は、回
転ドラム４の一端部に固定されたチェンホイル１６に図
示を省略した電動モータの回転を減速機を介して減速さ
れた回転が伝えられるように構成されている。尚、駆動
源としてここでは電動モータを使用するようにしてある
が、油圧・空圧モータや内燃機等の駆動源を使用するこ
とも出来るし、回転ドラムを直接駆動することも出来る
のは勿論である。

【００２３】次に、汚泥槽６は、回転ドラム４の周面部
の斜め右上の四半部を平面視において“コ”字型に形成
された鋼板で覆い、傾斜状の底部１７の先端部は濾過面
２に近接させるとともに、当該先端部に掻き落とし手段
１１を構成するブレード１８が進退調節可能に設けてあ
る。

【００２４】掻き落とし手段１１は、回転ドラム４の傾
斜状の底部１７の先端部に配設されたブレード１８と、
このブレード１８を長孔２５により進退調節操作可能に
固定してなる固定具１９とで形成されている。尚、ブレ
ード１８の進退調節操作はネジを人為操作して進退調節
するようにしたり、エアーシリンダやスプリング等に依
って弾性的に押圧し、進退させるようにしても良いこと
は勿論である。

【００２５】上記固定体７は、円筒状に形成された筒部
材２０を回転ドラム４の内方に配設し、両側の板部分２
１の中心を貫通させた枢支軸２２の両端寄り部をドラム
支持フレーム２３に固着して構成されており、回転ドラ
ム４は、その左右の両側板４ａ・４ｂが前記枢支軸２２
に気密性を有する軸受け２４を介して回転可能に枢支さ
れており、筒部材２０の周壁２０ａ部分は濾過面２の内
周面２ａの近傍に位置させてある。

【００２６】こうして筒部材２０の周壁２０ａ部分を濾
過面２の内周面２ａの近傍に位置させると、回転ドラム
４内に形成される負圧作用空間８は狭隘なものとなる。
また、筒部材２０の周壁２０ａの下面部分には、回転ド
ラム４の枢支軸２２から分岐した枝管３６の先端が負圧
作用空間８に負圧を作用させる吸引口２６として下向き
に開口させてある。

【００２７】負圧供給装置９は、ジェットポンプM.J.P
で形成された負圧形成手段４３と、ジェットポンプM.J.
P の負圧供給口３５と枢支軸２２とを連結する負圧吸引
管３７とで構成されている。

【００２８】このジェットポンプM.J.P は、貯水タンク
２７内の水２８を吸水口２９から吸引して加圧する加圧
ポンプ３０と、加圧された水を保護管３１に向けて噴射
する噴射ノズル３２と、保護管３１を支持し、先端の吐
出口３３ａが貯水タンク２７内の下方に向けて開口する
吐出管３３、及び噴射ノズル３２と保護管３１との間に
発生する負圧を取り出す負圧供給口３５とで形成されて
いる。

【００２９】尚、図中符号４０は、吐出管３３の吐出口
３３ａと加圧ポンプ３０の吸水口２９とを区画する画壁
であり、符号４１は掻き落とし手段１１で濾過面２から
掻き落とされた固塊物４２を案内するシューターであ
る。

【００３０】上記のように構成された回転ドラム式濾過
装置１の作動を次に説明する。先ず、加圧ポンプ３０を
駆動させ、吸水口２９から貯水タンク２７内の水２８を
吸引して加圧し、噴射ノズル３２から保護管３１内に噴
射させる。噴射ノズル３２から噴射された高圧のジェッ
ト水流は保護管３１内一杯に広がると、この広がった部
分が恰も保護管３１内を吐出管３３側に摺動するような
ピストンのような作用をするので、噴射ノズル３２側部
分の保護管３１内に負圧が形成される。

【００３１】こうして負圧形成手段４３のジェットポン
プM.J.P を作動させて形成された負圧を、負圧供給口３
５から取り出し、負圧供給装置９を形成する負圧吸引管
３７、枢支軸２２、及び吸引口２６を介して負圧作用空
間８に作用させる。すると、この負圧作用空間８は固定
体７により狭隘になっていることから、負圧作用空間８
の負圧は即座に高くなる。

【００３２】負圧作用空間８の負圧が高くなると、この
負圧で汚泥槽６の汚泥５中に接触している濾過面２部分
に汚泥５が吸着され、その水分とスリット１５を通過す
る極微小な固塊物が負圧作用空間８に吸引される。負圧
作用空間８に吸引された水分と微小な固塊物は、吸引口
２６から枢支軸２２及び吸引管３７を経てジェットポン
プM.J.P に吸引され、ジェットポンプM.J.P の吐出口３
３ａから貯水タンク２７内の下方に吐出される。

【００３３】ジェットポンプM.J.P の吐出口３３ａから
貯水タンク２７内に吐出された水分と極微小な固塊物の
うち、水分が再び加圧ポンプ３０の吸水口２９から吸い
出されて循環するのである。次に、濾過面２のスリット
１５に吸着保持された固塊物１０は回転ドラム４の回転
により掻き落とし手段１１に至る間に充分脱水された
後、掻き落とし手段１１のブレード１８で掻き落とされ
るのであるが、この時、固塊物１０が非常に固い場合に
は、図３で示すように固塊物１０が掻き落とし手段１１
のブレード１８で押されながらスリット１５を摺動し、
この摺動する時に徐々に切断されたり掻き落とされるの
で、濾過面２のスリット１５は此処に吸着された固塊物
１０により目詰まりすることはないのである。

【００３４】そして、本発明では、スリット１５を断面
が逆三角形状の線条を枠体１３に回転ドラム４の回転方
向に捲回して形成してあり、図４に示すようにスリット
１５が回転ドラム４の内方で広くなっていることから、
掻き落とし手段１１のブレード１８でスリット１５の上
面に露出している部分が切断された固塊物１０は負圧に
より回転ドラム４内に確実に吸引される。

【００３５】こうして回転ドラム４の内方に吸引された
固塊物はスリット１５が２mm以下に設定してあるので、
固塊物の大きさも２mm以下の細かいものとなり、吸引口
から吸引された濾過済み液が負圧形成手段４３のジェッ
トポンプM.J.P 内を通過し吐出口３３ａから排出される
時にも保護管３１及び吐出管３３が固塊物のために損傷
することもないのである。

【００３６】また、上記実施例では濾過面２を、枠体１
３の外周面に断面が逆三角形状のワイヤー１４をその隣
合う端縁同士の隙間Ｓが所定幅になるように捲回し、当
該隙間Ｓで回転ドラム４の回転方向に連続する濾過用の
スリット１５で形成するようにしてあるが、このスリッ
ト１５を所定の長さ置きに閉塞する、即ち長孔の形状に
しても良いし、更にスリット１５及び上記長孔を螺旋状
に形成するようにしても良く、螺旋状に形成した場合に
は掻き落とし手段１１のブレード１８との間で鋏効果を
発揮させることができるのである。

【００３７】更に、上記実施例では負圧作用空間８の体
積を減少させるための固定体２０は筒状に形成してある
が、これを中実の無垢にすることができるのは言うまで
もないことである。

【００３８】〔実施例２〕この実施例にかかる回転ドラ
ム式濾過装置１は、図５に示すように、上記実施例１に
おける固定体７を枢支する枢支軸にジェットポンプM.J.
P を組み込んだものである。即ち、固定体７の筒部材２
０を枢支する枢支軸２２の一端部に噴射ノズル３２を取
付け、噴射ノズル３２の前方の枢支軸２２内に区画板４
８で支持される保護管３１を配設し、当該区画板４８で
区画された噴射ノズル３２側の枢支軸２２部分に先端に
吸引口２６を形成した枝管３６を設けて構成したもので
ある。また、ジェットポンプM.J.P から吐出される水は
他に放出して加圧ポンプ３０で加圧される水を貯留した
貯水タンク２７には還流しないようにしてある。

【００３９】上記のように構成された回転ドラム式濾過
装置１は、上記実施例１と略同様に作用するが、上記実
施例１のように負圧形成手段４３を回転ドラム４から分
離して設置し、両者を比較的長い負圧吸引管３７で連結
したものに較べ、負圧吸引管３７内での負圧のロスを無
くすことができるとともに、負圧形成手段４３を設置す
るスペースも無くして装置全体をコンパクトに纏めるこ
とができると言う利点がある。

【００４０】〔実施例３〕この実施例にかかる回転ドラ
ム式濾過装置１は、図６に示すように、上記実施例２に
おける固定体７を枢支する枢支軸２２に組み込まれるジ
ェットポンプM.J.P を混気ジェットポンプM.J.P にした
ものである。即ち、上記実施例２と同様に、固定体７の
筒部材２０を枢支する枢支軸２２内に区画板４８で支持
される保護管３１を配設し、枢支軸２２の一端部に噴射
ノズル３２を取付け、この噴射ノズル３２の前方の枢支
軸２２との間に吸気管５０を設けた空気混合管５１を噴
射ノズル３２及び保護管３１と同心状に介在させて構成
したものである。

【００４１】また、混気ジェットポンプM.J.P から吐出
された水は、上記実施例１と同様に加圧ポンプ３０で加
圧される水を貯留した貯水タンク２７に還流させるよう
にしてあるが、貯水タンク２７の構造は還流口５２と加
圧ポンプ３０のストレーナ５３との間にバッフルプレー
ト５４を設けた構成にしてある。

【００４２】上記のように構成された回転ドラム式濾過
装置１の混気ジェットポンプM.J.Pは、噴射ノズル３２
から空気混合管５１に噴射されたジェット水流により空
気混合管５１と噴射ノズル３２との間に負圧を発生さ
せ、この負圧で吸気管５０から吸引された空気がジェッ
ト水流に混合されて混気ジェット流を形成し、この混気
ジェット流を空気混合管５１から保護管３１に噴射させ
る。この保護管３１に噴射された混気ジェット流によ
り、保護管３１を支持する区画板４８と空気混合管５１
との間に負圧が形成されるようになっている。

【００４３】この時、空気混合管５１から噴射された混
気ジェット流が保護管３１の内周面部分との間で生じる
摩擦や粘性等によりその勢いが減衰しようとするのを混
気ジェット流に含まれる空気がクッション作用をした
り、絶縁作用をして混気ジェット流の勢いが減衰するの
を防止するので、混気ジェット流の勢いは良好に保た
れ、常に高い負圧を形成することができると言う利点が
ある。

【００４４】尚、上記各実施例では、濾過面を形成した
回転体と、回転体を支持し回転体の内部の負圧作用空間
を減少させる固定体とで回転ドラムを形成するようにし
てあり、こうしたものでは負圧作用空間が狭隘に形成さ
れ、負圧作用空間の負圧が即座に立ち上がるので、濾過
面積や濾過時間を稼ぐために回転ドラムの径を大きく形
成したものでもその立ち上がり時間を大幅に短縮出来、
即座に濾過作業が行えると言う利点を有するが、本発明
では必ずしも固定体を必要とするものではなく、省略す
ることできるのは勿論である。

【００４５】

【効果】以上に説明したように本発明に係る回転ドラム
式濾過装置によれば、回転ドラムの周面に形成する濾過
面を回転ドラムの回転方向に断面が逆三角形状の線条を
捲回し、回転ドラムの回転方向に連続するスリットで形
成してあり、このスリットに吸着された固塊物が掻き落
とし手段で一瞬のうちに剪断されないような固いもので
も、回転ドラムの回転で固塊物が掻き落とし手段で押さ
れながらスリットを摺動する時に逆三角形状の線条のエ
ッジで徐々に切断されたり掻き落とされるので、掻き落
とし手段及び回転ドラムの回転駆動装置には従来のよう
な剪断時の衝撃的な力が作用せず、回転ドラムの回転駆
動装置の駆動力は小型のものにすることができる上、掻
き落とし手段の摩耗も少なく、耐久性を大幅に向上させ
ることができると言う利点がある。

【００４６】しかも、断面が逆三角形状の線条を捲回し
てスリットを形成してあり、このスリットが回転ドラム
の内方で広がる形状になっていることから、濾過面から
突出する部分が掻き落とし手段で切断された固塊物はス
リットから回転ドラムの内方に即座に吸引されるので、
濾過面のスリットが目詰まりすることがなく、回転ドラ
ム式濾過装置を長時間に亙って連続して稼働させること
ができ、その稼働効率を大幅に向上させることができる
と言う利点もある。

【００４７】また、スリットの幅が２mm以下に設定して
あるので、回転ドラムの内方に吸引された固塊物は固塊
物の大きさも２mm以下の細かいものとなり、吸引口から
吸引された濾過済み液には２mm以下の微小な固塊物が含
まれるが、負圧形成手段のジェットポンプ内を通過し吐
出口から排出される時、この濾過済み液に含まれる固塊
物のためにジェットポンプ内が損傷することはないので
ある。

【００４８】従って、ジェットポンプ等の負圧形成手段
が磨滅したり性能が低下することが無く、従来のような
大きな固塊物を分離するための大容量のレシーバータン
クを省略し、濾過装置を連続して稼働させて稼働効率を
向上させることができるという利点もある。また、大容
量のレシーバータンクを省略することができることか
ら、装置全体を設置面積の小さい小型なものに纏めるこ
とができると言う利点もある。

【００４９】加えて、負圧形成手段のジェットポンプ内
を通過し吐出口から排出される濾過済み液には２mm以下
の微小な固塊物が含まれるが、この濾過済み液に含まれ
る固塊物のためにジェットポンプ内が損傷することはな
いので、負圧形成手段を貯留槽と貯留槽内の液体を吸引
して加圧する加圧ポンプと、加圧された液体を噴射して
負圧を形成するジェットポンプで構成したり、ジェット
ポンプを、回転ドラムを枢支する枢支軸内に形成して負
圧形成手段を構成したものでは、この負圧形成手段部分
が損傷した場合、この部分の修理や取り替えに多大の手
間と時間を要するが、濾過済み液に含まれる固塊物のた
めにジェットポンプ内が損傷することはないのでメンテ
ナンスを極めて容易なものにすることができると言う利
点がある。

【００５０】更に、ジェットポンプを、加圧された液体
を噴射して負圧を形成し、この形成された負圧で空気を
吸引して混気ジェット流を形成するとともに、この混気
ジェット流で回転ドラム内に供給される負圧を形成する
混気式ジェットポンプで負圧形成手段を構成するように
したものでは、混気ジェット流に混入された空気のクッ
ション作用や混気ジェット流とこれを拘束して流送案内
する部分との間の摩擦の絶縁作用をするので、ジェット
流が負荷の変動や周囲の側壁との粘性及び摩擦等により
その勢いが低下しようとするのを防止するので小型のも
のでも常に高い負圧を形成することができると言う利点
もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１に係る回転ドラム式濾過装置の１部切
欠き正面図である。

【図２】実施例１に係る回転ドラム式濾過装置の縦断側
面図である。

【図３】濾過面を形成するスリット部分の斜視図であ
る。

【図４】濾過面を形成するスリット部分の縦断面図であ
る。

【図５】実施例２に係る回転ドラム式濾過装置の縦断正
面図である。

【図６】実施例３に係る回転ドラム式濾過装置の縦断正
面図である。

【図７】従来例に係る回転ドラム式濾過装置の概略を示
す側面図である。

【図８】従来例に係る濾過面部分の斜視図である。

【符号の説明】

１・・・回転ドラム式濾過装置２・・・濾過面４・・・回転ドラム６・・・貯留槽８・・・負圧作用空間９・・・負圧供給装置１５・・・スリット２２・・・枢支軸２６・・・吸引口３０・・・加圧ポンプ３３ａ・・・吐出口４３・・・負圧形成手段 M.J.P ・・・ジェットポンプＳ・・・スリットの幅

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ０２Ｆ 11/12 Ｄ 7446−4Ｄ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】周面に濾過面を形成した略円筒形の回転ド
ラムと、内方に処理液を貯留しその処理液が濾過面に接
する状態で設けられた貯留槽と、負圧形成手段で形成さ
れた負圧を回転ドラム内に供給する負圧供給装置と、回
転ドラムの周面に形成された吸着物を掻き落とす掻き落
とし手段とを備え、濾過面は断面が逆三角形状の線条を
枠体にドラムの回転方向に捲回し、隣合う線条間に濾過
面のスリットを形成するとともに、スリットの幅を２mm
以下に設定したことを特徴とする回転ドラム式濾過装
置。
【請求項２】負圧形成手段が貯留槽と貯留槽内の液体を
吸引して加圧する加圧ポンプと、加圧された液体を噴射
して負圧を形成するジェットポンプとからなり、該ジェ
ットポンプで形成された負圧を供給する吸引口を回転ド
ラムの内部に開口させて負圧供給装置を形成したことを
特徴とする請求項１に記載の回転ドラム式濾過装置。
【請求項３】負圧形成手段が、加圧された液体を噴射し
て負圧を形成し、形成された負圧で空気を吸引して混気
ジェット流を形成し、該混気ジェット流で回転ドラム内
に供給される負圧を形成する混気式ジェットポンプであ
る請求項２に記載の回転ドラム式濾過装置。
【請求項４】負圧形成手段のジェットポンプを、回転ド
ラムを枢支する枢支軸内に形成したことを特徴とする請
求項２または請求項３に記載の回転ドラム式濾過装置。
【請求項５】吸引口から吸引された濾過済み液を負圧形
成手段のジェットポンプ内を通過させて吐出口から排出
するように構成したことを特徴とする請求項２乃至請求
項３のいずれか１項に記載の回転ドラム式濾過装置。