JPH07116324B2 - 高硬度ゴム組成物 - Google Patents

高硬度ゴム組成物

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JPH07116324B2
JPH07116324B2 JP60242978A JP24297885A JPH07116324B2 JP H07116324 B2 JPH07116324 B2 JP H07116324B2 JP 60242978 A JP60242978 A JP 60242978A JP 24297885 A JP24297885 A JP 24297885A JP H07116324 B2 JPH07116324 B2 JP H07116324B2
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rubber
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kneading
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隆司 有吉
隆夫 林
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高硬度ゴム組成物に関する。詳しくは、粉末ゴ
ムと高硬度ゴム用充填剤を混合して成る組成物で、極め
て優れた混練性及び加圧成形性を有する。そして、本発
明の組成物は高硬度ゴム製品が要求される分野、例え
ば、土木,建築,自動車,電気等の広い範囲の分野に使
用される。
(従来の技術) 従来、高硬度ゴムの製造は従来からあるベール状ゴムあ
るいはチップ状ゴムに高硬度ゴム用充填剤を混練機、例
えば練りロール機,インターナルミキサー,双腕形ニー
ダー等を用いて混練し、次に加圧成形,加硫を行って得
る方法が採用されている。
しかしながら、前記の混練において高硬度ゴム製品を得
るには、ゴムに多量の高硬度ゴム用充填剤を混練するた
めに混練に極めて長い時間を要する。あるいは混練中に
ゴムが多量の高硬度ゴム用充填剤により高いせん断力を
受けて発熱し、劣化するため得られる高硬度ゴム製品の
機械的物性が劣る。このために、混練中は常時混練機を
水で冷却して、ゴムの発熱を抑える等、極めて不経済な
方法で行う事を余儀なくされている。一方においては、
混練した混練物は多量の高硬度ゴム用充填剤を配合して
いるために混練物の粘度が高く、次の加圧成形、例え
ば、ロール成形機,押出成形機,圧縮成形機,カレンダ
ーロール等での加圧成形に於いて、混練物の流れが悪
く、複雑、且つ満足する形状の高硬度ゴム製品は得られ
ない。
このために、これら複数の問題点を解決した高硬度ゴム
用組成物の出現が強く望まれているのが実状である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、上記問題点の解決と要望に答えるべく、
鋭意研究の結果、本発明を完成したものである。
本発明は上述したゴムに多量の高硬度ゴム用充填剤を混
練する場合の問題点である製造経費の面を軽減し、得ら
れる高硬度ゴム製品の機械的性質を損なう事なく混練で
き、優れた加圧成形性を有し、複雑且つ満足する形状の
高硬度ゴム製品を得ることのできる高硬度ゴム組成物に
ある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の高硬度ゴム組成物は近年開発された化学的方法
により得られる100℃におけるムーニー粘度が5以上30
以下の粉末ゴムに高硬度ゴム用充填剤を添加混合して得
られることを特徴とする。そして得られた高硬度ゴム組
成物は、一般のゴム加工工程で、混練,加圧成形,加硫
され高硬度ゴム製品として使用される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物で特徴的なことは、100℃におけるムー
ニー粘度(以下、100℃におけるムーニー粘度をムーニ
ー粘度と云う)が5以上30以下の化学的方法により得ら
れた粉末ゴムを使用することにある。
一般に、粉末ゴムは物理的方法あるいは化学的方法によ
って製造される。物理的方法によって製造される粉末ゴ
ムとしては、ベール状ゴムあるいはチップ状ゴムを粉
砕,破砕により粉末化したゴム、ゴムテラックスをスプ
レー乾燥,フラッシュ乾燥,冷凍法等により粉末化した
ゴムがある。化学的方法によって製造される粉末ゴムと
しては、凝固,共沈,マイクロカプセル法あるいはポリ
マーイオンコンプレックス等により粉末化したゴムがあ
る。本発明で使用される粉末ゴムは化学的方法により製
造される粉末ゴムであり、特に好ましくはポリマーイオ
ンコンプレックス法により粉末化したゴムで、ムーニー
粘度が5以上30以下の粉末ゴムである。物理的方法によ
り粉末化したムーニー粘度が30以下の粉末ゴムは、粉末
化直後は粉末状であるが、凝集を起すため粉末ゴムとし
て使用し得ない。本発明の組成物に使用される粉末ゴム
の粒径は特に制限されるものではないが、好ましくは3m
m以下、更に好ましくは2mm以下であって、粒径が3mmを
越えると混練機により混練に長時間を要し好ましくな
い。
本発明で云う化学的方法によって得られる粉末ゴムとし
ては、天然ゴム,ポリクロロプレンゴム,アクリロニト
リル−ブタジエン共重合ゴム,ポリイソプレンゴム,エ
チレン−プロピレン共重合ゴム,ポリブタジエンゴム,
スチレン−ブタジエン共重合ゴム,クロロスルホン化ポ
リエチレン,エピクロルヒドリンゴム等の粉末ゴムが挙
げられる。これらの化学的方法によって得られる粉末ゴ
ムの製法の一例は、例えば、特開昭53−73244号の粉末
ゴムの製法を挙げることができる。これはアニオン性も
しくはノニオン性のゴムラテックスにアニオン性水溶性
高分子を混合し、次に該アニオン性水溶性高分子とコア
セルベーションを起生しうるカチオン性高分子、陽イオ
ン界面活性剤等を混合し、ゴムラテックスからゴム粒子
を分離した後、合成樹脂エマルジョンを添加混合し、脱
水乾燥すれば粉末ゴムが得られる。
本発明で云うムーニー粘度とは、日本工業規格JIS K 63
00(未加硫ゴム物理試験方法)に規定される試験装置及
び測定方法に基づいて測定される粘度を指す。そして本
発明に使用される粉末ゴムのムーニー粘度は5以上30以
下、好ましくは10以上20以下の粉末ゴムが使用される。
ムーニー粘度が5未満の化学的方法によって得られる粉
末ゴムは、前述した物理的方法によって得られるムーニ
ー粘度が30以下の粉末ゴムと同様に粉末化直後は粉末状
であるが、本発明の組成物を得る前に凝集し本発明の組
成物は得られない。またムーニー粘度が30を越える粉末
ゴムを使用して組成物を得た場合、次の混練に於て、混
練物のムーニー粘度が高くなり、ゴムが多量の高硬度ゴ
ム用充填剤により高いせん断力を受けて発熱するため
に、混練中は常時水で混練機を冷却しなければならず、
また混練物の加圧成形において複雑且つ満足する形状の
高硬度ゴム製品は得られない。すなわち、化学的方法に
よってのみ得られるムーニー粘度が5以上30以下の粉末
ゴムを使用することによって本発明組成物を得ることが
できる。
本発明で云う高硬度ゴム用充填剤とは、高硬度ゴム製品
に一般に配合される充填剤で、カーボンブラック,無機
補強剤,無機充填剤等を指す。例えば、カーボンブラッ
クにはチャンネルブラック,ファーネスブラック,サー
マルブラック,アセチレンブラック等、無機補強剤には
シリカ,塩基性炭酸マグネシウム,けい酸マグネシウ
ム,活性化炭酸マグネシウム,ハードクレー等、無機充
填剤には炭酸カルシウム,クレー,タルク,けい藻土,
けい砂,軽石粉等が挙げられる。これらは単独もしくは
混合して使用することが出来る。そして粉末ゴムに添加
混合される量は粉末ゴム100重量部当たり80〜800重量
部、好ましくは90〜600重量部、更に好ましくは100〜40
0重量部が添加混合される。80重量部未満では本発明の
組成物が目的とする高硬度ゴム製品は得られない。800
重量部を越えるとゴムの結合剤としての効果が小さくな
り、得られる高硬度ゴム製品の機械的性質が劣り、工業
的価値が小さくなる。
本発明の組成物の特徴は、粒状もくしは粉末であって、
本発明の組成物を得る方法としては、パウダーミキサー
が使用される。パウダーミキサーとしてはパドルミキサ
ー,マラーミキサー,タンブルミキサー,リボンブレン
ダー,高速ミキサー,攪拌翼形混合機等が挙げられる。
或いはゴムの混練に使用するインターナルミキサー,双
腕形ニーダー等も使用される。そしてこれらのパウダー
ミキサーにより粉末ゴムと高硬度ゴム用充填剤を混合す
ることにより得られる。また必要に応じてゴム用配合
剤、例えば、ゴム加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,粘
着付与剤,可塑剤,軟化剤等が適宜添加混合される。得
られた本発明の組成物は、練りロール機,インターナル
ミキサー,双腕形ニーダー等で混練される。混練に於い
て本発明の組成物は極めて短時間に混練が出来、混練物
の発熱もなく、且つムーニー粘度の低い混練物が得られ
る。この混練物を例えば、押出成形機により紐状に加圧
成形すると表面肌の美しい紐を得ることができる。また
本発明の組成物は混練機を使用せずそのまま加圧成形機
により加圧成形することもできる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明の高硬度ゴム組
成物は、高硬度ゴム製品を製造する場合の問題点であっ
た製造経費の面を軽減し、しかも加圧成形に於いて複雑
且つ満足する形状に加圧成形できることを特徴とする現
在まで類を見なかった組成物である。
(実施例) 以下実施例により本発明を説明するが、これら例示的な
ものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
なお、実施例1〜3で使用した粉末ゴムは、次に示す方
法により製造した。
窒素気流中でロジンカリ石けん4.0重量%、苛性ソーダ
0.4重量%、ホルムアルデヒド,ナフタレンスルホン酸
ソーダの縮合物0.4重量%を水100重量%に溶解し、次い
でn−ドデシルメルカプタン0.35重量%、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール0.1重量%を溶解したクロロ
プレン100重量%を加えて乳化し、40℃で過硫酸カリウ
ムの1%水溶液を滴下しながら重合を行った。重合は70
%転化率で停止させ、未反応クロロプレンを留去して乾
燥重量が35%のクロロプレン重合体ラテックスを得た。
次にこのラテックスを用いて、特開昭53−73244号の粉
末ゴムの製法に従って、粉末ゴムを次に示す方法により
製造した。
上記クロロプレン重合体ラテックス300gにアニオン性水
溶性高分子(カルボキシメチルセルロースナトリウム)
の1%水溶液1050gを加えて、均一溶液になるまで混合
し、10%の酢酸水溶液をゆっくり添加してpH6.3に調節
した。次いで、この混合溶液高級アミン(ポリオキシエ
チレン牛脂アルキルプロピレンジアミン)の酢酸塩2重
量%を含有する0.5%水溶液4200g中に室温下で攪拌しな
がら添加すると該重合体はただちに粉末状に分離した。
粉末分離後のpHは4.9であった。次いで、綿布で別,
洗浄後に遠心分離機で脱水すると手で容易に粉末になる
湿潤した重合体を得た。さらに流動乾燥機で、粒径が1m
mの粉末クロロプレンゴム(以下粉末CRと云う)を得
た。得られる粉末CRのムーニー粘度は8であった。
実施例4〜5及び比較例3に使用した粉末CRは実施例1
〜3に使用した粉末CRの上記粉末ゴムの製造において、
n−ドデシルメルカプタンの0.35重量%を0.30重量%に
変えた以外、上記と同様な操作により粉末CRを得た。得
られた粉末CRのムーニー粘度は20であった。
また、比較例2に使用した粉末CRは東洋曹達工業(株)
製、スカイプレンB−30のクロロプレンゴムラテックス
を乾燥重量が35%になるように調整し、次に上記に示し
た特開昭53−73244号の粉末ゴムの製法と同様な操作に
より粉末CRを得た。得られた粉末CRのムーニー粘度は53
であった。
実施例1〜3及び比較例1,2 実施例1は粉末CRを30lの攪拌翼形混合機に入れ、それ
に使用粉末CR100重量部当たり、ファーネスブラック
(旭カーボン(株)製 旭♯35)120重量部、亜鉛華5
重量部、酸化マグネシウム4重量部、老化防止剤2重量
部、エチレンチオウレア0.8重量部、ナフテン系オイル1
0重量部を添加し、常温で20秒間、850r,p.m.で回転翼を
回転し、組成物を得た。次に(株)東洋精機製作所製8
インチロールで、組成物をロールへ投入してから混練物
が得られるまでの時間の測定を行った。混練時間を表−
1に示す。次にその混練物を2mmシート成形用金型に充
填し、金型を180℃で2.5分間、50kg/cm2で加圧し、加圧
成形加硫を行った。得られた2mmシートの機械的性質及
び硬さを知るために、JIS K 6301に従って引張強さ及
び硬さの測定を行った。測定結果を表−1に示す。一方
に於いて、得られた混練物の流動性を知るために、混練
物のムーニー粘度の測定を行った。表−1に測定結果を
示す。
実施例2は実施例1のファーネスブラック120重量部を1
50重量部に変えた以外実施例1と同様な方法に従った。
実施例3は実施例1のファーネスブラック120重量部を2
00重量部に変えた以外実施例1と同様な方法に従った。
比較例1は実施例1の粉末CRをムーニー粘度が52のラッ
プ状CR(東洋曹達工業(株)製スカイプレンB−30)に
変え、表−1に示す比較例1の組成物を8インチロール
で混練して混練物を得た。混練中、混練物はロールへの
巻き付きが悪く、また混練物が高い発熱を示したので、
ロールを混練中は水で冷却した。混練に45分を要した。
比較例2は粉末CRを用いて、実施例2と同様な方法によ
り組成物を得て、次に、8インチロールで混練を行った
が、混練物はロールへの巻き付きが悪く、またロールを
水で冷却しても混練物は素手では持たないほど高い発熱
を示し、混練出来なかったので、混練を中止した。
表−1から、実施例1〜3の組成物は比較例1に比べ
て、極めて短い時間で混練できることが分かる。また実
施例1〜3は比較例1に比べ著しく低いムーニー粘度を
示しており、このことから加圧成形に於いて極めて優れ
た流動性を示すことは明らかで、これは化学的方法によ
ってのみ得られるムーニー粘度が5以上30以下の粉末CR
が混練物の流動性を増すことによると考えられる。そし
て実施例1〜3で得た2mmシートの引張強さは比較例1
に比べて明らかに高い値を示した。これは推測ではある
が、実施例1〜3の組成物は、ロールでの混練時間が短
く、また混練物のムーニー粘度が低いことにより、混練
に於いて混練物の発熱が小さく、ゴムの劣化が起こらな
かったものと考えられる。反面、比較例1は混練時間が
長く、また混練物のムーニー粘度が高いために混練中に
混練物が高い発熱を起こしゴムが劣化し、低い引張強さ
を示したものと考えられる。
実施例4,5及び比較例3 実施例4は実施例1のファーネスブラック150重量部を
サーマルブラック(旭カーボン(株)製アサヒサーマ
ル)30重量部と炭酸カルシウム(白石工業(株)製シル
バーW)300重量部に変えた以外、実施例1と同様な方
法に従った。
実施例5は実施例4の炭酸カルシウム300重量部を600重
量部に変えた以外、実施例4と同様な方法に従った。
比較例3は実施例4の炭酸カルシウム300重量部を1000
重量部に変えた以外、実施例4と同様な方法に従って混
練物を得ようとしたが、ロール混練に於いて混練物の発
熱が高く、また混練物のロールへの巻き付きが悪く、ロ
ール作業が困難であるため、混練を中止した。
表−1に示すように実施例4,5の組成物は短時間に混練
でき、その混練物のムーニー粘度は低く、且つ、得られ
る2mmシートは大きい引張強さを示した。比較例3のロ
ール混練で、混練物の発熱が高く、ロールへの巻き付き
が悪い原因として、高硬度ゴム用充填剤量が800重量部
を越えると、混練物の流動性に与えるゴムの効果が小さ
くなりムーニー粘度が異常に高くなること、および高硬
度ゴム用充填剤に対するゴムのバインダーとしての効果
が小さくなること等が考えられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凝固,共沈,マイクロカプセル法又はポリ
    マーイオンコンプレックスにより粉末化したゴムであっ
    て100℃におけるムーニー粘度が5以上30以下の粉末ゴ
    ム100重量部当り高硬度ゴム用充填剤80〜800重量部を添
    加混合して成る高硬度ゴム組成物。
JP60242978A 1985-10-31 1985-10-31 高硬度ゴム組成物 Expired - Lifetime JPH07116324B2 (ja)

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