JPH07116238B2 - 抗ガングリオシドGD1a単クローン性抗体MZ、これを産生する細胞及びこれから成る試薬 - Google Patents

抗ガングリオシドGD1a単クローン性抗体MZ、これを産生する細胞及びこれから成る試薬

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JPH07116238B2
JPH07116238B2 JP62221862A JP22186287A JPH07116238B2 JP H07116238 B2 JPH07116238 B2 JP H07116238B2 JP 62221862 A JP62221862 A JP 62221862A JP 22186287 A JP22186287 A JP 22186287A JP H07116238 B2 JPH07116238 B2 JP H07116238B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ガングリオシドGD1aに対する単クローン性
抗体、それを産生する細胞、及びそれから成る、ガング
リオシドGD1aの検出又は定量のための試薬に関する。
〔従来技術及びその欠点〕
従来ガングリオシドに対する単クローン性抗体として
は、GD1aに対するものは未知である。
糖脂質は細胞の発生、分化、癌化の研究において特に注
目を浴びている生体物質である。糖脂質の中でシアル酸
を含有するスフィンゴ糖脂質を総称して、特にガングリ
オシドと呼び、ガングリオシドGD1a(以下、単にGD1a
いう)もその1つである。
GD1aはヒト及び種々の動物において特に神経系組織に多
く存在する物質である。癌患者又は自己免疫疾患の1種
である全身性エリテマトーデス(以下SLEという)患者
の血中のガングリオシド組成が健常人のそれとは顕著に
異なることが報告されている(Journal of Biochemistr
y 98巻843頁 1985年)。すなわち、血中に免疫複合体
の形で存在するガングリオシドは、健常人ではその主た
るものがGM3であるのに対し、癌又はSLEの患者ではGM3
はほとんどみられず、代りにGM1やGD1aが主たるガング
リオシドである。従って、血中のGD1aを正確に定量する
ことができれば癌又はSLEにかかっているか否かを予想
することができる。
さらにGD1aはGM1等と共に脳神経系の主たるガングリオ
シドである。そのため脳神経系に脱髄等の器具的障害を
伴なう諸疾患が発現した場合には、GD1aが血液中や脳脊
髄液中へ移行することが想定される。そこで、それらに
おけるGD1aの濃度を定量することにより、器質的傷害を
伴なった脳神経系諸疾患にかかっているか否かをも予想
することができる。
GD1aの定量、同定及び精製のための手段として、従来の
化学的及び生化学的方法に加えて、GD1aに対する特異的
な抗体を用いる免疫学的方法が用いられるようになっ
た。従来、GD1aに対する抗体は、それを適当な担体及び
免疫アジュバントと共にウサギに免疫することにより得
られる抗血清由来のものが使用されてきた。それはいわ
ゆる多クーロン性抗体であり、作られる抗体のロット、
又は免疫に用いられる個体により特異性が必ずしも一定
していないので、その欠点のない単クローン性抗体の取
得が望まれていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本願発明者らは、鋭意研究の結果、従来技術では得られ
ていなかったGD1aに対して極めて特異的で高い抗体価を
有する抗GD1a単クローン性抗体を作製することに成功
し、この発明を完成するに至った。
すなわち、この発明は、GD1aのみを特異的に認識する抗
GD1a単クローン性抗体を提供する。
さらにまた、この発明は、GD1aで免疫化した動物由来の
抗体産生細胞と骨髄腫細胞との融合細胞であって、上記
抗GD1a単クローン性抗体を産生するハイブリドーマを提
供する。
また、この発明は、EBウイルスに感染したリンパ球に由
来し、上記抗GD1a単クローン性抗体を産生する細胞株を
提供する。
さらに、この発明は、上記抗GD1a単クローン性抗体から
成るガングリオシドGD1a検出又は定量用試薬を提供す
る。
〔発明の効果〕
この発明により、GD1aに対し、極めて特異的で高い抗体
価を有する抗GD1a単クローン性抗体が提供された。この
単クローン性抗体は、後の実施例において明らかになる
ように、GD1aに類似した糖鎖を有する他のガングリオシ
ドとは反応せず、GD1aに対して極めて特異的に反応す
る。従って、この発明の抗GD1a単クローン性抗体を用い
てGD1aを極めて感度良く定量することができる。従っ
て、この発明の単クローン性抗体を用いて血中のGD1a
感度良く定量することができるので、この発明の単クロ
ーン性抗体を含むこの発明の試薬により、被検者が癌又
はSLE、さらには脳神経系の器質的傷害を伴なう諸疾患
にかかっている蓋然性を感度良く知ることができる。さ
らにまた、この発明により、上記単クローン性抗体を産
生する新規な細胞が提供された。
〔発明の具体的説明〕
この明細書において、糖質、脂質の名称及び結合様式の
表示等は、この分野の研究における一般名あるいは慣用
名に従った。また用いた糖脂質の構造は末尾の第3表に
示した。
この発明の単クローン性抗体は、GD1aのみと特異的に結
合し、その特異性は極めて高い。すなわち、後の実施例
で明らかになるように、この発明の単クローン性抗体は
GD1aに対する抗体価が216以上と極めて高く、一方、GD
1aの糖鎖と類似の糖鎖又はそれを有する他の糖脂質、す
なわち、Ga1Cer、LacCer、Gb3、Gb4、GA2、GA1、GM3、GM2、GM
1、GD1b、GT1b、GQ1b、Fuc-GM1、nLc4及びシアロシルnLc
4(ただし、Galはガラクトース、Cerはセラミド、Lacは
ラクトース、FUCはフコース、nLc4はパラグロボシドを
示す)に対しては実質的に特異的な反応を示さず、その
抗体価は22以下である。
この発明の単クローン性抗GD1a抗体MZは、以下単にMZと
略称するが、GD1aで免疫した哺乳動物の抗体産生細胞と
骨髄腫細胞との融合におりハイブリドーマを作る方法
(以下ハイブリドーマ法と呼ぶ)又は、ヒトのBリンパ
球にEBウイルス(以下、EBVという)を感染させて形質
転換を起こさせる方法(以下EBV形質転換法と呼ぶ)の
いずれによっても作製することができる。すなわち、上
記の方法で増殖性を与えられた抗体産生細胞から抗GD1a
抗体を産生するクローンのみを選別し、単クローンとし
た後、これにより上記特性を有する単クローン性抗体を
分離することにより製造することができる。
ハイブリドーマ法について次に詳細に説明する。この発
明において、ハイブリドーマの作製は、公知の方法、例
えばNature 256巻、495頁、1975年に記載の方法又はそ
の変法(Journal of Experimental Medicine 150巻、10
08頁、1979年)等に準じて行なうことができる。
免疫原として用いるGD1aを調製する動物種及び臓器は特
定されないが、一般にはGD1aはそれを多量に含有する、
例えばウシのような動物の脳から調製される。この明細
書で後に記載される実施例及び試験例で使用されたGD1a
も、特に断らない限り、ウシ脳から公知の方法で分離、
精製されたものである。また、免疫原としては、精製GD
1aに加えて、それを表面に有する種々の細胞、さらには
GD1aの抗原決定基である糖鎖部分を含有する物質又は細
胞のいずれを用いてもよい。
GD1aを免疫する哺乳動物の種類は特に限定されないが、
細胞融合に使用する骨髄腫細胞との適合性を考慮して選
択するのが望ましく、一般にはヒト、マウス、ラット又
は場合によってはウサギ等が使用される。
GD1aの免疫にはin vivo及びin vitroの方法のいずれも
が使用できる。in vivoの免疫の場合はGD1aを生理食塩
液、リン酸緩衝液(以下PBSという)等に適当濃度に希
釈後、これを動物に静脈内、皮下内又は腹腔内注射等に
より投与すればよい。より具体的に述べると、例えば精
製したGD1aを用いる場合には、これをPBS等で適当濃度
に希釈し、サルモネラ菌ミネソタ株、ウシ血清アルブミ
ン(以下BSAと略)等の通常用いられる担体と共に、こ
れを動物に4〜14日毎に数回から十数回投与し、動物1
個体の総投与量が10〜300μg程度になるようにするの
が好ましい。また、in vivoの免疫に膜成分又は細胞自
体を用いる場合も同様にして行なわれ、例えば膜成分を
用いる場合は総投与量が1〜100mg/個体、細胞自体を用
いる場合は総投与量が106〜109個/個体となるようにす
るのが好ましい。この場合、必要に応じては適当な免疫
アジュバンド、例えばフロイントの完全アジュバンドを
用いることができる。このin vivoの免疫の場合、抗体
産生細胞は、脾細胞、リンパ節細胞、腹腔内リンパ球、
又は末梢血リンパ球のいずれであってもよいが最終免疫
4日後の脾細胞を用いるのが最も好ましい。
また、in vitroの系における免疫の場合には、いわゆる
in vitro感作の方法を用いることができる。これは脾細
胞、リンパ節細胞、腹腔内リンパ球及び末梢血リンパ球
のうちから適宜選ばれたリンパ球を免疫原であるGD1a
共に約1週間in vitroで培養することにより、GD1aに対
する抗体産生細胞を出現させることを意図したものであ
る。この場合、GD1aが精製品であれば細胞培養培地に溶
解させるか、あるいはヒツジ赤血球、リポソーム又はサ
ルモネラ菌ミネソタ株等の適当な担体に吸着させて、リ
ンパ球と共に培養する。また、GD1aを含有する細胞自
体、又はその膜成分を免疫原とする場合は、培地に溶解
又は懸濁させ、リンパ球と共に培養する。また、細胞自
体を用いる場合は、マイトマイシン処理又は放射線照射
等の処理を行なった後に、リンパ球と培養することが望
ましい。リンパ球の培養用培地はPRMI 1640、ダルベッ
コーのMEM(以下、D−MEMという)等のリンパ球培養に
通常使用されるものであれば、いずれを用いてもかまわ
ないが、それらは使用時にウシ胎児血清(以下FCSとい
う)を5〜20%の濃度に添加することが望ましい。ま
た、培地には必要に応じて2−メルカプトエタノール
(以下2−MEという)及びポークウィードマイトジェン
(以下PWMという)をそれぞれ5×10-5M及び5〜30μg
/mlの最終濃度に加えておくと、効率良くGD1aのin vitr
o感作を成立させることができる。
リンパ球の培養時の細胞濃度は、培養に用いる器具によ
っても異なるが、一般には106〜107個/mlが好ましい。
免疫原である精製GD1a、GD1ae含有細胞及びその膜成分
は、それぞれ1〜20μg/ml、1〜100mg/ml、及び0.1〜1
0mg/mlの最終濃度で使用することが好ましい。
続いて、上記のようにin vivo又はin vitroの系での免
疫により得られた抗体産生細胞と骨髄腫細胞を融合す
る。
骨髄腫細胞としては、既に公知の種々の細胞、例えばマ
ウスにおけるNS−1、P3、P3-U1、X45、X63.6.5.3.、SP
2、ラットにおけるY3、Ag1.2.3等を使用することができ
る。
細胞融合は公知の方法に準じて行なうことができ、例え
ば融合促進剤含有培地中に保温することにより行なわれ
る。
融合促進剤としては、例えばポリエチレングリコール
(以下PEGという)、センダイウイルス等が使用され、
さらに融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等
の補助剤を添加することができる。
リンパ球と骨髄腫細胞との使用比は一般の方法と変りが
なく、例えば骨髄腫細胞に対しリンパ球を約1〜10倍程
度用いればよい。
上記融合時の培地としては、細胞培養に利用される通常
の各種培地が利用でき、通常はFCSなどの血清を抜いて
おくことが好ましい。
融合は、上記免疫細胞と骨髄腫細胞の所定量を上記培地
内でよく混ぜ、遠心後上清を除去し、予め37℃程度に加
温したPEG溶液(PEGは例えば平均分子量1000〜6000程度
のものを使用)を、通常、培地に約30から60w/v%の最
終濃度で加えて混合することにより行なわれる。以後、
適当な培地を逐次添加して遠心し、上清を除去する操作
を繰り返すことによりハイブリドーマが形成される。
所望のハイブリドーマの分離は、上記細胞融合の細胞
を、通常のハイブリドーマ選択用培地で培養することに
より行なわれる。前記した骨髄腫細胞株はヒポキサンチ
ングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPR
T)欠損株であり、従つて、HAT培地(ヒポキサンチン、
アミノプテリン及びチミジンを含む培地)中では生育で
きない。それ故、HAT培地中で増殖してくる細胞を選択
すればよい。該HAT培地での細胞の培養は、目的とする
ハイブリドーマ以外の細胞が死滅するのに十分な時間、
通常数日から数週間を行なえばよい。
このようにして得られるハイブリドーマは通常のクロー
ニング方法、例えば限界希釈法又は軟寒天法を用いて、
目的とする抗体産生株の検索及び単クローン化が行なわ
れる。
該抗体産生株の検索は、例えばELISA法(Japanese Jour
nal of Experimental Medicine 51巻、309頁、1981年)
及びプラーク法、凝集反応法、オクターロニー法、RIA
法等の一般に抗体の検出に用いられている種々の方法に
よって行なわれる。
このようにしてハイブリドーマ法により単クローン性抗
GD1a抗体産生細胞株が得られる。
次にEBA形質転換法による単クローン性抗GD1a抗体の作
製について述べる。本法はヒトBリンパ球にEBVを感染
させると、その各々のBリンパ球において増殖のみなら
ず、抗体産生が引き起こされるという原理に基づくもの
である。その場合、EBVは特定のBリンパ球のクローン
のみに働いて上記の効果をもたらすのではなく、基本的
には全てのクローンに働き、それらに増殖及び抗体産生
を引き起こすのである。それ故、本法ではヒトBリンパ
球にEBVを感染させた後、所望の抗体を産生するクロー
ンのみを選別し、これを用いて所望の単クローン性抗体
を得ることができる。
この方法によるヒトリンパ球の形質転換は、公知の方
法、例えばNature 267巻、52頁、1979年に記載の方法等
に準じて行なうことができる。
Bリンパ球を得る臓器は、それがリンパ系臓器であれば
特に限定されないが、ヒト由来の材料という特殊性を考
慮すると、一般には健常人の末梢血リンパ球が用いられ
る。
ウイルス源としてはEBV持続産生細胞、例えばEBV感染マ
ーモセット白血球細胞株であるB−95−8細胞(Procee
dings of the National Academy of Science of USA 70
巻、190頁、1973年)の培養上清等を用いることができ
る。
この方法では、先ずBリンパ球をEBVに感染させるので
あるが、この場合、リンパ球画分からBリンパ球のみを
特に分離する必要はなく、常法に従って得られるリンパ
球にEBVを感染させればよい。
先ず、リンパ球のペレットにウイルス液をリンパ球1×
107個に対して10ml程度加えて混合し、37℃、5%CO2
条件下で1時間保温し、リンパ球をEBVに感染させる。
このようにして得られた感染リンパ球を細胞培養用培地
に分散し、2〜5週間、37℃、5%CO2の条件下で培養
する。
培養用培地は特に限定されず、RPMI 1640、D−MEM等の
通常のリンパ球培養用のものであればいずれも用いても
かまわないが、それらに使用時にFCSを10〜20%の濃度
に添加することが好ましい。また、その培地には0.5〜1
mg/mlの最終濃度にグルタミンを加えるさらに効率良く
細胞を増殖させることができる。
このようにして得られる形質転換Bリンパ球は、前記ハ
イブリドーマ法の場合と同様な方法で、目的とする抗体
産生株の検索及び単クローン化が行なわれる。
該抗体産生株の検索は、ハイブリドーマ法の場合と同
様、ELISA法、RIA法等の一般に抗体の検出に用いられて
いる種々の方法で行なうことができる。
このようにして、EBV形質転換によってもMZを産生する
細胞株を得ることができる。
上記のこの発明のMZを産生する細胞株は、その取得法が
ハイブリドーマ法又はEBV形質転換法のいずれであって
も、通常の培地で継代培養が可能であり、また、液体窒
素中で容易に長期保存が可能である。
本願発明者は、MZ産生株の一例として、後述の実施例1
で得られたハイブリドーマHbMZ−1を「MZ−1」の名称
で財団法人発酵研究所(大阪市淀川区十三本町2−17−
85)に寄託している(受入番号IFO 50134)。
上記のようにして得た特定の細胞株からこの発明のMZを
得るには、それらの細胞株を常法に従って大量培養し、
その培養上清から分離する方法、あるいは、それらの細
胞株をそれと適合性のある哺乳動物に投与し増殖させ、
その血清又は腹水から分離する方法を採用することがで
きる。
この発明のMZは、GD1aのみを特異的に極めて高感度に認
識するので、GD1aの高感度検出又は定量試薬としての用
途を有する。上記したように、癌患者又はSLEという患
者の血中のガングリオシド組成が健常人のそれとは顕著
に異なることが報告されている(Journal of Biochemis
try 98巻 843頁 1985年)。従って、この発明のMZは
また、ガン及びSLE診断試薬としての用途を有する。
MZから成るこの発明の定量試薬を用いたGD1aの免疫学的
同定及び定量は、一般の生体内物質の免疫学的定量の場
合と同様な方法で行なうことができる。その方法は特に
限定されないが、例えば、ラジオイミュノアッセイ(RI
A)、ELISA、薄層クロマトグラフィー(以下、TLCとい
う)−免疫染色、又は免疫組織化学等が使用できる。ま
た、RIA及びELISAでは、いわゆる競争法又はサンドウィ
ッチ法等が使用できるが、それらに限定されるものでは
ない。
それらの限定されるものではない。
さらに、この発明の試薬を用いたGD1aの免疫学的同定及
び定量は、癌患者、SLE患者、及び脳神経系に器質的傷
害を有する患者血中のGD1aのみに適用されるものではな
く、広く、ヒト及び各種実験材料の血中、体液中、臓器
中又は排泄物中GD1aにも適用可能であることは言うまで
もない。
また、後述の試験例3で示されるように、この発明のMZ
は、他の糖脂質に対する単クローン性抗体と同様に、そ
れにより認識されるエピトープはGD1aの糖鎖構造であ
る。従って、この発明の試薬は、GD1aのみならず、GD1a
の糖鎖構造を有する分子の検出及び定量にも有用であ
る。
後述の試験例4で明らかになるように、癌患者及びSLE
患者の体液中のGD1a濃度は上昇するが、その変化は正常
状態に比して、せいぜい数倍から10数倍程度である。こ
の程度の変化は、従来の多クローン性抗体を用いては感
度良く検出することができなかった。また、従来の化学
的分析による場合には、ガングリオシドが大量に必要で
あるので、例えば上記Journal of Biochemistry 98巻
843頁 1985年では患者の血液を体外回路により固定化
プロテインAカラムに通じさせ、そのカラムに免疫グロ
ブリンGをガングリオシドとの免疫複合体の形で吸着さ
せた後、その複合体を回収し、ガングリオシドを得てい
る。しかしながら、体外回路を形成してこれに血液を循
環させるようなことは癌患者のように体力の低下した者
に対して頻繁に行なうことは実際上不可能である。
この発明の試薬は、感度が極めて高いので、患者から微
量の血液を採取してGD1aの定量を行なうことができる。
従って、この発明により、癌及びSLEの実用的な診断が
初めて可能になった。
〔発明の実施例〕
実施例1 精製したGD1a100μgとホルマリン処理サルモネラ菌ミ
ネソタ株(ATCC 9700)400μgを40℃に保温した生理食
塩液4mlに加え、よく攪拌し、均一な懸濁液とした。得
られた懸濁液を、マウス及びラットに4日毎に1回当り
GD1a10μg含有分づつ、合計4〜15回静脈内投与した。
最終投与の4日後に脾臓を摘出し、脾細胞3×108個とN
S−1マウス骨髄腫細胞(ATCC TIB18)3×107個を50%
ポリエチレングリコール存在下で細胞融合を行なわせ
た。このハイブリドーマを96ウェル平底の培養用プラス
チックプレート(ファルコン(登録商標))に分注し、
HAT培地を含む10%FCS添加D−MEM培地中で37℃、5%C
O2の条件下で培養した。ハイブリドーマの増殖が認めら
れたウェルについて、以下に記載するELISA法を用い
て、培養上清中の抗GD1a抗体の存在の有無を検索した。
ELISA法は96ウェルプラスチックプレート(ファルコン
(登録商標))を用い、先ずエチルアルコールに10μg/
mlの濃度に溶解したGD1a液0.05mlずつを各ウェルに分注
し、溶媒を自然蒸発させ、GD1aをプレートに吸着させ
た。その各ウェルに一次抗体としての被検培養上清を反
応させ、よく洗浄の後、二次抗体としてのパーオキシダ
ーゼで標識された抗マウス免疫グロブリン抗体(免疫動
物にマウスを用いた場合)、又は抗ラット免疫グロブリ
ン抗体(免疫動物にラットを用いた場合)を反応させ
た。
引き続き2,2′−アジノビス(3−エチルベンズ−チア
ゾリンスルフォン酸)の2アンモニウム塩(以下ABTS)
を基質としたパーオキシダーゼ反応を行なわせ、各ウェ
ルの発色度を肉眼で、あるいは96ウェルELISA用自動光
度計(波長414nm)を用いて読み取った。
培養上清中に抗GD1a抗体価が認められたウェルのハイブ
リドーマは、さらに限界希釈法でクローニングを行な
い、単クローンとした。
このようにして得られた単クローン性のハイブリドーマ
はプラスチック培養フラスコで大量培養を行ない、所望
の単クローン性抗GD1a抗体産生細胞株を得た。これらの
細胞株を免疫抑制剤のプリスタン(2,6,10,14−テトラ
メチルペンタデカン、アルドリッチ社製)で前処理した
ヌードマウスに移植し、得られた腹水から50%飽和硫酸
アンモニウム法により抗体を精製した。
このようにして、単クローン性抗GD1a抗体を得ることが
できこのものをMZと命名した。後述の試験例で抗体とし
て用いたMZは、マウス由来の単クローン性GD1a抗体であ
るMZ−1及びラット由来のものであるMZ−2を用いた。
また、このようなMZを産生するハイブリドーマをHbMZと
命名し、この実施例のマウス細胞を用いたハイブリドー
マをHbMZ−1、ラット細胞を用いたものをHbMZ−2と付
番した。
実施例2 ヒト末梢血から、フィコールパック(ファルマシア社登
録商標)を用いて常法通りリンパ球(単核細胞)を調製
した後、培地に1×107/mlの濃度に懸濁した。
培地は10%FCS添加RPMI 1640培地を用い、使用時に、さ
らに2−ME及びPWMをそれぞれ5×10-5M、及び30μg/m
lの最終濃度に含有させて使用した。続いて、マールブ
ルック型培養瓶(Lancet 2巻、1279頁、1967年)の内筒
に1×107/mlの濃度のリンパ球懸濁液を1ml、外筒にPWM
を含まない培地10mlをそれぞれ加え、内筒液と外筒液の
境界に透析チューブを張った。
GD1aは内田らの方法(Journal of Biochemistry 87巻、
1829頁、1980年)に準じて作製した卵黄レシチン及びコ
レステロールから構成されるリポソームに取り込ませ、
5μg/mlのGD1aの最終濃度で培養瓶の内筒に加えた。
かくして、リンパ球をGD1aと共に37℃、5%CO2の条件
下で6日間培養した。続いて、実施例1に記載したもの
と同様な方法でマウス骨髄腫細胞NS−1との細胞融合及
びMZ産生ハイブリドーマのクローニングを行ない、MZ産
生株1クローンを得、これにはHbHZ−1と付番した。
なお、本実施例の場合、ELISA法における二次抗体はパ
ーオキシダーゼ標識抗ヒト免疫グロブリン抗体を用い
た。
実施例3 先ず、EBVを持続的に産生放出しているB−95−8細胞
(ATCC CRL1612)を、グルタミンを0.86mg/mlの最終濃
度に含有し、さらに20%FCSが添加されたRPMI 1640培地
(以下、完全培地と呼ぶ)中に3×105/mlの濃度に懸濁
し、37℃、5%CO2の条件下で培養した。7日後に得ら
れる培養上清を以下に使用するウイルス液とした。
続いて、常法に基づき、フィコールパック(登録商標)
を用いて得られたリンパ球のペレットにウイルス液を、
リンパ球1×107個に対し10mlの割合で加え、混合し、3
7℃、5%CO2の条件下で1時間保温した。このEBV感染
リンパ球を2×105〜6×105/mlの濃度で完全培地に懸
濁し、それを平底の96ウェル培養用プラスチックプレー
ト(ファルコン(登録商標))の各ウェルに0.1mlづつ
分注し、37℃、5%CO2の条件下で培養を開始した。そ
の4日後に各ウェル当り0.1mlづつ新鮮な完全培地を加
えた。その後、3〜4日毎に培養上清の半量を新鮮な完
全培地と交換し、培養を継続した。2〜4週間後、細胞
増殖のみられたウェルの培養上清中の抗GD1a抗体価を前
記実施例1で述べたELISA法を用いて測定した。なお、
この場合、二次抗体は、パーオキシダーゼ標識抗ヒト免
疫グロブリン抗体を用いた。
上清中に抗GD1a抗体価の認められたウェルの細胞を24ウ
ェル培養プレート、6ウェル培養プレート、6cmプラス
チックディッシュの培養上清中に抗GD1a抗体価の認めら
れたものについて、常法に従って軟寒天法でクローニン
グを行ない、単クローン性の抗GD1a産生細胞株1クロー
ン得、これを細胞株HZ−1と命名した。
この細胞株を大量培養して得られる培養上清から、50%
飽和硫酸アンモニウム沈殿法により本発明のMZを得、こ
れにMZ−3と付番した。
試験例1 実施例1で得られMZ−1及びMZ−2の免疫グロブリン抗
体のクラスをELISA法により決定した。すなわち各MZに
パーオキサシダーゼで標識されたマウス免疫グロブリン
の各クラスに対する抗体を反応させ、続いてABTSを基質
としてパーオキシダーゼ反応を行なわせた。
その結果、MZ−1及びMZ−2は、いずれもIgMのクラス
に属するものと判明した。
試験例2 実施例1及び3で得られた各MZの種々の糖脂質に対する
反応性をELISA法を用いて検討した。用いた糖脂質はGD
1aの他に、類縁構造を有するGalCer(ウシ脳由来)、La
cCer(ウシ脳由来)、Gb3(ヒト赤血球由来)、Gb4(ヒ
ト赤血球由来)、GA2(ウシ脳由来)、GA1(ウシ脳由
来)、GM3(ウシ脳由来)、GM2(ウシ脳由来)、GM
1(ウシ脳由来)、GD1b(ウシ脳由来)、GT1b(ウシ脳
由来)、GQ16(ウシ脳由来)、Fuc−GM1(ラット赤血球
由来)、nLc4(ヒト赤血球由来)、及びシアロシルnLc4
(ウシ赤血球由来)である(構造は末尾の第3表に示
す)。各糖脂質に対する抗体価は、ELISAで発色が肉眼
で認められる最大の希釈倍数(以下2の累乗の形で表わ
す)で示した。
その結果は、各MZのいずれもがGD1aに対し高い抗体価を
示した。即ち、実施例1により得られたMZではGD1aに対
する抗体価は218であり、同実施例3のもので216であっ
た。しかしながら、その他の糖脂質に対しては、いずれ
の抗体も反応しなかった(抗体価は、全て22以下)。
試験例3 上記各実施例で得られた各MZの糖脂質特異性をTLC−免
疫染色法を用いてさらに検討した。本法はシリカゲルの
TLCで糖脂質を分画した後、ELISA法と同様の原理を用い
て、その薄層プレート上で免疫染色を行なうものであ
る。この方法では、糖脂質検出の感度は非常に高く、か
つ、各糖脂質に微量混入する物質への反応を否定できる
利点がある。それ故、糖脂質に対する抗体の特異性を検
討するには、最も優れた方法の1つとして現在この分野
の研究で汎用されている。
本実施例では、東らによって報告された方法(Journal
of Biochemistry 95巻、1517頁、1934年)に準じてTLC
−酵素免疫染色を行なった。
先ず、GD1aを始めとする各糖脂質(由来は試験例2の項
に記載に同じ)をシリカゲルの薄層プレート(マッヘラ
イ・ナーゲル社製、ポリグラム・シルG)にスポットし
た。
クロロホルム−メチルアルコール−0.25%塩化カリウム
(50:40:10、v/v)の溶液を溶媒として約25分間の展開
を行なった。展開後の各糖脂質の位置をオルシノールに
より求めた。
オルシノール反応用と並行して免疫染色用の展開を同時
に行ない、以下の方法で染色した。先ず、展開後の薄層
のプレートに1次抗体として実施例1及び実施例3で作
製した各MZ又は多クローン性抗GD1aウサギ抗体のいずれ
かを反応させた。多クローン性抗GD1aウサギ抗体は、公
知の方法でGD1aをウサギに免疫し、追加免疫の2週間後
に採血して得られた抗血清を用いた。続いてマウス、ヒ
トあるいはウサギの免疫グロブリンに対する抗体(いず
れもパーオキシダーゼ標識)を適宜選択し、二次抗体と
してプレートに反応させた。さらに、基質として、4−
クロロ−1−ナフトールを用いてパーオキシダーゼ反応
による発色を行なわせた。
その結果は、第1表に示すように、この発明のMZは、い
ずれもGD1aのスポットにのみ反応した。対照に用いた多
クローン性抗GD1a抗体はGD1aのみならず、GM1及びGD1a
とも反応した。
以上の結果から、実施例1で得られたMZもさらに実施例
3で得られたMZのいずれもGD1aのみの特異的なものであ
ることが示された。さらに、その点において、それらの
単クローン性抗GD1a抗体は、これまでの公知の方法で作
製され、使用されてきた多クローン性抗GD1aウサギ抗体
に対して高い有意性を示すものである。
また、この実施例の結果から、この発明の単クローン性
抗GD1a抗体はSAα2→3Ga1β1→3Ga1NAcβ1→4〔SA
α2→3〕Ga1β1→4Glcの糖鎖構造を認識するものと
結論される。
試験例4 プロテインAを固定したポリスチレンボールをガラスの
試験管に入れ、さらにその中に癌又はSLE患者の血清1ml
を入れ、4℃で1晩放置した。ポリエチレンボールを洗
浄後、0.3Mグリシン−塩酸緩衝液(pH2.8)により免疫
複合体がプロテインAから解離すると共に、免疫複合体
自身もGD1aと免疫グロブリンGに解離する。試験管から
ポリスチレンボールを除去し、試験管にクロロホルム−
メチルアルコールの混液(2:1,v/v)12mlを加えよく振
盪した。遠心後、下層のクロロホルム層の画分を取り、
蒸発乾固させた。これを適当量の1%BSA含有PBSに溶解
し、下記のGD1a測定用の検体とした。
GD1aの測定は次に述べるELISA法を用いた。先ず、96ウ
ェルのマイクロタイトレーションプレート(以下プレー
トという)の各ウェルに検体液100μlを入れ、続い
て、この発明のMZを結合したポリスチレンボールを加
え、プレートを37℃で3時間保温した。プレートを洗浄
後、さらに1%BSA及び0.05%ツイーン20(ポリオキシ
エチレンソルビタンモノラウレイト)含有PBSに溶解し
たビオチン化MZ(ビオチン化は常法により行なった)10
0μlを加え室温で1時間反応させた。さらに洗浄後、
1%BSA及び0.05%ツイーン20含有PBSに溶解したパーオ
キシダーゼ標識アジビンを加え室温で1時間反応させ
た。洗浄後、ABTSを基質としてパーオキシダーゼ反応を
行なわせ、各ウェルの発色度を96ウェルELISA用自動光
度計(波長414nm)を用いて測定した。前記実施例2に
記載の方法でGD1aをリポソームに封入し、それを用いた
標準曲線に基づいてGD1a濃度を求めた。
その結果は、図面に示す通り、癌患者及びSLE患者にお
いては健常人と比較して高い値を示した。また、その場
合、GD1aの高値は癌の種類に関係なく認められた。な
お、図において、縦軸のGD1a濃度はある濃度単位(U/m
l)に補正して表わされているので試料相互間での相対
的な関係を示しているものである。
このように、この発明の単クローン性抗GD1a抗体及びそ
れを使用した血中GD1a測定系は、癌及びSLEの診断に極
めて有用なものである。
試験例5 本試験例では、脳の脱髄等の器質的傷害を伴なうヒトの
疾患である多発性硬化症の動物モデルである実験的アレ
ルギー性脳脊髄炎の発症過程における血中GD1aの濃度
を、本明細書の実施例1で得られた単クローン性抗GD1a
抗体を用いて測定した。
まず、1群5匹の体重180g前後の雌性ルイス(Lewis)
系ラットの両後足蹠部に、モルモット脊髄とフロイント
の完全アジュバント(以下FCAと呼ぶ)のエマルジョン
を投与した。その1〜4週間後に採血し、血中のGD1a
度を定量した。GD1aの定量は実施例1で得られた単クロ
ーン性抗GD1a抗体MZ−2を用いたELISA法(詳細は前記
実施例4に記載)により行なった。
結果は第2表に示すが、表中GD1aの濃度はある濃度単位
(U/ml)に補正された値の、5匹の平均値であるので試
験区間での相対値を示すものである。本試験例の動物モ
デルにおいては、モルモット脊髄とFCAによる惹起投与
の約3週間後頃から、ラット脳内に脱髄現象が起こるこ
とが知られている。第2表に見られる様に、血中GD1a
度は、モルモット脊髄とFCAの投与群において、投与の
3週後から血中にその上昇が見られた。
この様に、本発明の単クローン性抗体は脱髄などの脳神
経系の器質的傷害を伴なう諸疾患の診断に応用可能であ
ることが示された。
また、本試験例4及び5ではポリスチレンボールに結合
された「不溶化」抗体、及びビオチンで標識された抗体
としては、いずれもこの発明の単クローン性抗体を用い
たが、この場合は、1〜10ng/mlという極めて低いGD1a
濃度範囲で直線の標準線が得られた。
一方、用いた不溶化抗体及び標識抗体が、いずれも従来
より使用されてきた多クローン性抗GD1aウサギ抗体の場
合は、10〜100ng/mlの濃度範囲で直線の標準線が得られ
た。
また、不溶化抗体としてこの発明の単クローン性抗体GD
1a、標識抗体として多クローン性抗GD1aウサギ抗体を用
いた場合は5〜50ng/mlの濃度範囲で直線の標準線が得
られた。
このように、本試験例4及び5に用いた、いわゆるサン
ドウィッチ法によるGD1aの測定では、単クローン性抗体
を用いることにより測定感度が上昇した。
また、いわゆる競争法によるGD1aの定量においても、多
クローン性抗GD1a抗体を用いた場合は10〜100ng/mlのGD
1a濃度で直線の標準線が得られたが、この発明のMZを用
いると3〜30ng/mlの範囲で直線の標準線が得られた。
上記のように、GD1aの測定にこの発明の単クローン性抗
体を使用したところ、多クローン性抗体使用の場合に比
較して、高い測定感度の測定系が得られた。それによ
り、従来、多クローン性抗体を用いた測定系では、測定
が不可能であった疾患状態における体液中GD1a濃度の変
動を検出することが可能となった。このことも、従来の
多クローン性抗GD1a抗体に対するこの発明の単クローン
性抗GD1a抗体であるMZの優れている点である。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の単クローン性抗GD1a抗体MZ−1を用い
たELISA法により求めた各種癌患者及びSLE患者血中のGD
1a濃度の個々の値を示すものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B //(C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗ガングリオシドGD1a単クローン性抗体で
    あって、GD1aを認識し、Ga1Cer、LacCer、Gb3、Gb4、GA1
    GA2、GM1、GM2、GM3、GD1b、GT1b、GQ1b、Fuc-GM1、nLC4及びシ
    アロシルnLC4を実質的に認識しない単クローン性抗体M
    Z。
  2. 【請求項2】GD1aに対する抗体価が216以上である特許
    請求の範囲第1項記載の単クローン性抗体MZ。
  3. 【請求項3】GD1aを認識し、Ga1Cer、LacCer、Gb3、Gb4
    GA1、GA2、GM1、GM2、GM3、GD1b、GT1b、GQ1b、Fuc-GM1、nLC4
    びシアロシルnLC4を実質的に認識しない抗ガングリオシ
    ドGD1a単クローン性抗体MZを樹脂表面に吸着させた反応
    試薬より構成されたことを特徴とするGD1a反応試薬。
JP62221862A 1987-09-07 1987-09-07 抗ガングリオシドGD1a単クローン性抗体MZ、これを産生する細胞及びこれから成る試薬 Expired - Lifetime JPH07116238B2 (ja)

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