JPH07116138B2 - 光学活性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジンの製造法 - Google Patents

光学活性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジンの製造法

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JPH07116138B2 JP30204587A JP30204587A JPH07116138B2 JP H07116138 B2 JPH07116138 B2 JP H07116138B2 JP 30204587 A JP30204587 A JP 30204587A JP 30204587 A JP30204587 A JP 30204587A JP H07116138 B2 JPH07116138 B2 JP H07116138B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、式〔I〕 (式中、*は不斉炭素を表わす。)で表わされる光学活
性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン又はその塩
の製造法に関する。式〔I〕で示される光学活性ピロリ
ジン誘導体又はその塩は、医薬、農薬などに用いられる
有用な合成中間体である。
(従来の技術と問題点) 式〔I〕で表わされる光学活性1−ベンジル−3−ヒド
ロキシピロリジンは、そのラセミ体を光学活性マンデル
酸により光学分割する方法(例えば特開61-63652)が知
られている。本発明者らは式〔I〕のラセミ体を有機酸
エステルに導き、加水分解酵素を用いて不斉的に加水分
解することにより、光学活性なピロリジン誘導体を製造
する方法を見い出している。
しかしながら、これらの製造法においては、式〔I〕で
表わされる、目的とする立体配置を有する光学活性ピロ
リジン誘導体と共に、対掌体のエステルが等量生成す
る。この対掌体のエステルの立体配置を反転し、式
〔I〕で表わされる目的とする立体配置を有する光学活
性ピロリジン誘導体に変換できれば、収率向上に基づく
極めて経済的に有利な式〔I〕で表わされる光学活性1
−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジンの製造方法とな
りうる。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、式〔I〕で示される光学活性1−ベンジ
ル−3−ヒドロキシピロリジンの対掌体の有機酸エステ
ルを目的とする立体配置を有する光学活性1−ベンジル
−3−ヒドロキシピロリジン、へ変換する製法を鋭意検
討した結果、光学活性1−ベンジル−3−ヒドロキシピ
ロリジンの対掌体の有機酸エステルをスルホン酸エステ
ルへ導き、次いでそのスルホン酸エステルを有機酸、又
は有機酸と塩基触媒との混合物と反応させることによ
り、立体配置の反転した有機酸エステルに変換し、さら
にその有機酸エステルを加水分解することにより、目的
とする立体配置を有する光学活性1−ベンジル−3−ヒ
ドロキシピロリジンへ変換する製法を見いし、本発明を
完成した。さらに詳しくは、式〔I〕で表わされる光学
活性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン又はその
塩に、 一般式〔V〕 (式中、R1は置換又は未置換低級アルキル基、置換又は
未置換フェニル基、ベンジル基を表わし、Xはハロゲン
原子を表わす。)で表わされるスルホン酸ハライドを作
用させ、式〔I〕で表わされる光学活性1−ベンジル−
3−ヒドロキシピロリジン又はその塩と同じ立体配置を
有する 一般式〔II〕 (式中、*は不斉炭素を表わし、R1は一般式(V)と同
じものを表わす。)で示される光学活性スルホン酸エス
テルに導いた後、そのスルホン酸エステルを、 一般式〔III〕 (式中、R2は水素、置換又は未置換低級アルキル基、置
換又は未置換フエニル基を表わす。)で示される有機
酸、あるいはその有機酸と塩基触媒との混合物と反応さ
せ、前述の一般式〔II〕で表わされる光学活性スルホン
酸エステルと反対の立体配置を有する、 一般式〔IV〕 (式中、*は不斉炭素を表わし、R2は一般式〔III〕と
同じものを表わす。)で示される光学活性有機酸エステ
ルに変換し、さらにその有機酸エステルを加水分解する
ことにより、出発物質1−ベンジル−3−ヒドロキシピ
ロリジン又はその塩と反対の立体配置を有する光学活性
1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン誘導体又はそ
の塩を製造できることを見い出した。
式〔I〕で表わされる出発物質としては、光学活性1−
ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン又はその塩を単独
に用いるか、あるいは式〔I〕のラセミ体の有機酸エス
テルを加水分解酵素を用いて不斉的に加水分解すること
によつて得られる光学活性1−ベンジル−3−ヒドロキ
シピロリジン又はその塩と、反対の立体配置を有する一
般式〔IV〕で示される光学活性有機酸エステルとの混合
物を用いてもよい。
一般式〔II〕で表わされる光学活性スルホン酸エステル
は、光学活性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
又はその塩、あるいはその光学活性1−ベンジル−3−
ヒドロキシピロリジン又はその塩と一般式〔IV〕で表わ
される光学活性有機酸エステルとの混合物を、一般式
〔V〕で示されるスルホン酸ハライドと反応させること
によつて容易に得ることができる。この反応に塩基は必
ずしも必要ではないが、有機塩基として例えばトリエチ
ルアミン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)−
ピリジン、イミダゾール、ジイソプロピルエチルアミ
ン、2,6−ルチジン、N,N−ジメチルアニリン又はN,N−
ジエチルアニリンなど、無機塩基としては例えば水素化
ナトリウム又は水素化カリウムなどを添加してもよい。
反応は無溶媒系でも実施できるが、塩化メチレン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、ヘキサン
などの有機溶媒中で実施してもよい。反応温度は通常−
30℃〜30℃で行なうのが望ましい。
得られた光学活性スルホン酸エステル、あるいはその光
学活性スルホン酸エステルと光学活性有機酸エステルと
の混合物は、一般式〔III〕で示される有機酸、あるい
はその有機酸と塩基触媒との混合物と反応させることに
より、一般式〔IV〕で示されるスルホン酸エステルとは
反対の立体配置を有する光学活性有機酸エステルを容易
に得ることができる。有機酸としては例えばギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ヘキサン
酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、安
息香酸、フエニル酢酸、モノクロロ酢酸、トリクロロ酢
酸などが使用できる。反応は有機酸を溶媒として行うの
が望ましいが、必要に応じて塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの
有機溶媒中で実施することもできる。有機酸はスルホン
酸エステルの2倍当量以上用いることが望ましい。反応
温度は、通常、室温から溶媒の沸点の範囲内で行えばよ
い。この反応に、スルホン酸エステルの当量以上の塩基
触媒を添加してもよく、このことにより反応速度、反応
収率が向上する。
無機塩基触媒として例えば、水酸化リチウム、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが使用で
き、有機塩基触媒として例えば、酢酸リチウム、酢酸カ
リウム、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、酪
酸ナトリウム、ヘキサン酸ナトリウム、安息香酸ナトリ
ウムなどが使用できる。
得られた光学活性スルホン酸エステルとは反対の立体配
置を有する光学活性有機酸エステルは、当量以上の塩
酸、硫酸などの酸又は水酸化リチウム、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシドなどの塩基により容易に加水分解され、
出発物質とは逆の立体配置を有する式〔I〕で表わされ
る光学活性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン又
はその塩を得ることができる。反応は水、メタノール、
エタノール、プロパノール中で行うのが望ましく、通常
−30℃から還流温度で実施すればよい。
1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン及びその誘導
体であるスルホン酸エステル、有機酸エステルの光学純
度の測定は次の方法で行なうことができる。有機酸エス
テル、スルホン酸エステルは、一旦、1−ベンジル−3
−ヒドロキシピロリジンとした後、塩化メチレン中、等
モルのp−トルエンスルホニルクロライドと反応させて
トシル化後、これを高速液体クロマトグラフイー(HPL
C)(カラム:キラルセルOB(日本分光製)φ0.46×25c
m、溶出液、ヘキサン:イソプロパノール(20:1)、流
速1.5ml/min、検出221nm、保持時間(R)体:36.7分、
(S)体:51.3分)により測定することができる。
(実施例) つぎに実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
光学活性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジンの製
造例 製造例(1) 1−ベンジル−3−ブチリルオキシピロリジン12gを50m
M pH7.0のリン酸緩衝液60mlにけんだくし、希硫酸でpH
7.0に再調整した。リポプロテインリパーゼ アマノ3
(天野製薬(株)製)120mgを添加し、40℃で30時間反
応した。反応液をヘキサン120mlで5回抽出した後、脱
水後、減圧下濃縮し、(S)−1−ベンジル−3−ブチ
リルオキシピロリジン▲〔α〕20 D▼−19.2°(c=1.
0、MeOH)、99.7%e.e.、5.6gを得た。得られたブチリ
ルオキシピロリジンを水酸化ナトリウム1.1gを含む水60
mlにけんだくし、1時間還流した。反応液をヘキサン12
0mlで3回抽出し、乾燥脱水後、減圧下濃縮し、(S)
−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン3.8g、▲
〔α〕20 D▼−3.76°(c=5.0、MeOH)、99.7%e.e.を
得た。
残酵素反応液を水酸化ナトリウムによりpH13とし、ヘキ
サン120mlで5回抽出、脱水後、減圧濃縮し、(R)−
1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン3.6g、▲
〔α〕20 D▼+3.67°(c=5.0、MeOH)、97.4%e.e.を
得た。
製造例(2) 製造例1と同様にして酵素加水分解反応を行つた後、反
応液に重曹を加えてpH9とし、クロロホルム100mlで5回
抽出した。脱水後、減圧濃縮し、(S)−1−ベンジル
−3−ブチリルオキシピロリジン及び(R)−1−ベン
ジル−3−ヒドロキシピロリジンの混合物8.8gを得た。
実施例1 (S)−1−ベンジル−3−メタンスルホニ
ルオキシピロリジンの合成 製造例(1)で製造した(S)−1−ベンジル−3−ヒ
ドロキシピロリジン1.8gを塩化メチレン5mlに溶解し、
氷冷下、塩化メタンスルホニル1.3gを添加した。2時間
撹拌後、重曹水5mlで3回洗浄、脱水後、減圧濃縮し、
粗オイル2.55gを得た。粗オイルをシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー(展開溶媒、酢酸エチルヘキサン=1:
1)により精製した結果、(S)−1−ベンジル−3−
メタンスルホニルオキシピロリジン1.4g、▲〔α〕20 D
▼−13.9°(c=1.01、MeOH)を得た。収率54%。
実施例2 (S)−1−ベンジル−3−p−トルエンス
ルホニルオキシピロリジンの合成 製造例(1)で製造した(S)−1−ベンジル−3−ヒ
ドロキシピロリジン2.7gをピリジン3.6gに溶解し、氷冷
下、塩化−p−トルエンスルホニル3.2gを添加した。4
時間撹拌後、クロロホルム10mlを加え、希塩酸、重曹
水、食塩水でそれぞれ洗浄した。脱水後、減圧濃縮し粗
オイル3.3gを得た。粗オイルをシリカゲルカラムクロマ
トグラフイー(展開溶媒、酢酸エチル:ヘキサン=1:
1)により精製し、(S)−1−ベンジル−3−p−ト
ルエンスルホニルオキシピロリジン2.9g、▲〔α〕20 D
▼−22.1°(c=1.0、MeOH)を得た。収率59%。
実施例3 (R)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンの合成 実施例(1)で合成した(S)−1−ベンジル−3−メ
タンスルホニルオキシピロリジン300mg、酢酸ナトリウ
ム115mgを酢酸796mgに溶解し、100℃で6時間撹拌反応
した。反応液にクロロホルム5mlを加え、重曹水5mlで3
回洗浄した。脱水後、減圧濃縮し、得られた粗オイルを
シリカゲルカラムクロマトグラフイー(展開溶媒、酢酸
エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、(R)−1−ベン
ジル−3−アセトキシピロリジン200mg、▲〔α〕25 D
+21.7°(c=1.04、MeOH)を得た。収率78%。
得られたアセトキシ体をメタノール2mlに溶解し、水酸
化ナトリウム100mgを加え、室温下1時間反応した。減
圧下メタノールを除去し、クロロホルム5mlを加え、重
曹水2mlで3回洗浄、脱水後、減圧濃縮した。得られた
オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフイー(展開溶
媒酢酸エチル)で精製し、(R)−1−ベンジル−3−
ヒドロキシピロリジン125mg、▲〔α〕20 D▼+3.47°
(c=5.0、MeOH)、92%e.e.を得た。収率77%。
実施例4 (R)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンの合成 実施例(1)で合成した(S)−1−ベンジル−3−メ
タンスルホニルオキシピロリジン300mgを酢酸796mgに溶
解し、100℃で9時間反応した。実施例(3)と同様の
後処理操作により(R)−1−ベンジル−3−アセトキ
シピロリジン130mg、▲〔α〕25 D▼+22.1°(c=1.0
1、MeOH)、収率51%を得た。得られたアセトキシ体を
実施例(3)と同様の加水分解を行い、(R)−1−ベ
ンジル−3−ヒドロキシピロリジン85mg、▲〔α〕20 D
▼+3.53°(c=5.0、MeOH)、93.5%e.e.を得た。収
率81%。
実施例5 (S)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンの合成 実施例(1)と同様の方法で合成した(R)−1−ベン
ジル−3−メタンスルホニルオキシピロリジン280mg、
▲〔α〕20 D▼+13.6°(c=1.00、MeOH)、97.4%e.
e.を酪酸481mgに溶解し、水酸化ナトリウム48mgを加え
て、100℃で5時間反応した。実施例3と同様の後処理
操作により(S)−1−ベンジル−3−ブチリルオキシ
ピロりジン190mg、▲〔α〕20 D▼−14.3°(c=1.03、
MeOH)を得た。収率71%。
得られたブチリル体を実施例3と同様の加水分解を行
い、(S)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
85mg、▲〔α〕20 D▼−3.29°(c=5.10、MeOH)、87.
2%e.e.を得た。収率85%。
実施例6 (R)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンの合成 実施例(2)で合成した(S)−1−ベンジル−3−p
−トルエンスルホニルオキシピロリジン230mg、酪酸ナ
トリウム88mgを酪酸610mgに溶解し、100℃で10時間反応
した。実施例(3)と同様の後処理操作により(R)−
1−ベンジル−3−ブチリルオキシピロリジン120mg、
▲〔α〕20 D▼+14.2°(c=1.00、MeOH)を得た。収
率70%。
得られたブチリル体を実施例(3)と同様の加水分解を
行い、(R)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジ
ン71mg、▲〔α〕20 D▼+3.19°(c=5.02、MeOH)、8
4.5%e.e.を得た。収率83%。
実施例7 (S)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンの合成 製造例2で得られた(S)−1−ベンジル−3−ブチリ
ルオキシピロリジンと(R)−1−ベンジル−3−ヒド
ロキシピロリジンの混合物447mgを塩化メチレン2.5mlに
溶解し、氷冷下、塩化メタンスルホニル126mgを添加
し、1時間反応した。反応液を重曹水2.5mlで3回洗浄
し、脱水後、減圧濃縮し、(S)−1−ベンジル−3−
ブチリルオキシピロリジンと(R)−1−ベンジル−3
−メタンスルホニルオキシピロリジンの混合物480mgを
得た。この混合物と酪酸ナトリウム110mgを酪酸900mlに
溶解し、100℃で5時間反応した。実施例3と同様の後
処理操作により(S)−1−ベンジル−3−ブチリルオ
キシピロリジン401mg、▲〔α〕20 D▼−16.5°(c=1.
00、MeOH)、94.2%e.e.を得た。
得られたブチリル体を水酸化ナトリウム80mgを含む水2.
5mlにけんだくし、1時間還流した。反応液をクロロホ
ルム5mlで3回抽出し、脱水後、減圧濃縮し、粗オイル
を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフイー
(展開溶媒:酢酸エチル)により精製し、(S)−1−
ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン260mg、▲〔α〕
20 D▼−3.56°(c=5.02、MeOH)、94.2%e.e.を得
た。
実施例8 (R)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンの合成 実施例(1)で合成した(R)−1−ベンジル−3−メ
タンスルホニルオキシピロリジン320mg、水酸化ナトリ
ウム56mgをヘキサン酸1.45gに溶解し、100℃で6時間反
応した。実施例3と同様の後処理操作により、(R)−
1−ベンジル−3−ヘキサノイルオキシピロリジン336m
g、▲〔α〕20 D▼+14.2°(c=1.10、MeOH)を得た。
収率98%。
得られたヘキサノイル体を実施例3と同様に加水分解
し、(R)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
195mg、▲〔α〕20 D▼+3.49°(c=5.02、MeOH)、9
2.6%e.e.を得た。収率90%。
実施例9 (S)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンの合成 実施例(1)と同様な方法で合成した(R)−1−ベン
ジル−3−メタンスルホニルオキシピロリジン220mg、
▲〔α〕20 D▼+13.6°(c=1.02、MeOH)、97.4%e.
e.と水酸化ナトリウム38mgをオクタン酸619mgに溶解
し、100℃、8時間反応した。実施例(3)と同様の後
処理操作により、(S)−1−ベンジル−3−オクタノ
イルオキシピロリジン150mg、▲〔α〕20 D▼−12.8°
(c=1.10、MeOH)を得た。収率57%。
得られたオクタノイル体を実施例3と同様に加水分解し
て、(S)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
75mg、▲〔α〕20 D▼−3.42((c=5.11、MeOH)、90.
4%e.e.を得た。収率86%。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔II〕 (式中、*は不斉炭素を表わし、R1は置換又は未置換低
    級アルキル基、置換又は未置換フェニル基、ベンジル基
    を表わす。)で表わされる光学活性なスルホン酸エステ
    ルを、 一般式〔III〕 (式中、R2は水素、置換又は未置換低級アルキル基、置
    換又は未置換フェニル基を表わす。)で表わされる有機
    酸、あるいはその有機酸と塩基触媒との混合物と反応さ
    せ、 一般式〔IV〕 (式中、*は不斉炭素を表わし、R2は一般式〔III〕と
    同じものを表わす。)で表わされる、一般式〔II〕のス
    ルホン酸エステルとは反対の立体配置を有する光学活性
    有機酸エステルに変換し、さらにその有機酸エステルを
    加水分解することを特徴とする、立体反転を伴った 式〔I〕 (式中、*は不斉炭素を表わす。)で表わされる光学活
    性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン又はその塩
    の製造法。
  2. 【請求項2】R1がメチル、トリフルオロメチル、エチ
    ル、フェニル、p−メチルフェニル、ベンジルのいずれ
    かであり、R2が水素又は炭素数10以下の直鎖又は分岐ア
    ルキル基、フェニル基のいずれかである特許請求の範囲
    第1項記載の式〔I〕で表わされる光学活性1−ベンジ
    ル−3−ヒドロキシピロリジン又はその塩の製造法。
  3. 【請求項3】式〔I〕 (式中、*は不斉炭素を表わす。)で表わされる光学活
    性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン又はその
    塩、および式〔I〕で表わされる光学活性1−ベンジル
    −3−ヒドロキシピロリジン又はその塩とは反対の立体
    配置を有する、 一般式〔IV〕 (式中、*は不斉炭素を表わし、R2は水素、置換又は未
    置換低級アルキル基、置換又は未置換フェニル基を表わ
    す。)で表わされる光学活性有機酸エステルとの混合物
    に、 一般式〔V〕 (式中、R1は置換又は未置換低級アルキル基、置換又は
    未置換フェニル基、ベンジル基を表わし、Xはハロゲン
    原子を表わす。)で表わされるスルホン酸ハライドを作
    用させ、前記の式〔I〕で示される光学活性1−ベンジ
    ル−3−ヒドロキシピロリジン又はその塩と同じ立体配
    置を有する、 一般式〔II〕 (式中、*は不斉炭素を表わし、R2は一般式〔V〕と同
    じものを表わす。)で表わされる光学活性スルホン酸エ
    ステルと、一般式〔IV〕で表わされる光学活性有機酸エ
    ステルとの混合物を得、その混合物を 一般式〔III〕 (式中、R2は一般式〔IV〕と同じものを表わす。)で表
    わされる有機酸、あるいはその有機酸と塩基触媒との混
    合物と反応させ、前記の式〔I〕で表わされる光学活性
    1−ベンジル−3−ピロリジン又はその塩とは反対の立
    体配置を有する、一般式〔IV〕で表わされる光学活性有
    機酸エステルに変換し、次いでそのエステルを加水分解
    することを特徴とする、立体反転を伴った式〔I〕で表
    わされる光学活性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリ
    ジン又はその塩の製造法。
  4. 【請求項4】R1がメチル、トリフルオロメチル、エチ
    ル、フェニル、p−メチルフェニル、ベンジルのいずれ
    かであり、R2が水素又は炭素数10以下の直鎖又は分岐ア
    ルキル基、フェニル基のいずれかである特許請求の範囲
    第3項記載の式〔I〕で表わされる光学活性1−ベンジ
    ル−3−ヒドロキシピロリジン又はその塩の製造法。
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