JPH07116054B2 - 豚下痢症ワクチン - Google Patents

豚下痢症ワクチン

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JPH07116054B2
JPH07116054B2 JP19097786A JP19097786A JPH07116054B2 JP H07116054 B2 JPH07116054 B2 JP H07116054B2 JP 19097786 A JP19097786 A JP 19097786A JP 19097786 A JP19097786 A JP 19097786A JP H07116054 B2 JPH07116054 B2 JP H07116054B2
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diarrhea
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壽雄 安原
修 松井
正 平原
和夫 児玉
正久 中井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は豚下痢症ワクチンに関するものである。
〔従来の技術〕
1985年にこの発明の発明者等が大阪府下の養豚場で発生
した豚の下痢症例の下痢便から分離したウイルスを、こ
の発明ではパルボウイルスの所定株として使用するが、
この株は豚甲状腺(PT)と豚腎臓(SK)の各初代培養細
胞で細胞変性効果を伴つて良く増殖し、また培養液にト
リプシンを0.5γ/ml加えることによつてその増殖に増強
効果が見られる。そしてこの株は詳細に同定され、つぎ
に示す性状が確認された。
すなわち、この株は5−ヨード−2′−デオキシウリジ
ン(IUDR)を50γ/ml含む培養液中で増殖が抑制される
ことから核酸型はDNAであり、20%エーテルおよびpH3.0
の酸によつて不活化されることなく、56℃、30分の加熱
に対してもウイルス価の低下は見られず、50nmの孔径の
フイルターも通過する。そしてさらにこの株を勾配濃度
超遠心分離精製法によつて精製し、得られたウイルス粒
子の形態を電子顕微鏡で観察したところパルボウイルス
の形態にきわめて類似したものであることが認められ
た。このようにこの株は、パルボウイルス類似の性状を
有する一方で、既知のパルボウイルスである豚パルボウ
イルス、犬パルボウイルス、猫パルボウイルスおよび牛
パルボウイルスとは血清学的性状および赤血球凝集性状
において容易に区別され、その存在はこの発明の発明者
等によつて初めて明らかにされたのである。
この株の病原性は初乳未摂取初生豚を用いて調べた結果
によると、106.0TCID50のウイルスの経口もしくは経鼻
接種した初生豚はいずれも下痢を呈し、接種後2〜6日
目に死亡し、下痢便および死亡豚の臓器から接種ウイル
スの回収を試みたところ下痢便および小腸のほか呼吸気
道からもウイルスが検出され、また病理学的検査により
小腸の充出血および上皮細胞の剥離が顕著に認められ
た。
この発明の発明者等による1983年以降に得られた豚血清
の抗体調査によれば5〜6カ月齢豚では80%以上に中和
抗体の保有が確認されており、わが国のいずれの地区に
おいても同様に高率な抗体が検出される状況にある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、従来の技術においては、豚パルボウイルス
に起因する豚の下痢症を予防するための有効かつ安全な
ワクチンはないという問題点があり、この病原ウイルス
が大阪府下の養豚場をはじめとし、わが国の豚に広く伝
播している状況下で、養豚場を経営する者は安定した生
産を行なうことについて大きな不安があった。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するために、この発明は豚の下痢便
から分離したパルボウイルスH−45株を組織培養で増殖
させ、それを不活化した抗原を豚下痢症ワクチンの有効
成分とする手段を採用したものである。以下その詳細を
述べる。
まず、この発明のパルボウイルスH−45株は豚腎臓(S
K)培養細胞、豚甲状腺(PT)培養細胞および豚腎株化
(ESK)継代培養細胞のいずれの培養細胞においても増
殖するので、既知の方法によりこれらの単層細胞を調製
し、これにパルボウイルスH−45株を接種し、たとえば
37℃で約60分吸着させた後、10%トリプトース・フオス
フエイト・ブロス,L−グルタミンを含有するイーグルME
M培地を加え、6〜14日間37℃で培養する。この際0.5〜
1.0γ/mlのトリプシンを培地に加えてもよい。このよう
な操作を経て得られたウイルス含有培養液にホルマリン
を0.2容量%添加し、30℃で7日間感作して不活化し、
不活化されたウイルス液をそのまま豚下痢症ワクチンと
するか、または抗原性の促進のためにアルミニウムゲル
アジユバントを20容量%以下、または鉱油、有機物油も
しくは親水性油性のアジユバントを10〜70容量%を加え
てアジユバント添加不活化ワクチンとすることができ
る。
〔実施例〕
パルボウイルスH−45株(1985年にこの発明の発明者等
が大阪府下の養豚場で発生した豚の下痢症例の下痢便か
ら採取し、豚甲状腺(PT)と豚腎臓(SK)の各初代培養
細胞で細胞変性効果を伴って良く増殖し、また培養液に
トリプシンを0.5γ/ml加えることによってその増殖に増
強効果が見られた株である。)を初代PT培養細胞に接種
後トリプシン(TypeIII)を0.5γ/ml添加したイーグルM
EM培地(トリプトース・フオスフエイト・ブロス,L−グ
ルタミン含有)を加え、37℃で6日間培養して、HA力価
2048倍のウイルス含有培養液を得た。これにホルマリン
を0.2容量%加えて30℃で7日間放置し、ウイルスを不
活化し、さらにりん酸アルミニウムゲルアジユバントを
20容量%、親水性油性アジユバントを70容量%それぞれ
添加した二種類の不活化ワクチンを調製した。これらワ
クチンを1カ月齢の豚に2mlずつ3週間隔で2回皮下に
注射して免疫の産生を調べた。その結果は第1表に示し
たが、りん酸アルミニウムゲル(APG)添加ワクチンで
約3カ月以上、親水性油性アジユバント(OIW)添加ワ
クチンで約5カ月以上それぞれの免疫が持続されること
がわかつた。また、親水性油性アジユバント添加ワクチ
ンを初乳未摂取初生豚8頭のうち6頭に生後24時間と16
日齢 備考:注射量2mlずつ、3周間隔で2回皮下時の2回に2
mlずつを皮下に注射し、その後30日齢時にパルボウイル
スH−45株を104.5TCID50/ml含む培養液3mlでほかの対
照用の2頭と共に経鼻攻撃し、下痢症状の発現と糞便か
らのウイルスの排泄を攻撃後7日間について調査した。
その結果は第2表に示したが、豚番号20〜25の免疫群の
6頭全例には下痢症状を示したものはなく、また攻撃後
1日目に糞便からウイルスが検出 された豚番号23の豚を除いて免疫群の糞便からのウイル
ス排泄は認められなかつた。一方、豚番号26および27の
攻撃対照群の2頭の豚のうち1頭は攻撃2日目から下痢
症状が認められ、その下痢は4日間続いた。他の1頭は
下痢症状は現われなかつた。しかしこれら2頭の糞便か
らは攻撃後1日目から4〜5日目に至るまでウイルスの
排泄が確認された。以上の成績からワクチン注射によつ
て豚にパルボウイルスH−45株感染症に対する免疫が付
与されることが明らかとなつた。
〔効果〕
以上述べたことからこの発明のワクチンはつぎのような
効果を現わす。すなわち、パルボウイルスH−45株に対
する抗体を保有しない1〜3カ月齢の豚に2mlずつ2〜
4週間隔で皮下もしくは筋肉内に2回注射すれば豚は何
等の異常を示さず、2回注射後1週目にはHI抗体価128
〜4096倍の抗体を産生し、このようにワクチン注射を受
けた豚はパルボウイルスH−45株の経鼻接種による下痢
の発病を充分な有効性と安全性のもとに阻止するのであ
る。したがつて、パルボウイルスH−45株に起因する豚
の下痢症を有効かつ安全に予防し、従来の養豚場経営の
不安をも充分に解消することができるので、この発明の
意義はきわめて大きいということができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 正久 大阪府枚方市楠葉野田1丁目15番20号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】豚の下痢便から分離したパルボウイルスH
    −45株を組織培養して増殖させ、これを不活化して得ら
    れる抗原を有効成分としたことを特徴とする豚下痢症ワ
    クチン。
JP19097786A 1986-08-12 1986-08-12 豚下痢症ワクチン Expired - Fee Related JPH07116054B2 (ja)

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