JPH07115984A - 糖又は糖アルコール脂肪酸エステルの製法 - Google Patents

糖又は糖アルコール脂肪酸エステルの製法

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JPH07115984A
JPH07115984A JP27233593A JP27233593A JPH07115984A JP H07115984 A JPH07115984 A JP H07115984A JP 27233593 A JP27233593 A JP 27233593A JP 27233593 A JP27233593 A JP 27233593A JP H07115984 A JPH07115984 A JP H07115984A
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JP
Japan
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sugar
fatty acid
reaction
sugar alcohol
water
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JP27233593A
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English (en)
Inventor
Chiaki Hatanaka
千秋 畑中
Naoya Otomo
直也 大友
Akifumi Yuki
明文 結城
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糖又は糖アルコールと脂肪酸とを酵素の存在
下に反応させて、糖又は糖アルコールの脂肪酸エステル
を生成させる。 【構成】 糖又は糖アルコールと脂肪酸とを、無溶媒か
つ脂肪酸が液状を保つ条件下、水分を500〜5000
ppmに制御して反応させる。 【効果】 十分に早い反応速度でエステルを生成させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は糖又は糖アルコール脂肪
酸エステルの製法に関するものである。特に本発明は、
酵素の触媒作用により、穏和な条件下で糖又は糖アルコ
ールと脂肪酸とを反応させる方法の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】糖又は糖アルコール脂肪酸エステルの製
法としては、糖又は糖アルコールと脂肪酸又はその低級
アルコールエステルとを、酸又はアルカリ触媒の存在下
に反応させる化学合成法が行なわれている。しかし、こ
の方法では100〜250℃の高温下で反応が行なわれ
るため、副生物が生成したり、生成物が着色したりしや
すいという問題がある。従って、このような問題のない
製法として、リバーゼ等の油脂分解能を有する酵素を用
いる方法が研究されている(特開昭61−26819
2,62−58992,62−195292,63−1
4948参照)。
【0003】この方法では反応の進行に水が必要である
と考えられているが、多量の水の存在は反応の進行を阻
害する。この問題を解決する方法として、反応を多量の
水の存在下に開始し、かつ反応中は雰囲気を減圧とし、
水を除去しながら反応を進行させることが提案されてい
る。しかし、水の存在量と反応の進行との関係について
は未だ十分に解明されていない。また、反応を有機溶媒
の存在下に行なう方法も提案されているが、生成物であ
るエステルは食品添加物として用いられることが多いの
で、有機溶媒の使用は避けるのが望ましい。更に有機溶
媒は酵素の活性を低下させることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、酵素を触
媒として糖又は糖アルコールと脂肪酸とを反応させる方
法はいくつも報告されているが、これらの方法は工業的
製法としては未だ満足すべきものではない。従って本発
明は工業的に優れた、酵素法による糖又は糖アルコール
脂肪酸エステルの製法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは水の含有量
と反応成績との関係について検討した結果、無溶媒かつ
脂肪酸が液状で存在する条件下、反応初期の水の含有量
500〜5000ppmという極微量に調整して反応を
行なわせると、反応が良好に進行することを知得し、本
発明を完成した。
【0006】本発明について更に具体的に説明すると、
本発明で一方の原料として用いる糖としては、通常はス
クロースが用いられる。しかしキシロース、グルコー
ス、フラクトース等の単糖類や、マルトース、トレハロ
ース、ラクトース等のスクロース以外の二糖類を用いる
こともできる。また、所望ならばマルトトリオース等の
三糖類を用いることもできる。糖アルコールとしては、
エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチ
トールなど炭素数4〜14の糖アルコールを用いるのが
好ましい。
【0007】もう一方の原料である脂肪酸としては、通
常は炭素数6〜22の飽和または不飽和脂肪酸が用いら
れる。このような脂肪酸としては、カプロン酸、カプリ
ン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノ
レン酸、エルカ酸などがあげられる。これらの脂肪酸は
単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いても
よい。天然の油脂から得られる脂肪酸は通常は混合物で
あるので、特に単品を用いる必要のない限り混合物のま
まで用いられる。脂肪酸は反応条件下で液状であるこ
と、即ち融点が反応温度以下でなければならない。脂肪
酸の融点が高い場合には、耐熱性の高い酵素を用いる必
要がある。また、場合によっては、他の脂肪酸を若干混
合して融点を低下させることもできる。
【0008】糖または糖アルコールと脂肪酸とは十分に
混合し、均質な混合物として反応に供する。常温で固体
状の脂肪酸を用いる場合には、加温溶解して液状として
混合操作に供するのが好ましい。反応に供する糖又は糖
アルコールと脂肪酸とのモル比率は、生成物に所望する
組成に応じて適宜決定すればよい。通常は反応原料を流
動状態に保持し、且つ糖又は糖アルコールの反応を促進
するため、等モル以上の脂肪酸が用いられる。
【0009】反応は上記で調製した混合物に酵素を添加
し、且つ水分を500〜5000ppmに調整して行な
われる。反応初期の水分の調整は、原料に所定量の水を
添加してもよく、又は過剰の水を添加しておき、次いで
所望の水分量になるまで減圧下に蒸発させて脱水させて
もよい。好ましくは反応系の水分量を700〜2000
ppmに調整して反応を開始させる。なお、反応に際し
ては水が生成するが、この水は反応系にそのまま存在さ
せておいてもよく、また所望ならば減圧下に反応を行な
って蒸発除去させてもよい。すなわち本発明では反応の
初期の水分量を所定の値に調整して反応を行なわせる方
法であり、反応途中においては外部から水を添加するこ
とはないが、内部で生成する程度の水は放置しても殆ん
ど反応に影響を及ぼさない。むしろ生成水を除去するた
め減圧下に反応を行なって、過剰に、すなわち当初から
存在する水までも除去してしまうと、反応が阻害される
おそれがある。
【0010】油脂分解能を有する加水分解酵素として
は、動物由来及び微生物由来の種々のものが知られてい
るが、本発明ではこれらのいずれをも用いることができ
る。例えば前述の文献に記載されているものが用いられ
る。酵素は反応原料に対し通常0.01〜1(重量)%
添加するが、この範囲外でも勿論反応は進行する。反応
は使用する酵素の至適温度付近で行なわれる。例えばC
andida cylindracea や Aspe
rgillus niger由来の酵素では約40℃で
反応を行なうのが好ましい。酵素は固定化酵素として用
いることもでき、固定化により酵素の耐熱性が向上した
場合には、酵素本来の至適温度よりも更に高い温度で反
応を行なうことができる。
【0011】反応時間は任意であるが通常は数時間ない
し数十時間である。反応終了後、反応混合物は常法に従
って処理される。例えば有機溶媒とアルカリ水溶液との
混合溶媒により抽出して、エステルと未反応の脂肪酸及
び糖又は糖アルコールとに分離する。
【0012】
【実施例】
実施例1 エリスリトール30.5g(0.25モル)と、オレイ
ン酸282g(1.0モル)とを混合し、更にミキサー
(ヤマト科学社製品、ウルトラディスパーサーLK−2
1)で全体がクリーム状になるまで均質化した。これを
攪拌機付きの容器に入れ、Candida cylin
dracea 由来の酵素(天野製薬社製品)1gと水
0.25ml(反応原料に対し約800ppm)を加
え、撹拌下に40℃で反応を行なった。反応中、反応器
は減圧にして生成した水を蒸発させて除去した。24時
間反応させたのち、約300gの反応生成物をイソブチ
ルアルコールと0.1N水酸化ナトリウム水溶液との
1:1混合溶液に加えてよく撹拌し未反応のエリスリト
ール及びオレイン酸を含む水相と、エリスリトール−オ
レイン酸エステルを含むイソブチルアルコール相とに分
離した。次いでイソブチルアルコール相を濃縮して白色
ペースト状のエステル130gを得た。このエステルの
重量組成は、モノエステル約5%ジエステル約50%、
トリエステル約45%であった。
【0013】比較例1 反応原料に対する水の添加量を2ml(反応原料に対し
約6400ppm)添加した以外は、実施例1と全く同
様にして反応及び後処理を行なった。白色ペーストの収
量は60gであった。
【0014】実施例2 ショ糖171gを水100mlに溶解し、ラウリン酸2
00g、Candida cylindracea 由
来の酵素(天野製薬社製品)1gと共に攪拌機付きの反
応容器に入れ、45℃,10mmHgの減圧下に保持し
て水を蒸発させた。3時間で水分含有量が700ppm
になったので反応器を常圧に戻し、引続き40℃で20
時間反応させた。反応生成物約350gをメチルエチル
ケトンと0.1N−水酸化ナトリウムとの1:1混合溶
液に加えてよく撹拌し、未反応のショ糖及びラウリン酸
を含む水相とエステルを含むメチルエチルケトン相とに
分離した。次いでメチルエチルケトン相を濃縮して白色
ペースト状のエステル230gを得た。このエステルの
重量組成は、モノエステル約25%、ジエステル約45
%、トリエステル約30%であった。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、水分量を500〜50
00ppmに制御しつつ反応を行なわせることにより、
十分に早い反応速度でエステルを生成させることができ
る。本発明により得られるエステルは実質的に有機溶媒
を含んでいないので、食品添加物として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂分解能を有する加水分解酵素の存在
    下に、糖又は糖アルコールと脂肪酸とを反応させるエス
    テルの製法において、反応系の水分量を500〜500
    0ppmに調整したのち、無溶媒かつ脂肪酸を液状に維
    持して反応を行なうことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 糖又は糖アルコールと脂肪酸とをクリー
    ム状の混合物として反応させることを特徴とする請求項
    1記載の方法
JP27233593A 1993-10-29 1993-10-29 糖又は糖アルコール脂肪酸エステルの製法 Pending JPH07115984A (ja)

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JPH07115984A true JPH07115984A (ja) 1995-05-09

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