JPH07115829B2 - テレスコピツクア−ム装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は油圧シヨベルのブーム等に連結するテレスコピ
ツクアーム装置に関し、詳細には伸縮自在に嵌合した内
外アーム部材間に押し込み用と引き上げ用の二系統のワ
イヤロープを張架し、共通の油圧シリンダで伸長側と短
縮側の両方向へワイヤロープによる駆動力を付与すると
ともに、このような伸縮アームを中空筒体の支持部材に
摺動可能に支持することにより外側アーム自体を進退移
動できるようにしたテレースコピツクアーム装置に関す
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

外側アームと中間アームと内側アームとをテレスコープ
式に連結した伸縮アームの先端にクラムシェルバケット
等を取り付け、深層部まで掘削ができるようにした油圧
式ショベルには種々のものがある。先ず最下段のアーム
に係着したワイヤロープを最上段アームの上端に設置し
たドラムで操作する形式のものは下端のバケツトアタツ
チメントに対する下方押圧力がアームの自重のみ依存し
ているため掘削圧力が不足し充分な掘削ができないだけ
でなく、アームが水平に近づくと伸長操作ができなくな
り、きわめて効率が悪い。

次に、伸縮アームの軸方向に伸縮自在の油圧シリンダを
延在させシリンダロツドの先端に最下段のアームを連結
することによりバケットに前方への押圧力を付与できる
ようにした方式のものはシリンダーが伸縮アームの筒体
内に内蔵されているため、保守が困難であり、また、シ
リンダーが長くなりしかもバケット支持アームに直接連
結されるため作業中にねじれが生じて損壊し易く、コス
トも高くなる欠点があった。

これらの問題を解決するために、本願出願人は先に、伸
縮自在に内外嵌合した複数のアーム部材間に押し込みと
引き上げの二系統のワイヤロープを張架し、このワイヤ
ロープを一体の滑車を備えた油圧シリンダのロツドで引
くことにより伸縮アームを伸長側と短縮側の両方向の強
制駆動できるようにしたテレスコピツクアームを開発
し、昭和57年特許願第187354号として特許出願をした。

この方式のものはアーム伸長の際にアーム先端に強力な
押圧力を付与することができるので掘削効率が良く、ま
た水平あるいは上方への伸長も可能であるため、車両の
掘削土砂の積込みにも便利であり、さらには長いシリン
ダを必要としないなど種々優れた評価を得ている。しか
しながらこのものは従来のものと同様に最外側のアーム
が土工機械本体のブームに固定されているため、伸縮時
のアーム全体を後方に移動することができない。従っ
て、土砂を堀上げ、車両に積み込むべくアームを水平に
したときの重心がブーム支点から遠い位置にあるためバ
ランスが悪く無理な力が加わるおそれがあるとともに、
車両積み込みの作業半径が大きくなる傾向がある 本発明は上記の問題を解決するべくなされたもので、そ
の目的とするところは伸長時すなわち掘削時にアーム先
端へ強制的な下方押圧力を作用させることができるとと
もに、短縮時にアーム全体を後方に摺動して重心を移動
できるようにし、加えて積み込み時の作業半径を小さく
できるテレスコピツクアームを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の上記目的は、上部滑車と下部滑車を軸着した中
空筒体の軸方向に油圧シリンダを固定しシリンダロツド
の先端に引き上げ側の滑車と押し込み側の滑車を取付け
た外側アームと、中空筒体の一側に上部滑車13a、他側
に下部滑車13bを取付けた中間アームと、先端にアタツ
チメントを取付ける内側アームとを伸縮自在に内外嵌合
するとともに、内側アームに固定した二系統のワイヤロ
ープの一方を中間アームの下部滑車から上部滑車に順次
巻き返しさらに外側アームの下部滑車と油圧シリンダの
一方の滑車に巻き返してその先端を外側アームのブラケ
ツトに固定し、他方のワイヤーロープを外側アームの上
部滑車から油圧シリンダの他方の滑車に巻き返してその
先端を外側アームのブラケツトに固定したテレスコピツ
クアーム本体と、土工機械等のブーム等に連結するブラ
ケツトを有する中空筒体の軸方向に沿ってスリツトまた
は開口を設けた支持部材とを有し、該支持部材に前記テ
レスコピツクアーム本体をその外側アームの油圧シリン
ダが前記支持部材の開口部に臨むようにして進退移動可
能に内嵌するとともに、油圧シリンダのロツド先端付近
を前記支持部材の後端付近に一体結合したテレスコピツ
クアーム装置によって達成することができる。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図に
おいて１は、油圧式シヨベルなどの土工機械本体（図は
省略）のブームＡや操作油圧シリンダＢを連結するブラ
ケツト1aを一体固設した中空枠体1bの軸方向に細長いス
リツトまたは開口1cを形成し、中空内部を貫通してテレ
スコピツクアーム本体２を進退移動可能に支持する支持
部材である。２は支持部材１の内部を貫通して摺動自在
に保持されるテレスコピツクアーム本体であって、この
テレスコピツクアーム本体２は外側アーム３と中間アー
ム４と内側アーム５とをそれぞれ摺動自在に内外嵌合し
た伸縮アームを構成しており、外側アーム３は後端ブラ
ケツトに上部滑車6aを先端外側ブラケツトに下部滑車6b
をそれぞれ軸着した中空筒体からなり、中間付近外側に
油圧シリンダ７を軸方向に沿って一体固設してある。ま
た、このシリンダ７のピストンロツド８先端に押し込み
用と引き上げ用の二組の滑車9a、9bを軸着してある。図
の実施例では一連のピストンロツドの先端を両端から突
出させた両ロツド式油圧シリンダを使用し、後方ピスト
ンロツド8a後端に引き上げ用の滑車9aを設け、先方ピス
トンロツド8bの先端に押し込み用の滑車9bを設けてある
が、本発明はこの構造に限らず、片ロツド式シリンダを
用いそのピストンロツド（図の8aに相当）先端に二組の
滑車9a、9bを同軸に取付けることももちろん可能であ
る。尚、外側アームの両端には図のように必要に応じて
ガイドプーリ10a、10bを設けてもよい。外側アーム３は
シリンダ７の固定部材11が支持部材１の開口1cから突出
するようにして支持部材１内に嵌合され、それ自体は支
持部材１に対して進退移動可能に支持されているが、後
方シリンダロツド8aの先端首部は固定ブラケツト12を介
して支持部材１の後部に固定されている。すなわち、シ
リンダロツド8aは支持部材１に固定され、シリンダ７及
びこれと一体の外側アーム３は支持部材１に対して摺動
可能に保持されている。

中間アーム４は後端部に上部滑車13aを、また先端部に
下部滑車13bをそれぞれ軸着した中空筒体からなり、外
側アーム３の内部に摺動且つ伸縮自在に嵌合されてい
る。また、最内側アーム５は先端に掘削バケツトなどの
アタツチメント14を取付けるためのブラケツト５′を有
し、前記中間アーム４内に摺動且つ伸縮自在に嵌合され
ている。第４図に解り易く示すように、テレスコピツク
アーム２は最内側アーム５の好ましく後部に引き上げ用
のワイヤロープ15aと押込み用のワイヤロープ15bの一端
が固定されており、引上げ用のワイヤロープ15aは外側
アーム３の上部滑車6a（必要によりガイドプーリ10aを
介して）と油圧シリンダ７の引上げ用滑車9a間に巻き返
してその先端を外側アーム３の後部ブラケツトに固定し
てある。他方、一端を内側アーム５に固定した押込みワ
イヤロープ15bは中間アーム４の下部滑車13bから上部滑
車13aに巻返し、さらに外側アーム３の下部滑車6b（必
要によりガイドプーリ10bを介して）と油圧シリンダ７
の押込み用滑車9b間に巻返してその先端を外側アーム３
の前部ブラケツトに固定してある。

尚、外側アーム３の上部滑車6aと引き上げ用滑車9a、及
び下部滑車6bと押し込み用滑車9bはアームの伸長時の長
さ（ワイヤ長さ）に応じて、それぞれ複数個平列に並
べ、それぞれのワイヤを複数条に掛ける。

尚、16aは内側アーム５の後端17に一端を固定し、中間
アーム２の先端の引き上げ同調滑車18aに巻き返してそ
の他端16a′を外側アーム３に固定した引上げ同調ワイ
ヤ、16bは内側アーム５の後端17に一端を固定し、中間
アーム４後端部の押し込み同調滑車18bから外側アーム
３の同調滑車19に巻き返してその他端16b′を外側アー
ム３に固定した押し込み同調ワイヤである。

次に本発明の作用を説明する。

第１図は本発明のテレスコピツクアーム装置を短縮し旦
つ水平方向に回動した状態である。この状態からアーム
を伸長して掘削を行うときは第３図のようにアームを垂
直に立て、シリンダ７の押し込み側ポート7bに油圧を供
給すると、シリンダロツド8aの後部はブラケツト12によ
り支持部杙１に固定されているのでシリンダ７及びこれ
と一体の外側アーム３が先方へ強制的に押し出される。
その結果、シリンダの押し込み用滑車9bと外側アーム３
の下部滑車6bの間が次第に離れこの滑車6b、9b間に押し
込みワイヤロープ15bを巻き取るため中間アーム４、内
側アーム５も前方へ強制的に押出されアーム先端に強力
な掘削押圧力を付与することができる。そしてこの状態
では第３図のように外側アーム３も支持部材１に対して
最前方位置に摺動し、アーム先端は最長に伸びた状態に
ある。次いで、バケツトを引き上げるべく、アームに圧
縮するときは、シリンダ７の引上げ側ポート7aに油圧を
供給すると外側アーム３がシリンダ７と共に第３図位置
から第１図位置に引き上げられると同時に、シリンダ７
の引き上げ滑車9aと外側アーム３の上部滑車6aが次第に
離れてゆく。その結果、滑車9a、6aの間に引上げワイヤ
15aが巻取られるため中間アーム４と内側アーム５も上
方に摺動する。かくしてテレスコピツクアーム本体２は
最短に縮むがこの状態では外側アーム３自体が支持部材
１に対して最後方に移動しこれによりアーム本体２及び
バケツト荷重の重心及びアーム先端位置はその分だけ後
方に移動されることになる。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明のテレスコピツクアーム装置はア
ーム伸長時に強制的な押し込み圧力を付与できるので一
回の掘削量が大きく、また硬い土砂の掘削も容易である
と同時に、外側アームそれ自体が支持部材に対して進退
移動する構造であるので伸長時はアームの全長をあます
ところなく深掘りに利用できるとともに、短縮時にはア
ーム全体が後方に引上げられて重心が後方に移動するの
で荷重バランスが良くなる。このことはアーム及び土木
機械本体に無理な力がかからなくなることを意味するこ
とより大型の掘削バケツトが使用できることになる。さ
らに、アームを短縮したときブーム連結位置とアーム先
端位置がアームの後方移動ストロークだけ短かくなるの
で、バケツト等を掘削穴に出入れする際のブーム上下移
動巾が小さくてすみ、また、車両への土砂の積込作業半
径が小さくなるから作業能率が著しく向上し、併せて、
土砂散乱区域をせまくできるなど優れた利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるテレスコピツクアーム
装置の短縮時縦断面図、第２図は第１図の部分平面図、
第３図はアーム伸長時の縦断面図、第４図は本発明装置
の構成を解り易くした説明図である。 １……支持部材、1c……開口、２……テレスコピツクア
ーム本体、３……外側アーム、４……中間アーム、５…
…内側アーム、6a……上部滑車、6b……下部滑車、７…
…油圧シリンダ、9a,9b……滑車、12……固定ブラケツ
ト、13a……上部滑車、13b……下部滑車、14……アタツ
チメント、15a……引き上げワイヤロープ、15b……押し
込みワイヤロープ、16a……引き上げ同調ワイヤ、16b…
…押し込み同調ワイヤ、18a……引き上げ同調滑車、18b
……押し込み同調滑車、

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上部滑車6aと下部滑車6bを軸着した中空筒
   体の軸方向に油圧シリンダ７を固定し、シリンダロツド
   ８の先端に引き上げ側の滑車9aと押し込み側の滑車9bを
   取付けた外側アーム３と、中空筒体の一側に上記滑車13
   aを、他側に下部滑車13bを取り付けた中間アーム４と、
   先端にアタツチメントを取り付ける内側アーム５とを伸
   縮自在に内外嵌合するとともに、内側アーム５に固定し
   た二系統のワイヤロープ15a、15bの一方15bを中間アー
   ム４の下部滑車13bから上部滑車13aに順次巻き返しさら
   に外側アーム３の下部滑車6bと油圧シリンダ７の押し込
   み側滑車9bに巻き返してその先端を外側アーム３の下部
   ブラケツトに固定し、他方のワイヤーロープ15aを外側
   アーム３の上部滑車6aから油圧シリンダ７の引き上げ側
   滑車9aに巻き返してその先端を外側アーム３の上部ブラ
   ケツトに固定したテレスコピツクアーム本体２と、土工
   機械等のブーム弁に連結するブラケツト1aを有する中空
   筒体1bの軸方向に沿ってスリツトまたは開口1cを設けた
   支持部材１とを有し、該支持部材１に前記テレスコピツ
   クアーム本体２を、その外側アーム３の油圧シリンダ７
   が前記支持部材１の開口1cに臨むようにして進退移動可
   能に内嵌するとともに油圧シリンダ７のロツド先端付近
   を前記支持部材１の後端付近に一体結合したことを特徴
   とするテレスコピツクアーム装置
2. 【請求項２】シリンダ７が一連のシリンダロツドを両側
   に突出させた両ロツド式シリンダからなり、後部ロツド
   8aに引き上げ側滑車9aを、前部ロツド8bに押し込み側滑
   車9bをそれぞれ設け、後部ロツド8aの先端付近を支持部
   材１の後端付近に一体結合したことを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載のテレスコピツクアーム装置
3. 【請求項３】テレスコピツクアーム本体２の外側アーム
   ３と中間アーム４と内側アーム５が引き上げ同調ワイヤ
   16aを押し込み同調ワイヤ16bで連繋されていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項または第２項記載のテレ
   スコピツクアーム装置