JPH0841927A - 深掘り掘削機 - Google Patents

深掘り掘削機

Info

Publication number
JPH0841927A
JPH0841927A JP20149494A JP20149494A JPH0841927A JP H0841927 A JPH0841927 A JP H0841927A JP 20149494 A JP20149494 A JP 20149494A JP 20149494 A JP20149494 A JP 20149494A JP H0841927 A JPH0841927 A JP H0841927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boom
wire
transmission mechanism
cylinder rod
telescopic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20149494A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Kishi
光宏 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japanic Corp
Original Assignee
Japanic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japanic Corp filed Critical Japanic Corp
Priority to JP20149494A priority Critical patent/JPH0841927A/ja
Publication of JPH0841927A publication Critical patent/JPH0841927A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Jib Cranes (AREA)
  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直径に比べ深さが際めて深い穴を掘り取るこ
とができ、テレスコピック状に組み合わされた複数段の
伸縮ブームの伸縮動作の高速化および軽量化を図るこ
と。 【構成】 複数本のブームエレメント15、19、20
をテレスコピック状に組み合わせてその長さ方向に伸縮
ができる伸縮ブーム21と、この伸縮ブーム21の内部
に収納されて各ブーム15、19、20を伸縮動作させ
るための作動ユニット31とから成り、作動ユニット3
1は、伸縮ブーム21の伸縮方向に沿って進退移動する
シリンダーロッド32を有する駆動源としての一つのシ
リンダー装置33と、このシリンダー装置33のシリン
ダーロッド32移動量を倍増してブームエレメント相互
間に伝達するワイヤー54、63、77、95およびプ
ーリー52、53、59、60、76、91、92を用
いたブーム移動量倍増伝達機構とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば土木工事、建設
工事等においてその直径に比べ深さが際めて深い穴を掘
り取る場合に用いる深掘り掘削機に関し、特にテレスコ
ピック状に組み合わされた複数段の伸縮ブームを有する
ものにおいて、その伸縮ブームの伸縮動作の高速化およ
び軽量化を図った深掘り掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】将来より土木工事、建設工事等において
は直径に比べ深さが際めて深い穴を掘り取る作業工程が
存在した。例えば、鉄塔を支えるアンカー用の穴、浄化
槽の埋め込み用の穴、建築物の基礎工事、井戸掘り工事
等の作業が挙げられる。このような深掘り作業において
は、穴の直径が5メートル程度であるのに対し、深さが
15メートルないし20メートルといった極めて深い穴
を掘らざるを得ないものであった。
【0003】このような深掘り作業には、従来では伸縮
する複数段のブームをテレスコピック状に組み立てた伸
縮ブームを用い、この伸縮ブームを掘削機のアームに取
り付けて、最下段のブームの先端にクラムシェルバケッ
トを連結した構造の深掘り掘削機が用いられていた。こ
の深掘り掘削機の構造では、その殆どがアームの先端に
取り付けた伸縮できるブームエレメントによって構成さ
れており、このブームエレメントはテレスコピック状に
組み合わされた2段以上の複数段のブームによってバケ
ットを深い穴の底まで吊り下げるような構造となってい
るのが特徴であった。
【0004】このような深掘り掘削機の伸縮ブームを作
動させるための伸縮機構で従来より一般的に用いられて
いるものには、ワイヤーやチェーンを各ブームエレメン
トに張り渡し、ワイヤーやチェーンによって各ブームエ
レメントを同期させて伸縮させる構成が採用されてい
た。このような従来の機構では、テレスコピック状に組
み立てられた複数段のブームエレメントをそれぞれ円滑
に伸縮させることができるが、ワイヤーやチェーンの巻
き取り用のドラムやスプロケット、また駆動源となるモ
ーター等を伸縮ブームの外部に設けていたために構成が
繁雑となり、また伸縮ブームの外部にワイヤーやチェー
ンを配置させているため土砂等が付着して動作を阻害し
たり、故障の原因となる問題があった(例えば、特開平
1年192695号、特開平3年262838号な
ど)。
【0005】これに対し、伸縮ブームの内部に油圧シリ
ンダ等のシリンダー装置を設け、このシリンダー装置の
動作をチェーン等の動力伝達機構を用いて伸縮ブームの
内部で各ブームエレメントに伝達するようにしたり、ま
た各ブームエレメントに対応して複数のシリンダー装置
を設け、余分な伝達機構を省いて構成の簡素化を図る技
術も開発されてきた。このような機構の場合には、駆動
部が伸縮ブームの内部に装着されるので土砂等の付着に
よる支障は生じないが、部材重量が大きくなって動作が
緩慢となる等の不具合があった(例えば、特開平5年3
21289号など)。
【0006】しかも、上述した従来のいずれの機構にお
いても、駆動源から得られる作動量が直接的に各ブーム
エレメントの作動量として出力される構成となっている
ため、伸縮ブームの高速化が図れず、バケットが地表か
ら穴の底に到達するまで、およびバケットが穴の底から
地表に到達するまで、それぞれ時間がかかるという問題
点を抱えていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の深掘
り掘削機では、構成の複雑化あるいは土砂付着等の問題
や、重量の増大という問題、またバケットが地表から穴
の底に到達するまで、およびバケットが穴の底から地表
に到達するまで、それぞれ時間がかかり、効率的な作業
をすることができない等の問題があった。
【0008】このようなことから、伸縮ブームの構成が
簡素で土砂付着等の問題もなく、かつ軽量で作動速度が
早く、作業が効率よく行える深堀り掘削機の開発が望ま
れていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の問題を解決するた
めに本発明に係る深掘り掘削機は、車体と、この車体の
上方に軸支されて上下に揺動できるアームと、このアー
ムの先端に取り付けられ、複数本のブームエレメントを
テレスコピック状に組み合わせてその長さ方向に伸縮が
できる伸縮ブームと、この伸縮ブームの内部に収納され
て各ブームを伸縮動作させるための作動ユニットと、前
記伸縮ブームの先端のブームエレメントに取り付けられ
て土砂を掴み取ることができるバケットとからなる深掘
り掘削機において、前記作動ユニットは、伸縮ブームの
伸縮方向に沿って進退移動するシリンダーロッドを有す
る駆動源としての一つのシリンダー装置と、このシリン
ダー装置のシリンダーロッド移動量を倍増してブームエ
レメント相互間に伝達するワイヤーおよびプーリーを用
いたブーム移動量倍増伝達機構とを備えたことを特徴と
する。
【0010】本発明において望ましくは、伸縮ブームを
外ブーム、中ブーム、内ブームの3つのブームエレメン
トをテレスコピック状に組み合わせて構成し、その内ブ
ームに作動ユニットの駆動源であるシリンダー装置を組
み込むとともに、このシリンダー装置のシリンダーロッ
ドの先端に取り付けたプーリーとこのプーリーに巻き付
けたワイヤーとで内ブームと中ブームとの間の相対移動
を行わせる第1段ブーム移動量倍増伝達機構を構成し、
かつ中ブームと外ブームとの間に設けたプーリーとこの
プーリーに巻き付けたワイヤーとで中ブームと外ブーム
との間の相対移動を行わせる第2段ブーム移動量倍増伝
達機構を構成することである。
【0011】さらに本発明において望ましくは、第1段
ブーム移動量倍増伝達機構が、シリンダー装置のシリン
ダーロッドの進出に伴って中ブームの内ブームに対する
収縮動作を行わせる収縮用伝達機構と、前記シリンダー
ロッドの退入に伴って中ブームの内ブームに対する伸長
動作を行わせる伸長用伝達機構とからなり、第2段ブー
ム移動量倍増伝達機構が、シリンダー装置のシリンダー
ロッドの進出に伴って外ブームの中ブームに対する収縮
動作を行わせる収縮用伝達機構と、前記シリンダーロッ
ドの退入に伴って外ブームの中ブームに対する伸長動作
を行わせる伸長用伝達機構とからなるものとすることで
ある。
【0012】
【作用】上述した本発明に係る深掘り掘削機において
は、テレスコピック状の伸縮ブームの内部に収納されて
各ブームを伸縮動作させるための作動ユニットが、シリ
ンダー装置からなる一つの駆動源によって構成される。
そして、この一つのシリンダー装置のシリンダーロッド
の動作が、ワイヤーおよびプーリーを用いたブーム移動
量倍増伝達機構によって倍増されて複数のブームエレメ
ント相互間に伝達される。したがって、本発明によれ
ば、伸縮ブームの重量増大の原因となるシリンダー装置
が単一であるとともに、シリンダーロッドの動作がワイ
ヤーおよびプーリーという簡易な構成要素を介して各ブ
ームエレメントに伝達されるものであるから、伸縮ブー
ムの重量が非常に軽量なものとなり、伸縮ブームの伸縮
動作ひいては深掘り掘削におけるバケットの昇降動作が
シャープで円滑なものとなる。
【0013】しかも、シリンダーロッドの動作を各ブー
ムエレメントに伝達する手段としてワイヤーおよびプー
リーからなるブーム移動量倍増伝達機構を採用したこと
によって、シリンダーロッドに設定すべき動作ストロー
クが小さいものであっても、ブーム伸縮動作範囲を大き
く設定することができるので、複数のブームエレメント
の伸縮が効率よく行われて、高速の伸縮動作を得ること
が可能となる。このため、バケットが地表から穴の底に
到達するまで、およびバケットが穴の底から地表に到達
するまでの時間を、従来の技術に比して大幅に短縮する
ことが可能となる。このような構成の作動ユニットは、
伸縮ブームの内部に設けたものであるから、土砂等の付
着による支障が生じることもない。
【0014】なお、上述のようにブーム移動量倍増伝達
機構を採用することで、伸縮ブームを構成するブームエ
レメントの移動量を大きく設定することができるため、
ブームエレメントの本数を多くする必要がない。すなわ
ち、伸縮ブームは、外ブーム、中ブーム、内ブームの3
つのブームエレメントをテレスコピック状に組み合わせ
たものとすることにより、構成を簡素なものとすること
ができる。この場合、作動ユニットの駆動源であるシリ
ンダー装置は最も内側に配置する内ブームに組み込むこ
とで、シリンダ装置の取り付けが容易に行える。
【0015】また、伸縮ブームを外ブーム、中ブーム、
内ブームの3つのブームエレメントで構成する場合、ブ
ーム移動量倍増伝達機構はシリンダ装置とブームエレメ
ントとの間で効率よく設けることができる。すなわち、
シリンダー装置のシリンダーロッドの先端に取り付けた
プーリーとこのプーリーに巻き付けたワイヤーとで内ブ
ームと中ブームとの間の相対移動を行わせる第1段ブー
ム移動量倍増伝達機構を構成し、かつ中ブームと外ブー
ムとの間に設けたプーリーとこのプーリーに巻き付けた
ワイヤーとで中ブームと外ブームとの間の相対移動を行
わせる第2段ブーム移動量倍増伝達機構を構成すること
で、最も効率よい動作が行える。
【0016】さらに、この場合において第1段ブーム移
動量倍増伝達機構および第2段ブーム移動量倍増伝達機
構を、シリンダー装置のシリンダーロッドの進出に伴っ
て中ブームの内ブームに対する収縮動作を行わせる収縮
用伝達機構と、前記シリンダーロッドの退入に伴って中
ブームの内ブームに対する伸長動作を行わせる伸長用伝
達機構とからなるものとすることで、往復動作を行う駆
動源としてのシリンダー装置のシリンダーロッドの動作
を、進出および退入に伴わせてそれぞれ効率よく利用す
ることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。本実施例において、図1は深掘り掘削機の外観を示
す斜視図であり、図2は伸縮ブームの構成を示す側面図
であり、図3は作動ユニットの伸縮ブームの内部におけ
る配置構成を示す斜視図であり、図4は作動ユニットの
構成を詳細に示す縦断面図であり、図5は図4のAーA
線に沿う横断面図であり、図6は作動ユニットのみを抽
出して示す斜視図であり、図7は深掘り掘削機による掘
削作用を示す説明図である。この実施例では、地表より
下部方向に向けて垂直な深い穴を掘り、構造物の基礎工
事、埋設工事に利用するための深掘り掘削機に本発明を
応用した例について説明する。
【0018】この実施例では図1に示すように、車体1
0の左右にそれぞれクローラー11が巻き付けてあり、
このクローラー11により車体は前後左右に自由に移動
することができる。この車体10の上面には作業台12
が水平方向に360度旋回できるように設置してあり、
この作業台12の上部前面に略く字状に折り曲げたアー
ム13が上下方向に揺動できるように軸支してある。こ
のアーム13の中央と前記作業台12の前面との間には
俯仰制御用の油圧シリンダー14が介在させてある。
【0019】そして、アーム13の先端には断面が四角
形をした中空の細長い外ブーム15がブラケット16お
よび支持ピン17によって上下に揺動自在に連結してあ
り、アーム14の内面中央と外ブーム15の後部との間
には油圧シリンダー18が介在させてある。この外ブー
ム15は例えば薄肉鋼板を折り曲げて形成した断面四角
形で内部中空の細長い形状をしており、その下端開口か
らは薄肉鋼板を折り曲げて形成した断面四角形で、内部
中空の中ブーム19が摺動自在に挿通してある。さら
に、この中ブーム19の下端開口からは薄肉鋼板を折り
曲げて形成した断面四角形で、内部中空の細長い形状の
内ブーム20が摺動自在に挿入させてある。これら外ブ
ーム15、中ブーム19、内ブーム20からなる3つの
ブームエレメントによって3段に伸縮できるテレスコピ
ック状に組み立てられた伸縮ブーム21が構成されてい
る。
【0020】そして、内ブーム20の先端にはブラケッ
ト22および連結ピン23を介して円筒形をした吊り軸
24が常時、自重によって下方を向くように連結されて
おり、この吊り軸24の下端には左右に開閉動して土砂
を掘り取るための一対のシェルバケット25が連結され
ている。この吊り軸の中央と各シェルバケット25の背
面との間には、このシェルバケット25を作動させるた
めの油圧シリンダー26がそれぞれ介在させてある。
【0021】図2は伸縮ブーム21の構造を概略的に示
す斜視図である。この伸縮ブーム21は前述したよう
に、外ブーム15、中ブーム19、内ブーム20からな
るブームエレメントがテレスコピック状に順次挿通され
て組み立てられており、外ブーム15、中ブーム19、
内ブーム20のそれぞれは相互にその長さ方向に自由に
摺動できるようになっている。この伸縮ブーム21の内
部に、シリンダー装置および複数のプーリー機構等で構
成された作動ユニット31が挿入してある。
【0022】図3は、作動ユニット31の伸縮ブーム2
1内における配置構成を示す斜視図である。この作動ユ
ニット31は、伸縮ブーム21の伸縮方向に沿って進退
移動するシリンダーロッド32を有する駆動源としての
一つのシリンダー装置33と、このシリンダー装置33
のシリンダーロッド移動量を倍増して各ブーム15、1
9、20にそれらの間の相対移動として伝達するプーリ
ー等を用いたブーム移動量倍増伝達機構34とから構成
されている。
【0023】シリンダー装置33は例えば油圧シリンダ
ーであり、内ブーム20の内部に、この内ブーム20の
長さ方向にシリンダー軸心を配置した状態で挿入してあ
る。このシリンダー装置33の本体部分であるシリンダ
ー35の一端側(伸縮ブーム21を縦状態にした場合の
下端側)が、ブラケット36および支持ピン37を介し
て内ブーム20の下端側に取り付けてある。また、シリ
ンダー35の上端側は別のブラケット38を介して内ブ
ーム20の長さ方向中間部分に取り付けてある。シリン
ダーロッド32は縦状態にした内ブーム20の略上端側
に達する長さとなっている。
【0024】図4は作動ユニット31の構成を詳細に示
す縦断面図であり、図5は図4のAーA線に沿う横断面
図である。また、図6は作動ユニット31のみを抽出し
て示す斜視図である。これらの図に示すように、シリン
ダー装置35である油圧シリンダーは伸縮ブーム21を
縦向きとした状態において、内ブーム20の内部にシリ
ンダー35を下側に、またシリンダーロッド32を上向
きとして同軸的に配置してある。そして、このシリンダ
ー装置35とともに作動ユニット31を構成するブーム
移動量倍増伝達機構34は、内ブーム20と中ブーム1
9との間の相対移動を行わせる第1段ブーム移動量倍増
伝達機構39と、中ブーム19と外ブーム15との間の
相対移動を行わせる第2段ブーム移動量倍増伝達機構4
0とから構成してある。
【0025】さらに、第1段ブーム移動量倍増伝達機構
39は、シリンダー装置35のシリンダーロッド32の
進出(上昇)に伴って中ブーム19の内ブーム20に対
する収縮動作を行わせる収縮用伝達機構41と、シリン
ダーロッド32の退入(下降)に伴って中ブーム19の
内ブーム20に対する伸長動作を行わせる伸長用伝達機
構42とから構成してある。また、第2段ブーム移動量
倍増伝達機構40も、シリンダー装置33のシリンダー
ロッド32の進出に伴って外ブーム15の中ブーム19
に対する収縮動作を行わせる収縮用伝達機構43と、シ
リンダーロッド32の退入に伴って外ブーム15の中ブ
ーム19に対する伸長動作を行わせる伸長用伝達機構と
から構成してある。すなわち、ブーム移動量倍増伝達機
構34は、3段の伸縮ブーム21を伸縮動作させるため
に、ワイヤーおよびプーリーを用いた4つの機構部分か
らなっている。以下、各機構部分について説明する。
【0026】まず、内ブーム20と中ブーム19とを収
縮動作させるための第1段ブーム移動量倍増伝達機構3
9の収縮用伝達機構41について説明する。図4〜図6
に示すように、シリンダー装置33のシリンダーロッド
32の上端にブラケット50および支軸51を介して可
動プーリー52が設けてあり、またシリンダー35の一
端下端に設けた前記のブラケット36および支持ピン3
7にも、この支持ピン37を支軸とする固定プーリー5
3が設けてあり、可動プーリー52の上側から固定プー
リー53の下側に亘って第1ワイヤー54が巻回してあ
る。この第1ワイヤー54の可動プーリー52上側を巻
回した一端側は内ブーム20に、また固定プーリー53
の下側を巻回した他端側は中ブーム19に連結してあ
る。
【0027】すなわち、この第1ワイヤー54の一端は
シリンダーロッド32の一側方を通り、シリンダー35
を内ブーム20の中間部分に取り付けるための前記のブ
ラケット38にワイヤー取り付け具55を介して取り付
けられている。この第1ワイヤー54が可動プーリー5
2の上側を巻回して下方に延び、シリンダーロッド32
およびシリンダー35の他側方を通り固定プーリー53
の下側を巻回した後、上向きとなっている。この上向き
となった他端が、中ブーム19の上端部に固定されて内
ブーム20内に挿入された縦長な連結ロッド56の下端
部に、ワイヤー取り付け具57を介して取り付けられて
いる。
【0028】そして、シリンダーロッド32が図4およ
び図5に矢印aで示すように上方に向かって進出する際
に、可動プーリー52の上側に巻回された第1ワイヤー
54が押し上げられる。しかし、この第1ワイヤー54
の一端は内ブーム20への固定端であるため、シリンダ
ーロッド32の側方で下側に伸びて固定プーリー53の
下側に巻回され上向きとなった他端が下降するようにな
る。これにより第1ワイヤー54の他端が連結ロッド5
6を介して中ブーム19に下降力を作用させ、中ブーム
20が相対的に内ブーム20に対して下降する。図4に
は中ブーム19が最大限下降して内ブーム19と略同一
高さになった状態、すなわち伸縮ブーム21の収縮状態
を示したものである。
【0029】ところでこの場合、シリンダーロッド32
の移動量に対し、第1ワイヤー54は可動プーリー52
を巻回して2本となった状態でシリンダーロッド32と
同一距離だけ移動することになるため、第1ワイヤー5
4はシリンダーロッド32の2倍の移動を行うものとな
る。言い換えると、この第1ワイヤー54によって連結
された内ブーム20と中ブーム19とは、シリンダーロ
ッド32が1ストローク進出移動する間に、そのシリン
ダーロッド32のストロークの2倍の収縮移動を行うこ
とになる。すなわち、第1ワイヤー54、可動プーリー
52、固定プーリー53からなる第1段ブーム移動量倍
増伝達機構39の収縮用伝達機構41によって、内ブー
ム20と中ブーム19とは駆動源であるシリンダー装置
33の出力を2倍に増幅した形で収縮動作する。
【0030】なお、第1ワイヤー54の取り付け具5
5、57の少なくともいずれか一方は、ねじ機構等によ
ってワイヤー取り付け位置を調節することができる構成
とし、これにより第1ワイヤー54の張り具合の微調整
を行えるようにすることが望ましい。
【0031】次に、内ブーム20と中ブーム19とを伸
長動作させるための第1段ブーム移動量倍増伝達機構3
9の伸長用伝達機構42について説明する。図4および
図6に示すように、可動シリンダー装置33のシリンダ
ーロッド32の上端にブラケット50および支軸51を
介して前記の可動プーリー52と同軸上にもう1つの可
動プーリー58が設けてある。また、中ブーム19の上
端側内面に上下の配置を異ならせて1対の組プーリー5
9、60がそれぞれ支軸61、62を介して設けてあ
る。そして、第2ワイヤー63の一端が内ブーム20の
上端部にワイヤー取り付け具64を介して取り付けられ
ており、この第2ワイヤー63が一端側において先ず可
動プーリー58の下側を巻回して上方に向きを変えた
後、一方の組プーリー59の側部および他方の組プーリ
ー60の上側を巻回して下方に向きを変え、その後シリ
ンダーロッド32およびシリンダー35の側方を通って
下方に延びている。この下方に延びた第2ワイヤー63
の他端が、中ブーム20の下端部にワイヤー取り付け具
65を介して取り付けられている。
【0032】なお、第2ワイヤー63の一端を内ブーム
20の上端部に取り付ける取り付け具64は、内ブーム
20の上端部に固定した固定ナット66と、この固定ナ
ット65にワイヤー63の延長方向(上下方向)に沿っ
てねじ込んだボルト67とからなり、第2ワイヤー63
の一端はこのボルト67に連結してある。また、第2ワ
イヤー63を中ブーム19に取り付けるワイヤー取り付
け具65は中ブーム19に固定した固定ナット68と、
この固定ナット68にワイヤー63の延長方向に沿って
ねじ込んだボルト69とからなり、第2ワイヤー63の
他端はこのボルト69に連結してある。これら各ワイヤ
ー取り付け具64、65のボルト67、69をそれぞれ
回転することによって、第2ワイヤー63のワイヤー取
り付け位置を調節することができ、それによって第2ワ
イヤー63の張り具合の微調整が行える。
【0033】このように構成した第1段ブーム移動量倍
増伝達機構39の伸長用伝達機構42では、シリンダー
ロッド32が図4に矢印bで示すように下方に向かって
退入する際に、可動プーリー58の下側を巻回している
第2ワイヤー63の一端側部分が可動プーリー58によ
って押し下げられる。このように、可動プーリー58の
下側を巻回して上向きとなった後に組プーリー60の上
側を巻回して下方に延びる第2ワイヤー63の他端側に
引き上げ力が作用するため、この第2ワイヤー63の他
端側と連結した中ブーム19の下端部に上向きの力が発
生し、図4の収縮状態から上方に移動する作用すなわち
内ブーム20と中ブーム19との相対的な伸長作用が行
われる。
【0034】この場合、シリンダーロッド32の移動量
に対して第2ワイヤー63は可動プーリー58の巻回部
分において2倍の移動を行うため、この第2ワイヤー6
3に連結された内ブーム20と中ブーム19とは同一時
間でシリンダーロッド32の移動量の2倍の速度で収縮
移動することになる。すなわち、第2ワイヤー63と可
動プーリー58および組プーリー59、60を用いた第
1段ブーム移動量倍増伝達機構39の伸長用伝達機構4
2によって、内ブーム20と中ブーム19とは駆動源で
あるシリンダー装置33のシリンダーロッド32の出力
を2倍に増幅した形で伸長動作する。
【0035】次に、中ブーム19と外ブーム15とを収
縮動作させるための第2段ブーム移動量倍増伝達機構4
0の収縮用伝達機構43について説明する。図4〜図6
に示すように、中ブーム19の下端部に支軸75を介し
て下部プーリー76が設けてあり、この下部プーリー7
6の下側に第3ワイヤー77が巻回されている。下部プ
ーリー76の下側を巻回して伸縮ブーム21の内方で上
向きに延びる第3ワイヤー77の一端は、内ブーム20
の外面の上端部近傍にワイヤー取り付け具78を介して
連結してある。また、下部プーリー76の下側を巻回し
て伸縮ブーム21の外方で上向きに延びる第3ワイヤー
77の他端は、外ブーム15の下端部近傍にワイヤー取
り付け具79を介して連結されている。第3ワイヤー7
7の一端を内ブーム20に取り付けるワイヤー取り付け
具78は、内ブーム20の外面に固定したブラケット8
0と、このブラケット80に取り付けた止めピン81と
を有する構成で、第3ワイヤー77を止めピン81によ
り固定状態で止めている。
【0036】また、第3ワイヤー77の他端を外ブーム
15に取り付けるワイヤー取り付け具79は、外ブーム
に固定した固定ナット82と、この固定ナット82にワ
イヤー77の延長方向に沿ってねじ込んだボルト83と
からなり、このボルト83に第3ワイヤー63の他端を
連結してある。このワイヤー取り付け具79のボルト8
3を回転することによって、第3ワイヤー77のワイヤ
ー取り付け位置を調節することができ、それによって第
3ワイヤー77の張り具合の微調整が行える。
【0037】このように構成した第2段ブーム移動量倍
増伝達機構40の収縮用伝達機構43は、第1段ブーム
移動量倍増伝達機構39の収縮用伝達機構41によって
行われる内ブーム20と中ブーム19との間の相対的な
収縮動作に付随して、中ブームと外ブーム15との間の
相対的な収縮動作を行わせるものである。すなわち、シ
リンダーロッド32が図4および図5に矢印aで示すよ
うに上方に向かって進出し、前記の如く第1段ブーム移
動量倍増伝達機構39の収縮用伝達機構41の第1ワイ
ヤー54によって相対的に内ブーム20が上方に、中ブ
ーム19が下方にそれぞれ移動して伸縮ブーム21の収
縮動作が行われるとき、この内ブーム20の上向き移動
によって、内ブーム20に取り付けた第3ワイヤー77
の一端側に引き上げ力が発生する。この第3ワイヤー7
7の一端側の引き上げ力により、下部プーリー76の下
側を巻回して上向きとなっている第3ワイヤー77の他
端側には逆に引き下げ力が生じ、この第3ワイヤー77
の他端側に連結されている外ブーム15は中ブーム19
に対して相対的に下降動作を行い、これにより伸縮ブー
ム21は全体として収縮動作を行うことになる。図4は
最大限収縮動作を行った状態を示している。
【0038】この場合において、外ブーム15と中ブー
ム19との間の相対移動量は、固定滑車としての下部プ
ーリー76および第3ワイヤー77によって内ブーム2
0の移動に追随するようにしてあるため中ブーム19と
内ブーム20との間の相対移動量と同等、つまりシリン
ダー装置33のシリンダーロッド32の2倍である。し
たがって、シリンダーロッド32の移動ストロークを
(L)としたとき、内ブーム20と中ブーム19との間
の相対移動量は(2×L)、中ブーム19と外ブーム1
5との相対移動量も(2×L)であるから、伸縮ブーム
21の全体移動量は、2×(2×L)=4×Lとなっ
て、伸縮ブーム21はシリンダーロッド32の4倍の移
動量をもってシリンダーロッド32の移動時間と同一の
時間内で全体的に収縮動作することになる。
【0039】さらに、中ブーム19と外ブーム15とを
伸長動作させるための第2段ブーム移動量倍増伝達機構
40の伸長用伝達機構44について説明する。図4〜図
6に示すように、中ブーム19の上端部から上方に向け
てブラケット90が突出してあり、このブラケット90
に組プーリー91、92が支軸93、94を介してそれ
ぞれ設けてある。そして、一方の組プーリー91の上側
に第4ワイヤー77が巻回してあり、この一方の組プー
リー91の上側を巻回し他方の組プーリー92の側方で
押圧保持されて伸縮ブーム21内方で下向きに延びる第
4ワイヤー95の一端は、内ブーム20の外面の上端部
近傍に設けた前記第3ワイヤー取り付け用のワイヤー取
り付け具78に連結してある。
【0040】また、組プーリー91の上側を巻回して伸
縮ブーム21外方で下向きに延びる第4ワイヤー95の
他端は、外ブーム15の下端部近傍に設けた前記第3ワ
イヤー取り付け具79と同一位置のワイヤー取り付け具
96に連結してある。第4ワイヤー95の一端を内ブー
ム20に取り付けるワイヤー取り付け具78は、内ブー
ム20の外面に固定した前記のブラケット80の止めピ
ン81の上方にもう一つの止めピン97を付加した構成
であり、第4ワイヤー95をその止めピン97により固
定状態で止めている。また、第4ワイヤー95の他端を
外ブーム15に取り付けるワイヤー取り付け具97は、
外ブーム15に固定した第3ワイヤー77取り付け用の
固定ナット82に第4ワイヤー95の延長方向に沿って
ねじ込んだボルト98を付加した構成であり、このボル
ト98に第4ワイヤー95の他端を連結してある。この
ワイヤー取り付け具96のボルト98を回転することに
よって、第4ワイヤー95のワイヤー取り付け位置を調
節することができ、それによって第4ワイヤー95の張
り具合の微調整が行える。
【0041】このように構成した第2段ブーム移動量倍
増伝達機構40の伸長用伝達機構44は、第1段ブーム
移動量倍増伝達機構39の伸長用伝達機構42によって
行われる内ブーム20と中ブーム19との間の相対的な
伸長動作に付随して、中ブーム19と外ブーム15との
間の相対的な伸長動作を行わせるものである。すなわ
ち、シリンダーロッド32が図4および図5に矢印bで
示すように下方に向かって退入し、前記の如く第1段ブ
ーム移動量倍増伝達機構39の伸長用伝達機構42の第
2ワイヤー63によって相対的に内ブーム20が下方
に、中ブーム19が上方にそれぞれ移動して伸縮ブーム
21の伸長動作が行われるとき、この内ブーム20の下
向き移動によって、内ブーム20に取り付けた第4ワイ
ヤー95の一端側に引き下げ力が発生する。この第4ワ
イヤー95の一端側の引き下げ力により、組プーリー9
1の上側を巻回して下向きとなっている第4ワイヤー9
5の他端側には逆に引き上げ力が生じ、この第4ワイヤ
ー95の他端側に連結されている外ブーム15は中ブー
ム19に対して相対的に上昇動作を行い、これにより伸
縮ブーム21は全体として伸長動作を行うことになる。
【0042】この場合、外ブーム15と中ブーム19と
の間の相対移動量は、中ブーム19と内ブーム20との
間の相対移動量と同等、つまりシリンダー装置33のシ
リンダーロッド32の2倍である。したがって、シリン
ダーロッド32の移動ストロークを(L)としたとき、
内ブーム20と中ブーム19との間の相対移動量は(2
×L)、中ブーム19と外ブーム15との相対移動量も
(2×L)であるから、伸縮ブーム21の全体移動量
は、2×(2×L)=4×Lとなって、伸縮ブーム21
はシリンダーロッド32の4倍の移動量をもってシリン
ダーロッド32の移動時間と同一の時間内で全体的に伸
長動作することになる。
【0043】次に、図7によって本実施例による深掘り
掘削機を用いての掘削作用について説明する。
【0044】本実施例の深掘り掘削機を作動させるため
には、先ず図示しないエンジンを駆動し油圧ポンプを作
動させる。油圧ポンプによって油タンクに蓄積してある
圧力油が吸引されて吐出され、この圧力油が掘削機の各
部に供給されて各機能の動作が行われる。この時、アー
ム13の油圧シリンダー14、18を伸長したり、収縮
させることができ、両油圧シリンダー14、18によっ
てアーム13と外ブーム15とを上下動させることがで
きる。これにより、図7の実線で示されているように、
やや傾斜している姿勢の外ブーム6を、図7の仮想線で
示されているような垂直に立ち上げた姿勢に変更するこ
とができる。
【0045】次に、伸縮ブーム21を図7で実線で示し
ているように、収縮している状態から、図7の仮想線で
示しているような伸長させるための動作について説明す
る。すなわち、伸縮ブーム21内の作動ユニット31の
駆動源である油圧シリンダーからなるシリンダー装置3
3を作動させることにより、図3、図4の収縮している
状態から、外ブーム15より中ブーム19および内ブー
ム20を引き出させる動作について説明する。
【0046】伸縮ブーム21の収縮状態においては、図
4に示すように、シリンダー装置33のシリンダーロッ
ド32が最大限上昇した状態にある。この状態から、伸
縮ブーム21を伸長状態にするには、シリンダーロッド
32を下降させる。シリンダーロッド32を下降させる
と(図4の矢印b)、シリンダーロッド32の上端の可
動プーリー58の下側に巻回している第2ワイヤー63
の一端側部分が可動プーリー58によって押し下げら
れ、この可動プーリー58の下側を巻回して上向きとな
った後に組プーリー60の上側を巻回して下方に延びる
第2ワイヤー63の他端側に引き上げ力が作用して、こ
の第2ワイヤー63の他端側と連結した中ブーム19の
下端部に上向きの力が発生し、図4の収縮状態から上方
に移動して内ブーム20と中ブーム19との相対的な伸
長作用が行われる。
【0047】この場合、シリンダーロッド32の移動量
に対して第2ワイヤー63は可動プーリー58の巻回部
分において2倍の移動を行うため、この第2ワイヤー6
3に連結された内ブーム20と中ブーム19とは同一時
間でシリンダーロッド32の移動量の2倍の速度で収縮
移動する。
【0048】一方、このような第1段ブーム移動量倍増
伝達機構39の伸長用伝達機構42によって行われる内
ブーム20と中ブーム19との間の相対的な伸長動作に
付随して、第2段ブーム移動量倍増伝達機構40の伸長
用伝達機構44によって、中ブーム19と外ブーム15
との間の相対的な伸長動作も行われる。すなわち、前記
のように第2ワイヤー63によって相対的に内ブーム2
0が下方に、中ブーム19が上方にそれぞれ移動するこ
とに伴い、内ブーム20の下向き移動によって、内ブー
ム20に取り付けた第4ワイヤー95の一端側に引き下
げ力が発生する。この第4ワイヤー95の一端側の引き
下げ力により、組プーリー91の上側を巻回して下向き
となっている第4ワイヤー95の他端側に引き上げ力が
生じ、この第4ワイヤ95の他端側に連結されている外
ブーム15が中ブーム19に対して相対的に上昇動作を
行い、これにより伸縮ブーム21は全体として伸長動作
を行う。
【0049】この場合、外ブーム15と中ブーム19と
の間の相対移動量は前記のように、中ブーム19と内ブ
ーム20との間の相対移動量と同等、つまりシリンダー
ロッド32の移動量の2倍であるため、伸縮ブーム21
の全体移動量は、シリンダーロッド32の4倍の移動量
をもってシリンダーロッド32の移動時間と同一の時間
内で全体的に伸長動作する。以上のようにして伸縮ブー
ム21が伸長した状態が図7に仮想線で示した状態であ
る。
【0050】伸縮ブーム21が伸長した後はバケット2
5によって土砂等の掘り取りを行い、その後、伸長ブー
ム21を収縮動作させ、バケット25を上昇させる。こ
の場合の伸長ブーム21の収縮動作を次に説明する。
【0051】伸長ブーム21を収縮させるには、前記の
伸長状態からシリンダー装置33のシリンダーロッド3
2を上昇させ、第1段ブーム移動量倍増伝達機構39の
収縮用伝達機構41によって内ブーム20と中ブーム1
9との収縮動作を行わせるとともに、第2段ブーム移動
量倍増伝達機構40の収縮用伝達機構43によって中ブ
ーム19と外ブーム15とを収縮動作させる。
【0052】すなわち、シリンダーロッド32が上昇
際、可動プーリー52の上側に巻回された第1ワイヤー
54が押し上げられるが、この第1ワイヤー54の一端
は内ブーム20への固定端であるため、シリンダーロッ
ド32の側方で下側に伸びて固定プーリー53の下側に
巻回され上向きとなった他端が下降するようになり、こ
れにより第1ワイヤー54の他端が連結ロッド56を介
して中ブーム19に下降力を作用させ、中ブーム20が
相対的に内ブーム20に対して下降する。
【0053】この場合、シリンダーロッド32の移動量
に対し、第1ワイヤー54は可動プーリー52を巻回し
て2本となった状態でシリンダーロッド32と同一距離
だけ移動することになるため、第1ワイヤー54はシリ
ンダーロッド32の2倍の移動を行うものとなる。
【0054】また、第2段ブーム移動量倍増伝達機構4
0の収縮用伝達機構43では、第1段ブーム移動量倍増
伝達機構39の収縮用伝達機構41によって行われる内
ブーム20と中ブーム19との間の相対的な収縮動作に
付随して、中ブーム19と外ブーム15との間の相対的
な収縮動作を行う。すなわち、シリンダーロッド32が
上昇し、前記の如く第1段ブーム移動量倍増伝達機構3
9の収縮用伝達機構41の第1ワイヤー54によって相
対的に内ブーム20が上方に、中ブーム19が下方にそ
れぞれ移動して伸縮ブーム21の収縮動作が行われると
き、この内ブーム20の上向き移動によって、内ブーム
20に取り付けた第3ワイヤー77の一端側に引き上げ
力が発生する。この第3ワイヤー77の一端側の引き上
げ力により、下部プーリー76の下側を巻回して上向き
となっている第3ワイヤー77の他端側には逆に引き下
げ力が生じ、この第3ワイヤー77の他端側に連結され
ている外ブーム15は中ブーム19に対して相対的に下
降動作を行い、これにより伸縮ブーム21は全体として
収縮動作を行う。
【0055】この場合、外ブーム15と中ブーム19と
の間の相対移動量は、固定滑車としての下部プーリー7
6および第3ワイヤー77によって内ブーム20の移動
に追随するようにしてあるため中ブーム19と内ブーム
20との間の相対移動量と同等、つまりシリンダー装置
33のシリンダーロッド32の2倍である。したがっ
て、伸縮ブーム21は前記伸長時と同様に、シリンダー
ロッド32の4倍の移動量をもってシリンダーロッド3
2の移動時間と同一の時間内で全体的に収縮動作するこ
とになる。
【0056】以上の実施例によれば、テレスコピック状
の伸縮ブーム21の内部に収納されて各ブーム15、1
9、20を伸縮動作させるための作動ユニット31が、
シリンダー装置33からなる一つの駆動源によって構成
され、この一つのシリンダー装置33のシリンダーロッ
ド32の動作が、複数のワイヤー54、63、77、9
5およびプーリー52、53、58、59、60、7
6、91、92を用いたブーム移動量倍増伝達機構34
によって倍増されて複数のブームエレメント相互間に伝
達される。したがって、伸縮ブームの重量増大の原因と
なるシリンダー装置33が単一であるとともに、シリン
ダーロッド32の動作がワイヤー54、63、77、9
5およびプーリー52、53、58、59、60、7
6、91、92という簡易な構成要素を介して各ブーム
15、19、20に伝達されるものであるから、伸縮ブ
ーム21の重量が非常に軽量なものとなり、伸縮ブーム
21の伸縮動作ひいては深掘り掘削におけるバケット2
5の昇降動作がシャープで円滑なものとなる。
【0057】しかも、シリンダーロッド32の動作を各
ブーム15、19、20に伝達する手段としてワイヤー
54、63、77、95およびプーリー52、53、5
8、59、60、76、91、92からなるブーム移動
量倍増伝達機構34を採用したことによって、シリンダ
ーロッド32に設定すべき動作ストロークが小さいもの
であっても、ブーム伸縮動作範囲を大きく設定すること
ができるので、複数のブーム15、19、20の伸縮が
効率よく行われて、高速の伸縮動作を得ることが可能と
なる。したがって、バケット25が地表から穴の底に到
達するまで、およびバケット25が穴の底から地表に到
達するまでの時間を、従来の技術に比して大幅に短縮す
ることが可能となる。このような構成の作動ユニットは
伸縮ブームの内部に設けたものであるから、土砂等の付
着による支障が生じることもない。
【0058】また、本実施例では、伸縮ブーム21を外
ブーム15、中ブーム19、内ブーム20の3つのブー
ムエレメントをテレスコピック状に組み合わせたものと
したので、構成を簡素なものとすることができる。この
場合、作動ユニット31の駆動源であるシリンダー装置
33は最も内側に配置する内ブーム20に組み込むこと
で、シリンダ装置33の取り付けが容易に行える。ま
た、シリンダー装置33のシリンダーロッド32の先端
に取り付けた可動プーリー58とこの可動プーリー58
に巻き付けた第1ワイヤー54、第2ワイヤー63とで
内ブーム20と中ブーム19との間の相対移動を行わせ
る第1段ブーム移動量倍増伝達機構39を構成し、かつ
中ブーム19と外ブーム15との間に設けたプーリー7
6、91とこのプーリーに巻き付けた第3ワイヤー7
7、第4ワイヤー95とで中ブーム19と外ブーム15
との間の相対移動を行わせる第2段ブーム移動量倍増伝
達機構40を構成したことにより、効率よい動作が行え
る。
【0059】また、第1段ブーム移動量倍増伝達機構3
9および第2段ブーム移動量倍増伝達機構40を、シリ
ンダー装置33のシリンダーロッド32の上昇に伴って
中ブーム19の内ブーム20に対する収縮動作を行わせ
る収縮用伝達機構41、43と、シリンダーロッド32
の下降に伴って中ブーム19の内ブーム20に対する伸
長動作を行わせる伸長用伝達機構42、44とからなる
ものとすることで、往復動作を行う駆動源としてのシリ
ンダー装置33のシリンダーロッドの動作を、進出およ
び退入に伴わせてそれぞれ効率よく利用することができ
る。
【0060】図8〜図10は本発明の他の実施例を示し
ている。図8はこの他の実施例による深掘り切削機の作
動ユニットを説明する斜視図であり、図9は同深掘り切
削機の作動ユニットを示す断面図であり、図10は同深
掘り切削機の作動ユニットを異なる方向から見た側面図
である。
【0061】前記の一実施例では作動ユニット31を構
成する第1ワイヤー54、第2ワイヤー63、第3ワイ
ヤー77、第4ワイヤーをそれぞれ1本で構成し、それ
に対応する各プーリー58、59、60、76、91、
92を単一輪構成としたが、この他の実施例では図8〜
図10に示すように、第1ワイヤーと第3ワイヤーとが
それぞれ2本からなるダブルワイヤー構成となってお
り、それに対応するプーリーもダブル輪構成となってい
る。
【0062】構造を詳述すると、この他の実施例におい
ても、伸縮ブーム21は外ブーム15、中ブーム19、
内ブーム20からなるブームエレメントがテレスコピッ
ク状に順次挿通されて組み立てられており、外ブーム1
5、中ブーム19、内ブーム20のそれぞれは相互にそ
の長さ方向に自由に摺動できるようになっている。この
伸縮ブーム21の内部に、シリンダー装置および複数の
プーリー機構等で構成された作動ユニット101が挿入
してある。
【0063】シリンダー装置103は前記一実施例と同
様に油圧シリンダーであり、内ブーム20の内部に、こ
の内ブーム20の長さ方向にシリンダー軸心を配置した
状態で挿入してある。このシリンダー装置103の本体
部分であるシリンダー105の一端側が、ブラケット1
06および支持ピン107を介して内ブーム20の下端
側に取り付けてある。またシリンダー105の上端側は
別のブラケット108を介して内ブーム20の長さ方向
中間部分に取り付けてある。シリンダーロッド32は縦
状態にした内ブーム20の略上端側に達する長さとなっ
ている。
【0064】この他の実施例においても、シリンダー1
05とともに作動ユニット31を構成するブーム移動量
倍増伝達機構34は内ブーム20と中ブーム19との間
の相対移動を行わせる第1段ブーム移動量倍増伝達機構
109と、中ブーム19と外ブーム15との間の相対移
動を行わせる第2段ブーム移動量倍増伝達機構110と
から構成してある。
【0065】第1段ブーム移動量倍増伝達機構109
は、シリンダー105のシリンダーロッド102の進出
に伴って中ブーム19の内ブーム20に対する収縮動作
を行わせる収縮用伝達機構111と、シリンダーロッド
102の退入に伴って中ブーム19の内ブーム20に対
する伸長動作を行わせる伸長用伝達機構102とから構
成してある。また、第2段ブーム移動量倍増伝達機構1
10も、シリンダー装置103のシリンダーロッド10
2の進出に伴って外ブーム15の中の中ブーム19に対
する収縮動作を行わせる収縮用伝達機構113と、シリ
ンダーロッド102の退入に伴って外ブーム15の中ブ
ーム19に対する伸長動作を行わせる伸長用伝達機構1
14とから構成してある。すなわち、ブーム移動量倍増
伝達機構34は、3段の伸縮ブーム21を伸縮操作させ
るために、ワイヤーおよびプーリーを用いた4つの機構
部分からなっている。
【0066】図8〜図10に示すように、シリンダー装
置103のシリンダーロッド102の上端にブラケット
120および支軸121を介して大径な一対の可動プー
リー122a、122bが一体回転するように設けてあ
り、またシリンダー105の下端に設けたブラケット1
06および支持ピン107にも、この支持ピン107を
支軸とする固定一対のプーリー123a、123bが一
体回転するように設けてあり、各可動プーリー122
a、122bの上側から各固定プーリー123a、12
3bの下側にわたって一対の第1ワイヤー124a、1
24bがそれぞれ平行に巻回してある。この第1ワイヤ
ー124a、124bの各可動プーリー122a、12
2bの上側を巻回した一端側はそれぞれ内ブーム20
に、また各固定プーリー123a、123bの下側を巻
回した他端側はそれぞれ中ブーム19に連結してある。
【0067】すなわち、この平行な各第1ワイヤー12
4a、124bの一端はそれぞれシリンダーロッド10
2の一側方を通り、シリンダー105を内ブーム20の
中間部分に取り付けるためのブラケット108に1つの
ワイヤー取り付け具125を介して取り付けられてい
る。この第1ワイヤー124a、124bが、それぞれ
可動プーリー122a、122bの上側を巻回して下方
に延び、シリンダーロッド102およびシリンダー10
5の他側方を通り、各固定プーリー123a、123b
の下側を巻回した後、上向きとなっている。この上向き
となった各他端が、中ブーム19の上端部に固定されて
内ブーム20内に挿入された縦長な連結ロッド126の
下端部に、1つのワイヤー取り付け127を介して取り
付けられている。
【0068】なお、各第1ワイヤー124a、124b
のワイヤー取り付け具125、127の少なくともいず
れか一方は、ねじ機構等によってワイヤー取り付け位置
を調節することができる構成とし、これにより第1ワイ
ヤー124の張り具合の微調整を行えるようにすること
が望ましい。
【0069】次に第1段ブーム移動量倍増伝達機構10
9の伸長用伝達機構111は、シリンダー装置103の
シリンダーロッド102の上端に120および支軸12
1を介して各可動プーリー122a、122bの間に位
置して、同軸上にもう1つの小径な可動プーリー128
を設けた構成となっている。また、中ブーム19の上端
側内面に上下の配置を異ならせて1対の組プーリー12
9、130がそれぞれ支軸131、132を介して設け
てある。そして、1本構成の第2ワイヤー133の一端
が内ブーム20の上端部にワイヤー取り付け具134を
介して取り付けられており、この第2ワイヤー133が
一端側においてまず可動プーリー128の下側を巻回し
て上方に向きを変えた後、一方の組プーリー129の側
部および他方の130の上側を巻回して下方に向きを変
え、その後シリンダーロッド102およびシリンダー1
05の側方を通って下方に延びている。この下方に延び
た第2ワイヤー133の他端が内ブーム20の下端部に
135を介して取り付けられている。
【0070】なお、第2ワイヤー133の一端を内ブー
ム20の上端部に取り付けるワイヤー取り付け具134
は、内ブーム20の上端部に固定した固定ナット136
と、この固定ナット136に第2ワイヤー133の延長
方向に沿ってねじ込んだボルト137とからなり、第2
ワイヤー133の一端は、このボルト137に連結して
ある。また第2ワイヤー133を中ブーム19に取り付
ける135は中ブーム19に固定した固定ナット138
と、この固定ナット138に第2ワイヤー133の延長
方向に沿ってねじ込んだボルト139とからなり、第2
ワイヤー133の他端はこのボルト139に連結してあ
る。これら各ワイヤー取り付け具134、135のボル
ト137、ボルト139をそれぞれ回転することによっ
て、第2ワイヤー133のワイヤー取り付け位置を調節
することができ、それによって第2ワイヤー133の張
り具合の微調整が行える。
【0071】次に、第2段ブーム移動量倍増伝達機構1
10の収縮用伝達機構113について説明する。図8〜
図10に示すように、中ブーム19の下端部に支軸14
5を介して互いに一体的に回転するように一対の下部プ
ーリー146a、146bが設けてあり、この各下部プ
ーリー146a、146bの下側に一対の平行な第3ワ
イヤー147a、147bがそれぞれ巻回されている。
各下部プーリー146a、146bの下側を巻回して伸
縮ブーム21の内方で上向きに延びる各第3ワイヤー1
47a、147bの一端は、内ブーム20の外面の上端
部近傍に位置する1つのワイヤー取り付け具148を介
して連結してある。また、各下部プーリー146a、1
46bの下側を巻回して伸縮ブーム21の外方で上向き
に延びる各第3ワイヤー147a、147bの他端は、
それぞれ外ブーム15の下端部近傍に1つのワイヤー取
り付け具149を介して連結されている。これらの第3
ワイヤー147a、147bの各一端を内ブーム20に
取り付けるワイヤー取り付け具148は、内ブーム20
の外面に固定した一つのブラケット150と、このブラ
ケット150に取り付けた共通な止めピン151とを有
する構成で、これらの第3ワイヤー147a、147b
を止めピン151により固定状態で止めている。
【0072】また、これら第3ワイヤー147a、14
7bの各下端を外ブーム15に取り付けるワイヤー取り
付け具149は、外ブーム15に固定した1つの固定ナ
ット152と、この固定ナット152に第3ワイヤー1
47a、147bの延長方向に沿ってねじ込んだ一対の
ボルト153a、153bとからなり、これらのボルト
153a、153bに第3ワイヤー147a、147b
の各他端をそれぞれ連結してある。このワイヤー取り付
け具149の各ボルト153a、153bをそれぞれ回
転することによって、第3ワイヤー147a、147b
の各ワイヤー取り付け位置をそれぞれ調節することがで
き、それによって、第3ワイヤー147a、147bの
張り具合の微調整が行える。
【0073】さらに、中ブーム19と外ブーム15とを
伸長動作させるための第2段ブーム移動量倍増伝達機構
110の伸長用伝達機構114について説明する。図8
〜図10に示すように、中ブーム19の上端部から上方
に向けてブラケット160が突出してあり、このブラケ
ット160に組プーリー161、162が支軸163、
164を介してそれぞれ設けてある。そして、一方の組
プーリー161の上側に1本からなる第4ワイヤー16
5が巻回してあり、この一方の組プーリー161の上側
に第4ワイヤー165が巻回してあり、他方の組プーリ
ー162の側方で押圧保持されて伸縮ブーム21内方で
下向きに延びている。この第4ワイヤー165の一端
は、内ブーム20の外面の上端部近傍に設けた第4ワイ
ヤー取り付け用のワイヤー取り付け具148に連結して
ある。
【0074】また、第4ワイヤー165の他端は、外ブ
ーム15の下端部近傍に設けたワイヤー取り付け具14
9と同一位置のワイヤー取り付け具166に連結してあ
る。第4ワイヤー165の一端を内ブーム20に取り付
けるワイヤー取り付け具148は、内ブーム20の外面
に固定したブラケット150の止めピン151の上方に
もう一つの止めピン167を付加した構成であり、第4
ワイヤー165をその止めピン167により固定状態で
止めている。また、第4ワイヤー165の他端を外ブー
ム15に取り付ける止めピン167は、外ブーム15に
固定した第3ワイヤー147取り付け用の固定ナット1
52に第4ワイヤー165の延長方向に沿ってねじ込ん
だボルト168を付加した構成であり、このボルト16
8に第4ワイヤー165の他端を連結してある。このワ
イヤー取り付け具166のボルト168を回転すること
によって、第4ワイヤー165のワイヤー取り付け位置
を調節することができ、それによって、第4ワイヤー1
65の張り具合の微調整が行える。
【0075】このような構成の他の実施例によっても、
前記一実施例と同様に、テレスコピック伸縮ブーム21
の内部に収納されて各ブーム15、19、20を伸縮動
作させるための作動ユニット31が、シリンダー装置1
03からなる一つの駆動源によって構成され、この一つ
のシリンダー装置103のシリンダーロッド102の動
作が、ワイヤーおよびプーリーによって倍増されて複数
のブームエレメント相互間に伝達されるので、伸縮ブー
ム21の重量が軽量で、かつ大きいストロークで素早く
動作できるようになるのは勿論であるが、特にこの他の
実施例によれば、第1ワイヤー124a、124bおよ
び第3ワイヤー147a、147bをそれぞれ一対の平
行な配置の組として構成し、土砂掘り出し時のように重
力に反して荷重が大きく掛かるブーム収縮時の駆動を特
に強力に行えるようにしたので、動作部の信頼性を高め
ることができる。しかも、このような構成が単にワイヤ
ーおよびプーリーの増加のみで実現されるので、軽量性
を損なうこともなく、構成の余分な複雑化を招くことも
ない。
【0076】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれば
テレスコピック状の伸縮ブームの内部に収納されて各ブ
ームを伸縮動作させるための作動ユニットが、シリンダ
ー装置からなる一つの駆動源によって構成される。そし
て、この一つのシリンダー装置のシリンダーロッドの動
作が、ワイヤーおよびプーリーを用いたブーム移動量倍
増伝達機構によって倍増されて複数のブームエレメント
相互間に伝達される。
【0077】したがって、伸縮ブームの重量増大の原因
となるシリンダー装置が単一であるとともに、シリンダ
ーロッドの動作がワイヤーおよびプーリーという簡易な
構成要素を介して各ブームエレメントに伝達されるもの
であるから、伸縮ブームの重量が非常に軽量なものとな
り、伸縮ブームの伸縮動作ひいては深掘り掘削における
バケットの昇降動作がシャープで円滑なものとなる。
【0078】しかも、シリンダーロッドの動作を各ブー
ムエレメントに伝達する手段としてワイヤーおよびプー
リーからなるブーム移動量倍増伝達機構を採用したこと
によって、シリンダーロッドに設定すべき動作ストロー
クが小さいものであっても、ブーム伸縮動作範囲を大き
く設定することができるので、複数のブームエレメント
の伸縮が効率よく行われて、高速の伸縮動作を得ること
が可能となる。このため、バケットが地表から穴の底に
到達するまで、およびバケットが穴の底から地表に到達
するまでの時間を、従来の技術に比して大幅に短縮する
ことが可能となる。このような構成の作動ユニットは伸
縮ブームの内部に設けたものであるから、土砂等の付着
による支障が生じることもない。
【0079】なお、ブーム移動量倍増伝達機構を採用す
ることで、伸縮ブームを構成するブームエレメントの移
動量を大きく設定することができるため、ブームエレメ
ントの本数を多くする必要がない。すなわち、伸縮ブー
ムは、外ブーム、中ブーム、内ブームの3つのブームエ
レメントをテレスコピック状に組み合わせたものとする
ことにより、構成を簡素なものとすることができる。こ
の場合、作動ユニットの駆動源であるシリンダー装置は
最も内側に配置する内ブームに組み込むことで、シリン
ダ装置の取り付けが容易に行える。
【0080】また、伸縮ブームを外ブーム、中ブーム、
内ブームの3つのブームエレメントで構成する場合、ブ
ーム移動量倍増伝達機構はシリンダ装置とブームエレメ
ントとの間で効率よく設けることができる。すなわち、
シリンダー装置のシリンダーロッドの先端に取り付けた
プーリーとこのプーリーに巻き付けたワイヤーとで内ブ
ームと中ブームとの間の相対移動を行わせる第1段ブー
ム移動量倍増伝達機構を構成し、かつ中ブームと外ブー
ムとの間に設けたプーリーとこのプーリーに巻き付けた
ワイヤーとで中ブームと外ブームとの間の相対移動を行
わせる第2段ブーム移動量倍増伝達機構を構成すること
で、最も効率よい動作が行える。
【0081】また、この場合において第1段ブーム移動
量倍増伝達機構および第2段ブーム移動量倍増伝達機構
を、シリンダー装置のシリンダーロッドの進出に伴って
中ブームの内ブームに対する収縮動作を行わせる収縮用
伝達機構と、前記シリンダーロッドの退入に伴って中ブ
ームの内ブームに対する伸長動作を行わせる伸長用伝達
機構とからなるものとすることで、往復動作を行う駆動
源としてのシリンダー装置のシリンダーロッドの動作
を、進出および退入に伴わせてそれぞれ効率よく利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による深掘り掘削機の外観を
示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による深掘り掘削機の伸縮ブ
ームの構成を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施例による深掘り掘削機の作動ユ
ニットの伸縮ブームの内部における配置構成を示す斜視
図である。
【図4】本発明の一実施例による深掘り掘削機の作動ユ
ニットの構成を詳細に示す縦断面図である。
【図5】本発明の一実施例による深掘り掘削機の、図4
中のAーA線に沿う横断面図である。
【図6】本発明の一実施例による深掘り掘削機の作動ユ
ニットの作動ユニットのみを説明しる斜視図である。
【図7】本発明の一実施例による深掘り掘削機を用いて
深穴を掘削する動作を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施例による深掘り切削機の作動
ユニットを説明する斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例による深掘り切削機の作動
ユニットを説明する断面図である。
【図10】本発明の他の実施例による深掘り切削機の作
動ユニットを異なる方向から見た側面図である。
【符号の説明】
10 車体 13 アーム 15 外ブーム(ブームエレメント) 19 中ブーム(ブームエレメント) 20 内ブーム(ブームエレメント) 21 伸縮ブーム 25 バケット 31 作動ユニット 33 シリンダー装置 32 シリンダーロッド 34 ブーム移動量倍増伝達機構 39 第1段ブーム移動量倍増伝達機構 40 第2段ブーム移動量倍増伝達機構 41 収縮用伝達機構 42 伸長用伝達機構 43 収縮用伝達機構 44 伸長用伝達機構 52 プーリー 53 プーリー 54 ワイヤー 59 プーリー 60 プーリー 63 ワイヤー 76 プーリー 77 ワイヤー 91 プーリー 92 プーリー 95 ワイヤー 101 作動ユニット 102 シリンダーロッド 103 シリンダー装置 105 シリンダー 111 収縮用伝達機構 112 伸長伝達機構 113 収縮用伝達機構 114 伸長伝達機構 122a プーリー 122b プーリー 123a プーリー 123b プーリー 124a ワイヤー 124b ワイヤー 128 プーリー 129 プーリー 130 プーリー 133 ワイヤー 146a プーリー 146b プーリー 147a ワイヤー 147b ワイヤー 161 プーリー 162 プーリー 165 ワイヤー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と、この車体の上方に軸支されて上
    下に揺動できるアームと、このアームの先端に取り付け
    られ、複数本のブームエレメントをテレスコピック状に
    組み合わせてその長さ方向に伸縮ができる伸縮ブーム
    と、この伸縮ブームの内部に収納されて各ブームを伸縮
    動作させるための作動ユニットと、前記伸縮ブームの先
    端のブームエレメントに取り付けられて土砂を掴み取る
    ことができるバケットとからなる深掘り掘削機におい
    て、前記作動ユニットは、伸縮ブームの伸縮方向に沿っ
    て進退移動するシリンダーロッドを有する駆動源として
    の一つのシリンダー装置と、このシリンダー装置のシリ
    ンダーロッド移動量を倍増してブームエレメント相互間
    に伝達するワイヤーおよびプーリーを用いたブーム移動
    量倍増伝達機構とを備えたことを特徴とする深掘り掘削
    機。
  2. 【請求項2】 伸縮ブームは外ブーム、中ブーム、内ブ
    ームの3つのブームエレメントをテレスコピック状に組
    み合わせて構成し、その内ブームに作動ユニットの駆動
    源であるシリンダー装置を組み込むとともに、このシリ
    ンダー装置のシリンダーロッドの先端に取り付けたプー
    リーとこのプーリーに巻き付けたワイヤーとで内ブーム
    と中ブームとの間の相対移動を行わせる第1段ブーム移
    動量倍増伝達機構を構成し、かつ中ブームと外ブームと
    の間に設けたプーリーとこのプーリーに巻き付けたワイ
    ヤーとで中ブームと外ブームとの間の相対移動を行わせ
    る第2段ブーム移動量倍増伝達機構を構成したことを特
    徴とする請求項1記載の深掘り掘削機。
  3. 【請求項3】 第1段ブーム移動量倍増伝達機構は、シ
    リンダー装置のシリンダーロッドの進出に伴って中ブー
    ムの内ブームに対する収縮動作を行わせる収縮用伝達機
    構と、前記シリンダーロッドの退入に伴って中ブームの
    内ブームに対する伸長動作を行わせる伸長用伝達機構と
    からなり、第2段ブーム移動量倍増伝達機構は、シリン
    ダー装置のシリンダーロッドの進出に伴って外ブームの
    中ブームに対する収縮動作を行わせる収縮用伝達機構
    と、前記シリンダーロッドの退入に伴って外ブームの中
    ブームに対する伸長動作を行わせる伸長用伝達機構とか
    らなることを特徴とする請求項2記載の深掘り掘削機。
JP20149494A 1994-08-03 1994-08-03 深掘り掘削機 Pending JPH0841927A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20149494A JPH0841927A (ja) 1994-08-03 1994-08-03 深掘り掘削機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20149494A JPH0841927A (ja) 1994-08-03 1994-08-03 深掘り掘削機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0841927A true JPH0841927A (ja) 1996-02-13

Family

ID=16441992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20149494A Pending JPH0841927A (ja) 1994-08-03 1994-08-03 深掘り掘削機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0841927A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102677713A (zh) * 2012-06-01 2012-09-19 张永忠 双反铲挖机
CN105133679A (zh) * 2015-08-03 2015-12-09 广西大学 一种由曲柄滑块控制扩大挖掘深度的斗杆伸缩挖掘机构
CN108470507A (zh) * 2018-05-30 2018-08-31 西安科技大学 一种采煤工作面回采及液压模型支架推进装置
CN114366305A (zh) * 2022-01-11 2022-04-19 上海市胸科医院 伸缩装置及医疗机器人

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102677713A (zh) * 2012-06-01 2012-09-19 张永忠 双反铲挖机
CN105133679A (zh) * 2015-08-03 2015-12-09 广西大学 一种由曲柄滑块控制扩大挖掘深度的斗杆伸缩挖掘机构
CN108470507A (zh) * 2018-05-30 2018-08-31 西安科技大学 一种采煤工作面回采及液压模型支架推进装置
CN108470507B (zh) * 2018-05-30 2023-06-23 西安科技大学 一种采煤工作面回采及液压模型支架推进装置
CN114366305A (zh) * 2022-01-11 2022-04-19 上海市胸科医院 伸缩装置及医疗机器人

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2006035639A1 (ja) 建設機械の作業装置
JPH0841927A (ja) 深掘り掘削機
JP2005151819A (ja) 穴あけ装置
CN214143694U (zh) 一种新型综合打桩机
JPH08120704A (ja) 深掘り掘削機
JP3847969B2 (ja) 大深度人孔用浚渫装置
JP4003226B2 (ja) 掘削機
JP5936194B2 (ja) 傾斜地用作業機械
JP2781159B2 (ja) 低空間用リーダ及びこれを具えた杭打機
JPH0364014B2 (ja)
JP3706330B2 (ja) 多段伸縮式アームおよび作業機
CN221256765U (zh) 一种台车臂架
CN221169450U (zh) 一种三级伸缩结构以及含有该伸缩结构的钻锚设备支臂
KR200397109Y1 (ko) 연장 가능한 붐을 가지는 스키드 로더
CN218816407U (zh) 一种曲臂式隧道掘进机及其作业总成
US4715771A (en) Variable geometry mounting arrangement for backhoe assembly
JPH0426552Y2 (ja)
EP0595614A1 (en) Telescopic arm for grab bucket excavator
JPH03281833A (ja) 建設機械のアーム伸縮動機構
CN219587277U (zh) 一种建筑施工支撑结构
KR102299771B1 (ko) 길이 조절구조의 붐대를 갖는 굴삭기
JP2537768Y2 (ja) 杭打ち機
JP2766809B2 (ja) 深掘り掘削機
JPH07115829B2 (ja) テレスコピツクア−ム装置
JPS60389Y2 (ja) 穴掘建柱車のブ−ム伸縮装置