JPH0711470A - 洗浄装置および洗浄溶剤回収容器 - Google Patents

洗浄装置および洗浄溶剤回収容器

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JPH0711470A
JPH0711470A JP18077993A JP18077993A JPH0711470A JP H0711470 A JPH0711470 A JP H0711470A JP 18077993 A JP18077993 A JP 18077993A JP 18077993 A JP18077993 A JP 18077993A JP H0711470 A JPH0711470 A JP H0711470A
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JP
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cleaning
water
solvent
opening
layer
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JP18077993A
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English (en)
Inventor
Minoru Niizaki
稔 新崎
Tomosuke Shimoda
友亮 下田
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Hewlett Packard Japan Inc
Original Assignee
Yokogawa Hewlett Packard Ltd
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の部品や物品を、比重が1より大きい揮
発性非水溶性洗浄溶剤を用いて洗浄するための装置と、
該装置などで使用後に再生した溶剤の回収容器であっ
て、これら溶剤の揮発を効果的に防止することができる
洗浄装置と回収容器とを提供する。 【構成】 洗浄装置は、洗浄槽1内の洗浄溶剤層Lと水
層Wとの界面tまたは該界面よりやや下部に、適宜位置
に少なくとも1つの開口部11aを有する遮蔽板11を
洗浄槽の上下方向にスライド自在に設け、該遮蔽板より
下方の適宜位置に少なくとも1つの攪拌手段12を設
け、該遮蔽板の開口部より、該開口部を開閉自在に遮蔽
するための遮蔽手段14を上方に有し、かつ少なくとも
1つの洗浄対象品を収容ないしは取付け得る洗浄用治具
13を洗浄溶剤層内に自在に挿入し得るように構成す
る。溶剤回収容器は、容器内に水層を形成しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気・電子機器、精密
機器、産業機器、その他各種機器類の部品、あるいはこ
れら以外の各種の部品や物品を洗浄するための装置と、
該装置などで使用した後に再生した洗浄溶剤の回収容器
とに関し、特に、洗浄溶剤として、比重が1より大きく
揮発性でかつ非水溶性の洗浄溶剤を用いて、これら部品
や物品を洗浄する際に使用される洗浄装置と、該装置な
どで使用後に再生した該洗浄溶剤の回収容器とに関す
る。
【0002】
【技術背景】上記のような各種の部品や物品(以下、こ
れらをまとめて「部品」と言う)を洗浄するための洗浄
液として、従来、フロンが多用されていた。近年、環境
保護の観点から、フロンに代えて各種の洗浄液が開発さ
れ、使用されるようになって来ている。その一例とし
て、揮発性で、かつ非水溶性の洗浄溶剤が挙げられる。
【0003】このような揮発性非水溶性の洗浄溶剤を使
用して、上記のような部品を洗浄するための装置として
は、一般に、各種のものが使用されている。その1つと
して、図7に示すように、単に、洗浄溶剤Lを注入した
洗浄槽1内に部品(図示省略)を投入し、攪拌するなど
して洗浄するものがある。このものは、洗浄溶剤Lの揮
発防止対策が一切なされておらず、洗浄溶剤Lの表面か
ら揮発した蒸気が、作業環境、延いては大気中に大量に
揮散してしまう。
【0004】これに対し、揮発防止対策を施した洗浄装
置として、図8に示すように、洗浄槽1の上方に冷却管
2を設置し、揮発した成分を該冷却管2により冷却させ
凝縮させるもの、あるいは図9に示すように、洗浄槽1
の上部に機械的機構による開閉式扉3を設置するものが
ある。
【0005】図8に示す冷却管2を設置する洗浄装置で
は、洗浄装置の機能上、冷却管2の設置箇所が限られ、
洗浄溶剤の揮発成分を完全に凝縮させることができな
い。加えて、冷却管2の設備に要するイニシャルコスト
が高額であるのみならず、冷却管2の運転に際して膨大
な電気的エネルギーを要し、ランニングコストはもとよ
り、メンテナンスコストも極めて高額となる。
【0006】図9に示す開閉式扉3を設置する洗浄装置
では、扉3の開時に、洗浄槽1の上部空間Sに滞留して
いる揮発成分が、作業環境、延いては大気中に揮散して
しまう。加えて、図8の装置と同様に、開閉扉3の機械
的機構の設備に要するイニシャルコスト、ランニングコ
スト、メンテナンスコストが高額となる。
【0007】一方、以上のような洗浄装置にて、各種部
品の洗浄に使用した後の洗浄溶剤Lは、一般に、再生
(例えば、蒸留により再生)されて再使用される。この
とき、再生(蒸留再生)装置より流出する再生済み揮発
性非水溶性洗浄溶剤は、図10に示すような容器(回収
容器)4により受液されて、収容される。ところで、こ
の回収容器4は、該容器内に収容された再生済み揮発性
非水溶性洗浄溶剤L1からの揮発成分による圧力損傷を
避けるべく、再生装置(図示省略)からの再生済み溶剤
の流出口5が配置されている開口部6を密閉することは
できない。したがって、この開口部6から、容器4内上
部空間S1に滞留している揮発成分が、作業環境、延い
ては大気中に揮散してしまう。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の洗浄装置およ
び再生済み揮発性非水溶性洗浄溶剤の回収容器における
諸問題を解消するためになされたもので、特に、洗浄溶
剤として、比重が1より小さい揮発性非水溶性の洗浄溶
剤を用いて、部品を洗浄する際に使用される洗浄装置、
および該装置などで使用後に再生した該洗浄溶剤の回収
容器を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】本発明者らは、上記目的を達成するため
に検討を重ねた結果、(1)比重が1より小さい揮発性
非水溶性の洗浄溶剤を水の層でシールし、しかもこのシ
ールを破壊することのない手法により部品を洗浄するこ
とができれば、該溶剤の揮発を効果的に防止することが
できるとともに、シールである水の層による洗浄作業時
の支障は一切ないこと、(2)しかも洗浄溶剤として水
より表面張力の小さいものを使用すれば、洗浄後の部品
の乾燥を急速に行うことができること、(3)この水の
層によるシールの概念は、再生溶剤の回収容器にも好ま
しく適用できること、の知見を得た。
【0010】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
もので、 〔1〕比重が1より大きい揮発性非水溶性洗浄溶剤と水
とを収容した洗浄槽内の該洗浄溶剤層と水層との界面ま
たは該界面よりやや下部に、適宜位置に少なくとも1つ
の開口部を有する遮蔽板を設け、該遮蔽板より下方の適
宜位置に、少なくとも1つの攪拌手段を設けるととも
に、前記遮蔽板の開口部より、該開口部を開閉自在に遮
蔽するための遮蔽手段を上方に有し、かつ少なくとも1
つの洗浄対象品を収容ないしは取付け得る洗浄用治具を
洗浄溶剤層内に自在に挿入し得るように構成してなるこ
とを特徴とする洗浄装置、
【0011】〔2〕上部の適宜箇所に開口部を有し、該
開口部を、再生装置から流出する再生された比重が1よ
り大きい揮発性非水溶性洗浄溶剤の受け部とする洗浄溶
剤回収容器であって、該容器内部に水層を形成してなる
ことを特徴とする洗浄溶剤回収容器、を要旨とする。
【0012】また、本発明では、上記の洗浄装置および
洗浄溶剤回収容器における比重が1より大きい揮発性非
水溶性洗浄溶剤として、表面張力が水の表面張力より小
さいものを使用することをも特徴とする。
【0013】先ず、本発明の洗浄装置について詳述す
る。本発明の洗浄装置においては、洗浄槽内に、比重が
1より大きい揮発性非水溶性洗浄溶剤と水とを、同時に
あるいは別々に注入して静置すると、この溶剤は、水よ
り重く、しかも水には溶解しないため、水とは分離して
洗浄槽下部に沈降する。水は、溶剤の上に浮上し、溶剤
の表面に水層を形成する。この水層が、溶剤のシール層
として作用し、溶剤の揮発を防止する。
【0014】上記の溶剤層と水層との界面または該界面
よりやや下部に、適宜位置に少なくとも1つの開口部を
有する遮蔽板を設けるとともに、該遮蔽板より下方の適
宜位置に、少なくとも1つの攪拌手段を設ける。この洗
浄溶剤の攪拌手段は、後述する洗浄対象品(以下、単に
「部品」と言う)洗浄時に、洗浄溶剤を攪拌する作用を
なし、遮蔽板は、この攪拌により溶剤層と水層とが混合
して、一時的にでも水層によるシールが破壊するのを防
止する作用をなす。
【0015】なお、上記の界面の位置は、溶剤の収容
(注入)量によって変化するため、上記の遮蔽板は、洗
浄槽の側面に沿って上下方向にスライド自在に取り付け
る。また、上記の攪拌手段は、下記する洗浄用治具の挿
入作業や引上げ作業などに支障を及ぼさない位置に設け
ることは言うまでもない。
【0016】そして、上方に適宜の開閉自在の遮蔽手段
を有し、かつ少なくとも1つの部品を収容ないしは取付
けることができる洗浄用治具を、上記の遮蔽板の開口部
より、上記の洗浄溶剤層内に挿入する。洗浄用治具は、
上記の遮蔽板に設けられている開口部の数だけ用意し、
開口部の全てに挿入する。
【0017】洗浄用治具は、部品を洗浄溶剤層内に導入
し、かつ該治具の内部あるいは近傍部において部品を洗
浄するための道具として作用するものであり、したがっ
て、治具内部あるいは近傍部に部品を収容ないしは取付
けることができるとともに、洗浄溶剤をも治具内部ある
いは近傍部に導入することができるような構成を有して
いる。例えば、金網やパンチングメタルなどで駕籠状体
あるいは板状体に構成したものが使用される。駕籠状体
のものは、内部に部品を収容したり、壁面に部品を取付
けて使用し、板状体のものは、板体の両面あるいはいず
れか一方の面に部品を取付けて使用する。
【0018】これら駕籠状体や板状体などの、部品の収
容ないしは取付け部より上方の適宜位置に、上記の遮蔽
手段を設置する。この遮蔽手段は、洗浄用治具を洗浄溶
剤層内に挿入した後に、上記の洗浄槽に設けられている
遮蔽板の開口部を遮蔽するためのもので、洗浄溶剤の攪
拌による部品の洗浄時に、この開口部において溶剤層と
水層とが混合して、一時的にでも水層によるシールが破
壊するのを防止する作用をなす。また、この遮蔽手段
は、洗浄用治具への部品の収容ないしは取付け作業の際
や、該治具の洗浄槽内への挿入の際に、支障を及ぼすも
のであってはいけない。
【0019】したがって、本発明では、この遮蔽手段を
開閉自在とし、部品の収容ないしは取付けの際、あるい
は洗浄槽への挿入の際には、これらの作業に支障を来さ
ないように、開状態(駕籠状体などの治具の場合)ある
いは閉状態(板状体などの治具の場合)としておき、挿
入後には上記のように開口部を遮蔽すべく、閉状態(駕
籠状体などの治具の場合)あるいは開状態(板状体など
の治具の場合)となるようにする。
【0020】このような遮蔽手段の動作を、スムーズに
かつ容易に行うべく、本発明では、遮蔽手段を板状体で
構成し、かつ該板の上面または一端に浮きを設けること
を好ましい実施態様とする。このような構成にすれば、
洗浄用治具を洗浄溶剤層内に挿入すると、それまで開状
態あるいは閉状態にあった板状体の遮蔽手段が、浮きの
作用により自然に浮上し、閉状態あるいは開状態とな
る。
【0021】以上のような構成を有する本発明の洗浄装
置においては、先ず、洗浄用治具の遮蔽手段を開(ある
いは閉)状態とし、この治具に少なくとも1つの部品を
収容ないしは取付ける。この治具を、洗浄溶剤と水とが
収容されて洗浄溶剤層と水層とが形成されている洗浄槽
の、これら両層の界面または該界面よりやや下部に設け
られている遮蔽板の開口部から、水層を通過させて洗浄
溶剤層内に挿入する。この挿入により、治具の遮蔽手段
が洗浄溶剤の浮力により閉(開)状態となって、上記の
洗浄槽の遮蔽板の開口部を塞ぐ。次いで、洗浄槽の側面
に設けられている攪拌手段を作動させて、洗浄溶剤を攪
拌し、該溶剤を洗浄用治具の内部あるいは近傍部に送り
込み、部品を洗浄する。
【0022】このような洗浄溶剤の攪拌による部品の洗
浄作業の間中、上記の洗浄槽内に設けられている遮蔽板
と、洗浄用治具に設けられている遮蔽手段との作用によ
り、洗浄溶剤層と水層とは混合することがなく、したが
って、水層によるシール作用が良好に続行することとな
るとともに、水が洗浄溶剤中に混合することがないた
め、洗浄溶剤による良好な洗浄が行われる。
【0023】また、以上のような本発明の洗浄装置にお
いて、上記の洗浄溶剤として、表面張力が、水より小さ
いものを使用する場合には、該溶剤層中で、洗浄用治具
の表面にはもとより、該治具に収容ないしは取付けられ
ている部品の表面にも、該溶剤による被膜が形成されて
いるため、該治具を洗浄槽からの取り出す際に水層を通
過しても、これらの表面に水滴が付着することはない。
このため、洗浄槽から取り出されると、表面に形成され
ている洗浄溶剤が早急に揮発し、洗浄用治具および部品
の乾燥が速やかに完了する。
【0024】次に、本発明の洗浄溶剤回収容器につい
て、説明する。本発明の溶剤回収容器は、図9に示した
従来の溶剤回収容器と同様に、洗浄に使用した後の洗浄
溶剤を適宜の再生装置より再生し、該再生装置から流出
する再生済み溶剤を、容器上部の適宜位置に設けられて
いる開口部で受ける。
【0025】本発明では、この容器の内部に予め水を収
容し、水層を形成しておく。したがって、上記の受け部
(開口部)から容器内に流入した再生溶剤は、水より重
く、水とは不溶性であるため、水層に混じり合ったり、
水層に溶け込んだりすることなく、水層の下部に沈降す
る。水層の下部に沈降した再生溶剤は、水層によりシー
ルされるため、上記の開口部から揮発することはない。
【0026】このような溶剤回収容器として、上記した
構成を有する本発明の洗浄槽を使用する場合には、上記
の受け部を、洗浄槽に設けられている上記の遮蔽板の開
口部とすればよい。そして、再生溶剤の流入量の増加
(流入開始からの時間経過)にしたがって、この遮蔽板
を上方にスライドさせれば、流入開始直後から流入終了
まで、水層によるシール作用に、遮蔽板による遮蔽作用
が相乗されて、良好な溶剤の揮発防止を図ることができ
る。
【0027】このとき、上記の受け部に再生装置からの
流出口を配置させる場合は、該流出口を、溶剤層中に没
入させるような構成としてもよいし、遮蔽板の上方への
スライドにともなって、上方に移動させたり、ジャバラ
に構成して短縮させるなどのようにすればよい。また、
この流出口を着脱自在なものとし、再生溶剤の回収終了
後、流出口を取外せば、洗浄用治具を挿入して、部品を
洗浄する際の支障を来すことはない。
【0028】このような構成とすることにより、再生溶
剤を洗浄槽に移すことなく、直ちに洗浄に再使用するこ
とができるため、溶剤の揮発防止がより一層効果的に達
成できる。
【0029】なお、回収容器と洗浄槽とを併用する場合
においても、あるいは両者を併用しない場合において
も、容器または洗浄槽の下部または底部に使用済み溶剤
の取出手段を設けておくことが、水層を破壊することな
く、再生済み溶剤または使用済み溶剤を容器または洗浄
槽から取り出すことができるため、好ましい。
【0030】また、以上のような本発明の溶剤回収容器
においても、上記の本発明の洗浄装置の場合と同様に、
洗浄溶剤として、表面張力が、水より小さいものを使用
することができる。
【0031】以上の本発明の洗浄装置および溶剤回収容
器において、比重が1より大きい揮発性非水溶性溶剤、
あるいは比重が1より大きく表面張力が水より小さい揮
発性非水溶性溶剤としては、CFC−113(Cl
CClF)、HCFC−123(CFCHC
)、HCFC−1416(CClFCH)、H
CFC−225(CFCFCHCl,CClF
CFCHClF)、HFC43−10mee(CF
CHFCHFCFCF)、1,1,1−トリクレロ
ロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、
メチレンクロライド、四塩化炭素、五フッ化プロパノー
ル、パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パ
ーフルオロオクタンなどが挙げられる。
【0032】
【実施例】図1は、本発明の洗浄装置の一実施例におけ
る主要部の構成を示すための図である。図1において、
1は洗浄槽で、内部に、比重が1より大きい揮発性非水
溶性洗浄溶剤と水とが収容されて該溶剤層Lと水層Wが
形成されている。
【0033】この洗浄槽1には、適宜位置(本例では、
ほぼ中央)に、本例では1つの開口部11aを有する遮
蔽板11が洗浄槽1の側面に沿って上下方向にスライド
自在に設けられており、本例では、この遮蔽板11を上
記の溶剤層Lと水層Wとの界面tよりやや下部に位置す
るようにセットされる。
【0034】また、洗浄槽1の底面または上記界面tよ
り下方の側面(本例では、界面tより下方の側面)に、
本例では1つの攪拌手段12が設けられている。この攪
拌手段12としては、図1に示すような回転式攪拌手段
の他に、図2(A)に示すような矢印方向(上下方向)
に微小に振動する振動攪拌手段12a、図2(B)に示
すようなポンプ12bによる液循環手段、図2(C)に
示すようなポンプ12bと噴射ノズル12cとによる液
中ジェット噴射手段、超音波振動子(図示省略)などが
好ましく使用される。
【0035】そして、上記の遮蔽板11の開口部11a
より、金属(本発明では、合金も含む)、洗浄溶剤に不
溶性のプラスチック、セラミックなどを素材とする網状
体やパンチング体などにより、本例では、駕籠状体に構
成された洗浄用治具13が、溶剤層L内に挿入される。
この洗浄用治具13は、上方に、本例では、板状体14
からなり、かつ該板の上面のほぼ中央部と端部とに浮き
15a,15bを取付けた遮蔽手段が具備されている。
【0036】この板状体14からなる遮蔽手段(以下、
単に「遮蔽板14」と記す)は、該遮蔽板14により上
記の遮蔽板11の開口部を開閉自在とするために、本例
では、一端が洗浄用治具13の側面にヒンジ16により
取付けられ、図1中点線および矢印で示すように、0°
から90°まで回動自在とされている。
【0037】なお、図1では、洗浄用治具13を1個し
か示していないが、複数個を図1の紙面に対して垂直方
向に並べて挿入させるようにしてもよいし、寸法の大き
いものを1個のみ挿入させるようにしてもよい。後者の
場合、板状体14の上面に設けられる浮き15a,15
bは、複数個とすることが好ましい。
【0038】また、遮蔽板11の開口部11aも、図1
では1個のみ示しているが、上記のように紙面に対して
垂直方向に複数個の洗浄用治具13を並べて挿入するよ
うに構成する場合には、開口部11aの長さ方向に複数
の仕切りを設け、これらの洗浄用治具の数だけ開口部を
有するようにしてもよい。さらに、紙面に対して左右方
向に複数個の開口部11aを有するような遮蔽板11と
することもでき、この場合は、これらの開口部の数だ
け、洗浄用治具13を挿入する。
【0039】図1のように構成される洗浄装置により、
部品を洗浄するには、先ず、洗浄槽1内に洗浄溶剤と水
との所定量を注入して、図1に示すように、溶剤層Lと
水層Wとを形成し、これら両層の界面tよりやや下部に
遮蔽板11をセットする。
【0040】一方、洗浄用治具13を溶剤層L内に挿入
するに先立って、該治具内に、洗浄対象の部品(図示省
略)を収容する。このときの収容態様は、治具13内に
部品を単に積み重ねてもよいし、上記のような網状体や
パンチング体により上下方向に仕切りを設けこの仕切り
上に部品を並べてもよいし、あるいは治具13の側面に
部品を針金などで括り付けてもよく、種々の態様により
収容する。
【0041】なお、上記の部品の収容作業時には、遮蔽
板14は、開状態(すなわち、図1中点線で示すよう
に、治具13の側面に接している状態)となっている。
【0042】このようにして部品を収容した洗浄用治具
13を、上記の溶剤層L内に挿入する。すると、浮き1
5a,15bとヒンジ16との作用により、遮蔽板14
が浮上し90°回動して停止し、図1に示すような閉状
態となって、遮蔽板11の開口部を遮蔽する。
【0043】次いで、攪拌手段12を作動させると、溶
剤層L内に溶剤の流れが生じ、この流れが洗浄用治具1
3内に出入りして該治具内の部品を洗浄する。
【0044】図3は、本発明の洗浄装置における洗浄槽
および攪拌手段の他の実施例を説明するための図であ
り、図1と同一符号は図1と同一のものを示している。
図3の例では、洗浄槽1に図1と同様の構成を有する遮
蔽板11が設けられており、該遮蔽板11の端部に回転
式攪拌手段12の挿通口11bがあり、該挿通口にて回
転式攪拌手段12が取り付けられ、該遮蔽板11の下方
にて溶剤層Lが攪拌されるように構成されている。
【0045】図3の洗浄槽1においても、図1の場合と
同様に、洗浄用治具13が遮蔽板11の開口部11aか
ら挿入された後、回転式攪拌装置12が作動されて、溶
剤層Lの攪拌が開始され、洗浄用治具内の部品が洗浄さ
れる。
【0046】なお、図3の洗浄槽1においても、上述し
た図1の洗浄槽1の場合と同様に、遮蔽板11の開口部
11aを長さ方向に複数の仕切りを有するようにしても
よいし、また紙面に対して左右方向に複数個の開口部1
1aを有するような遮蔽板11とすることもできる。さ
らに、攪拌手段12の挿通口11bおよび攪拌手段12
も、複数個設けることができる。
【0047】図4は、本発明の洗浄装置における洗浄用
治具の他の実施例を説明するための図であり、図1と同
一符号は図1と同一のものを示している。図4の例で
は、洗浄用治具13が板状体に構成されており、この板
状体洗浄用治具13の上方の両側に、図1の洗浄用治具
13の遮蔽板14と同様の、上面に浮き15を複数個有
し、かつヒンジ16にて該板状体洗浄用治具13に取付
けられた遮蔽板14が設けられている。
【0048】ただし、図4の例の遮蔽板14の幅寸法w
1は、その2倍(w1×2)に洗浄用治具13の厚みを
加えた寸法が、洗浄槽1の遮蔽板11の開口部11aの
開口部幅とほぼ同等となるようにすることが、この開口
部11aを良好に遮蔽する上で好ましい。
【0049】図4の洗浄用治具13においては、図示は
省略するが、遮蔽板14を板状体洗浄用治具13側に倒
した状態(すなわち、閉状態)としておき、該遮蔽板1
4あるいはヒンジ16より下方の板状体の部分に、洗浄
対象の部品を、針金、その他各種素材からなる紐状体あ
るいは糸状体で括り付けたり、この部品がフック状の部
分を有するものであれば、そのフック状部で取り付け
る。
【0050】これの状態のものが、図1あるいは図3に
示すような洗浄槽1の遮蔽板11の開口部11aから溶
剤層L内に挿入される。すると、洗浄用治具13の両側
に設けられている遮蔽板14が、複数の浮き15とヒン
ジ16との作用により、図4中矢印で示すように浮上
し、90°回動した位置で停止し、開状態となって、遮
蔽板11の開口部を遮蔽する。
【0051】しかる後、攪拌手段12が作動され、溶剤
層Lが攪拌されると、溶剤の流れが板状体洗浄用治具1
3の近傍部に至り、また該治具の板状体部分を通過し、
この間に該治具に取付けられた部品が洗浄される。
【0052】図1および図4に示す洗浄用治具13にお
いては、以上のようにして部品の洗浄が終了したなら、
治具ごと洗浄槽1から引上げ、部品を治具から取り出し
て乾燥すればよい。
【0053】この引上げ時、水層Wを通過する際に、部
品の表面に水滴が付着するため、洗浄用治具や部品の乾
燥時間を長くする。そこで、洗浄溶剤として、表面張力
が水より小さいものを使用する。
【0054】図5は、表面張力が水より小さい洗浄溶剤
を使用した場合の部品引上げ時の態様を模式的に示した
ものである。図5に示すように、部品Pを矢印方向に引
上げる時に、水層Wを通過するが、部品Pの表面には、
表面張力が水より小さい溶剤Lによる膜Laが形成され
ているため、水滴が付着することはない。したがって、
部品Pの乾燥は、揮発性溶剤の乾燥のみでよく、乾燥時
間が大幅に短縮される。
【0055】図6は、本発明の溶剤回収容器の一実施例
における主要部の構成を示すための図である。図6にお
いて、4は容器で、上部の適宜箇所に開口部6を有し、
該開口部6に洗浄溶剤の再生装置(図示省略)からの流
出口5が配置されて再生溶剤の受け部が構成され、かつ
該容器4の内部には水が収容されて水層Wが形成されて
いる。
【0056】流出口6から容器4内部に滴下(流入)す
る再生溶剤L1bは、比重が1より大きいため、水層W
の下部に沈降して、再生溶剤層L1となる。この再生溶
剤層L1は、水層Wによりシールされて揮発が防止され
る。
【0057】なお、容器4として図1あるいは図3に示
すような洗浄槽1を使用する場合には、図6のような開
口部6を設ける必要はなく、洗浄槽1の遮蔽板11の開
口部11aの適宜位置、例えば洗浄槽1の側面側端部
に、上記の流出口5を配置すればよい。
【0058】このとき、再生溶剤L1の流入流入開始か
らの時間経過にしたがって、遮蔽板11を上方にスライ
ドさせて行けば、流入開始直後から流入終了まで、水層
Wによるシール作用に、遮蔽板11による遮蔽作用が相
乗されて、良好な溶剤の揮発防止を図ることができる。
【0059】また、流出口5は、溶剤層L1中に没入さ
せるような構成としてもよいし、遮蔽板11の上方への
スライドにともなって、上方に移動させたり、ジャバラ
に構成して短縮させるなどのようにすればよい。さら
に、流出口5を着脱自在なものとし、再生溶剤の回収終
了後、流出口5を取外せば、洗浄用治具13を挿入し
て、部品を洗浄する際の支障を来すことはない。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の洗浄装置
によれば、揮発性溶剤による部品の洗浄に際して、該溶
剤が作業環境、延いては大気中に揮散することはなく、
作業環境、延いては地球環境をクリーンに保持すること
ができるとともに、溶剤の揮発によるロスを大幅に抑え
ることができる。
【0061】また、本発明の洗浄溶剤回収容器によれ
ば、洗浄に使用された後、再生された溶剤の回収に際し
て、該再生溶剤の揮発を効果的に防止することができ、
上記の洗浄装置の場合と同様に、作業環境、延いては地
球環境をクリーンに保持することができるとともに、溶
剤の揮発によるロスを大幅に抑えることができる。
【0062】しかも、本発明の洗浄装置、洗浄溶剤回収
容器とも、簡単な装置構成でよく、イニシャルコストは
もとより、メンテナンスコスト、ランニングコストも廉
価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄装置の一実施例を説明するための
図である。
【図2】(A)〜(C)とも本発明の洗浄装置における
攪拌手段の他の実施例を示す図である。
【図3】本発明の洗浄装置における洗浄槽と攪拌手段の
他の実施例を示す図である。
【図4】本発明の洗浄装置における洗浄用治具の他の実
施例を示す図である。
【図5】本発明の洗浄装置において、洗浄溶剤として表
面張力が水より小さいもの使用した場合の部品引上げ時
の態様を模式的に示す図である。
【図6】本発明の洗浄溶剤回収容器の一実施例を説明す
るための図である。
【図7】従来の洗浄装置の一例を示す図である。
【図8】従来の洗浄装置の他の例を示す図である。
【図9】従来の洗浄装置のさらに他の例を示す図であ
る。
【図10】従来の洗浄溶剤回収容器の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 洗浄槽 11 遮蔽板 11a 開口部 12,12a,12b,12c 攪拌手段 13 洗浄用治具 14 遮蔽手段 15,15a,15b 浮き 16 ヒンジ 4 洗浄溶剤回収容器 5 再生装置からの再生溶剤の流出口 6 開口部 L 洗浄溶剤層 W 水層 t 界面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比重が1より大きい揮発性非水溶性洗浄
    溶剤と水とを収容した洗浄槽内の該洗浄溶剤層と水層と
    の界面または該界面よりやや下部に、適宜位置に少なく
    とも1つの開口部を有する遮蔽板を洗浄槽の上下方向に
    スライド自在に設け、 該遮蔽板より下方の適宜位置に、少なくとも1つの攪拌
    手段を設けるとともに、 前記遮蔽板の開口部より、該開口部を開閉自在に遮蔽す
    るための遮蔽手段を上方に有し、かつ少なくとも1つの
    洗浄対象品を収容ないしは取付け得る洗浄用治具を洗浄
    溶剤層内に自在に挿入し得るように構成してなることを
    特徴とする洗浄装置。
  2. 【請求項2】 洗浄用治具の上方に有する開閉自在の遮
    蔽手段が、遮蔽板および該板の上面または一端に設けら
    れた浮きからなることを特徴とする請求項1記載の洗浄
    装置。
  3. 【請求項3】 比重が1より大きい揮発性非水溶性洗浄
    溶剤の表面張力が、水より小さいことを特徴とする請求
    項1,2記載の洗浄装置。
  4. 【請求項4】 上部の適宜箇所に開口部を有し、 該開口部を、再生装置から流出する再生された比重が1
    より大きい揮発性非水溶性洗浄溶剤の受け部とする洗浄
    溶剤回収容器であって、 該容器内部に水層を形成してなることを特徴とする洗浄
    溶剤回収容器。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の洗浄溶剤回収容器が、請
    求項1,2記載の洗浄槽であって、 再生装置から流出する再生された比重が1より大きい揮
    発性非水溶性洗浄溶剤の受け部を、洗浄槽に設けられて
    いる遮蔽板の開口部とすることを特徴とする請求項4記
    載の洗浄溶剤回収容器。
  6. 【請求項6】 比重が1より大きい揮発性非水溶性洗浄
    溶剤の表面張力が、水より小さいことを特徴とする請求
    項4,5記載の洗浄溶剤回収容器。
JP18077993A 1993-06-25 1993-06-25 洗浄装置および洗浄溶剤回収容器 Pending JPH0711470A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995025606A1 (en) * 1994-03-18 1995-09-28 Kao Corporation Cleaning process
US8387630B2 (en) 2006-03-14 2013-03-05 Tokyo Electron Limited Protective film removing device, mixed chemical solution recovering method and program storage medium

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995025606A1 (en) * 1994-03-18 1995-09-28 Kao Corporation Cleaning process
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