JPH071146Y2 - 間接灸用具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、もぐさを直接使用でき
る間接灸用具に関する。

【０００２】

【従来の技術】間接灸は、身体に直接もぐさを付けない
ので、お灸の跡が残らない方法として古くから広く愛用
されている。特に、紙に巻いたもぐさを台座に取り付
け、台座の裏面に粘着剤層及び離型紙を付けたものが、
その代表的なものとして知られている。しかし、従来の
間接灸では、一定に成形したもぐさを使用するため、目
的に応じて、もぐさの量を加減したり、また、もぐさの
燃焼位置を上下動させることは不可能であった。

【０００３】

【考案の解決しようとする課題】本考案は、このような
間接灸において、もぐさを成形することなく、そのまま
使用でき、しかも、もぐさの量の加減や燃焼位置の変更
も任意に可能な間接灸用具を提供することを課題とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の間接灸用具は、
筒状容器の底に耐熱性の多孔性シートを設けた本体部材
と、該筒状容器の下部を上下動可能な状態で挿入できる
筒状の支持部材からなるものであり、本体部材の多孔性
シート上に適当な量のもぐさを点火した状態で載置し、
筒状容器の下部を支持部材に挿入し、支持部材を施灸部
位に当てることによって、施灸効果を得ることができる
ものである。

【０００５】なお、筒状容器の内面には、遠赤外線放射
性セラミックスからなる耐熱コーティング層が設けられ
ており、もぐさの燃焼に伴う加熱により、遠赤外線が放
射されることにより、施灸時の薬効を肌に深く浸透さ
せ、治療効果を高めることができるようになっている。

【０００６】更に、筒状容器の上方開口部には、それに
適合する蓋部材が設けられており、施灸中、熱が逃げる
ことなく、より効果的に薬効を肌に浸透させるようにな
っている。蓋部材には空気孔を少なくとも一個設けるの
が好ましく、また、筒状容器にも、もぐさの燃焼を助け
るための空気孔を設けてもよい。

【０００７】本体部材を構成する筒状容器及び支持部材
は、適度の耐熱性あるものであれば、どのような素材か
ら形成されてもよいが、断熱効果に優れた木材で形成す
るのが好ましい。

【０００８】また、筒状容器の底に設けられる多孔性シ
ートは、耐火性素材からなるものであればよく、また、
その孔も、もぐさの燃焼による熱と気を透過するように
形成されればよい。通常、金網を使用するのが好まし
い。

【０００９】施灸時、燃焼もぐさを入れた筒状容器を装
着した支持部材の下面を直接肌に置いてもよいが、支持
部材下面に粘着剤等を設け、これにより、肌上に安定し
て載置できるようにしてもよい。この場合、両面粘着テ
ープを使用してもよい。

【００１０】

【実施例】図面に示す一例に従って、本考案を更に詳し
く説明する。この例では、本体部材３の筒状容器１と支
持部材４が共に木製であり、本体部材３の筒状容器１の
底には多孔性シート２として金属網が取り付けられてい
る（図１参照）。

【００１１】また、支持部材４は筒状容器１の外経に適
合する大きさの内経を有する筒状のスカート部材として
形成されているが、この例では、筒状容器１の支持部材
４への挿入位置（多孔性シート２に載置されたもぐさ１
０と肌との間隔）を安定して調整できるように、筒状容
器１の側面を部分的に薄く切り欠き、そこに板バネ９が
取り付けられている（図２参照）。更に、筒状容器１の
内面には全体に遠赤外線放射性セラミックスからなる耐
熱コーティング層５が設けられており、また、その下方
側面には、もぐさ１０の燃焼を助けるために、三個の空
気孔８が設けられている。また、筒状容器１の上方開口
部６に適合する蓋部材７が存在し、この蓋部材７にも中
央に一個の空気孔８が設けられている（図２〜４参
照）。

【００１２】このような間接灸用具は、適当な量のもぐ
さ１０に点火し、筒状容器１の多孔性シート２上に置
き、この筒状容器１を支持部材４に挿入した後、支持部
材４を施灸位置に置くだけで、十分な施灸効果を得るこ
とができるものであるが、筒状容器１の挿入長（即ち、
もぐさ１０を置いた多孔性シート２と支持部材４の下面
との距離）は、板バネ９の存在によって、任意に変更で
き、安定した状態で所定位置に固定できる。

【００１３】従って、この用具では、患者の症状、年
齢、性別等に応じて、もぐさ１０の量や、もぐさ１０と
肌との距離を任意に調整しながら施灸できるものであ
り、非常に扱い易い。また、上記実施例では、板バネ９
が使用されるが、これにより、木材からなる筒状容器１
と支持部材４を係合して使用する際、それらが加熱膨張
しても、互いにずれることなく、安定して保持されるこ
ととなる。

【００１４】更に、この実施例では、筒状容器１の外壁
に鉤部材１１が設けられているが、これは蓋部材７を安
定して保持するためのものであり、図４に示す如く、鉤
部材１１に輪ゴム１２を掛けることによって、蓋部材７
をずり落ちないように保持できる。

【００１５】

【考案の効果】本考案の間接灸用具では、もぐさの量を
任意に選んで施灸でき、しかも、もぐさと肌との距離も
適当に調整して施灸できるため、患者の症状、年齢、性
別等を考慮して、熱量を加減しながら、非常に効率よく
施灸できる。また、着火したもぐさを単に筒状容器内の
多孔性シート上に置くだけで施灸できるため、非常に扱
い易い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の間接灸用具の一例における一部破断し
た斜視図である。

【図２】実施例に示す間接灸用具の各部材を示す斜視図
である。

【図３】図２の間接灸用具の使用時の断面図である。

【図４】図２の間接灸用具の使用時の斜視図である。

【符号の説明】

１ 筒状容器 ２ 多孔性シート ３ 本体部材 ４ 支持部材 ５ 耐熱コーティング層 ６ 開口部 ７ 蓋部材 ８ 空気孔 ９ 板バネ １０ もぐさ １１ 鉤部材 １２ 輪ゴム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状容器１の底に耐熱性の多孔性シート
   ２を設けた本体部材３と、該筒状容器１の下部を上下動
   可能な状態で挿入できる筒状の支持部材４からなるもの
   であり、上記筒状容器１の内面に遠赤外線放射性セラミ
   ックスからなる耐熱コーティング層５が形成されてお
   り、かつ上記筒状容器１の上方開口部６に適合する蓋部
   材７が存在し、上記蓋部材７に少なくとも一個の空気孔
   ８が設けられていることを特徴とする、もぐさを筒状容
   器１の多孔性シート２上に置いて使用する間接灸用具。