JP2523264B2 - 押圧温灸器具 - Google Patents

押圧温灸器具

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JP2523264B2 JP6011822A JP1182294A JP2523264B2 JP 2523264 B2 JP2523264 B2 JP 2523264B2 JP 6011822 A JP6011822 A JP 6011822A JP 1182294 A JP1182294 A JP 1182294A JP 2523264 B2 JP2523264 B2 JP 2523264B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温灸器具に係り、詳し
くは手で器具を持ち固定する必要のない温灸器具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の温灸器具は、図8に示すように、
中空部を有し、この中空部と外部との貫通孔22を有す
る上筒20、及び中空部を遮断する金網23が張られた
下筒21とを着脱自在に有し、上筒20の上部孔20B
からもぐさ入りパイプ24を差し込み、もぐさ入りパイ
プ24の先端に点火した後、上筒20と下筒21とを組
み合わせて使用した。上筒20はもぐさ入りパイプ24
が差し込まれることにより、もぐさ入りパイプ24を固
定し得る口径の細筒部20Aとそれに連続する拡幅部2
0Cを有し、拡幅部20C内部の中空部にてもぐさ入り
パイプ24が燃え、前記中空部は貫通孔22により換気
される。上筒20と下筒21とを組み合わせてなるこの
従来の温灸器具は、図9に示す専用の固定器具25の挟
み口25Aにて上筒20の細筒部20Aを挟み、図10
に示すように、挟み口25Aに連続する長い柄25Bの
先端の握り部25Cを温灸を行う本人が手で持ち、温灸
器具を肩の上又は背中等の温灸を行う場所に下筒21の
下面を置き、固定して使用するものである。又は温灸を
行う本人が腹ばい状態で横たわり、背中の上に他の人に
温灸器具を置いてもらうことにより使用していた。そし
てもぐさ入りパイプ24を消火する場合には耐熱製の蓋
をもぐさ入りパイプ24の先端に被せて消火した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の温灸器具
は、長時間手で固定する必要があり、疲れる上、もぐさ
入りパイプ24が長く、温灸器具の上から長く突出して
おり背中の上に置いた場合にも不安定であった。また背
中の上の温灸器具を使用者自身が手で移動させたり、除
去するのは困難であり、他人の手を借りる必要があっ
た。そして従来の温灸器具は指圧の効果までは有してい
なかった。また上記従来の温灸器具は、温灸の消火方法
が面倒である上、温灸を短時間中断して、温灸を再開す
る場合であっても再度点火が必要であり、面倒であっ
た。そこで本発明の第一の課題は手で固定しなくとも楽
に長時間の温灸ができ、同時に指圧の効果を得ることが
できる押圧温灸器具を提供することである。また本発明
の第二の課題は消火方法が簡便であり、温灸を中断した
後に、再度容易に温灸を行うことができる押圧温灸器具
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1に記載の押圧温灸器具は、太さの異なる筒状の
上本体部と筒状の下本体部が嵌挿可能に形成されてな
り、前記上本体部の上面にはもぐさ入りパイプを挿入し
保持し得る前記上本体部より短い所定長さの保持手段が
上面外周部を塞ぐ状態において挿着され、かつ前記下本
体部の下端近傍位置にはもぐさ入りパイプのもぐさの煙
り及び熱を伝える熱伝達手段が下本体部の筒内を遮断す
る状態に設けられ、前記上本体部の側壁には下本体部と
の嵌挿状態において妨げのない位置に筒内外を連通する
空気連通部が貫設され、かつ前記下本体部の前記熱伝達
手段下方部位の側壁には筒内外を連通する空気連通部が
設けられてなることを特徴とする。
【0005】上記課題を解決するため請求項2に記載の
押圧温灸器具は、請求項1に記載の押圧温灸器具におい
て、もぐさ入りパイプを保持する手段がパイプであっ
て、その先端口は前記上本体部の上面と同一平面上又は
該平面よりも低い位置に存在し、一方その他端口は、前
記上本体部及び前記下本体部を嵌挿した場合には、前記
下本体部の下端から一定距離であって、かつ前記熱伝達
手段から一定距離離れた手前位置に存在し、もぐさ入り
パイプを前記先端口から挿入することによりもぐさ入り
パイプが保持される径を有するパイプであることを特徴
とする。
【0006】
【作用】請求項1の構成の押圧温灸器具によれば、上本
体部及び下本体部を嵌挿して一体化した場合には、上本
体部の上面及び下本体部の下面は押圧部とされ、保持手
段はもぐさ入りパイプの先端を上本体部の押圧部より突
出しない位置において保持するので、上本体部の押圧部
を物に押し当て、下本体部の押圧部を人肌に押し当てる
ことにより、押圧温灸器具を物と人肌の間に挟んで使用
することができる。 また温灸器具の上本体部及び下本
体部の側面部において設けられた外部との空気連通部に
より、押圧温灸器具の筒内中空部の空気が換気されるの
で、中空部に保持されるもぐさ入りパイプのもぐさを燃
え続けさせることができる。そして下本体部の熱伝達手
段は人肌に煙り及び熱を伝える。この伝達手段は下本体
部の押圧部から適当な距離離れた位置において存在する
ので人肌には適切な熱が伝えられる。
【0007】請求項2の押圧温灸器具によれば、上本体
部及び下本体部を一体化する前に上本体部のパイプの先
端口からもぐさ入りパイプを挿入し、パイプの他端口か
ら一定長さのもぐさを突出させると、パイプの他端口は
下本体部の押圧部から一定距離であって、熱伝達手段か
ら一定距離離れた手前位置に存在していることになるの
で、もぐさの火が付いた先端が人肌から一定距離離れた
位置とされるため、温灸の熱さが調整される。またパイ
プ内にもぐさ入りパイプの火の付いた先端を引き込むこ
とによって、空気がもぐさ先端に十分供給されなくなる
ため、もぐさ入りパイプの先端の火は一定時間後には消
火される。またパイプ内にもぐさ入りパイプの火の付い
た先端を引き込むことにより、温灸を安全に短時間中断
した後に、該先端を再びパイプ外へ押し出すことによっ
て、もぐさの先端に空気が供給可能とされるので温灸を
再開することができる
【0008】
【実施例】
実施例1 次に、実施例1を図1ないし図5を参照しながら説明す
る。本例1の押圧温灸器具は図1に示される様に竹筒製
の上本体部1が、これより径の大きい竹筒製の下本体部
2に着脱自在に嵌め込まれた構造を主体とする。上本体
部1の上面は厚肉環状の押圧部13を有し、上本体部1
の下面側は図2及び図3に示される様に下開口部とさ
れ、この下開口部は着脱部15とされている。下本体部
2の上面は図3に示される様に上開口部であり、この上
開口部は着脱部16とされ、下本体部2の下面の開口部
は厚肉環状の押圧部14を有している。また下本体部2
は図2及び図3に示される様に着脱部16及び押圧部1
4との間に煙り及び熱を伝える伝達手段である金アミ1
0を押圧部14から一定距離離れた位置に有している。
着脱部15及び着脱部16は図2に示すように相互に挿
入することで組み合わせて、上本体部1及び下本体部2
を一体化した場合には図2に示される様に押圧部13及
び押圧部14は適当な距離離れた平行位置とされ、また
押圧部13及び押圧部14の間に上本体部1及び下本体
部2の側面部を外周とする中空部8が形成される。そし
て上本体部1及び下本体部2の各側面部には、中空部8
と外部との空気連通部である複数個の孔9及び孔12が
各々設けられている。図2に示される様に上本体部1は
もぐさ入りパイプ5を中空部8内において保持するため
のガイドパイプ3を有し、このガイドパイプ3の先端口
は図2に示されるように上本体部1の上面の中央位置で
あって押圧部13よりも低い位置に存在し、一方その他
端口は上本体部1及び下本体部2を一体化した場合には
図2に示される様に、押圧部14から一定距離離れた位
置であって、金アミ10から一定距離離れた手前位置
(図1及び図2における上方向)に存在するように設け
られている。そしてガイドパイプ3の径はもぐさ入りパ
イプ5をその先端口から挿入することにより、もぐさ入
りパイプ5が保持される径とされている。
【0009】上本体部1は高さ約5.5cmの竹筒を外筒
部1Aとして有し、図2に示される様に、この外筒部1
Aの図1における上面である竹筒の上開口部から、三個
の竹筒を外側から内側の順に内筒部1B,1B,1Cと
して挿入することによって、前記上面の口径はガイドパ
イプ3が丁度挿入される大きさに調節されている。この
内筒部1B,1B,1Cは、その径が順次小さくされて
いる長さ約2.5cmの竹筒である。そして最も内側の内
筒部1Cの上面は押圧部13よりもより低い位置とされ
ている。この上本体部1の上面における外筒部1A及び
二個の内筒部1B,1Bの上面は本例1の押圧温灸器具
の使用時において物に押し付けられる部分であり、押圧
部13に相当する。従って押圧部13の形状は、外筒部
1A及び二個の内筒部1B,1Bの厚さの合計に等しい
厚さを有する環形状であり、その表面は平担である。
【0010】前記ガイドパイプ3は内径2.3cm、長さ
3.5cm、厚さ1mmのアルミ製のパイプであり、ガイド
パイプ3の上端部分の二箇所の対象位置においてガイド
パイプ3に連続してパイプ3の外側に突設されたガイド
パイプストッパー4,4が内筒部1Cの上面が少し削り
取られた部分に接着されることにより、ガイドパイプ3
の上面の高さが内筒部1Cの上面の高さとほぼ一致する
様に、内筒部1Cの筒内にガイドパイプ3が固定されて
いる。また外筒部1Aには径約6mmの孔9が上部から
2.2cm〜2.8cmの位置においてその外周全体に略均
等位置に6個設けられ、これらは請求項1中の空気連通
部に相当する。そして図1及び図2に示されるように、
上本体部1を下本体部2に嵌め合わせた状態において、
これらの孔9は下本体部2の側面部分によって覆い隠さ
れることはない位置とされている。
【0011】図1、図2及び図3に示されるように下本
体部2は上面及び下面が開口部とされた長さ約3.3cm
外径約6.5cm内径約5.5cmの竹筒を外筒部2Aとし
て有し、着脱部16から約1.7cmの位置に、一辺約3
mmの正方形状の格子を有する金アミ10が外筒部2Aの
中空部を遮断するように張られている。この金アミ10
は請求項1中の熱伝達手段に相当する。そして、この金
アミ10は下本体部2の中空部内の下部に外径約5.5
cm内径約4.3cmの竹筒を金アミストッパー11として
挿着することにより固定されている。図3に示されるよ
うに下本体部2の下面及び金アミストッパー11の下面
は同一面上とされ、これらの下面は使用時において押圧
部14として人肌に押し付けられる部分である。押圧部
14の形状は、外筒部2A及び金アミストッパー11の
厚さの合計に等しい厚さを有する滑らかな環形状にされ
ている。外筒部2Aの側面の所定位置には七個の孔12
が設けられている。前記所定位置とは下本体2の着脱部
16から約2.4cmの位置に直径約4mmの孔12の中心
が存在する位置である。従って、図2に示されるように
孔12は金アミ10よりも下の位置にに存在し、外筒部
2Aの側面及び金アミストッパー11の側面を貫通する
孔であり、これらは請求項1中の空気連通部に相当す
る。もぐさ入りパイプ5は厚紙製であり、内径約2cm長
さ約4.7cmとされ、その中空部にはもぐさMが適当な
堅さにて詰め込まれている。もぐさ入りパイプ5の上部
には外径約2.5cm、高さ約5mmの厚紙製のストッパー
リング6がもぐさ入りパイプ5の上部外側に嵌め込まれ
ている。またもぐさ入りパイプ5の上開孔部には、もぐ
さMが詰め込まれた上部に栓体7が内嵌めされている。
【0012】本例1の押圧温灸器具を使用する場合に
は、上本体部1及び下本体部2を分離した状態で、もぐ
さ入りパイプ5を上本体部1の上面側から、ガイドパイ
プ3の中空部内に挿入する。するとストッパーリング6
が内筒部1Cの上面にて係止される。このとき、もぐさ
入りパイプ5はガイドパイプ3よりも約1.2cm長いと
いうもぐさ入りパイプ5とガイドパイプ3の長さの違い
により、もぐさ入りパイプ5はガイドパイプ3の下先端
から約5mm突出した状態で係止される。またこのときス
トッパーリング6の上部は押圧部13の上面より低い位
置に存在する。次に栓体7を親指等で押し、もぐさMを
もぐさ入りパイプ5の下端から10mm程突出させる。こ
の押し出したもぐさMの先端に火を付ける。この時、も
ぐさ入りパイプ5の先端はガイドパイプ3の先端と一致
せず、ガイドパイプ3の先端から約5mm突出しているこ
とにより、もぐさの熱がガイドパイプ3には伝わり難
い。したがって上本体部1が熱くされることが抑制され
るので本例1の押圧温灸器具の使用者が火傷をすること
がなく安全である。次に図1及び図2に示されるよう
に、下本体部2の着脱部16と上本体部1の着脱部15
とを合わせる様に上本体部1を下本体部2に嵌め込むと
上本体部1は金アミ10上に載置される状態となり、上
本体部1及び下本体部2の中空部が一部分重なり、中空
部8が形成される。本例1の押圧温灸器具は下本体部2
の着脱部16及び上本体部1の着脱部15の口径の大き
さが適切な大きさとされているので、着脱部15が着脱
部16に嵌め込まれることによって上本体部1及び下本
体部2が丁度固定され、一体化される。また後述するよ
うに、この固定された上本体部1と下本体部2を外すこ
ともできる。本例1の押圧温灸器具は図1及び図2に示
されるように、上本体部1及び下本体部2を上記の様に
一体化した状態で使用する。
【0013】背中に温灸を行う場合には図4に示す様
に、温灸を行う本人Hが椅子Iに座り、椅子Iの背IA
もたれと背中の皮膚との間に本例1の押圧温灸器具19
を挟んで使用する。この際、下本体部2の押圧部14が
皮膚に接し、上本体部1の押圧部13が椅子Iの背もた
れIAに接する様に使用する。するともぐさMの火熱及
び煙りが金アミ10を通して、背中の皮膚上に伝わる。
この時ガイドパイプ3の長さ及びもぐさ入りパイプ5の
長さが定まっていることから、もぐさMの火の付いてい
る先端は背中から一定位置離れているので、背中へ伝わ
る熱は一定に調整されている。また背中の皮膚上に温灸
の跡が付かず、そしてもぐさMの熱により熱くなる金ア
ミ10は背中の皮膚から約15mm離れた位置に存在する
ので、背中の温灸を行っている局部が熱されすぎること
もない。そして金アミ10が存在するので、もぐさMの
灰が落ちた場合にも背中に灰が付かず、温灸終了後に下
本体部2を上本体部1から外して金アミ10上の灰を捨
てることにより、簡単に灰の始末ができる。
【0014】そして本例1の押圧温灸器具は椅子Iの背
もたれIAと背中の皮膚との間に挟んで使用するので、
手を使用して温灸器具を固定する必要がなく、さらには
下本体部2の押圧部14が背中に押し付けられることに
より、温灸を行うと同時に指圧を行うことができ、指圧
の効果も得られる上、大変気持ちが良い。温灸を行う位
置を変える場合も温灸を行っている本人Hが椅子Iに座
った状態のままで、椅子Iの背もたれHIと背中との間
に本人Hが手をいれて本例1の押圧温灸器具を移動させ
ればよく、大変楽である。本例1の押圧温灸器具では、
上本体部1の外筒部1Aに設けられた孔9から空気が中
空部8に供給され、下本体部2の外筒部2Aに設けられ
た孔12から中空部8の空気が外部へと出ることにより
換気され、中空部8においてもぐさMの燃焼が可能とさ
れる。そしてもぐさMの燃焼時においても、もぐさ入り
パイプ5が厚紙製であるのでその熱がアルミ製のガイド
パイプ3に伝わり難い上、押圧温灸器具の上本体部1及
び下本体部2が竹製であるため、もぐさMの熱により押
圧温灸器具の外側が熱くなることが少ないので安全であ
る。またもぐさ入りパイプ5が厚紙製であり、栓7もパ
ルプのかすを固めたものであるため、もぐさの熱によっ
てこれらが燃えることはなく安全である。
【0015】もぐさ入りパイプ5から10mm程押し出し
たもぐさMが20〜30分程で燃え尽きると、厚紙で包
まれたもぐさMは燃えず、もぐさMの火は自然に消える
ので安全である。続けて温灸を行いたい場合には、上本
体部1を下本体部2から取り外し、もぐさ入りパイプ5
の先端のもぐさMの灰を落とし、再度、栓体7を親指等
で押し、もぐさMを10mm程押し出して点火し、前記と
同様に上本体部1を下本体部2に嵌め込み一体化させ、
椅子と背中の間に挟んで使用する。途中で温灸を止める
場合にはストッパーリング6を持ち、上方向へ約2cm引
上げ、もぐさ入りパイプ5の先端から突出させた、火が
付いたもぐさMの先端部をガイドパイプ3内へと移動さ
せると、もぐさMの火は消えるので簡単に消火できる。
そしてもぐさ入りパイプ5の先端から突出させたもぐさ
を、ガイドパイプ3内へと移動させた後も5分間位なら
ば、再度ストッパーリング6を下方向へ引き下げ、もぐ
さ入りパイプ5の点火された先端をガイドパイプ3外へ
移動させることにより、温灸を短時間中断した後、容易
に温灸を再開することができ、便利である。また本例1
の押圧温灸器具では、栓体7としてパルプのかすを使用
しているためもぐさ入りパイプ5に詰め込まれたもぐさ
Mが、全て燃え付くされた場合にはその灰は栓体7に固
着し、金アミ10上には落ちにくいのでより好ましい。
この理由は良く分からないが、栓体7としてパルプのか
すを使用しているためと考えられ、栓体7として木やコ
ルクを使用した場合には、栓体7はもぐさMの熱によっ
て燃えることはないが、もぐさMが全て燃え付くされる
少し前に、もぐさMの灰が金アミ10上に落ち易い。
【0016】別の使用例としては図5に示すように、本
例1の押圧温灸器具を温灸を行う本人Hの背中又はおし
りの下に置き、本人Hが床、畳みTの上に上向きに寝て
使用することができる。このとき、下本体部2の押圧部
14が温灸を行う局部の背中又はおしりの皮膚に接し、
上本体部1の押圧部13が床、畳みTに接する様に使用
する。この場合も温灸を行う位置を変える場合には温灸
を行っている本人Hが寝た状態のままで、本人Hの手に
よって本例1の押圧温灸器具を移動させることができ、
大変楽である。その他の使用例としては本例1の押圧温
灸器具を温灸を行う人の肩の上に置き枕等の物と肩の間
に挟んで使用する。このとき、下本体部2の押圧部14
が肩の皮膚に接し、上本体部1の押圧部13が枕等に接
する様に使用する。これにより肩の上にも手を使用して
支える必要なく、本例1の押圧温灸器具を使用できる。
これらの使用方法によっても前記と同様の効果が生じ
る。すなわち、手を使用して固定することなく楽に長時
間温灸ができ、さらには温灸と同時に指圧もできるの
で、温灸の効果とともに指圧の効果も同時に得られ、温
灸と指圧が同時に同箇所にて行えることにより、温灸の
みの効果と比べてより優れた効果が得られる。本例1の
押圧温灸器具を初めて使用した場合、指圧の押圧の強さ
が強すぎ、痛く感じられる人もあるが、このような場合
には図5の様に長さ25cm、高さ6cm〜7cmの半割りの
竹の幹17,17を二本、本例1の押圧温灸器具19を
使用する背中の局部の前後に各一本ずつ置き、背中と床
との間に空間を作ると、本例1の押圧温灸器具による指
圧の強さが弱められる。
【0017】実施例2 次に、実施例2を図6及び図7を参照しながら説明す
る。本例2の押圧温灸器具は本例1の押圧温灸器具にお
ける七個の孔12を設けず、代わりに下本体部2の押圧
部14に複数個の切り欠き18を設けた点のみが本例1
の温灸器具と異なる。外部と連通する切り欠き18は金
アミストッパー11の側面の一部及び下本体部2の側面
である外筒部2Aの一部を切り欠いた孔であり、これら
は請求項1中の空気連通部に相当する。
【0018】本例2の押圧温灸器具は前記した本例1の
押圧温灸器具と同様の使用方法で使用できる。そして本
例2の押圧温灸器具においては押圧温灸器具内の空気の
換気は、外筒部1Aに設けられた孔9から空気が中空部
8に供給され、下本体部2の七個の孔18から中空部8
の空気が外部へと出ることにより行われ、中空部8にお
いてもぐさMの燃焼が可能とされる。本例1の押圧温灸
器具では下本体2の押圧部14には切り欠き18が設け
られていないので人肌に接する下本体2の押圧部14の
全体が平らであるため、使用した場合の感触がより良
く、また肥満体の人が使用した場合にも盛り上がった肉
により切り欠き18が埋められるという不都合も生じな
いため、本例2の押圧温灸器具よりも優れている。
【0019】実施例1及び実施例2の押圧温灸器具は竹
製とされているので、指圧の感触がより良好であるが、
本発明の押圧温灸器具は木製としてもよく、金属製又は
耐熱性の合成樹脂製としてもよい。木製又は合成樹脂製
とした場合には大量製造が容易とされる利点がある。そ
して前記の寸法は一例であって、適時大きさを変えても
良い。例えば、ガイドパイプ3の他端口の下本体部の押
圧部14からの距離及び/又は前記他端口の金アミ10
からの距離を調整することによって、温灸を行っている
局部へもぐさの火熱が伝わる強さが調整される。例え
ば、熱さを弱くしたい場合には上記の距離を大きくすれ
ばよい。また押圧を行う局部の面積を広くしたい場合に
は下本体部の押圧部14の面積を広くすれば良い。また
押圧の強さを大きくしたい場合には押圧温灸器具の高さ
を大きくすれば良い。但し、本実施例の押圧温灸器具の
各寸法は通常使用されるに適した大きさとされ、本実施
例の各寸法の上下一割り程の各寸法とされるのが使用し
やすい寸法である。また実施例1及び実施例2の押圧温
灸器具は着脱部15及び着脱部16が適切な口径を有す
ることにより上本体部1及び下本体部2は着脱自在とさ
れているが、その他の方法により、上本体部1及び下本
体部2を着脱自在としてもよく、例えば、着脱部15及
び着脱部16をねじこみができるようにネジを切った形
状としてもよく、この場合には着脱がより確実とされ
る。
【0020】
【発明の効果】請求項1及び請求項2に記載の押圧温灸
器具によれば、手を使用することなく温灸ができ、従っ
て大変楽である。さらには温灸と同時に指圧もできるの
で、大変気持ちがよく、その効果も温灸のみの効果と比
べ、温灸と指圧が同時に同箇所にて行えることにより、
より優れたものとされる。従って、従来温灸や指圧が有
効であるとされている肩こり、腰痛等に優れた効果を発
揮する。請求項2に記載の押圧温灸器具によれば、温灸
の熱さの調整が容易とされ、また短時間、温灸を中断し
た後、温灸を容易に再開することができ、もぐさの消火
も容易である。従って、大変使い勝手が良く、便利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の押圧温灸器具の斜視図である。
【図2】実施例1の押圧温灸器具の縦断面図である。
【図3】実施例1の押圧温灸器具の分解断面図である。
【図4】本例の押圧温灸器具の使用状態説明図である。
【図5】本例の押圧温灸器具の使用状態説明図である。
【図6】実施例2の押圧温灸器具の斜視図である。
【図7】実施例2の押圧温灸器具の縦断面図である。
【図8】従来の温灸器具の上筒及び下筒を分離した状態
の断面図である。
【図9】従来の温灸器具の固定器具の斜視図である。
【図10】従来の温灸器具の使用状態説明図である。
【符号の説明】
1 上本体部 2 下本体部 3 ガイドパイプ 5 もぐさ入りパイプ 6 ストッパーリング 7 栓体 8 中空部 9 孔 10 金アミ 11 金アミストッパー 12 孔 13 押圧部 14 押圧部 15 着脱部 16 着脱部 18 切り欠き 19 押圧温灸器具 M もぐさ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太さの異なる筒状の上本体部と筒状の下
    本体部が嵌挿可能に形成されてなり、前記上本体部の上
    面にはもぐさ入りパイプを挿入し保持し得る前記上本体
    部より短い所定長さの保持手段が上面外周部を塞ぐ状態
    において挿着され、かつ前記下本体部の下端近傍位置に
    はもぐさ入りパイプのもぐさの煙り及び熱を伝える熱伝
    達手段が下本体部の筒内を遮断する状態に設けられ、前
    記上本体部の側壁には下本体部との嵌挿状態において妨
    げのない位置に筒内外を連通する空気連通部が貫設さ
    れ、かつ前記下本体部の前記熱伝達手段下方部位の側壁
    には筒内外を連通する空気連通部が設けられてなること
    を特徴とした押圧温灸器具。
  2. 【請求項2】 もぐさ入りパイプを保持する手段がパイ
    プであって、その先端口は前記上本体部の上面と同一平
    面上又は該平面よりも低い位置に存在し、一方その他端
    口は、前記上本体部及び前記下本体部を嵌挿した場合に
    は、前記下本体部の下端から一定距離であって、かつ前
    記熱伝達手段から一定距離離れた手前位置に存在し、も
    ぐさ入りパイプを前記先端口から挿入することによりも
    ぐさ入りパイプが保持される径を有するパイプであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の押圧温灸器具。
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