JPH0711434U - 自動車用シートのスライド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】シートのスライド時にシートクッションの前部
下面がスライド装置のロアレールと接触して表皮が破損
することを防止する。 【構成】シートクッション２の下方のアッパレール８，
９に、ロック装置１０のロック解除レバー１５に連動連
結された押し上げ片１８，１９を設けて、ロック解除レ
バー１５を解除方向に操作したとき、押し上げ片１８，
１９がシートクッション２の前部下面を押し上げるよう
にした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用シートにおけるスライド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に自動車用シートは、実公平１−３９６３１号公報等で知られるごとく、 フロアに固定されたロアレールと、シート下面に取り付けられ上記ロアレールに 摺動自在に嵌合支持されるアッパレールと、該アッパレールとロアレール間に設 けられアッパレールの摺動を固定するロック装置と、該ロック装置を解除するロ ック解除レバーとからなるスライド装置を備え、着座者の体格や好みに応じてシ ートの位置を調節できるようになされている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記のようなスライド装置においては、シートを前方位置から後方に スライドさせるとロアレールの前部が露出するため、シートのスライド時にシー トクッションの下面がロアレール上面と接触し、シートクッション下面の表皮が 破損する問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記のような問題を解決するべくなされたもので、フロアに固定され たロアレールとシート下面に取り付けられ上記ロアレールに摺動自在に嵌合支持 されるアッパレールと、該アッパレールとロアレール間に設けられアッパレール を固定するロック装置と、該ロック装置を解除するロック解除レバーとからなる シートのスライド装置において、シートクッション下方のアッパレール側に上記 ロック解除レバーに連動連結された押し上げ片を設け、ロック解除レバーを解除 方向に操作したとき、上記押し上げ片がシートクッションの前部下面を押し上げ るようにしたことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

上記構成によれば、シート位置を調整するべくロック解除レバーを解除方向に 操作すると、シートクッションの前部下面がロック解除レバーに連動連結されて いる押し上げ片により上方に押し上げられ、その状態で前後方向に移動するので 、シートクッションの前部下面とロアレール上面との接触が防止され、表皮が破 損することがない。

【０００６】

【実施例】

以下本考案を実施例にしたがって説明する。 図１はシートの取り付け状態を示す側面図であり、シート１はシートクッション ２とシートバック３により構成され、フロア４上にスライド装置５を介して前後 方向に位置調整可能に設置されている。 上記スライド装置５は、図２に示すごとくフロア４に固定された左右１対のロ アレール６，７と、シートクッション２の下面に取り付けられ上記ロアレール６ ，７に摺動自在に嵌合するアッパレール８，９と、このアッパレール８とロアレ ール６との間に設けられるロック装置１０により構成されている。 上記ロック装置１０は、係止歯１２を有するロックプレート１１をロアレール ６に固定する一方、この係止歯１２に係合する係止片１３をアッパレール８に回 動軸１４により回動自在に取り付けて構成され、回動軸１４の前端には係止歯１ ２と係止片１３との係合を解除するロック解除レバー１５が一体に形成されてい る。 また、他方のロアレール７とアッパレール９間にも同様のロック装置が設 けられており、その回動軸１６は連結ロッド１７により一方のロック装置の回動 軸１４に連結され、ロック解除レバー１５により両ロック装置が同時に解除され るようになされている。 １８，１９は、シートクッション２の前部下方に設けられる押し上げ片であり 一方の押し上げ片１８はロック解除レバー１５の途中を屈曲させて構成し、他方 の押し上げ片１９は回動軸１６の前端を延長し、これをクランク状に屈曲して構 成されている。

【０００７】 以上の構成において、常時はロック解除レバー１５は図示しないバネによりロ ック位置側に付勢されており、押し上げ片１８，１９は下方に位置している。 この状態で着座者がシート位置を調整するためにロック解除レバー１５を解除方 向に回すと、ロック装置１０の係合歯１２と係止片１３との係合が外れアッパレ ール８，９はロアレール６，７に対してスライド可能となる。 このとき同時に し上げ片１８，１９も上方に回動させられ、シートクッション２の下面を図３に 示すように押し上げる。 この状態でシート１を後方にスライドさせるとロアレ ー６，７が先端から徐々に露出してくるが、シートクッション２の下面は前述の ごとく上方に持ち上げられているため、シートクッション２の下面がロアレール ６，７に接触することはない。そして、位置調整が終わりロック解除レバー１５ から手を離すとレバー１５と押し上げ片２０，２１はバネにより元のロック位置 に復帰する。 以上の実施例は押し上げ片をロック解除レバーと一体に構成したが、別個に構 成してロック解除レバーとリンクにより連結してもよい。

【０００８】

【考案の効果】

本考案によれば、シートのスライド時にシートクッション２の下面が押し上げ 片により押し上げられ、ロアレールに接触することがないのでシートの表皮の破 損を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】シートの取り付け状態を示す側面図である。

【図２】本考案に係るスライド装置の斜視図である。

【図３】ロック解除レバーのロック解除時の状態を示す
斜視図である。

【図４】ロック解除レバーのロック時の状態を示す斜視
図である。

【符号の説明】

１ シート ２ シートクッション ５ スライド装置 ６ ロアレール ７ ロアレール ８ アッパレール ９ アッパレール １０ ロック装置 １５ ロック解除レバー １８ 押し上げ片 １９ 押し上げ片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フロアに固定されたロアレールとシート下
   面に取り付けられ上記ロアレールに摺動自在に嵌合支持
   されるアッパレールと、該アッパレールとロアレール間
   に設けられアッパレールを固定するロック装置と、該ロ
   ック装置を解除するロック解除レバーとからなるシート
   のスライド装置において、シートクッション下方のアッ
   パレール側に上記ロック解除レバーに連動連結された押
   し上げ片を設け、ロック解除レバーを解除方向に操作し
   たとき、上記押し上げ片がシートクッションの前部下面
   を押し上げるようにしたことを特徴とする自動車用シー
   トのスライド装置。