JPH07113938A - シリンドリカルレンズの調整・固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】短時間でシリンドリカルレンズをレンズ鏡胴内
に組み込こむシリンドリカルレンズの調整・固定装置を
提供する。 【構成】レンズ収納部１７はレンズ鏡胴１４内に同軸上
に嵌遊された筒体１８を有し、筒体１８内にシリンドリ
カルレンズ１０を収納する。ピン２０は筒体１８に半径
方向に植設されてレンズ鏡胴１４の外側に突出する。そ
して、ピン２０を軸線２６に対して回動してシリンドリ
カルレンズ１０を軸線２６を中心に回動して母線１０Ａ
を位置決めする。回動阻止板２２は、母線１０Ａが位置
決めされた位置で、ピン２０が軸線２６に対して直交す
る方向へ移動することを阻止すると共に、ピン２０を軸
線２６の方向に案内する。従って、押へ環２４でレンズ
収納部１７を固定するときにレンズ収納部１７の回動が
阻止されて、シリンドリカルレンズ１０の母線１０Ａの
ずれが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シリンドリカルレンズ
の調整・固定装置に係り、特にレンズ鏡胴内に嵌入され
たシリンドリカルレンズをレンズ鏡胴の軸線を中心に回
動してシリンドリカルレンズの母線を所定位置に位置決
めした後、レンズ鏡胴内にねじ込こまれた押へ環でシリ
ンドリカルレンズをレンズ鏡胴内に固定するシリンドリ
カルレンズの調整・固定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３に示すようにレンズ鏡胴の前方と後
方に、凸状のシリンドリカルレンズ１０及び凹状のシリ
ンドリカルレンズ１２を配設して使用する場合、凸状の
シリンドリカルレンズ１０の母線１０Ａと凹状のシリン
ドリカルレンズ１２の母線１２Ａとを一致させる必要が
ある。母線１０Ａと母線１２Ａとを一致させる方法は、
先ず、後方に配置された凹状のシリンドリカルレンズ１
２をレンズ鏡胴内に固定し、前方に配置された凸状のシ
リンドリカルレンズ１０を 矢印Ａ−Ｂ方向に回動して
調整する。そして、母線１０Ａと母線１２Ａとを一致さ
せた後、レンズ鏡胴内にねじ結合された押へ環をレンズ
鏡胴内にねじ込んで、凸状のシリンドリカルレンズ１０
の前面に当接する。この状態から、さらに押へ環をレン
ズ鏡胴内にねじ込んでシリンドリカルレンズ１０の後面
を間隔環に当接する。これにより、シリンドリカルレン
ズ１０が押へ環と間隔環とで挟持されて固定される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、押へ環
をレンズ鏡胴内に押し込む場合、押へ環を回動するの
で、押へ環をシリンドリカルレンズ１０に当接した状態
で押へ環をレンズ鏡胴内に押し込むと、シリンドリカル
レンズ１０が押へ環と共に回動して、母線１０Ａと母線
１２Ａとがずれる場合がある。この場合、母線１０Ａと
母線１２Ａとを再度一致させる必要があるので、シリン
ドリカルレンズ１０、１２の組込み時間が長くなるとい
う不具合がある。

【０００４】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、短時間でシリンドリカルレンズを組み込こむこ
とができるシリンドリカルレンズの調整・固定装置を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、レンズ鏡胴内に嵌入されたシリンドリカ
ルレンズを前記レンズ鏡胴の軸線を中心に回動して前記
シリンドリカルレンズの母線を所定位置に位置決めし、
前記レンズ鏡胴内にねじ込こまれた押へ環で前記シリン
ドリカルレンズをレンズ鏡胴内に固定するシリンドリカ
ルレンズの調整・固定装置において、前記レンズ鏡胴内
に同軸上に嵌遊される筒体を有し、該筒体内に同軸上に
前記シリンドリカルレンズを収納し、前記押へ環で前記
レンズ鏡胴内に固定されるレンズ収納部と、前記筒体に
半径方向に植設されて前記レンズ鏡胴の外側に突出し、
前記軸線に対して回動して前記シリンドリカルレンズを
前記軸線を中心に回動して前記母線を所定位置に位置決
めする突起部材と、前記母線が所定位置に位置決めされ
た位置で前記突起部材が前記軸線に対して直交する方向
へ移動することを阻止すると共に前記突起部材を前記軸
線の方向に案内する回動阻止手段と、を備えたことを特
徴としている。

【０００６】

【作用】本発明によれば、レンズ収納部はレンズ鏡胴内
に同軸上に嵌遊される筒体を有し、この筒体内に同軸上
にシリンドリカルレンズを収納する。このレンズ収納部
は押へ環でレンズ鏡胴内に固定される。突起部材は筒体
に半径方向に植設されてレンズ鏡胴の外側に突出する。
そして、突起部材は、レンズ鏡胴の軸線に対して回動し
てシリンドリカルレンズを軸線を中心に回動して母線を
所定位置に位置決めする。回動阻止手段は、母線が所定
位置に位置決めされた位置で、突起部材が軸線に対して
直交する方向へ移動することを阻止し、かつ突起部材を
軸線の方向に案内する。従って、押へ環でレンズ収納部
を固定するときに回動阻止手段でレンズ収納部の回動が
阻止されるので、シリンドリカルレンズの回動が阻止さ
れる。

【０００７】

【実施例】以下添付図面に従って本発明に係るシリンド
リカルレンズの調整・固定装置の好ましい実施例を詳述
する。図１は本発明に係るシリンドリカルレンズの調整
・固定装置の断面図である。尚、図１上で図３に示す構
成部材と同一類似部材については同一符号を付して説明
を省略する。図１において１４はレンズ鏡胴、１５は間
隔環であり、また、１６はシリンドリカルレンズの調整
・固定装置である。シリンドリカルレンズの調整・固定
装置１６はレンズ収納部１７、ピン（突起部材）２０、
回動阻止板（回動阻止手段）２２及び押へ環２４を備え
ている。筒体１８はレンズ鏡胴１４の前端部に回動自在
に、かつレンズ鏡胴１４の軸線２６の方向に移動自在に
嵌入されている。

【０００８】レンズ収納部１７は筒体１８及び筒体用押
へ環２８を有している。筒体１８の後端部にはフランジ
１８Ａが形成されていて、フランジ１８Ａは内周方向に
張り出している。また、筒体１８の前端部には内周に雌
ねじ１８Ｂが形成されていて、筒体用押へ環２８の外周
には雄ねじ２８Ａが形成されている。筒体用押へ環２８
の雄ねじ２８Ａと、筒体１８の雌ねじ１８Ｂとがねじ結
合されていて、筒体用押へ環２８を筒体１８内にねじ込
むことにより、筒体１８内の凸状シリンドリカルレンズ
１０が後方に押し込まれる。これにより、凸状シリンド
リカルレンズ１０が筒体用押へ環２８とフランジ１８Ａ
とで挟持されて、筒体１８内に同軸上に固定される。

【０００９】ピン２０は筒体１８の外周にねじ結合され
ていて、レンズ鏡胴１４に形成された開口部１４Ａを介
してレンズ鏡胴１４の外側に突出している。開口部１４
Ａは、ピン２０が軸線２６に平行な方向及び軸線２６に
直交する方向に所定量移動可能の大きさに形成されてい
る（図２参照）。これにより、筒体１８は軸線２６に平
行な方向に移動することができ、さらに軸線２６を中心
にして回動することできる。

【００１０】回動阻止板２２の曲面はレンズ鏡胴１４の
外周曲率と同一曲率に形成されている。回動阻止板２２
の中央部には、軸線２６と平行な方向に延長された縦ガ
イド穴２２Ａ（図２参照）が形成されている。縦ガイド
穴２２Ａにはピン２０の頭部が軸線２６の方向に移動自
在に支持されている。また、回動阻止板２２の後端部に
は横ガイド穴２２Ｂ（図２参照）が形成されていて、横
ガイド穴２２Ｂは軸線２６に対して直交する方向に延長
されている。横ガイド穴２２Ｂ内にはビス３０が遊嵌さ
れていて、ビス３０はレンズ鏡胴１４の外周にねじ結合
されている。

【００１１】そして、ビス３０が緩められると回動阻止
板２２が軸線２６に対して直交する方向（すなわち、レ
ンズ鏡胴１４の周方向）に移動され、ビス３０が締めつ
けられると回動阻止板２２がレンズ鏡胴１４の外周に固
定される。従って、ビス３０を緩めた状態で、回動阻止
板２２をレンズ鏡胴１４の周方向に移動すると、縦ガイ
ド穴２２Ａ、ピン２０及び筒体１８を介して凸状シリン
ドリカルレンズ１０が軸線２６を中心にして回動する。

【００１２】このように、凸状シリンドリカルレンズ１
０が軸線２６を中心にして回動するので、凸状シリンド
リカルレンズ１０の母線１０Ａを凹状シリンドリカルレ
ンズ１２の母線１２Ａに一致させることができる。そし
て、凸状シリンドリカルレンズ１０の母線１０Ａを凹状
シリンドリカルレンズ１２の母線１２Ａに一致させた
後、ビス３０を締めつけて回動阻止板２２をレンズ鏡胴
１４の外周に固定すると、筒体１８は軸線２６を中心と
する回動が阻止されて、軸線２６に平行な方向にのみ移
動する。

【００１３】押へ環２４の外周には雄ねじ２４Ａが形成
されていて、雄ねじ２４Ａはレンズ鏡胴１４の内周に形
成されている雌ねじ１４Ｂにねじ結合されている。そし
て、押へ環２４をレンズ鏡胴１４内にねじ込むことによ
り、筒体用押へ環２８が後方に押し込まれる。この場
合、ピン２０が縦ガイド穴２２Ａ内に遊嵌されているの
で、筒体１８及び凸状シリンドリカルレンズ１０の回動
が阻止される。従って、凸状シリンドリカルレンズ１０
の母線１０Ａと凹状シリンドリカルレンズ１２の母線１
２Ａとにズレが生じない。そして、押へ環２４で筒体用
押へ環２８を後方に押し込むと、凸状シリンドリカルレ
ンズ１０の後端部が間隔環１５の前端部に当接して、凸
状シリンドリカルレンズ１０がレンズ鏡胴１４に固定さ
れる。

【００１４】前記の如く構成された本発明に係るシリン
ドリカルレンズの調整・固定装置の作用について説明す
る。先ず、レンズ鏡胴１４内に嵌入された凹状シリンド
リカルレンズ１２を間隔環１５で固定する。次に、筒体
１８内に凸状シリンドリカルレンズ１０を嵌入した後、
筒体用押へ環２８の雄ねじ２８Ａと、筒体１８の雌ねじ
１８Ｂとをねじ結合して、筒体用押へ環２８を筒体１８
内にねじ込んで筒体１８内の凸状シリンドリカルレンズ
１０を後方に押し込む。これにより、凸状シリンドリカ
ルレンズ１０が筒体用押へ環２８とフランジ１８Ａとで
挟持されて、筒体１８内に同軸上に固定される。

【００１５】次いで、ビス３０を緩めて回動阻止板２２
をレンズ鏡胴１４の周方向に移動可能に支持して、レン
ズ鏡胴１４の開口部１４Ａと回動阻止板２２の縦ガイド
穴２２Ａを一致させる。次に、筒体１８をレンズ鏡胴１
４内に嵌入して、レンズ鏡胴１４の開口部１４Ａ及び回
動阻止板２２の縦ガイド穴２２Ａを介してピン２０を筒
体１８にねじ結合する。この状態で、回動阻止板２２を
レンズ鏡胴１４の周方向に移動すると、縦ガイド穴２２
Ａと共にピン２０が軸線２６を中心に回動するので、筒
体１８と共に凸状シリンドリカルレンズ１０が軸線２６
を中心にして回動する。

【００１６】そして、凸状シリンドリカルレンズ１０の
母線１０Ａを凹状シリンドリカルレンズ１２の母線１２
Ａに一致させる。母線１０Ａを母線１２Ａに一致させた
後、ビス３０を締めつけて回動阻止板２２をレンズ鏡胴
１４に固定する。これにより、ピン２０は縦ガイド穴２
２Ａ内を軸線２６の方向にのみ移動自在に支持されるの
で、筒体１８は回動が阻止されて、軸線２６の方向にの
み移動可能になる。

【００１７】次いで、押へ環２４の雄ねじ２４Ａとレン
ズ鏡胴１４の雌ねじ１４Ｂとをねじ結合して、押へ環２
４をレンズ鏡胴１４内にねじ込んで、筒体用押へ環２８
を介して筒体１８を後方に押し込む。この場合、押へ環
２４が軸線２６を中心に回動するので、押へ環２４に当
接している筒体用押へ環２８を介して筒体１８が回動し
ようとするが、ピン２０が縦ガイド穴２２Ａ内に遊嵌さ
れているので、筒体１８は回動が阻止された状態で後方
に押し込まれる。

【００１８】従って、凸状シリンドリカルレンズ１０の
母線１０Ａと凹状シリンドリカルレンズ１２の母線１２
Ａとにズレが生じない。そして、押へ環２４で筒体用押
へ環２８を後方に押し込むと、凸状シリンドリカルレン
ズ１０の後端部が間隔環１５の前端部に当接して、凸状
シリンドリカルレンズ１０がレンズ鏡胴１４に固定され
る。これにより、凸状シリンドリカルレンズ１０及び凹
状シリンドリカルレンズ１２の取付けが完了する。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るシリン
ドリカルレンズの調整・固定装置によれば、シリンドリ
カルレンズの母線が所定位置に位置決めされた位置で、
軸線に対して直交する方向へ移動することが阻止された
突起部材を軸線の方向に案内する。これにより、押へ環
でレンズ収納部を固定するときにレンズ収納部の回動が
阻止されるので、シリンドリカルレンズの回動が阻止さ
れる。従って、シリンドリカルレンズの母線にずれが生
じないので、シリンドリカルレンズをレンズ鏡胴内に組
み込こんだ後に母線を再度調整する必要がないので、短
時間でシリンドリカルレンズをレンズ鏡胴内に組み込こ
むことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るシリンドリカルレンズの調整・固
定装置の断面図

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図

【図３】一対のシリンドリカルレンズが組み合わされた
状態を示した斜視図

【符号の説明】

１０、１２…シリンドリカルレンズ １０Ａ、１２Ａ…母線 １４…レンズ鏡胴 １６…シリンドリカルレンズの調整・固定装置 １７…レンズ収納部 １８…筒体 ２０…ピン（突起部材） ２２…回動阻止板（回動阻止手段） ２４…押へ環 ２６…軸線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レンズ鏡胴内に嵌入されたシリンドリカ
   ルレンズを前記レンズ鏡胴の軸線を中心に回動して前記
   シリンドリカルレンズの母線を所定位置に位置決めし、
   前記レンズ鏡胴内にねじ込こまれた押へ環で前記シリン
   ドリカルレンズをレンズ鏡胴内に固定するシリンドリカ
   ルレンズの調整・固定装置において、 前記レンズ鏡胴内に同軸上に嵌遊される筒体を有し、該
   筒体内に同軸上に前記シリンドリカルレンズを収納し、
   前記押へ環で前記レンズ鏡胴内に固定されるレンズ収納
   部と、 前記筒体に半径方向に植設されて前記レンズ鏡胴の外側
   に突出し、前記軸線に対して回動して前記シリンドリカ
   ルレンズを前記軸線を中心に回動して前記母線を所定位
   置に位置決めする突起部材と、 前記母線が所定位置に位置決めされた位置で前記突起部
   材が前記軸線に対して直交する方向へ移動することを阻
   止すると共に前記突起部材を前記軸線の方向に案内する
   回動阻止手段と、 を備えたことを特徴とするシリンドリカルレンズの調整
   ・固定装置。