JPH07113475A - 湯水混合水栓 - Google Patents

湯水混合水栓

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JPH07113475A
JPH07113475A JP35490893A JP35490893A JPH07113475A JP H07113475 A JPH07113475 A JP H07113475A JP 35490893 A JP35490893 A JP 35490893A JP 35490893 A JP35490893 A JP 35490893A JP H07113475 A JPH07113475 A JP H07113475A
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一徳 福地
Kentaro Masuoka
兼太郎 増岡
Hideji Motobayashi
秀治 本林
Yukio Hashimoto
幸男 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】流量ハンドルの操作力及び螺子部の摩耗を軽減
し、使用開始初期であっても希望する吐水温度が直ぐに
得られるようにする。 【構成】水栓本体の温調及び流量ハンドルとは反対側の
端面寄りに設けた湯流入口と水流入口との間に、常時は
前記両流入口を開状態に保持するスプールを装着する。
また流量制御ハンドルによって上下動する筒状のハウジ
ング又は筒状弁体を水栓本体の中間部とハンドル側端面
との間に装着し、該ハウジング又は筒状弁体の先端部で
水栓本体の中間部に設けた混合水の流出口を開閉制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水栓本体の同一軸上の
同一端面側に温度調節ハンドルと流量制御ハンドルとを
設けた湯水混合水栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、図5に示すように、洗髪シャワ
ー用の水栓を備えた洗面器1にあっては、洗面器1の上
面側に水栓2とシャワーハンドル3とが立設されてい
る。シャワーハンドル3は、シャワー吐水と通常の整流
吐水との切り換えが可能である。而して、このような水
栓は洗髪に際して、左手でシャワーハンドル3を把持
し、右手で水栓2の温度調節ハンドル(以下は、温調ハ
ンドルという)4又は流量制御ハンドル(以下は、流量
ハンドルという)5を操作して、適温且つ適量の温水を
吐出するようにしている。そのため、その操作性を考慮
し、温調ハンドル4と流量ハンドル5とが、水栓2の同
一軸上で同一端面側に位置するように設けられている。
【0003】図6は、従来の洗髪シャワー用の水栓2の
詳細を示す縦断面図である。同図に示すように、筒状の
水栓本体6の上端面側には温調ハンドル4と流量ハンド
ル5とが同一軸上に取り付けられており、また下端面側
の外周面には湯流入口7と水流入口8とが設けられてい
る。更に、水栓本体6の中間部外周面には混合水の流出
口9が設けられている。
【0004】水栓本体6内には、弁機構や温度調整機構
を備えた弁ユニット10が脱着自在に装着されており、
図示しない箇所で水栓本体6に回り止め固定されてい
る。弁ユニット10の湯水の流入口7,8及び混合水の
流出口9に対応する位置には、それぞれポート11,1
2,13が形成されている。また弁ユニット10の上端
側内周面には、流量ハンドル5にダブルセレーションリ
ング14を介して噛合するハウジング15が嵌合装着さ
れており、該ハウジング15の内周面側には感温素子1
6のケーシング17が螺合装着されている。
【0005】更に、ケーシング17の上端側内周面に
は、スクリュー18が螺合装着されており、スクリュー
18にカウンタースプリング19を介して前記感温素子
16の一端側が付勢されている。またスクリュー18の
中心部には、温調ハンドル4に取り付けられたスピンド
ル20の先端側がハウジング15を貫通して摺動自在に
スプライン結合されている。
【0006】一方、ケーシング17の下端面側には水側
シート21が取り付けられており、弁ユニット10の下
端面側には栓体22を介して湯側シート23が取り付け
られており、感温素子16の下端面側に嵌合装着された
スプール24が前記水側シート21と湯側シート23と
の間にリターンスプリング25を介して配設されてい
る。スプール24には、湯の流入ポート26a 及び流
出ポート26b が穿設されている。また前記ケーシン
グ17の中間部には湯水の流出ポート27が穿設されて
いる。
【0007】このように構成された従来の洗髪用のシャ
ワー水栓2において、流量ハンドル5を開動作させる
と、ハウジング15を介してケーシング17が図5の上
方向へ移動する。これに連れてリターンスプリング25
に付勢されたスプール24も上昇し、湯側シート23か
ら離れて湯流入口11を開口させる。流入した湯は、ス
プール24のポート26a 及び26b を通じて感温
素子16側へ達する。そのため、感温素子16は湯の温
度を感知して伸長動作をし、スプール24を同図の下方
向へ移動させるようになる。
【0008】これにより、湯流入口11の開口面積が狭
められ、同時に水流入口12が開動作するようになる。
そして、湯と水との流量比が設定温度になるように感温
素子16によって湯水の流入口11及び12の開口面積
比が決定され、混合された温水はケーシング17のポー
ト27から弁ユニット10のポート13を経て吐水口兼
用のシャワーハンドル3(図5参照)側へ流れるように
なっている。
【0009】吐出される温水の設定温度を調節したい場
合は、温調ハンドル4を回転させ、スピンドル20を介
してケーシング17に対してスクリュー18を同図の上
下方向へ移動させ、湯流入口11と水流入口12との開
口面積比を変えればよい。また止水状態にするには、流
量ハンドル5を回転動作させ、ハウジング15を介して
ケーシング17を下降動作させ、スプール24の両端側
をそれぞれ湯側シート23及び水側シート21へ当接さ
せ閉塞すればよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
洗髪シャワー用水栓2にあっては、湯水を混合する室の
上流側で水側シート21及び湯側シート23とスプール
24とによって止水状態とするため、スプール24を開
操作したときに、リターンスプリング25の付勢力によ
り先ず湯側の流入ポート11が開口され、希望する吐水
温度が直ぐに得られないという欠点があった。
【0011】またリターンスプリング25の付勢力がス
プール24,水側シート21,ケーシング17及びハウ
ジング15を経て流量ハンドル5へ作用しており、流量
ハンドル5の開閉操作が重くなるという欠点もあった。
更に、前記リターンスプリング25の付勢力が作用する
ことによって螺子部の摩耗が促進され、短期間にハウジ
ング15及びケーシング17の螺子部分の部品交換を余
儀なくされるという欠点もあった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題
に鑑みてこれを改良除去したものであって、流量ハンド
ルの操作力及び螺子部の摩耗を軽減し、使用開始初期で
も希望する吐水温度が直ぐに得られる水栓を提供せんと
するものである。
【0013】而して、前記課題を解決するために本発明
が採用した第一の手段は、筒状を呈する水栓本体の同一
軸上の同一端面側に温度調節ハンドルと流量制御ハンド
ルとを設けた湯水混合水栓において、水栓本体の前記両
ハンドルとは反対側の端面寄りに設けた湯流入口と水流
入口との間で移動し、常時は前記両流入口を開状態に保
持するスプールを水栓本体内に装着すると共に、流量制
御ハンドルによって上下動する筒状のハウジングを水栓
本体の中間部とハンドル側端面との間に装着し、該ハウ
ジングの先端部で水栓本体の中間部に設けた混合水の流
出口を開閉制御するようにしたことを特徴とする湯水混
合水栓である。
【0014】また本発明が採用した第二の手段は、筒状
を呈する水栓本体の同一軸上の同一端面側に温度調節ハ
ンドルと流量制御ハンドルとを設けた湯水混合水栓にお
いて、水栓本体の前記両ハンドルとは反対側の端面寄り
に設けた湯流入口と水流入口との間で移動し、常時は前
記両流入口を開状態に保持するスプールを水栓本体内に
装着すると共に、流量制御ハンドルに一体結合された筒
状のハウジング内に螺合し且つ水栓本体の内周面側にセ
レーション結合して上下動する筒状弁体を水栓本体の中
間部とハンドル側端面との間に装着し、該筒状弁体の先
端部で水栓本体の中間部に設けた混合水の流出口を開閉
制御するようにしたことを特徴とする湯水混合水栓であ
る。
【0015】更にまた、本発明が採用した第三の手段
は、筒状を呈する水栓本体の同一軸上の同一端面側に温
度調節ハンドルと流量制御ハンドルとを設けた湯水混合
水栓において、水栓本体の前記両ハンドルとは反対側の
端面寄りに設けた湯流入口と水流入口との間で移動し、
常時は前記両流入口を開状態に保持するスプールと、該
スプールを移動させる感温素子とをサーモカートリッジ
内へ装着すると共に、該サーモカートリッジを水栓本体
内に装着してサーモカートリッジの後端側を水栓本体に
固定し、流量制御ハンドルに一体結合された筒状のハウ
ジング内に螺合し且つ水栓本体の内周面側にセレーショ
ン結合して上下動する筒状弁体を、水栓本体の中間部と
ハンドル側端面との間に装着して該筒状弁体の先端部で
水栓本体の中間部に設けた混合水の流出口を開閉制御
し、前記サーモカートリッジの上部側の一部を前記筒状
弁体の下部側に内嵌させ、サーモカートリッジの内周面
側と感温素子の外周面側との間にシール部材を配設した
ことを特徴とする湯水混合水栓である。
【0016】
【作用】本発明の第一の手段の湯水混合水栓にあって
は、図1の実施例で示すように、湯と水との流入ポート
11及び12はスプール24によって常に開状態に保持
されている。止水状態は、流量ハンドル5に連結された
ハウジング28の下端側を混合水の流出ポート13の弁
座シート29へ着座させることで行っている。従って、
スプール24を付勢するリターンスプリング25の付勢
力は、ハウジング28の螺子部へ作用することはなく、
全く無関係である。そのため、前記螺子部が早期に摩耗
したり、流量ハンドル5の開閉操作が重くなる等のこと
はない。また湯と水とは混合室へ達しており、吐水開始
初期であっても希望する吐水温度が直ぐに得られる。
【0017】また本発明の第二の手段の湯水混合水栓に
あっては、図3の実施例で示すように、流量ハンドル5
に連結されたハウジング28の内周面側に筒状弁体36
を螺合させ、筒状弁体36の外周面側を水栓本体6にセ
レーション結合させている。そして、筒状弁体36の下
端側に設けた弁座シート37を水栓本体6の流出口9へ
直接着座し得るようになしている。この第二の手段の湯
水混合水栓では、第一の手段の湯水混合水栓の感温素子
のケーシング17をも省略することが可能である。その
他の構成並びに作用効果は、第一の手段の湯水混合水栓
の場合と同じである。
【0018】更にまた、本発明の第三の手段の湯水混合
水栓にあっては、図4の実施例で示すように、スプール
24と感温素子16とをサーモカートリッジ39へ収納
し、該サーモカートリッジ39を水栓本体6に固定して
いる。そして、サーモカートリッジ39の上部側の一部
を、筒状弁体36へ内嵌し、サーモカートリッジ39の
内周面側と感温素子16の外周面との間に、シール部材
41を配設している。これにより、筒状弁体36は湯水
の供給圧をその下端面でのみ受けるようになり、上向き
に作用する圧力の受圧面積が少なくなって流量ハンドル
5の操作性を軽減することが可能である。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の構成を図面に示す実施例に
基づいて説明すると次の通りである。なお、従来の場合
と同一符号は同一部材である。
【0020】図1及び図2は本発明の第一の手段の実施
例に係るものであり、図1は湯水混合水栓30の縦断面
正面図、図2はその部分断面側面図である。同図に示す
如く、この実施例にあっては、弁ユニット10内に嵌合
装着される感温素子16のケーシング17を、その下端
側で弁ユニット10に対して螺合固定している。そし
て、弁ユニット10の湯と水の流入ポート11及び12
には、従来の水側シート21及び湯側シート23を省略
してスプール24が常に湯水の流入ポート11及び12
を開状態に保持するようにしている。
【0021】更に、流量ハンドル5にダブルセレーショ
ンリング14を介して連結されたハウジング28の下端
側を延長し、弁ユニット10の中間部の混合水流出ポー
ト13に新たに設けた弁座シート29へ当接又は離座で
きるようにしている。ダブルセレーションリング14の
下端面側は、円筒状の上端面が螺旋状になって高低差を
有する水栓本体6側に一体形成された部材に当接し、ハ
ウジング28を上下動させるようになっている。つま
り、この実施例の湯水混合水栓30にあっては、流量ハ
ンドル5を開閉操作することにより、ハウジング28を
上下動させ、前記流出ポート13を開閉制御するように
している。
【0022】その他の構成は、図6に示す従来の湯水混
合水栓2の場合と同じであるので、詳しい説明は省略す
る。なお、図2に示すように、湯及び水の供給管31,
32の途中には、逆止弁33,34が取り付けられてお
り、湯及び水が相互に逆流しないようになされている。
【0023】次に、このように構成された湯水混合水栓
30にあって、流量を制御する場合の動作態様を説明す
る。なお、混合水の温度を調節する場合の動作態様につ
いては従来の場合と同じであり、ここでの説明は省略す
る。先ず、流量ハンドル5を開く方向へ回転操作する
と、ダブルセレーションリング14を介してハウジング
28が回動する。ハウジング28は、弁ユニット10へ
固定されたケーシング17に螺着されており、その回動
によりハウジング28はケーシング17に対して回動し
ながら図1の上方向へ移動するようになり、弁座シート
29から離れて混合水の流出ポート13を開にする。
【0024】そのため、弁ユニット10の水流入ポート
12から流入された水と、湯流入ポート11及びスプー
ル24のポート26a, 26bを通って流入する湯と
が、感温素子16の配された混合室で混合され、ケーシ
ング17のポート27及び弁ユニット10のポート13
を経て流出口9からシャワーハンドル3側へ吐出され
る。流量は、流量ハンドル5を操作して弁ユニット10
のポート13の開口面積を調整して決定すればよい。な
お、前記混合水の温度が、感温素子16によって自動的
に設定温度に調節されるものであることは従来の場合と
同じである。
【0025】ところで、流量ハンドル5の開閉操作によ
り、ハウジング28が上下動作し、これに伴ってスピン
ドル20及び温調ハンドル4も上下動作するようにな
る。然しながら、スピンドル20はスクリュー18とセ
レーション嵌合しており、スピンドル20の上下動作が
あってもスクリュー18及び感温素子16並びにスプー
ル24の上下位置は一定である。つまり、流量ハンドル
5の開閉操作に伴うスピンドル20及び温調ハンドル4
の上下動作があっても混合水の温度が変化することはな
い。
【0026】図3は本発明の第二の手段の実施例に係る
湯水混合水栓35の縦断面図である。同図に示すよう
に、この湯水混合水栓35にあっては、流量ハンドル5
にダブルセレーションリング14を介して回動自在に取
り付けられたハウジング28の内周面側に、筒状の弁体
36を螺合させ、筒状弁体36の外周面側を水栓本体6
の内周面側へセレーション結合している。この実施例の
場合、流量ハンドル5及びハウジング28は回動をする
のみであり、上下動することはない。
【0027】そして、筒状弁体36の下端面側に弁座シ
ート37を取り付け、該弁座シート37を水栓本体6の
温水流出口9へ着座し得るように配設している。弁座シ
ート37を上下動作する筒状弁体36側に設けることに
より、繰り返し履歴によって弁座シート37が摩耗する
のを低減することが可能である。また筒状弁体36の内
部には、感温素子16が摺動自在に挿嵌されており、筒
状弁体36は図1に示す感温素子のケーシング17の役
割も果している。
【0028】また温調ハンドル4のスピンドル20は、
その下部側に筒状部が形成されており、該筒状部の内周
面側にスクリュー18が螺着されている。またこのスク
リュー18は、その下部側の外周面が前記筒状弁体の内
周面側にセレーション結合されている。更に、この湯水
混合水栓35は、湯流入口7が水栓本体6の下端面側に
形成されている。これにより、湯の供給管31が湯水混
合水栓35の直下に位置することになり、余分なスペー
スを制限することがない。
【0029】このように構成された湯水混合水栓35に
あっては、流量ハンドル5を回動させると、これに一体
的に結合されたハウジング28が回動し、ハウンジング
28の内周面側に螺合する筒状弁体36はその外周面側
において水栓本体6とセレーション結合しているので、
筒状弁体36は上下動することになる。この上下動によ
り、下端面側の弁座シート37が水栓本体6の流出口9
へ着座したり又は離座し、流出口9を開閉制御して流量
制御する。
【0030】一方、温調ハンドル4を回動させると、こ
れに一体的に結合されたスピンドル20の内周面側に螺
合するスクリュー18が上下動をし、感温素子16及び
スプール24を上下動させて湯流入ポート11と水流入
ポート12との開口面積比を制御し、流出される温水の
温度を調節する。その他の構成並びに基本的な作用効果
は、前述した第一の手段の実施例の場合と同じである。
【0031】図4は、本発明の第三の手段の実施例に係
る湯水混合水栓38の縦断面正面図である。この実施例
は、湯水の流入口7,8及び混合水の流出口9を図1に
示す実施例の場合と同じ構成とし、また温調ハンドル4
と流量ハンドル5とによる筒状弁体36とスクリュー1
8の駆動機構を図3に示す実施例の場合と同じ構成とし
たものである。
【0032】この湯水混合水栓38において、特徴的な
技術は、次の通りである。即ち、スプール24と感温素
子16とをサーモカートリッジ39内に組み込み、該サ
ーモカートリッジ39を、栓体22とユニオンナット4
0とで、水栓本体6へ固定している。
【0033】そして、サーモカートリッジ39の上部側
の内周面と、感温素子16の外周面との間に、シール部
材41を配設している。このように構成されたサーモカ
ートリッジ39は、水栓本体6へ固定した状態で、その
上部側の一部が筒状弁体36の下部側に内嵌されるよう
になっている。
【0034】このような感温部の構成とすることによ
り、ユニオンナット40の螺子嵌合を緩めるだけで、ス
プール24と感温素子16とを収納してなるサーモカー
トリッジ39を水栓本体6内から抜き出すことができ、
メンテナンスが容易である。
【0035】またサーモカートリッジ39内の混合室に
作用する圧力は、図4の上方向へ向かう圧力がシール部
材41に作用するようになる。このシール部材41に作
用する圧力は、サーモカートリッジ39を介して水栓本
体6で受けられる。
【0036】従って、混合室内に作用する圧力が、筒状
弁体36の下方向への移動を大きく妨げるということは
なく、筒状弁体36の操作性を軽減することが可能であ
る。つまり、筒状弁体36の受圧面積を少なくすること
ができ、筒状弁体36の円滑な操作を確保できる。
【0037】更に、この図4に示す第三の手段の湯水混
合水栓38は、流量ハンドル5のハウジング28と、温
調ハンドル4のスピンドル20との間に、両者間の直接
的な接触を防止し、共廻りを防ぐための回転防止リング
42を装着している。この回転防止リング42の下端側
は、筒状弁体36の上端側に凹凸嵌合し、係止されてい
る。
【0038】更にまた、この第三の手段の湯水混合水栓
38は、筒状弁体36を上下方向において二分割にして
いる。これは二分割にしないと全長が長くなり過ぎ、下
端面側に弁座シート43を焼き付け加工するときに不便
だからである。すなわち、筒状弁体36と弁座シート4
3との焼き付けは、筒状弁体36の全体を加熱型内へ入
れ、この型を加熱してゴムを流し込み、焼き付けを行っ
ているので、筒状弁体36の全長が長くなると、加熱型
の厚みが厚くなり過ぎて熱効率が悪くなるからである。
【0039】また上下に二分割することで、筒状弁体3
6の下半分の水と接する部分を青銅製にすることがで
き、上半分の水と接しない部分を黄銅又は樹脂製として
防錆及び安価なものを提供することが可能である。
【0040】それに加えて、弁座シート43は、その水
栓本体6側の着座部分と接触する端面に、二重の環状の
リブを形成し、シール不良をなくすようにしている。リ
ブは、これよりも多い多重構造であってもよい。
【0041】更に、この湯水混合水栓38は、水栓本体
6と筒状弁体36の水と接触しない非接水部に、内外を
貫通する排水孔44,45を形成している。これは湯水
混合水栓38を出荷する前段階の工場での耐圧試験にお
いて、水槽へ浸漬された湯水混合水栓38内の非接水部
へ水が侵入して滞留することがあり、この滞留水が原因
して各ハンドル駆動機構部を渋くすることがあるので、
これを自然排水するように工夫したものである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、
水栓本体の湯流入口及び水流入口が常に開状態に保持さ
れるべく湯と水との混合割合を決定するスプールを配置
し、混合水の流出口側に流量ハンドルによって上下動作
するハウジング又は筒状弁体の下端面を当接させ得るよ
うに配設したから、混合室よりも下流側で止水すること
ができ、常に混合室で混合された温水が吐出されるの
で、使用開始初期であっても希望する吐水温度を直ぐに
得ることができる。
【0043】またリターンスプリングの付勢力は、流量
ハンドル側へは直接に伝達されないので、ハウジングの
螺子部が前記付勢力を受けて早期に摩耗したり、流量ハ
ンドルの操作力が重くなる等の欠点もない。
【0044】更に、本発明にあっては、スプールと感温
素子とを収納してなるサーモカートリッジを水栓本体に
固定すると共に、感温素子の外周面とサーモカートリッ
ジの内周面との間にシール部材を配設し、サーモカート
リッジの上部側の一部を筒状弁体内に内嵌したから、混
合室に作用する上向きの圧力をシール部材で受けること
ができ、筒状弁体に作用する上向きの圧力の受圧面積を
少なくしてその操作性を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の手段に係る湯水混合水栓の縦断
面正面図である。
【図2】本発明の第一の手段に係る湯水混合水栓の部分
縦断面側面図である。
【図3】本発明の第二の手段に係る湯水混合水栓の縦断
面正面図である。
【図4】本発明の第三の手段に係る湯水混合水栓の縦断
面正面図である。
【図5】従来のこの種湯水混合水栓を用いた洗面器を示
す正面図である。
【図6】従来の湯水混合水栓の縦断面正面図である。
【符号の説明】
4…温度調節ハンドル 5…流量制御ハン
ドル 6…水栓本体 7…湯流入口 8…水流入口 9…混合水の流出
口 10…弁ユニット 11…湯流入ポー
ト 12…水流入ポート 13…混合水流出
ポート 16…感温素子 17…ケーシング 18…スクリュー 20…スピンドル 24…スプール 28…ハウジング 29…弁座シート 30…湯水混合水
栓 35…湯水混合水栓 36…筒状弁体 37…弁座シート 38…湯水混合水
栓 39…サーモカートリッジ 41…シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 幸男 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状を呈する水栓本体の同一軸上の同一端
    面側に温度調節ハンドルと流量制御ハンドルとを設けた
    湯水混合水栓において、水栓本体の前記両ハンドルとは
    反対側の端面寄りに設けた湯流入口と水流入口との間で
    移動し、常時は前記両流入口を開状態に保持するスプー
    ルを水栓本体内に装着すると共に、流量制御ハンドルに
    よって上下動する筒状のハウジングを水栓本体の中間部
    とハンドル側端面との間に装着し、該ハウジングの先端
    部で水栓本体の中間部に設けた混合水の流出口を開閉制
    御するようにしたことを特徴とする湯水混合水栓。
  2. 【請求項2】筒状を呈する水栓本体の同一軸上の同一端
    面側に温度調節ハンドルと流量制御ハンドルとを設けた
    湯水混合水栓において、水栓本体の前記両ハンドルとは
    反対側の端面寄りに設けた湯流入口と水流入口との間で
    移動し、常時は前記両流入口を開状態に保持するスプー
    ルを水栓本体内に装着すると共に、流量制御ハンドルに
    一体結合された筒状のハウジング内に螺合し且つ水栓本
    体の内周面側にセレーション結合して上下動する筒状弁
    体を水栓本体の中間部とハンドル側端面との間に装着
    し、該筒状弁体の先端部で水栓本体の中間部に設けた混
    合水の流出口を開閉制御するようにしたことを特徴とす
    る湯水混合水栓。
  3. 【請求項3】筒状を呈する水栓本体の同一軸上の同一端
    面側に温度調節ハンドルと流量制御ハンドルとを設けた
    湯水混合水栓において、水栓本体の前記両ハンドルとは
    反対側の端面寄りに設けた湯流入口と水流入口との間で
    移動し、常時は前記両流入口を開状態に保持するスプー
    ルと、該スプールを移動させる感温素子とをサーモカー
    トリッジ内へ装着すると共に、該サーモカートリッジを
    水栓本体内に装着してサーモカートリッジの後端側を水
    栓本体に固定し、流量制御ハンドルに一体結合された筒
    状のハウジング内に螺合し且つ水栓本体の内周面側にセ
    レーション結合して上下動する筒状弁体を、水栓本体の
    中間部とハンドル側端面との間に装着して該筒状弁体の
    先端部で水栓本体の中間部に設けた混合水の流出口を開
    閉制御し、前記サーモカートリッジの上部側の一部を前
    記筒状弁体の下部側に内嵌させ、サーモカートリッジの
    内周面側と感温素子の外周面側との間にシール部材を配
    設したことを特徴とする湯水混合水栓。
  4. 【請求項4】前記筒状弁体が上下に二分割されて一体的
    に結合されていることを特徴とする前記請求項3に記載
    の湯水混合水栓。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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