JPH07113050B2 - ゴム変性スチレン系樹脂の製法及び樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂の製法及び樹脂組成物

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JPH07113050B2
JPH07113050B2 JP1134757A JP13475789A JPH07113050B2 JP H07113050 B2 JPH07113050 B2 JP H07113050B2 JP 1134757 A JP1134757 A JP 1134757A JP 13475789 A JP13475789 A JP 13475789A JP H07113050 B2 JPH07113050 B2 JP H07113050B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はゴム変性スチレン系樹脂の改良された製造方
法、及びゴム変性スチレン系樹脂組成物、特に耐衝撃性
などの機械的強度及び光沢などの外観が改善されたゴム
変性スチレン系樹脂の連続的製造方法及び樹脂組成物に
関するものである。
(従来の技術) 耐衝撃性に優れ、外観の改良されたゴム変性スチレン系
樹脂を製造するには、樹脂中に分散しているゴム粒子の
粒径を適当な大きさに調節し、粒径分布を適当な範囲に
調整しなければならないことに加えて、ゴム粒子には適
度のポリスチレンが含有されていなければならない。
ゴム粒子に含有されるポリスチレンには化学的にゴムに
結合したグラフトポリスチレンと、化学的にゴムに結合
してはいないが、通常の溶解−再沈澱法ではゴム粒子か
ら分離できない吸蔵されたポリスチレン(オクルージョ
ン)とがある。グラフトポリスチレンはゴム粒子をマト
リックスのポリスチレン中に安定的に分散して存在させ
る乳化剤の役目を持っているが、吸蔵されたポリスチレ
ンもゴム粒子の体積分率を高め、ゴム相の過度の変形を
防止するなどの重要な役割を持っている。
このようなゴム変性スチレン系樹脂を製造する方法とし
てバッチ式で行なわれる塊状−懸濁二段重合法が広く実
施されている。このバッチ方式の重合はプラグフローで
行なわれるので、前段の塊状重合段階での混合が適切に
行なわれるときは、個々のゴム粒子の大きさを一定の大
きさに近づけることができる。また反応はその後の懸濁
重合でほぼ重合転化率100%に近い所まで行なわれるの
で、ゴムとスチレン系単量体とが反応する機会が多く、
個々のゴム粒子に、さほど違わない量のポリスチレンを
含有させることができる。
しかしながら、このバッチ方式には、固有の欠点とし
て、(イ)水、懸濁安定剤などの助剤を多量に必要とす
る、(ロ)自動化を困難にする操作を多く含むため人手
を要する、(ハ)冷却して水と樹脂ビードとを分離して
乾燥した後も、製品樹脂とするためにはペレット化が必
要であり、エネルギーを多大に必要とする、(ニ)助剤
などの化学物質を含む排水を処理しなければならない、
(ホ)懸濁安定剤などの助剤が不純物として製品樹脂中
に残り、シルバーストリークなどの外観不良を引き起
す、等が挙げられ、工業的実施上、解決すべき点が残さ
れている。
そこで種々の連続的製造法が提案されており、その一つ
として、完全混合型反応器を複数基(通常は3〜4基)
直列に連結した装置を使用する方法が知られている。し
かしこの方法ではかなり広い滞留時間分布が生じるの
で、個々のゴム粒子とスチレンとの反応時間に差を生
じ、滞留時間が短いゴム粒子に対して適度の量のポリス
チレンが含有されないという状態が生じ、また反応器内
の反応を制御するためには相当に強い撹拌を必要とする
が、高粘度物の取扱いであるため制限を受け、最終の反
応器でも重合転化率を高くできないという問題がある。
このためバッチ方式で得られると同等の品質のものを連
続法で得ることは相当に困難である。即ち、上述の理由
により、ゴム粒子の粒径分布が広いとか、ポリスチレン
が望ましい程度、含有されていないゴム粒子が存在する
ため、高い衝撃強度のものが得られないとか、又は光沢
などの外観が損なわれたものしか得られないとかいう問
題が残されている。
(発明が解決しようとする課題) 上述のような問題点を解決するためには、連続重合に使
用できるプラグフロー型反応器を組み合せ、かつ反応を
高い重合転化率まで継続すればよいと考えられるが、こ
れに付随して技術的に困難な問題がある。このような問
題として次のような点が挙げられる。
ゴムが粒子として分散する以前はゴム相が連続相であ
るためにゴム粘性を示し、常に撹拌による剪断を受けて
いない滞留部分ではポリマーが器壁などに付着し定常な
操作を阻害する。このようなゴム粘性を示す状態におけ
る重合反応は、完全混合型反応器では取扱い可能である
が、反応器中のいかなる場所においても均一な剪断を受
けさせる必要のある反応を、プラグフロー型反応器で行
なわせることは非常に困難である。
最終段階においては高い重合転化率が望ましいが、付
随する高粘度物の取扱い上の困難性ということ以外に、
重合転化率が高まると、未反応単量体の減少にともな
い、相対的に反応速度が低下するので、容積の大きな反
応器で長い滞留時間を必要とする。それ故バッチ式の反
応をそのまゝ連続化することは得られる樹脂組成物の品
質上の問題だけでなく、装置の建設コストを徒に高くす
ることにもなる。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記の問題点を解消し、バッチ方式によって
製造されるゴム変性スチレン系樹脂のもつ優れた品質を
備えた樹脂を連続的に製造する方法を提供することを第
1の目的とし、この目的は本発明に従い、スチレン系単
量体とゴム状重合体とを主体とする原料溶液を完全混合
型の第1反応器に連続的に仕込んで重合反応を行なわ
せ、一方スチレン系単量体を主体とする原料を、重合反
応に使用し得る型の第2反応器に連続的に仕込んで重合
反応を行なわせ、上記第1反応器及び第2反応器から、
それぞれ連続的に導出されてくる生成物を、上記第1反
応器よりも滞留時間の短い完全混合型の第3反応器に併
せて導入して重合反応を進め、この第3反応器から連続
的に導出されてくる生成物を、プラグフロー型反応器に
導入して重合転化率を高め、しかる後、反応生成物から
未反応の単量体を脱揮してゴム変性スチレン系樹脂を連
続的に製造する方法であって、上記第3反応器から導出
されてくる生成物中のゴム状重合体は、すでに粒子化さ
れているが、この第3反応器の出口では単量体から重合
体への重合転化率が30%を越えない範囲で重合が進めら
れており、更に上記プラグフロー型反応器は1基又は直
列に接続された複数基の反応器からなり、かつ完全混合
槽列モデルにおける相当槽数が15以上のものとし、この
プラグフロー型反応器では重合体への重合転化率が85〜
95%の範囲まで重合されることを特徴とする方法によっ
て達成される。
本発明のもう一つ別の目的は連続的製造法により、製造
されたものでありながらバッチ式によって製造されるも
のに比べ同等以上の優れた品質を備えた、ゴム変性スチ
レン系樹脂を提供することにあり、この目的は本発明に
従い、スチレン系単量体とゴム状重合体とを主体とする
原料溶液を完全混合型の第1反応器に連続的に仕込んで
重合反応を行なわせ、一方スチレン系単量体を主体とす
る原料を、重合反応に使用し得る型の第2反応器に連続
的に仕込んで重合反応を行なわせ、上記第1反応器及び
第2反応器から、それぞれ連続的に導出されてくる生成
物を、上記第1反応器よりも滞留時間の短い完全混合型
の第3反応器に併せて導入、混合して重合反応を進め、
この第3反応器から連続的に導出されてくる生成物を、
1基又は直列に接続された複数基の反応器からなり、か
つ完全混合槽列モデルにおける相当槽数が15以上である
プラグフロー型反応器に導入して重合転化率を高め、し
かる後反応生成物から未反応の単量体を脱揮することに
よって連続的に得られたスチレン系樹脂中にゴム状重合
体3〜20重量%がゴム粒子として分散したゴム変性スチ
レン系樹脂組成物であって、かつ密度が25℃において0.
96g/cm3以下の粒子化しているゴム状重合体を実質的に
有しないことを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成
物によって達成される。
本発明において、第1反応器及び第2反応器に仕込まれ
る原料液を構成するスチレン系単量体としては、例えば
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンの
ようなアルキル置換スチレン、クロルスチレンのような
ハロゲン置換スチレン等、従来ゴム変性スチレン系樹脂
製造用として知られているスチレン系モノマーの1種又
は2種以上の混合物が用いられる。これらのなかで、好
ましいのはスチレンである。
また、このスチレン系単量体の一部をこれと共重合可能
な単量体、例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、
メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ジビニルベンゼン等
で置き換えることもできる。
第1反応器に供給される原料溶液中のゴム状重合体とし
ては、例えば天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ニトリルゴム、1,3−
共役ジエンとスチレン系単量体とのエラストマー状ブロ
ック共重合体等を挙げることができるが、好ましくはポ
リブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプ
レンである。
そして、これらのスチレン系単量体とゴム状重合体とを
主体とする原料溶液の組成は、通常スチレン系単量体80
〜97重量%に対してゴム状重合体3〜20重量%、好まし
くはスチレン系単量体82〜95重量%に対してゴム状重合
体5〜18重量%であり、必要に応じてトルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の単独又は2種以上の混合物から
なる芳香族炭化水素類等の溶剤を例えば20重量%までの
範囲内で使用することができる。この溶剤の使用量が20
重量%を越えると重合速度が著しく低下して経済的でな
い。なお、この原料溶液中には少量の重合開始剤、例え
ばターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシ
ャリーブチルパーオキシアセテート、1,1−ジターシャ
リーブチルパーオキシシクロヘキサン、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル等の過酸化物や、アゾビスイソブ
チロニトリル等を添加することもでき、これによって衝
撃強度を向上させることができる。
本発明において、上記スチレン系単量体とゴム状重合体
とを主体とする原料溶液は完全混合型第1反応器におい
て重合されるが、完全混合型反応器としては、上記原料
溶液が反応器内でほぼ均一な混合状態を維持し得るもの
であればよく、撹拌翼の好ましいものとしては、ヘリカ
ルリボン、ダブルヘリカルリボン、アンカーなどの型の
翼が挙げられる。ヘリカルリボンタイプの翼の場合には
ドラフトチューブを取付けて、反応器内の上下循環を一
層強化することもできる。
一般にスチレン系単量体とゴム状重合体とからなる均一
な原料溶液を重合していくと、重合の初期ではスチレン
系単量体とその重合体を含む溶液(樹脂相)がゴム状重
合体とスチレン系単量体を含む溶液(ゴム相)から分離
し、ゴム相が連続相となり、樹脂相が分散相となった状
態になり、さらに重合が進むと、ある時点、すなわちス
チレン系重合体の量が増大して樹脂相が分散相としてと
どまれなくなった時点で樹脂相が連続相となってゴム相
が分散相となる、いわゆる相反転が起こる。第1反応器
中ではいずれの状態においても運転可能であるが、ゴム
相が分散相となり粒子化した状態で重合するのが好まし
い。また第1反応器における滞留時間は1〜6時間の範
囲のものが好ましい。
一方第1反応器と並列されて設置される第2反応器に
は、スチレン系単量体が連続的に仕込まれ重合される。
第2反応器は特にそのタイプが限定されるものでなく、
停滞部がなく、温度コントロールが可能な重合反応用の
反応器であればよく、第1反応器と同じタイプの完全混
合型反応器も使用できるが、管型反応器などのプラグフ
ロー型反応器等も使用できる。
第1反応器と第2反応器からそれぞれ連続的に送り出さ
れてくる流れは滞留時間の短い完全混合型の第3反応器
に送られる。この第3反応器は小型であるだけで、機能
的には上記の反応器と同様である。この反応器に設けら
れる撹拌翼の好ましい形体としては、ヘリカルリボン、
ダブルヘリカルリボン、アンカーなどが挙げられる。ヘ
リカルリボンタイプの翼の場合にはドラフトチューブを
取付けて、反応器内の上下循環を一層強化することもで
きる。
第3反応器の出口においては、ゴム相が分散相となった
状態、すなわちゴム状重合体がすでに粒子化した状態に
なっている。
本発明における第3反応器での滞留時間とは、第3反応
器内の重合液容量を、第1反応器及び第2反応器から、
それぞれ連続的に導出され、合わせて第3反応器に導入
される単位時間当りの流量で除した値の時間である。こ
の第3反応器での滞留時間は、第1反応器における反応
液の滞留時間よりも短いものとし、具体的には0.34〜0.
7時間の範囲が好ましい。この範囲を外れると混合が不
充分であったり、また粘度が上がり過ぎて撹拌及び除熱
が不充分になり、ゴム粒子を好ましい範囲にコントロー
ルすることが困難になる。第3反応器においては滞留時
間が短く、重合転化率は飛躍的に高められることはな
い。しかもゴム状重合体がすでに粒子化していることが
必要であるので、第1反応器と第2反応器の流れが合わ
されるとき、ゴム状重合体が粒子化する相反転の点を越
えていることが好ましいし、越えていなくとも非常にそ
れに近い点でなければならない。即ち第1反応器出口に
おいて、ゴム状重合体がすでに粒子化している重合転化
率で運転されているのであれば、第2反応器の重合転化
率は、この状態が維持される程度に重合されておればよ
い。しかし第1反応器が相反転以前の重合転化率で運転
されておれば、第2反応器の重合転化率は、2つの流れ
を合わせたときに、少くとも相反転の重合転化率を越え
るように、ある程度高く保たれなければならない。ゴム
状重合体が粒子化する相反転の時点は、樹脂相とゴム相
との容積比に依存するので、第1反応器及び第2反応器
からの重合液組成にも関係しているからである。この場
合においても、バッチ方式で得られる以上の品質を達成
するためには第2反応器の重合転化率が第1反応器の重
合転化率を上廻っていないことが好ましい。
第1と第2の反応器からの流れの比率に関しては特に臨
界的な点はないが、第2反応器からの流れがあまり多く
なると、第1反応器に供給する原料溶液中のゴム濃度を
高くする必要が生ずるので、両反応器それぞれからの流
れの比は3:1〜1:3の範囲が好ましい。
第3反応器からは第1反応器と第2反応器から送入され
る量の合計に対応した量が連続的に取り出され、次のプ
ラグフロー型反応器で重合転化率が高められる。反応器
としては、撹拌室と多管式のシェルアンドチューブ型の
熱交換器が交互に組み合わされているもの、縦長の容器
で冷却パイプと撹拌機が組み合わされているもの等が使
用できるが、いわゆるデッドスペースがないように工夫
されれば撹拌機のないものも使用できる。プラグフロー
性として完全混合槽列モデルにおける相当槽数を15以上
とするため、プラグフロー型反応器は複数基を直列に接
続したものとなるのが一般的であるが、経済的には数多
くすることは望ましくなく、通常は2基とすることが好
ましい。プラグフロー型反応器では、その出口において
重合転化率が85〜95%の範囲となるまで重合反応を行
う。
(作用) 本発明によってバッチ式重合反応方法による製品と同等
以上の品質の樹脂組成物が得られるが、これは本発明の
製造法を構成する要件を満たすことによって達成される
ものであり、以下、これら要件の意義について説明す
る。
本発明方法ではゴム変性スチレン系樹脂が製造される
過程において、ゴム相が粒子化するまでは操作が容易な
完全混合型反応器で重合を行ない、第1反応器及び第2
反応器からの2種の異質な重合液を滞留時間の短い完全
混合型の第3反応器で重合を継続しつつ撹拌、混合する
ものであり、これによって最終的に均質なゴム粒子が安
定して生成される。第2反応器なしの1つの反応器では
本発明所期の効果は得られず、また、第3の滞留時間の
短い完全混合型反応器なしでも本発明の効果は達成され
ない。第1反応器でゴムを粒子化させ、これを直ちにプ
ラグフロー型反応器に導入するときは、最終製品中のゴ
ム粒子中に(25℃における)密度が0.96g/cm3以下のも
のが存在する。この事実からみて、上記の第2反応器
や、滞留時間の短い第3反応器を省略すると、一部のゴ
ム粒子において、ポリスチレンのオクルージョンが充分
に形成されないものが生成すると考えられる。またこの
場合には、ゴム粒子の粒径分布が広くなることが認めら
れ、このことは優れた品質の製品が得られない一因と考
えられる。そしてこれらの不都合はプラグフロー型反応
器に中間生成物を導入する前に、もう一つ完全混合型反
応器を追加するだけでは解消されないし、また第1反応
器に並列して第2反応器を設けても、これら反応器から
の2液を単に合わせてプラグフロー型反応器に送るだけ
では不充分である。その理由は明瞭に解明されないが、
第1反応器及び第2反応器からの2液を第3反応器に併
せて通すことによって最終製品中において、(25℃で
の)密度が0.96g/cm3以下の粒子が実質的に検出されな
くなり、ゴム粒子の粒径分布がかなり狭くなることが、
初めて認められることから、かなり性質の異なる2液が
効果的な撹拌混合を受けることによって、たとえ、それ
までにすでにゴム粒子が生成されていたとしても、再度
ゴム粒子の融合や分離が起き、オクルージョンや粒径の
均一化が行なわれ、更に重合を進めることによってゴム
粒子としての安定化が図られるのではないかと考えられ
る。また第3反応器なしで、2液をプラグフロー型反応
器に導入する場合には、プラグフロー型反応器内に重合
体ゲルなどの付着物が発生し、重合反応がコントロール
できなくなる。
ゴムが粒子化した後は、重合操作はプラグフロー型反
応器でもって比較的容易に行なえる。プラグフロー型反
応器においては、重合転化率を30%以下から85%以上ま
で上昇させることにより、粒子化したゴム粒子に対する
スチレンのグラフト及びオクルージョンを一層進める。
完全混合槽列モデルにおける相当槽数が15以上のプラグ
フロー性がないと、重合転化率が入口で30%以下、出口
で85%以上にする反応器としては、除熱及び撹拌が困難
となる。また重合反応の制御が困難なため、分子量のコ
ントロールが不充分となり、スチレンのグラフト及びオ
クルージョンが均一に行われず、樹脂組成物中のゴム状
重合体の密度が0.96g/cm3(25℃)以下になり、製品樹
脂組成物の品質を損なう結果となる。
プラグフロー型反応器における完全混合槽列モデルの相
当槽数15以上の上限は特に臨界的な点はないが、必要以
上にすることは無意味であり、通常は40程度まででよ
い。
完全混合型の第3反応器からプラグフロー型反応器に入
る生成物の重合転化率を30%以下にすることは、なるべ
くプラグフローでの状況下の反応を長くするという意味
だけでなく、第3反応器で生成物の重合転化率が30%を
越えると、ゴム粒子の粒径分布が広くなって好ましくな
いからである。高粘度の影響により、粒子の再度の融合
や分離が妨げられるためとも考えられる。
プラグフロー型反応器の最終出口における生成物のスチ
レンの重合転化率が85%以上であれば、実質上、全べて
のゴム粒子において、スチレンのグラフト及びオクルー
ジョンが充分に形成され、25℃における密度0.96g/cm3
以下のゴム粒子が実質的に生成しない。そして、プラグ
フロー型反応器出口における生成物のスチレン重合転化
率を、95%を越えるものとすることは、長時間の重合反
応が必要となり、反応器の大型化を招くばかりであっ
て、製品樹脂組成物の品質向上の効果はなく好ましくな
い。
(粒子化しているゴム状重合体の密度の測定法) 50mlの三角フラスコ6個を用意し、それぞれに1gのゴム
変性スチレン系樹脂組成物試料を精秤する。一方ジメチ
ルホルムアミド(以下、DMFと略記する)及びN−メチ
ル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する)の試薬を
準備し、DMF単独のものをA液、NMP単独のものをF液と
し、両試薬をそれぞれ下記の表に示す割合(重量比)で
混和したものをB液、C液、D液及びE液とする。
上記表の組成における数値は、分子がDMF、分母がNMPを
示す。また密度は25℃における値である。
上記の試料を容れたフラスコそれぞれに上記A〜F液を
それぞれ15ml加え、試料を溶解分散する。試料樹脂中の
ゴム状重合体粒子は溶剤に溶けない。マトリックス部分
のポリスチレンが完全に溶解すれば、それぞれを遠心分
離機用セルに移す。三角フラスコ内に付着残留している
試料含有物は、それの溶解に用いたと同一組成の液を洗
浄液として15ml使用し、その洗浄によって生じた液とと
もに遠心分離機用セルに移す。次にセルを遠心分離機に
かけ25℃の温度において、20,000rpmで4時間、遠心分
離処理に付す。なお、遠心分離機は日立工機社製CR-26H
を使用する。
上記それぞれのセルにおいて、使用した溶媒よりも軽い
粒子化ゴム状重合体は液面上に浮遊し、溶媒よりも重い
粒子化ゴム状重合体はセルの底に沈澱する。このセルか
ら、浮遊したゴム状重合体を含む部分と、沈澱したゴム
状重合体を含む部分とを、それぞれ試料として別々に分
離する。これらの試料を別々の三角フラスコに移し、A
〜F液の溶媒を除去するため、メタノール中で再沈澱法
により、ポリスチレン混合物を沈澱させ、過した後、
乾燥する。
それぞれを乾燥して得られたもの(ゴム状重合体とポリ
スチレンとの混合物)を、再度、各々別々に三角フラス
コに移してメチルエチルケトン/アセトンの混合溶媒
(容積比で50/50)15mlでポリスチレン混合物を溶解分
散し、それをセルに移して遠心分離(20,000rpmで5時
間)に付す。この遠心分離された沈澱物が粒子化したゴ
ム状重合体である。上澄液をメタノール中に注ぎ、生じ
た沈澱物を過乾燥したものが、ゴム状重合体が除かれ
た、マトリックス部分のポリスチレンである。以上の分
別秤量した結果から、粒子化されたゴム状重合体の密度
分布曲線が描かれる。密度が0.96以下である粒子化ゴム
状重合体がないというのは、A液及びB液での遠心分離
による分別操作の結果、実質的に浮遊するゲルがなく、
更にその後のメチルエチルケトン/アセトン液での遠心
分離において、A液及びB液を溶媒に用いたときの上澄
の採取分には、ゴム状重合体が上記分析結果によって定
量できるほど存在しないことをいう。
(実施例) 以下の実施例及びこれと対比する比較例において、部と
あるのは特に断らない限り、重量部を意味する。
実施例1 ポリブタジエンゴム(旭化成社製、商品名アサプレン75
5A)10部をスチレン82.5部及びエチルベンゼン7.5部に
溶解し、これに重合開始剤としてターシャリーブチルパ
ーオキシベンゾエート0.0615部(上記ポリブタジエンゴ
ム、スチレン及びエチルベンゼンの合計量を100部と
し、これに対する割合)を混和する。この原料溶液を、
内容積25lのドラフトチューブ付でダブルヘリカル翼撹
拌機を内装している完全混合型の第1反応器に8l/時の
速度で連続的に供給した。この反応器において、温度は
102℃、撹拌翼の回転速度は80rpmとした。この反応器の
出口における生成物の重合転化率は23%であり、位相差
顕微鏡により観察したところゴムは粒子化していた。
これとは別に上記第1反応器と同じタイプの完全混合型
であるが、内容積が15lの第2反応器にスチレンを4l/時
の速度で連続的に供給した。第2反応器において、温度
は115℃、撹拌翼の回転速度は80rpmとし、またこの反応
器出口における生成物の重合転化率は20%であった。
上記第1反応器及び第2反応器の生成物導出口から連続
的に取り出されたそれぞれの重合液は、直ちに内容積5l
のダブルヘリカルリボン翼撹拌機を内装する完全混合型
の第3反応器に導入した。この第3反応器において、温
度は110℃であり、撹拌翼は100rpmの回転速度で運転し
た。
上記のように第1反応器からのゴムが粒子化している重
合液と、第2反応器からのゴムを含有しない、スチレン
の部分重合液とを合流し、第3反応器で混合撹拌するこ
とにより、大粒径のゴム粒子がなくなり、ゴム粒子径が
均一となり、粒径分布が狭くなることが認められた。第
3反応器の出口における生成物の重合転化率は26%であ
った。
第3反応器から出た生成物は直列に接続された2段(2
基)のプラグフロー型反応器に導入され、更に重合を継
続する。
このプラグフロー型反応器は直径に対して高さの小さい
8つの円筒状の撹拌室(撹拌翼は器壁とのクリアランス
が、どの部分においても一定で、かつ撹拌室の大部分を
掃蕩する大型平板翼と、軸方向に3つに分割され、90度
づつの角度で配置された小型傾斜パドル翼からなる)
と、それぞれの撹拌室間を連結する7つのシェルアンド
チューブ型の熱交換器とによって区切られた構造からな
る。なお、このプラグフロー型反応器の1段について、
トレーサーを使用し、デルタ応答法により完全混合槽の
槽列としての理論値の、いくつの値に相当するかを別途
試験した結果、流量12l/時においては相当槽数が11槽の
プラグフロー型反応器として計算されるものとほぼ同一
であることが実測された。この相当槽数は流量を変えて
も実質的に変化しない。本実施例におけるプラグフロー
型反応器は2段(2基)からなるので、完全混合槽列モ
デルにおける相当槽数は22となる。
2段のプラグフロー型反応器の1段目は、反応温度が入
口で121℃、出口で128℃であり、撹拌翼の回転速度は10
rpmとし、重合転化率は出口で65%であった。2段目の
反応器において、反応温度は入口で130℃、出口で160℃
であり、撹拌翼の回転速度は5rpmとした。重合転化率は
90%であった。なお、2段目の反応器の入口では、導入
される反応混合物に対し、このものの100部当り、1.0部
の鉱油及び0.05部のトリエチレングリコール−ビス[3
−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]等の滑剤や安定剤を少量のスチ
レンと共に添加した。
2段目のプラグフロー型反応器の反応混合物排出口から
取り出された重合液は、調圧弁を経由して、多管のチュ
ーブで加熱された後、15mmHgに減圧され、230℃に加熱
されている脱揮室でフラッシュされ、スチレン及び溶媒
のエチルベンゼン等を除去し、脱揮室の底部からスクリ
ューにより押出機に送られ、ダイからストランドとして
取出され、カッターで裁断して樹脂ペレットとした。こ
の樹脂ペレットは約500ppmのスチレンとエチルベンゼン
を残す所まで揮発分が除かれていた。
このようにして得られたゴム変性スチレン樹脂につい
て、以下のようにしてその特性、性能が評価された。
樹脂中の分散ゴム粒子については、超薄切片法による
電子顕微鏡写真を撮影し、写真中のゴム粒子の形態を観
察すると共に、重量平均粒子径及び数平均粒子径を、マ
ーチン スイート社(米国ケンタッキー州ルイスビル所
在)製のモデル3000粒子アナライザーを用いて光沈降法
により測定し、下記の式によって算出した。
重量平均粒子径(DW)=ΣniDi/ΣniDi 数平均粒子径(DN)=ΣniDi/Σni 上式において、Diは粒子径を上記測定器により級別した
ときの第i番目の級の代表値である。niは第i番目の級
に属するゴム状重合体粒子の数である。
ゴム粒径分布は式(DW/DN)による。
ゴム状重合体の密度(前述の通り) 光沢(%) シリンダー温度200℃で射出成形法により試験片を得、
その試験片(75mm×160mm×2.6mm)の中央部についてJI
S Z8741(入射角60°)に準拠して光沢を測定した。
落錘衝撃強度(kg・cm): デュポン式落錘衝撃試験機により、光沢測定用の射出成
形試験片を用いて測定した。
アイゾット衝撃強度(kg・cm/cm): JIS K7110(ノッチ付)に準拠して測定した。
比較例1 ポリブタジエンゴム(旭化成社製、商品名アサプレン75
5A)6.5部をスチレン86部とエチルベンゼン7.5部に溶解
し、重合開始剤としてターシャリーブチルパーオキシベ
ンゾエート0.0615部(スチレンとエチルベンゼンとポリ
ブタジエンの合計量100部に対し)と混合する。この原
料液を内容積40lのドラフトチューブ付でダブルヘリカ
ル翼撹拌機を内装している第1反応器に12l/時の速度で
供給した。この反応器において温度は102℃、撹拌翼の
回転速度は100rpmとした。反応器出口における生成物の
重合転化率は24%であり、ゴムは粒子化していた。
上記第1反応器から排出された重合液は滞留時間の短い
小型の完全混合型反応器を通さずに、直接2段のプラグ
フロー型反応器に導いた。プラグフロー型反応器以降は
実施例1と同様の条件により操作し、樹脂製品を得た。
比較例2 実施例1の操作で内容積25lの第1反応器の撹拌翼の回
転速度を90rpmとし、第1反応器と第2反応器排出口か
ら抜き出された重合液を配管中で合わせ、滞留時間の短
い完全混合型の第3反応器を通さずに、直接2段のプラ
グフロー型反応器に導いた以外は実施例1と同様の条件
により操作し、樹脂製品を得た。
比較例3 実施例1における内容積が25lと15lの第1反応器及び第
2反応器を入れ替えて、内容積15lの反応器を第1反応
器とし、この反応器でポリブタジエンゴムのスチレン及
びエチルベンゼン溶液を、内容積25lの反応器を第2反
応器とし、この反応器でスチレンの重合を行なった。こ
の第1反応器及び第2反応器における温度はそれぞれ10
2℃と115℃であり、撹拌翼の回転速度は両方共80rpmと
した。重合転化率はそれぞれ14%及び33%であり、第1
反応器でゴムは粒子化されていなかった。滞留時間の短
い小型の完全混合型の第3反応器以降は実施例1と同様
の条件により、樹脂製品を得た。
比較例4 実施例1で用いた内容積が25lの第1反応器のかわり
に、内容積が40lのドラフトチューブ付のダブルヘリカ
ル翼撹拌機を内装している反応器を使用した。この第1
反応器における温度は102℃であり、撹拌翼の回転速度
は120rpmとした。重合転化率は37%であり、ゴムは粒子
化していた。
それ以外は実施例1と同じ条件によって樹脂製品を得た
が、1段目と2段目のプラグフロー型反応器の出口の重
合転化率は、それぞれ70%及び92%であった。
比較例5 実施例1と同じゴム溶液を4.8l/時の速度でドラフトチ
ューブ付でダブルヘリカル翼を内装している内容積15l
の第1反応器に供給した。温度は102℃、撹拌翼の回転
速度は80rpmとした。重合転化率は23%であり、ゴムは
粒子化していた。
これとは別にスチレンを2.4l/時の速度でダブルヘリカ
ル翼を内装している内容積9lの第2反応器に供給した。
温度は115℃、撹拌翼の回転速度は80rpmであった。両方
の流れを合わせて滞留時間の短い小型の完全混合型の第
3反応器に通した後、液の一部はポンプを使用して系外
に捨て、6l/時の流量として、実施例1の1段目のプラ
グフロー型反応器に通さずに、直接2段目のプラグフロ
ー型反応器に導いた。反応器における入口の温度は120
℃、出口の温度は164℃、出口の重合転化率は90%であ
った。これ以降は実施例1におけると同様の操作で樹脂
製品を得た。
比較例6 実施例1と同じゴム溶液を12.8l/時の速度でドラフトチ
ューブ付でダブルヘリカル翼を内装している内容積40l
の第1反応器に供給した。この第1反応器における温度
は102℃、撹拌翼の回転速度は80rpmとした。重合転化率
は23%であり、ゴムは粒子化していた。
これとは別にスチレンを6.4l/時の速度でドラフトチュ
ーブ付でダブルヘリカル翼を内装している内容積25lの
第2反応器に供給した。この第2反応器における温度は
115℃、撹拌翼の回転速度は80rpmであった。両方の流れ
を合わせて滞留時間の短い小型の第3反応器に通した
後、液の一部はポンプを使用して系外に捨て、16l/時の
流量として2段のプラグフロー型反応器に導いた。これ
以降は実施例1と同様な条件で操作し、樹脂製品を得
た。1段目と2段目のプラグフロー型反応器の出口の重
合転化率はそれぞれ52%及び82%であった。
以上の実施例及び比較例の重合条件を第1表、得られた
樹脂製品の評価結果を第2表に示す。
第1表の第3反応器における温度はジャケットの温度で
ある。また第1表中、重合率とは重合転化率のことであ
る。
第2表においてゴム粒子形態は電子顕微鏡写真を観察し
たものであり、○は粒子が球状に近いもの、×は表面に
凹凸が多いもの、△は両者の中間にあることを表わす。
DWは重量平均粒子径(μ)を、DW/DNはゴム粒子の粒径
分布を示す。後記の第3表及び第4表においても同じで
ある。
実施例2 次の点を除き、それ以外は実施例1と同条件で操作し
た。即ち第1反応器の温度を100℃とした。第1反応器
出口における反応生成物の重合転化率は20%であり、ゴ
ムは粒子化していた。また第2反応器の温度は117℃と
し、この反応器出口における生成物の重合転化率は23%
であった。第1反応器及び第2反応器から取り出された
重合液は一緒にされ、実施例1におけると同じ、滞留時
間が0.42時間と短い小型の第3反応器に送り、ここで撹
拌翼の撹拌速度90rpmの撹拌に付した。その他は実施例
1と同じである。
実施例3 次の点を除き、実施例1と同条件で操作した。先ず、第
1反応器に仕込むゴム溶液に混合する重合開始剤を0.05
6部のターシャリーブチルパーオキシアセテート(ただ
し純度50%品)に変え、第1反応器における温度を100
℃とした。第1反応器出口における反応生成物の重合転
化率は23%であり、ゴムは粒子化していた。
また第2反応器の温度は115℃とし、この出口における
生成物の重合転化率は20%であった。
第1反応器及び第2反応器から取り出された重合液は一
緒にされ、滞留時間の短い小型の第3反応器に送られ、
ここでは撹拌翼の回転速度90rpmで撹拌を行った。
これに続く2段のプラグフロー型反応器の1段目の反応
器ではその入口温度120℃、出口温度130℃とし、重合転
化率は出口で64%であった。また2段目の反応器では、
その入口温度を133℃、出口温度を170℃とし、重合転化
率は反応器出口で89%であった。上記以外は実施例1と
同一条件により操作した。
上記実施例2及び3の操作条件を第3表、得られた製品
の評価を第4表に示す。
(発明の効果) 従来、連続法によってゴム変性スチレン系樹脂を製造す
るとき、得られる製品はバッチ法によって製造されたも
のに比べて、その品質、特に耐衝撃性などの機械的強度
や、光沢などの外観において優れたものでなかったが、
本発明によれば、連続法によって、バッチ方式製品と同
等以上の品質を有するゴム変性スチレン系樹脂が得られ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系単量体とゴム状重合体とを主体
    とする原料溶液を完全混合型の第1反応器に連続的に仕
    込んで重合反応を行なわせ、一方スチレン系単量体を主
    体とする原料を、重合反応に使用し得る型の第2反応器
    に連続的に仕込んで重合反応を行なわせ、上記第1反応
    器及び第2反応器から、それぞれ連続的に導出されてく
    る生成物を、上記第1反応器よりも滞留時間の短い完全
    混合型の第3反応器に併せて導入して重合反応を進め、
    この第3反応器から連続的に導出されてくる生成物を、
    プラグフロー型反応器に導入して重合転化率を高め、し
    かる後、反応生成物から未反応の単量体を脱揮してゴム
    変性スチレン系樹脂を連続的に製造する方法であって、
    上記第3反応器から導出されてくる生成物中のゴム状重
    合体は、すでに粒子化されているが、この第3反応器の
    出口では単量体から重合体への重合転化率が30%を越え
    ない範囲で重合が進められており、更に上記プラグフロ
    ー型反応器は1基又は直列に接続された複数基の反応器
    からなり、かつ完全混合槽列モデルにおける相当槽数が
    15以上のものとし、このプラグフロー型反応器では重合
    体への重合転化率が85〜95%の範囲まで重合されること
    を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】完全混合型の第1反応器で、ゴム状重合体
    が粒子化するまで重合が行なわれる特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  3. 【請求項3】スチレン系単量体とゴム状重合体とを主体
    とする原料溶液を完全混合型の第1反応器に連続的に仕
    込んで重合反応を行なわせ、一方スチレン系単量体を主
    体とする原料を、重合反応に使用し得る型の第2反応器
    に連続的に仕込んで重合反応を行なわせ、上記第1反応
    器及び第2反応器から、それぞれ連続的に導出されてく
    る生成物を、上記第1反応器よりも滞留時間の短い完全
    混合型の第3反応器に併せて導入、混合して重合反応を
    進め、この第3反応器から連続的に導出されてくる生成
    物を、1基又は直列に接続された複数基の反応器からな
    り、かつ完全混合槽列モデルにおける相当槽数が15以上
    であるプラグフロー型反応器に導入して重合転化率を高
    め、しかる後反応生成物から未反応の単量体を脱揮する
    ことによって連続的に得られるスチレン系樹脂中にゴム
    状重合体3〜20重量%がゴム粒子として分散してなるゴ
    ム変性スチレン系樹脂組成物であって、かつ密度が25℃
    において0.96g/cm3以下の粒子化しているゴム状重合体
    を実質的に有しないことを特徴とするゴム変性スチレン
    系樹脂組成物。
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