JPH082934B2 - ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法及び樹脂組成物 - Google Patents
ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法及び樹脂組成物Info
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- JPH082934B2 JPH082934B2 JP1134756A JP13475689A JPH082934B2 JP H082934 B2 JPH082934 B2 JP H082934B2 JP 1134756 A JP1134756 A JP 1134756A JP 13475689 A JP13475689 A JP 13475689A JP H082934 B2 JPH082934 B2 JP H082934B2
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- rubber
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ゴム変性スチレン系樹脂の改良された製
造法、及びゴム変性スチレン系樹脂組成物、特に耐衝撃
性などの機械的強度及び光沢などの外観が改善されたゴ
ム変性スチレン系樹脂の連続的製造法及び樹脂組成物に
関するものである。
造法、及びゴム変性スチレン系樹脂組成物、特に耐衝撃
性などの機械的強度及び光沢などの外観が改善されたゴ
ム変性スチレン系樹脂の連続的製造法及び樹脂組成物に
関するものである。
(従来の技術) 耐衝撃性に優れ、外観の改良されたゴム変性スチレン
系樹脂を製造するには、樹脂中に分散しているゴム粒子
の粒径を適当な大きさに調節し、粒径分布を適当な範囲
に調整しなければならないことに加えて、ゴム粒子には
適度のポリスチレンが含有されていなければならない。
系樹脂を製造するには、樹脂中に分散しているゴム粒子
の粒径を適当な大きさに調節し、粒径分布を適当な範囲
に調整しなければならないことに加えて、ゴム粒子には
適度のポリスチレンが含有されていなければならない。
ゴム粒子に含有されるポリスチレンには化学的にゴム
に結合したグラフトポリスチレンと、化学的にゴムに結
合してはいないが、通常の溶解−再沈澱法ではゴム粒子
から分離できない吸蔵されたポリスチレン(オクルージ
ョン)とがある。グラフトポリスチレンはゴム粒子をマ
トリックスのポリスチレン中に安定的に分散して存在さ
せる乳化剤の役目を持っているが、吸蔵されたポリスチ
レンもゴム粒子の体積分率を高め、ゴム相の過度の変形
を防止するなどの重要な役割を持っている。
に結合したグラフトポリスチレンと、化学的にゴムに結
合してはいないが、通常の溶解−再沈澱法ではゴム粒子
から分離できない吸蔵されたポリスチレン(オクルージ
ョン)とがある。グラフトポリスチレンはゴム粒子をマ
トリックスのポリスチレン中に安定的に分散して存在さ
せる乳化剤の役目を持っているが、吸蔵されたポリスチ
レンもゴム粒子の体積分率を高め、ゴム相の過度の変形
を防止するなどの重要な役割を持っている。
このようなゴム変性スチレン系樹脂を製造する方法と
して、バッチ式で行われる塊状−懸濁二段重合法が広く
実施されている。このバッチ式の重合はプラグフローで
行なわれるので、前段の塊状重合段階での混合が適切に
行なわれるときは、個々のゴム粒子の大きさを一定の大
きさに近づけることができる。また反応はその後の懸濁
重合でほぼ重合転化率100%に近い所まで行なわれるの
で、ゴムとスチレン系単量体とが反応する機会が多く、
個々のゴム粒子に、さほど違わない量のポリスチレンを
含有させることができる。
して、バッチ式で行われる塊状−懸濁二段重合法が広く
実施されている。このバッチ式の重合はプラグフローで
行なわれるので、前段の塊状重合段階での混合が適切に
行なわれるときは、個々のゴム粒子の大きさを一定の大
きさに近づけることができる。また反応はその後の懸濁
重合でほぼ重合転化率100%に近い所まで行なわれるの
で、ゴムとスチレン系単量体とが反応する機会が多く、
個々のゴム粒子に、さほど違わない量のポリスチレンを
含有させることができる。
しかしながら、このバッチ方式には、固有の欠点とし
て、(イ)水、懸濁安定剤などの助剤を多量に必要とす
る、(ロ)自動化を困難にする操作を多く含むため人手
を要する、(ハ)冷却して水と樹脂ビードとを分離して
乾燥した後も、製品樹脂とするためにはペレット化が必
要であり、エネルギーを多大に必要とする、(ニ)助剤
などの化学物質を含む排水を処理しなければならない、
(ホ)懸濁安定剤などの助剤が不純物として製品樹脂中
に残り、シルバーストリークなどの外観不良を引き起
す、等が挙げられ、工業的実施上、解決すべき点が残さ
れている。
て、(イ)水、懸濁安定剤などの助剤を多量に必要とす
る、(ロ)自動化を困難にする操作を多く含むため人手
を要する、(ハ)冷却して水と樹脂ビードとを分離して
乾燥した後も、製品樹脂とするためにはペレット化が必
要であり、エネルギーを多大に必要とする、(ニ)助剤
などの化学物質を含む排水を処理しなければならない、
(ホ)懸濁安定剤などの助剤が不純物として製品樹脂中
に残り、シルバーストリークなどの外観不良を引き起
す、等が挙げられ、工業的実施上、解決すべき点が残さ
れている。
そこで種々の連続的製造法が提案されており、その一
つとして、撹拌槽型反応器を複数(通常は3〜4基)直
列に連結した装置を使用する方法が知られている。しか
しこの方法ではかなり広い滞留時間分布が生じるので、
個々のゴム粒子とスチレンとの反応時間に差を生じ、滞
留時間が短いゴム粒子に対して適度の量のポリスチレン
が含有されないという状態が生じ、また反応器内の反応
を制御するためには相当に強い撹拌を必要とするが、高
粘度物の取扱いであるため制限を受け、最終の反応器で
も重合転化率を高くできないという問題がある。このた
めバッチ式で得られると同等の品質のものを連続法で得
ることは相当に困難である。即ち、上述の理由により、
ゴム粒子の粒径分布が広いとか、ポリスチレンが望まし
い程度、含有されていないゴム粒子が存在するため、高
い衝撃強度のものが得られないとか、又は光沢などの外
観が損なわれたものしか得られないとかいう問題が残さ
れている。
つとして、撹拌槽型反応器を複数(通常は3〜4基)直
列に連結した装置を使用する方法が知られている。しか
しこの方法ではかなり広い滞留時間分布が生じるので、
個々のゴム粒子とスチレンとの反応時間に差を生じ、滞
留時間が短いゴム粒子に対して適度の量のポリスチレン
が含有されないという状態が生じ、また反応器内の反応
を制御するためには相当に強い撹拌を必要とするが、高
粘度物の取扱いであるため制限を受け、最終の反応器で
も重合転化率を高くできないという問題がある。このた
めバッチ式で得られると同等の品質のものを連続法で得
ることは相当に困難である。即ち、上述の理由により、
ゴム粒子の粒径分布が広いとか、ポリスチレンが望まし
い程度、含有されていないゴム粒子が存在するため、高
い衝撃強度のものが得られないとか、又は光沢などの外
観が損なわれたものしか得られないとかいう問題が残さ
れている。
(発明が解決しようとする課題) 上述のような問題点を解決するためには、連続重合に
使用できるプラグフロー型反応器を組み合せ、かつ反応
を高い重合転化率まで継続すればよいと考えられるが、
これに付随して技術的に困難な問題がある。このような
問題として次のような点が挙げられる。
使用できるプラグフロー型反応器を組み合せ、かつ反応
を高い重合転化率まで継続すればよいと考えられるが、
これに付随して技術的に困難な問題がある。このような
問題として次のような点が挙げられる。
ゴムが粒子として分散する以前はゴム相が連続相で
あるためにゴム粘性を示し、常に撹拌による剪断を受け
ていない滞留部分ではポリマーが器壁などに付着し、定
常な操作を阻害する。このようなゴム粘性を示す状態に
おける重合反応は、完全混合型反応器では取扱い可能で
あるが、反応器中のいかなる場所においても均一な剪断
を受けさせる必要のある反応を、プラグフロー型反応器
で行なわせることは非常に困難である。
あるためにゴム粘性を示し、常に撹拌による剪断を受け
ていない滞留部分ではポリマーが器壁などに付着し、定
常な操作を阻害する。このようなゴム粘性を示す状態に
おける重合反応は、完全混合型反応器では取扱い可能で
あるが、反応器中のいかなる場所においても均一な剪断
を受けさせる必要のある反応を、プラグフロー型反応器
で行なわせることは非常に困難である。
最終段階においては高い重合転化率が望ましいが、
付随する高粘度物の取扱い上の困難性ということ以外
に、重合転化率を高めると、反応速度がかなり低下する
ので、容積の大きな反応器で長い滞留時間を必要とす
る。それ故バッチ式の反応をそのまゝ連続化することは
装置の建設コストを徒に高くすることになる。
付随する高粘度物の取扱い上の困難性ということ以外
に、重合転化率を高めると、反応速度がかなり低下する
ので、容積の大きな反応器で長い滞留時間を必要とす
る。それ故バッチ式の反応をそのまゝ連続化することは
装置の建設コストを徒に高くすることになる。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記の問題点を解消し、バッチ式によって
製造されるゴム変性スチレン系樹脂のもつ優れた品質を
備えた樹脂を連続的に製造する方法を提供することを第
1の目的とし、この目的は本発明に従い、スチレン系単
量体とゴム状重合体とを主体とする原料溶液を完全混合
型の第1反応器に連続的に仕込んで重合反応を行なわ
せ、一方スチレン系単量体を主体とする原料を、重合反
応に用いられる型の第2反応器に連続的に仕込んで重合
反応を行なわせ、上記第1反応器及び第2反応器から、
それぞれ連続的に導出されてくる生成物を、撹拌機を有
するラインミキサーに併せて導入して撹拌混合し、この
ラインミキサーから連続的に導出されてくる生成物を、
プラグフロー型反応器に導入して重合転化率を高め、し
かる後、反応生成物から未反応の単量体を脱揮してゴム
変性スチレン系樹脂を連続的に製造する方法であって、
上記ラインミキサーの生成物出口までに、ゴム状重合体
はすでに粒子化されているが、単量体から重合体への重
合転化率が30%を越えない範囲で重合が進められてお
り、更に上記プラグフロー型反応器は1基又は直列に接
続された複数基の反応器からなり、かつ完全混合槽列モ
デルにおける相当槽数が15以上のものとし、このプラグ
フロー型反応器では重合体への重合転化率が85〜95%の
範囲まで重合されることを特徴とする方法によって達成
される。
製造されるゴム変性スチレン系樹脂のもつ優れた品質を
備えた樹脂を連続的に製造する方法を提供することを第
1の目的とし、この目的は本発明に従い、スチレン系単
量体とゴム状重合体とを主体とする原料溶液を完全混合
型の第1反応器に連続的に仕込んで重合反応を行なわ
せ、一方スチレン系単量体を主体とする原料を、重合反
応に用いられる型の第2反応器に連続的に仕込んで重合
反応を行なわせ、上記第1反応器及び第2反応器から、
それぞれ連続的に導出されてくる生成物を、撹拌機を有
するラインミキサーに併せて導入して撹拌混合し、この
ラインミキサーから連続的に導出されてくる生成物を、
プラグフロー型反応器に導入して重合転化率を高め、し
かる後、反応生成物から未反応の単量体を脱揮してゴム
変性スチレン系樹脂を連続的に製造する方法であって、
上記ラインミキサーの生成物出口までに、ゴム状重合体
はすでに粒子化されているが、単量体から重合体への重
合転化率が30%を越えない範囲で重合が進められてお
り、更に上記プラグフロー型反応器は1基又は直列に接
続された複数基の反応器からなり、かつ完全混合槽列モ
デルにおける相当槽数が15以上のものとし、このプラグ
フロー型反応器では重合体への重合転化率が85〜95%の
範囲まで重合されることを特徴とする方法によって達成
される。
本発明のもう一つ別の目的は、連続的製造法により、
製造されたものでありながらバッチ式によって製造され
るのと同等の優れた品質を備えた、ゴム変性スチレン系
樹脂を提供することにあり、この目的は本発明に従い、
スチレン系単量体とゴム状重合体とを主体とする原料溶
液を完全混合型の第1反応器に連続的に仕込んで重合反
応を行なわせ、一方スチレン系単量体を主体とする原料
を、重合反応に用いられる型の第2反応器に連続的に仕
込んで重合反応を行なわせ、上記第1反応器及び第2反
応器から、それぞれ連続的に導出されてくる生成物を、
撹拌機を有するラインミキサーに併せて導入して撹拌混
合し、このラインミキサーから連続的に導出されてくる
生成物を、1基又は直列に接続された複数基の反応器か
らなり、かつ完全混合槽列モデルにおける相当槽数が15
以上であるプラグフロー型反応器に導入して重合転化率
を高め、しかる後、反応生成物から未反応の単量体を脱
揮することによって連続的に得られるスチレン系樹脂中
にゴム状重合体3〜20重量%がゴム粒子として分散して
なるゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、かつ密度
が25℃において0.96g/cm3以下の粒子化しているゴム状
重合体を実質的に有しないことを特徴とするゴム変性ス
チレン系樹脂組成物によって達成される。
製造されたものでありながらバッチ式によって製造され
るのと同等の優れた品質を備えた、ゴム変性スチレン系
樹脂を提供することにあり、この目的は本発明に従い、
スチレン系単量体とゴム状重合体とを主体とする原料溶
液を完全混合型の第1反応器に連続的に仕込んで重合反
応を行なわせ、一方スチレン系単量体を主体とする原料
を、重合反応に用いられる型の第2反応器に連続的に仕
込んで重合反応を行なわせ、上記第1反応器及び第2反
応器から、それぞれ連続的に導出されてくる生成物を、
撹拌機を有するラインミキサーに併せて導入して撹拌混
合し、このラインミキサーから連続的に導出されてくる
生成物を、1基又は直列に接続された複数基の反応器か
らなり、かつ完全混合槽列モデルにおける相当槽数が15
以上であるプラグフロー型反応器に導入して重合転化率
を高め、しかる後、反応生成物から未反応の単量体を脱
揮することによって連続的に得られるスチレン系樹脂中
にゴム状重合体3〜20重量%がゴム粒子として分散して
なるゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、かつ密度
が25℃において0.96g/cm3以下の粒子化しているゴム状
重合体を実質的に有しないことを特徴とするゴム変性ス
チレン系樹脂組成物によって達成される。
本発明において、第1反応器及び第2反応器に仕込ま
れる原料液を構成するスチレン系単量体としては、例え
ばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン
のようなアルキル置換スチレン、クロルスチレンのよう
なハロゲン置換スチレン等、従来ゴム変形スチレン系樹
脂製造用として知られているスチレン系モノマーの1種
または2種以上の混合物が用いられる。これらのなか
で、好ましいのはスチレンである。
れる原料液を構成するスチレン系単量体としては、例え
ばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン
のようなアルキル置換スチレン、クロルスチレンのよう
なハロゲン置換スチレン等、従来ゴム変形スチレン系樹
脂製造用として知られているスチレン系モノマーの1種
または2種以上の混合物が用いられる。これらのなか
で、好ましいのはスチレンである。
また、このスチレン系単量体の一部をこれと共重合可
能な単量体、例えばアクリロニトリル、無水マレイン
酸、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ジビニルベンゼ
ン等で置き換えることもできる。
能な単量体、例えばアクリロニトリル、無水マレイン
酸、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ジビニルベンゼ
ン等で置き換えることもできる。
第1反応器に供給される原料溶液中のゴム状重合体と
しては、例えば天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトリルゴム、1,3
−共役ジエンとスチレン系単量体とのエラストマー状ブ
ロック共重合体等を挙げることができるが、好ましくは
ポリプタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソ
プレンである。
しては、例えば天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトリルゴム、1,3
−共役ジエンとスチレン系単量体とのエラストマー状ブ
ロック共重合体等を挙げることができるが、好ましくは
ポリプタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソ
プレンである。
そして、これらのスチレン系単量体とゴム状重合体と
を主体とする原料溶液の組成は、通常スチレン系単量体
80〜97重量%に対してゴム状重合体3〜20重量%、好ま
しくはスチレン系単量体82〜95重量%に対してゴム状重
合体5〜18重量%であり、必要に応じてトルエン、キシ
レン、エチルベンゼン等の単独又は2種以上の混合物か
らなる芳香族炭化水素類等の溶剤を、例えば20重量%ま
での範囲内で使用することができる。この溶剤の使用量
が20重量%を越えると重合速度が著しく低下して経済的
でない。なお、この原料溶液中には少量の重合開始剤、
例えばターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、タ
ーシャリーブチルパーオキシアセテート、1,1−ジター
シャリーブチルパーオキシシクロヘキサン、過酸化ベン
ゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物や、アゾビスイ
ソブチロニトリル等を添加することができ、これによっ
て衝撃強度を向上させることができる。
を主体とする原料溶液の組成は、通常スチレン系単量体
80〜97重量%に対してゴム状重合体3〜20重量%、好ま
しくはスチレン系単量体82〜95重量%に対してゴム状重
合体5〜18重量%であり、必要に応じてトルエン、キシ
レン、エチルベンゼン等の単独又は2種以上の混合物か
らなる芳香族炭化水素類等の溶剤を、例えば20重量%ま
での範囲内で使用することができる。この溶剤の使用量
が20重量%を越えると重合速度が著しく低下して経済的
でない。なお、この原料溶液中には少量の重合開始剤、
例えばターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、タ
ーシャリーブチルパーオキシアセテート、1,1−ジター
シャリーブチルパーオキシシクロヘキサン、過酸化ベン
ゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物や、アゾビスイ
ソブチロニトリル等を添加することができ、これによっ
て衝撃強度を向上させることができる。
本発明において、上記スチレン系単量体とゴム状重合
体とを主体とする原料溶液は完全混合型第1反応器にお
いて重合されるが、完全混合型反応器としては、上記原
料溶液が反応器内でほぼ均一な混合状態を維持し得るも
のであればよく、撹拌翼の好ましいものとしてはヘリカ
ルリボン、ダブルヘリカルリボン、アンカーなどの型の
翼が挙げられる。ヘリカルリボンタイプの翼の場合には
ドラフトチューブを取付けて、反応器内の上下循環を一
層強化することもできる。
体とを主体とする原料溶液は完全混合型第1反応器にお
いて重合されるが、完全混合型反応器としては、上記原
料溶液が反応器内でほぼ均一な混合状態を維持し得るも
のであればよく、撹拌翼の好ましいものとしてはヘリカ
ルリボン、ダブルヘリカルリボン、アンカーなどの型の
翼が挙げられる。ヘリカルリボンタイプの翼の場合には
ドラフトチューブを取付けて、反応器内の上下循環を一
層強化することもできる。
一般にスチレン系単量体とゴム状重合体とからなる均
一な原料溶液を重合していくと、重合の初期ではスチレ
ン系単量体とその重合体を含む溶液(樹脂相)がゴム状
重合体とスチレン系単量体を含む溶液(ゴム相)から分
離し、ゴム相が連続相となり樹脂相が分散相となった状
態になり、さらに重合が進むと、ある時点、すなわちス
チレン系重合体の量が増大して樹脂相が分散相としてと
どまれなくなった時点で樹脂相が連続相となってゴム相
が分散相となる、いわゆる相反転が起こる。第1反応器
中ではいずれの状態においても運転可能である。
一な原料溶液を重合していくと、重合の初期ではスチレ
ン系単量体とその重合体を含む溶液(樹脂相)がゴム状
重合体とスチレン系単量体を含む溶液(ゴム相)から分
離し、ゴム相が連続相となり樹脂相が分散相となった状
態になり、さらに重合が進むと、ある時点、すなわちス
チレン系重合体の量が増大して樹脂相が分散相としてと
どまれなくなった時点で樹脂相が連続相となってゴム相
が分散相となる、いわゆる相反転が起こる。第1反応器
中ではいずれの状態においても運転可能である。
一方第1反応器と並列されて設置される第2反応器に
はスチレン系単量体が連続的に仕込まれ重合される。第
2反応器は特にそのタイプが限定されるものでなく、停
滞部がなく温度コントロールが可能な重合反応用の反応
器であればよく、第1反応器と同じタイプの完全混合型
反応器も使用できるが、管型反応器などのプラグフロー
型反応器等も使用できる。
はスチレン系単量体が連続的に仕込まれ重合される。第
2反応器は特にそのタイプが限定されるものでなく、停
滞部がなく温度コントロールが可能な重合反応用の反応
器であればよく、第1反応器と同じタイプの完全混合型
反応器も使用できるが、管型反応器などのプラグフロー
型反応器等も使用できる。
第1反応器及び第2反応器から送り出されてくる流れ
は、共に撹拌機付のラインミキサーに導入される。この
ラインミキサーは重合反応よりも混合撹拌の機能が優先
するものであり、短い滞留時間で効率的な混合撹拌が達
成される。滞留時間は通常20分以下で充分であり、この
点で反応器とは明確に区別される。ラインミキサーに2
つの入口を設けて、第1及び第2それぞれの反応器から
の流れを直接導入してもよく、また上記2つの流れを配
管中で合わせておいて1つの入口からラインミキサーに
導入してもよい。ラインミキサーとしては連続的に混合
を行なうことができ、2液を短時間のうちに、ほぼ均一
に混合できるものであれば特に限定されるものではない
が、混合時の撹拌剪断速度を必要に応じて容易に変化さ
せることのできるものが好ましい。具体的な例として
は、特殊機化工業(株)製のホモミツクラインフローミ
キサー、佐竹化学機械(株)製のサタケマルチラインミ
キサー、(株)桜製作所製のオンレーターなどが挙げら
れる。
は、共に撹拌機付のラインミキサーに導入される。この
ラインミキサーは重合反応よりも混合撹拌の機能が優先
するものであり、短い滞留時間で効率的な混合撹拌が達
成される。滞留時間は通常20分以下で充分であり、この
点で反応器とは明確に区別される。ラインミキサーに2
つの入口を設けて、第1及び第2それぞれの反応器から
の流れを直接導入してもよく、また上記2つの流れを配
管中で合わせておいて1つの入口からラインミキサーに
導入してもよい。ラインミキサーとしては連続的に混合
を行なうことができ、2液を短時間のうちに、ほぼ均一
に混合できるものであれば特に限定されるものではない
が、混合時の撹拌剪断速度を必要に応じて容易に変化さ
せることのできるものが好ましい。具体的な例として
は、特殊機化工業(株)製のホモミツクラインフローミ
キサー、佐竹化学機械(株)製のサタケマルチラインミ
キサー、(株)桜製作所製のオンレーターなどが挙げら
れる。
ラインミキサーの出口では、生成物においてゴム相が
分散相になった状態、即ちゴム状重合体がすでに粒子化
した状態になっていることが必要である。このゴム状重
合体が粒子化する相反転の時点は樹脂相とゴム相の容積
比に依存するので原料組成にも関係するが、第1反応器
の生成物出口においてゴム状重合体がすでに粒子化して
いる重合転化率で運転されているのであれば、第2反応
器における重合転化率は、この状態を逆転させない程度
に保たれればよい。また第1反応器の出口における反応
生成物が相反転以前の重合転化率で運転されておれば第
2反応器における重合転化率は、両反応器それぞれから
の流れを合わせたときに、ゴム状重合体が粒子化される
転化率を越えるように、ある程度高く保たれなければな
らない。しかしバッチ式重合反応方法で得られる品質を
凌駕するためには、第1反応器出口で、ゴム状重合体が
粒子化していることが好ましい。また、ラインミキサー
出口での生成物における重合転化率は30%以下に保たれ
なければならない。
分散相になった状態、即ちゴム状重合体がすでに粒子化
した状態になっていることが必要である。このゴム状重
合体が粒子化する相反転の時点は樹脂相とゴム相の容積
比に依存するので原料組成にも関係するが、第1反応器
の生成物出口においてゴム状重合体がすでに粒子化して
いる重合転化率で運転されているのであれば、第2反応
器における重合転化率は、この状態を逆転させない程度
に保たれればよい。また第1反応器の出口における反応
生成物が相反転以前の重合転化率で運転されておれば第
2反応器における重合転化率は、両反応器それぞれから
の流れを合わせたときに、ゴム状重合体が粒子化される
転化率を越えるように、ある程度高く保たれなければな
らない。しかしバッチ式重合反応方法で得られる品質を
凌駕するためには、第1反応器出口で、ゴム状重合体が
粒子化していることが好ましい。また、ラインミキサー
出口での生成物における重合転化率は30%以下に保たれ
なければならない。
第1反応器と第2反応器とからラインミキサーに入る
生成物の流れの比率については、特に臨界的な点はない
が、第2反応器からの流れがあまり多くなるときは、第
1反応器に供給する原料溶液中のゴム濃度を高くする必
要があるので、両反応器それぞれからの流れの比は3:1
〜1:3の範囲が好ましい。
生成物の流れの比率については、特に臨界的な点はない
が、第2反応器からの流れがあまり多くなるときは、第
1反応器に供給する原料溶液中のゴム濃度を高くする必
要があるので、両反応器それぞれからの流れの比は3:1
〜1:3の範囲が好ましい。
ラインミキサーからは第1反応器及び第2反応器から
導入される量の合計に対応した量が連続的に取り出さ
れ、次いで導入されるプラグフロー型反応器で重合転化
率が高められる。このプラグフロー型反応器としては、
撹拌室と多管式のシエルアンドチューブ型の熱交換器が
交互に組み合わされているもの、縦長の容器で冷却パイ
プと撹拌機が組み合わされているもの等が使用できる
が、いわゆるデッドスペースがないように工夫されれば
撹拌機のないものも使用できる。プラグフロー性とし
て、完全混合槽列モデルにおける相当槽数を15以上とす
るため、このプラグフロー型反応機は複数基を直列に接
続したものとなるのが一般的であるが、反応器の接続基
数を多くすることは経済的に望ましくなく、通常は2基
とするのが好ましい。プラグフロー反応器の出口におけ
る生成物の重合転化率は、85〜95%の範囲内まで上げら
れる。
導入される量の合計に対応した量が連続的に取り出さ
れ、次いで導入されるプラグフロー型反応器で重合転化
率が高められる。このプラグフロー型反応器としては、
撹拌室と多管式のシエルアンドチューブ型の熱交換器が
交互に組み合わされているもの、縦長の容器で冷却パイ
プと撹拌機が組み合わされているもの等が使用できる
が、いわゆるデッドスペースがないように工夫されれば
撹拌機のないものも使用できる。プラグフロー性とし
て、完全混合槽列モデルにおける相当槽数を15以上とす
るため、このプラグフロー型反応機は複数基を直列に接
続したものとなるのが一般的であるが、反応器の接続基
数を多くすることは経済的に望ましくなく、通常は2基
とするのが好ましい。プラグフロー反応器の出口におけ
る生成物の重合転化率は、85〜95%の範囲内まで上げら
れる。
(作用) 本発明方法によって、バッチ式重合反応方法による製
品と同等以上の品質を有する製品樹脂組成物が得られる
が、これは本発明を構成する要件を全べて満たすことに
よって達成されるものであり、以下、これら要件の意義
について説明する。
品と同等以上の品質を有する製品樹脂組成物が得られる
が、これは本発明を構成する要件を全べて満たすことに
よって達成されるものであり、以下、これら要件の意義
について説明する。
本発明方法ではゴム変性スチレン系樹脂が製造され
る過程において、ゴム相が粒子化するまでは、操作が容
易な完全混合型の反応器で重合を行ない、第1及び第2
の反応器からの重合液をラインミキサーで攪拌混合する
ことにより、最終的に均質なゴム粒子が安定して生成さ
れる。第2反応器なしの1つの反応器では本発明の効果
は得られず、またラインミキサーなしでも本発明の効果
は得られない。完全混合型の第1反応器だけでゴムを粒
子化させ、ラインミキサーなしで直ちにプラグフロー型
の反応器に生成物を導入するときは、最終製品樹脂中
に、密度が25℃において0.96g/cm3以下のゴム粒子が存
在する。この事実からみて、上記の第2反応器やライン
ミキサーを省略した工程では、1部のゴム粒子において
オクルージョンが充分に形成されないものが生成される
と考えられる。また、この場合、ゴム粒子の粒径分布が
広くなることが認められるが、このことは優れた品質の
樹脂が得られない原因になっているものと思われる。
る過程において、ゴム相が粒子化するまでは、操作が容
易な完全混合型の反応器で重合を行ない、第1及び第2
の反応器からの重合液をラインミキサーで攪拌混合する
ことにより、最終的に均質なゴム粒子が安定して生成さ
れる。第2反応器なしの1つの反応器では本発明の効果
は得られず、またラインミキサーなしでも本発明の効果
は得られない。完全混合型の第1反応器だけでゴムを粒
子化させ、ラインミキサーなしで直ちにプラグフロー型
の反応器に生成物を導入するときは、最終製品樹脂中
に、密度が25℃において0.96g/cm3以下のゴム粒子が存
在する。この事実からみて、上記の第2反応器やライン
ミキサーを省略した工程では、1部のゴム粒子において
オクルージョンが充分に形成されないものが生成される
と考えられる。また、この場合、ゴム粒子の粒径分布が
広くなることが認められるが、このことは優れた品質の
樹脂が得られない原因になっているものと思われる。
反応器が完全混合型の反応器1器だけであって、この
反応器からの流れを、ラインミキサーを経てプラグフロ
ー型反応器に通すようにした装置を用いた場合又は第1
反応器及び第2反応器を並設して本件発明方法における
ように原料を仕込み、それらから出てくる生成物をライ
ンミキサーに通すことなく、単に2液を合わせてプラグ
フロー型反応器に通すようにした場合のいずれであって
も上記の欠点は解決されない。その理由は明確ではない
が、本件発明方法に従うとき、最終製品樹脂におけるゴ
ム粒子の密度において、0.96g/cm3以下の粒子が実質的
に検出されなくなり、ゴム粒子の粒径分布が可成り狭く
なることが初めて認められることから、第1反応器及び
第2反応器から出てくる、かなり性質の異なる2液が効
果的な撹拌混合を受けることによって、たとえばそれま
でに、すでにゴム粒子が生成されていたとしても、再
度、ゴム粒子の融合や分離が起こり、オクルージョンや
粒径均一化が起こるのではないかと考えられる。なお、
ラインミキサーなしで2液をプラグフロー型反応器に導
入する場合には、反応器内に重合体ゲルなどの付着が発
生し、重合反応のコントロールが困難になる。
反応器からの流れを、ラインミキサーを経てプラグフロ
ー型反応器に通すようにした装置を用いた場合又は第1
反応器及び第2反応器を並設して本件発明方法における
ように原料を仕込み、それらから出てくる生成物をライ
ンミキサーに通すことなく、単に2液を合わせてプラグ
フロー型反応器に通すようにした場合のいずれであって
も上記の欠点は解決されない。その理由は明確ではない
が、本件発明方法に従うとき、最終製品樹脂におけるゴ
ム粒子の密度において、0.96g/cm3以下の粒子が実質的
に検出されなくなり、ゴム粒子の粒径分布が可成り狭く
なることが初めて認められることから、第1反応器及び
第2反応器から出てくる、かなり性質の異なる2液が効
果的な撹拌混合を受けることによって、たとえばそれま
でに、すでにゴム粒子が生成されていたとしても、再
度、ゴム粒子の融合や分離が起こり、オクルージョンや
粒径均一化が起こるのではないかと考えられる。なお、
ラインミキサーなしで2液をプラグフロー型反応器に導
入する場合には、反応器内に重合体ゲルなどの付着が発
生し、重合反応のコントロールが困難になる。
ゴムが粒子化した後は、重合操作はプラグフロー型
反応器でもって比較的容易に行なえる。プラグフロー型
反応器においては、重合転化率を30%以下から85%以上
まで上昇させることにより、粒子化したゴム粒子に対す
るスチレンのグラフト及びオクルージョンを一層進め
る。完全混合槽列モデルにおける相当槽数が15以上のプ
ラグフロー性がないと、重合転化率が入口で30%以下、
出口で85%以上にする反応器としては、除熱及び撹拌が
困難となる。また重合反応の制御が困難なため、分子量
のコントロールが不充分となり、スチレンのグラフト及
びオクルージョンが均一に行われず、樹脂組成物中のゴ
ム状重合体の密度が0.96g/cm3(25℃)以下になり、製
品樹脂組成物の品質を損なう結果となる。
反応器でもって比較的容易に行なえる。プラグフロー型
反応器においては、重合転化率を30%以下から85%以上
まで上昇させることにより、粒子化したゴム粒子に対す
るスチレンのグラフト及びオクルージョンを一層進め
る。完全混合槽列モデルにおける相当槽数が15以上のプ
ラグフロー性がないと、重合転化率が入口で30%以下、
出口で85%以上にする反応器としては、除熱及び撹拌が
困難となる。また重合反応の制御が困難なため、分子量
のコントロールが不充分となり、スチレンのグラフト及
びオクルージョンが均一に行われず、樹脂組成物中のゴ
ム状重合体の密度が0.96g/cm3(25℃)以下になり、製
品樹脂組成物の品質を損なう結果となる。
プラグフロー型反応器における完全混合槽列モデルの相
当槽数15以上の上限は特に臨界的な点はないが、必要以
上にすることは無意味であり、通常は40程度まででよ
い。
当槽数15以上の上限は特に臨界的な点はないが、必要以
上にすることは無意味であり、通常は40程度まででよ
い。
ラインミキサーからプラグフロー型反応器に入る生成
物の重合転化率を30%以下とすることは、なるべくプラ
グフロー型反応器の状況下での重合反応を長くするとい
う意味だけでなく、ラインミキサー中で生成物の重合転
化率が30%を越えると、ゴム粒子の粒径分布が広くなっ
て好ましくないからである。高粘度の影響により、粒子
の再度の融合や分離は妨げられるためとも考えられる。
物の重合転化率を30%以下とすることは、なるべくプラ
グフロー型反応器の状況下での重合反応を長くするとい
う意味だけでなく、ラインミキサー中で生成物の重合転
化率が30%を越えると、ゴム粒子の粒径分布が広くなっ
て好ましくないからである。高粘度の影響により、粒子
の再度の融合や分離は妨げられるためとも考えられる。
プラグフロー型反応器の最終出口における生成物のス
チレンの重合転化率が85%以上であれば、実質上、全べ
てのゴム粒子におけるスチレンのグラフト及びオクルー
ジョンが充分、均一に形成され、25℃におけるゴム状重
合体の密度が0.96g/cm3以下であるゴム粒子を実質的に
生成させない。そして、プラグフロー型反応器出口にお
ける生成物のスチレン重合転化率を、95%を越えるもの
とすることは、長時間の重合反応が必要となり、反応器
の大型化を招くばかりであって、製品樹脂組成物の品質
向上の効果はなく好ましくない。
チレンの重合転化率が85%以上であれば、実質上、全べ
てのゴム粒子におけるスチレンのグラフト及びオクルー
ジョンが充分、均一に形成され、25℃におけるゴム状重
合体の密度が0.96g/cm3以下であるゴム粒子を実質的に
生成させない。そして、プラグフロー型反応器出口にお
ける生成物のスチレン重合転化率を、95%を越えるもの
とすることは、長時間の重合反応が必要となり、反応器
の大型化を招くばかりであって、製品樹脂組成物の品質
向上の効果はなく好ましくない。
(粒子化しているゴム状重合体の密度の測定法) 50mlの三角フラスコ6個を用意し、それぞれに1gのゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物試料を精秤する。一方ジメ
チルホルムアミド(以下、DMFと略記する)及びN−メ
チル−2−ピロリド(以下、NMPと略記する)の試薬を
準備し、DMF単独のものをA液、NMP単独のものをF液と
し、両試薬をそれぞれ下記の表に示す割合(重量比)で
混和したものをB液、C液、D液及びE液とする。
ム変性スチレン系樹脂組成物試料を精秤する。一方ジメ
チルホルムアミド(以下、DMFと略記する)及びN−メ
チル−2−ピロリド(以下、NMPと略記する)の試薬を
準備し、DMF単独のものをA液、NMP単独のものをF液と
し、両試薬をそれぞれ下記の表に示す割合(重量比)で
混和したものをB液、C液、D液及びE液とする。
上記表の組成における数値は、分子がDMF、分母がNMP
を示す。また密度は25℃における値である。
を示す。また密度は25℃における値である。
上記の試料を容れたフラスコそれぞれに、上記A〜F
液をそれぞれ15ml加え、試料を溶解分散する。試料樹脂
中のゴム状重合体粒子は溶剤に溶けない。マトリックス
部分のポリスチレンが完全に溶解すれば、それぞれ遠心
分離機用セルに移す。三角フラスコ内に付着残留してい
る試料含有物は、それの溶解に用いたと同一組成の液を
洗浄液として15ml使用し、その洗浄によって生じた液と
ともに遠心分離機用セルに移す。次にセルを遠心分離機
にかけ、25℃の温度において、20,000rpmで4時間、遠
心分離処理に付す。なお、遠心分離機は日立工機社製CR
-26Hを使用する。
液をそれぞれ15ml加え、試料を溶解分散する。試料樹脂
中のゴム状重合体粒子は溶剤に溶けない。マトリックス
部分のポリスチレンが完全に溶解すれば、それぞれ遠心
分離機用セルに移す。三角フラスコ内に付着残留してい
る試料含有物は、それの溶解に用いたと同一組成の液を
洗浄液として15ml使用し、その洗浄によって生じた液と
ともに遠心分離機用セルに移す。次にセルを遠心分離機
にかけ、25℃の温度において、20,000rpmで4時間、遠
心分離処理に付す。なお、遠心分離機は日立工機社製CR
-26Hを使用する。
上記それぞれのセルにおいて、使用した溶媒よりも軽
い粒子化ゴム状重合体は液面上に浮遊し、溶媒よりも重
い粒子化ゴム状重合体はセルの底に沈澱する。このセル
から浮遊ゴム状重合体を含む部分と沈澱ゴム状重合体を
含む部分とを、それぞれ試料として分離する。これらの
試料を別々の三角フラスコに移し、A〜F液の溶媒を除
去するため、メタノール中で再沈澱法により、ポリスチ
レン混合物を沈澱させ、過した後、乾燥する。
い粒子化ゴム状重合体は液面上に浮遊し、溶媒よりも重
い粒子化ゴム状重合体はセルの底に沈澱する。このセル
から浮遊ゴム状重合体を含む部分と沈澱ゴム状重合体を
含む部分とを、それぞれ試料として分離する。これらの
試料を別々の三角フラスコに移し、A〜F液の溶媒を除
去するため、メタノール中で再沈澱法により、ポリスチ
レン混合物を沈澱させ、過した後、乾燥する。
それぞれ乾燥して得られたもの(ゴム状重合体とポリ
スチレンとの混合物)を、再度、各々別々に三角フラス
コに移して、メチルエチルケトン/アセトンの混合溶媒
(容積比で50/50)15mlでポリスチレンを溶解分散し、
それをセルに移して遠心分離(20,000rpmで5時間)に
付す。この遠心分離された沈澱物が粒子化したゴム状重
合体である。上澄液をメタノールに注ぎ、生じた沈澱物
を過乾燥したものが、ゴム状重合体が除かれた、マト
リックス部分のポリスチレンである。以上の分別秤量し
た結果から、粒子化されたゴム状重合体の密度分布曲線
が描かれる。密度が0.96g/cm3以下である粒子化ゴム状
重合体がないというのは、A液ではもちろん、B液での
遠心分離による分別操作の結果、実質的に浮遊するゲル
がなく、その後のメチルエチルケトン/アセトン液での
遠心分離において、A液及びB液を溶媒に用いたときの
上澄の採取分には、ゴム状重合体が上記分析結果によっ
て定量できるほど、存在しないことをいう。
スチレンとの混合物)を、再度、各々別々に三角フラス
コに移して、メチルエチルケトン/アセトンの混合溶媒
(容積比で50/50)15mlでポリスチレンを溶解分散し、
それをセルに移して遠心分離(20,000rpmで5時間)に
付す。この遠心分離された沈澱物が粒子化したゴム状重
合体である。上澄液をメタノールに注ぎ、生じた沈澱物
を過乾燥したものが、ゴム状重合体が除かれた、マト
リックス部分のポリスチレンである。以上の分別秤量し
た結果から、粒子化されたゴム状重合体の密度分布曲線
が描かれる。密度が0.96g/cm3以下である粒子化ゴム状
重合体がないというのは、A液ではもちろん、B液での
遠心分離による分別操作の結果、実質的に浮遊するゲル
がなく、その後のメチルエチルケトン/アセトン液での
遠心分離において、A液及びB液を溶媒に用いたときの
上澄の採取分には、ゴム状重合体が上記分析結果によっ
て定量できるほど、存在しないことをいう。
(実施例) 以下の実施例及びこれと対比する比較例において、部
とあるのは特に断らない限り、重量部を意味する。
とあるのは特に断らない限り、重量部を意味する。
実施例1 ポリブタジエンゴム(旭化成社製、商品名アサプレン
755A)10部をスチレン82.5部とエチルベンゼン7.5部に
溶解し、これに重合開始剤としてターシャリーブチルパ
ーオキシベンゾエート0.0615部(上記ポリブタジエン、
スチレン及びエチルベンゼンの合計量100部に対する割
合)を加えて混合する。この原料溶液をドラフトチュー
ブ付で、ダブルヘリカル翼撹拌機を内装している第1反
応器(内容積25l)に8l/時の速度で、連続的に供給し
た。この反応器における温度は102℃、撹拌翼の回転速
度は80rpmとした。この反応器から出てくる生成物の重
合転化率は23%であり、位相差顕微鏡により観察したと
ころゴム状重合体は粒子化していた。
755A)10部をスチレン82.5部とエチルベンゼン7.5部に
溶解し、これに重合開始剤としてターシャリーブチルパ
ーオキシベンゾエート0.0615部(上記ポリブタジエン、
スチレン及びエチルベンゼンの合計量100部に対する割
合)を加えて混合する。この原料溶液をドラフトチュー
ブ付で、ダブルヘリカル翼撹拌機を内装している第1反
応器(内容積25l)に8l/時の速度で、連続的に供給し
た。この反応器における温度は102℃、撹拌翼の回転速
度は80rpmとした。この反応器から出てくる生成物の重
合転化率は23%であり、位相差顕微鏡により観察したと
ころゴム状重合体は粒子化していた。
一方、上記第1反応器と同じタイプであるが、内容積
が15lの第2反応器にスチレンを4l/時の速度で連続的に
供給する。第2反応器において温度は115℃、撹拌翼の
回転速度は80rpmとした。第2反応器から出てくる生成
物の重合転化率は20%であった。
が15lの第2反応器にスチレンを4l/時の速度で連続的に
供給する。第2反応器において温度は115℃、撹拌翼の
回転速度は80rpmとした。第2反応器から出てくる生成
物の重合転化率は20%であった。
上記第1及び第2の反応器の生成物排出口から抜き出
された、それぞれの重合液は配管中で合わされ、直ちに
ラインミキサー(桜製作所製オンレーター)に送られ
た。このラインミキサーは内容積2lであって、円筒状の
本体内部においては半楕円状のニーダーピンが内壁から
多数突出しており、一方回転するシャフトからは、上記
ニーダーピンと交錯するように同様のニーダーピンが多
数突出している構造からなる。上記シャフトは200rpmの
回転速度で運転された。
された、それぞれの重合液は配管中で合わされ、直ちに
ラインミキサー(桜製作所製オンレーター)に送られ
た。このラインミキサーは内容積2lであって、円筒状の
本体内部においては半楕円状のニーダーピンが内壁から
多数突出しており、一方回転するシャフトからは、上記
ニーダーピンと交錯するように同様のニーダーピンが多
数突出している構造からなる。上記シャフトは200rpmの
回転速度で運転された。
第1反応器でゴム状重合体は、すでに粒子化している
が、ラインミキサーを通過させることによりゴム粒子が
均一となり、粒径分布がせまくなることが認められた。
が、ラインミキサーを通過させることによりゴム粒子が
均一となり、粒径分布がせまくなることが認められた。
このラインミキサーではジャケットに110℃の加熱用
媒体が流されており、ラインミキサー出口における生成
物の重合転化率は24%であった。
媒体が流されており、ラインミキサー出口における生成
物の重合転化率は24%であった。
ラインミキサーから出た重合液は、直列に接続された
2段(2基)のプラグフロー型反応器に導入され、更に
重合を継続した。
2段(2基)のプラグフロー型反応器に導入され、更に
重合を継続した。
このプラグフロー型反応器は直径に対して高さの小さ
い8つの円筒状の撹拌室(撹拌翼は器壁とのクリアラン
スが、どの部分においても一定で、かつ撹拌室の大部分
を掃蕩する大型平板翼と、軸方向に3つに分割され、90
度づつの角度で配置された小型傾斜翼からなる)と、そ
れぞれの撹拌室間を連結する7つのシエルアンドチュー
ブ型の熱交換器とによって区切られた構造からなる。な
お、この塔型反応器はトレーサーを使用し、デルタ応答
法により完全混合槽の槽列としての理論値の、いくつの
値に相当するかを別途試験した結果、流量12l/時におい
ては相当槽数が11槽のプラグフロー型反応器として計算
されるものと、ほぼ同一であることが実測された。この
相当槽数は流量を変えても実質的に変化しない。本実施
例におけるプラグフロー型反応器は2段(2基)からな
るので、完全混合槽列モデルにおける相当槽数は22とな
る。
い8つの円筒状の撹拌室(撹拌翼は器壁とのクリアラン
スが、どの部分においても一定で、かつ撹拌室の大部分
を掃蕩する大型平板翼と、軸方向に3つに分割され、90
度づつの角度で配置された小型傾斜翼からなる)と、そ
れぞれの撹拌室間を連結する7つのシエルアンドチュー
ブ型の熱交換器とによって区切られた構造からなる。な
お、この塔型反応器はトレーサーを使用し、デルタ応答
法により完全混合槽の槽列としての理論値の、いくつの
値に相当するかを別途試験した結果、流量12l/時におい
ては相当槽数が11槽のプラグフロー型反応器として計算
されるものと、ほぼ同一であることが実測された。この
相当槽数は流量を変えても実質的に変化しない。本実施
例におけるプラグフロー型反応器は2段(2基)からな
るので、完全混合槽列モデルにおける相当槽数は22とな
る。
2段のプラグフロー型反応器の1段目の反応温度は入
口で121℃、出口で127℃であり、また撹拌翼の回転速度
は10rpmとした。重合転化率は出口で70%であった。
口で121℃、出口で127℃であり、また撹拌翼の回転速度
は10rpmとした。重合転化率は出口で70%であった。
2段目の反応器において、反応温度は入口で130℃、
出口で162℃であり、撹拌翼の回転速度は5rpmとした。
重合転化率は出口で90%であった。なお、2段目の反応
器の入口では、導入される反応混合物に対し、このもの
の100部当り1.0部の鉱油、0.05部のトリエチレングリコ
ール−ビス[3−(3−t−ブチル−5メチル−4ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]等の滑剤や安定剤を
少量のスチレンと共に添加した。
出口で162℃であり、撹拌翼の回転速度は5rpmとした。
重合転化率は出口で90%であった。なお、2段目の反応
器の入口では、導入される反応混合物に対し、このもの
の100部当り1.0部の鉱油、0.05部のトリエチレングリコ
ール−ビス[3−(3−t−ブチル−5メチル−4ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]等の滑剤や安定剤を
少量のスチレンと共に添加した。
2段目のプラグフロー型反応器の反応混合物排出口か
ら取り出された重合液は、調圧弁を経由して、多管のチ
ューブで加熱された後、15mmHgに減圧されて、230℃に
加熱されている脱揮室でフラッシュされ、未反応のスチ
レンが除去されるが、このとき溶媒のエチルベンゼン等
の低沸点物も除去される。低沸点物が除去された重合物
は脱揮室の底部からスクリューにより押出機に送られ、
ダイからストランドとして取出され、カッターで裁断さ
れて樹脂ペレットが得られた。この樹脂ペレットは約50
0ppmのスチレンとエチルベンゼンを残す所まで揮発分が
除かれていた。
ら取り出された重合液は、調圧弁を経由して、多管のチ
ューブで加熱された後、15mmHgに減圧されて、230℃に
加熱されている脱揮室でフラッシュされ、未反応のスチ
レンが除去されるが、このとき溶媒のエチルベンゼン等
の低沸点物も除去される。低沸点物が除去された重合物
は脱揮室の底部からスクリューにより押出機に送られ、
ダイからストランドとして取出され、カッターで裁断さ
れて樹脂ペレットが得られた。この樹脂ペレットは約50
0ppmのスチレンとエチルベンゼンを残す所まで揮発分が
除かれていた。
このようにして得られたゴム変性スチレン樹脂につい
て、以下のようにしてその特性、性能が評価された。
て、以下のようにしてその特性、性能が評価された。
樹脂中の分散ゴム粒子については、超薄切片法によ
る電子顕微鏡写真を撮影し、写真中のゴム粒子の形態を
観察すると共に、重量平均粒子径及び数平均粒子径を、
マーチン スイート社(米国ケンタッキー州ルイスビル
所在)製のモデル3000粒子アナライザーを用いて光沈降
法により測定し、下記の式によって算出した。
る電子顕微鏡写真を撮影し、写真中のゴム粒子の形態を
観察すると共に、重量平均粒子径及び数平均粒子径を、
マーチン スイート社(米国ケンタッキー州ルイスビル
所在)製のモデル3000粒子アナライザーを用いて光沈降
法により測定し、下記の式によって算出した。
重量平均粒子径(DW)=ΣniDi4/ΣniDi3 数平均粒子径(DN)=ΣniDi/Σni 上式において、Diは粒子径を上記測定器により級別し
たときの第i番目の級の代表値である。niは第i番目の
級に属するゴム状重合体粒子の数である。
たときの第i番目の級の代表値である。niは第i番目の
級に属するゴム状重合体粒子の数である。
ゴム粒径分布は式(DW/DN)による。
ゴム状重合体の密度(前述の通り) 光沢(%) シリンダー温度200℃で射出成形法により試験片を
得、その試験片(75mm×160mm×2.6mm)の中央部につい
てJIS Z8741(入射角60°)に準拠して光沢を測定し
た。
得、その試験片(75mm×160mm×2.6mm)の中央部につい
てJIS Z8741(入射角60°)に準拠して光沢を測定し
た。
落錘衝撃強度(kg・cm): デュポン式落錘衝撃試験機により、光沢測定用の射出
成形板を用いて測定した。
成形板を用いて測定した。
アイゾッド衝撃強度(kg・cm/cm): JIS K7110(ノッチ付)に準拠して測定した。
比較例1 ポリブタジエンゴム(旭化成社製、商品名アサプレン
755A)6.5部をスチレン86部とエチルベンゼン7.5部に溶
解し、重合開始剤としてターシャリーブチルパーオキシ
ベンゾエート0.0615部(スチレンとエチルベンゼンとポ
リブタジエンの合計量100部に対し)を混合する。この
原料液を内容積40lのドラフトチューブ付でダブルヘリ
カル翼撹拌機を内装している反応器に12l/時の速度で供
給した。温度は102℃、撹拌翼の回転速度は100rpmとし
た。重合転化率は24%であり、ゴムは粒子化していた。
反応器から排出された重合液はラインミキサーを通さず
に直接2段のプラグフロー型反応器に導いた。プラグフ
ロー型反応器以降は実施例1と同様の条件により樹脂製
品を得た。
755A)6.5部をスチレン86部とエチルベンゼン7.5部に溶
解し、重合開始剤としてターシャリーブチルパーオキシ
ベンゾエート0.0615部(スチレンとエチルベンゼンとポ
リブタジエンの合計量100部に対し)を混合する。この
原料液を内容積40lのドラフトチューブ付でダブルヘリ
カル翼撹拌機を内装している反応器に12l/時の速度で供
給した。温度は102℃、撹拌翼の回転速度は100rpmとし
た。重合転化率は24%であり、ゴムは粒子化していた。
反応器から排出された重合液はラインミキサーを通さず
に直接2段のプラグフロー型反応器に導いた。プラグフ
ロー型反応器以降は実施例1と同様の条件により樹脂製
品を得た。
比較例2 実施例1における内容積25lの第1反応器の撹拌翼の
回転速度を90rpmとし、第1反応器と第2反応器排出口
から抜き出された重合液を配管中で合わせ、ラインミキ
サーを通さずに、直接2段のプラグフロー型反応器に導
いた以外は実施例1と同様の条件により樹脂製品を得
た。
回転速度を90rpmとし、第1反応器と第2反応器排出口
から抜き出された重合液を配管中で合わせ、ラインミキ
サーを通さずに、直接2段のプラグフロー型反応器に導
いた以外は実施例1と同様の条件により樹脂製品を得
た。
比較例3 実施例1における内容積が25lと15lの第1及び第2反
応器を入れ替えて、内容積15lの反応器を第1反応器と
して、これにポリブタジエンゴムをスチレン及びエチル
ベンゼンに溶かした溶液を仕込み、一方内容積25lの反
応器を第2反応器とし、この中にスチレンを仕込み、そ
れぞれ重合を行なった。温度はそれぞれ102℃及び115℃
にし、撹拌翼の回転速度は両方共80rpmとした。重合転
化率はそれぞれ、14%及び33%とした。第1反応器でゴ
ムは粒子化されていなかった。
応器を入れ替えて、内容積15lの反応器を第1反応器と
して、これにポリブタジエンゴムをスチレン及びエチル
ベンゼンに溶かした溶液を仕込み、一方内容積25lの反
応器を第2反応器とし、この中にスチレンを仕込み、そ
れぞれ重合を行なった。温度はそれぞれ102℃及び115℃
にし、撹拌翼の回転速度は両方共80rpmとした。重合転
化率はそれぞれ、14%及び33%とした。第1反応器でゴ
ムは粒子化されていなかった。
ラインミキサー以降は実施例1と同様の条件により樹
脂製品を得た。
脂製品を得た。
比較例4 比較例1における内容積が25lの第1反応器のかわり
に内容積が40lのドラフトチューブ付のダブルヘリカル
翼撹拌機を内装している反応器を第1反応器として使用
した。温度は102℃であり、撹拌翼の回転速度は120rpm
とした。重合転化率は37%であり、ゴムは粒子化してい
た。それ以外は実施例1と同じ条件によって樹脂製品を
得たが、1段目と2段目のプラグフロー型反応器の出口
の重合転化率はそれぞれ65%及び92%であった。
に内容積が40lのドラフトチューブ付のダブルヘリカル
翼撹拌機を内装している反応器を第1反応器として使用
した。温度は102℃であり、撹拌翼の回転速度は120rpm
とした。重合転化率は37%であり、ゴムは粒子化してい
た。それ以外は実施例1と同じ条件によって樹脂製品を
得たが、1段目と2段目のプラグフロー型反応器の出口
の重合転化率はそれぞれ65%及び92%であった。
比較例5 実施例1におけると同じゴム溶液を、4.8l/時の速度
でドラフトチューブ付で、ダブルヘリカル翼を内装して
いる内容積15lの第1反応器に供給した。温度は102℃、
撹拌翼の回転速度は80rpmとした。重合転化率は23%で
あり、ゴムは粒子化していた。
でドラフトチューブ付で、ダブルヘリカル翼を内装して
いる内容積15lの第1反応器に供給した。温度は102℃、
撹拌翼の回転速度は80rpmとした。重合転化率は23%で
あり、ゴムは粒子化していた。
これとは別にスチレンを2.4l/時の速度でダブルヘリ
カル翼を内装している内容積9lの第2反応器に供給し
た。温度は115℃、撹拌翼の回転速度は80rpmとした。上
記第1反応器及び第2反応器から導出されてくる流れを
合わせてラインミキサーに通した後、液の一部はポンプ
を使用して系外に捨て、6l/時の流量として実施例1の
1段目のプラグフロー型反応器に通さずに、直接2段目
のプラグフロー型反応器に導いた。入口の温度は120
℃、出口の温度は164℃、出口の重合転化率は90%であ
った。その他は全べて実施例1と同様な操作で樹脂製品
を得た。
カル翼を内装している内容積9lの第2反応器に供給し
た。温度は115℃、撹拌翼の回転速度は80rpmとした。上
記第1反応器及び第2反応器から導出されてくる流れを
合わせてラインミキサーに通した後、液の一部はポンプ
を使用して系外に捨て、6l/時の流量として実施例1の
1段目のプラグフロー型反応器に通さずに、直接2段目
のプラグフロー型反応器に導いた。入口の温度は120
℃、出口の温度は164℃、出口の重合転化率は90%であ
った。その他は全べて実施例1と同様な操作で樹脂製品
を得た。
比較例6 実施例1におけると同じゴム溶液を12.8l/時の速度で
ドラフトチューブ付ダブルヘリカル翼を内装している内
容積40lの第1反応器に供給した。温度は102℃、撹拌翼
の回転速度は80rpmとした。重合転化率は23%であり、
ゴムは粒子化していた。
ドラフトチューブ付ダブルヘリカル翼を内装している内
容積40lの第1反応器に供給した。温度は102℃、撹拌翼
の回転速度は80rpmとした。重合転化率は23%であり、
ゴムは粒子化していた。
これとは別に、スチレンを6.4l/時の速度でドラフト
チューブ付でダブルヘリカル翼を内装している内容積25
lの第2反応器に供給した。温度は115℃、撹拌翼の回転
速度は80rpmとした。第1反応器及び第2反応器から出
てくる流れを合わせてラインミキサーに通した後、液の
一部をポンプを使用して系外に捨て、16l/時の流量とし
て、2段のプラグフロー型反応器に導いた。これ以降は
実施例1と同様な条件で操作し樹脂製品を得た。1段目
と2段目出口の生成物の重合転化率はそれぞれ52%及び
82%であった。
チューブ付でダブルヘリカル翼を内装している内容積25
lの第2反応器に供給した。温度は115℃、撹拌翼の回転
速度は80rpmとした。第1反応器及び第2反応器から出
てくる流れを合わせてラインミキサーに通した後、液の
一部をポンプを使用して系外に捨て、16l/時の流量とし
て、2段のプラグフロー型反応器に導いた。これ以降は
実施例1と同様な条件で操作し樹脂製品を得た。1段目
と2段目出口の生成物の重合転化率はそれぞれ52%及び
82%であった。
以上の実施例及び比較例の重合条件を第1表、得られ
た樹脂製品の評価結果を第2表に示す。
た樹脂製品の評価結果を第2表に示す。
実施例2 次の点を除き、その他は実施例1と同一の条件で操作
し、ゴム変性スチレン樹脂を製造した。即ち第1反応器
の温度を100℃とした。第1反応器から取り出される生
成物の重合転化率は20%であり、ゴム状重合体は粒子化
していた。また第2反応器における温度は117℃とし、
ここにおける重合転化率は23%であった。第1反応器及
び第2の反応器から抜きだされた重合液は一緒にされ、
実施例1におけると同じラインミキサーに導入され、撹
拌、混合されたが、その際の回転速度は300rpmとした。
し、ゴム変性スチレン樹脂を製造した。即ち第1反応器
の温度を100℃とした。第1反応器から取り出される生
成物の重合転化率は20%であり、ゴム状重合体は粒子化
していた。また第2反応器における温度は117℃とし、
ここにおける重合転化率は23%であった。第1反応器及
び第2の反応器から抜きだされた重合液は一緒にされ、
実施例1におけると同じラインミキサーに導入され、撹
拌、混合されたが、その際の回転速度は300rpmとした。
実施例3 実施例1で使用したラインミキサーを変えて、次のタ
イプのラインミキサー(特殊機化工業社製、ホモミツク
ラインフローミキサー)を用いた。即ち内容積は1.1
であり、下部に液入口、側部に液出口を有する容器であ
るが、液出口から取り出される液は容器上部の蓋との隙
間からオーバーフローしたものを外側の壁で囲まれたリ
ング状の溝から導かれる構造の容器からなる。その容器
中の下部の入口の直上にはステーター中に傾斜タービン
翼を有し、この回転で液を中心軸に沿って上昇させ、器
壁によって下降させるような循環流を発生させるライン
ミキサーである。このラインミキサーのタービンを2000
rpmで回転させた。上記以外は実施例1と同じ条件で操
作した。
イプのラインミキサー(特殊機化工業社製、ホモミツク
ラインフローミキサー)を用いた。即ち内容積は1.1
であり、下部に液入口、側部に液出口を有する容器であ
るが、液出口から取り出される液は容器上部の蓋との隙
間からオーバーフローしたものを外側の壁で囲まれたリ
ング状の溝から導かれる構造の容器からなる。その容器
中の下部の入口の直上にはステーター中に傾斜タービン
翼を有し、この回転で液を中心軸に沿って上昇させ、器
壁によって下降させるような循環流を発生させるライン
ミキサーである。このラインミキサーのタービンを2000
rpmで回転させた。上記以外は実施例1と同じ条件で操
作した。
上記実施例2及び3の操作条件を第3表、得られた樹
脂製品の評価を第4表に示す。
脂製品の評価を第4表に示す。
上記第3表中、*1の温度は、このラインミキサーに
はジャケットが設けられておらず、保温のみを行ったも
のである。
はジャケットが設けられておらず、保温のみを行ったも
のである。
(発明の効果) 従来、連続法によってゴム変性スチレン系樹脂を製造
するとき、得られる生成物はバッチ法によって製造され
たものに比べてその品質、特に耐衝撃性などの機械的強
度や光沢などの外観において優れたものでなかったが、
本発明は連続法によってバッチ法製品と同等以上の品質
を有するゴム変性スチレン系樹脂が得られる。
するとき、得られる生成物はバッチ法によって製造され
たものに比べてその品質、特に耐衝撃性などの機械的強
度や光沢などの外観において優れたものでなかったが、
本発明は連続法によってバッチ法製品と同等以上の品質
を有するゴム変性スチレン系樹脂が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】スチレン系単量体とゴム状重合体とを主体
とする原料溶液を完全混合型の第1反応器に連続的に仕
込んで重合反応を行なわせ、一方スチレン系単量体を主
体とする原料を、重合反応に用いられる型の第2反応器
に連続的に仕込んで重合反応を行なわせ、上記第1反応
器及び第2反応器から、それぞれ連続的に導出されてく
る生成物を、攪拌機を有するラインミキサーに併せて導
入して攪拌混合し、このラインミキサーから連続的に導
出されてくる生成物を、プラグフロー型反応器に導入し
て重合転化率を高め、しかる後、反応生成物から未反応
の単量体を脱揮してゴム変性スチレン系樹脂を連続的に
製造する方法であって、上記ラインミキサーの生成物出
口までに、ゴム状重合体はすでに粒子化されているが、
単量体から重合体への重合転化率が30%を越えない範囲
で重合が進められており、更に上記プラグフロー型反応
器は1基又は直列に接続された複数基の反応器からな
り、かつ完全混合槽列モデルにおける相当槽数が15以上
のものとし、このプラグフロー型反応器では重合体への
重合転化率が85〜95%の範囲まで重合されることを特徴
とする方法。 - 【請求項2】完全混合型の第1反応器で、ゴム状重合体
が粒子化するまで重合が行なわれる特許請求の範囲第1
項記載の方法。 - 【請求項3】スチレン系単量体とゴム状重合体とを主体
とする原料溶液を完全混合型の第1反応器に連続的に仕
込んで重合反応を行なわせ、一方スチレン系単量体を主
体とする原料を、重合反応に用いられる型の第2反応器
に連続的に仕込んで重合反応を行なわせ、上記第1反応
器及び第2反応器から、それぞれ連続的に導出されてく
る生成物を、攪拌機を有するラインミキサーに併せて導
入して攪拌混合し、このラインミキサーから連続的に導
出されてくる生成物を、1基又は直列に接続された複数
基の反応器からなり、かつ完全混合槽列モデルにおける
相当槽数が15以上であるプラグフロー型反応器に導入し
て重合転化率を高め、しかる後、反応生成物から未反応
の単量体を脱揮することによって連続的に得られるスチ
レン系樹脂中にゴム状重合体3〜20重量%がゴム粒子と
して分散してなるゴム変性スチレン系樹脂組成物であっ
て、かつ密度が25℃において0.96g/cm3以下の粒子化し
ているゴム状重合体を実質的に有しないことを特徴とす
るゴム変性スチレン系樹脂組成物。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1134756A JPH082934B2 (ja) | 1989-05-30 | 1989-05-30 | ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法及び樹脂組成物 |
US07/527,947 US5194491A (en) | 1989-05-30 | 1990-05-24 | Process for producing rubber-modified styrene resin, and resin composition |
AU56016/90A AU623013B2 (en) | 1989-05-30 | 1990-05-28 | Process for producing rubber-modified styrene resin, and resin composition |
BR909002524A BR9002524A (pt) | 1989-05-30 | 1990-05-29 | Processo para a producao continua de uma resina de estireno modificada com borracha,e resina de estireno modificada com borracha particulada |
DE4017281A DE4017281A1 (de) | 1989-05-30 | 1990-05-29 | Verfahren zur herstellung von kautschuk-modifiziertem styrolharz und harzmassen |
AR90316969A AR245458A1 (es) | 1989-05-30 | 1990-05-30 | Un procedimiento para producir continuamente una resina de estireno modificada por goma, y la resina de estireno modificada obtenida. |
KR1019900007891A KR970005478B1 (ko) | 1989-05-30 | 1990-05-30 | 고무-개질된스티렌수지의제조방법및수지조성물 |
MX2094890A MX172973B (es) | 1989-05-30 | 1990-05-30 | , "procedimiento para producir resina de estireno modificada con caucho y composicion de resina |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1134756A JPH082934B2 (ja) | 1989-05-30 | 1989-05-30 | ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法及び樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03711A JPH03711A (ja) | 1991-01-07 |
JPH082934B2 true JPH082934B2 (ja) | 1996-01-17 |
Family
ID=15135829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1134756A Expired - Fee Related JPH082934B2 (ja) | 1989-05-30 | 1989-05-30 | ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法及び樹脂組成物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH082934B2 (ja) |
MX (1) | MX172973B (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2820458B1 (fr) | 2001-02-05 | 2003-06-20 | Renault | Dispositif automatique de regulation du niveau d'huile dans un moteur thermique a 4 temps |
-
1989
- 1989-05-30 JP JP1134756A patent/JPH082934B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1990
- 1990-05-30 MX MX2094890A patent/MX172973B/es unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
MX172973B (es) | 1994-01-26 |
JPH03711A (ja) | 1991-01-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |