JP2002308908A - 耐衝撃性モノビニル芳香族重合体の製造方法 - Google Patents
耐衝撃性モノビニル芳香族重合体の製造方法Info
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Abstract
含有モノビニル芳香族重合体を提供する。 【解決手段】 例えば、溶解したポリブタジエンゴムを
含有するスチレンモノマーを、3つの反応ゾーンを含有
する細長い上向き流れ攪拌反応器に流し、スチレンとゴ
ムを反転点を通過して重合させ、次いで排出して少なく
とも1基の追加の反応器に入れて重合体への転化を継続
させることからなる方法により、高耐衝撃性ポリスチレ
ンを得ることができる。
Description
重合体の連続的製造方法に関する。
エラストマー変性モノビニル芳香族重合体の連続的製造
方法に向けられており、そしてより詳細には、、良好な
温度制御及び最終製品のゴム粒子径(RPS)の改良さ
れた制御を可能にする、通常の反転前(pre-inversion)
反応器(PIR)に代えて独特なデザインの第一反応器
を用いた、効率的かつ経済的なHIPSの製造方法及び
製造装置を開示する。
解したゴムの存在下でのスチレンモノマーの重合から成
る。まず最初に、ポリスチレンが均一ゴム溶液中でスチ
レンモノマーから形成される。HIPSの製造において
用いられる一般的なゴムの種類の例としては、ポリブタ
ジエン(PB)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、及びスチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SB
S)が挙げられる。HIPS材料を製造するための現行
の方法では、最も一般的には、ゴムとスチレン粒子のグ
ラフト反応を制御し、そして材料のRPS特性を制御す
る初期の製造工程において2基の連続攪拌槽反応器(C
STR)が用いられている。CSTR反応器の使用を開
示している先行技術の1つの例が、Echteに与えら
れた特許、米国特許第4567232号である。
特許、それは上記したEchte特許の改良であるが、
は、Sosa等に与えられた特許、米国特許第4777
210号であり、この特許は引用することにより本明細
書中に組み込まれるものとする。Sosa特許では、こ
の方法のPIR部として特徴付けられる最初のCSTR
が、反応している溶液を、ゴム/スチレン反転点即ち、
反応している溶液がゴム/スチレンモノマーマトリック
ス中のポリスチレン粒子から、ポリスチレンマトリック
ス中のゴム粒子に進む点、の前の点に維持する条件で運
転されている。反転点は、Sosa特許により教示され
る方法では、第2のCSTR槽で達成される。Sosa
特許は、反転点を決定する一つの鍵となる要素が反応溶
液の粘度であることを教示している。
連特許の例として、発明者がMorita等で、198
7年7月22日出願で公開番号が0254304B1で
ある欧州特許明細書が挙げられる。この特許は、狭い分
布を示すようにRPSを制御することを目的としてい
る。このことは、スタチックミキサーを備えた多重管反
応器を用いて達成される。
号では、射出成型用のポリスチレンを製造する連続的方
法が開示されており、ポリスチレンは、スチレンモノマ
ー及び重合可能な不飽和脂肪酸から、固定した複数の攪
拌部材を内側に備えた管状反応器を用いて製造される。
9号では、ポリスチレンが重合溶媒として芳香族又は脂
環式炭化水素ではなく脂肪族炭化水素を用いて重合され
る、応力割れ抵抗性が改良されたHIPS材料の製造が
教示されている。HIPS材料の製造法を教示している
他の特許の例として、Bronstertの米国特許第
3658946号及びMittnacht等の米国特許
第4144204号が挙げられる。
tedipe S.r.I.,に譲渡された欧州特許出
願第0400479号には、モノビニル芳香族モノマー
を、ゴム、シアン化ビニルコモノマー及び希釈剤と共に
重合する際に、複数の反応ゾーンを有する下方に流れる
ように構成された栓流反応器を用いる、HIPS材料の
製造方法が開示されている。
Chemicals(international)
S.A.に譲渡された、Cantrill及びDoyl
eの2つの特許、米国特許第5551859号及びカナ
ダ特許第2136655号では、樹脂相中に分散したゴ
ム様複合物粒子を含んで成る安定な部分的に重合したシ
ロップを、このシロップを加圧下で高剪断力にかけるこ
とにより、ゴム様複合物と樹脂相が共連続的である隼安
定シロップに転化する方法が開示されている。
方法の極めて重要な問題の1つは、第1反応器でのグラ
フト反応とRPS分布の制御能力である。先行技術の方
法は全て、一般的にはこれらの特性を制御するためにP
IR型反応器を利用している。第1反応器で低転化率を
維持するために反応はゆっくりと起こるので、反応熱は
反応を維持するのに十分でなく、良好な温度制御を維持
するためには溶液に熱を加えるために予熱器を用いねば
ならない。エラストマー含量が5重量%未満の供給溶液
を用いるHIPS製造方法の場合に、このことは特に真
実である。
こる他の問題を引き起こしている。先行技術プロセス設
計に伴う問題は、その多くが、最初に予熱器によって反
応液に導入される追加の熱に起因して生じる反応器から
の過剰の反応熱を取り除くために、第2段階の反応器の
1つに内部熱交換管を用いなければならないことであ
る。
び内部管式熱交換器の必要性を大いに減少させ多くの場
合には無くする方法を提供することにより、これらの問
題を克服するものである。
のCSTR型の第1反応器を、通常のPIR型反応器よ
り非常に大きい高さ対直径(H/D)比を持った、より
長くより細い反応器で置き換えることにより、先行技術
のHIPS製造プロセスの欠点を克服する。
一般的に工程の最初の段階に少なくとも2基のCSTR
槽が存在する。それぞれのCSTRは互いに類似してい
る。これらの反応器は、1組の攪拌翼が一般的にその中
央の垂直軸に沿って回転可能に配置されている、槽を含
んで成っている。通常のCSTR槽は、垂直長さ又は高
さが槽の横の直径と等しいか或いは若干長い程度であっ
て、一般的に約1.5を超えない高さ対直径(H/D)
比を持った、円筒状の反応部を持っている。
sa特許では、最初の2基のCSTR槽は反転前反応器
と反転反応器から構成されている。通常のHIPS法に
おいては、最初の反応器即ち反転前反応器では低い転化
率に制御する必要性があるために、発生する重合熱が反
応を維持するには不十分であり、従って、最初のCST
R反応器での反応の前に、ゴム/スチレンモノマー供給
原料を加熱するために予熱器を用いなければならない。
反応器を、H/D比が3〜4の反応室を持った細長い上
向き流れ反応器(EUR)で置き換えることによって、
予熱器の必要性が無くなり、そして製造速度を通常の方
法より顕著に増加させることも可能になる。この反応器
は依然としてCSTRと同様な攪拌反応器であるにかか
わらず、EURデザインが、Sosa特許において2基
の最初のCSTR反応器の下流で使用されている栓流反
応器と同様な働きをする。しかしながら、EURは栓流
反応器ではなく、攪拌反応器である。反応器設計での経
験者は、一次及び二次反応に関しては、3〜4基のCS
TR型反応器を直列に連結すると、栓流反応器の性能に
約85〜90%内で近ずくことが分かるであろう。6〜
10基のCSTR型反応器を直列で使用すると、栓流反
応器の約95%以内にまで性能を向上させるであろう。
このようにして、より多くのCSTRを直列に追加する
と、得られる効果は減衰していく(J.Butt、RE
ACTION KINETICS AND REACT
OR DESIGN、Prentice Hall、1
980)。放射状流れインペラーを適切に選択すること
により、EURは、直列に連結した3〜5基のCSTR
型反応器に近づくことが可能である。更に、EURは、
2基以上のCSTR或いは1基のEUR及び1基以上の
CSTRの代わりに直列の2基のEURを提供して、第
二のCSTR型反応器を置き換えることが可能である。
第一EURに第二EURを加えることで、適切な攪拌及
び冷却が共に組み込まれるならば、工程は栓流反応器の
性能により近づくことができる。本発明者らは、EUR
のこの考えは、共重合体又は他のエラストマー強靱化プ
ラスチックスの重合にも応用することができるとも考え
ている。
れていて、高い細い反応槽102からなっており、反応
器は円筒状であることが好ましく、Hで示される軸高さ
とDで示される直径を持っている。1つの好ましい態様
では、H/D比は3.0である。櫂型攪拌機系103
は、中心垂直軸に沿って配置されており、剪断力と反応
溶液のゴムとスチレン成分との混合を提供し、形成され
たゲル粒子が塊になるのを防止する。示されていない
が、熱油ジャケット又は電気的加熱部材からなる加熱シ
ステムが、このプロセスの最初の操作前に操作条件に槽
をもっていくためにだけ、EUR槽の周りに備え付けら
れていてもよい。一旦反応が定常状態に入ると、加熱シ
ステムは閉鎖され、運転が継続する限り必要でない。
位置し、反応器の底部へ供給物を供給するように配置さ
れている。頂部で、部分的に重合したHIPS及び未重
合反応物(reactant)を排出するために、排出導管105
が反応器の頂部から出ている。槽101の頂部にはま
た、以下に更に詳しく記載する、槽の上部で発生した蒸
気を回収するための蒸気回収ライン106がある。
なる段階に対応して区分けされるように定められる。図
でZ1で示されている最初のゾーンは、重合反応が開始
し、反応熱が発生する場所である。中間ゾーンZ2は、
反応物の相反転が生じる反転ゾーンであり、そしてトッ
プゾーンZ3は反応流れの固形分含量が顕著に増加する
場所である。また、過剰の反応熱はトップゾーンで未反
応スチレンモノマーと他の軽い成分を蒸発させることに
よって除去され、発生する蒸気は回収され、凝縮され、
凝縮器(図示していない)への回収ライン106を通し
て回収される。1つの好ましい実施態様においては、E
URの全容量は、EUR反応器の直接下流にあり導管1
05を通して生成物を受け入れる第二の通常のCSTR
反応器とほぼ同じである。
e55(Firestone Tire & Rubb
er Co.,によって製造された)と呼ばれているポ
リブタジエンゴムのようなエラストマーがスチレンモノ
マーに溶解している溶液を含んで成る供給原料を、添付
表1に開示したような開始剤とともに、EUR101の
ゾーンZ1に供給ライン104経由して導入する。前に
述べたように、高温油又は電気的な加熱素子のようなス
タートアップ用の一時的な加熱源を使用して反応器を操
作条件に持っていき、次いでその熱源を取り除く。攪拌
翼103を先端速度約60〜約150フィート/分で溶
液中で回転させて溶液にせん断を与え、ゲル粒子が反応
器中で生成したときに凝集することを防止する。
h Riverside Rd.,Chicago,I
L; ATOFINA Chemicals,Mark
etStreet,Philadelphia,P
a.;及びAztec Peroxides,In
c.,7600 West Tidwell,Hous
ton,Texas,から市販されている。NDMはn
−ドデシルメルカプタンであり、連鎖移動剤である。
ーの重合は反応器101のゾーンZ1で急速に開始す
る。これにより、溶液が反応器中を上昇するにつれて、
重合反応をゾーンZ2での反転工程に移行させるのに十
分な熱を発生する。溶液がZ2を通過する間に、溶液は
反転を達成し、スチレン及びポリスチレン混合物のマト
リックス中にゴム粒子が含有された溶液となる。
らにスチレンモノマーがゴム粒子の周囲及び内部で重合
するので混合物のパーセント固形分が増加する。この時
点までに、反応熱は、ゾーンZ3において、スチレン及
びエチルベンゼンのような溶液中の軽質成分並びに開始
剤の副生成物を蒸発させるのに充分になり、その蒸発し
た生成物は、ライン106を通って容器から除去される
時、反応器から熱を取り去る役割を果たす。
材料は、H/D比が3の細長い上向き流れ反応器で製造
に成功し、一方連続式予熱器及び内管式熱交換器は両方
とも使用しなかった。望ましいRPS分布も得られ、反
応器の能力は、より大型のCSTR型反応器に比較して
著しく増大した。
るために、本発明の方法及び通常の方法を用いて2重セ
ットのデータを収集した。通常の方法は、フルサイズの
操業プラントを運転するかのように正確に、しかし非常
に小さい規模で、運転するように意図された現存するパ
イロットプラントで運転した。このパイロットプラント
は予熱器及び一対のCSTR反応器を使用し、続いて転
化率を上昇させるためのPFRタイプ反応器及び反応熱
を除去するための蒸気凝縮器を使用した。
ラメーターに対応するパラメーターを使用して、しかし
より小さいスケールの実験室反応器系で実施した。図2
は、両方の反応器の出発ゴム供給レベルを4%とした場
合の、実験室工程におけるEUR反応器からの生成物の
試料(曲線A−A)及びパイロットプラントからの通常
のCSTRタイプの反応器からの生成物の試料(曲線B
−B)の、揮発分除去(devolatolization)後の%ゴムの
関数としてのゲル対ゴム比(G/R)を示すグラフであ
る。液化後のゴム%比の全てにおいて、EUR反応器は
通常のCSTR反応器のG/Rよりも顕著に高いG/R
比を示す。例えば、8%ゴム水準においてEUR試料の
G/Rは約2.4であり、一方CSTR試料はG/Rが
わずか2.0であり、EURの場合が約20%大きい。
この比、即ちG/Rは、方法の「ゴム効率」、即ち類似
の生成物品質を得るのに使用しなければならないゴムの
量を表すので、HIPS材料の製造において重要であ
る。HIPS材料において一組の所望の特性を得るのに
必要なゴムが少ないほどその方法はより効率的である。
G/R比は膨潤指数11において比較される。
の下流に設置した通常のCSTR型ラボ反応器に供給す
る最初のEUR型実験室反応器を使用して、実験室工程
による各種の実験に関するデータを表にまとめてある。
この実験室反応系による種々の実験は、重合系において
使用する開始剤の種類によって変化した。本発明の方法
の二つのタイプの反応器における異なった開始剤の影響
を明らかにするために、各々の開始剤実験に関する試料
を各々の反応器から抜き出した。
のサイズ分布(RPSD)及びゴムの形態(morphology)
の両方がHIPS材料の衝撃特性に非常に貢献すること
は周知である。この事を具体的に示すために、優れたR
PSD及び形態特性を与えることで知られる特定の反応
器で製造したHIPS材料のTEM顕微鏡写真を図4に
示す。この材料は、反応熱を除去し、暴走反応が反応器
内部で重合体を固化させることを防ぐために反応器の内
部に複雑な冷却用コイルを有する栓流型の反応器で商業
的に製造された。この方法は、反応器及び内部コイル系
の複雑さのため、そして転化速度及び生産速度を厳密に
制限するようにゆっくりと進行させなければならないた
めに、遅くそして実施するのに非常に高い費用がかか
る。しかしながら、この遅速で非効率そして複雑な系
は、より容易に、簡単にそしてより速い方法で製造した
HIPS材料が比較対照として用いることができる基準
試料を製造することができる。
と、この材料は非常に小さな粒子も非常に大きな粒子も
過剰には含有していない望ましいゴム粒子分布を有する
ことがわかる。また、形態を吟味すると、外形及び構造
が一貫して均一である望ましい「ハチの巣状」粒子構造
であることがわかる。この形態を有する粒子によって、
ゴムは非常に効率よく使用され、良好な強度及び耐応力
クラック性を有する最終HIPS製品が得られる。
STR反応器、続いて最後に1器のPFR型反応器を有
する上記のパイロットプラントで製造したHIPS材料
のTEM顕微鏡写真である。図5は第1CSTR反応器
からの試料を示し、図6は第2CSTR反応器からの試
料を示す。これらの二つの試料は、図4の基準試料とは
比較にならない劣ったRPSD及び劣った形態を有す
る。図5及び図6の二つの顕微鏡写真は、それぞれ1.
2対1及び1.5対1のH/D比を使用したパイロット
プラントにおける二つのCSTR型反応器からの試料の
顕微鏡写真を表す。[20〜60%の範囲の%固形分を
持つ試料の形態を「凍結」するためにその試料を225
℃で25分間真空で揮発分を除去する。次いで試料を顕
微鏡用に薄片切断して四酸化オスミウムで着色してゴム
とポリスチレンとの間のコンストラストを得、そして写
真を撮る。暗色領域は試料中のゴムによって形成され
る。] 当業者はまた、図4のHIPS樹脂は、写真の暗色線で
表されるゴム粒子が白色スポットで表される大きなポリ
スチレン混在物を含有する点において、より均一なRP
SDを有することを認識するであろう。図4の材料のゴ
ム効率(G/R)は3.4であると計算され、一方、図
5の材料のゴム効率(G/R)は2.5に過ぎなくて殆
ど約30%減少している。[G(%ゲル)は、最初に樹
脂をトルエンに溶解して、遠心力によりゲル分を分離
し、次いで湿潤ゲルを乾燥することによって測定する。
次にPercent Gel(%ゲル)をこの乾燥残分
から、式:%ゲル=100×乾燥ゲルの重量/試料の最
初の重量、によって計算する。%ゴムは、公知の一塩化
ヨウ素(I−Cl)滴定法によって測定する。] 図7及び図8に、図5及び図6における通常の材料より
も図4における基準材料により類似した形態を有するH
IPS材料の実施例を示す。図7及び図8の写真で示す
試料は、本発明のEUR型反応器、続いて通常のCST
R型反応器で、H/D比がそれぞれ3.5対1及び1.
2対1である反応器から成る上記の実験室系で製造し
た。図7及び8のEUR試料のRPSDは、大きい粒子
が均等に形成されていて小さい粒子が多くなく、優れた
分布である。また、大きい粒子の形態が優れており、図
4の基準試料の形態に近い。
ような一般の連鎖移動剤と共に使用して、本発明を用い
て得ることができる種々のゴム粒子サイズ分布及び形態
を示す。それらの図は、図3の表に記載されたデータと
関係付けることができる。例えば、図9は、実験No.
1、EUR反応器を表し、図10はEUR反応器の実験
No.4を表し、図11は実験No.1CSTR反応器
を表し、図12は実験No.3CSTR反応器を表す。
図9及び10はEUR直後のゴム粒子の形態を示し、そ
して図10及び11は第2CSTR直後の形態を示す。
EURが、重合反応に反転点を超えさせる条件で運転さ
れたことは明らかである。EURの攪拌翼の先端速度を
遅くすれば、生成する粒子を5〜15ミクロンの範囲に
保つことができる。しかしながら、粒子サイズは、第2
CSTRで、媒体の粘度及び溶液に与えるせん断速度を
調整することによって縮小される。EURは、通常、開
始剤のレベル、温度及び滞留時間を調整して、第2ゾー
ンでの反転を確実にする条件下で運転する。
の直後の反応物溶液の形態を示す。図13はEUR系に
おいて開始剤を使用しないで純粋に熱反応を行った試料
である。この実験のRPSD及び形態は、図4の基準試
料のRPSD及び形態と殆ど同一である。しかしなが
ら、本発明を純粋に熱反応で実施した場合、速度は非常
に遅く、そして生産速度又は転化速度は経済的に実行不
可能なほど遅い。図14は、TAEC開始剤を200p
pm用いたEUR反応器での実験であり、RPSDは良
好であるが、形態については、不規則な形状の大粒子が
若干存在するので期待したほど良好ではない。図15は
開始剤Trigonox17を200ppm用いてEU
Rで製造した試料である。この試料は優れた形態を示す
ががRPSDは所望の基準とはかけ離れている。
R系において得られる形態は、適切な開始剤を選ぶこと
によって変更することができ、そして、1.2及び1.
5のH/Dを有する2基の通常のCSTR型反応器を用
いたパイロットプラントで製造した試料から得られる形
態よりもより良好であることを示している。EUR系に
おいて各種の開始剤を用いて低固形物含量で製造した材
料の形態は、その形態が充分に明確ではないことを示し
ている。固形分のレベルが上昇するに従って、油中油エ
マルジョンはより安定になり、そして形態はより明確に
なる。例えば、図13は、望ましくない極小粒子が存在
しないことが注目され、良好な形態及び良好なRPSD
を示す。しかしながらこの試料のPS混在物は、図7及
び8の試料のPS混在物のように十分には輪郭が明確で
はない。しかし図14及び15は、ある種の開始剤を使
用すると不規則な粒子及び小さいPS混在物が生成する
ことを示している。
適切な開始剤を選択してEUR系を使用すると、安定し
た均一な粒子が形成されそしてRPSDの制御及び粒子
の形態の制御が可能となることである。3.5H/D又
は4.0H/D比を有するEURを使用すれば、最初の
反応器において栓流状態での反転に近付き、そして、攪
拌機の先端速度で表されるせん断速度が適切ならば、R
PSD及び形態はEURにおいてきちんと制御すること
が可能である。本発明は、栓流状態に近似させるために
細長い反応槽を使用するという着想と、一方、効率的な
熱制御(熱除去)を行うために「沸騰」型の反応器を使
用することの優位性とを結びつけるものである。
10%であり第2のCSTRでの転化率が25%である
従来の方法に比べて非常に小さい転化率の変化を伴って
進行することが可能であること、(b)通常の方法より
狭いRPS分布を、EUR反応器のPFR的性質並びに
温度及び転化速度のより厳密な制御によって、本発明を
用いて得ることができること、(c)エネルギー負荷の
減少を、供給物用予熱器及びチューブ型内部熱交換器を
設置しないことによって、達成することができること、
そして(d)EUR反応器は、ほぼ同一の容積の反応槽
を使用する通常の反応器の少なくとも2倍の転化率で運
転できるので、プラント能力を増強することができる。
本発明は開示そのものに限定されるものではなく、説明
し具体例を示した本方法に対して、本発明の精神からそ
して請求項の範囲から逸脱する事なしに各種の変更及び
修正を行うことが可能であることは当業者には明らかで
あろう。
以下に列挙する。 1. スチレンモノマーをそれに溶解したエラストマー
の存在下で重合させる高耐衝撃性ポリスチレンの、少な
くとも1基の連続攪拌槽反応器を使用する連続製造方法
であって、栓流の特性を有する細長い攪拌槽反応器を最
初の反応器として使用し、該細長い攪拌槽反応器が、長
さ対直径比が約2を超える反応ゾーンを備えていること
を含んで成る方法。 2. 該細長い攪拌槽反応器が、上向き流れになるよう
に構成されている、上記1項に記載の方法。 3. 細長い反応器の前に設置された連続運転用の予熱
器が存在しない、上記2項に記載の方法。 4. 少なくとも100PPMの量の開始剤を、該細長
い反応器の中のスチレンモノマー/エラストマー溶液中
で使用する、上記3項に記載の方法。 5. 該細長い反応器の反応ゾーンの長さ対直径比が約
3〜約4である、上記2項に記載の方法。 6. 該攪拌槽反応器に、少なくとも1個の櫂型攪拌機
が、回転可能に設置されておりそして先端速度が約60
〜約150フィート/分で回転するように調整されてい
る、上記2項に記載の方法。 7. 該攪拌槽反応器に、少なくとも1個の櫂型攪拌機
が、回転可能に設置されておりそして先端速度が約60
〜約150フィート/分で回転するように調整されてい
る、上記5項に記載の方法。 8. 該細長い反応器が、少なくとも3つの反応ゾー
ン、底部反転前ゾーン、中部反転ゾーン及び上部熱蒸発
ゾーンを含んで成る、上記2項に記載の方法。 9. 該細長い反応器が、その上端に、該上部熱蒸発ゾ
ーンと連通している蒸気回収用導管を有している、上記
8項に記載の方法。 10. 該方法が、該細長い反応器の下流に設置され
た、少なくとも1基の連続攪拌槽反応器及び少なくとも
1基の栓流反応器を更に含んで成る、上記8項に記載の
方法。 11. 細長い反応器中の固形分%を、工程への供給物
に含まれるエラストマーの最初の含量の約2〜3倍に維
持し、それによって反転が確実に細長い反応器中で行わ
れるようにする、上記8項に記載の方法。 12. エラストマー変成ポリスチレンの連続製造方法
であって、次各段階: A.最初の、予備加熱していない、エラストマー及びス
チレンモノマーの供給原料溶液を、細長い上向き流れ反
応器に、該反応器を先ず運転温度に加温した後導入する
こと、 B.供給原料を該反応器に導入しながら、重合開始剤を
該供給原料溶液に添加すること、 C.該溶液を該反応器中で上向きに流して該スチレンモ
ノマー、エラストマー及び開始剤を反応させ、スチレン
−エラストマー粒子を含有する部分重合溶液を形成し、
そして、該反応段階が、該溶液に反転点を通過させるこ
と、 D.先端速度が約60〜約150フィート/分である回
転櫂型攪拌翼を用いて該溶液を攪拌することによって、
該反応器中で形成される粒子のサイズを制御すること、 E.該溶液を該反応器中で上向きに移動させながら該反
応器中で該溶液を反応させ続け、それによって該反応を
該反転点をかなり超えて進行させること、及び F.該溶液を第2の攪拌反応器に流し、溶液のエラスト
マー変成ポリスチレンへの更なる転化を達成することを
含んで成る方法。 13. 該開始剤が過酸化物開始剤であり、該第2の攪
拌反応器が連続攪拌槽反応器である、上記12項に記載
の方法。 14. 該開始剤が過酸化物開始剤であり、該第2の攪
拌反応器が細長い上向き流れ反応器である、上記12項
に記載の方法。
ある。
る種々の%のゴム反応に対するゲル対ゴム比(G/R)
を、通常のHIPS CSTR反応器での同じ%と比較
したグラフである。
に対する、実験条件の一覧表である。
過電子顕微鏡(TEM)技術による顕微鏡写真である。
パイロットプラントで製造されたHIPS試料のTEM
顕微鏡写真である。
応器で製造されたHIPS試料のTEM顕微鏡写真であ
る。
応器で製造されたHIPS試料のTEM顕微鏡写真であ
る。
CSTR反応器を使用した実験室用反応器のセットで製
造されたHIPS試料のTEM顕微鏡写真である。
びCSTR反応器を使用した実験室用反応器のセットで
製造されたHIPS試料のTEM顕微鏡写真である。
びCSTR反応器を使用した実験室用反応器のセットで
製造されたHIPS試料のTEM顕微鏡写真である。
びCSTR反応器を使用した実験室用反応器のセットで
製造されたHIPS試料のTEM顕微鏡写真である。
びCSTR反応器を使用した実験室用反応器のセットで
製造されたHIPS試料のTEM顕微鏡写真である。
びCSTR反応器を使用した実験室用反応器のセットで
製造されたHIPS試料のTEM顕微鏡写真である。
びCSTR反応器を使用した実験室用反応器のセットで
製造されたHIPS試料のTEM顕微鏡写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】 スチレンモノマーをそれに溶解したエラ
ストマーの存在下で重合させる高耐衝撃性ポリスチレン
の、少なくとも1基の連続攪拌槽反応器を使用する連続
製造方法であって、栓流の特性を有する細長い攪拌槽反
応器を最初の反応器として使用し、該細長い攪拌槽反応
器が、長さ対直径比が約2を超える反応ゾーンを備えて
いることを含んで成る方法。 - 【請求項2】 エラストマー変成ポリスチレンの連続製
造方法であって、次各段階: A.最初の、予備加熱していない、エラストマー及びス
チレンモノマーの供給原料溶液を、細長い上向き流れ反
応器に、該反応器を先ず運転温度に加温した後導入する
こと、 B.供給原料を該反応器に導入しながら、重合開始剤を
該供給原料溶液に添加すること、 C.該溶液を該反応器中で上向きに流して該スチレンモ
ノマー、エラストマー及び開始剤を反応させ、スチレン
−エラストマー粒子を含有する部分重合溶液を形成し、
そして、該反応段階が、該溶液に反転点を通過させるこ
と、 D.先端速度が約60〜約150フィート/分である回
転櫂型攪拌翼を用いて該溶液を攪拌することによって、
該反応器中で形成される粒子のサイズを制御すること、 E.該溶液を該反応器中で上向きに移動させながら該反
応器中で該溶液を反応させ続け、それによって該反応を
該反転点をかなり超えて進行させること、及び F.該溶液を第2の攪拌反応器に流し、溶液のエラスト
マー変成ポリスチレンへの更なる転化を達成すること を含んで成る方法。
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