JPH07112953A - ヒドロキシ酢酸の製造方法およびこれに用いる触媒 - Google Patents

ヒドロキシ酢酸の製造方法およびこれに用いる触媒

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JPH07112953A
JPH07112953A JP5256116A JP25611693A JPH07112953A JP H07112953 A JPH07112953 A JP H07112953A JP 5256116 A JP5256116 A JP 5256116A JP 25611693 A JP25611693 A JP 25611693A JP H07112953 A JPH07112953 A JP H07112953A
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monoethylene glycol
reaction
iridium
hydroxyacetic acid
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Tomoharu Oku
智治 奥
Yoshiyuki Onda
義幸 恩田
Hideaki Tsuneki
英昭 常木
Yukio Sumino
幸男 角野
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モノエチレングリコールからヒドロキシ酢酸
を選択的に製造する新規な経済性に優れる方法を提供す
ることにある。 【構成】 モノエチレングリコールをイリジウム触媒の
存在下に水性溶媒中で、分子状酸素含有ガスにより酸化
することを特徴とするヒドロキシ酢酸の製造方法。およ
びイリジウムを多孔性不活性担体に担持してなるモノエ
チレングリコールを分子状酸素含有ガスにより酸化して
ヒドロキシ酢酸を製造するための触媒。 【効果】 本発明の方法によりモノエチレングリコール
からヒドロキシ酢酸が高収率、高選択率で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシ酢酸の製造
方法およびこれに用いる触媒に関する。更に詳しくは、
モノエチレングリコールをイリジウム触媒の存在下に、
水性溶媒中で、分子状酸素含有ガスにより酸化すること
によってヒドロキシ酢酸を選択的に製造する方法および
これに用いる触媒に関するものである。ヒドロキシ酢酸
は、清缶剤、皮なめし剤、医農薬や化粧品の合成原料、
有機薬品合成原料、キレート剤、ポリエステルや高分子
界面活性剤の原料として工業的に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシ酢酸(一般にグリコール酸と
も言う)の製造方法としては、従来、酸性触媒の存在下
に、ホルムアルデヒド、一酸化炭素および水から製造す
る方法(米国特許第2153064号)が知られてい
る。しかしながら、この方法は、高温高圧下の過酷な反
応条件が必要であるため、製造設備が高額となるという
問題点がある。また、特開昭61−277649号で
は、モノエチレングリコールを酸化して得られるグリオ
キサールを、水と硝酸アンモニウムなどの無機酸塩の存
在下に反応させてヒドロキシ酢酸を得る方法が提案され
ているが、触媒の除去や、モノエチレングリコールから
一旦グリオキサールを製造する必要があり、プロセスが
繁雑となるという問題点がある。
【0003】グリコールを酸化して直接一段でモノまた
はジカルボン酸(塩)を製造する方法が提案されてお
り、幾つかヒドロキシ酢酸に関するものがある。この方
法には、アルカリ共存下に脱水素してカルボン酸塩を製
造する方法と、酸素の存在下に酸化してカルボン酸
(塩)を製造する方法があり、それぞれ有効な触媒が提
案されている。
【0004】グリコールをアルカリ金属水酸化物などの
アルカリ共存下に脱水素してカルボン酸塩を製造する方
法として、米国特許第2384817号では、カドミウ
ム化合物を触媒とする方法が提案されており、具体的な
反応条件や収率は不明であるが、モノエチレングリコー
ルよりヒドロキシ酢酸塩およびシュウ酸塩が生成すると
記載されている。また、特開昭50−96516号で
は、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジ
ウム、オスミウム化合物の触媒下に苛性アルカリで脱水
素する方法が提案されており、モノエチレングリコール
からシュウ酸ナトリウムを得ている。しかしながら、苛
性アルカリの存在下に脱水素してカルボン酸塩を製造す
る方法は、カルボン酸塩を製造目的とする場合には優れ
た方法であるが、遊離のカルボン酸を製造する場合に
は、さらに中和脱塩処理が不可欠であり、製造コストが
高くなる問題がある。また、これらの提案では、モノエ
チレングルコールのヒドロキシル基1個を選択的に酸化
してヒドロキシ酢酸塩を与える方法についての示唆はな
い。
【0005】そのほか、グリコールをアルカリ金属水酸
化物などのアルカリ共存下に脱水素してカルボン酸塩を
製造する方法として、銅および/またはニッケル含有触
媒を触媒としてジエチレングリコールからジグリコール
酸塩を製造する方法(特公昭57−5775号)、銅と
ジルコニウム化合物を含有する触媒の存在下に、ジエチ
レングルコールからジグリコール酸塩を製造する方法
(特公平3−857号)やポリエチレングリコールから
オキシジカルボン酸塩を製造する方法(特開昭61−1
89247号)などが提案されている。
【0006】一方、グリコールを酸素の存在下酸化して
カルボン酸(塩)を製造する方法では、有効な触媒とし
て主として白金触媒が提案されている。例えば特開昭4
8−85525号では、グリコールを酸素含有ガスおよ
び担持された白金金属の存在下に酸化することによって
モノヒドロキシモノカルボン酸を製造する方法が、また
特開昭54−132519号では、グリコールを水溶液
中で含酸素ガスで酸化しカルボン酸を製造するに際し、
白金または/およびパラジウムに鉛または鉛化合物を含
有する触媒を用いる方法が提案されており、モノエチレ
ングリコールからヒドロキシ酢酸の生成が記載されてい
る。しかしながら、いずれの反応系も反応溶液のpHを
塩基性に保つためアルカリの添加が必要であり、得られ
るカルボン酸がアルカリ塩となるため、遊離のカルボン
酸を得るには中和脱塩処理することが不可欠となり、製
造コストが高くなる問題がある。
【0007】特開昭53−46916号および特開昭5
3−98923号では、モノエチレングリコールを非ア
ルカリ性水性溶媒中で酸素または酸素含有ガスで酸化し
て遊離のヒドロキシ酢酸を得る際に、触媒としてホルマ
リン、蟻酸およびナトリウムボロハイドライドよりなる
群から選ばれた還元剤で還元された白金炭素触媒や、パ
ラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム等を添加
した白金触媒がそれぞれ提案されている。しかしなが
ら、これらの方法では反応温度が80℃を越えると炭酸
ガスの副生が増加すると記載されており、反応温度を5
0℃程度に抑制する必要があり、このため反応速度が遅
く生産性が悪いという問題がある。また、これらの方法
では白金を主体とする触媒を用いるために触媒コストが
嵩み、製造コストが高くなるという欠点がある。
【0008】その他、グリコールを酸素の存在下に酸化
してカルボン酸(塩)を製造する方法として、パラジウ
ムと白金の複合金属触媒の存在下にジエチレングリコー
ルからβ−ヒドロキシエトキシ酢酸を製造する方法(特
開平4−342542号)、白金触媒の存在下にポリエ
チレングリコールからポリエチレングリコール酸を製造
する方法(特開昭53−141219)、貴金属含有触
媒の存在下pH3以下の強酸性溶液中でジエチレングリ
コールからジグリコール酸を製造する方法(特開昭51
−131824)等が提案されているが、モノエチレン
グリコールからヒドロキシ酢酸の生成に関する示唆はな
い。
【0009】このように、モノエチレングリコールのよ
うな隣接したヒドロキシメチル基の一方を選択的にカル
ボン酸にまで酸化する例は極めて限られており、モノエ
チレングリコールからヒドロキシ酢酸を選択的に製造す
る方法は、白金を必須とする触媒および低温での限定さ
れた反応条件でのみ製造されるにとどまっているため、
より有効な製造方法が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、モノ
エチレングリコールからヒドロキシ酢酸を選択的に製造
する新規な経済性に優れる方法およびこれに用いる触媒
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、モノエチ
レングリコールを分子状酸素含有ガスにより酸化してヒ
ドロキシ酢酸を得る方法について種々検討した結果、モ
ノエチレングリコールをイリジウム触媒の存在下に、水
性溶媒中で分子状酸素含有ガスにより酸化することによ
り高選択的かつ高収率でヒドロキシ酢酸が得られること
を見出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、モノエチレングリコールをイリジウム触媒の存在下
に、水性溶媒中で分子状酸素含有ガスにより酸化するこ
とを特徴とするヒドロキシ酢酸の製造方法である。ま
た、本発明は、イリジウムを多孔性不活性担持体に担持
してなるモノエチレングリコールを分子状酸素含有ガス
により酸化してヒドロキシ酢酸を製造するための触媒で
ある。
【0012】
【作用】本発明で使用する触媒は、イリジウムである。
イリジウムは金属として用いることが好ましいが、一部
酸化物や他のイリジウム化合物を含有していてもよい。
また、イリジウム以外のパラジウム、白金、ロジウム、
ルテニウム、オスミウム、銀、金等の貴金属あるいはそ
の化合物や、鉄、コバルト、ニッケル、銅、鉛、ビスマ
ス、タリウム、テルル、アンチモンなどの金属あるいは
その化合物を含有してもよい。
【0013】イリジウムは、イリジウムブラックのごと
くイリジウムの微粒子をそのまま触媒として用いること
もできるが、より好ましくは適当な比表面積を有する不
活性担体に担持して触媒とすることが望ましい。該担体
は、使用する水性溶媒、原料として用いるモノエチレン
グリコール、生成物のヒドロキシ酢酸などに侵食されな
いものであれば特に制限はなく、一般に使用される担体
を用いることができる。具体的には、活性炭、アルミ
ナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、シリカアルミナ、
ゼオライト、ポーラスポリマーなどを用いることができ
る。これら担体の比表面積は10〜3000m2 /g、
より好ましくは50〜2000m2 /gの範囲である。
担体上へのイリジウムの担持量は、0.1〜20重量
%、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
【0014】イリジウムブラックや担体に担持したイリ
ジウム触媒は一般的に利用されている方法、例えば、触
媒調製化学(尾崎萃著 講談社発行 1980年)、貴
金属元素の化学と応用(尾崎萃、中原勝儼著 講談社発
行 1989年)等に記載された方法により調製するこ
とができる。すなわち、IrCl3 、Na3 [IrCl
6 ]、K3 [IrCl6 ]、(NH4 3 [IrC
6 ]、[Ir(NH3 6 ]Cl3 、[Ir(N
3 6 ](NO3 3 、[Ir(NH3 5 (H
2 O)]Cl3 、[Ir(NH3 5 Cl]Cl2 、I
r(acac)3 、IrCl4 、Ir(SO4 2 、H
2 [IrCl6 ]、Na2 [IrCl6 ]、K2 [Ir
Cl6 ]、(NH4 2 [IrCl6 ]、[Ir(NH
3 6 ]Cl2 、[Ir(NH3 5 (H2 O)]Cl
3 、[Ir(NH3 5 Cl]Cl2 、[Ir(bp
y)3 ](NO3 3 、K3 [Ir(CN)6 ]、K3
[Ir(C2 43 ]、Ir4 (CO)12等のイリジ
ウム化合物を水溶液中でアルカリで加水分解し、水酸化
イリジウムを形成させ、次いで水素、ホルムアルデヒ
ド、蟻酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン等の還
元剤で還元することによりイリジウムブラックを得る方
法を用いることができる。また、前記担体上に、上記イ
リジウム化合物を水もしくは適当な溶媒溶液中で含浸も
しくはイオン交換により担持し、その後還元剤で還元す
ることにより担体に担持したイリジウム触媒を得る方法
などを用いることができる。
【0015】本発明において用いられる水性溶媒は、水
であることが好ましいが、水に可溶でかつ本発明の触媒
により酸化反応などの反応を伴わない不活性な溶媒であ
れば水と混合して用いることができる。このような溶媒
の具体例としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチレング
リコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチ
ルエーテル、などを挙げることができる。
【0016】本発明において、原料として用いられるモ
ノエチレングリコールの水性溶媒中の濃度は5〜50重
量%、特に10〜40重量%の範囲が好ましい。
【0017】本発明に用いられる分子状酸素含有ガス
は、モノエチレングリコールを酸化してヒドロキシ酢酸
を製造する際の酸化剤として用いられるものであり、通
常空気を用いることが簡便で好ましいが、酸素もしくは
酸素と空気の混合ガス、あるいは窒素などの不活性ガス
と酸素または空気との混合ガスを用いることもできる。
本発明で用いられる分子状酸素含有ガスの使用量は、該
分子状酸素含有ガスの酸素濃度、反応操作を停止する際
のモノエチレングリコールの転化率や反応の様式にも左
右されるが、消費されるモノエチレングリコールのモル
数に対して分子状酸素として1〜50モル倍、好ましく
は1.1〜20モル倍の範囲であることが望ましい。
【0018】本発明の方法において、反応温度は20〜
150℃、より好ましくは50〜130℃の範囲で行わ
れる。反応温度が20℃未満では、反応速度が低く生産
性が低下するため好ましくない。また反応温度が150
℃を越えると、副反応によりヒドロキシ酢酸の収率が低
下するため好ましくない。
【0019】本発明の反応において溶液のpHは特に制
限されるものではない。したがって、アルカリや酸によ
りpHを制御する必要はなく、モノエチレングリコール
の水性溶液は反応が進行するに連れ生成するヒドロキシ
酢酸により次第に酸性となり、最終的にpH1〜3とな
る。必要により、酸やアルカリを用いてpHを調製して
も差し支えない。
【0020】本発明の方法において、反応形式は回分
式、流通式いずれの形式でもよく特に限定されるもので
はない。
【0021】回分式で行う場合のイリジウム触媒の使用
量は、モノエチレングリコールに対して0.1〜50重
量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。回分式
反応器内に、本発明のイリジウム触媒、モノエチレング
リコールおよび水性溶媒を所定量充填し、所定温度で撹
拌下に分子状酸素含有ガスを導入することにより目的と
するヒドロキシ酢酸を含む反応混合物を得ることができ
る。反応圧力は、1〜30Kgf/cm2 、好ましくは
5〜20Kgf/cm2 の範囲である。分子状酸素含有
ガスの導入方法は、連続的にガスを流通させる方法の他
に、消費された酸素を純酸素で供給する方法などを用い
ることもできる。反応時間は反応温度、モノエチレング
リコール濃度、触媒量、酸素供給速度等により異なる
が、1〜30時間、特に2〜20時間の範囲が用いられ
る。
【0022】流通式で行う場合には、固定床式、流動床
式および撹拌槽式のいずれの方式でも用いることができ
る。この際の液時空間速度(LHSV)は0.1〜50
hr-1、より好ましくは0.2〜10hr-1である。
【0023】本発明の方法により得られた反応液から触
媒は、濾過、遠心分離などの方法により容易に分離で
き、目的とするヒドロキシ酢酸の水性溶液が得られる。
溶液は、必要に応じて適宜濃縮または精製して高品質の
ヒドロキシ酢酸を得ることができる。一方、分離回収し
た触媒はそのまま次の反応に再利用することができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明について実施例および比較例を
挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれだけに限
定されるものではない。
【0025】なお、実施例中の転化率(C)、収率
(Y)および選択率(S)は、以下の式により求めたも
のである。
【0026】モノエチレングリコールの転化率(C)
(モル%)=(反応したモノエチレングリコールのモル
数/反応に供したモノエチレングリコールのモル数)×
100 ヒドロキシ酢酸の収率(Y)(モル%)=(生成したヒ
ドロキシ酢酸のモル数/反応に供したモノエチレングリ
コールのモル数)×100 ヒドロキシ酢酸の選択率(S)(モル%)=(生成した
ヒドロキシ酢酸のモル数/反応したモノエチレングリコ
ールのモル数)×100 実施例1 四塩化イリジウム(IrCl4 )2.09gを1モル/
リットルの塩酸36.0gに溶解し、塩化イリジウムの
塩酸水溶液を調製した。一方、撹拌機および還流冷却器
を備えた500mlのフラスコに、活性炭(武田薬品株
式会社製、白鷺WHc)24.0gおよび水230gを
加え、常温で1時間撹拌して活性炭を水に良く分散させ
た。その後、95℃に昇温し、前記塩化イリジウムの塩
酸水溶液を加え、3時間撹拌した後、37重量%ホルム
アルデヒド水溶液を17g添加した。95℃を保持した
まま、30重量%KOH水溶液を添加し、水溶液のpH
を7ないし8程度に調整し、さらに、95℃で2時間撹
拌を続けイリジウムの還元反応を行った。反応後、固形
物を濾別し、濾液が硝酸銀水溶液添加で白濁が見られな
くなるまで純水で洗浄した。こうして得られた固形物を
減圧下乾燥して、イリジウム担持活性炭触媒(触媒
(1))を得た。この触媒の活性炭に対するイリジウム
の担持量は5重量%であった。
【0027】撹拌器、温度計、ガス導入管(ガス導入管
出口は反応液中に没するよう設定されている)および内
液サンプリング管を備えたステンレス製オートクレーブ
に、モノエチレングリコール22.7g、水134.6
gおよび触媒(1)2.27gを仕込み、温度80℃、
圧10Kgf/cm2 に設定し、撹拌下に空気を0.5
リットル/minの速度で供給し酸化反応を開始した。
反応開始後、所定時間毎に内液の一部をサンプリング
し、液体クロマトグラフィーによりモノエチレングリコ
ールおよびヒドロキシ酢酸の定量を行ない、モノエチエ
レングリコールの転化率(C)、ヒドロキシ酢酸の収率
(Y)および転化率(S)を前述の計算式により算出し
た。結果を表1に示した。
【0028】実施例2 実施例1において、モノエチレングリコールの酸化反応
の反応温度を100℃とした以外は実施例1と同様の方
法により反応を行った。結果を表1に示した。
【0029】実施例3 実施例1において、モノエチレングリコールの酸化反応
の反応温度を130℃とした以外は実施例1と同様の方
法により反応を行った。結果を表1に示した。
【0030】実施例4 塩化イリジウム酸水和物(H2 IrCl6 ・xH2
(Ir含有量38.02重量%))4.35gを水30
gに溶解し、塩化イリジウム酸の水溶液を調製した。等
圧滴下ロートおよび三方コックを備えた500mlのフ
ラスコに、活性炭(武田薬品株式会社製、白鷺WHc)
32.5gを、滴下ロートに上記塩化イリジウム酸水溶
液を込み、フラスコ内を真空ポンプで15mmHgに減
圧した。その後、塩化イリジウム酸水溶液を滴下ロート
から一度に活性炭に加え、活性炭に塩化イリジウム酸水
溶液を吸収させた。フラスコを開圧した後、内容物をロ
ータリーエバポレーターに移し、80℃で窒素気流下水
分を留去し、さらに80℃、10mmHgの条件で乾燥
した。こうして得られた固形物を、温度計を備えた直径
1インチのステンレス製単管に充填して管状炉に設置
し、常圧下に、水素:窒素=1:3(容量比)の混合ガ
スをGHSV320hr-1の条件で供給した。その後、
固形物内温が400℃となるよう管状炉温度を調整し、
水素還元反応を15時間行った。こうしてイリジウム担
持活性炭触媒(触媒(2))を得た。この触媒の活性炭
に対するイリジウムの担持量は5重量%であった。
【0031】実施例1において、モノエチレングリコー
ルの酸化反応に用いる触媒を触媒(2)とし、温度を1
00℃とした以外は実施例1と同様の方法により反応を
行った。結果を表1に示した。
【0032】実施例5 ヘキサアンミンイリジウム(III)硝酸塩([Ir
(NH3)6](NO3)3)2.50gを水25.0
gに溶解した溶液をγ−アルミナ(ノートン社製SA6
275、直径約3mm、比表面積250m2 /g)4
9.0gを水50gに懸濁させた懸濁液中に撹拌下滴下
した。滴下後2時間撹拌し、さらに24時間放置した。
懸濁液をろ過、水洗後、固体をロータリーエバポレータ
ーに移し、80℃で窒素気流下水分を留去し、さらに8
0℃、10mmHgの条件で乾燥した。こうして得られ
た固形物を、温度計を備えた直径1インチのステンレス
製単管に充填して管状炉に設置し、常圧下に、水素:窒
素=1:3(容量比)の混合ガスをGHSV320hr
-1の条件下で供給した。その後、固形物内温が400℃
となるよう管状炉温度を調整し、水素還元反応を15時
間行った。こうしてイリジウム担持アルミナ触媒(触媒
(3))を得た。この触媒の活性炭に対するイリジウム
の担持量は2重量%であった。
【0033】実施例1において、モノエチレングリコー
ルの酸化反応に用いる触媒を触媒(3)とし、温度を1
00℃とした以外は実施例1と同様の方法により反応を
行った。結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】比較例1 実施例1において、四塩化イリジウムの塩酸溶液の代り
に塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)3.18g
を水5gに溶解した溶液を用いた以外は、実施例1と同
様の方法により白金担持活性炭触媒(比較触媒(1))
を得た。この触媒の活性炭に対する白金の担持量は5重
量%であった。
【0036】実施例1において、モノエチレングリコー
ルの酸化反応に用いる触媒を比較触媒(1)とし、温度
を50℃とした以外は実施例1と同様の方法により反応
を行った。結果を表2に示した。
【0037】比較例2 比較例1において、モノエチレングリコールの酸化反応
の温度を100℃とした以外は比較例1と同様の方法に
より反応を行った。結果を表2に示した。
【0038】比較例3 実施例1において、四塩化イリジウムの塩酸溶液の代り
に塩化パラジウム(PdCl2 )2.00gを王水5g
に溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法に
よりパラジウム担持活性炭触媒(比較触媒(2))を得
た。この触媒の活性炭に対するパラジウムの担持量は5
重量%であった。
【0039】実施例1において、モノエチレングリコー
ルの酸化反応に用いる触媒を比較触媒(2)とし、温度
を50℃とした以外は実施例1と同様の方法により反応
を行った。結果を表2に示した。
【0040】比較例4 比較例3において、モノエチレングリコールの酸化反応
の温度を100℃とした以外は比較例3と同様の方法に
より反応を行った。結果を表2に示した。
【0041】比較例5 実施例1において、四塩化イリジウムの塩酸溶液の代り
に塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)2.86
g、塩化パラジウム(PdCl2 )0.20gを王水5
gに溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法
により白金パラジウム担持活性炭触媒(比較触媒
(3))を得た。この触媒の活性炭に対する白金の担持
量は4.5重量%、パラジウム0.5重量%であった。
【0042】実施例1において、モノエチレングリコー
ルの酸化反応に用いる触媒を比較触媒(3)とし、温度
を50℃とした以外は実施例1と同様の方法により反応
を行った。結果を表2に示した。
【0043】比較例6 比較例5において、モノエチレングリコールの酸化反応
の温度を100℃とした以外は比較例5と同様の方法に
より反応を行った。結果を表2に示した。
【0044】比較例7 実施例1において、四塩化イリジウムの塩酸溶液の代り
に塩化ルテニウム(RuCl3 3H2 O)3.10gを
希塩酸15gに溶解した溶液を用いた以外は実施例1と
同様の方法によりルテニウム担持活性炭触媒(比較触媒
(4))を得た。この触媒の活性炭に対するルテニウム
の担持量は5重量%であった。
【0045】実施例1において、モノエチレングリコー
ルの酸化反応に用いる触媒を比較触媒(4)とし、温度
を50℃とした以外は実施例1と同様の方法により反応
を行った。結果を表2に示した。
【0046】比較例8 比較例7において、モノエチレングリコールの酸化反応
の温度を100℃とした以外は比較例7と同様の方法に
より反応を行った。結果を表2に示した。
【0047】比較例9 実施例1において、四塩化イリジウムの塩酸溶液の代り
に塩化オスミウム(OsCl3 )1.87gを希塩酸1
5gに溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様の方
法によりオスミウム担持活性炭触媒(比較触媒(5))
を得た。この触媒の活性炭に対するオスミウムの担持量
は5重量%であった。
【0048】実施例1において、モノエチレングリコー
ルの酸化反応に用いる触媒を比較触媒(5)とし、温度
を50℃とした以外は実施例1と同様の方法により反応
を行った。結果を表2に示した。
【0049】比較例10 比較例9において、モノエチレングリコールの酸化反応
の温度を100℃とした以外は比較例9と同様の方法に
より反応を行った。結果を表2に示した。
【0050】比較例11 実施例1において、4塩化イリジウムの塩酸溶液のかわ
りに塩化ロジウム(RhCl3 4H2 O)3.08gを
希塩酸15gに溶解した溶液を用いた以外は実施例1と
同様の方法によりロジウム担持活性炭触媒(比較触媒
(6))を得た。この触媒の活性炭に対するロジウムの
担持量は5重量%であった。
【0051】実施例1において、モノエチレングリコー
ルの酸化反応に用いる触媒を比較触媒(6)とし、温度
を50℃とした以外は実施例1と同様の方法により反応
を行った。結果を表2に示した。
【0052】比較例12 比較例11において、モノエチレングリコールの酸化反
応の温度を100℃とした以外は比較例11と同様の方
法により反応を行った。結果を表2に示した。 比較例13 実施例1において、モノエチレングリコールの酸化反応
の温度を160℃とした以外は実施例1と同様の方法に
より反応を行った。結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明の方法により、モノエチレングリ
コールから遊離のヒドロキシ酢酸が高収率かつ高選択率
で製造できる。また、貴金属の中で安価なイリジウムを
触媒とし、かつ高温条件下でも選択率の低下が少ないた
め反応速度を高めることができ触媒コストの低減、生産
性の向上が達成できる。したがって、工業的に重要な遊
離のヒドロキシ酢酸を効率的に生産でき産業の発展に貢
献するものである。
フロントページの続き (72)発明者 角野 幸男 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14番1号地 株式会社日本触媒川崎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノエチレングリコールをイリジウム触
    媒の存在下に、水性溶媒中で分子状酸素含有ガスにより
    酸化することを特徴とするヒドロキシ酢酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 イリジウムを多孔性不活性担体に担持し
    てなるモノエチレングリコールを分子状酸素含有ガスに
    より酸化してヒドロキシ酢酸を製造するための触媒。
JP5256116A 1993-10-13 1993-10-13 ヒドロキシ酢酸の製造方法およびこれに用いる触媒 Pending JPH07112953A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114031495A (zh) * 2021-11-03 2022-02-11 中国石油大学(华东) 一种乙二醇氧化制备乙醇酸的产物分离方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114031495A (zh) * 2021-11-03 2022-02-11 中国石油大学(华东) 一种乙二醇氧化制备乙醇酸的产物分离方法
CN114031495B (zh) * 2021-11-03 2024-02-23 中国石油大学(华东) 一种乙二醇氧化制备乙醇酸的产物分离方法

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