JPH07112926B2 - 黒鉛層間化合物の製造方法 - Google Patents

黒鉛層間化合物の製造方法

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JPH07112926B2
JPH07112926B2 JP62333282A JP33328287A JPH07112926B2 JP H07112926 B2 JPH07112926 B2 JP H07112926B2 JP 62333282 A JP62333282 A JP 62333282A JP 33328287 A JP33328287 A JP 33328287A JP H07112926 B2 JPH07112926 B2 JP H07112926B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は黒鉛の層間化合物の製造方法に関し、より詳細
には黒鉛と金属塩化物から黒鉛の層間化合物を大量に効
率良く、かつ再現性良く製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
金属塩化物を挿入した黒鉛層間化合物(Graphite Inter
calation Compounds、以下、GICと略記する)は、金属
に代わる導電材料として注目されており、アルカリ金
属、硝酸や硫酸等の無機酸、ハロゲン原子、フツ素化合
物等を挿入したものに比較して優れた物性と安定性、製
造の際の原料化合物の取扱い易さ、および未反応化合物
回収の容易さ等の点で他に見られない優れた性質を有す
ることが知られている。
そして、かかる金属塩化物を挿入した黒鉛層間化合物
は、イ.無水の金属塩化物と黒鉛の混合物または金属塩
化物溶融塩と黒鉛との混合物を真空または不活性ガス
中、或いは塩素ガス雰囲気中で加熱するか、ロ.黒鉛と
金属塩化物の混合物を塩素気流中で加熱する方法によつ
て製造されている。
これらの方法は、多くの場合、ガラス管に原料混合物を
入れるか、または黒鉛と金属塩化物を別々に置いて(tw
o bulb法)ガラス管を溶封または密封して加熱し、反応
させている。
しかしながら、400℃以上の温度に金属塩化物を加熱す
る容器材料は、ガラス以外に適当なものは見当らず、使
用する金属塩化物の種類にもよるが、かかる高温では金
属塩化物の蒸気圧および熱解離により生じた塩素ガスの
ために容器にかなりの内圧が発生するので、口径の大き
いガラス容器を密閉して使用することは極めて困難であ
る。また、これらの方法は反応速度が遅く、日単位の反
応時間を必要とする。
一方、通常の耐蝕性金属材料の反応容器では、この材料
が金属塩化物と反応して使用不可能になる欠点がある。
琺瑯容器も、かかる高温では使用できない。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
上記のように、GICの従来の製造方法は、いづれも反応
速度が遅く日単位の反応時間を必要とし、工業的製造方
法が未だ確立されていない状態である。
また、反応容器として溶封または密封したガラス製容器
を使用することも、工業的製造方法の確立を妨げる原因
となつている。
本発明はかかる従来技術の欠点を解消し、工業的製造方
法として好適な黒鉛層間化合物の製造方法を提供するも
のである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の黒鉛層間化合物の製造方法は、CuCl2およびCoC
l2からなる群から選択される1種の金属塩化物とKCl、N
aClおよびCaCl2からなる群から選択される1種の塩との
溶融混合物に黒鉛を存在させ、塩素気流中、常圧下に前
記金属塩化物と前記黒鉛とを反応させることを特徴とす
る。
本発明において使用する黒鉛としては、天然黒鉛、およ
び粉末状、繊維状、シート状またはHOPGの名で知られる
単結晶状の人造黒鉛のいづれをも使用することができ
る。
一般に、導電性塗料およびプラスチツク原料として使用
される粉末状人造黒鉛では、平均粒径が大きいもの程、
低ステージの層間化合物が得られやすい。
黒鉛に挿入される金属塩化物としては、CuCl2、又はCoC
l2を挙げることができる。
そして、かかる金属塩化物は、これら金属塩化物の溶融
塩形成のための塩、すなわち融剤との組合せで使用され
る。
溶融塩形成のための塩としてはKCl、NaCl、CaCl2が用い
られる。
金属塩化物と溶融塩形成のための塩とのこれら組合せに
ついては、その相図が例えばM.P.Vorobe,O.V.Skiba;J.I
norg.Chem.U.S.S.R.,15(1970)1414で知られている。
従って、これらのダイヤグラムから金属塩化物と、この
金属塩化物の溶融塩形成のための塩との組合せの相互量
を知ることができる。
本発明において使用される金属塩化物と、この金属塩化
物の溶融塩形成のための塩との組合せは、特定の組合せ
に限定されるものではなく、いづれの組合せをも使用す
ることがでる。
そして例えば、金属塩化物としてのCuCl2と溶融塩形成
のための塩としてのKClとを組合せた例では、CuCl2が50
〜60モル%であり、CuCl2が50モル%に満たないと黒鉛
へのCuCl2の挿入が不可能になる場合があり、また60モ
ル%を越えると液相中(CuCl2とKClとの溶融混合物中)
に固相のCuCl2が共存するので好ましくない。
また、黒鉛に対する金属塩化物の使用量は、例えばCuCl
2−KClでは黒鉛1モルに対して、CuCl20.82モル以上(K
Clでは0.67モル以上)〜温度によつて異なるが液相に固
相のCuCl2が混在しない範囲であり、CuCl2が0.82モルに
満たないと低ステージのGICの生成が困難になる。
本発明においては、上記の各原料を反応に先立つて充分
に乾燥させることが好ましい。
特に結晶水を有する金属塩化物では、脱水が不十分の場
合に黒鉛への挿入が極めて困難になることがあるので、
黒鉛の乾燥とは別に含結晶水金属塩化物を十分に乾燥す
ることが特に好ましい。
反応は、金属塩化物、この金属塩化物の溶融塩形成のた
めの塩、および黒鉛を均一に混合し、この混合物をガラ
ス容器に入れ、常圧下で加熱しながら塩素ガスを通すこ
とによつて行われ、目的とする黒鉛の層間化合物が得ら
れる。すなわち、この場合、金属塩化物(CuCl2又はCoC
l2)と溶融塩形成のための塩(KCl、NaCl、又はCaCl2
とが加熱により溶融混合物となり、これに固相の黒鉛が
混合された状態となって、金属塩化物と黒鉛との反応が
行われることになる。
塩素ガスは反応混合物中に供給する必要はなく、反応混
合物の上を流すだけで良い。
すなわち塩素ガスは金属塩化物の分解によつて生成した
塩素ガスを補う程度で良く、反応は常圧で行われ、ガラ
ス容器を耐圧容器にする必要はなく、またガラス容器を
溶封したり、密封する必要もない。
反応温度は380〜450℃であり、380℃未満では溶融混合
物中に固相の金属塩化物が混在する恐れがあり、また45
0℃を越えると低ステージのGICが得られなくなる。
反応中の撹拌は特に必要としないが、大容量の反応容器
では反応を均一に進行させるために、撹拌することが好
ましい。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明によれば、CuCl2およびCoCl2
らなる群から選択される1種の金属塩化物とKCl、NaCl
およびCaCl2からなる群から選択される1種の塩との溶
融混合物に黒鉛を存在させ、塩素気流中、常圧下に前記
金属塩化物と前記黒鉛とを反応させることによって、黒
鉛に金属塩化物が挿入された層間化合物が得られる。
すなわち、本発明では反応を常圧下で行うので、特別の
耐圧容器を使用する必要がなく、ガラス容器で十分に目
的を達することができ、大容量のガラス容器の使用が可
能である。従って従来法では1〜2gのわずかな黒鉛しか
反応に供することができなかったのが、本発明方法によ
れば数10gもの黒鉛を反応させることができるようにな
った。
また、金属塩化物を溶融塩状態で反応させるので金属塩
を単独で黒鉛と反応させる場合に比較して密に接触させ
ることができ、反応温度を50〜80℃低下させることがで
き、かつ液相中の均一な反応が可能である。
更に、塩素気流中で反応させるので、黒鉛層への金属塩
挿入反応に対する塩素ガスの触媒のような機能によつて
反応速度を著しく高めることができる。
従って本発明は従来は日単位であった反応時間を数時間
内に短縮でき、黒鉛層間化合物の工業的製造方法として
好適である。
以下、本発明の実施例を述べる。
〔実施例〕
実施例1 1000mlの耐熱丸底セパラブルフラスコと、それに合う四
つ口の蓋を用意し、この蓋にガラス製撹拌棒、塩素ガス
導入、排出管、および温度計を取りつけた。
この容器内にCuCl2・2H2O4.1モル、KCl3.35モルを入
れ、真空加熱して結晶水と付着水分を除去した後、天然
黒鉛(灰分0.3%、平均粒度45μm、粒度分布20〜100μ
m)5モル(60g)を加え、引続き真空脱水を行つた後
に加熱した。
温度400℃において金属塩は溶融するので、撹拌機を回
転させて塩素ガスを通した。
導入後の塩素ガスは、NaOHまたはCa(OH)水溶液で中
和して排出させた。
420℃における加熱を4時間続けた後に放冷し、水を加
えて未反応のCuCl2、KClを溶出させてGICを分離、濾過
し、真空乾燥して製品とした。
未反応回収の金属塩水溶液は、真空蒸発により回収し、
再使用することができる。
GICの生成量89g、化学式C6nCuCl2(ただしnはステージ
数である)から計算して2ステージのものが得られたこ
とになる。
このことはX線回析パターンからも確認された。
導電性の測定は、カーボンブラツク、バインダー溶剤と
混練して製造したペーストをポリエステルフイルム上に
印刷し、塗膜の抵抗を測定したところ、2.8×10-3Ω・c
mであつた。
これに対して、ペースト中のGICを原料の黒鉛に代えた
ペーストの抵抗値は、1.5×10-2Ω・cmであつた。
実施例2 実施例1のCuCl2・2H2Oの代わりにCoCl24モルを、黒鉛
5モル(60g)、NaCl3.4モルと同一条件で反応させ(反
応時間4時間)、CoCl2GIC82gを得た。
X線回析パターンから2〜3ステージのGICであつた。
実施例3 実施例1の黒鉛を、下記2種類の黒鉛に代え、同一条件
で反応を行つた。
平均粒径300μmおよび10μm、粒度分布1000〜100μm
および1〜40μm、いづれも灰分0.3%。
GICの生成量は、それぞれ84gおよび78gで、X線回析パ
ターンから2〜3および6ステージに相当するものであ
つた。
実施例1におけると同様にペーストを製造して抵抗を測
定したが、4.3×10-3Ω・cmおよび5.6×10-3Ω・cmであ
つた。
比較例1 実施例1の反応を、塩素ガスを供給させずに行つた。生
成物63gを得たが、4時間の反応ではX線回析パターン
によれば黒鉛への挿入は認められなかつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CuCl2およびCoCl2からなる群から選択され
    る1種の金属塩化物とKCl、NaClおよびCaCl2からなる群
    から選択される1種の塩との溶融混合物に黒鉛を存在さ
    せ、塩素気流中、常圧下に前記金属塩化物と前記黒鉛と
    を反応させる黒鉛層間化合物の製造方法。
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