JPH07112151A - 基板への塗布液塗布装置 - Google Patents

基板への塗布液塗布装置

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JPH07112151A
JPH07112151A JP1213994A JP1213994A JPH07112151A JP H07112151 A JPH07112151 A JP H07112151A JP 1213994 A JP1213994 A JP 1213994A JP 1213994 A JP1213994 A JP 1213994A JP H07112151 A JPH07112151 A JP H07112151A
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JP
Japan
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substrate
coating liquid
coated
gutter
main body
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Application number
JP1213994A
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English (en)
Inventor
Takayuki Baba
隆幸 馬場
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板の片面だけに塗布液を比較的簡便に塗布
することができ、その際に塗布液の汚れが生じることが
なく、塗布液の必要使用量も少なくて済み、設置床面積
が少なく、構成も簡易な塗布装置を提供する。 【構成】 基板10を鉛直姿勢又は前方もしくは後方方向
に傾斜した姿勢に保持するステージ12と、基板の幅方向
に延在する樋状本体部16及びその両側端面を閉塞する両
側枠部18からなる塗布液槽14と、この塗布液槽を基板に
沿って下方へ直線移動させる手段とから構成する。樋状
本体部の前端面と基板の被塗布面とは、非接触でかつ近
接させる。塗布液槽に、樋状本体部の前面枠部20を越え
る量の塗布液24を注入したとき、基板の被塗布面に接液
部26が形成されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示デバイス
(LCD)、半導体デバイス、各種電子部品の製造プロ
セスにおいて、LCD用ガラス基板、半導体基板、プリ
ント基板等の基板の表面にフォトレジスト液、ハンダ液
等の塗布液を塗布する装置、特に浸漬式の塗布液塗布装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】基板に塗布液を塗布する方式としては、
回転塗布方式、ブレード塗布方式、スプレイ塗布方式、
浸漬塗布方式などがある。これらの塗布方式のうち浸漬
塗布方式は、塗布液槽内に塗布液を満たし、その塗布液
中に基板を浸漬させ、その後に塗布液中から上方へ基板
を引き上げ、この際に基板の表面に塗布液が付着して持
ち上げられることにより、基板表面に塗布液膜が形成さ
れるようにする方法である。この浸漬塗布方式は、比較
的簡便に基板の表面に塗布液を塗布することができ、ま
た、この塗布方式では、塗布液中から基板を引き上げる
ときの引上げ速度、塗布液の流動特性や物性などによっ
て塗布品質が決定されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、浸漬
塗布方式は、比較的簡便に実施することが可能であると
いった利点を有している反面、次のような問題点を有し
ている。すなわち、浸漬塗布方式では、塗布液と接する
基板の全域に塗布液が塗布されることになり、基板の片
面だけに塗布液を塗布したいような場合、浸漬塗布方式
によってそのような塗布を行うことは、実際上困難であ
った。
【0004】ここで、浸漬塗布方式により基板の片面だ
けに塗布液を選択的に塗布する方法として、例えば、基
板を真空吸着等の手段によって基板より僅かに大きいス
テージ上に保持し、ステージと共に基板を塗布液槽内の
塗布液中に浸漬させた後、ステージと共に基板を塗布液
中から引き上げるようにすることにより、塗布液を基板
の片面だけに選択的に塗布する、といったことが考えら
れる。しかしながら、この方法には、ステージが塗布液
中に浸漬されることにより塗布液の汚れが生じ、ステー
ジを塗布液槽内へ挿入する必要から塗布液槽が大型化
し、また、塗布液槽の大型化に伴って塗布液の使用量が
増大する、等といった問題点がある。
【0005】また、基板の塗布必要面以外の面をポリエ
ステルシート等のシートでマスキングし、シートと一緒
に基板を塗布液中に浸漬させる方法が考えられるが、こ
の方法にも、塗布液の汚れが生じるといった問題があ
り、さらに、基板へのシートの貼付けやその剥離等とい
った操作が必要となり塗布工程が複雑化するなどの問題
点がある。
【0006】さらに、例えば特開平4−284875号
公報に開示されているように、基板を塗布液中に浸漬さ
せて基板の両面に塗布液を塗布した後、塗布液が塗布さ
れた基板を水平姿勢でスピニング装置に装着し、スピニ
ング装置を駆動させて基板を回転させながら、スピニン
グ装置の下方から基板の下面に向けて洗浄液を噴射し、
洗浄液によって基板の下面の塗布液膜を洗い流して除去
する方法を採用することも考えられる。しかしながら、
この方法では、塗布工程に洗浄工程を組み合わせる必要
があり、従って、工程及び装置構成が複雑化し、また、
基板の裏面に塗布された塗布液は全く無駄になり、さら
に表面に塗布された塗布液も飛散するため塗布液の使用
量が増大する、等といった問題点がある。
【0007】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、基板、例えばLCD用ガラス基板の
片面だけに塗布液を塗布することができ、その際に塗布
液の汚れが生じたりすることがなく、塗布液の必要使用
量が少なくて済み、また、小型化が図られ、構成も簡易
で、塗布工程も比較的簡便になるような、基板への塗布
液塗布装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の構成及び第2の構成として、それぞれ塗布液塗
布装置を、被塗布基板を鉛直姿勢又は前方方向もしくは
後方方向へ傾斜した姿勢に保持する基板保持手段と、こ
の基板保持手段に保持された被塗布基板の幅方向に延在
する樋状本体部及びこの樋状本体部の両側端面を閉塞す
る両側枠部からなり、前記樋状本体部の前端面が基板保
持手段に保持された被塗布基板の被塗布面に非接触でか
つ近接するように水平方向に配設され、樋状本体部の前
端面と被塗布基板の被塗布面との間に隙間を保ったまま
被塗布基板に対しその縦方向に相対的に移動自在に保持
された塗布液槽と、この塗布液槽と前記基板保持手段に
保持された被塗布基板とを相対的に直線的に移動させる
直動手段とから構成した。そして、第1の構成に係る塗
布装置では、上記塗布液槽の樋状本体部が、前面枠部が
後面枠部より低く形成された有底形状を有し、塗布液槽
に、その樋状本体部の前面枠部を越える量の塗布液を注
入したときに、基板保持手段によって保持された被塗布
基板の被塗布面に、前面枠部から溢れ出た塗布液と接す
る接液部が形成されるようにした。また、第2の構成に
係る塗布装置では、上記塗布液槽の樋状本体部が、前面
側が開放した、断面形状がL字形状をなし、塗布液槽に
塗布液を注入したときに、基板保持手段によって保持さ
れた被塗布基板の被塗布面に、樋状本体部の前面側から
溢れ出た塗布液と接する接液部が形成されるようにし
た。
【0009】また、第3の構成として、塗布液塗布装置
を、基板保持手段と塗布液槽と直動手段とを備えるとと
もに、基板保持手段に保持された被塗布基板と塗布液槽
とが一体的に前方方向へ傾斜し又は前方方向へさらに傾
斜するようにそれらを回動自在に保持し、それら被塗布
基板と塗布液槽とを一体的に回動させる回動手段を設け
て構成した。そして、第3の構成に係る塗布装置では、
上記塗布液槽の樋状本体部が、前面枠部が後面枠部より
低く形成された有底形状を有し、塗布液槽の内部に塗布
液を注入した後、基板保持手段に保持された被塗布基板
と塗布液槽とを一体的に前方方向へ傾斜させ又は前方方
向へさらに傾斜させたときに、樋状本体部の前面枠部か
ら塗布液が溢れ出て、被塗布基板の被塗布面に、前面枠
部から溢れ出た塗布液と接する接液部が形成されるよう
にした。
【0010】また、第4の構成として、塗布液塗布装置
を、被塗布基板を後方方向へ傾斜した姿勢に保持する基
板保持手段と、上記した第1及び第2の構成と同様に塗
布液槽と直動手段とを備えるとともに、基板保持手段に
保持された被塗布基板と塗布液槽とが一体的に後方方向
傾斜姿勢から前方方向に向けて移動するようにそれらを
回動自在に保持し、それら被塗布基板と塗布液槽とを一
体的に回動させる回動手段を設けて構成した。そして、
第4の構成に係る塗布装置では、基板保持手段に保持さ
れた被塗布基板と塗布液槽とを後方方向傾斜姿勢から前
方方向に向けて回動させたときに、樋状本体部の前面枠
部又は樋状本体部の前面側から塗布液が溢れ出て、被塗
布基板の被塗布面に、樋状本体部の前面枠部又は樋状本
体部の前面側から溢れ出た塗布液と接する接液部が形成
されるようにした。
【0011】さらに、第5の構成として、塗布液塗布装
置を、上記した第1又は第2の構成と同様に基板保持手
段と塗布液槽と直動手段とを備えるとともに、前記塗布
液槽の樋状本体部を水平軸回りに回動自在に保持し、そ
の樋状本体部を回動させる回動手段を設けて構成した。
そして、樋状本体部を回動させたときに、樋状本体部の
前面枠部又は樋状本体部の前面側から塗布液が溢れ出
て、被塗布基板の被塗布面に、樋状本体部の前面枠部又
は樋状本体部の前面側から溢れ出た塗布液と接する接液
部が形成されるようにした。
【0012】上記したそれぞれの構成の塗布液塗布装置
において、塗布液槽の樋状本体部の底部に、その前端面
側に開口した溝状空間を全長にわたって形成するととも
に、その溝状空間に連通する通気路を形成し、その通気
路を通して加圧用気体を前記溝状空間に供給する加圧用
気体供給手段を設けるようにしてもよい。また、塗布液
槽の樋状本体部の上部を全長にわたって覆蓋するように
カバーを配設するようにしてもよく、この場合、カバ
ー、樋状本体部又は両側枠部に、そのカバーと塗布液槽
の樋状本体部とで囲まれた空間に連通する通気路を形成
し、その通気路を通して所望の気体を前記空間に供給す
る気体供給手段を設けるようにしてもよい。さらに、塗
布液槽に、塗布液の温度を調節するための加熱又は冷却
手段を配設するようにしてもよい。
【0013】また、被塗布基板の被塗布面に塗布された
直後の塗布液膜に向かって気体を吹き出す気体吹出し手
段を配設するようにしてもよい。
【0014】
【作用】上記したようにそれぞれ構成された基板への塗
布液塗布装置では、基板保持手段によって鉛直姿勢又は
前方もしくは後方に傾斜した姿勢に保持された被塗布基
板の被塗布面に、塗布液と接する接液部が基板の幅方向
の略全体にわたって帯状に形成され、この状態におい
て、塗布液槽の樋状本体部の前端面と基板の被塗布面と
の間に、塗布液の流下が起こらない程度の隙間が保たれ
たまま、被塗布基板の縦方向、すなわち基板の幅方向と
直交する方向に被塗布基板と塗布液槽とが相対的に移
動、例えば被塗布基板が静止した状態で塗布液槽が下方
向へ移動することにより、被塗布基板の被塗布面に塗布
液が塗布される。そして、この塗布方式は、被塗布基板
の被塗布面が塗布液に接した状態で被塗布基板が塗布液
に対し相対移動するといった点で、従来の浸漬塗布方式
に類するものであり、従って、この塗布装置によると、
比較的簡便に基板表面に塗布液を塗布することができ、
また、塗布品質は、被塗布基板と塗布液槽との相対移動
速度、塗布液の流動特性や物性などによって決定される
ことになる。また、この塗布装置では、被塗布基板の片
面側だけが塗布液と接し、基板の片面だけに塗布液が塗
布される。
【0015】また、この塗布装置では、塗布液槽に貯留
された塗布液は、被塗布基板の被塗布面と接するだけで
あるので、塗布液の汚れが生じることはない。また、塗
布液は、樋状の塗布液槽内を満たし樋状本体部の前面枠
部からそれを越え又は樋状本体部の前面側から溢れ出て
被塗布基板の被塗布面に接液部が形成される程度の使用
量で済む。さらに、近年、LCD等が大型化する傾向に
あるが、この塗布装置では、被塗布基板を立てた状態で
塗布液の塗布が行なわれるので、装置の設置床面積が少
なくて済むことになる。
【0016】そして、この塗布装置では、被塗布基板の
被塗布面に対し塗布液槽の樋状本体部の前端面が非接触
の状態に保持されるので、基板の有効部分、例えばLC
D用ガラス基板では表示領域を形成する部分に傷を付け
たりするなどといった心配が無い。
【0017】また、塗布液槽の樋状本体部の底部に溝状
空間を形成し、加圧用気体供給手段により通気路を通し
て加圧用気体をその溝状空間に供給するようにしたとき
は、被塗布基板の被塗布面に形成される接液部の下方位
置の、樋状本体部の前端面と被塗布基板の被塗布面との
間の隙間が加圧され、これにより、被塗布基板の被塗布
面の接液部から前記隙間を通って塗布液が流下するのが
強制的に防止される。また、塗布液槽の樋状本体部の上
部にカバーを配設するようにしたときは、周囲環境から
塗布液槽内の塗布液中へ塵埃が混入するのが防止される
とともに、塗布液槽内から塗布液が外部へ流出するのが
防止され、また、塗布液槽内の塗布液の蒸発が抑制さ
れ、さらに、塗布液が感光性を有している場合には、遮
光して塗布液の感光が防止される。さらに、カバー、樋
状本体部又は両側枠部に通気路を形成し、気体供給手段
により通気路を通して所望の気体を前記空間に供給する
ようにしたときは、塗布液槽内の塗布液が大気と接触し
ないようにされ、塗布液が特性変化を起こしたりするの
が抑制される。また、塗布液槽に加熱又は冷却手段を配
設して塗布液の温度を調節するようにしたときは、塗布
液の性状が一定になり、塗布液膜の膜厚均一性等の塗布
品質の安定性が向上する。
【0018】また、気体吹出し手段を配設するようにし
たときは、被塗布基板の被塗布面に塗布された直後の塗
布液膜に向かって気体吹出し手段により気体が吹き出さ
れることにより、被塗布面に塗布された直後の塗布液膜
からの溶剤の蒸発が促進され、その塗布液の粘度が上昇
することになる。この結果、塗布液の塗布操作途中にお
いて、塗布液膜における塗布液の垂れが有効に抑制され
ることになる。この点について、図16を参照しながら、
さらに詳しく説明する。
【0019】被塗布物1の被塗布面に厚さDの塗布液膜
2を形成する場合を考えると、塗布操作開始直後(t0
時)においては、被塗布面上の原点Oを通り被塗布面に
直交するように塗布液膜2の上端面Aが形成される。そ
して、時間の経過に従い、塗布液の垂れが生じることに
より、塗布操作開始直後(t0時)における塗布液膜2
の前端線の位置aが、t1時に位置bとなり、t2時に位
置cとなって、塗布液膜2の上端面がA→B→Cのよう
に変化する。このように、塗布液の垂れによって塗布液
膜2の上端面B、Cが曲面状になると、L1、L2の範囲
における塗布液膜2の厚さがDよりも薄くなり、その範
囲は非有効域部分となる。従って、被塗布面における有
効域部分を可及的に広く確保するためには、塗布液の垂
れ(流動)量を少なくする必要がある。ここで、単位時
間当りの垂れ量Lは、単純化して考えると、一般式L=
(ρgD2)/(2η)(但し、ρ:塗布液の密度、
g:重力の加速度、D:膜厚、η:塗布液の粘度であ
り、降伏値無しとする)で表わされる。
【0020】ところで、実際の塗布操作を考えると、塗
布操作開始時から塗布操作終了時までの時間を0にする
ことは不可能であり、また、塗布液の垂れ量のみを考慮
して塗布操作時間を短く設定することはできない。一
方、LCD用ガラス基板等の大型化の傾向に伴い、塗布
操作に要する時間が長くかかることになり、その結果、
塗布液の垂れ量が増加し、非有効域部分が増大する、と
いった問題がある。従って、塗布液の垂れ量を少なくす
るためには、単位時間当りの垂れ量Lの値を小さくする
しかない。そこで、塗布液槽と一体的に移動する気体吹
出し手段から被塗布基板の被塗布面に塗布された直後の
塗布液膜に向かって気体を吹き出すようにすることによ
り、塗布液の粘度ηを上昇させて、上記一般式によって
算出される単位時間当りの垂れ量Lを小さくすることが
できるようになり、この結果、塗布液の塗布過程におけ
る塗布液の垂れを有効に抑制して、非有効域部分を可及
的に小さくすることが可能になるのである。
【0021】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例について図面
を参照しながら説明する。
【0022】図1ないし図3は、請求項1に記載された
発明の1実施例を示し、図1は、基板への塗布液塗布装
置の要部の構成を示す縦断面図であり、図2は、その正
面図、図3は、その部分の上面図である。
【0023】この塗布装置は、塗布液を塗布しようとす
る基板10を真空吸着等の手段によって固定し、基板10を
鉛直姿勢に保持する基板保持台(ステージ)12、並び
に、基板10の幅方向に延在する樋状本体部16及びこの樋
状本体部16の両側端面を閉塞する両側枠部18、18から構
成された塗布液槽14を備えている。塗布液槽14の樋状本
体部16は、前面枠部20が後面枠部22より低く形成された
有底形状を有し、塗布液槽14は、その樋状本体部16の前
端面とステージ12に保持された基板10の被塗布面との間
に隙間Gが形成されるように、塗布液槽14の両側枠部1
8、18の前端面が樋状本体部16の前端面よりこの隙間G
と同じ寸法だけ突出して形成され、樋状本体部16の前端
面が基板10の被塗布面に非接触でかつ近接するように水
平方向に配設されている。一方、塗布液槽14の両側枠部
18、18は、その前端面が基板10の外周縁部の非有効域部
分に接触するように保持される。また、塗布液槽14は、
樋状本体部16の前端面とステージ12に保持された基板10
の被塗布面との間に隙間Gを保ったままで、かつ、両側
枠部18、18の前端面が基板10の非有効域部分に接触した
状態で、矢印に示すように縦方向、すなわち基板10の幅
方向と直交する下方向へ直線的に移動することができる
ように、図示しない直動駆動機構に支持されている。
【0024】塗布液槽14内には、その樋状本体部16の前
面枠部20を越える量の塗布液24が注入されるようになっ
ており、このとき、前面枠部20から溢れ出た塗布液24
が、ステージ12に保持された基板10の被塗布面に接し、
基板10の被塗布面に基板10の幅方向の略全体にわたる帯
状の接液部26が形成されるようにされている。そして、
塗布液槽14の樋状本体部16の前端面とステージ12に保持
された基板10の被塗布面との間に形成される上記隙間G
の寸法は、樋状本体部16の前面枠部20から溢れ出た塗布
液24が隙間Gを通って下向きに流れ出さない程度の値に
設定される。具体的には、塗布液24の各種物性値や特
性、塗布液槽14内の塗布液24の量、隙間Gを形成してい
る樋状本体部16及び基板10のそれぞれの表面状態、表面
形状、表面粗さ等、塗布液24に対する基板10の被塗布面
の濡れ性、樋状本体部16の前面枠部20の縦方向寸法など
を諸元として、塗布液24が隙間Gを通って流出しようと
する圧力とその際の隙間Gでの圧力損失や流出抵抗とか
ら決定される。
【0025】尚、図1に示した上記例では、ステージ12
によって基板10を鉛直姿勢に保持しているが、基板を前
方方向(図1上における左方向)又は後方方向(図1上
における右方向)へ適当角度だけ傾斜させた姿勢に保持
するようにしてもよく、要するに基板10の被塗布面に接
液部26が形成されかつ塗布液24が塗布液槽14から後面枠
部22を越えてオーバーフローしない構成であればよい。
また、上記した例では、基板を静止させた状態で塗布液
槽14を下方向へ移動させるようにしているが、基板と塗
布液槽とは基板の縦方向に相対的に移動させるようにす
ればよく、塗布液槽を静止させた状態でステージに保持
された基板を上方向へ移動させるような構成としてもよ
い。
【0026】以上のような構成の塗布装置を使用して基
板10の被塗布面に塗布液を塗布するには、まず、ステー
ジ12に真空吸着等によって基板10を固定する。そして、
塗布液槽14を基板10の上端近くに、基板10の被塗布面と
塗布液槽14の樋状本体部16の前端面との間に隙間Gが形
成されるように配置してから、塗布液槽14内に、樋状本
体部16の前面枠部20を越える量の塗布液24を注入する。
これにより、前面枠部20から溢れ出た塗布液24が基板10
の被塗布面に接し、基板10の被塗布面に、基板10の幅方
向の略全体にわたる帯状の接液部26が形成される。この
状態において、塗布液槽14の樋状本体部16の前端面と基
板10の被塗布面との間に隙間Gを保ったまま、基板10の
縦方向、すなわち基板10の幅方向と直交する矢印方向
(下方向)へ塗布液槽14を移動させ、最終的に塗布液槽
14を二点鎖線で示す基板10の下端近くに停止させる。こ
のように塗布液槽14が基板10の上端近くから下端近くま
で移動することにより、基板10の被塗布面の略全体が塗
布液24と接することになり、基板10の被塗布面に塗布液
が塗布される。塗布液槽14が基板10の下端近くに停止し
て基板10の被塗布面への塗布液の塗布が終了すると、樋
状本体部16の前面枠部20を越えない程度の量になるまで
塗布液24を塗布液槽14内から排出し、その後、ステージ
12を塗布液槽14から離間する方向へ水平移動させ(或い
は塗布液槽14をステージ12から離間する方向へ水平移動
させ)、塗布液の塗布が終了した基板10をステージ12か
ら取り外す。そして、最初の工程へ戻る。
【0027】図1ないし図3に示した塗布装置では、塗
布液槽14の両側枠部18、18は、その前端面が基板10の外
周縁部の非有効域部分に接触した状態となるが、図4に
要部上面図を示した塗布装置は、塗布液槽30の樋状本体
部32の両側端面を閉塞する両側枠部34、34が基板10に接
触せず、その前端面とステージ12の基板吸着面とが接触
するような構成となっている。そして、塗布液槽30は、
樋状本体部32の前端面がステージ12に摺接しながら基板
10の縦方向に移動して、基板10の被塗布面に塗布液24が
塗布されるようになっている。
【0028】また、図1ないし図3に示した塗布装置で
は、塗布液槽14の樋状本体部16が、後面枠部22より低く
形成された前面枠部20を有しているが、図5に要部縦断
面図を示した塗布装置は、樋状本体部38が、前面側が開
放した、断面形状がL字形状をなすように形成されてお
り、その樋状本体部38の両側端面を両側枠部40で閉塞し
て塗布液槽36が構成されている。この塗布装置では、塗
布液槽36に塗布液24を注入したときに、ステージ12によ
って保持された基板10の被塗布面に、樋状本体部40の前
面側から溢れ出た塗布液24と接する接液部42が基板10の
幅方向の略全体にわたって形成されるようになってい
る。尚、この実施例でも、基板10を鉛直姿勢に保持する
ことに限定せず、前方又は後方方向に適当角度傾斜させ
て保持してもよい。
【0029】次に、図6(a)、(b)にそれぞれ要部縦断
面図を示した塗布装置は、塗布液槽の構成は図1ないし
図3に示した塗布装置と同じであるが、基板10を保持す
るステージ44と塗布液槽14とが一体的に前方方向へ傾斜
(最初から基板10が前方方向へ傾斜した姿勢に保持され
ているときは、前方方向へさらに傾斜)するように、そ
れらステージ44及び塗布液槽14が回動自在に保持されて
おり、ステージ44と塗布液槽14とを一体的に回動させる
回動駆動機構(図示せず)が設けられている。そして、
この塗布装置では、図6(a)に示すように、塗布液槽14
の内部に、樋状本体部16の前面枠部20から溢れ出ない程
度の量の塗布液24を注入した後、ステージ12によって保
持された基板10と塗布液槽14とを一体的に前方方向へ傾
斜(或いは前方方向へさらに傾斜)させたときに、図6
(b)に示すように、樋状本体部16の前面枠部20から塗布
液24が溢れ出て、基板10の被塗布面に、前面枠部20から
溢れ出た塗布液24と接する接液部46が形成されるように
なっている。また、基板10の被塗布面への塗布液の塗布
が終了すると、ステージ44に保持された基板10と塗布液
槽14とを一体的に元の位置へ回動させて、図6(a)に示
すように基板10及び塗布液槽14を鉛直姿勢(又は鉛直姿
勢により近い姿勢)に戻すようにする。これにより、樋
状本体部16の前面枠部20から溢れ出ていた塗布液24が塗
布液槽14内へ戻され、基板10の被塗布面の接液部46が無
くなる。尚、この実施例では、基板10を1枚塗布する毎
に塗布液槽14の内部に塗布液24を注入することなしに、
1回の注入後複数枚の基板10の塗布操作を連続して行な
うこともできる。
【0030】また、図1ないし図3に示した塗布装置と
同じ構成の塗布液槽又は図5に示した塗布装置と同じ構
成の塗布液槽を備えた塗布装置において、塗布操作前に
基板を後方方向(図1又は図5上における右方向)へ適
当角度だけ傾斜させた姿勢に保持しておき、この状態
で、塗布液槽の内部に、樋状本体部の前面枠部又は樋状
本体部の前面側から溢れ出ない程度の量の塗布液を注入
し、その後、基板を保持するステージと塗布液槽とを塗
布操作前の姿勢より前方方向へ一体的に回動させ、例え
ば鉛直に起立(或いは鉛直姿勢より後方方向又は鉛直姿
勢からさらに前方方向へ傾斜)させることにより、樋状
本体部の前面枠部又は樋状本体部の前面側から塗布液が
溢れ出て、基板の被塗布面に、前面枠部又は樋状本体部
の前面側から溢れ出た塗布液と接する接液部が形成され
るような構成とすることもできる。
【0031】次に、図7(a)、(b)にそれぞれ要部縦断
面図を示した塗布装置は、塗布液槽の樋状本体部が水平
軸回りに回動自在に保持された構成を有している。すな
わち、この塗布装置の塗布液槽48も、基板10の幅方向に
延在する樋状本体部50及びこの樋状本体部50の両側端面
を閉塞する両側枠部52から構成されているが、側枠部52
に対し樋状本体部50が水平軸回りに一定の角度範囲内で
回動自在に保持されており、樋状本体部50を回動させる
回動駆動機構(図示せず)が設けられている。また、樋
状本体部50は、前面枠部54が後面枠部56より低く形成さ
れた有底形状を有しているが、前面枠部54の前端面が、
樋状本体部50の回動中心を中心軸線とした円筒面の一部
をなす円弧状に形成されており、ステージ12に保持され
た基板10に対し樋状本体部50が、その前端面の一部を常
に基板10に無接触でかつ近接させた状態で支障無く回動
できるようにされている。そして、この塗布装置では、
図7(a)に示すように、樋状本体部50を時計回りに回動
させて停止させた状態で、塗布液槽48の内部に、樋状本
体部50の前面枠部54から溢れ出ない程度の量の塗布液24
を注入した後、図7(b)に示すように、樋状本体部50を
反時計回りに回動させて停止させることにより、樋状本
体部50の前面枠部54から塗布液24が溢れ出て、基板10の
被塗布面に、前面枠部54から溢れ出た塗布液24と接する
接液部58が形成されるようになっている。また、基板10
の被塗布面への塗布液の塗布が終了すると、樋状本体部
50を時計回りに回動させて、再び図7(a)に示した位置
へ戻すようにする。これにより、樋状本体部50の前面枠
部54から溢れ出ていた塗布液24が塗布液槽48内へ戻さ
れ、基板10の被塗布面の接液部58が無くなる。
【0032】尚、図7に示した塗布装置では、塗布液槽
48の樋状本体部50が、後面枠部56より低く形成された前
面枠部54を有しているが、そのような構成の樋状本体部
に代えて、図5に示したような、前面側が開放した、断
面形状がL字形状をなす樋状本体部としてもよい。ま
た、この実施例でも、基板10を1枚塗布する毎に塗布液
槽48内部に塗布液24を注入することなしに、1回注入後
複数枚の基板10の塗布操作を連続して行なうこともでき
る。さらにまた、基板10を鉛直姿勢に保持せずに前方又
は後方方向に適当角度傾斜させて保持してもよい。
【0033】図8に要部正面図を、図9に図8のIX−IX
矢視拡大縦断面図を、また図10に図8のX−X矢視横断
面図をそれぞれ示した塗布装置は、基板の被塗布面の接
液部から塗布液が基板の被塗布面と塗布液槽の樋状本体
部の前端面との間の隙間を通って流下するのを強制的に
防止するための手段を備えた構成を有する。すなわち、
この塗布装置の塗布液槽60は、前面枠部66が後面枠部68
より低く形成された有底形状を有し両側端面が両側枠部
64、64で閉塞された樋状本体部62の底部に、その前端面
側に開口した溝状空間70が全長にわたって形成されてい
るとともに、その溝状空間70に連通する通気路72が形成
されている。通気路72の個数及び形成位置並びに溝状空
間70の形状などは、図示例のものに限定されないことは
勿論である。そして、通気路72の、樋状本体部62の後端
面側に開口した導入口に、図示しない加圧用気体供給源
が流路接続されている。このような構成の塗布装置で
は、樋状本体部62の通気路72を通して加圧用気体を溝状
空間70に供給することにより、ステージ12に保持された
基板10の被塗布面に形成される接液部26の下方位置の、
樋状本体部62の前面枠部66の前端面と基板10の被塗布面
との間の隙間が加圧され、接液部26から塗布液24が隙間
を通って流下するのが強制的に防止される。また、図8
ないし図10に示したような構成としたときは、樋状本体
部62の前面枠部66の前端面と基板10の被塗布面との間の
隙間を少し広い目に設定することも可能になる。尚、図
示例の塗布装置では、後面枠部68より低く形成された前
面枠部66を有する樋状本体部62に溝状空間70及び通気路
72を形成するようにしているが、例えば図5に示したよ
うな、断面形状がL字形状をなす樋状本体部に溝状空間
及び通気路を形成するようにしてもよい。また、通気路
72は、樋状本体部62の代わりに両側枠部64、64に形成し
てもよい。さらに、本実施例の構成は、図4に図示した
塗布装置にも適用できる。
【0034】図11に要部縦断面図を示した塗布装置は、
図1ないし図3に示した塗布装置の塗布液槽と同様の、
前面枠部20が後面枠部22より低く形成された有底形状を
有し両側端面が両側枠部18で閉塞された樋状本体部16
に、その上部を全長にわたって覆蓋するようにカバー76
を配設して塗布液槽74が構成されている。このように塗
布液槽74の樋状本体部16の上部にカバー76を配設するこ
とにより、周囲環境から塗布液槽74内の塗布液24中へ塵
埃が混入したり塗布液槽74内から塗布液24が外部へ流出
したりするのが防止され、また、塗布液槽74内の塗布液
24の蒸発が抑制され、さらに、感光性塗布液では、それ
が感光するのが防止される。尚、例えば図5に示した、
断面形状がL字形状をなす樋状本体部38にカバーを配設
して塗布液槽を構成してもよく、また図7に図示した樋
状本体部56にカバーを配設して塗布液槽を構成してもよ
い。
【0035】また、図12に要部縦断面図を示すように、
樋状本体部16の上部を覆蓋するカバー80に、そのカバー
80と樋状本体部16とで囲まれた空間に連通する通気路82
を形成し、その通気路82の導入口に、図示しない、例え
ば不活性ガスなどの気体供給源を流路接続して、塗布液
槽78を構成するようにしてもよい。例えば、プリント基
板の製造プロセスで使用されるハンダ塗布装置(ソルダ
ーコータ)では、このような構成の塗布装置とし、通気
路82を通して窒素ガス等の不活性ガスを前記空間に供給
してパージすることにより、塗布液槽78内の塗布液24が
大気と接触するのが防止され、塗布液24が特性変化を起
こしたりするのが抑制される。また、図12に示した構成
の塗布装置において、塗布液槽14内の塗布液24からの溶
剤の蒸発を抑制するために、通気路82を通して所望の溶
剤のベーパーを供給し、パージを行なうようにすること
もできる。尚、この実施例では、通気路82をカバー80に
形成しているが、この代わりに、例えば樋状本体部22又
は両側枠部18に形成してもよい。
【0036】尚、上記説明並びに図面では、塗布液槽の
側枠部が、ステージに保持された基板又はステージに接
触したものを実施例として示したが、塗布液槽内から塗
布液が隙間を通って外部へ流出しにくければ、側枠部が
基板又はステージに非接触で近接するような状態に塗布
液槽を保持するようにしても差し支えない。
【0037】また、例えば、塗布液膜の膜厚均一性等の
塗布品質の安定化を図る上で、塗布液の温度調節を行な
う必要があるような場合には、例えばペリチェリー素子
やその他の冷却・加熱用部材を塗布液槽の内部に組み込
むようにすればよい。この際、塗布液の温度調節に当た
っての測定対象温度としては、塗布液の塗布時における
周囲環境温度、被塗布基板の温度、基板を保持するステ
ージの温度などを選定すればよい。また、この発明をハ
ンダ塗布装置に適用するような場合には、使用するハン
ダ液の融点を念頭において設定温度を決定する必要があ
る。
【0038】次に、図13に要部構成の縦断面図を、図14
にその正面図を、図15にその部分の上面図をそれぞれ示
した基板への塗布液塗布装置は、塗布液槽の構成は図1
ないし図3に示した塗布装置と同じであるが、塗布液槽
14の上部に一体に気体吹出し槽84を取着して構成されて
いる。気体吹出し槽84は、基板10の幅方向全体にわたっ
て延在する筒状をなしており、その前端部に、槽内部に
連通するスリット状ノズル86が全長にわたって形設され
ている。このスリット状ノズル86は、斜め上方に向かっ
て気体が吹き出すように、その先端開口が加工形成され
ている。また、気体吹出し槽84の背面壁部には、槽内部
へ気体を供給するための気体供給孔88が形設されてい
る。図中の90は、塗布液注入孔である。
【0039】図13ないし図15に示したような構成の塗布
装置では、図1ないし図3に示した塗布装置と同様に、
塗布液槽14が基板10の上端近くから下端近くまで移動す
ることにより、基板10の被塗布面の略全体に塗布液が塗
布されるが、その塗布過程において、気体吹出し槽84が
塗布液槽14と一体に移動してスリット状ノズル86から斜
め上方に向かって気体、例えば窒素ガスが吹き出される
ことにより、基板10の被塗布面に塗布された直後の塗布
液膜に向かって気体が吹き付けられることになる。これ
により、基板10の被塗布面に塗布された直後の塗布液膜
からの溶剤の蒸発が促進され、その塗布液の粘度が上昇
することになるため、塗布液の塗布操作途中において、
塗布液膜から被塗布面を伝って塗布液が垂れるのが抑制
される。気体吹出し槽84のスリット状ノズル86からの気
体の吹出しは、塗布操作が終了するまで継続し、塗布液
槽14及び気体吹出し槽84が基板10の下端近くまで移動し
て停止すると、停止させる。或いは、塗布操作が終了し
た後、塗布液槽14及び気体吹出し槽84をさらに下方へ僅
かに移動させ、基板10の被塗布面に塗布された塗布液膜
の最下部分にも気体を吹き付けた後、気体吹出し槽84の
スリット状ノズル86からの気体の吹出しを停止するよう
にしてもよい。
【0040】図13ないし図15に示した塗布装置では、塗
布液槽14に気体吹出し槽84が一体に取着されているが、
塗布液槽と気体吹出し槽とを分離しそれぞれ別体として
構成してもよく、その場合に、別々の直動駆動機構によ
り塗布液槽と気体吹出し槽とをそれぞれを駆動するよう
にしても差し支えない。また、気体吹出し手段を固定
し、例えば基板10の上端付近或いは側方から、基板10の
被塗布面に塗布された塗布液膜に向かって気体を吹き出
させるような構成としてもよい。また、図13ないし図15
に示した塗布装置では、塗布液槽14の上部側に気体吹出
し槽84を取着し、基板10に対して下向きに塗布液槽14及
び気体吹出し槽84を移動させるようにしているが、塗布
液槽の下部側に気体吹出し槽を取着し、基板10に対して
上向きに塗布液槽及び気体吹出し槽を移動させ、基板10
の被塗布面に塗布された直後の塗布液膜に向かって気体
吹出し槽のスリット状ノズルから斜め下方へ気体を吹き
出させるような構成とすることもできる。また、気体吹
出し槽84の前端部にスリット状ノズル86を全長にわたっ
て形設するようにしているが、1本のスリット状ノズル
に代えて、例えば、気体吹出し槽の前端部に多数の小径
孔を全長にわたり並列させて穿設するようにしてもよ
い。さらに、気体吹出し槽84のスリット状ノズル86から
気体が基板10の幅方向全体に均一に吹き出すように、気
体吹出し槽84の内部に邪魔板等を設けたり、気体吹出し
槽84の背面壁部に複数個の気体供給孔を等配して穿設し
たりしてもよい。
【0041】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
かつ作用するので、この発明に係る塗布液塗布装置を使
用すれば、基板の片面だけに塗布液を塗布することがで
き、その際に塗布液の汚れが生ぜず、塗布液槽を小型化
でき、またスピニング装置におけるような基板表面上の
塗布液の飛散もなく、塗布液の必要使用量も少なくて済
む。また、この塗布装置は、設置床面積が少なくて済
み、特に、近年において大型化する傾向にあるLCD用
ガラス基板に塗布液を塗布する場合などに有利となり、
また、構成も簡易で、塗布工程も比較的簡便に行なうこ
とができる。さらに、この塗布装置では、被塗布基板の
被塗布面に非接触で塗布液の塗布が行なわれるため、基
板の有効部分、例えばLCD用ガラス基板では表示領域
を形成する部分に傷が付くことによって品質低下を来す
といったような恐れが無い。そして、この発明に係る塗
布装置による塗布方式は、従来の浸漬塗布方式に類する
ものであり、従って、この塗布装置によると、膜厚の薄
い塗布液膜を基板面に形成したり、膜厚のむらを最小限
に抑えることができ、また、塗布品質は、被塗布基板と
塗布液槽との相対移動速度、塗布液の流動特性や物性な
どによって単純に規定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載された発明の1実施例を示し、
基板への塗布液塗布装置の要部の構成を示す縦断面図で
ある。
【図2】図1に示した装置の要部正面図である。
【図3】図1に示した装置の要部の上面図である。
【図4】請求項1に記載された発明の別の実施例を示す
塗布液塗布装置の要部の上面図である。
【図5】請求項2に記載された発明の1実施例を示す塗
布液塗布装置の要部縦断面図である。
【図6】請求項3に記載された発明の1実施例を示す塗
布液塗布装置の要部縦断面図である。
【図7】請求項5に記載された発明の1実施例を示す塗
布液塗布装置の要部縦断面図である。
【図8】請求項6に記載された発明の1実施例を示す塗
布液塗布装置の要部正面図である。
【図9】図8のIX−IX矢視拡大縦断面図である。
【図10】図8のX−X矢視横断面図である。
【図11】請求項7に記載された発明の1実施例を示す塗
布液塗布装置の要部縦断面図である。
【図12】請求項8に記載された発明の1実施例を示す塗
布液塗布装置の要部縦断面図である。
【図13】請求項10に記載された発明の1実施例を示す
塗布液塗布装置の要部縦断面図である。
【図14】図13に示した装置の要部正面図である。
【図15】図13に示した装置の要部の上面図である。
【図16】請求項10に記載された発明の作用を説明する
ための図である。
【符号の説明】
10 基板 12、44 基板保持台(ステージ) 14、30、36、48、60、74、78 塗布液槽 16、32、38、50、62 樋状本体部 18、34、40、52、64 側枠部 20、54、66 前面枠部 22、56、68 後面枠部 24 塗布液 26、42、46、58 接液部 70 溝状空間 72 樋状本体部に形成された通気路 76、80 カバー 82 カバーに形成された通気路 84 気体吹出し槽 86 スリット状ノズル 88 気体供給孔 G 樋状本体部の前端面と基板の被塗布面との間の隙間

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗布基板を鉛直姿勢又は前方方向もし
    くは後方方向へ傾斜した姿勢に保持する基板保持手段
    と、前面枠部が後面枠部より低く形成された有底の、前
    記基板保持手段に保持された被塗布基板の幅方向に延在
    する樋状本体部と、この樋状本体部の両側端面を閉塞す
    る両側枠部とから構成されて、前記樋状本体部の前端面
    が基板保持手段に保持された被塗布基板の被塗布面に非
    接触でかつ近接するように水平方向に配設され、樋状本
    体部の前端面と被塗布基板の被塗布面との間に隙間を保
    ったまま被塗布基板に対しその縦方向に相対的に移動自
    在に保持された塗布液槽と、この塗布液槽と前記基板保
    持手段に保持された被塗布基板とを相対的に直線的に移
    動させる直動手段とからなり、前記塗布液槽に、その樋
    状本体部の前面枠部を越える量の塗布液を注入したとき
    に、前記基板保持手段によって保持された被塗布基板の
    被塗布面に、前面枠部から溢れ出た塗布液と接する接液
    部が形成される、基板への塗布液塗布装置。
  2. 【請求項2】 被塗布基板を鉛直姿勢又は前方方向もし
    くは後方方向へ傾斜した姿勢に保持する基板保持手段
    と、前面側が開放した、断面形状がL字形状をなす、前
    記基板保持手段に保持された被塗布基板の幅方向に延在
    する樋状本体部と、この樋状本体部の両側端面を閉塞す
    る両側枠部とから構成されて、前記樋状本体部の前端面
    が基板保持手段に保持された被塗布基板の被塗布面に非
    接触でかつ近接するように水平方向に配設され、樋状本
    体部の前端面と被塗布基板の被塗布面との間に隙間を保
    ったまま被塗布基板に対しその縦方向に相対的に移動自
    在に保持された塗布液槽と、この塗布液槽と前記基板保
    持手段に保持された被塗布基板とを相対的に直線的に移
    動させる直動手段とからなり、前記塗布液槽に塗布液を
    注入したときに、前記基板保持手段によって保持された
    被塗布基板の被塗布面に、前記樋状本体部の前面側から
    溢れ出た塗布液と接する接液部が形成される、基板への
    塗布液塗布装置。
  3. 【請求項3】 被塗布基板を鉛直姿勢又は前方方向へ傾
    斜した姿勢に保持する基板保持手段と、前面枠部が後面
    枠部より低く形成された有底の、前記基板保持手段に保
    持された被塗布基板の幅方向に延在する樋状本体部と、
    この樋状本体部の両側端面を閉塞する両側枠部とから構
    成されて、前記樋状本体部の前端面が基板保持手段に保
    持された被塗布基板の被塗布面に非接触でかつ近接する
    ように水平方向に配設され、樋状本体部の前端面と被塗
    布基板の被塗布面との間に隙間を保ったまま被塗布基板
    に対しその縦方向に相対的に移動自在に保持された塗布
    液槽と、この塗布液槽と前記基板保持手段に保持された
    被塗布基板とを相対的に直線的に移動させる直動手段と
    を備え、前記基板保持手段に保持された被塗布基板と前
    記塗布液槽とが一体的に前方方向へ傾斜し又は前方方向
    へさらに傾斜するようにそれらを回動自在に保持し、そ
    れら被塗布基板と塗布液槽とを一体的に回動させる回動
    手段を設けてなり、前記基板保持手段に保持された被塗
    布基板と前記塗布液槽とを一体的に前方方向へ傾斜させ
    又は前方方向へさらに傾斜させたときに、樋状本体部の
    前面枠部から塗布液が溢れ出て、被塗布基板の被塗布面
    に、前面枠部から溢れ出た塗布液と接する接液部が形成
    される、基板への塗布液塗布装置。
  4. 【請求項4】 被塗布基板を後方方向へ傾斜した姿勢に
    保持する基板保持手段と、前面枠部が後面枠部より低く
    形成された有底の、又は、前面側が開放した、断面形状
    がL字形状をなす、前記基板保持手段に保持された被塗
    布基板の幅方向に延在する樋状本体部と、この樋状本体
    部の両側端面を閉塞する両側枠部とから構成されて、前
    記樋状本体部の前端面が基板保持手段に保持された被塗
    布基板の被塗布面に非接触でかつ近接するように水平方
    向に配設され、樋状本体部の前端面と被塗布基板の被塗
    布面との間に隙間を保ったまま被塗布基板に対しその縦
    方向に相対的に移動自在に保持された塗布液槽と、この
    塗布液槽と前記基板保持手段に保持された被塗布基板と
    を相対的に直線的に移動させる直動手段とを備え、前記
    基板保持手段に保持された被塗布基板と前記塗布液槽と
    が一体的に後方方向傾斜姿勢から前方方向に向けて移動
    するようにそれらを回動自在に保持し、それら被塗布基
    板と塗布液槽とを一体的に回動させる回動手段を設けて
    なり、前記基板保持手段に保持された被塗布基板と前記
    塗布液槽とを後方方向傾斜姿勢から前方方向に向けて移
    動させたときに、樋状本体部の前面枠部又は樋状本体部
    の前面側から塗布液が溢れ出て、被塗布基板の被塗布面
    に、樋状本体部の前面枠部又は樋状本体部の前面側から
    溢れ出た塗布液と接する接液部が形成される、基板への
    塗布液塗布装置。
  5. 【請求項5】 被塗布基板を鉛直姿勢又は前方方向もし
    くは後方方向へ傾斜した姿勢に保持する基板保持手段
    と、前面枠部が後面枠部より低く形成された有底の、又
    は、前面側が開放した、断面形状がL字形状をなす、前
    記基板保持手段に保持された被塗布基板の幅方向に延在
    する樋状本体部と、この樋状本体部の両側端面を閉塞す
    る両側枠部とから構成されて、前記樋状本体部の前端面
    が基板保持手段に保持された被塗布基板の被塗布面に非
    接触でかつ近接するように水平方向に配設され、樋状本
    体部の前端面と被塗布基板の被塗布面との間に隙間を保
    ったまま被塗布基板に対しその縦方向に相対的に移動自
    在に保持された塗布液槽と、この塗布液槽と前記基板保
    持手段に保持された被塗布基板とを相対的に直線的に移
    動させる直動手段とを備え、前記塗布液槽の樋状本体部
    を水平軸回りに回動自在に保持し、その樋状本体部を回
    動させる回動手段を設けてなり、樋状本体部を回動させ
    たときに、樋状本体部の前面枠部又は樋状本体部の前面
    側から塗布液が溢れ出て、被塗布基板の被塗布面に、樋
    状本体部の前面枠部又は樋状本体部の前面側から溢れ出
    た塗布液と接する接液部が形成される、基板への塗布液
    塗布装置。
  6. 【請求項6】 塗布液槽の樋状本体部の底部に、その前
    端面側に開口した溝状空間を全長にわたって形成すると
    ともに、その溝状空間に連通する通気路を形成し、その
    通気路を通して加圧用気体を前記溝状空間に供給する加
    圧用気体供給手段を設けた請求項1ないし請求項5のい
    ずれかに記載の、基板への塗布液塗布装置。
  7. 【請求項7】 塗布液槽の樋状本体部の上部を全長にわ
    たって覆蓋するようにカバーを配設した請求項1ないし
    請求項6のいずれかに記載の、基板への塗布液塗布装
    置。
  8. 【請求項8】 カバー、樋状本体部又は両側枠部に、該
    カバーと塗布液槽の樋状本体部とで囲まれた空間に連通
    する通気路を形成し、その通気路を通して所望の気体を
    前記空間に供給する気体供給手段を設けた請求項7記載
    の、基板への塗布液塗布装置。
  9. 【請求項9】 塗布液槽に、塗布液の温度を調節するた
    めの加熱又は冷却手段が配設された請求項1ないし請求
    項8のいずれかに記載の、基板への塗布液塗布装置。
  10. 【請求項10】 被塗布基板の被塗布面に塗布された直
    後の塗布液膜に向かって気体を吹き出す気体吹出し手段
    を配設した請求項1ないし請求項9のいずれかに記載
    の、基板への塗布液塗布装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100348214B1 (ko) * 2000-04-28 2002-08-09 송준헌 플라스틱판 코팅장치
JP2014193449A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Fujita Corp 塗料の塗布方法および塗布装置

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