JPH0711201U - パイプ面取加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 寸法の異なるパイプの内外面取加工におい
て、段取替えが簡単にできるパイプ面取加工装置を提供
する。 【構成】 ワーク固定装置Ａをベッド１上の一端に設
け、このワーク固定装置Ａと対向する移動ユニット６を
ベッド１上の他端に設け、この移動ユニット６の上方に
可変速制御のモータ９を設け、このモータ９と連動する
回転部材１１を配設し、この回転部材１１に摺動自在な
回転軸１４を挿入し、この回転軸１４の一端に内面取工
具１５を挿着し他端に回転自在なシリンダ１７を設ける
とともに、前記回転部材１１に回転子１８ｃを有するリ
ンク部材１８ｂと工具取付部材１８ａと本体１８ｄから
なる刃物台１８を係着し、この刃物台１８の回転子１８
ｃに摺接し推力を伝達する推力シリンダ１９ｄを備えた
推力伝達部材１９を設けた構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、パイプ面取加工装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、パイプの内外面の面取加工は、単能盤等のチャックにワークを 挟着し、ワークを回転させて所定の専用バイト等で内外面の面取加工を行ってい る。しかしながら、上記単能盤等での面取加工では、加工するワークの内外径や 長さが変更されると、その都度、ワークの位置決め、バイト軌跡の変更等の段取 替えが必要となり、多種少量生産では前記段取時間がコストアップの要因となっ ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記問題点に鑑み、ワーク変更時にワーク保持部材のみを交換し 段取時間を最小にできるパイプ面取加工装置を提供することを目的とするもので ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

即ち、この考案は、ワークの位置決め手段を備えたＶ形状の断面を有するワー ク保持部材とクランプ手段を備えたワーク固定装置Ａをベッド上の一端に設け、 このワーク固定装置Ａと対向する移動ユニットをベッド上の他端側に設け、この 移動ユニットの上方に可変速制御のモータを設け、このモータと連動する回転部 材を配設し、この回転部材に摺動自在な回転軸を挿入し、この回転軸の一端に内 面取工具を挿着し他端に回転自在なシリンダを設けるとともに、前記回転部材に 回転子を有するリンク部材と工具取付部材と本体からなる刃物台を係着し、この 刃物台の回転子に摺接し推力を伝達する推力シリンダを備えた推力伝達部材を設 けたことを特徴としている。

【０００５】

【作用】

この考案によれば、ワーク（パイプ）を保持部材の所定位置に固定し、内面取 工具を回転させて前進させワークの内面取加工を行ない、つぎに、外面取工具を 固定した刃物台に推力伝達部材よりの推力を回転子を介して伝達し、リンク機構 の作用により外面取工具がワークに接触し、ワークの外周面の面取加工を行なう ことができる。

【０００６】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図１は、この考案を実施したパイプ面取加工装置を正面よりみた概略説明図、 図２は、図１を上面より一部を破断して示す概略説明図、図３は、図１のワーク 側々面よりみた概略説明図である。

【０００７】 この考案のパイプ面取加工装置の構成は、図１〜図３に示すように、ベッド１ 上の一端に、支持部材２の上面にＶ形状の断面を有するワーク保持部材３と、下 面にワークの位置決プレート４ａとシリンダ４ｂを有する位置決め手段４と、ク ランププレート５ａとシリンダ５ｂを有するクランプ手段５とを組合せた構成の ワーク固定装置Ａを配設し、このワーク固定装置Ａと対向するベッド１上の所定 位置に移動ユニット６を設け、この移動ユニット６の上方にインバータ制御のモ ータ９を配置し、このモータ９にＶベルト１３を介して連動する回転部材１１を 配設し、この回転部材１１に摺動自在な回転軸１４（スプライン軸）を挿入し、 この回転軸１４の一端に内面取工具１５を装着し他端に回転自在なシリンダ１７ を軸着するとともに、前記回転部材１１を挟んで回転子１８ｃを有するリンク部 材１８ｂと工具取付部材１８ａと本体１８ｄからなる刃物台１８を前記回転部材 １１の外径に係着し、この刃物台１８の回転子１８ｃに摺接し推力を伝達するシ リンダ１９ｂを備えた推力伝達部材１９を設けている。

【０００８】 図３に示すように、前記支持部材２とワーク保持部材３のそれぞれの中央部に は凹凸の所定の嵌合部を形成し、ワーク寸法（５ｍｍ〜５０ｍｍ）変更時にワー ク保持部材３の交換を容易にしている。前記位置決め手段４の位置決めプレート ４ａは、図１に示すように、支持部材２の下方とワーク保持部材３の前面との間 をシリンダ４ｂの作動に連動（２点鎖線参照）して動作するようになっている。 クランプ手段５は、ワーク保持部材３上に位置決めされたワークをシリンダ５ｂ の作動によりクランププレート５ａで挟持する。

【０００９】 前記移動ユニット６は、図１〜２に示すように、移動部６ａと本体６ｂおよび シリンダ６ｃからなり、前記ベッド１の下面側にシリンダ６ｃを配設し本体６ｂ をベッド１の上面の所定位置に配置し、摺動部６ａ’を介して移動部６ａを架設 し、この移動部６ａをシリンダ６ｃの作動により所定ストローク（図２のＳ参照 ）摺動させる。この移動部６ａの上面に、図１に示すように、１対の軸受部材７ を立設し、この軸受部材７の上面にモータ支持板８を架設し、この支持板８上に 所定の手段でモータ９を固定する。そして、このモータ９の回転軸に装着したプ ーリー１０と前記軸受部材７に挿入した回転部材１１に係着したプーリー１２を Ｖベルト１３を介して連結している。

【００１０】 回転部材１１は、前記軸受部材７間に挿通してあって、中心部には所定のスプ ライン穴を貫通し、このスプライン穴に回転軸１４（スプライン軸）を嵌入して いる。そして、この回転軸１４のワーク側の端部に内面取工具１５を装着し、他 端に回転体１６を介してシリンダ１７を設けている。前記回転部材１１のワーク 側所定位置に、回転部材１１を挟むように設けた回転子１８ｃを有するリンク部 材１８ｂと工具取付部材１８ａと本体１８ｄからなる刃物台１８が係着してあっ て、この刃物台１８の工具取付部材１８ａはリンク機構の作用によりワーク側に スライドする機構を備えている。又、リンク部材１８ｂの一端に回転自在に挿着 してある回転子１８ｃの外周面は、リンク部材１８ｂに推力を伝達する推力伝達 部材１９に摺接している。前記推力伝達部材１９は、回転子１８ｃを収納する推 力伝達板１９ａを軸受部材７を介して２個のガイド部材１９ｂで保持し、この２ 個のガイド部材１９ｂの他端を連結板１９ｃで連結し、この連結板１９ｃを推力 シリンダ２０に連結した構成となっている。そして、前記回転子１８ｃの外周面 は、図２に示すように推力伝達板１９ａの内面に摺接している。尚、この推力伝 達板１９ａの移動量、即ち、前記工具取付部材１８ａのスライド量は、加工する ワークの大小により変化するため、図示省略のセンサ等により予め設定した移動 量に規制できるようにしている。図中２０は、外面取工具である。

【００１１】 つぎに、上記構成のパイプ面取加工装置の作用を説明する。 まづ、加工するワーク（パイプ外径）に適合するワーク保持部材３をワーク支 持部材２の所定位置に固定し、位置決め手段４の位置決めプレート４ａをワーク 保持部材３の所定位置に係止する。そして、所定のワークをワーク保持部材３に セットして、図示省略の制御器にスタートを指示すると次の動作を開始する。 即ち、クランプ手段５によりワークを固定すると位置決め手段４のシリンダ４ ｂが動作し、位置決めプレート４ａを下方の安全位置まで移動させた後、モータ ９を駆動して回転部材１１を回転させる。ついで、移動ユニット６のシリンダ６ ｃが作動し図２に示すＳストローク分だけ早送り移動し、つぎに、内面取用のシ リンダ１７が作動し回転軸１４を介して内面取工具１５が前進し所定の内面取加 工を行ない後退する。内面取加工が完了すると、推力伝達部材１９のシリンダ１ ９ｄが作動し推力伝達板１９ａを前進させる。推力伝達板１９ａが前進すること により回転子１８ｃを介してリンク部材１８ｂが移動し、リンク機構の作用によ り工具取付部材１８ａが軸方向に対し直角にスライドし、外面取工具２０がワー クの両サイドより所定の外面取加工を行なう。そして、前記推力伝達板１９ａの 所定移動量を検出するセンサ（図示省略）の作用により外面取加工が完了し、上 記の逆手順により原位置まで復帰し完工が完了する。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、加工するワークをワーク保持部材に 固定した状態で、内面取加工と外面取加工を順次加工するようにしたので、加工 するワークの変更時の段取替えは、所定のワーク保持部材の交換と、予め設定し てある推力伝達部材の移動量を指示するだけでよく、従来の単能盤等による段取 時間より大巾に短くすることができる。又、使用する面取用工具は、市販の汎用 工具でよくランニングコストを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を実施したパイプ面取加工装置を正面
より見た説明図である。

【図２】図１の一部を破断して上面より見た説明図であ
る。

【図３】図１の左側面より見た説明図である。

【符号の説明】

Ａ ワーク固定装置 １ ベッド ３ ワーク保持部材 ４ 位置決め手段 ５ クランプ手段 ６ 移動ユニット ９ モータ １１ 回転部材 １４ 回転軸 １５ 内面取工具 １７ シリンダ １８ 刃物台 １８ａ 工具取付部材 １８ｂ リンク部材 １８ｃ 回転子 １８ｄ 本体 １９ 推力伝達部材 １９ｄ 推力シリンダ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークの位置決め手段４を備えたＶ形状
   の断面を有するワーク保持部材３とクランプ手段５を備
   えたワーク固定装置Ａをベッド１上の一端に設け、この
   ワーク固定装置Ａと対向する移動ユニット６をベッド１
   上の他端側に設け、この移動ユニット６の上方に可変速
   制御のモータ９を設け、このモータ９と連動する回転部
   材１１を配設し、この回転部材１１に摺動自在な回転軸
   １４を挿入し、この回転軸１４の一端に内面取工具１５
   を挿着し他端に回転自在なシリンダ１７を設けるととも
   に、前記回転部材１１に回転子１８ｃを有するリンク部
   材１８ｂと工具取付部材１８ａと本体１８ｄからなる刃
   物台１８を係着し、この刃物台１８の回転子１８ｃに摺
   接し推力を伝達する推力シリンダ１９ｄを備えた推力伝
   達部材１９を設けたことを特徴とするパイプ面取加工装
   置。