JPH0711201A

JPH0711201A - 装飾用粘着シートの製造方法

Info

Publication number: JPH0711201A
Application number: JP15217193A
Authority: JP
Inventors: Masao Saito; 雅男斉藤; Kojiro Yanagi; 宏二郎柳
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1993-06-23
Filing date: 1993-06-23
Publication date: 1995-01-13

Abstract

(57)【要約】【目的】印刷層に保護層を別途設ける必要がなく、且
つ印刷工程中には樹脂フィルムに補強シート等を積層さ
せる手間もなく、所望の印刷層をシートに設けることを
可能とする、印刷を施された装飾用粘着シートの製造方
法を提供する。【構成】剥離シートを工程紙とし、該剥離シート上に
オルガノゾル（例、塩化ビニル樹脂系）または樹脂溶液
を塗布、加熱することにより透明性を有する樹脂フィル
ム１を形成し、次いで、該樹脂フィルム１背面上に所望
の印刷を施し、さらに、該印刷層２面に、離型紙４上に
形成された粘着剤層３を貼り付けた後、前記工程紙とし
ての剥離シートを剥ぎ取る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、印刷を施された装飾用
粘着シートの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、顔料が含まれた不透明、透明
または半透明の主としてポリ塩化ビニル製の樹脂フィル
ムの一面に粘着剤層が形成されてなる装飾用粘着シート
が知られている。この装飾用粘着シートは、装飾を施し
たい材料に粘着剤層を利用して貼り付け、上記樹脂フィ
ルムの表面側の色や模様などにより装飾効果を発揮させ
るものであり、近年、塗装に代わり、ラベルやステッカ
ー類、広告や看板などのディスプレー分野、車両の装飾
などのフリートマーキング分野などに使われている（例
えば、特開昭６３−５４４８３号公報、特開平２−８４
４７６号公報）。さらに、上記装飾用粘着シートに、所
望のデザインに相当する印刷を施すことにより、一層の
マーキング効果を図ることも行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記装
飾用粘着シートに印刷を施す場合、樹脂フィルム表面上
に所望の印刷層を設けると、印刷層を紫外線や傷つきか
ら保護する為、さらにクリヤーな樹脂層を設けなければ
ならない。また、印刷層を樹脂フィルムと粘着剤層との
間に設けることも考えられるが、この場合には、製造工
程中、印刷しようとする樹脂フィルムが巻き取りテンシ
ョンや加熱乾燥工程で引き延ばされてしまい、印刷層に
歪みが生じてしまうと言った問題がある為、補強シート
を積層させて印刷しなければならない。

【０００４】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは印刷層に保護層を別途設
ける必要がなく、且つ印刷工程中には樹脂フィルムに補
強シート等を積層させる手間もなく、所望の印刷層をシ
ートに設けることを可能とする装飾用粘着シートの製造
方法を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の装飾用粘着シー
トの製造方法は、剥離シート上にオルガノゾルまたは樹
脂溶液を塗布、加熱することにより透明性を有する樹脂
フィルムを形成し、該樹脂フィルム背面上に所望の印刷
を施し、さらに、該印刷層面に粘着剤層を形成すること
からなる。

【０００６】本発明に用いられるオルガノゾルとは、合
成樹脂と該樹脂を実質的に溶解しない有機溶剤とからな
るものであり、樹脂溶液とは、樹脂を有機溶剤に完全に
溶解させたもの、または溶融させたものをいう。この様
なオルガノゾルまたは樹脂溶液に使用する合成樹脂とし
ては、フィルムに成形後、透明性を有した樹脂フィルム
に成り得るものであれば特に限定されるものではなく、
例えば、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられるが、本発明に
おいて特に好ましいものとして、塩化ビニル樹脂と、塩
化ビニル樹脂を実質的に溶解しない有機溶剤を主成分と
するオルガノゾルを挙げることができる。塩化ビニル樹
脂を実質的に溶解しない有機溶剤としては、トルエン、
キシレン、セルソルブ、メチルイソブチルケトン等の沸
点が１１０〜１８０℃のものが挙げられる。

【０００７】さらに、上記塩化ビニル樹脂系オルガノゾ
ルには、樹脂を軟質化させる成分として可塑剤を該樹脂
１００重量部に対して２５〜６０重量部程度配合する。
上記可塑剤としては長期間屋外で使用しても蒸散や移行
の少ないアジピン酸系ポリエステル可塑剤が好適であ
る。

【０００８】さらに、上記オルガノゾルには、必要によ
り、樹脂フィルムの透明性を損なわない程度に、顔料を
配合してもよい。さらに、必要により、安定剤や紫外線
吸収剤を配合してもよい。

【０００９】本発明の装飾用粘着シートの製造方法は、
まず、剥離シートを工程紙とし、該剥離シート上にオル
ガノゾルまたは樹脂溶液を塗布、加熱することにより透
明性を有する樹脂フィルムを形成する。塗布方法は、キ
ャスティング法が挙げられる。キャスティング法で塗布
する場合、塗工機としては、例えばコンマロールコータ
ー、ロールコーターなどが挙げられる。塗布後、加熱し
て透明性を有する樹脂フィルムを形成する。加熱温度
は、オルガノゾルまたは樹脂溶液に用いる有機溶剤の種
類により異なるが、２００℃程度が好ましい。この樹脂
フィルムの厚みは使い易さの点で３０〜２００μｍが好
ましい。

【００１０】上記剥離シートとしては、適度の支持力を
有し、形成した樹脂フィルムを剥離することが可能なシ
ート状のものであれば、特に限定されないが、例えば、
上質紙にアルキッド樹脂を被覆したもの、ポリエチレン
テレフタレートフィルムにシリコン樹脂を被覆したもの
などが挙げられる。

【００１１】次いで、剥離シート上に形成されている樹
脂フィルム背面上に所望の印刷を施す。印刷方法として
は、特に限定されるものではなく、必要に応じて、例え
ば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などが挙げられ
るが、製造工程中で連続して製造できるグラビア印刷法
が特に好ましい。印刷に使用するインキとしては、通
常、樹脂の印刷に使用されているものであればいずれも
使用可能であるが、例えば、グラビア印刷法で印刷する
場合は、例えば、大日精化社製の商品名ＶＳ、東洋イン
キ製造社製の商品名ＶＣＨなどが挙げられる。スクリー
ン印刷法で印刷する場合は、セイコーアドバンス社製の
商品名ＬＯＶおよびＡＣＴ、帝国インキ製造社製の商品
名セリコールＶＫおよびセリコールＶＧなどが挙げられ
る。また、印刷層の厚みは、グラビア印刷法の場合であ
れば２〜３μｍ、スクリーン印刷法の場合であれば１０
〜１５μｍが好ましい。

【００１２】次いで、上記の印刷層面に粘着剤層を形成
する。粘着剤層を構成する粘着剤は、例えば、ゴム系、
ウレタン系、シリコン系およびアクリル系のものが挙げ
られるが、粘着力、耐久性などの点からアクリル樹脂を
ベースとしたものが好ましい。この粘着剤層の厚みは、
被着体に対する粘着力、使い易さの点で２０〜５０μｍ
が好ましい。

【００１３】粘着剤層を形成するには、粘着剤の配合組
成材料を、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチルな
どの汎用、工業的に使用される有機溶剤中に溶解、分散
させることにより粘着剤溶液とし、該粘着剤溶液を上記
印刷層面に塗布、乾燥することにより行う。上記粘着剤
層を形成させるのに使用できる塗工機としては、通常の
粘着剤溶液塗布に使用されるものであれば特に限定され
るものではないが、好ましくは、精度良く厚みを調整出
来、かつ生産性よく塗工出来るナイフコーター、コンマ
コーター、ロールコーターが挙げられる。

【００１４】また、粘着剤層を印刷層面に形成する方式
としては、上記のように印刷層面に直接粘着剤溶液を塗
布、乾燥する方式の他に、一旦離型紙に粘着剤溶液を塗
布、乾燥することにより粘着剤層を形成させた後、印刷
層面と貼り合わせることによる転写方式など、適宜選択
できる。

【００１５】このようにして製造された装飾用粘着シー
トは、前記の透明性を有する樹脂フィルム表面の剥離シ
ートを剥ぎ取った後、通常、粘着剤層面に離型紙を貼り
合わせた積層体として保管され、使用する際に離型紙を
粘着剤層面から剥がして使用する。

【００１６】

【作用】本発明の装飾用粘着シートの製造方法による
と、樹脂フィルムの内側に印刷層が形成されるので、印
刷層が樹脂フィルムによって保護されるから、従来のよ
うに印刷層にクリヤーな樹脂層をさらに設けて印刷層を
保護する必要がない。また、印刷を施す際に、樹脂フィ
ルム形成時に工程紙として使用された剥離シートによっ
て樹脂フィルムが支持されているので、印刷工程のため
に新たに補強シートを積層させる必要もない。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。（実施例）図１は本発明の製造方法によって得られた装
飾用粘着シートの拡大した模式断面図であり、透明性を
有する樹脂フィルム１、印刷層２、粘着剤層３、離型紙
４からなる。（１）まず、透明性を有する樹脂フィルム１を作製する
ために、下記塩化ビニル系オルガノゾル組成物をディゾ
ルバー攪拌機にて調製し、これを、上質紙にアルキッド
樹脂を被覆した厚み１７０μｍの剥離シート（大日本印
刷社製、商品名：ＤＮＴＰ−ＮＭＬ）からなる工程紙上
にコンマロールコーターで塗工し、１２０℃で１分間予
備乾燥した後、２００℃で１分間加熱し硬化させて厚み
５０μｍの透明性を有する樹脂フィルム１を形成した。「オルガノゾル組成物」塩化ビニル樹脂（日本ゼオン社製、商品名：ゼオン１２１）１００重量部バリウム／亜鉛系安定剤（勝田化工社製、商品名：ＢＺ−１００Ｊ）２重量部ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤（チバガイギー社製、商品名：チヌビン３２６）０．５重量部ポリエステル系可塑剤（アデカアーガス社製、商品名：アデカサイザ−ＰＮ４４６）３０重量部炭化水素系溶剤（シェル化学社製、商品名：ソルベッソ＃１５０）６０重量部

【００１８】（２）次に、上記（１）で得られた剥離シ
ートに着いたままの透明性を有する樹脂フィルム１の背
面上に、グラビア印刷機で青色インキ（大日精化社製、
商品名：ＶＳ）で、乾燥後の膜厚３μｍとなるように印
刷し印刷層２を形成した。（３）次に、アクリル系粘着剤（アクリル系粘着剤（綜
研化学社製、商品名：Ｐ−４４）１００重量部と、イソ
シアネート系硬化剤（日本ポリウレタン社製、商品名：
コロネートＬ−５５）２重量部とを配合したもの）を離
型紙（カイト化学社製、ＳＬＫ−１１０）４に、コンマ
ロールコーターで乾燥後の膜厚が３０μｍとなるように
塗布し、乾燥後、得られた粘着剤層３を、上記（２）で
得られた印刷層２上に貼り合わせた。次に、工程紙とし
ての剥離シートを剥ぎ取り装飾用粘着シートを得た。

【００１９】得られた装飾用粘着シートは、印刷層２に
歪みが発生しておらず、従来法で製造された、装飾用粘
着シート表面に印刷した後クリヤーな樹脂層をさらに設
けたものと同様の外見を示していた。

【００２０】

【発明の効果】本発明の装飾用粘着シートの製造方法は
前記した通りであり、印刷層が樹脂フィルムによって保
護されるから、従来のように印刷層にクリヤーな樹脂層
を別途設ける必要がない。また、印刷を施す際に、樹脂
フィルム形成時に工程紙として使用された剥離シートに
よって樹脂フィルムが支持されているので、印刷工程の
ために新たに補強シートを積層させる必要もない。従っ
て、本発明の装飾用粘着シートの製造方法は従来法に比
較して製造工程が簡便であると共に、製造コストも安く
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の製造方法で得られた装飾用粘着シート
の拡大した模式断面図である。

【符号の説明】

１透明性を有する樹脂フィルム２印刷層３粘着剤層４離型紙

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】剥離シート上にオルガノゾルまたは樹脂
溶液を塗布、加熱することにより透明性を有する樹脂フ
ィルムを形成し、該樹脂フィルム背面上に所望の印刷を
施し、さらに、該印刷層面に粘着剤層を形成することを
特徴とする装飾用粘着シートの製造方法。