JPH07111632B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JPH07111632B2
JPH07111632B2 JP1202371A JP20237189A JPH07111632B2 JP H07111632 B2 JPH07111632 B2 JP H07111632B2 JP 1202371 A JP1202371 A JP 1202371A JP 20237189 A JP20237189 A JP 20237189A JP H07111632 B2 JPH07111632 B2 JP H07111632B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子オルガン,電子ピアノ,携帯用鍵盤電
子楽器,各種キーボード等の鍵(キーあるいは押釦も含
む)を使用する電子楽器に関する。
〔発明の概要〕
この発明は、鍵を使用する電子楽器において、鍵操作の
始点として任意の点を鍵の移動を検出するタツチセンサ
からの信号に対応して設定できるようにし、鍵操作時
に、その設定された始点から所定時間内の上記センサか
らの信号によるタツチデータをデジタル量として検出
し、そのタツチデータによつてリアルタイムで楽音制御
パラメータを制御するようにしたものである。
〔従来の技術〕 電子オルガン等の電子楽器は、基本的には押鍵によるキ
ースイツチの開閉によつて発音を制御するようになつて
いたが、それだけでは発音特性が単調で、ピアノのよう
な演奏者の感情を表現した演奏ができない。
そこで、押鍵時の力の相違によつて発音特性に変化を与
えて感情表現を可能にするため、いわゆるタツチレスポ
ンス機能を持たせる技術が種々開発されている。
このタツチレスポンス機能は、押鍵時の立上り及び押鍵
後の音の持続状態における演奏者の指の動きに応じて、
発生する楽音の音量,音高,音色等を制御してタツチコ
ントロールをかけることである。
このような従来の電子楽器では、一般に鍵の最押下位置
付近にタツチレスポンス・スイツチがあり、且つ押鍵時
の発音位置は固定されている。
したがつて、鍵の最押下位置付近で楽音制御パラメータ
(音量と発音タイミング等)が決定されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来のタツチレスポンス機能
付き電子楽器では、上述のように鍵の最押下位置付近で
楽音制御パラメータが決定されていたので、演奏者の指
が鍵操作に対してうまく感情注入することが困難であつ
た。
例えば、弱く速く弾きたい場合に、鍵を全ストローク往
復させて速く弾かなければならないが、全ストローク往
復させるには力が要るので、どうしても強く弾いてしま
う。それを弱く弾こうとすると速さが落ちてしまうこと
になり、弱く速く弾くのは難しいという問題があつた。
また、トリル演奏についても、速くトリル演奏しようと
しても鍵を全ストローク往復させなければならないの
で、やはり速さに限りがある。
そこで、ある程度速くトリル演奏ができるようにするた
めには、鍵の質量が軽い鍵盤にせざるを得ず、タツチ感
が悪い鍵盤になつてしまうという問題が生ずる。
なお、タツチの軽い鍵盤にしたとしても、鍵を全ストロ
ーク往復させることは変らないため、「弱く速く」とい
う要求に対する操作性は極めて悪かつた。
この発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされた
ものであり、操作鍵の任意の移動点でタツチデータを得
てリアルタイムで楽音を制御できるようにして、感情注
入がし易く、特に「弱く速く」演奏したり、速いトリル
演奏も容易にすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、移動可能に支持される鍵(第3図白鍵1、
黒鍵1′)と、前記鍵に対応して設けられ、鍵の位置に
応じた信号を出力するタッチセンサ(第5図)と、鍵の
移動開始とみなす点の始点情報を決定する始点情報決定
手段(第1図プリセット値設定回路115、VR1)と、前記
タッチセンサからの出力と始点情報決定手段によって決
定された始点情報とを比較して鍵が移動開始したか否か
を判定する判定手段(第1図コンパレータ116)と、前
記判定手段が鍵が移動開始したと判断したときから所定
時間内の前記タッチセンサからの信号によるタッチデー
タをデジタル量として検出するタッチデータ検出手段
(第1図タッチデータ形成回路130)と、該手段によっ
て検出されるタッチデータによってリアルタイムで楽音
制御パラメータを制御する手段(第1図マルチ回路14
0)とを備えたことを特徴とする。
〔作用〕
この発明による電子楽器は、タツチデータを検出するた
めの鍵操作の始点を任意に設定できるので、その始点が
押鍵初期となるように設定すれば、鍵の操作ストローク
が全ストロークよりずつと小さくても、タツチデータを
デジタル量として検出してリアルタイムで楽音制御パラ
メータを制御することができる。
したがつて、例えばその楽音制御パラメータとして音量
と発音タイミングを制御するようにすれば、弱く速い演
奏や速いトリル演奏も容易に行なうことができる。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照してこの発明の実施例を説明す
る。
鍵盤装置及びタツチセンサの一例 まず第3図乃至第5図によつて、この発明による電子楽
器の鍵盤装置及びタツチセンサの一例について説明す
る。
第3図は鍵盤装置の分解斜視図、第4図はその一部破断
した側断面図、第5図はそのタツチセンサの斜視図であ
る。
これらの図において、1は白鍵であり、例えば合成樹脂
によつて一体に成形され、後端部の下面に係合突部1aを
設け、押鍵部付近の下面にL字形のストツパ片1bを突設
し、そのすぐ後方に下面を開放した中空状の鍵ガイド部
材保持部1c設けている。
なお、1′は黒鍵であるが、これも押鍵部が手前に延び
ずに上方に突出している以外は白鍵1と略同様に構成さ
れているので、以下の説明では、特に区別する必要がな
い場合はこれらを総称して鍵1という。
一方、2は鍵支持部材である鍵盤フレーム(以下単に
「フレーム」という)であり、鉄板等によつて各鍵に対
して一体に折り曲げ形成され、鍵1の係合突部1a及びス
トツパ片1bがそれぞれ嵌入する透孔2a,2bを各鍵の取付
位置に対応して列設している。
そして、鍵1の係合突部1aを透孔2aに嵌合させ、クリツ
プ状の板ばね3によつてフレーム2の後端立上り部2cを
挾持させることにより、鍵1がフレーム2に離脱不能に
枢着されて、支点軸C(第4図)を中心として回動可能
に支持される。
さらに、この鍵1とフレーム2との間に板ばね4を係着
して、鍵1の自由端部(押鍵部)側を上方に付勢し、ス
トツパ片1bの折曲部1b1の上面がフレーム2の下面に貼
着したフエルト等による上限ストツパ5に当接すること
により、鍵1の上限位置が規制される。
また、押鍵時には、ストツパ片1bの下面がフレーム2の
前側に折曲げ形成された低段部2dの上面に貼着されたフ
エルト等による下限ストツパ6に当接することにより、
鍵1の下降限すなわち操作ストロークが規制される。
このようにして、多数の白鍵1と黒鍵1′とが所定の配
列でフレーム2上にそれぞれ上面を揃えて支持される。
そして、各鍵1の鍵ガイド部材保持部1c内に、第5図に
拡大して示すような鍵ガイドガイドキヤツプ7を圧入さ
せて固定保持している。
この鍵ガイドキヤツプ7は、鉄(Fe),ニツケル(Ni)
等の磁性金属板あるいはアルミニウム(Al)等の非磁性
金属板によつて、下面7aを開放した横長の角筒状(箱
形)に形成され、第5図に示す例ではその後側面に複数
の通気孔7bを設けている。
この鍵ガイドキヤツプ7が、鍵ガイド部材とタツチセン
サを構成する一方の部材であるインダクタンス変化誘発
手段を兼ねている。
一方、フレーム2上には後述する発振回路や信号処理回
路等を構成するプリント基板8が取付けられており、そ
の上に第3図に明示されるように、各鍵1の上述した鍵
ガイドキヤツプ7と対応する位置に鍵ガイドブロツク10
を列設している。
この鍵ガイドブロツク10は、合成樹脂等の絶縁部材によ
つて直方体状に成形され、第5図に示すように鍵1の長
手方向に平行に配置される両側面(第5図では前側と後
側の面)の各前後端縁部に、それぞれ上下方向の全長わ
たつてガイド突条11を設けている。
常時は第4図に示すように、この鍵ガイドブロツク10の
上部のみが鍵ガイドキヤツプ7内に挿入されている。そ
して、押鍵及び離鍵時には、その鍵ガイドキヤツプ7の
鍵1の長手方向に平行な内側面が鍵ガイドブロツク10の
各ガイド突条11に軽く摺接して、鍵1の左右方向の振れ
を規制しつつ上下方向の動きをガイドする。
鍵ガイドキヤツプ7の前側(第4図で左側)の内面及び
後側(同じく右側)の内面と、鍵ガイドブロツク10のそ
れに対向する前端面と後端面との間には若干の隙間を設
けてあり、鍵1が第4図に実線で示す水平状態から押鍵
操作によつて仮想線で示す下限位置まで回動する際に、
鍵ガイドキヤツプ7が若干傾斜しても鍵ガイドブロツク
10と干渉することなく、スムーズに回動できるようにし
ている。
ところで、この鍵ガイドブロツク10には、第3図に明示
されるように、その鍵1の長手方向及び押鍵方向に平行
な両側面に一対の面コイルパターン12aが、それと直角
をなす面前端面と後端面に一対の面コイルパターン12b
が、押鍵方向に直交する上面に面コイルパターン12cが
それぞれ独立したコイルとしてプリント形成されている
(第5図では見えていない反対側の面にも各面コイルパ
ターンが形成されている)。
したがつて、この鍵ガイドブロツク10が鍵ガイド部材と
タツチセンサを構成する他方の部材であるインダクタン
ス変化検出手段とを兼ねており、面コイルパターン12a,
12bが第1のインダクタンス変化検出手段、面コイルパ
ターン12cが第2のインダクタンス変化検出手段であ
る。
すなわち、この鍵ガイドブロツク10と鍵ガイドキヤツプ
7とによつてタツチセンサを構成しており、鍵ガイドブ
ロツク10が鍵ガイドキヤツプ7に挿入されると、その各
面コイルパターン12a,12b,12cを形成した面がそれぞれ
鍵ガイドキヤツプ7の各内面と対向し、押鍵・離鍵操作
によつてその対向面積あるいは対向間隔が変化する。
鍵ガイドキヤツプ7は金属製であるため、この対向面積
あるいは対向間隔の変化量に応じて、各面コイルパター
ン12a,12b,12cに対する磁界の透磁率を変化させたり(F
eの場合)渦電流を発生したり(Alの場合)するため、
その各面コイルパターン12a,12b,12cのコイルとしての
インダクタンスが変化する。
その際、第1のインダクタンス変化検出手段である面コ
イルパターン12a,12bは、押鍵・離鍵操作によつて対向
する鍵ガイドキヤツプ7の内側面との間隔は変化せずに
対向面積のみがほぼ直線的に変化するので、鍵操作スト
ロークとインダクタンスの変化との関係がほぼ直線的に
なる。したがつて、単位時間内の押鍵速度にほぼ比例し
た検出信号が得られる。
また、第2のインダクタンス変化検出手段である面コイ
ルパターン12cは、押鍵・離鍵操作によつて対向する鍵
ガイドキヤツプ7の内側上面との対向面積は変化せずに
下限ストツパ6で規制される位置まで間隔のみが変化
し、それによつて鍵操作ストロークとインダクタンスの
変化との関係が2次曲線的になるので、押鍵終期及び押
鍵後の鍵の押圧によつて検出信号が大きく変化する。
なお、この各面コイルパターンのインダクタンス変化特
性等については、次の例においてさらに詳述する。
また、この各面コイルパターン12a,12b,12cは、プリン
ト基板8上の発振回路に直結され、インダクタンスの変
化によつて発振周波数を変化させ、楽音の制御パラメー
タを変化させるために利用するが、その回路についても
後述する。
タツチセンサの他の例 次に、鍵ガイドを兼ねたタツチセンサの他の例を第6図
乃至第11図によつて説明する。
第6図は他のタツチセンサの斜視図であり、インダクタ
ンス変化誘発手段を兼ねた鍵ガイドキヤツプ27と、それ
に嵌入するインダクタンス変化検出手段を兼ねた鍵ガイ
ドブロツク30とによつて構成されている。
鍵ガイドキヤツプ27は、前述の例の鍵ガイドキヤツプ7
と同様に、鉄(Fe)あるいはアルミニウム(Al)等の金
属板によつて、下面27aを開放したやや縦長の角筒状に
形成され、前面に3個の通気孔7bを設けている。
また、下端縁部をやや拡開して鍔部27cを形成し、鍵ガ
イドブロツク30の挿入を容易にするとともに、内部上面
にフエルトあるいは発砲ラバー等のクツシヨン材27dを
貼着して、鍵ガイドブロツク30との緩衝材とすると共に
押鍵後のアフタコントロールを容易にする弾性材として
いる。
一方、鍵ガイドブロツク30は、第7図に明示されるよう
にコイルシート31とコイルボビン32とによつて構成され
ている。
コイルシート31は、熱可塑性樹脂等のシートを第7図
(イ)に示すように裁断して、四角筒の5面をなすコイ
ル形成面31a〜31eと端子面31fを展開した形状にし、そ
の各面の接続部(破線で示す折り曲げ線)の両端に切欠
きによる逃げ31gを設けて、折り曲げを容易にすると共
に、後述するコイルボビン32のコイルシート支持部32a
とガイド突条部32bとの隙間への挿入を容易にしてい
る。
各コイル形成面31a〜31eには、例えばフレキシブルプリ
ント配線基板(FPC)の配線パターンと同様な方法によ
り、それぞれ銅箔による面コイルパターンが独立したコ
イルとして形成されている。
その各面コイルパターンの両端が裏面側を通して適宜接
続されて、端子面31fに形成された複数個(図示の例で
は4個)のスルーホール端子31hに導出される。
コイルボビン32は、第7図(ハ)及び第8図に示すよう
に、底面を開放した四角筒状のコイルシート支持部32
と、その各周側面の陵線部に沿つて上方から見て矢印状
あるいはアングル状に突設したガイド突条部32bとが、
軟質塩化ビニールあるいは含油ラバー等の絶縁部材によ
つて一体に形成され、その内側に硬質プラスチツクで成
形した中空コア32cを嵌合している。
その各ガイド突条部32bの外面側には、第9図に明示す
るように、上下方向に延びる多数のひだ32b1を形成して
可撓性を高めている。
そして、第7図(イ)に示したコイルシート31をある程
度加熱して折り曲げ容易にし、同図(ロ)に示すように
四角筒状に折り曲げ、同図(ハ)に示すコイルボビン32
に上方から各コイル形成面31a〜31eをコイルシート支持
部32aに沿わせて、各ガイド突条部32bとの隙間へ挿入し
た後、端子面31fを折り曲げて接着等によつて固定し、
温度を下げると第6図に示す形状に保持される。
さらに、コイルシート31の端子面31fに形成されたスル
ーホール端子31hを通して、コイルボビン32のコア32cの
下端面に複数本のピン33を植設して、その各ピン33とス
ルーホール端子31hとを半田付けしておけば、この鍵ガ
イドブロツクを第10図に示すプリント基板8に取付ける
際に、そのピン33によつて固定できると同時に、後述す
る発振回路に各面コイルパターンを電気的に接続するこ
ともできる。
このようなタツチセンサを構成する鍵ガイドキヤツブ27
と鍵ガイドブロツク30を、第8図に示すように、前述の
例と同様な鍵盤装置の各鍵1とそれに対応するプリント
基板8上の所定位置に取付ける。
そして、その鍵ガイドブロツク30鍵ガイドキヤツプ27に
嵌入すると、第8図に示すように、コイルボビン32の各
ガイド突条部32bが鍵ガイドキヤツプ27の各内面に接触
して、鍵1の上下方向(第10図に示すZ方向)の移動を
ガイドする。
しかし、鍵ガイドブロツク30のガイド突条部32bの弾性
とひだ32b1の作用により、鍵ガイドブロツク30と鍵ガイ
ドキヤツプ27との間隔は変化し得るため、押鍵による鍵
1の若干の傾斜を許容すると共に、鍵1を左右方向と前
後方向(第10図に示すX方向とY方向)にも若干動かせ
るようになつている。
そのため、鍵1の回動支点となる鍵盤フレームへの取付
け部は、その左右方向及び前後方向への若干の移動を許
容する柔軟性のある材質及び形状にするとよい。
そして、鍵1の上下方向(Z方向)の変位によつて、鍵
ガイドブロツク30のコイル形成面31b〜31eと鍵ガイドキ
ヤツプ27の各内側面との対向面積が変化し、コイル形成
面31aと鍵ガイドキヤツプ27の内側上面との間隔が変化
する。
また、鍵1の左右方向(X方向)の変位によつて、コイ
ル形成面31d,31eと鍵ガイドキヤツプ27の各対向面との
間隔が変化し、鍵1の前後方向(Y方向)の変位によつ
て、コイル形成面31b,31cと鍵ガイドガイドキヤツプ27
の各対向面との間隔が変化する。
これらの対向面の面積の変化によつて、各コイル形成面
に形成されているコイルのインダクタンスがほぼ直線的
に変化し、間隔の変化によつてそれが2次曲線的に変化
する。
この鍵操作方向とそれによる各コイルのインダクタンス
変化について、第11図乃至第13図を参照してさらに具体
的に説明する。
第11図(イ)(ロ)は、それぞれ鍵ガイドブロツク30の
コイルシート31における前述した各コイル形成面31a〜3
1eに対して、鍵1の手前側から見た位置を立体図と展開
図に表示したもので、上,前,後,右,左面を、それぞ
れA,B,C,D,E面とする。(イ)に示すZ,X,Yは、第10図と
同様に鍵1の移動方向を示す。
また、A,B,C,D,E面に形成されたコイルを、それぞれLa,
Lb,Lc,Ld,Leとする。
第12図は鍵1の操作方向と鍵ガイドブロツク30の上記各
面を模式的に示す説明図、第13図は各コイルのインダク
タンス変化特性を示す線図である。
Z方向(鍵ストローク) 第12図(イ)に示すように、Z方向に押鍵操作した場合
は、鍵ガイドブロツク30の左右(E,D)面と重なり合う
鍵ガイドキヤツプ27との対向面積が、ストロークに応じ
てほぼ直線的に増加する。
その結果、コイルLe,Ldのインダクタンスは第13図
(イ)に示すように変化する。すなわち、鍵ガイドキヤ
ツプ27が鉄(Fe)の場合はストロークに応じてほぼ直線
的に増加し、アルミニウム(Al)の場合は逆にほぼ直線
的に減少する。
X方向(鍵左右方向) 第12図(ロ)に示すように、鍵1を押しきつてからX方
向に振ることにより、鍵ガイドブロツク30の左右(E,
D)面と対向する鍵ガイドキヤツプ27との距離di,dpが、
微妙に(しかし相対的には大きな割合で)変化する。
そのため、コイルLe,Ldのインダクタンスが第13図
(ロ)に示すように変化する。これは、鍵ガイドキヤツ
プ27が鉄の場合で、アルミニウムの場合は逆の特性にな
る。これは以下の場合も同様である。
Y方向(鍵前後方向) 第12図(ハ)に示すように、やはり鍵1を押しきつてか
らY方向にスライドさせることにより、鍵ガイドブロツ
ク30の前後(B,C)面と対向する鍵ガイドキヤツプ27と
の距離ds,dtが、微妙に(しかし相対的には大きな割合
で)変化する。
そのため、コイルLc,Lbのインダクタンスが第13図
(ハ)に示すように変化する。
Z方向(アフタタツチ) 第12図(ニ)に示すように、鍵ストロークの押し込み終
端部において、クツシヨン材27cをさらに押し込みこと
により、鍵ガイドブロツク30の上(A)面と鍵ガイドキ
ヤツプ27の上面との距離drが変化する。
そのため、コイルLaのインダクタンスが第13図(ニ)に
示すように大きく変化する。なお、破線はストローク領
域でのコイルLe及びLdのインダクタンス変化を示す。
このコイルLaのインダクタンス変化をアタタタツチ信号
として利用することができる。また、このコイルLaをコ
イルLeあるいはLdと直列に接続して、鍵ストローク信号
の一部として利用することも可能である。
発振器 このような各コイルのインダクタンスの変化を取り出す
ために、LC回路を用いた発振器を使用することができ
る。
第14図はその一例を示す回路図であり、NPN型トランジ
スタTRとコンデンサC1,C2とコイルL1,L2と抵抗R1,R2,R3
とによつて、エミツタ同調形ハートレー発振器を構成し
ている。
なお、この回路では電源端子aをアースしてbに負電圧
(−V)を印加しているが、全体回路のバランス上電源
端子aに正電圧(+V)を印加してbをアースしても差
し支えない。
この発振器の発振周波数、すなわち出力端子OUTからの
出力される信号の周波数fは、 となる(上式におけるL1,L2はコイルL1,L2のインダクタ
ンスを表わすものとする)。
したがつて、コイルL1,L2のインダクタンスが増加すれ
ば発振周波数は低下し、インダクタンスが減少すれば発
振周波数は上昇する。
そこで、このコイルL1,L2として、前述したタツチセン
サを構成する鍵ガイドブロツク30のコイルシート31に形
成されたコイルLe,Ld(その配置を第15図に模式的に示
す)を接続すれば、第13図(イ)に示したように、Z方
向の押鍵ストロークに比例してコイルLe,Ldのインダク
タンスが増加あるいは減少すると、発振周波数が低下
あるいは上昇する。
この出力信号の周波数変化の度合いによつて、楽音制御
パラメータとして例えば音量を変化させることができ
る。
また、このこのコイルL1,L2として、鍵ガイドブロツク3
0の上面に形成されたコイルLa(その配置を第15図に模
式的に示す)を中点タツプ付にして接続すれば、その出
力信号の周波数変化をアフタタツチ信号として検出し
て、アフタコントロールによる楽音の各種効果制御を行
なうことができる。
さらに、コイルL1,L2として前述のコイルLeまたはLdを
中点タツプ付にして接続した発振器を別に設ければ鍵の
X方向の操作を検出することができるし、コイルLbまた
はLcを中点タツプ付にして接続した発振器を別に設けれ
ば鍵のY方向の操作を検出することができる(第15図参
照)。
しかしながら、このようにZ方向の鍵ストロークとアフ
タストローク、あるいはX方向またはY方向の鍵操作の
検出信号を別個に取り出すようにすると、各鍵ごとに2
回路乃至4回路の発振器が必要になる。
そこで、これらの鍵操作の検出を1個の発振器で兼用す
るようにした回路例を、第16図及び第17図に示す。な
お、これらの図においては要部のみを示しており、その
他の部分は第14図の回路と同じである。
第16図(イ)は、第14図のコイルL1,L2として第15図に
示すコイルLb〜Leを直列に接続して使用し、それにさら
にコイルLaを直列に接続して、Z方向の鍵ストロークと
アフタストロークの検出に兼用した回路である。
同図(ロ)は、第14図のコイルL1,L2として第15図に示
すコイルLcとLdを接続すると共に、それに直列にコイル
Leを接続することにより、Z方向の鍵ストロークとX方
向の鍵の振れを検出できるようにし、コイルLeに変えて
コイルLbを接続すれば鍵のY方向のスライドを検出でき
るようにした回路である。
同図(ハ)は、それに加えてコイルLaを直列に接続し
て、Z方向のアフタストロークも検出できるようにし、
同図(ニ)は全てのコイルLa〜Leを直列に接続して全て
に兼用するようにした回路である。
第17図(イ)〜(ハ)は、各コイルLa〜Leを直列接続す
るだけでなく並列にも接続した他の回路例を示すもの
で、その作用は第16図の各回路とほぼ同様であるので説
明を省略する。
なお、各コイル毎に発振器を設けた場合、あるいは少な
くとも1つの鍵に対して2回路以上の発振器を設けた場
合は、楽音の音量制御と各種効果制御(ビブラートの深
さ/速さ,トレモロの深さ/速さ,ピツチ変動制御,コ
ーラス効果制御,音の拡がり制御〔特願昭62−140440
号〕等)を別個に行なうことができるが、兼用回路の場
合はそれらのいずれかの制御を行なうか、検出時期によ
つて区別して異なる制御パラメータを変化させることに
なる。
実施例の回路 次に、前述した鍵盤装置によつて押鍵操作に応じて発生
するコイルのインダクタンスの変化によつて、各種の楽
音制御パラメータを変化させるための回路(信号処理回
路)について説明する。
第1図はその例を示すブロツク図であり、第2図はその
作用を説明するための各部の出力信号のタイミングチヤ
ートである。
この回路例の第1の特徴は、前述した鍵の操作による移
動範囲の任意の点を鍵操作の始点として、タツチセンサ
からの信号に対応して設定することができ、鍵操作時に
その設定された始点から所定時間内のタツチセンサから
の信号によるデータをデジタル量として検出してタツチ
データとし、そのタツチデータによつてリアルタイムで
楽音制御パラメータを制御することができる点である。
この回路の第2の特徴は、押/離速度もしくは押/離鍵
加速度に対応して異なるタツチデータを出力し、このタ
ツチデータにより楽音信号発生回路の各種楽音制御パラ
メータのうちの2種類を、単一のタツチデータ作成手段
によつてコントロールし得るようにした点である。
この回路例の第3の特徴は、押鍵後あるいは押鍵途中に
押/離鍵速度もしくは押/離鍵加速度が所定値(後述の
変化検出回路237のC値)を超えた時の押/離鍵速度も
しくは押/離鍵加速度を検出したタツチデータとすると
共に、押鍵中もしくは押鍵途中の任意の位置で一旦押鍵
を停止し、再押鍵または離鍵もしくは再離鍵を繰り返し
た場合も、その時の押/離鍵速度もしくは押/離鍵加速
度を検出してタツチデータとしている点である。
これにより、例えば押鍵によつて鍵ガイドキヤツプの金
属面と鍵ガイドブロツクの面コイルパターンとの対向面
積を変化させるようにしたタツチセンサのみでも、押鍵
初期及び終期にその変化量を速度または加速度の形で検
出して、音量のイニシヤルコントロールとアフタコント
ロールとを可能にすることができる。
さらに、押鍵時にタツチセンサの金属面と面コイルパタ
ーンとの対向面積の変化によつて音量のイニシヤルコン
トロールを行ない、その後金属面と面コイルパターンと
の対向間隔を変化させ、その変化量を速度または加速度
の形で検出して、音量のアフタコントロールを行なうこ
ともできる。
この回路の第4の特徴は、鍵盤音の各種パラメータ(音
量,音色,ビブラート,ピツチ等)をコントロール可能
にするにとどまらず、タツチデータ作成手段の出力とし
てのタツチデータにより、リズム音の音量等をコントロ
ールすることもできる点である。
この回路は第1図に示すように、大別して発振器100,押
鍵(キーイング)検出回路110,タツチデータ形成回路13
0,マルチ回路140,楽音信号発生回路150,リズム音信号発
生回路152,データセレクタ154,セレクトスイツチ156,及
びサウンドシステム160によつて構成されている。
これらの回路のうち、発振器100,押鍵検出回路110,及び
タツチデータ形成回路130は、前述した鍵盤装置の各鍵
1に対応してそれぞれ設けられている。
発振器100は第14図示した発振器であり、その出力信号C
K1を押鍵検出回路110及びタツチデータ形成回路130のカ
ウンタ231に入力させる。
なお、以下の説明では前述したタツチセンサを構成する
鍵ガイドキヤツプ7又は27がアルミニウム製で、鍵ガイ
ドブロツク1に形成した面コイルパターンのインダクタ
ンスが、第13図(イ)のAlの特性曲線に示されるように
押鍵ストロークに応じてほぼ直線的に減少し、発振器10
0から出力されるパルス信号CK1の周波数がそれに応じて
上昇する場合の例について説明する。
例えば、パルス信号CK1の周期が常時は比較的長い一定
値であるとすると、押鍵が進むにつれてそのストローク
に応じてこのパルス信号CK1の周期が短くなる。
押鍵検出回路110は、常時発振している高速発振回路111
と、これによつて発生される高速のクロツクパルスφを
カウントするカウンタ112と、そのカウント値をラツチ
するラツチ回路113と、カウンタ112のリセツト信号を発
生させるためのD型フリツプフロツプ回路(以下単に
「FF」と略称する)114と、ボリユームVR1によつて手動
で任意にプリセツト値P1を設定するプリセツト値設定回
路115と、そのプリセツト値P1を入力するA入力とラツ
チ回路113にラツチされたカウント値を入力するB入力
とを比較して、A>Bの時に出力を“1"にし、押鍵(キ
ーイング;鍵操作の始点)信号KONoを発生するコンパレ
ータ(CMP)116とからなる。
ここで、ボリユームVR1とプリセツト値設定回路115が、
鍵操作の始点を前述のタツチセンサからの信号に対応し
て任意に設定するための操作始点設定手段である。
タツチデータ形成回路130はタツチデータ検出手段であ
り、発振器100から入力される鍵操作パルスCK1をカウン
トするカウンタ231と、ラツチ回路232,及びNOT回路233
の他に、低速の発振器234、その出力を微分する微分回
路235,その微分出力とNOT回路233の出力のオアをとるOR
回路238,カウンタ231のカウント値を一時的に格納する
2ステージのシフトレジスタ236,カウンタ231のカウン
ト値の一定時間毎の変化を検出する変化検出回路237,及
び2個のDタイプのフリツプ・フロツプ回路(以下単に
「FF」と略称する)239A,239Bとを備えている。
その変化検出回路237は、シフトレジスタ236の前段236a
からの入力A(今回のカウント値)と後段236bからの入
力B(前回のカウント値)の差|A−B|が、所定値C(C
は誤動作防止のための小さな値で、例えば1〜3程度)
を越えたときに出力を“1"にする。すなわち、鍵の位置
変化(動き)を検出する。
さらに、シフトレジスタ236の各段236a,236bからの入力
データの比A/Bを算出する除算器240と、その出力データ
とラツチ回路232のラツチデータとを乗算をする乗算器2
41と、その乗算出力とシフトレジスタ236の前段236aの
出力データのいずれかを選択して出力するデータセレク
タ242をも備えている。
なお、この回路では3個の発振器を使用しているが、発
振器100の発振周波数を,発振器111の発振周波数を
,発振器234の発振周波数をとすると、
の大小関係があり、は1MHz,は10KHz
(例えば押鍵の最押下位置で),は100Hz程度のそ
れぞれオーダである。
次に、この回路の作用を第2図も参照して説明する。
プリセツト値設定回路115に設定されるプリセツト値P1
は、通常は非押鍵時のパルス信号CK1の周期でリセツト
される時のカウンタ112のカウント値、すなわちラツチ
回路113にラツチされる最大値をCMAXとすると、それよ
り若干小さい値(例えば、CMAX=100のとき、P1=90〜9
5程度)にセツトする。
そして、この押鍵検出回路110は、高速発振回路111から
の周期の短かいクロツクパルスφをカウンタ112がカウ
ントし、発振器100からのパルス信号CK1が入力すると、
その時のカウント値CNをラツチ回路113がラツチして出
力し、クロツクパルスφの1周期分だけ遅延されてFF11
4の出力であるリセツト信号が“1"になるため、カウン
タ112がリセツトされて再び「0」からクロツクパルス
φのカウントを開始する。
したがつて、非押鍵時にはラツチ回路113の出力はずつ
と最大値CMAXに近い値であり、プリセツト値設定回路11
5によるプリセツト値P1より大きいので、コンパレータ1
16の入力はA<Bになるため、その出力は“0"になつて
いる。
このコンパレータ116の出力が“0"の間は、NOT回路133
の出力が“1"になつているため、OR回路235を介してカ
ウンタ231をリセツトし続ける。したがつて、タツチデ
ータ形成回路130からタツチデータが出力されることは
ない。
そこで押鍵が開始されると、発振器100から入力するパ
ルス信号CK1の周期が次第に短くなるため、カウンタ112
のカウント値CNが最大値CMAXにならないうちにラツチ回
路113にラツチされた後、カウンタ112はリセツトされる
ようになる。
そして、カウンタ112のカウント値CNがプリセツト値P1
より小さいうちにラツチ回路113にラツチされるように
なると、コンパレータ116の入力がA>Bになつてその
出力が第2図(a)に示すように“1"になる。この立上
りが押鍵信号(操作始点検知信号)KONoとなる。
それによつて、タツチデータ形成回路130のNOT回路233
の出力が同図(b)に示すように“0"に立下がつてカウ
ンタ231のリセツトを解除するため、カウンタ231はイネ
ーブル状態になつてパルス信号CK1のカウントを開始す
る。
なお、図中、KON1は第2番目の鍵に対する押鍵検出回路
による押鍵信号,KONnは第n番目の鍵に対する押鍵検出
回路による押鍵信号を示している。
NOT回路233の出力が“1"から“0"に立下がると、発振器
234のリセツト状態も解除するので、発振器234が第2図
(c)に示すような一定周期のパルス信号を出力する。
そのパルス信号の各立上りをクロツクとして、シフトレ
ジスタ236が先ずその前段236aにカウンタ231のカウント
値(第2図(e)に示すように変化する)をストアし
て、それを出力する。
この時、このシフトレジスタ236の後段236bは、以前に
クリアされたままになつているのでその出力は「0」で
ある。
また、この発振器234からのパルス信号の立上りを微分
回路235で微分して、第2図(d)に示す微分パルスをO
R回路238を介してカウンタ231のリセツト端子に入力さ
せ、このカウンタ231をリセツトする。
この時、変化検出回路237はその入力AとBが|A−B|>
Cの条件を満たすため、第2図(f)に示すように出力
を“1"にする。
これが、ラツチ回路232のラツチ信号となると同時に、F
F239A,239Bのクロツク信号となり、FF239AはそのD入力
が“1"になつているのでQ出力が“1"になるが、FF239B
はD入力が“0"になつていたので、そのQ出力すなわち
セレクトコントロール信号は、第2図(g)に示すよう
に“0"のままである。
そのため、データセレクタ242は入力0をセレクトして
ラツチ回路232へ出力するため、ラツチ回路232は、シフ
トレジスタ236の前段236aにストアされたカウント値の
データをそのままラツチして、第2図(h)に示すよう
なレベルデータ(イニシヤルタツチデータ)を出力す
る。
すなわち、この実施例によれば、ボリユームVR1により
プリセツト値設定回路115に任意に設定したプリセツト
値P1によつて、タツチデータを検出すべき鍵操作の始点
が決まり、押鍵時に鍵がその始点位置まで変位した時
に、前述のタツチセンサからの信号(コイルのインダク
タンス)に応じた発振器100からのクロツク信号CK1によ
り、押鍵検出回路110が押鍵信号KONoを出力し、タツチ
データ形成回路130がその時点から発振器234の出力パル
ス信号の1/2周期間のカウンタ231によるクロツク信号CK
1のカウントデータを、ラツチ回路232にラツチしてイニ
シヤルタツチデータとして出力することになる。
その後、発振器234の出力信号の次の立上りタイミング
で、シフトレジスタ236の前段236aにストアされていた
カウント値が後段236bにシフトされ、前段236aにカウン
タ231の新たなカウント値がストアされる。
この時も鍵の押下方向に鍵が移動中であれば、新たなカ
ウント値の方が大きくなつている筈なので、変化検出回
路237の入力AとBは|A−B|>Cとなるが、その出力は
“1"のままなので、ラツチ回路232のラツチデータは変
わらず、FF239A,239Bの状態も変わらない。
このような状態が、押鍵ストロークの終期まで継続し、
押鍵が終ると発振器234の出力信号の周期毎のカウンタ2
31のカウント値に殆ど変化がなくなるため、シフトレジ
スタ236の前段236aと後段236bからの出力データはほぼ
同じになり、変化検出回路237の入力AとBが|A−B|>
Cの条件を満たさなくなるので、その出力が第2図
(f)に示すように“0"に戻る。
そして、鍵が通常の最押鍵位置にある間はこの状態が続
くが、鍵10が演奏者によつてさらに強く押され、例えば
第6図のクツシヨン材27dを押圧して若干押し下げられ
ると、再びカウンタ231の一定時間内のカウント値が増
加して、変化検出回路237の入力AとBが|A−B|>Cの
条件を満たし、その出力が第2図(f)に示すように再
び“1"になる。
あるいはまた、鍵を通常の最押鍵位置から左右方向(第
10図のX方向)に動かすと、第13図(ロ)に示したよう
に面コイルパターンLe又はLdのインダクタンスが変化し
て、発振器100からのパルス信号CK1の周波数が変化す
る。
それによつて、カウンタ231の一定時間内のカウント値
が増加もしくは減少して、変化検出回路237の入力Aと
Bとが|A−B|>Cの条件を再び満たすようになる。
そのため、FF239A,239Bにクロツク信号が与えられる
が、この時239BのD入力が“1"になつているので、Q出
力すなわちセレクトコントロール信号が第2図(g)に
示すように“1"になり、データセレクタ242のセレクト
状態を入力1に切り換える。
この時、除算器240がシフトレジスタ236の前段236aと後
段236bからの入力データAとBの比A/Bを算出して乗算
器241の一方の入力にしているので、乗算器241によつて
ラツチ回路232から出力されているレベルデータにA/Bを
乗算したデータがデータセレクタ242を介して出力さ
れ、ラツチ回路232にラツチされる。
それによつて、ラツチ回路232から出力されるレベルデ
ータが第2図(h)に示すようにカウント値の変化率に
応じた割合で増加(あるいは減少)する。これをアフタ
タツチデータとして楽音制御に利用する。
その後、鍵が離されて上昇復帰すると、コンパレータ11
6の出力が“0"に立下がり(キーオフ信号)、NOT回路23
3の出力が“1"に立上がるため、カウンタ231及び発振器
232をリセツトすると共にシフトレジスタ236及びラツチ
回路232をクリアする。したがつて、全て初期状態に復
帰する。
このような回路を各鍵に対応して設け、その各タツチデ
ータ形成回路130から出力されるレベルデータ(イニシ
ヤルタツチデータとアフタタツチデータを含む)をそれ
ぞれマルチ回路140に入力させて、各鍵毎に時分割で楽
音信号発生回路150へ送る。
そのイニシヤルタツチデータによつて、発生する楽音信
号のアタツクレベル(音量)をはじめ、各種の楽音制御
パラメータを多段階に制御することができる。
そして、このイナシヤルタツチデータは押鍵初期に得ら
れるので、例えばその楽音制御パラメータとして音量と
発音タイミングを制御するようにすれば、小さい押鍵ス
トロークで弱く速い演奏や速いトリル演奏も容易に行な
うことができる。
また、アフタタツチデータによつて、楽音発生後のアフ
タコントロール、例えばデイレイビブラートやトレモ
ロ,ピツチ変化,音色変化,サステイン波形,等の各種
のパラメータによる多数段階の楽音制御を行うことがで
きる。
この回路によれば、イニシヤルタツチデータとアフタタ
ツチデータとを共通の回路で検出することができる。
また、この回路例によると、楽音信号発生回路150に並
列的にリズム音信号発生回路152が付加されているが、
これは最近脚光を浴びてきたキーボードパーカツシヨン
機能に対応するもので、各鍵に対応してC1にはバスド
ラ,C1#にはタム1等々リズム音源が割当てられ、各鍵
の1つを押すとリズム音の1つが発生されるようになつ
ている。
このようにパーカツシヨンモードを選択するには、モー
ド選択スイツチ156によつて「2」を選択する。また
「1」を選択すると鍵盤音が楽音信号発生回路150から
出力され、「3」を選択すると楽音信号発生回路150と
リズム音信号発生回路152の両音源から信号が出力され
るように、データセレクタ154がデータの出力を切り換
えるが、1押鍵で鍵盤音とリズム音とを出力させるので
なく、例えば鍵盤の左半分が鍵盤音,右半分がリズム音
というようにスプリツトされて発音されるようになつて
いる。
このように、この実施例では鍵による制御はリズム音の
楽音制御パラメータをもその対象とするもので、押鍵強
さによりリズム音のタツチを変えたり(タツチ強→音量
大)、音色を変えたり(タツチ強→高調波を多く含むよ
うに移行)、さらにその両方を1つの鍵におさめられた
同一のタツチセンサの検出信号によつてコントロールす
ることも可能である。
また、アフタコントロール作用を大きくすると、パーカ
ツシヨン音(減衰音)を減衰時にゲインを上げるように
コントロールして類似残響効果を得ることも可能であ
る。
ところで、上述した実施例では同類の楽音制御パラメー
タを制御するものを主に想定して説明したが、異類の楽
音制御パラメータを制御する例として具体的な説明を加
える。
データセレクタ242へのセレクタコントロール信号をマ
ルチ回路140の入力として1bit追加し、この入力タイミ
ングでマルチ回路140の後に設けられるセレクト手段
(図示せず)をセレクトして、ラツチ手段(図示せず)
によつてそのデータをラツチし、イニシヤルデータ及び
アフタデータを使い分けるようにすれば、全く異なる2
つの楽音制御パラメータをも制御できる。
そのラツチデータをクリアするタイミングは、押鍵検出
回路110の出力KONo〜KONnが立下るタイミング(bの出
力)でよい。
このような構成にすれば、例えばイニシヤルタツチで音
量をコントロールし、アフタタツチでその後の音色をコ
ントロールできる。またイニシヤルタツチで本来のピツ
チより高い方で発音させ、その後本来のピツチに移るい
わゆるアタツクピツチ効果付与(タツチデータに応じて
初期ピツチを変える)をコントロールし、アフタタツチ
でビブラート深さをコントロールすることもできる。
その場合、鍵をアフタコントロールする周期でもつてビ
ブラート速さをもコントロールできることは言うまでも
ない。
また、以上説明した回路例あるいはその応用回路と同等
の機能を、全てマイクロコンピユータを用いてプログラ
ム処理によつて実現することも可能である。
さらに、タツチセンサとして、金属板とコイルパターン
の対向面の相対変位によつてコイルのインダクタンスが
変化するものを用いた例について説明したが、これに限
るものではない。
例えば、磁石とコイルとによつて構成され、その相対変
位によつてコイルのインダクタンスが変化するようにし
たもの、磁石とホール素子とによつて構成され、その相
対変位によつてホール素子の抵抗値が変化するようにし
たもの、対向する金属板によつて構成され、その相対変
位によつて両金属板間のキヤパシタンスが変化するよう
にしたものなど、各種のセンサを使用することが可能で
ある。
なお、この発明は通常の鍵盤電子楽器のみでなく、各種
携帯用電子楽器やキーボード,押釦式鍵盤電子楽器など
にも適用でき、鍵としては手で操作する鍵あるいは押釦
だけでなく、足で操作するペダル鍵やエクスプレツシヨ
ンペダル,ニーレバー等も含むものである。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明によれば、鍵の操作
による移動範囲の任意の点を鍵操作の始点として設定で
き、その始点から所定時間内のタツチセンサからの信号
によるタツチデータをデジタル量として検出できるの
で、その始点を押鍵初期となるように設定すれば、鍵の
操作ストロークが全ストロークよりずつと小さくても、
タツチデータを検出してリアルタイムで楽音制御パラメ
ータを制御することができる。
したがつて、例えばその楽音制御パラメータとして音量
と発音タイミングを制御するようにすれば、弱く速い演
奏や速いトリル演奏も容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の回路構成を示すブロツク
図、 第2図は同じくその作用を説明するための各部の出力信
号のタイミング図、 第3図はこの発明の一実施例の鍵盤装置の構成を示す分
解斜視図、 第4図は同じく一部破断して示す側面図、 第5図は同じくタツチセンサを構成する鍵ガイドキヤツ
プと鍵ガイドブロツクの斜視図、 第6図はタツチセンサの他の例を示す鍵ガイドブロツク
と鍵ガイドキヤツプの斜視図、 第7図は同じくその鍵ガイドブロツクの組立図、 第8図は同じくその鍵ガイドブロツクに鍵ガイドキヤツ
プが嵌装された状態の横断面図、 第9図は第6図の一部を拡大して示す断面図、 第10図は同じくその鍵ガイドブロツクと鍵ガイドキヤツ
プを鍵盤装置のプリント基板と鍵にそれぞれ取付けた状
態を示す斜視図、 第11図は同じくその鍵ガイドブロツクにおけるコイルシ
ートの各コイル形成面の配置図、 第12図(イ)〜(ニ)はそれぞれ鍵操作の異なる例を示
す説明図、 第13図(イ)〜(ニ)はそれぞれ第10図(イ)〜(ニ)
に対応する各面のコイルのインダクタンス変化特性を示
す線図、 第14図は同じくそのコイルを使用した発振器の一例を示
す回路図、 第15図は第6図乃至第10に示した鍵ガイドブロツク上の
各コイルの配置図、 第16図及び第17図はそれぞれ第14図の発振器のコイルの
接続を異ならせた応用例の要部回路図である。 1,1′…白鍵と黒鍵(鍵)、2…鍵盤フレーム 7,27…鍵ガイドキヤツプ(タツチセンサを構成する一方
の部材) 8…プリント基板 10,30…鍵ガイドブロツク(タツチセンサを構成する他
方の部材) 12a〜12c…面コイルパターン 31…コイルシート 31a〜31e…コイル形成面 32…コイルボビン 100…発振器、110…押鍵検出回路 115…プリセツト値設定回路(操作始点設定手段) 130…タツチデータ形成回路 140…マルチ回路 150…楽音信号発生回路 152…リズム音信号発生回路 160…サウンドシステム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動可能に支持される鍵と、 前記鍵に対応して設けられ、鍵の位置に応じた信号を出
    力するタッチセンサと、 鍵の移動開始とみなす点の始点情報を決定する始点情報
    決定手段と、 前記タッチセンサからの出力と始点情報決定手段によっ
    て決定された始点情報とを比較して鍵が移動開始したか
    否かを判定する判定手段と、 前記判定手段が鍵が移動開始したと判断したときから所
    定時間内の前記タッチセンサからの信号によるタッチデ
    ータをデジタル量として検出するタッチデータ検出手段
    と、 該手段によって検出されるタッチデータによってリアル
    タイムで楽音制御パラメータを制御する手段と を備えたことを特徴とする電子楽器
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