JP3465312B2 - 電子楽器の操作子装置 - Google Patents

電子楽器の操作子装置

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JP3465312B2
JP3465312B2 JP22980693A JP22980693A JP3465312B2 JP 3465312 B2 JP3465312 B2 JP 3465312B2 JP 22980693 A JP22980693 A JP 22980693A JP 22980693 A JP22980693 A JP 22980693A JP 3465312 B2 JP3465312 B2 JP 3465312B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子楽器における鍵
盤装置等の各種演奏情報を入力する操作子装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】操作子として鍵を使用して各種の演奏情
報を入力する電子楽器の鍵盤装置等の操作子装置では、
演奏者の指が操作子に触れた直後からその指が操作子か
ら離れるまでの全行程において、その操作子に加えられ
る力の変化に応じて演奏表現ができれば理想的である。
【0003】そのため、例えば一方に自由端を有する片
持梁構造の操作子の固定端側を操作子支持体に固定する
と共に、その操作子の操作により曲げ応力が加わる部位
に複数の抵抗線歪ゲージ等のセンサを設けて、操作子が
操作された時にその操作力に対応してセンサが出力する
電気的信号に応じて楽音を発生及び制御するようにした
ものが開発されている。
【0004】そこで、そのセンサを操作子が操作された
ときに互いに直交するX,Y,Zの三次元方向の各ひず
み量を検出できる位置に複数個配設すれば、三次元の各
方向にそれぞれ作用する力の大きさを検出して、それら
に対応して楽音を制御することができる。
【0005】例えば、押鍵の強さを示すイニシャルタッ
チを検出して楽音発生時のアタック音量を制御したり、
押鍵後さらに深く鍵が押されたり鍵が左右あるいは前後
に操作されたりするアフタタッチを検出して、ビブラー
トやトレモロの深さ及び速さ,音色やピッチ変化,リバ
ーブ深さ等の各種効果の制御を行なうことが可能であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな抵抗線歪ゲージ等のセンサを使用して操作子に作用
する三次元の各方向の操作力を検出するためには、最低
3個のセンサが必要であると共に、その各センサから出
力される電気的信号をそれぞれ増幅するための特殊な差
動アンプや、その増幅した電気的信号をデジタル信号に
変換するための高価なA/D変換器等が必要であるた
め、このような操作子装置はコスト上の問題で実用化が
困難であった。
【0007】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、操作子が操作された際にその三次元の各方向に
作用する力をそれぞれ検出して、それらに対応して楽音
を制御することができる電子楽器の操作子装置を安価に
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するため、操作子支持体と、その操作子支持体に
固定された固定端と自由端とを有する片持ち梁構造の操
作子と、その操作子に固定されたアクチュエータと、そ
のアクチュエータの操作子支持体への接離方向及びこれ
に互いに直交する2方向の変位をそれぞれ静電容量変化
によって検出する三次元静電容量センサとを備え、その
三次元静電容量センサによる各方向の静電容量変化によ
って楽音を制御するようにした電子楽器の操作子装置
あって、 その三次元静電容量センサを、互いに直交する
3方向にそれぞれ間隔を置いて互いに絶縁して対向配置
した6枚の導電板と、その6枚の導電板に囲まれた内部
に絶縁して配置され、アクチュエータの変位に応じて変
位する導電体とによって構成するものである。
【0009】
【0010】または、その三次元静電容量センサを、互
いに直交する3方向のうちの2方向にそれぞれ間隔を置
いて互いに絶縁して対向配置した4枚の導電板と、その
4枚の導電板に囲まれた内部に一部が入り込むように上
記3方向のうちの他の1方向に位置をずらして絶縁して
配置され、アクチュエータの変位に応じて変位する導電
体とによって構成してもよい。
【0011】
【作用】このように構成した電子楽器の操作子装置によ
れば、電子楽器の演奏時における操作子の押下及びその
後の種々の操作によるアクチュエータの変位を、三次元
静電容量センサによって互いに直交する三次元の各方向
の変位に応じた静電容量の変化により検出し、それによ
って楽音信号の発生及び各種効果等の制御を行なうこと
ができるので、演奏者の意志に忠実な演奏表現を行なう
ことができる。
【0012】そして、この静電容量は他の物理量への変
換が比較的容易であるため、演奏者の操作による操作子
の三次元の変位を三次元静電容量センサによって静電容
量の変化に置き換えることにより、高価なセンサや回路
を使用せずに済み、操作子の三次元の操作に応じた楽音
制御をローコストな構成で実現することができる。
【0013】また、三次元静電容量センサを上述のよう
に、互いに直交する3方向にそれぞれ間隔を置いて互い
に絶縁して対向配置した6枚の導電板と、その6枚の導
電板に囲まれた内部に絶縁して配置され、アクチュエー
タの変位に応じて変位する導電体とによって構成すれ
ば、その可動の導電体とそれを挾んで対向する2枚の導
電板の一方との間の静電容量と他方との間の静電容量が
逆に変化するので、その各静電容量の差あるいは比を検
出することにより、アクチュエータの変位に対する検出
信号の変化量が大きくなり、精度の高い検出ができる。
【0014】さらに、上記三次元静電容量センサの、互
いに直交する3方向のうちの2方向にそれぞれ間隔を置
いて互いに絶縁して対向配置した4枚の導電板に囲まれ
た内部に一部が入り込むように、上記3方向のうちの他
の1方向に位置をずらして上記アクチュエータの変位に
応じて変位する導電体を配置すれば、その可動の導電体
が4枚の導電板に囲まれた空間に入出する方向への変位
は、その導電体と各導電板との間の静電容量の和の変化
として検出できるので、その方向に対向する2枚の導電
板が不要になり、より安価に構成することができる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図1はこの発明の一実施例を示す電子
楽器の操作子装置の斜視図、図2はその操作子装置に設
けられている三次元静電容量センサの構成を示す斜視
図、図3及び図4はその三次元静電容量センサの導電体
と各導電板との間の静電容量を説明するための模式的な
説明図である。
【0016】この電子楽器の操作子装置は、図1に示す
ように操作子支持体としてのフレーム1と、その上に固
定された固定端2aと自由端2bとを有する片持ち梁構
造の操作子2とを備えており、その操作子2は、例えば
アルミ材等の金属材で形成された鍵アーム2cと、その
自由端側に取り付けられた例えばプラスチック製の鍵2
dとからなる。
【0017】その鍵2dの下面には、アクチュエータ3
が略垂直状態に固設されていて、そのアクチュエータ3
の互いに直交する3方向(X,Y,Z方向)の変位をそ
れぞれ静電容量変化によって検出する三次元静電容量セ
ンサ5を設けている。なお、図1では操作子2及び三次
元静電容量センサ5を1組みだけ図示しているが、実際
には同様な操作子2及び三次元静電容量センサ5が、必
要な音階数に応じて多数組み(平均律音階の場合は1オ
クターブにつき12鍵分)がフレーム1上に並列配置さ
れている。
【0018】この操作子2の鍵アーム2cは、鍵2dを
押圧した後に復元する鍵復帰力が得られるように所定の
剛性(スティフネス)すなわち若干の可撓性を有してお
り、鍵2dの上下方向(Z方向)の変位の他に、左右方
向(X方向)及び前後方向(Y方向)にも若干のたわみ
を許容する剛性を有している。
【0019】このような剛性を有する鍵もしくは鍵アー
ムにした理由は、従来の回動支点を有する鍵に比べて演
奏表現力の出しやすい鍵、言いかえると演奏のための感
情移入のしやすい鍵として提言し、演奏家に試弾しても
らってそれなりの評価を得たからである。
【0020】三次元静電容量センサ5は、図2に示すよ
うに絶縁体によって6面体に形成され、その下面がフレ
ーム1(図1)の上面に固定された箱状部材6の各内面
あるいは外面に、それぞれ固定電極となる導電板7a〜
7fを固定し、その6枚の導電板7a〜7fに囲まれた
内部に、可動電極となる円柱状の導電体8を絶縁して配
設し、その導電体8の両端面に剛性の高いワイヤ11と
若干弾性を有して伸縮可能なワイヤ(例えばコイルスプ
リング状のもの)12の一端部をそれぞれ係着してい
る。
【0021】そのワイヤ11は、箱状部材6の前面及び
導電板7aの中央部に形成した孔7gを通して外へ引き
出され、他方側のワイヤ12も箱状部材6の後面及び導
電板7bの中央部に形成した孔7hから外へ引き出され
る。そして、そのワイヤ11の他端部を図1に示すよう
にアクチュエータ3に係着すると共に、ワイヤ12の他
端部をフレーム1の上面に固設したワイヤ固定部材13
に係着し、両ワイヤ11と12をたるみが生じないよう
に所定の張力で張装して、導電体8を各対向する導電板
間の略中央に位置するように保持している。
【0022】なお、アクチュエータ3は、鍵2dの非操
作時において、その下面3aとフレーム1の上面との間
に2〜3mm程度の隙間が空くように配置している。こ
のように、この三次元静電容量センサ5は、互いに直交
するX,Y,Zの3方向にそれぞれ間隔を置いて互いに
絶縁して対向配置した6枚の導電板7a〜7fと、その
6枚の導電板7a〜7fに囲まれた内部に絶縁して配置
され、アクチュエータ3の変位に応じて変位する導電体
8とによって構成されている。
【0023】そして、この三次元静電容量センサ5の導
電体8と各導電板7c〜7fとの間には、図3に模式的
に示すように静電容量C1〜C4の可変コンデンサが形
成され、導電板7a,7bとの間には、図4に示すよう
に静電容量C5,C6の可変コンデンサが形成される。
【0024】この実施例では、鍵2dが操作されていな
い時には、静電容量C1とC2,C3とC4,及びC5
とC6がそれぞれ略等しくなっている。そして、鍵2d
が押鍵操作されて上下方向に変位すると、アクチュエー
タ3及びワイヤ11を介して導電体8が図1のZ方向に
変位されるので、導電体8と導電板7d,7fとの間隔
が増減し、鍵2dの下降時には静電容量C1が減少して
C2が増加し、鍵2dの上昇時に静電容量C1が増加し
てC2が減少する。
【0025】また、鍵2dが押鍵後左右方向に操作され
ると、導電体8もX方向に変位されるので、導電体8と
導電板7e,7cとの間隔が増減し、鍵2dが右方へ押
されると静電容量C3が減少してC4が増加し、左方へ
押されると静電容量C3が増加してC4が減少する。
【0026】同様に、鍵2dが押鍵後前後方向に操作
れると、導電体8もY方向に変位されるので、導電体8
と導電板7a,7bとの間隔が増減し、鍵2dが後方へ
押されると静電容量C5減少してC6が増加し、手前
側へ押されると静電容量C5が増加してC6が減少す
る。
【0027】なお、ワイヤ12を導電体8からのリード
線に兼用することができ、また各導電板7a〜7fから
のそれぞれ絶縁被覆したリード線を、このワイヤ12に
沿わせてフレーム1上に配設される図示しない回路基板
へ導くことができる。
【0028】次に、この操作子装置を用いた電子楽器の
構成例を図5のブロック図によって説明する。ここでは
説明を簡単にするため、上述した三次元静電容量センサ
5による図3及び図4によって説明した静電容量C1,
C3,C5の変化のみによって鍵2dの三次元の操作を
検出するものとする。
【0029】図5において、21は静電容量C1の変化
によって発振周波数f1が変化する発振回路(OS
C)、22は静電容量C3の変化によって発振周波数f
3が変化する発振回路、23は静電容量C5の変化によ
って発振周波数f5が変化する発振回路ある。各発振回
路の発振周波数f1,f3,f5は、それぞれ静電容量
C1,C3,C5が小さくなる程高くなり、大きくなる
程低くなる。
【0030】この各発振回路21〜23の発振出力を、
それぞれたとえばF/V変換回路24〜26に入力させ
て、その各周波数f1,f3,f5に応じた電圧信号V
1,V3,V5に変換する。そして、静電容量C1に応
じた電圧信号V1が比較回路27に入力し、予め設定さ
れ比較電圧Vrを超えると押鍵信号KONが発生し、
音信号発生回路28に楽音信号を形成させ、それをアン
プ29で増幅してスピーカ30に発音させる。
【0031】なお、F/V変換はカウンタに置き換え可
能である。この場合はフレーム時間内のカウント数をV
に置き換える。これによりデジタル化が容易に行なえ
る。前記各電圧信号V1,V3,V5はそれぞれ楽音信
号発生回路28に入力され、発生する楽音信号を制御す
る。この各電圧信号V1,V3,V5と押鍵信号KON
の波形例を図6に示す。
【0032】図1に示した操作子2の鍵2dが押鍵操作
されると、導電体8の下降により静電容量C1が減少す
るため、発振回路21の発振周波数f1が高くなり、電
圧信号V1が非押鍵時の電圧V0から上昇する。その押
鍵操作中の電圧信号の変化は、例えば図6の(a)に示
すようになる。そして、この電圧信号V1が比較電圧V
rを超えている間、同図(b)に示すように押鍵信号K
ONが発生し、楽音信号が形成され、楽音が発生する。
【0033】また、この電圧信号V1を楽音信号発生回
路28の制御端子に入力させることにより、そのアタッ
クレベルALやサスティンレベルSLに応じて楽音信号
のエンペロープ波形を制御することができる。
【0034】静電容量C3は押鍵後の鍵2dの左右方向
の操作によって変化し、それによって電圧信号V3が、
例えば図6の(c)に示すように非押鍵時の電圧V0に
対して変化する。静電容量C5は押鍵後の鍵2dの前後
方向の操作によって変化し、それによって電圧信号V5
が、例えば図6の(d)に示すように非押鍵時の電圧V
0に対して変化する。
【0035】これらの電圧信号V3V5を楽音信号
生回路28の制御端子に入力させることにより、ビブラ
ートやトレモロの深さ及び速さ,バンドパス,ローパ
ス,ハイパス等のフィルタのカットオフ周波数の変化に
よる音色変化、ピッチ変化やリバーブ深さ等の各種効果
の制御(アフタコントロール)を行なうことができる。
さらに、物理音源モデルのパラメータを制御することも
可能である。
【0036】ところで、図1乃至4に示したような三次
元静電容量センサ5を用いた場合には、静電容量C2,
C4,C6も利用することによって、鍵2dの微妙な動
きに対する検出精度を上げることができる。
【0037】例えば、図7に示すように、静電容量C1
によって発振周波数が変化する発振回路21とその発振
周波数f1を電圧信号V1に変換するF/V変換回路2
4と共に、静電容量C2によって発振周波数が変化する
発振回路31とその発振周波数f2を電圧信号V2に変
換するF/V変換回路34を設け、その各電圧信号V
1,V2を減算回路35に入力して、Va=V1−V2
の検出信号を出力するようにし、この検出信号Vaを図
5の比較回路27と同様な比較回路(比較電圧Vrは図
5の場合と異なる)及び楽音信号発生回路28に入力さ
せる。
【0038】このようにすれば、非押鍵時にはV1≒V
2であるから、減算回路35からの検出信号Vaは略ゼ
ロであり、押鍵時には鍵2dの変位に対して電圧信号V
1とV2が逆方向に変化するので、その変化量はV1又
はV2の変化量の約2倍になり、それだけ検出感度が上
がり、精度もよくなる。減算回路35の代わりに除算回
路を用いて、電圧信号V1とV2の比(V1/V2)を
とって検出信号とするようにしても、同様な効果が得ら
れる。
【0039】鍵2dの左右方向の操作を検出する静電容
量C3とC4、及び前後方向の操作を検出する静電容量
C5とC6に対しても同様な回路構成にすることによっ
て、検出精度を高めることができる。なお、これらの各
信号による楽音信号発生回路28における楽音信号の発
生とその制御は、マイクロコンピュータを用いて行なう
ようにしてもよい。
【0040】図8は三次元静電容量センサの異なる例を
示す図2と同様な斜視図である。この三次元静電容量セ
ンサ5′は、図1乃至図4で説明した実施例に対し、互
いに直交する3方向のうちのXとZの2方向についての
み4枚の導電板7c〜7fをそれぞれ間隔を置いて互い
に絶縁して対向配置し、その4枚の導電板7c〜7fに
囲まれた内部に導電体8が一部が入り込むようにY方向
に位置をずらしてオフセットした状態で配置した点のみ
が異なる。
【0041】このようにして導電板の数を減らしても、
鍵2d(図1参照)のY方向への変位は、導電体8が導
電板7c〜7fに囲まれた内部に入り込む矢示A方向に
変位したときには、各導電板7c〜7fと可動導電体8
とによってそれぞれ形成される各コンデンサの静電容量
の和が大きくなり、その逆方向に変位したときにはその
静電容量の和が小さくなるので、鍵2dのX,Y,Zの
3方向についての変位を全て検出して、その各方向の変
位量に応じて楽音を制御することができる。
【0042】図9は三次元静電容量センサのさらに異な
る例を示す外観図、図10は縦断面の模式図、図11は
この三次元静電容量センサを用いた電子楽器の操作子装
置の一部を示す斜視図である。
【0043】この三次元静電容量センサ40は、図9及
び図10に示すように、三次元のX,Y,Zの3方向に
おいてそれぞれ対向する固定電極となる各導電板41,
42,43をそれぞれ複数枚で構成すると共に、可動電
極となる導電板44,45,46もそれぞれ複数枚で構
成することによって、その固定電極と可動電極間の静電
容量を導電板が1枚のときに比べて複数倍にし、可動電
極の変位量が極めて少ない場合でもそれを感度良く検出
できるようにしている。
【0044】さらに詳細に説明すると、同一形状の導電
板41をY方向に等間隔に複数枚(図10では7枚)並
べてそれらを導電体の連結板47で連結し、その導電板
47を挾むように上下に同一形状の導電板42をZ方向
にそれぞれ等間隔に複数枚(図10では3枚ずつ)並
べ、同様にそれらを導電体の連結板48,48でそれぞ
れ連結している。
【0045】また、図10には示されないが図9に一部
示されるように、X方向にも、同一形状の導電板43を
導電板41の両側に等間隔に複数枚ずつ並べてそれらを
導電体の連結板49,49でそれぞれ連結している。そ
して、これらの導電板41,42,43は一体的に固定
され、図11に示すようにフレーム1上の取付台50上
に固設される。
【0046】一方、上記固定電極となる各導電板41の
間に、可動電極となる複数枚の導電板44をそれぞれ図
10で左側の導電板41にそれぞれ近接させて対向配置
し、それらを導電体の連結板51で連結している。
【0047】同様に、固定の各導電板42の間に可動の
導電板45を図10で下側の導電板42にそれぞれ近接
させて対向配置し、それらを導電体の連結板52,52
でそれぞれ連結し、且つその上部の導電板45の群と下
部の導電板45の群をいずれも連結部材53によって連
結板51に一体に連結している。
【0048】また、図9に示すように固定の各導電板4
3の間にも、同様に可動の導電板46を一方の導電板4
3に近接させて対向配置し、その両端部を導電体の連結
板54,54で固定し、且つその左側の導電板46の群
と右側の導電板46の群をいずれも図示しない連結部材
によって連結板51に一体に連結している。
【0049】そして、これら全ての可動の導電板44,
45,46を一体に連結している連結板51の前端部に
剛性の高いワイヤ11の一端を、後端部に若干弾性を有
するワイヤ12の一端をそれぞれ係着し、図11に示す
ように、このワイヤ11の他端を操作子2に固設された
アクチュエータ3に、ワイヤ12の他端を操作子2の固
定端2aにそれぞれ係着して弛み無く張装している。
【0050】なお、アクチュエータ3の下面3aをフレ
ーム1上に固定した例えばゴム等の弾性部材55に当接
させている。したがって、鍵2dが押下されたときその
押圧力によって弾性部材55が変形して鍵2dが変位す
る。
【0051】そこで、図11における操作子2の鍵2d
が押鍵操作されるとその全方向の変位がアクチュエータ
及びワイヤ11を介して連結板51に伝達され、その変
位に同動して全ての可動の導電板44,45,46が一
体に変位し、固定の各導電板41,42,43との間隔
が変化するため、各静電容量が変化して、三次元の各方
向の変位を検出することができる。
【0052】このように、各方向の変位を検出するため
の固定の導電板41,42,43と可動の導電板44,
45,46をそれぞれ複数枚ずつ設けているので、前述
の実施例の場合に比べて、鍵2dの変位に対する三次元
静電容量センサ40における静電容量の変化が大きくな
り、その静電容量の変化により鍵2dのX,Y,Zの3
方向の変位をより精度よく検出することができる。この
静電容量の変化による楽音の制御に関しては前述の実施
例と同様である。
【0053】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る電子楽器の操作子装置は、演奏者が操作子を操作する
と、その操作子の三次元の各方向の変位を三次元静電容
量センサが静電容量変化によって検出し、その各方向の
変位に応じて楽音を制御するので、演奏者の指が操作子
に触れた直後からそれが離れるまでの全行程において、
その操作方向及び操作力等による演奏者の意志に忠実な
演奏表現を行なうことができる。
【0054】しかも、多数の高価なセンサや特殊な回路
を必要とせず、量産可能な簡単な構造のセンサと回路に
よって安価に作製することができ、高性能な操作子装置
をローコストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す電子楽器の操作子装
置の一部を示す斜視図である。
【図2】同じくその操作子装置に設けられている三次元
静電容量センサの構成を示す斜視図である。
【図3】その三次元静電容量センサの導電体と各導電板
との間の静電容量を説明するための模式的に横断面図で
ある。
【図4】同じくその模式的な縦断面図である。
【図5】この実施例の操作子装置を用いた電子楽器の構
成例を示すブロック図である。
【図6】図5における各F/V変換回路24,25,2
6から出力される電圧信号V1,V3,V5及び比較回
路27から出力される押鍵信号KONの波形例を示すタ
イミングチャート図である。
【図7】同じくその容量変化検出部の他の例を示すブロ
ック図である。
【図8】三次元静電容量センサの異なる例を示す図2と
同様な外観図である。
【図9】三次元静電容量センサのさらに他の異なる例を
示す斜視図である。
【図10】同じくその縦断面の模式図である。
【図11】図9及び図10に示した三次元静電容量セン
サを用いた電子楽器の操作子装置の一部を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1…フレーム(操作子支持体)、2…操作子、2a…固
定端、2b…自由端、2c…鍵アーム、2d…鍵、3…
アクチュエータ、5,5′,40…三次元静電容量セン
サ、6…箱状部材、7a〜7f…導電板、8…導電体、
11,12…ワイヤ、13…ワイヤ固定部材、21,2
2,23,31…発振回路(OSC)、24,25,2
6,34…F/V変換回路、27…比較回路、28…楽
音信号発生回路、29…アンプ、30…スピーカ、4
1,42,43……固定の導電板、44,45,46…
可動の導電板、47〜49,51,52,54…連結
板、50…取付台、55…弾性部材、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/053 G10H 1/32 - 1/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作子支持体と、 該操作子支持体に固定された固定端と自由端とを有する
    片持ち梁構造の操作子と、 該操作子に固定されたアクチュエータと、 該アクチュエータの前記操作子支持体への接離方向及び
    これに互いに直交する2方向の変位をそれぞれ静電容量
    変化によって検出する三次元静電容量センサとを備え、 該三次元静電容量センサによる各方向の静電容量変化に
    よって楽音を制御するようにした電子楽器の操作子装置
    であって、 前記三次元静電容量センサを、互いに直交する3方向に
    それぞれ間隔を置いて互いに絶縁して対向配置した6枚
    の導電板と、該6枚の導電板に囲まれた内部に絶縁して
    配置され、前記アクチュエータの変位に応じて変位する
    導電体とによって構成したことを特徴とする電子楽器の
    操作子装置。
  2. 【請求項2】 操作子支持体と、 該操作子支持体に固定された固定端と自由端とを有する
    片持ち梁構造の操作子と、 該操作子に固定されたアクチュエータと、 該アクチュエータの前記操作子支持体への接離方向及び
    これに互いに直交する2方向の変位をそれぞれ静電容量
    変化によって検出する三次元静電容量センサとを備え、 該三次元静電容量センサによる各方向の静電容量変化に
    よって楽音を制御するようにした電子楽器の操作子装置
    であって、 前記三次元静電容量センサを、互いに直交する3方向の
    うちの2方向にそれぞれ間隔を置いて互いに絶縁して対
    向配置した4枚の導電板と、該4枚の導電板に囲まれた
    内部に一部が入り込むように前記3方向のうちの他の1
    方向に位置をずらして絶縁して配置され、前記アクチュ
    エータの変位に応じて変位する導電体とによって構成し
    たことを特徴とする電子楽器の操作子装置。
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