JPH07111625B2 - 演奏情報の再生装置 - Google Patents

演奏情報の再生装置

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JPH07111625B2
JPH07111625B2 JP2084579A JP8457990A JPH07111625B2 JP H07111625 B2 JPH07111625 B2 JP H07111625B2 JP 2084579 A JP2084579 A JP 2084579A JP 8457990 A JP8457990 A JP 8457990A JP H07111625 B2 JPH07111625 B2 JP H07111625B2
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
    • G10H1/02Means for controlling the tone frequencies, e.g. attack or decay; Means for producing special musical effects, e.g. vibratos or glissandos
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    • G10H1/053Means for controlling the tone frequencies, e.g. attack or decay; Means for producing special musical effects, e.g. vibratos or glissandos by additional modulation during execution only
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    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
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    • G10H1/42Rhythm comprising tone forming circuits
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、記憶媒体に記憶した演奏情報に基いて自動演
奏(再生)を行う演奏情報の再生装置に関する。
〔従来の技術〕
電子楽器においては、鍵盤(キー)、パネルスイッチ等
の操作状態(操作されたキーやスイッチの番号、押鍵及
び離鍵のタイミング、押鍵速度、強さなど)を記憶し、
再生時には、再生データに基いて押鍵やパネルスイッチ
の操作を電気的に再現して楽曲の自動演奏を行い得るよ
うにしたものが知られている。このような電子楽器は、
自動演奏装置とも呼ばれていて、自分自身の演奏の記録
だけでなく、演奏データを記憶してある記憶媒体(フロ
ッピーディスクやROM)を購入して再生、演奏すること
も可能である。
このような自動演奏装置において、演奏データが有して
いる時間軸上の誤差、例えば和音演奏の音符間のずれな
どを強制的に修正する機能を持つものがある。この種の
機能はジャストビート機能又はクオンタイズ機能と称さ
れている。
このようなクオンタイズ機能は、従来では記憶された演
奏情報の時間パラメータ(押鍵タイミングなど)を書替
えるコンピュータプログラムにより実現されていた。こ
のプログラムは演奏データ中の時間パラメータをジャス
トビートとなるように修正する。この修正された演奏デ
ータを一定の読出し速度で読出すと、時間軸上の誤差が
小さくなっているクオンタイズされた再生演奏ができ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のように従来ではコンピュータプログラムにより一
つの演奏の単位でクオンタイズをかけるので、再生する
前にクオンタイズの処理を行う必要があり、演奏の記録
の直後にクオンタイズした再生演奏を行うようなリアル
タイム処理ができなかった。
またクオンタイズにより時間パラメータが修正されてし
まうと、元のデータの復元が不可能であり、異なる修正
度(率)で再クオンタイズしたり、或いは4分音符単位
でクオンタイズしたデータを8分音符単位のクオンタイ
ズに再訂正することが困難であった。このようなクオン
タイズ・パラメータ再設定を可能にするには、元の演奏
データを無修正で確保しておき、演奏データのコピーに
対してクオンタイズ処理を行うような煩わしい手続が必
要であった。
本発明は上述の問題にかんがみ、演奏データの書替えを
行わずにデータを再生しながらリアルタイムでクオンタ
イズ処理を行うことができ、従って演奏の記録直後でも
クオンタイズした再生演奏が可能であり、また再生演奏
の途中でもクオンタイズ・パラメータの変更ができるよ
うにすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の演奏情報の再生装置は、記憶された演奏情報を
再生する装置であって、再生するテンポに比例したクロ
ックCKを発生するクロック発生手段1と、上記クロック
を計数して歩進するクロックデータCKLを形成するクロ
ックカウント手段2と、上記歩進するクロックデータを
入力として増加率が一様でない再生用クロックデータCK
Nを形成するクロック変換手段3とを備え、上記再生用
クロックデータに基いて上記演奏情報の再生を行うこと
を特徴とする。
〔作用〕
再生用クロックデータは、歩進するクロックデータに対
し、変化率が一様でないので、再生用クロックデータに
基いて再生される演奏情報は元の演奏に対し時間軸が伸
縮して得られる。例えば、ビートのような基準時間の前
後で再生の時間軸を圧縮し、他の部分で時間軸を伸長す
ることにより、時間軸上の誤差を含んでいた演奏情報の
タイミングが基準時間(ビート)に集中する方向に修正
される。これによりジャストビート化(クオンタイズ)
された再生演奏ができる。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例の自動演奏装置を備えた電子
楽器のブロック図である。
この電子楽器は、操作手段として鍵盤に対応したキース
イッチ11及び音色、テンポ等の演奏パラメータを設定す
るパネルスイッチ13を備えている。これらのキースイッ
チ11及びパネルスイッチ13の操作はCPU12によるキース
キャンルーチンによって検知され、操作した鍵やパネル
スイッチの番号、押鍵、離鍵のタイミング、押鍵強さな
どのスイッチ操作データがCPU内のレジスタ及びRAM16に
取込まれる。
CPU12は、出力ルーチンで上述のスイッチ操作データに
対応する楽音制御信号を楽音発生回路17に送出する。こ
の楽音発生回路17はピアノ、バイオリンなどに対応した
PCM楽音信号を発生する複数の楽音発生チャンネルを備
え、CPU12からの楽音制御信号に基いて、所定の周波
数、波形、振幅、持続時間等を有する楽音信号を形成す
る。この楽音信号はDAコンバータ20(DAC)でアナログ
音声信号に変換され、スピーカ21で再生される。
これらのキースキャンルーチンおよび出力ルーチンは、
ROM14に書込まれたメイン処理プログラムにより実行さ
れる。CPU12はパネルスイッチ13の操作や内部レジスタ
の値に対応してパネルLED15の点灯を制御し、またRAM16
に取込まれた演奏データをディスクドライバ18を介して
ディスク装置19に転送してフロッピーディスク等に演奏
データを記憶する作業も行っている。
再生演奏時には、ディスク装置19から再生された演奏デ
ータをRAM16に転送し、上述の出力ルーチンにより自動
演奏用の楽音制御信号を楽音発生回路17に送出する。こ
れにより演奏時と全く同じ再生音が楽音発生回路17、DA
コンバータ20及びスピーカ21を通じて自動演奏される。
パネルスイッチ13は第2図に示すようなクオンタイズ・
セレクト・スイッチQ1〜Q5を含み、各スイッチにはクオ
ンタイズの強さ(時間軸の伸縮率)やクオンタイズの単
位(4分音符単位、8分音符単位)等に関する異なるク
オンタイズ・パラメータが割当てられている。これらの
スイッチQ1〜Q5の1つ又は複数をオンすることにより、
自動演奏に対して所望のクオンタイズをかけることが可
能となっている。これらのスイッチによるクオンタイズ
・パラメータの設定は、再生演奏の途中でもできるの
で、再生音を聞きながら最適のクオンタイズを決定する
ことができる。
次にクオンタイズ処理の詳細について説明する。
第3図は、第1図のRAM16又はディスク装置19において
記憶される演奏情報の種類を示し、第4図はこれらの演
奏情報の記録配列の一例を示す。また第5図はキー操作
の時間変化波形を示す。
キー情報は4バイトB1〜B4で構成される。1バイト目B1
はキーナンバであり、操作された鍵の番号が記憶され
る。2バイト目B2はステップタイムであり、第5図に示
すように小節(バー)中の各拍子(ビート)の先頭から
その鍵が押されたときまでの時間tsをクロック数で記憶
する。クロックは4分音符の96倍の速度で時間を刻むも
のであり、パネルスイッチ13において設定されるテンポ
スピードに比例して可変される。3バイト目B3はベロシ
ティであり、押鍵スピードを記憶する。押鍵スピードは
第5図のキー操作波形の立上り(アタック)時間に相当
する。4バイト目B4はゲートタイムであり、第5図の押
鍵から離鍵までの時間tgをクロック数で記憶する。
音色情報は2バイトB1、B2で構成される。1バイト目B1
は音色ナンバであり、パネルスイッチ13で設定した音色
の番号を記憶する。2バイト目B2はステップタイムであ
り、拍子(ビート)の先頭から音色スイッチを操作した
ときまでの時間をクロック数で記憶する。
アフタータッチ情報は2バイトB1、B2で構成され、1バ
イト目B1は第5図に示すキー操作波形の押鍵力P方向の
情報を例えば64レベルで量子化したディジタル値で記憶
する。2バイト目B2はステップタイムであり、拍子の先
頭からアフタータッチ情報P1、P2、P3……を取込んだ時
点までの時間をクロック数で記憶する。
その他の情報として2バイトのビート情報がある。その
1バイト目B1は8ビットオール“1"であり、テンポスピ
ードで定まる一定時間間隔のビートが発生するたびにこ
のデータの書込みが生じる。2バイト目B2は、ビート間
隔のクロック数であり、例えば1/4、2/4、3/4、4/4拍子
ならば96が記憶され、1/8〜8/8拍子ならば48が記憶され
る。また1/2、2/2拍子ならば192が記憶される。
以上のように演奏情報は、演奏の各イベント(キー操作
等)ごとに、ビート単位でビート中のクロックにより管
理され、記録及び再生される。例えば第4図に示すよう
に、パネルスイッチ13の音色スイッチの操作があると、
その音色番号Aがビートから操作時点までのクロック数
(ステップタイム)を伴って記憶される。更にキースイ
ッチ11をキーK1、キーK2、キーK3のように順に押すと、
それらのキー番号、ビートから押鍵までのステップタイ
ム、ベロシティ、ゲートタイムが各キーの操作ごとに記
憶される。その後ビートのタイミングになると、ビート
データV1(オール“1")及び1ビート間のクロック数が
記憶される。
更に、キーK4、キーK5のように各キースイッチの操作を
記憶し、キーK5のときに一定の押鍵圧を越えた強い押鍵
操作があると、例えば2m秒のサンプリング間隔でアフタ
ータッチ情報P1、P2、P3、P4……を、夫々にステップタ
イム(ビートからのクロック数)を付加して記憶する。
また押鍵中に次のビートが来れば、ビートデータV2とし
て記憶する。このようにして一定時間間隔でビートデー
タを記録しながら、1ビートの枠内のキー情報やアフタ
ータッチ情報をそれらのイベント(操作)が生じるごと
にステップタイムを付けて記録する。
再生時には、ビートが一定時間間隔となるように、例え
ば96クロック/1ビートでデータを再生する。即ち、96ク
ロックで1ビートの枠が更新される。各ビートの枠内で
は時間を刻んでいるクロックの番号1〜96(クロックカ
ウント値)とステップタイムデータとを比較し、一致す
るごとにキー情報、音色情報、アフタータッチ情報など
のイベント情報をCPU12から楽音発生回路17に出力す
る。楽音発生回路17はこれらのイベント情報で定まる周
波数、波形、振幅、持続時間等を有する楽音信号を発生
する。
本発明の実施例では、1ビートの枠内で上述のように単
位時間ごとに歩進増加するクロックカウント値を、非一
定間隔のクロックデータ、即ち増加率が一様でない、緩
急のついたクロックデータに変換し、この変換されたク
ロックデータに基いて演奏情報を再生することにより、
再生の時間軸を伸縮してクオンタイズされた再生楽音信
号を得るようにしている。
第6図に本発明の演奏情報再生装置の原理的なブロック
図を示す。クロック発生手段1は、設定されたテンポデ
ータを受けて再生するテンポに比例したクロックを発生
する。このクロック発生手段1は、第1図ではタイマ10
に相当し、例えば4分音符の96倍の速さのクロックCKを
発生する。このクロックCKはクロックカウンタ2で計数
され、0、1、2、3……96のように歩進するクロック
データCKL(リニアデータ)が形成される。このクロッ
クカウンタ2は、ビート情報(第3図)によって定まる
1ビート内のクロック数にその計数値が達するとリセッ
トされ、これを繰り返す。つまりクロックカウンタ2
は、1ビートの枠内でリニアな時間軸情報を与える。
クロックカウンタ2で形成された歩進クロックデータCK
Lは、変換手段3に供給され、増加率が一様でないクロ
ックデータCKN(ノンリニアデータ)に変換される。こ
の変換手段3は、第一図ではROM14に相当し、第7図の
ような入力(縦軸)−出力(横軸)の変換表から成る。
第7図の縦軸は歩進クロックデータCKL(クロックカウ
ントデータ)であり、このデータはROM14にアドレス入
力として与えられる。ROM14内には、リニアなアドレス
に対応して第7図のノンリニアな変換カーブに従ったデ
ータがテーブル形式で書込まれていて、縦軸入力に対応
して横軸出力の非一様増加率の再生用クロックデータCK
Nが読出される。
変換手段3から得た変換クロックデータは再生クロック
データとして演奏情報の再生手段4に与えられる。この
再生手段4は、第1図ではCPU12及びRAM16に相当し、再
生クロックデータが与えられるたびに、CPU12は与えら
れたクロックデータまでのステップタイムを有する演奏
情報(イベント情報)をRAM16から読出す。なおRAM16に
は、ディスク装置19から再生すべき演奏情報が順次転送
される。
この結果、演奏情報の読出し速度は、第7図の変換カー
ブに従った緩急を持つ。クオンタイズは、原理的には、
ビートの前後では演奏情報の読出し速度を速くし、ビー
トとビートとの中間部では読出し速度を遅くすることに
より達成される。第7図の変換カーブはこれを実現する
ために、入力のクロックカウントデータのカウント0の
直後とフルカウントの直前では、出力の再生クロックデ
ータの変化率を大きくし、その中間では変化率を小さく
してある。また第7図の変換カーブはこのような原理に
基くクオンタイズをかける量(強度)や対象とする演奏
情報に対応して数種類用意されている。
再生手段4から得られるクオンタイズされた演奏情報
は、楽音制御信号として第1図の楽音発生回路17に導出
される。
次に第7図の変換表及び第8図のレジスタ構成図並びに
第9図のCPUのメインルーチン及び第10図のCPUの割込み
ルーチンの各フロー図を参照してCPU12によるクオンタ
イズ処理の詳細について説明する。
第8図において、テンポスピードレジスタRAは、パネル
スイッチ13で設定したテンポスピードデータを格納す
る。ビートMAXレジスタRBは、1小節中のビート数を記
憶する。例えば1/2拍子ならばビート数は1、4/4拍子な
らば4、6/8拍子ならば6が夫々入る。クロックMAXレジ
スタRCは、1ビート中のクロック数を記憶する。例えば
1/2拍子ならばクロック数は192、4/4拍子ならば96、6/8
拍子ならば48が夫々入る。バーカウンタCAは、小節ごと
にカウントアップし、現在再生している小節の番号を記
憶する。ビートカウンタCBは、ビートごとにカウントア
ップし、現在再生しているビートの番号を記憶する。こ
れらのバーカウンタCA及びビートカウンタCBの値は、パ
ネルLED15において表示される。
クロックカウンタCCは、クロックごとにカウントアップ
し、現在再生しているビート内のクロック番号を記憶す
る。クロックカウンタCCは第6図のクロックカウンタ2
に相当し、その出力は、第7図の変換表を記憶したROM1
4にアドレスとして与えられ、各変換表1、2、3に従
って増加率を変更した再生クロックデータが再生クロッ
クレジスタR1、R2、R3に夫々格納される。
これらのレジスタRA〜RC、R1〜R3、カウンタCA〜CC及び
ROM14は、CPU12と協動して、第10図のフローチャートで
示すように動作する。第10図はCPU12に対する割込み処
理であり、第1図のタイマ10からCPU12のインタラプト
入力INTに供給される4分音符の96倍のクロックパルス
ごとに割込み処理が起動される。クロックはテンポスピ
ードに応じて周波数が加減される。例えば、テンポスピ
ードとして4分音符=120と設定された場合、1分間に1
1520回(120×96)の割込みが発生する。
割込みが発生すると、ステップS1でクロックカウンタCC
の値が+1(カウントアップ)され、次にステップS2に
おいて、そのカウント値がクロックMAXレジスタRCの値
(1ビート内のクロック数)に達した否かが判定され
る。ステップS2の判定がイエス(YES)であれば、ステ
ップS3でクロックカウンタCCをクリアし、更にステップ
S4でビートカウンタCBを+1する。次にステップS5にお
いて、ビートカウント値がビートMAXレジスタRBの値
(1小節内のビート数)に達したか否かが判定され、イ
エス(YES)であればステップS6でビートカウンタCBを
クリアし、更にステップS7でバーカウンタCAを+1す
る。以上のステップS1〜S7の処理によりカウンタCA〜CC
が順次カウントアップする。
カウントアップの処理を行わないとき、即ち、ステップ
S7の処理が終わるか又はステップS2及びS5でノー(NO)
の判定が生じたとき、ステップS8、S9、S10の一連の処
理を順次行う。各ステップS8〜S10では、クロックカウ
ンタCCの値から表1、表2、表3を参照し、対応する再
生クロックデータPCR1、PCR2PCR3を得て、夫々再生クロ
ックレジスタR1、R2、R3に入れる。
第7図に示した表1、表2、表3は、夫々音色情報、キ
ー情報及びアフタータッチ情報の各時間パラメータ(ス
テップタイム)に対してクオンタイズを夫々に応じた適
度な強さでかけるために用意されている。クオンタイズ
によって生じる時間軸の伸縮比率は、表1が最も大き
く、表2が適度、表3がほぼ変更なし(直線)である。
例えば、キー情報に対しては、適度なクオンタイズを必
要とするので表2を用いる。また音色情報については、
ビートの途中で音色が変更されるのは不自然であるた
め、強いクオンタイズをかける表1を用いる。またアフ
タータッチ情報については、クオンタイズをかけると発
音が飛び飛びになってパサパサした音になるので、何も
変換しないのと等しい表3を用いる。なお第7図の一点
鎖線で示すように、微小な時間軸伸縮を行う表3′をア
フタータッチ情報に割当てても良い。
以上の表1、表2は、ビートの前後で時間軸を圧縮し、
ビートとビートの中間では時間軸を伸長し、これによっ
てジャストビート化(クオンタイズ)を行うものである
が、第7図の点線で示す表4のように、ビートの前後で
時間軸を伸長し、ビートの中間で圧縮するような逆クオ
ンタイズを行うことも可能である。表4を用いた逆クオ
ンタイズでは、ビートの前後で時間軸上の誤差(ばらつ
き)を有する演奏情報は、ビートから離れる方向に拡散
して再生される。即ちビートに対して時間軸上の誤差が
大きい再生楽音が得られる。
第10図のステップS8〜S10における表1〜3の参照は次
のようにして行われる。例えば、ビートが2分音符で、
第7図の縦軸であるクロックカウンタCCの値(クロック
カウントデータ)が12であったとき、表1を参照する
と、横軸の再生クロックデータは84であるので、この値
PCR1を再生クロックレジスタR1に格納する。同じく表2
を参照すると、再生クロックデータは48であるので、こ
の値PCR2を再生クロックレジスタR2に格納する。更に、
表3を参照すると、再生クロックデータは12であるの
で、この値PCR3を再生クロックレジスタR3へ格納する。
なおこれらの再生クロックデータの値は、ビートが4分
音符、8分音符となる毎に1/2となる。従って、第7図
の各表は、何れか1つのビート、例えば2分音符につい
ての変換データのみを作成し、他のビートについては参
照して取出した変換データに対し算術シフト(左又は右
シフト)を施せば良い。
次に第7図の表によって変換された再生クロックデータ
に基く演奏データの読出し処理を第9図のCPUのメイン
ルーチンを参照して説明する。
まず電源が投入されると、ステップS21で初期設定が行
われる。このステップでは、第1図のRAM16、楽音発生
回路17、パネルLED15、タイマ10等の初期化が行われ
る。次にステップS22で記録モード(REC)であるか否か
の判定が行われ、記録モードであればステップS23にて
レコーディングの処理を行う。
記録モードでなければ、ステップS22からステップS24に
進み、再生モード(PLAY)であるか否かが判定される。
再生モードであれば、ステップS25〜S27の演奏情報の読
出し処理を順次行う。まずステップS25では、音色情報
に着目し、再生クロックレジスタR1の現在値PCR1までの
ステップタイムを有する音色情報を読出す。この音色情
報がCPU12から楽音発生回路17に送出されると、発音の
音色が変更される。
次のステップS26では、キー情報に着目し、再生クロッ
クレジスタR2の現在値PCR2までのステップタイムを有す
る全てのキー情報を読出し、CPU12から楽音発生回路17
に送出する。キー情報は、第3図に示したようにキーナ
ンバ、ベロシティ、ゲートタイムから成り、これらによ
り発音の周波数、波形、立上り時間、継続時間等が制御
される。例えば、第7図において、クロックカウントデ
ータ(縦軸)が11から12にカウントアップしたとき、表
2による横軸の再生クロックデータは、38から48に変化
するので、この間に含まれる時間パラメータ(ステップ
タイム)を持ったキー情報が、まとめて同時に読出され
る。
例えば、第4図のキーK1、キーK2の情報が再生クロック
データの38〜48の間のステップタイムを有していれば、
これらは再生時間軸の第48番目のクロックで表されるス
テップタイムを有していると見なして同時に読出され
る。即ち、再生の時間軸が圧縮される。これらのキー情
報、キーK1及びキーK2は、クオンタイズをかけなけれ
ば、夫々に付されたステップタイムに従って時間的には
離れて再生されるものである。
更に、次のステップS27では、アフタータッチ情報に着
目し、再生クロックレジスタR3の現在の値PCR3までのス
テップタイムを有するアフタータッチ情報を読出し、楽
音発生回路17に送出する。読出されたアフタータッチ情
報は音量制御に使用される。
以上の処理が終了すると、ステップS28、S29でパネルス
イッチ13及びキースイッチ11の操作検出のためのスキャ
ン処理を行う。またステップS30で、ディスク装置19に
対する演奏情報の入出力(記録/再生)の処理を行い、
ステップS22に戻る。
以上のクオンタイズ処理を行ったときの演奏情報の再生
タイミングを第11図に示す。第11図の横軸のA、B、C
……Jは、演奏情報に付されて記憶されている時間パラ
メータ(ステップタイムデータ)を示し、縦軸のa、
b、c……jは、変換された再生クロックに基いて再生
される演奏情報の時間パラメータを示す。各軸のデータ
A−a、D−d、G−gは、この例では丁度ビートの位
置にある。記憶されている時間パラメータはC、E及び
F、Hのようにビート位置(D、G)をはさんで前後に
時間的に離れた位置にある。一方、変換された再生クロ
ックデータに基いて読出すクオンタイズ処理を行うと、
対応するデータc、e及びf、hはビート位置(d、
g)の近傍において集中して読出されることが判る。つ
まり時間軸上で誤差のある演奏情報がジャストビート化
されて再生される。
例えば、第11図の時間パラメータC、D、Eが和音の演
奏に対応したものであれば、クオンタイズ処理により、
c、d、eのようにほぼ同時刻に再生されることにな
る。
以上本発明を一実施例に基いて説明したが、発明の技術
思想に基いて種々変更した実施例が可能である。例え
ば、第7図の変換表はノンリニアカーブであるが、折れ
線で構成してもよい。また実施例ではROM14により変換
表を実現しているが、CPUの処理速度が十分高ければ、
ノンリニアカーブに対応した簡単な演算ステップを用い
て歩進クロックデータから再生クロックデータに変換す
ることも可能である。
〔発明の効果〕
本発明は上述のように、非一様な増加率を有する再生用
クロックデータに基いて演奏情報を再生することによ
り、再生の時間軸を伸縮するように構成したので、記憶
された演奏情報が本来有していた時間軸上の誤差を例え
ばビート単位の基準時間に向けて修正することができ、
これにより時間軸に沿ってばらついている演奏情報の配
列をビート単位に再配列(ジャストビート化)すること
ができる。この時間軸の伸縮処理は、与えられたクロッ
クのカウントデータを非一様な増加率の再生用クロック
に変換することにより行われるので、従来のように演奏
情報の時間パラメータを書換えるような処理を行う必要
がなく、リアルタイムでの処理が可能となる。時間軸の
伸縮比率は容易に変更することができ、再生演奏の途中
でも変更可能である。
よって本発明によると、記憶した演奏情報に対し即時に
時間軸処理を施すことが可能であり、また時間軸の伸縮
比率を変えることにより様々な音響的効果を有する再生
演奏が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す電子楽器のブロック図、
第2図は第1図のパネルスイッチの一部を示す図、第3
図は演奏情報の一例を示す図、第4図は一連の記憶演奏
情報の配列を示す図、第5図はキー操作の圧力変化を示
すグラフ、第6図は本発明の演奏情報再生装置の原理的
ブロック図、第7図は第6図の変換手段に設定された変
換表を示すグラフ、第8図は演奏情報の再生処理のため
のレジスタ群及びカウンタ群を示すブロック図、第9図
はCPUのメインルーチンを示すフローチャート、第10図
はCPUの割込みルーチンを示すフローチャート、第11図
は演奏情報とその再生タイミングを示す時間軸に沿った
グラフである。 なお、図面に用いた符号において、 1……クロック発生手段 2……クロックカウンタ 3……変換手段(ROM) 4……演奏情報の再生手段(CPU、RAM) 10……タイマ 11……キースイッチ 12……CPU 13……パネルスイッチ 14……ROM 16……RAM 17……楽音発生回路 である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記憶された演奏情報を再生する装置であっ
    て、 再生するテンポに比例したクロックを発生するクロック
    発生手段と、 上記クロックを計数して歩進するクロックデータを形成
    するクロックカウント手段と、 上記歩進するクロックデータを入力として増加率が一様
    でない再生用クロックデータを形成するクロック変換手
    段とを備え、 上記再生用クロックデータに基いて上記演奏情報の再生
    を行うことを特徴とする演奏情報の再生装置。
  2. 【請求項2】上記変換手段は、入力の歩進するクロック
    データと出力の再生用クロックデータとの対応を示す変
    換表を記憶した記憶手段であることを特徴とする請求項
    1記載の再生装置。
  3. 【請求項3】上記変換手段は、入力の歩進するクロック
    データと出力の再生用クロックデータとの対応を示す複
    数種の変換表を備え、 各変換表が複数種の演奏情報又は再生態様に対応して選
    択的に使用されることを特徴とする請求項1記載の再生
    装置。
  4. 【請求項4】上記演奏情報が、押鍵操作等の演奏のイベ
    ントを示すイベントデータと基準時からの操作時点を示
    す時間パラメータとの対から成り、 上記変換手段から得られる再生用クロックデータと上記
    時間パラメータとの比較に基いて、再生用クロックデー
    タよりも小さい時間パラメータを有する上記イベントデ
    ータを、再生用クロックデータの変化に伴って順次読出
    す再生手段を備えることを特徴とする請求項1記載の再
    生装置。
  5. 【請求項5】上記基準時が一定時間間隔で生じる演奏の
    ビート(拍子)であり、上記演奏情報が、ビート単位で
    区切られて構成され、各区切り位置にビートを示すデー
    タ及び1ビート区間のクロック数を示すデータを夫々含
    み、上記クロックカウント手段がビート単位で上記クロ
    ックを巡回計数することを特徴とする請求項4記載の再
    生装置。
  6. 【請求項6】上記歩進するクロックデータに対応する再
    生用クロックデータの増加率が、上記歩進するクロック
    データを発生する上記クロックカウント手段の所定の巡
    回計数区間の始端部及び終端部で大きく、中間部で小さ
    く設定されていることを特徴とする請求項1記載の再生
    装置。
  7. 【請求項7】上記歩進するクロックデータに対応する再
    生用クロックデータの増加率が、上記歩進するクロック
    データを発生する上記クロックカウント手段の所定の巡
    回計数区間の始端部及び終端部で小さく、中間部で大き
    く設定されていることを特徴とする請求項1記載の再生
    装置。
  8. 【請求項8】上記クロックカウント手段の巡回計数区間
    における上記歩進するクロックデータの中間値及び終値
    と、上記再生用クロックデータの対応の値が夫々一致し
    ていると共に、計数の始端から上記中間値までは、再生
    用クロックデータが歩進するクロックデータより進み、
    中間値から終値までは再生用クロックデータが歩進する
    クロックデータより遅れていることを特徴とする請求項
    6記載の再生装置。
  9. 【請求項9】上記クロックカウント手段の巡回計数区間
    における上記歩進するクロックデータの中間値及び終値
    と、上記再生用クロックデータの対応の値が夫々一致し
    ていると共に、計数の始端から上記中間値までは、再生
    用クロックデータが歩進するクロックデータより遅れ、
    中間値から終値までは再生用クロックデータが歩進する
    クロックデータより進んでいることを特徴とする請求項
    7記載の再生装置。
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