JPH0711094Y2 - エレベータのかごの取り付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、エレベータのかごを縦支持部材を有するかご
乗せ台に取り付けるための技術に関する。

［従来の技術］ 従来からエレベータにおいて、かご乗せ台にゴム製のブ
ッシングを介してかごを乗せ、かごに荷重がかかるとこ
の荷重によりブッシングを圧縮してかごがかご乗せ台側
に移動し、この移動を荷重検知装置で検知して、設定以
上の荷重の場合、かごの昇降を停止したり、あるいは警
報を出すようにしたものが知られている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のような従来例にあって、かごの中に乗った場合、
かごの中の端側に人が乗るとゴム製のブッシングを介し
て載設したかごがかご乗せ台に対して横ずれし、安定性
が悪いだけでなく、かごが荷重にに見合った正確な量だ
けかご乗せ台側に移動せず、荷重を受けた場合の移動量
にばらつきがあり、正確な荷重検知ができないという問
題があった。

本考案は上記の従来の問題点に鑑みて考案したものであ
って、その目的とするところは、かごに荷重がかかって
もかごがかご乗せ台に対して上下方向に対してのみ移動
可能でかごが横ずれしたりするのを防止できるエレベー
タのかごの取り付け構造を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案のエレベータのかごの取り付け手段は、かご乗せ
台の後端部に上方に向けて縦支持部材を突設し、該縦支
持部材に一対の縦片を対向して設け、前面側が出入り用
の開口部となったかごの後端部に２個の取り付け金具を
設け、２個の取り付け金具に外側方に開口する係止溝を
設け、かごをゴム製のブッシングのような弾性体を介し
てかご乗せ台に乗せ、各取り付け金具の係止溝を一対の
縦片の互いに対向する縁部側に上下移動自在で且つ前後
方向及び左右方向に移動不能に係止して成るものであっ
て、このような構成を採用することで、上記した本考案
の目的を達成したものである。

［作用］ しかして、かご３に荷重がかかった場合、かご３は取り
付け手段５により横方向の移動が規制されているため、
かご乗せ台１に対して下方にのみ移動するようになった
ものである。

［実施例］ 建物６には下階から上階に至るエレベータ用空間７が設
けてあり、このエレベータ用空間７にエレベータのかご
３が昇降自在に配設してある。かご乗せ台１の後端部の
両側に縦支持部材２を上方に向けて突設してあり、縦支
持部材２に油圧シリンダーのような昇降手段８の一端部
を固定し、昇降手段８によりかご乗せ台１を昇降するよ
うにしている。かご乗せ台１の後端部の両側に立設した
縦支持部材２は断面コ字状をしていて第２図に示すよう
に開口部が左右で互いに対向するように配置してあり、
断面コ字状の両縦片のうち内側に位置する縦片13に後述
の取り付け手段５が取り付けられる。かご乗せ台１の上
面には複数個のゴム製のブッシング４を介してかご３が
載設してある。またこのかご３は取り付け手段５により
縦支持部材２に取り付けてある。取り付け手段５はかご
３の上下方向の移動は規制せず且つかご３の横方向の移
動を規制するものであり、添付図面の実施例では取り付
け手段５は第５図に示すような形状の取り付け金具９に
より構成してある。この取り付け金具９はかご３に固定
する固定部10から縦支持部材２側に突出する突出部11が
設けてあり、この突出部11に係止溝12を設けて形成して
ある。そしてこの係止溝12を縦支持部材２の縦片13に上
下移動自在に係止することで取り付けるものである。こ
こで取り付け金具９は少なくとも２個以上取り付け、両
側の縦支持部材２の縦片13にそれぞれ係止するものであ
り、この場合２個の取り付け金具９において係止溝12の
側部開口同士が互いに背中合わせとなるように配置する
ことで第２図の矢印イ方向（すなわちかご３の前方から
見た場合左右方向）にかご３が移動するのを防止し、ま
た係止溝12を縦片13に係止することで第２図の矢印ロ方
向（すなわちかご３の前方から見た場合前後方向）にか
ご３が移動するのを防止するようになっている。したが
ってかご３は縦片13に沿って上下方向に移動が可能であ
るが横方向（矢印イ方向、矢印ロ方向）には移動が規制
されるものである。図中14は荷重検知装置であって、か
ご３乃至かご乗せ台１に取り付けてある。荷重検知装置
14としては例えば変位を利用したものであり、かご３に
荷重がかかるとゴム製のブッシング４が圧縮されてかご
３が下方に移動し、このかご３の下方への移動量を荷重
検知装置14で検知するようになっている。この場合、取
り付け手段５によりかご３の横ずれが防止されているの
で、かご３は荷重に見合った量だけ下方に正確に移動す
ることになる。そして、設定荷重以上の荷重がかご３に
かかった場合、これを荷重検知装置14で検知して、かご
３が昇降しないようにしたり、あるいは警報を出すよう
にするのである。

なお、第１図において15は各階に設けた開口部であって
それぞれエレベータ用空間７に開口しており、この開口
部15には扉16が開閉自在に設けてある。

なお、本考案にあって、上記の実施例では昇降手段８と
して油圧シリンダーを用いた実施例を示したが、勿論こ
れ以外の実施例であってもよいものである。また上記実
施例では弾性体としてゴム製のブッシング４の例を示し
たがこれ以外の弾性を持つもの、例えばばね材などであ
ってもよいものである。

［考案の効果］ 本考案にあっては、叙述のようにかご乗せ台の後端部に
上方に向けて縦支持部材を突設し、該縦支持部材に一対
の縦片を対向して設け、前面側が出入り用の開口部とな
ったかごの後端部に２個の取り付け金具を設け、２個の
取り付け金具に外側方に開口する係止溝を設け、かごを
ゴム製のブッシングのような弾性体を介してかご乗せ台
に乗せ、各取り付け金具の係止溝を一対の縦片の互いに
対向する縁部側に上下移動自在で且つ前後方向及び左右
方向に移動不能に係止してあるので、簡単な構成で、か
ごに荷重がかかってもかごがかご乗せ台に対して上下方
向に対してのみ移動可能でかごが前後方向及び左右方向
に横ずれしたりするのを防止でき、かごが安定すると共
に、荷重に見合った量だけ正確にかごが下方に移動し、
荷重検知等が正確にできるものであり、しかも、このよ
うにかごが上下方向には移動できるが前後方向及び左右
方向に横ずれしないような構成にするに当たって、縦支
持部材をかご乗せ台の後端部に設けるのみでよく、エレ
ベータ室の平面の大きさをできるだけ小さくできるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の全体断面図、第２図は同上のかごの取
り付けを示す背面側から見た斜視図、第３図は同上のか
ごの取り付けを示す正面側から見た斜視図、第４図は同
上のかごの上部を省略した状態の取り付け状態を示す斜
視図、第５図は同上の取り付け手段部分の拡大斜視図で
あって、１はかご乗せ台、２は縦支持部材、３はかご、
４はブッシング、５は取り付け手段である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】かご乗せ台の後端部に上方に向けて縦支持
   部材を突設し、該縦支持部材に一対の縦片を対向して設
   け、前面側が出入り用の開口部となったかごの後端部に
   ２個の取り付け金具を設け、２個の取り付け金具に外側
   方に開口する係止溝を設け、かごをゴム製のブッシング
   のような弾性体を介してかご乗せ台に乗せ、各取り付け
   金具の係止溝を一対の縦片の互いに対向する縁部側に上
   下移動自在で且つ前後方向及び左右方向に移動不能に係
   止して成るエレベータのかごの取り付け構造。