JPH0711092A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0711092A
JPH0711092A JP15842293A JP15842293A JPH0711092A JP H0711092 A JPH0711092 A JP H0711092A JP 15842293 A JP15842293 A JP 15842293A JP 15842293 A JP15842293 A JP 15842293A JP H0711092 A JPH0711092 A JP H0711092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
thermosetting resin
resin composition
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15842293A
Other languages
English (en)
Inventor
Hozumi Sato
穂積 佐藤
Akira Nishikawa
昭 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP15842293A priority Critical patent/JPH0711092A/ja
Publication of JPH0711092A publication Critical patent/JPH0711092A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、機械的強度、耐衝撃性、電
気絶縁性、耐熱性に優れ、さらには撥水撥油性に優れた
各種成形材、コーティング材、接着剤、注型材等に適す
る熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。 【構成】 本発明は、(A)熱硬化性樹脂100重量部
と(B)数平均分子量が1,000〜100,000で
あるフッ素含有(メタ)アクリレート系共重合体1〜1
00重量部を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的強度、耐衝撃
性、電気絶縁性、耐熱性に優れ、さらには撥水撥油性に
優れた各種成形材、コーティング材、接着剤、注型材等
に適する熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱硬化性樹脂は、古くからその
優れた接着性、絶縁性、耐熱性を活かして各種成形材
や、接着剤としての用途に広く用いられてきた。近年の
急激な自動車産業、電気・電子産業の成長下において
も、その特性を活かして各種部品としての用途を中心に
その需要を伸ばしている。
【0003】ところが、フェノール樹脂やエポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂の硬化物は、高強度材料である反面、
脆いという弱点を持っている。この対策として、従来か
らこれらの樹脂に極性ゴムをブレンドしたり、あるいは
フェノール樹脂やエポキシ樹脂をあらかじめゴムと反応
させたゴム変性樹脂を用いることが検討されてきた。
【0004】しかしながら、従来用いられてきたゴム材
料の多くは、これらをフェノール樹脂やエポキシ樹脂に
添加することにより、未添加の場合に較べて耐熱性の低
下、電気絶縁性の低下、あるいは粘着性により汚染しや
すくなる等の問題が残っていた。
【0005】すなわち、フェノール樹脂やエポキシ樹脂
の脆性を改良するものとして、それぞれの樹脂と比較的
相溶性の良好なアクリロニトリル−ブタジエンゴム(N
BR)が古くから利用されており、さらに高度な要求に
対しては、特公昭55−33732号公報、特公昭57
−30133号公報などにみられるようなカルボキシル
基を中心に、熱硬化性樹脂との反応が期待できる各種官
能基を導入したNBRが利用され、また特公昭60−5
1504号公報にはNBRより耐熱性に優れたアクリル
系重合体の利用が示されている。
【0006】しかしながら、これらの極性ゴムの添加は
耐熱性、電気絶縁性といった熱硬化性樹脂本来の特性を
低下させるばかりでなく、エラストマー成分の添加によ
り成形物の摺動性を悪化させる。また近年冷熱装置を中
心に各種成形材への凝集水等の付着防止のニーズが表面
化しており、これらに対してもエラストマー添加の効果
が検討されたが、良好なものは見い出されていない。一
方、近年の電子産業や情報産業を中心とする技術進歩
は、さらに優れた熱硬化性樹脂材料の要求に繋がってい
る。このため、機械的強度、耐衝撃性、耐熱性、電気絶
縁性に優れさらには汚染性が少なく、撥水撥油性を示す
材料が求められるようになってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、機械的強度、耐衝撃
性、耐熱性、電気絶縁性に優れ、さらには良好な撥水撥
油性を有し、摺動性にも優れた熱硬化性樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)熱硬化
性樹脂100重量%と(B)数平均分子量が1,000
〜100,000であるフッ素含有(メタ)アクリレー
ト系共重合体1〜100重量%を含有することを特徴と
する熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。以下に
本発明を詳細に説明する。
【0009】A成分 本発明に用いられる熱硬化性樹脂としては、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、ビスマレイミド樹脂などが挙げ
られるが、混合作業の容易性から不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。これら
の熱硬化性樹脂は、1種または2種以上を併用すること
ができる。
【0010】B成分 B成分であるフッ素含有(メタ)アクリレート系共重合
体は、(CF2 )nで示されたパーフルオロアルキレン
鎖を特定量含有する(メタ)アクリレート系共重合体、
またはフッ化ビニリデンと(メタ)アクリレートとの共
重合体、さらにはフッ素含有(メタ)アクリレートと
(メタ)アクリレートとの共重合体が挙げられる。ここ
で、フッ素含有共重合体としては、フッ素含有部分がブ
ロックのものが好ましい。これらの重合体は例えば以下
の方法により得られる。パーフルオロアルキレン鎖を特
定量含有する(メタ)アクリレート系共重合体は、通常
考えられるフッ素オレフィン類、例えばテトラフルオロ
エチレンを共重合させてパーフロロアルキレン鎖を導入
することは困難であるが、共重合成分としてパーフルオ
ロアルキレンアイオダイド化合物を用いることにより共
重合体の末端あるいは分子内にパーフルオロアルキレン
鎖を導入することができる。すなわちF(CF2 )n−
Iのようなモノアイオダイド化合物を用いれば分子末端
に導入が可能であり、またI−(CF2 )n−Iのよう
なジアイオダイド化合物を用いれば分子内への導入が可
能となる。
【0011】前記パーフルオロアルキレン鎖を特定量含
有する(メタ)アクリレート系共重合体を製造する際の
各単量体混合物において、 パーフルオロアルキレンアイオダイド化合物の含有
率は、1〜50重量%、好ましくは、5〜40重量%で
あり、 (メタ)アクリル酸エステルの含有率は30〜98
重量%が好ましく、より好ましくは50〜95重量%で
あり、 その他共重合可能な単量体の含有率は0〜30重量
%である。 パーフルオロアルキレンアイドダイド化合物の含有
率が1重量%未満では本願の特徴である熱硬化性樹脂組
成物の撥水性、撥油性に劣り、50重量%を超えると熱
硬化性樹脂との相溶性が低下し、熱硬化性樹脂組成物と
しての強度が低下する。 また(メタ)アクリル酸エステルの含有率が30重量
%未満では、フェノール樹脂との相溶性に劣り、98重
量%を超えると熱硬化性樹脂としての耐熱性が劣る。 また、上記以外の他の共重合可能な単量体を上記単量
体に加えることができるが、混合物中におけるの含有
率は30重量%以下である。 前記パーフルオロアルキレンアイオダイド化合物は分
子内に(CF2 )n構造とヨウ素を含有するもので、一
般にテトラフルオロエチレンをヨウ素存在下に重合する
等により得られるものである。モノアイオダイド化合物
としては、パーフルオロエチルアイオダイド、パーフル
オロブチルアイオダイド、パーフルオロヘキシルアイオ
ダイド、パーフルオロヘプチルアイオダイド、パーフル
オロオクチルアイオダイド、パーフルオロデシルアイオ
ダイド、パーフルオロドデシルアイオダイド、パーフル
オロ−3−メチルブチルアイオダイド、パーフルオロ−
5−メチルヘキシルアイオダイド、1H,1H,5H−
オクタフルオロペンチルアイオダイド、1H,1H,7
H−ドデカフルオロヘプチルアイオダイド、2,2,
3,3−テトラフルオロプロピルアイオダイド、2−
(パーフルオロブチル)エチルアイオダイド、2−(パ
ーフルオロヘキシル)エチルアイオダイド、2−(パー
フルオロオクチル)エチルアイオダイド、2−(パーフ
ルオロデシル)エチルアイオダイド、2−(パーフルオ
ロ−5−メチルヘキシル)エチルアイオダイド、2−
(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルアイオダ
イド、2−(パーフルオロ−7−メチルデシル)エチル
アイオダイド等が挙げられ、ジアイオダイド化合物とし
ては、テトラフルオロ−1,2−ジアイオドエタン、オ
クタフルオロ−1,4−ジアイオドブタン、ドデカフル
オロ−1,6−ジアイオドヘキサン等が挙げられる。こ
れら、パーフルオロアイオダイド化合物は、単独または
2種以上を混合して使用することができる。前記(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリ
レート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート等のアルキル(メタ)アクリレート類、メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)
アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキ
シアルキル(メタ)アクリレート類を挙げることができ
る。さらに、前記以外の他の共重合可能な単量体とし
ては、特に限定されるものではないが、その1部はカル
ボキシル基、アミノ基、エポキシ基、およびヒドロキシ
ル基より選ばれた少なくとも一種の官能基を含有する単
量体を用いることが好ましい。これら官能基含有単量体
の利用により、熱硬化性樹脂との均一な混合がより容易
となり、得られる熱硬化性樹脂組成物の機械的強度が大
きくなる。カルボキシル基含有単量体としては、例えば
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸等のα,β
−エチレン系不飽和モノカルボン酸類;イタコン酸、無
水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のα,β
−エチレン系不飽和ポリカルボン酸類;前記α,β−エ
チレン系不飽和ポリカルボン酸類のモノメチルエステ
ル、モノエチルエステル、モノプロピルエステル等の遊
離カルボキシル基含有エステル類;前記α,β−エチレ
ン系不飽和ポリカルボン酸類のモノニトリル誘導体等の
遊離カルボキシル基含有ニトリル化合物類;上記α,β
−エチレン系不飽和ポリカルボン酸類のモノアミド誘導
体等の遊離カルボキシル基含有アミド化合物類のほか、
上記α,β−エチレン系不飽和ポリカルボン酸類のモノ
(2−ヒドロキシエチルエステル)、モノ(2−ヒドロ
キシプロピルエステル)等の遊離カルボキシル基含有ヒ
ドロキシアルキルエステル類;上記遊離カルボキシル基
含有アミド化合物類のN−ヒドロキシアルキル誘導体類
等の水酸基含有化合物類等を挙げることができる。ま
た、アミノ基を有する単量体としては、例えばジメチル
アミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジメチルブチルアミノ(メ
タ)アクリレート、4−アニリノフェニル(メタ)アク
リレートなどを挙げることができる。さらに、エポキシ
基を有する単量体としては、例えばグリシジル(メタ)
アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリ
シジルエーテルなどが挙げられる。さらに、ヒドロキシ
ル基を有する単量体としては、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。さらにその他の共重合可能
な単量体としては、特に限定されるものではないが、例
えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロス
チレン、p−クロロスチレン、1,1−ジフェニルエチ
レン、N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、N,N
−ジエチル−p−アミノスチレン、ビニルピリジン、ビ
ニルピペリジン、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロ
ニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメ
チルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリ
ル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリ
ル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイ
ン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル、(メタ)アクリ
ルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド、イタコ
ン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、マレイン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸
ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、
酢酸アリル等を挙げることができる。
【0012】本発明において前記〜の単量体成分を
用いる共重合は、有機溶媒を用いた溶液重合,懸濁重
合,乳化重合,塊状重合等の方法を適宜用いて実施する
ことができる。(CF2 )n構造の導入においては、重
合はラジカル重合開始剤を用いて行うことが好ましい。
【0013】前記ラジカル重合開始剤としては、例えば
ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ク
メンハイドロペルオキシド、パラメンタンハイドロペル
オキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド等の有機過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロ
ニトリル、アゾビスイソカプロニトリル等のアゾ化合
物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素
等の無機過酸化物、前記有機過酸化物あるいは無機過酸
化物と有機アミン、硫酸第一鉄、亜硫酸ナトリウム、チ
オ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート、L−アスコルビン酸、スルフィン酸等の還
元剤とからなるレドックス系触媒等を挙げることができ
る。
【0014】前記単量体混合物の共重合においては、各
単量体、ラジカル重合開始剤等の反応成分は、反応開始
前に全量を添加してもよく、あるいはそれらの一部また
は全部を、反応開始後分割あるいは連続して添加しても
よい。重合反応は、通常、0〜100℃で、酸素を除去
した雰囲気(例えば窒素)中で行われるが、反応途中で
温度、攪拌速度等の操作条件を適宜に変更することもで
きる。重合反応は、連続式、回分式のいずれでも実施可
能である。
【0015】フッ化ビニリデンと(メタ)アクリレート
との共重合体はフッ化ビニリデンと前記の単量体と
の共重合体であり、その割合はフッ化ビニリデン1〜5
0重量%、好ましくは5〜40重量%であり、 前記(メタ)アクリル酸エステルの含有率は30〜
98重量%が好ましく、より好ましくは50〜95重量
%であり、 前記その他共重合可能な単量体の含有率は0〜30
重量%である。
【0016】フッ素含有(メタ)アクリレートとの共重
合体を製造する際のフッ素含有(メタ)アクリレートと
しては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオ
ロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,
4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレー
ト、2,2−ジフルオロエチル(メタ)アクリレート、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アク
リレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブ
チル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピ
ル(メタ)アクリレート、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その割
合は、 フッ素含有(メタ)アクリレートは、1〜50重量
%、好ましくは、5〜40重量%であり、 前記(メタ)アクリル酸エステルの含有率は30〜
98重量%が好ましく、より好ましくは50〜95重量
%であり、 前記その他の共重合可能な単量体は0〜30重量%
である。本発明のフッ素含有(メタ)アクリレート系共
重合体の数平均分子量に特に制限はないが、好ましくは
1,000〜1,000,000であり、更に好ましく
は2,000〜100,000である。1,000未満
では、得られる組成物の耐衝撃性改良効果に乏しく、一
方、1,000,000を超えると熱硬化性樹脂への分
散性が悪く、得られる組成物の機械的強度が劣るものと
なる。
【0017】A成分である熱硬化性樹脂に対するB成分
であるフッ素含有(メタ)アクリレート共重合体との混
合割合は、(A)熱硬化性樹脂100重量%に対して、
(B)フッ素含有(メタ)アクリレート共重合体1〜1
00重量%であり、好ましくは5〜70重量%である。
(B)フッ素含有(メタ)アクリレート共重合体の割合
が1重量%未満では耐衝撃性、機械的強度の改良効果に
乏しく、一方100重量%を超えると、熱硬化性樹脂組
成物本来の特徴である高強度を保持できなくなる。
【0018】本発明の熱硬化性樹脂組成物を得る方法に
ついては、特に制限はない。すなわち、熱硬化樹脂
(A)と(メタ)アクリレート系共重合体(B)とを所
定の混合割合にて、ニーダー等の密閉型ミキサー、ロー
ル、あるいは攪拌装置のついた容器等により任意に混合
可能である。また、(A)と(B)とを溶液状態で混合
し、溶媒を除去することにより混合物を得ることができ
る。更に、熱硬化性樹脂(A)の合成段階で(B)フッ
素含有(メタ)アクリレートを添加投入し、エラストマ
ー変性熱硬化性樹脂として得ることも可能である。
【0019】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)熱
硬化性樹脂と(B)フッ素含有(メタ)アクリレート共
重合体を主成分とするが、そのほか必要に応じて老化防
止剤、安定剤、可塑剤、軟化剤、無機または有機の各種
充填剤、補強剤、架橋剤などの添加剤を配合することが
できる。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)熱硬化
性樹脂および(B)フッ素含有(メタ)アクリレート共
重合体、および必要に応じてその他のゴム成分、通常使
用される上記添加剤などを添加し、開放型ミキシングロ
ールや非開放型のバンバリーミキサー、押し出し機、ニ
ーダー、連続ミキサーなどの公知の混合機を用いて混合
することにより調製される。
【0020】本発明の熱硬化性樹脂組成物の用途は時に
限定されないが、前記の優れた特徴を活かして各種被覆
材、注型材、成形材、接着剤、塗料、制振鋼板用制振材
料などとして使用することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
実施例に制約されるものではない。なお、実施例中、部
および%は、特に断らない限り重量基準である。
【0022】実施例1 (1) (CF2 )構造含有(メタ)アクリレート系共
重合体 6Lガラス製オートクレーブにブチルアクリレート65
0g、メチルメタクリレート250g、メタクリル酸1
00g、パーフルオロブチルアイオダイド250g、溶
媒としてメチルエチルケトン(MEK)2,000g、
および重合開始剤としてアソビスイソブチロニトリル
(AIBN)30gを仕込み、60℃に加熱して重合を
行った。重合時間6時間で仕込み単量体の98%以上が
重合したのを確認し、オートクレーブを冷却することに
より反応を停止し、共重合体溶液を製造した。得られた
アセトン溶液の一部をメタノール中に投入し、ポリマー
を沈降させ、水洗後、真空乾燥により(CF2 )構造含
有(メタ)アクリレート共重合体を得た。示差熱分析
計で測定した共重合体のTg は20℃であり、またG
PC測定による数平均分子量は26,000であった。
ポリマー中に含有されたフッ素量はフラスコ燃焼法でフ
ッ素を回収固定した後、アリザリンコンプレクソン法に
よる比色定量法により定量した。結合全フッ素量は9.
4重量%であった。
【0023】(2)エポキシ樹脂組成物 (1)に示した重合反応により得られた(メタ)アクリ
レート共重合体を用い、次の手順に従って熱硬化性樹脂
組成物(エポキシ樹脂組成物)を得た。 配合処方 エポキシ樹脂(*1) 100部 ノボラック樹脂(*2) 50部 共重合体 10部 α−メチルイミダゾール 0.75部 *1 商品名 スミーエポキシ ESCN 220L 住友化学工業株式会社製 *2 商品名 タマノール 758 荒川化学工
業株式会社製 これらを密閉型ミキサーを用いて80℃にて混練りし、
さらに160℃にてプレス成形を行い、得られた成形板
にフライス盤加工を施すことにより、耐衝撃性試験片,
曲げ強度試験片を作製した。曲げ強度試験はJIS K
7203に準じて行い、耐衝撃性試験はアイゾット衝
撃試験機を用い、室温でノッチなしの試験片により測定
を行った。
【0024】なお、同じ試験片について150℃×70
時間オーブンにて加熱後、アイゾット衝撃試験を行い、
耐熱性の指標とした。また、得られた混練物の加工性の
代用指標として、混練物の流動性を、島津製作所製フロ
ーテスターにより、1mmφ×2mmのダイを用い、1
60℃にて測定を行った。更には、得られた成形品の撥
水性評価を目的に10cm×10cmの平面を有する成
形板を成形し、平面の勾配が60°の角度となるよう調
整し、霧吹きにて純水を吹きつけ、水の濡れ性を評価し
た。また、得られた硬化物の電気絶縁性はプレシジョン
LCRメーター(横河ヒュレットパッカード株式会社製
HP 4284A)を用いて測定した。評価結果を表
1にまとめて示した。本材料は機械的強度、耐衝撃性に
優れ、更に良好な耐熱性、電気絶縁性、撥水性を示し
た。
【0025】実施例2 6L耐圧オートクレーブを用い、ブチルアクリレート8
84g、メチルメタクリレート260g、メタクリル酸
156g、パーフルオロブチルアイオダイド130g、
水2600g、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム52g、過硫酸カリウム3.9g、塩化カリウム1.
3g、第3級ドデシルメルカプタン39gを仕込み、3
0℃にて乳化重合を行った。重合率90%を越えたのを
確認後、単量体100重量部あたり0.2重量部のヒド
ロキシルアミン硫酸塩を添加し、次いで加温し、減圧
下、水蒸気蒸留により残留単量体を除去した。更に1%
塩化カルシウム水溶液により、ポリマーを塩析させた
後、常法により水洗、乾燥を行い、(CF2 )構造含有
(メタ)アクリレート共重合体を得た。共重合体の
g は−8℃であり、数平均分子量は62,000であ
った。また、共重合体の全フッ素含有量は、3.6重
量%であった。共重合体の代わりに共重合体を用い
た以外は実施例1と同様の手順でエポキシ樹脂組成物を
得、評価を行った。結果を表1に示した。本材料は機械
的強度、耐衝撃性に優れ、更に良好な耐熱性、電気絶縁
性、撥水性を示した。
【0026】実施例3 6Lガラス製オートクレーブにブチルアクリレート70
0g、メチルメタアクリレート250g、メタクリル酸
50g、パーフルオロブチルアイオダイド50g、オク
タフルオロ−1,4−ジアイオドブタン80g、アセト
ン2000gおよびAIBN20gを仕込み、実施例1
と同様に重合を行い、(メタ)アクリレート共重合体
を得た。共重合体のTg は12℃であり、数平均分子
量は12,000であった。また、共重合体の全フッ
素含有量は、4.8重量%であった。共重合体の代わ
りに共重合体を用いた以外は実施例1と同様の手順で
エポキシ樹脂組成物を得、評価を行った。結果を表1に
示した。本材料は機械的強度、耐衝撃性に優れ、更に良
好な耐熱性、電気絶縁性、撥水性を示した。
【0027】実施例4 6Lガラス製オートクレーブに、ブチルアクリレート8
00g、メチルメタクリレート150g、メタクリル酸
50g、パーフルオロヘキシルアイオダイド120gお
よび溶媒として酢酸エチル1500gおよび重合開始剤
としてベンゾイルパーオキサイド28gを仕込み、70
℃に加熱して重合を行った。重合時間8時間で仕込み単
量体の96%以上が重合したのを確認し、オートクレー
ブを冷却し、反応を停止した。得られたアセトン溶液の
一部をメタノール中に投入し、ポリマーを析出させ、水
洗、乾燥により分析用試料を得た。得られた共重合体
のTg は−5℃であり全フッ素含有量は6.2重量%で
あった。また、GPCによる数平均分子量は110,0
00であった。共重合体を用いて実施例1と同様に熱
硬化性樹脂組成物を得、評価を行った。結果を表1に示
した。本材料は機械的強度、耐衝撃性に優れ、さらに良
好な耐熱性、電気絶縁性、撥水性を示した。
【0028】比較例1 実施例1において、(メタ)アクリレート系共重合体
を全く用いず、熱硬化性樹脂組成物を得、評価を行っ
た。結果を表1に示した。本材料は強度、耐衝撃性に劣
り、且つ撥水性に乏しかった。
【0029】比較例2 実施例4において、パーフルオロヘキシルアイオダイド
を用いず、代わりにt−ドデシルメルカプタン5gを用
い、他の条件は実施例4と同様に行い(メタ)アクリレ
ート系共重合体を得た。共重合体のTg は−9℃、
数平均分子量は120,000であった。得られた共重
合体を用いる以外は実施例と同様の手順で熱硬化性
樹脂組成物を得、その評価を行った。結果を表1に示し
た。本材料は電気絶縁性に劣り、撥水性も不良であっ
た。
【0030】比較例3 実施例1において(メタ)アクリレート共重合体の代わ
りに日本合成ゴム株式会社製アクリロニトリルブタジエ
ンゴム JSR N230Sを用いた以外は、実施例1
と同様の方法で熱硬化性樹脂組成物を得、その評価を行
った。結果を表1に示した。本材料は耐熱性、電気絶縁
性に劣り、撥水性も不良であった。以上、詳述した通
り、本発明の熱硬化性樹脂組成物は機械的強度、電気絶
縁性、耐熱性に優れ且つ撥水撥油性も優れることから各
種成形材、コーティング材、接着剤、注型材等として極
めて有用である。
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、機械的
強度、耐衝撃性、電気絶縁性、耐熱性、撥水撥油性に優
れた特徴を有している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱硬化性樹脂100重量部と(B)
    数平均分子量が1,000〜100,000であるフッ
    素含有(メタ)アクリレート系共重合体1〜100重量
    部を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
JP15842293A 1993-06-29 1993-06-29 熱硬化性樹脂組成物 Pending JPH0711092A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15842293A JPH0711092A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 熱硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15842293A JPH0711092A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 熱硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0711092A true JPH0711092A (ja) 1995-01-13

Family

ID=15671417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15842293A Pending JPH0711092A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 熱硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0711092A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998015598A1 (fr) * 1996-10-09 1998-04-16 Daikin Industries, Ltd. Composition de resine hydrofuge et oleofuge
US7348057B2 (en) * 2003-11-10 2008-03-25 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Acrylic adhesive sheet
JP2012007150A (ja) * 2010-06-23 2012-01-12 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 絶縁樹脂組成物及びこれを用いて製造された印刷回路基板
JP2016079212A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 Dic株式会社 加熱圧縮成形用成形材料及びその成形品

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998015598A1 (fr) * 1996-10-09 1998-04-16 Daikin Industries, Ltd. Composition de resine hydrofuge et oleofuge
US6225405B1 (en) 1996-10-09 2001-05-01 Daikin Industries, Ltd. Water and oil-repellent resin composition
US7348057B2 (en) * 2003-11-10 2008-03-25 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Acrylic adhesive sheet
JP2012007150A (ja) * 2010-06-23 2012-01-12 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 絶縁樹脂組成物及びこれを用いて製造された印刷回路基板
JP2016079212A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 Dic株式会社 加熱圧縮成形用成形材料及びその成形品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5022444B2 (ja) 組成が均一で、かつ分子量分布が狭い熱可塑性樹脂およびその製造方法
JPH05287121A (ja) 改質された天然ゴムラテックス
AU643159B1 (en) A process for preparing thermoplastic resin compositions with excellent HCFC resistance
JP3396240B2 (ja) メタアクリル樹脂組成物
JPH03199213A (ja) 多層構造アクリル系重合体
JPH0711092A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP3283461B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物
JP3141707B2 (ja) 高ニトリル含有ビニル系共重合体およびその製造方法
JPS6247208B2 (ja)
JP4833529B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物
JP5655268B2 (ja) 共重合体及びその製造方法
JPH0711104A (ja) フェノール樹脂組成物およびこれを用いた摩擦材
JP4204527B2 (ja) 押出成形用ゴム変性スチレン系樹脂組成物
JP4610966B2 (ja) 耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物
JPH03137112A (ja) テトラポリマー及びそれとabs樹脂とのブレンド
JPS5911347A (ja) 熱可塑性組成物
JP2014141611A (ja) 主鎖に環構造を有するグラフトポリマーおよびその製法
JP4553359B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品
JP3112849B2 (ja) スチレン系樹脂組成物
JP3516226B2 (ja) ゴム高含有mabs樹脂組成物及びゴム変性熱可塑性樹脂組成物
JPS59179610A (ja) 熱可塑性樹脂
JPS63304042A (ja) 耐熱性熱可塑性樹脂組成物
JPH0129218B2 (ja)
KR0184763B1 (ko) 블로우 성형에 적합한 스티렌계 수지 조성물
JPH011751A (ja) 艶消し性を有する熱可塑性樹脂組成物