JPH07110786B2 - 圧電磁器組成物 - Google Patents

圧電磁器組成物

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JPH07110786B2
JPH07110786B2 JP1107802A JP10780289A JPH07110786B2 JP H07110786 B2 JPH07110786 B2 JP H07110786B2 JP 1107802 A JP1107802 A JP 1107802A JP 10780289 A JP10780289 A JP 10780289A JP H07110786 B2 JPH07110786 B2 JP H07110786B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は圧電磁器組成物に係り、より詳しく述べると自
動車などに圧電アクチュエータとして適用することを目
的として圧電歪み定数が大きく、耐熱性(キュリー温
度)の高い圧電磁器組成物を提供するものである。
〔従来の技術〕 PbTiO3−PbZrO3系圧電磁器材料は優れた圧電特性から、
広く音響ピックアップ、圧電点火装置、フィルター、圧
電アクチュエータ等に用いられている。これに様々の添
加剤を加えて圧電特性の改良が図られている。例えば、
Nb,Ta,W、希土類元素などを添加すると圧電性が向上す
ることが知られている(例えば、米国特許第2911370号
明細書、特開昭63−7677号公報)。また、Pbの一部をB
a,Sr,Caなどのアルカリ土類金属と置換するとk定数、
誘電率が高められることも知られている(特公昭36−16
673号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような圧電磁器材料を自動車等に例えば圧電アクチ
ュエータとして利用する場合、アクチュエータの特性上
から圧電歪み定数、特にd33が大きいことが望ましく、
また自動車部品の使用温度が150℃付近になることから
キュリー温度が200℃以上であることが必要である。
しかしながら、従来提案されている圧電磁器材料は、い
ずれも、このように自動車等に圧電アクチュエータ等と
して利用するのに適した大きな圧電歪み定数と高いキュ
リー温度とを有していない。
そこで、本発明は圧電歪み定数が大きくキュリー温度が
高い圧電磁器材料を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明は、上記目的を達成するために、(Pb1-xSrx
(ZryTi1-yMz)O3+z′〔式中、MはNb,Sb,Ta又はLa
から選ばれる1種以上の元素を表わし、0.08≦x≦0.1
4,0.49≦y−0.5x≦0.51,0.005≦z≦0.02、z′はMが
Laのとき3/2z、MがSb,Ta又はNbのとき5/2zのようにMzO
z′を化学量論的化合物にする値である。〕で表わされ
る組成を有することを特徴とする圧電磁器組成物を提供
する。
この圧電磁器組成物は400+10-12m/V以上の圧電歪み定
数d33、200℃以上のキュリー温度を有することができ、
特にこの圧電歪みd33を利用した圧電アクチュエータは
自動車用等として好適である。
前記の如く、PbTiO3−PbZrO3系固溶体にNb,Sb,Ta又はLa
を加えるとk定数誘電率が向上し、それにともない圧電
歪み定数も大きくなることは知られている。またPbをSr
で置換することにより誘電率が高くなることも知られて
いる。しかしながら、これまで知られている材料組成に
おいて圧電アクチュエータに適した圧電特性(圧電歪み
定数とキュリー温度がともに高いこと)を有する組成は
見い出されていない。
本発明では、先ず、PbTiO3−PbZrO3系固溶体にNb,Sb,Ta
又はLaを加え、圧電歪み定数の変化からその有効添加量
が各元素とも0.5mol%〜2.0mol%であることを求めた。
次に、この組成物を基本組成として、PbをSrで一部置換
し、圧電歪み定数を高める際、Srの置換量とZr/Zr+Ti
組成比との関係において、著しく圧電歪み定数の高い圧
電アクチュエータ用材料に適した組成が存在することを
見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、Srの
置換量xとZr/Zr+Ti組成比yが、0.08≦x≦0.14,0.49
≦y−0.5x≦0.51を満たす場合に、圧電歪み定数が高い
(d33≧400×10-1m/V)圧電アクチュエータが得られ
る。
このような本発明にもとづいて、従来、圧電歪み定数と
キュリー温度がともに高い圧電磁器材料が見い出されて
いない理由は、各添加元素単体の圧電特性への効果は知
られているが、複合での効果が明確になっていないこと
と、元素添加(置換)において、5mol%以上と比較的多
い量添加(置換)する場合にZr/Zr+Tiの最適組成比が
変動することが知られていなかったためであると考えら
れる。
〔実施例〕
実施例1 主成分の成分比がPb(Zr0.52Ti0.48)O3で表わされるよ
うに酸化鉛(PbO)50モル%、酸化ジルコニウム(Zr
O2)26モル%、酸化チタン(TiO2)24モル%の割合にし
た粉末、およびこれに副成分として五酸化ニオブ(Nb2O
5)を0.1〜3モル%加えた粉末をボールミルにて48時間
湿式混合した。これを脱水乾燥後、空気中で900℃、1
時間仮焼を行なった。仮焼粉は再び48時間湿式混合し、
脱水乾燥した、乾燥粉末にバインダーとしてPVA(ポリ
ビニルアルコール)を1wt%加え造粒後、成形圧力1000k
g/cm2で直径20mm、厚さ1mmの円板に成形し、1250℃で1
時間焼成した。このようにして得られた磁器に銀電極を
付け、100℃で50kV/cmの印加電圧でシリコンオイル中で
30分分極処理を行なった。24時間放置後、磁器に印加す
る電圧を0500Vと切り換えて磁器の歪み量を表面粗さ
計にて直接計測し、圧電歪み定数d33を直接求めた。
得られた結果を第1図に示す。
第1図からNb添加量が0.5モル%〜2.0モル%と限られた
範囲内においてのみ圧電歪み定数d33が有効に向上する
ことがわかった。このことは、これまで一般的に知られ
ているNb添加量が0.1wt%以上で圧電特性(k定数、誘
電率)が向上するというだけの知見(米国特許第2,911,
370号)からは、当業者にも予見できないことである。
第2〜4図に、上記実施例において副成分として、五酸
化ニオブに代えて五酸化アンチモン(Sb2O5)、五酸化
タンタル(Ta2O5)、酸化ランタン(La2O3)を添加した
場合の圧電歪み定数d33の変化を示す。各添加元素ともN
bと同様に有効添加量は0.5モル%〜2.0モル%と限られ
ることがわかった。
次に副成分としてNb1モル%を含んだ組成を基準とし
て、PbをSrで6〜16モル%置換し、Zr/Zr+Ti組成比を
0.51〜0.60まで同時に変更した組成系〔(Pb1-xSrx
(ZryTi1-yNb0.01)O3.025;x=0.06〜0.16;y=0.51〜
0.60〕の粉末を同様に調製した。調製した組成点を第5
図白丸で示す。なお、ストロンチウム原料としては、炭
酸ストロンチウム(SrCO3)を用いた。これらの粉末原
料を用いて磁器を同様に作製し、電圧歪み定数を求め
た。また磁器のキュリー温度を誘電率の温度変化から求
めた。
第5図の各組成点の粉末の特性結果を表1に示す。
この結果から圧電歪み定数が大幅に向上する組成域があ
ることがわかった。圧電アクチュエータとしてこの磁器
材料を用いることを考えると、使用部位にもよるが、特
に自動車等への応用をはかる上で、使用温度は150℃近
くなることから、分極劣化を防ぐためには材料のキュリ
ー温度は200℃以上であることが必要である。したがっ
て圧電歪み定数が高く(d33≧400×10-12m/V)、キュリ
ー温度が高い(Tc≧200℃)要件を満足する組成域は次
の様に特定された。
(Pb1-xSrx)(ZryTi1-yNb0.01)O3.025系で(x,y)=
(0.08,0.53),(0.08,0.55),(0.14,0.56),(0.1
4,0.58)の各組成点で囲まれる領域で、第5図の斜線部
分に相当する。第5図において、この斜線部分は0.08≦
0.14,0.49≦y−0.5x≦0.51で表される。
実施例2 組成系〔(Pb1-xSrx)(ZryTi1-ySb0.01)O3.025x=
0.06〜0.16;y=0.51〜0.60〕の粉末調製及び磁器作製を
実施例1と同様に行なった。第5図と表2に結果を示
す。
この結果においても、圧電歪み定数d33≧400×10-12m/V
で、キュリー温度Tc≧200℃の要件を満足する組成域は
実施例1と同様で、第5図の斜線部分に対応した。
実施例3 組成系〔(Pb1-xSrx)(ZryTi1-yTa0.01)O3.025;x=
0.06〜0.16;y=0.51〜0.60〕の粉末調製及び磁器作製を
実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。表3か
ら圧電歪み定数d33≧400×10-12m/V、キュリー温度Tc≧
200℃を満足する組成域は、実施例1と同様で第5図の
斜線部分に対応した。
実施例4 組成系〔(Pb1-xSrx)(ZryTi1-yLa0.01)O3.015;x=
0.06〜0.16;y=0.51〜0.60〕の粉末調製及び磁器作製を
実施例1と同様に行なった。結果を表4に示す。表4か
ら圧電歪み定数、キュリー温度を満足する組成域は、実
施例1と同様で第5図の斜線部分に対応した。
実施例5 実施例1〜4はNb,Sb,Ta,Laの各元素1モル%を添加し
た系であるが、添加量0.5モル%〜2モル%ではその効
果に差がないことがわかっているので、まずNbを0.5モ
ル%添加した系について検討した。組成系〔(Pb1-xS
rx)(ZryTi1-yNb0.005)O3.0125;x=0.06〜0.16;y=
0.51〜0.60〕の粉末調製及び磁器作製を実施例1と同様
に行なった。結果を表5に示す。表5から、圧電歪み定
数d33≧400×10-12m/V、キュリー温度Tc≧200℃を満足
する組成域は実施例1と同様で第5図の斜線部分に対応
した。
実施例6 組成系〔(Pb1-xSrx)(ZryTi1-yNb0.02)O3.05;x=0.
06〜0.16;y=0.51〜0.60〕の粉末調製及び磁器作製を実
施例1と同様に行なった。結果を表6に示す。表6か
ら、圧電歪み定数d33≧400×10-12m/V、キュリー温度Tc
≧200℃を満足する組成域は実施例1と同様で第5図の
斜線部分に対応した。
以上、実施例1〜6までの結果から、組成系〔(Pb1-xS
rx)(ZryTi1-yMz)O3+z′;y+z=1;M=Nb,Sb,T
a、又はLa〕において第5図の斜線部分に対応する組成
域において、圧電歪み定数、キュリー温度がともに向上
することがわかった。添加元素Mの添加量は、0.5〜2
モル%であれば同様の効果が得られる。また実施例1〜
6では添加元素Mは1種のみとしたが、Mを1種のみな
らず複数組み合わせても同様の効果が得られる。
表7にノックセンサに用いる時の性能を尺度である圧電
歪み定数d31を〔(Pb0.90Sr0.10)(ZryTi1-yNb0.01
3.025;y=0.53〜0.57〕系(第5図の組成点
に対応)について調べたところ、やはり第5図の斜線
域においてd31は4割以上向上することがわかった。こ
の時、センサの作動状態はd31が低い場合は誤作動が発
生する。
〔発明の効果〕 本発明の圧電磁器材料は圧電歪み定数が高く、キュリー
温度が高いため、特に自動車等に用いる圧電アクチュエ
ータとして非常に適した材料である。
また、圧電歪み定数が高いと振動子とした場合の変位が
大きいので、超音波振動子又はノックセンサとしても有
効な材料と言える。合わせてキュリー温度が高いため、
特性の温度依存性も小さくなり、振動子、センサとして
優れている。従って、本発明の圧電磁器材料は圧電アク
チュエータ用のみならず、振動子、センサとしても適用
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図はPb(Zr0.52Ti0.48)O3にNb2O5,Sb2O5,Ta2O
5,La2O3を添加したときの圧電歪みを示すグラフ図、第
5図は各種圧電磁器組成物の組成を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(Pb1-xSrx)(ZryTi1-yMz)O
    3+z′〔式中、MはNb,Sr,Ta又はLaから選ばれる1種
    以上の元素を表わし、0.08≦x≦0.14,0.49≦y−0.5x
    ≦0.51,0.005≦z≦0.02、z′はLaが3/2z,MがSb,Ta又
    はNbのとき5/2zのようにMzOz′を化学量論的化合物に
    する値である。〕で表される組成を有することを特徴と
    する圧電磁器組成物。
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DE102007010239A1 (de) * 2007-03-02 2008-09-04 Epcos Ag Piezoelektrisches Material, Vielschicht-Aktuator und Verfahren zur Herstellung eines piezoelektrischen Bauelements
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