JPH07110516B2 - 感光物質包装用多層共押出インフレーションフィルムの成形方法 - Google Patents

感光物質包装用多層共押出インフレーションフィルムの成形方法

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JPH07110516B2 JP63018767A JP1876788A JPH07110516B2 JP H07110516 B2 JPH07110516 B2 JP H07110516B2 JP 63018767 A JP63018767 A JP 63018767A JP 1876788 A JP1876788 A JP 1876788A JP H07110516 B2 JPH07110516 B2 JP H07110516B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、感光物質包装用材料に用いる多層共押出しイ
ンフレーションフィルムの成形方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、感光物質包装用材料に用いるフィルムは、高圧法
分岐状低密度ポリエチレン(以下LDPEと表示)樹脂のイ
ンフレーションフィルムや、一軸延伸の高密度ポリエチ
レン(以下HDPEと表示)樹脂フィルム層を延伸軸が交差
するように貼り合わせたクロスラミネートフィルムがあ
った。
また、上記フィルムの衝撃穴あけ強度等の物理強度が充
分でない点を改良したフィルムとして、本発明者が提案
した直鎖状低密度ポリエチレン(以下L−LDPEと表示)
樹脂系フィルム層とポリオレフィン樹脂系フィルム層と
を含む多層共押出しインフレーションフィルムがある
(特開昭62−18548号公報)。
このような多層共押出しインフレーションフィルムは、
一般に、第3図に示すようなインフレーションフィルム
製造装置で成形されている。
この図において、符号1は樹脂を加熱混練する押出し
機、符号2はスリット(図示せず)から溶融樹脂をチュ
ーブ状に押出すリングダイス、符号3は圧縮空気を送り
込む送風管、符号4はチューブ状に押し出された溶融樹
脂を冷却するエアーリング、符号5はチューブ状樹脂フ
ィルム6を案内するガイドローラ、符号7はチューブ状
樹脂フィルム6を平板上に案内するガイド板、符号8は
チューブ状樹脂フィルム6を挟んで引き上げる引取用ス
クイズロール(ニップロール)、符号9はフィルムを巻
き取る巻取機である。
このインフレーションフィルムの製造装置で、前記L−
LDPE樹脂系フィルム層とHDPE樹脂系フィルム層の2層か
らなる多層共押出しインフレーションフィルムを成形す
るには、押出し機1a・1bでそれぞれ加熱溶融した所定組
成ののL−LDPE樹脂及びHDPE樹脂をリングダイス2に送
り込み、リングダイス2の円形状スリットからL−LDPE
樹脂を内側にHDPE樹脂を外側にして押し出す。このと
き、送風管3から圧縮空気が送り込まれるとともに、エ
アーリング4で冷却空気が吹き付けられ、所定径を有す
るチューブ状樹脂フィルム6が形成される。このチュー
ブ状樹脂フィルム6はガイドローラ5…5で案内されつ
つ上昇し、ガイド板7で平板状に案内され、引取用スク
イズロール(ニップルロール)8、8で引き取られて平
板状にされた後、巻取機9で巻き取られる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、以上のようなL−LDPE樹脂系フィルム層
を内側にし、HDPE樹脂系フィルム層を外側にして押し出
すインフレーションフィルムの成形方法では、巻取ロー
ル9で巻き込んだ際L−LDPE樹脂系フィルム層どうしが
接しブロッキングを起こすという問題点があった。さら
にHDPE樹脂系フィルム層にフィルム成形性を良くした
り、ハロゲン化合物を無害化するために脂肪酸や脂肪酸
化合物、例えば脂肪酸アミド、パラフィンワックス、脂
肪酸金属塩等を添加したとき、これらの添加物がHDPE樹
脂系フィルムから露出しガイドローラに付着積層し、フ
ィルムに押し傷や擦り傷が発生し、さらにこれらの付着
物がガイドローラから剥離し白色の塊となってフィルム
に付着し、このフィルムが巻き取られると押し傷だけで
なくフィルム破れ等が発生するという問題点があった。
また、逆にL−LDPE樹脂系フィルム層を外側に、HDPE樹
脂系フィルム層を内側にして押し出した場合は、しわ、
筋等が発生し得率が低下するという問題点があった。
本発明は、以上の問題点を解決し、フィルムに押し傷、
破れ、擦り傷、しわ、筋等のない優れた品質のフィルム
を成形できる感光物質包装用多層共押出しインフレーシ
ョンフィルムの成形方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、
特定のポリオレフィン樹脂系フィルム層を内側の内層と
して押し出し、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂系フィル
ム層に遮光性物質、脂肪酸化合物及びブロッキング防止
剤を加えたものである。
すなわち、本発明の感光物質包装用多層共押出しインフ
レーションフィルムの成形方法は、直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂系フィルム層とポリオレフィン樹脂系フィル
ム層とを含む多層共押出しインフレーションフィルムの
成形方法において、該直鎖状低密度ポリエチレン樹脂系
フィルム層には遮光性物質、脂肪酸化合物及びブロッキ
ング防止剤を加え、該ポリオレフィン樹脂系フィルム層
を内層とし、該内層にはメルトインデックスが0.3g/10
分以上、密度が0.936g/cm3以上のポリエチレン樹脂を0.
5〜70重量%と遮光性物質を0.1〜20重量%加えたことを
特徴として構成されている。
本発明では、ポリオレフィン樹脂系フィルム層を内層と
して押し出す。このポリオレフィン樹脂系フィルム層
は、メルトインデックスが0.3g/10分以上、密度が0.936
g/cm3以上のポリエチレン樹脂のみであると物理強度が
低下し、内層同士が滑り易くなり、しわや筋等が多発す
る問題がある。密度が0.936g/cm3のポリエチレン樹脂を
0.5〜70重量%含んでいれば、他の樹脂、例えばL−LDP
E樹脂、LDPE樹脂等を含んでいてもよい。
この樹脂は、メルトインデックス(JISK6760)(以下MI
と表示)が0.3g/10分以上、密度(JISK9690)が0.936g/
cm3以上、特にMIが0.5g/10分以上で密度が0.941g/cm3
上が好ましい。
MIが0.30g/10分未満ではフィルム成形性が悪く、且つ縦
方向に大きく分子配向しやすく、縦、横の物理強度のバ
ランスが良いフィルムを得ることができにくい。又塊状
の故障が多発して感光物質を傷つけやすくする。
密度が0.936g/cm3未満では、しわや筋等のないブロッキ
ング防止性に優れた高ヤング率のポリエチレン系樹脂フ
ィルムを得ることができにくい。
また、ポリオレフィン樹脂系フィルム層にはブロッキン
グを防止し帯電を防止するために、遮光性物質、脂肪酸
及び脂肪酸化合物の1を以上含むことが好ましい。
この遮光性物質は各層に混練又は分散可能であって、可
視光線及び紫外線等を透過させないものをいう。本発明
に使用可能な遮光性物質としては、各種カーボンブラッ
ク、グラファイト、酸化鉄、亜鉛華、酸化チタン、クレ
ー、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、炭酸カ
ルシウム、マイカ、硫酸バリウム、タルク、カドミウム
系顔料、弁柄、コバルトブルー、銅フタロシアニン系顔
料、モノアゾ又はポリアゾ系顔料、アニリンブラック等
の有機系顔料等が挙げられる。
そして、この遮光物質は0.1〜20.0重量%含まれるのが
好ましい。
0.1重量%未満では遮光性物質の添加効果(遮光性確
保,帯電防止等)が期待できず、混練経費分だけコスト
アップになる。
20.0重量%をこえるとフィルム物理強度、特に引裂き強
度や衝撃穴あけ強度が低下しヒートシール性が悪化す
る。
さらにフィルム表面の遮光性物質により感光物質が汚染
されたり遮光性物質がフィルムから離脱して感光物質に
付着する故障が多発する。
2種以上の遮光物質を必要特性に従ってミックスするこ
とも好ましい。この場合でも平均粒子径が200μm以下
のカーボンブラックを包装材料の単位面積(m2)当り0.
5g/m2〜50g/m2含むことが感光物質用包装材料として好
ましい。一方、これらのカーボンブラックの中ではpH5
〜9、平均粒子径10〜120μmのものが好ましく、特にp
H6〜9、平均粒子粒が50mμ以下のファーネスカーボン
ブラックが好ましい。このようなpH及び粒子径のものを
使用することによって、カブリの発生が少なく、感光度
の増減の発生が少なく、遮光能力が大きく、カーボンブ
ラックの塊(ブツ)やフィッシュアイ等によるピンホー
ルが発生しにくい物理強度向上やヒートシール性向上等
の数々の利点を有する包装材料を得ることができる。
遮光性物質を配合する形態は種々あるが、マスターバッ
チ法がコストダウン、作業場の汚染防止等の点で好まし
い。
カーボンブラックの次に遮光性物質として好ましい金属
粉末について説明する。この金属粉末は、光反射性遮光
物で銀色の商品価値の高い外観を与え、且つ防湿性、遮
光性、帯電防止性、太陽光下での防熱性、ガスバリヤ性
等多くの点ですぐれている。
金属粉末としてはアルミニウム粉末又はアルミニウムペ
ーストより低揮発物質を除去した物質を熱可塑性樹脂に
混練したものが特に好ましい。
ここにアルミニウムペーストとは、ボールミル法、スタ
ンプミル法、又はアトマイズ法等の公知の方法でアルミ
ニウム粉末を作るときに、ミネラルスピリットと少量の
ステアリン酸又はオレイン酸等の高級脂肪酸の存在のも
とにペースト状に作ったものである。本発明ではこのア
ルミニウムペーストとポリオレフィン熱可塑性樹脂(各
種ポリプロピレン樹脂,各種ポリエチレン樹脂,EVA樹
脂,EEA樹脂,EAA樹脂等)を加熱混練し、低揮発物質(主
として悪臭が強いミネラルスピリット)を加熱や真空ポ
ンプ等で除去したものをアルミニウムペーストコンパウ
ンド樹脂、アルミニウムペーストマスターバッチ樹脂と
して使用する。
特にアルミニウムペーストマスターバッチ樹脂として使
用するのが写真感光材料への悪影響や悪臭をなくすため
に好ましい。例えばアルミニウムペースト含有率40重量
%のマスターバツチ樹脂中のミネラルスピリット含有率
が1.0重量%であっても、これをフィルム層中でのアル
ミニウムペースト濃度を2重量%にしようとすると、ア
ルミニウムペーストマスターバッチ1重量部に対してナ
チュラル樹脂19重量部を混練することになり、フィルム
層中にはフィルム成形中にミネラルスピリットがガスと
して除去される分もあるのでミネラルスピリット含有量
は0.05重量%以下になる。その結果、写真感光材料への
悪影響もなくなる上悪臭も低減される。
またアルミニウム粉末とは、溶融アルミニウムをアトマ
イズ法、粒化法、回転円盤滴下法、蒸発法等により粉末
状にしたものの外、アルミニウム箔をボールミル法やス
タンプミル法等で粉砕してフレーク状にしたものやアル
ミニウム短繊維(フィラー)を含む。アルミニウム粉末
単体では不安定なのでアルミニウム粉末表面を不活性に
するため例えば結合剤や高級脂肪酸・高級脂肪酸による
表面処理等各種の公知の処理が施される。
前記脂肪酸は、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン
酸、リシノール酸、ナフテン酸、オクチル酸、フタル
酸、アジピン酸、セバチン酸、アセチルリシノール酸、
マレイン酸等飽和及び不飽和脂肪酸である。
前記脂肪酸化合物は、オレイン酸アミド、エルカ酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、ビビス脂肪酸アミド、ステア
リン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
バリウム、ラウリン酸カルシウム、オクチル酸亜鉛、オ
レイン酸ブチル、ステアリン酸ブチル等である。
そして、ポリオレフィン樹脂系フィルム層中に含まれる
密度0.936g/cm3以上のポリエチレン樹脂の量は0.5〜70
重量%に限定される。0.5g/cm3未満ではブロッキングが
生じ、70重量%をこえると物理強度が低下し、内層同士
が滑り易くなり、しわや筋が多発するので実用的でな
い。
また、L−LDPE樹脂系フィルム層は外層として押し出
す。このL−LDPE樹脂系フィルム層はL−LDPE樹脂を30
重量%以上含むように構成されていれば、LDPE樹脂、HD
PE樹脂、エチレン共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂等
他の樹脂を1種以上混練したものでもよい。
このL−LDPE樹脂は第3のポリエチレン樹脂と称され、
中低圧法、高圧法両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ
省エネルギー、省資源という時代の要請に合致する低コ
スト、高強度の樹脂である。この樹脂は低圧法でエチレ
ンと炭素数が3〜13個、好ましくは4〜8個のα−オレ
フィンを共重合させたコポリマーでエチレン含有量が85
〜99.5モル%の線状の直鎖に短分岐をもった構造の低、
中密度のポリエチレン系樹脂である。
α−オレフィンとしてはブテン−1、オクテン−1、ヘ
キセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、
などが使用され、その量はポリマー0.5〜15モル%程度
である。密度は一般に低、中密度ポリエチレン樹脂程度
とされているが市販品では0.87〜0.95g/cm3の範囲内に
あるものが多い。
L−LDPE樹脂の具体例を商品名で示せば、Gレジン(UC
C社)、ダウレックス(ダウケミカル社)、スクレアー
(デュポンカナダ社)、マーレックス(フィリップス
社)、ネオゼックスとウルトゼックス(三井石油化
学)、日石リニレックス(日本石油化学)、スタミレッ
クス(DSM社)、などが挙げられる。
これらのL−LDPE樹脂の中で物理強度とヒートシール強
度の点から特に好ましいのは、エチレン含有量が90〜9
9.5モル%、α−オレフィン含有量が0.5〜10モル%、メ
ルトインデックス(以後MIと表示)が0.8〜30g/10分(J
ISK6760)、密度が0.870〜0.940g/cm3(JISK 6760)、
そしてα−オレフィンの炭素数6〜8個の液相法プロセ
スで得られたものである。
特に好ましい代表的な例を商品名であげると、ポリエチ
レンに人為的にα−オレフィン側鎖として炭素数6個の
4−メチルペンテン−1を導入した三井石油化学(株)
のウルトゼックス及びα−オレフィン側鎖として炭素数
8個のオクテン−1を導入したDSM社のスタミレックス
とダウケミカル社のダウレックスがある(以上3社品共
液相法プロセスで得られたL−LDPE樹脂である。)。
このL−LDPE樹脂系フィルム層には、ブロッキング防
止、酸化防止、成形性改良、帯電防止のために、遮光性
物質、脂肪酸化合物及びブロッキング防止剤の1以上を
含むことが好ましい。
ブロッキング防止剤は、シリカ、珪藻土類、カルシウム
シリケート、珪酸アルミニウム、タルク、珪酸マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、高級脂肪酸ポリビニルエステ
ル、n−オクタデシルウレア、ジカルボン酸エステルア
ミド等である。
なお、遮光性物質及び脂肪酸化合物は、前記ポリオレフ
ィン樹脂系フィルム層の場合と同様である。
また、前記ポリオレフィン樹脂系フィルム層及びL−LD
PE樹脂系フィルム層に、各種添加剤を添加することがで
きる。
添加剤の代表例を以下に記載するが、本発明はこれに限
定されるものではなく、公知のあらゆるものの中から選
択できる。
また、ポリオレフィン樹脂系フィルム層とL−LDPE樹脂
系フィルム層との間に中間層をもうけて、3層以上の多
層共押出しインフレーションフィルムとしてもよい。
本発明のフィルム成形方法は、多層共押出しインフレー
ションフィルムの製造装置であれば行うことができる。
本発明方法で成形する多層共押出しインフレーションフ
ィルムは、写真感光材料、食料品、医薬品、化学物質等
の感光物質の包装に好適である。
本発明の方法による多層共押出しインフレーションフィ
ルムを例えば上記の写真感光材料に適用する場合、一重
平袋、二重平袋、自立袋、一重ガゼット袋、二重ガゼッ
ト袋、積層フィルム、防湿遮光箱の内貼り、明室装填遮
光マガジンの内貼り又は内装袋、リーダー紙等公知のあ
らゆる形態に使用可能である。
製袋に使用する方法は積層フィルムの性質に応じて、ヒ
ートシール、溶断シール、インパルスシール、超音波シ
ール、高周波シールなど、従来公知のプラスチックフィ
ルムのシール法による。なお、適宜の接着剤、粘着剤な
どを使用して製袋することも可能である。
〔作用〕
本発明の感光物質包装用多層共押出しインフレーション
フィルムの成形方法では、内層としてポリオレフィン樹
脂系フィルム層を押し出すので、巻取機で巻き取った際
ポリオレフィン樹脂系フィルム層同士が重なり、しわや
筋及びブロッキングを防止する。また、外層としてL−
LDPE樹脂系フィルム層を押し出すので、添加物が外層か
ら露出せずガイドローラ等に付着しない。
〔実施例〕
本発明の多層共押出しインフレーションフィルムの成形
方法の一実施例を第1図から第3図に基づいて説明す
る。
第3図において、ポリオレフィン樹脂系フィルム層を構
成する樹脂を押し出し機1aに、L−LDPE樹脂系フィルム
層を構成する樹脂を押し出し機1bに投入し、それぞれ加
熱溶融する。次に、リングダイス2の内側のスリットか
らポリオレフィン樹脂系フィルム層11を、外側のスリッ
トからL−LDPE樹脂系フィルム層12を押し出す。このと
き、送風管3からの圧縮空気とエアーリング4からの冷
却空気により、第3図中A部の拡大断面図である第2図
に示すように、内側にポリオレフィン樹脂系フィルム層
11が、外側にL−LDPE樹脂フィルム層12が位置するチュ
ーブ状樹脂フィルム6が成形される。
このチューブ状樹脂フィルム6は、引取用スクイズロー
ル(ニップルロール)8・8、ガイドローラ5…5及び
ガイド板7・7を介して上昇するが、このときL−LDPE
樹脂系フィルム層12がこれらと接するので、ガイドロー
ラ5…5等に密度が0.936g/cm3以上のポリエチレン樹脂
に添加される添加物が付着することはない。
そして、引取用スクイズロール8・8で平板状に折り畳
まれ、B部の拡大断面図である第1図に示すように、ポ
リオレフィン樹脂系フィルム層11が接した状態で巻取ロ
ール9で巻き取られる。従って、内層間にブロッキング
が発生しない。
次に、本発明品I、II、比較品I、II、III及び従来品
Iの特性を比較した実験結果について説明する。
本発明品I 内層が、密度が0.954g/cm3、MIが1.1g/10分の高密度ポ
リエチレン樹脂(以後HDPE樹脂と表示)20重量%と、エ
チレンとオクテン−1の共重合体樹脂である密度が0.92
0g/cm3、MIが2.0g/10分のL−LDPE樹脂76.9重量%と、
ファーネスカーボンブラック3重量%と、オレイン酸ア
ミド0.1重量%からなる厚さ35μmのポリオレフィン樹
脂系フィルム層である。
多層が、密度が0.920g/cm3、MIが2.1g/10分のエチレン
と4−メチルペンテン−1の共重合体樹脂であるL−LD
PE樹脂96.75重量%と、ファーネスカーボンブラック3
重量%とオレイン酸アミド0.05重量%とブロッキング防
止剤として合成シリカ0.2重量%からなる厚さ35μmの
L−LDPE樹脂系フィルム層である。
本発明品II 内層が、密度が0.954g/cm3、MI 1.1g/10分のHDPE樹脂2
重量%と、エチレンとオクテン−1の共重合体樹脂であ
る密度0.920g/cm3、MI 2.0g/10分のL−LDPE樹脂94.9重
量%と、ファーネスカーボンブラック3重量%と、オレ
イン酸アミド0.1重量%からなる厚さ35μmのポリオレ
フィン樹脂系フィルム層であり、他は本発明品Iと同一
である。
比較品I 内層が、密度が0.920g/cm3、MIが2.0g/10分のエチレン
とオクテン−1の共重合体樹脂であるL−LDPE樹脂97重
量%と、ファーネスカーボンブラック3重量%からなる
厚さ35μmのL−LDPE樹脂系フィルム層である。
外層が、密度が0.920g/cm3、MIが2.1g/10分のエチレン
と4−メチルペンテン−1の共重合体樹脂であるL−LD
PE樹脂96.75重量%と、ファーネスカーボンブラック3
重量%と、オレイン酸アミド0.05重量%と、合成シリカ
0.2重量%からなる厚さ35μmのL−LDPE樹脂フィルム
層である。
比較品II 内層が、密度が0.964g/cm3、MIが0.4g/10分のHDPE樹脂9
5重量%と、ファーネスカーボンブラック3重量%と、
ステアリン酸カルシウム2重量%からなる厚さ25μmの
HDPE樹脂系フィルム層である。
外層が、密度が0.920g/cm3、MIが2.1g/10分のエチレン
と4−メチルペンテン−1の共重合体樹脂であるL−LD
PE樹脂96.95重量%と、ファーネスカーボンブラック3
重量%と、オレイン酸アミド0.05重量%からなる厚さ45
μmのL−LDPE樹脂系フィルム層である。
比較品III 本発明品IIの内層と外層を全く逆にした層構成である。
従来品I 密度が0.923g/cm3、MIが2.4g/10分の高圧法分岐状低密
度ポリエチレン樹脂96.95重量%とファーネスカーボン
ブラック3重量%とオレイン酸アミド0.05重量%からな
る厚さ70μmの単層インフレーションフィルムである。
実験結果を第1表に示す。
評価は下記による。
◎;非常に優れている ○;優れている ●;実用限度内 ▲;問題あり、改良必要 ×;実用不可 *Aアンチブロッキング性 上記フィルム成形の内容により作成したインフレーショ
ンフィルムを巻き取った後、折径330mm×220mmのカミソ
リで切断し、この切断口の開口のし易さから判断した。
*Bフィルム成形性 インフレーションフィルム成形機を用いて本発明のイン
フレーションフィルムを成形した時のモーター負荷(電
流値)、バルブの安定性、フロストラインの位置、フィ
ッシュアイやブツやフィルムシワやフィルム厚薄ムラ等
のトータルインフレーションフィルム製造適性により評
価する。
*C白粉発生防止特性 各サンプルをダイギャップが1mm、ブロー比が2.1でイン
フレーションフィルム成形機を用いて作成した時のパス
ロール及び巻き取りフィルムに付着している白粉、及び
白粉のかたまりの少ない度合いを外観目視検査により判
定 *D物理強度 感光物質用包装材料に要求される引裂き強度(JIS P811
6に準ずる)、衝撃穴あけ強度、破裂強度(JIS P 8112
に準ずる)、ヒートシール強度等のトータル物理強度に
より評価する。
*Eしわ、筋の発生防止特性 各サンプルをダイギャップが1mm、ブロー比が2.1でイン
フレーションフィルム成形機を用いて作成した時のし
わ、筋の発生しにくさの度合いを、フィルムの外観目視
検査より判定 *F製袋適性 本発明の包装材料を用いて密封袋を作成する時に必要な
内、外層の溶融温度差、低温ヒートシール性、ヒートシ
ール強度、ホットタック性、夾雑物シール性、経時ヒー
トシール強度、カーリング等の特性が優れており、ピン
ホールが発生がなく、物流時でも破袋しにくく、低温で
もヒートシール可能な感光物質用包装袋の製造しやすさ
より評価する。
〔発明の効果〕
本発明は、所定のポリオレフィン樹脂系フィルム層を内
層とし、所定のL−LDPE樹脂系フィルム層を外層として
押し出すことによって、ポリオレフィン樹脂系フィルム
層が接することとなるので、ブロッキングが発生せず、
またL−LDPE樹脂系フィルム層が外部のガイドローラ等
に接するので、ガイドローラ等に添加物が付着せず、付
着物によりフィルムが悪影響を受けることがない。従っ
て、常に品質の優れた感光物質包装用多層共押出しイン
フレーションフィルムを成形することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明インフレーションフィルムの成形時の層
構造を示す第3図B部の拡大断面図、第2図は第3図A
部の拡大断面図、第3図はインフレーションフィルム製
造装置の概略図である。 1……押出し機、2……ダイス 5……ガイドローラ、6……チューブ状樹脂フィルム 7……ガイド板、8……スクイズロール(ニップロー
ル) 11……ポリオレフィン樹脂系フィルム層 12……L−LDPE樹脂系フィルム層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直鎖状低密度ポリエチレン樹脂系フィルム
    層とポリオレフィン樹脂系フィルム層とを含む多層共押
    出しインフレーションフィルムの成形方法において、該
    直鎖状低密度ポリエチレン樹脂系フィルム層には遮光性
    物質、脂肪酸化合物及びブロッキング防止剤を加え、該
    ポリオレフィン樹脂系フィルム層を内層とし、該内層に
    はメルトインデックスが0.3g/10分以上、密度が0.936g/
    cm3以上のポリエチレン樹脂を0.5〜70重量%と遮光性物
    質を0.1〜20重量%加えたことを特徴とする感光物質包
    装用多層共押出しインフレーションフィルムの成形方
    法。
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