JPH07110466A - 高分子分散型液晶表示素子 - Google Patents

高分子分散型液晶表示素子

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JPH07110466A
JPH07110466A JP25696693A JP25696693A JPH07110466A JP H07110466 A JPH07110466 A JP H07110466A JP 25696693 A JP25696693 A JP 25696693A JP 25696693 A JP25696693 A JP 25696693A JP H07110466 A JPH07110466 A JP H07110466A
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JP
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liquid crystal
state
composite film
electric field
polymer
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JP25696693A
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Katsuto Sakamoto
克仁 坂本
Tomio Tanaka
富雄 田中
Tetsushi Yoshida
哲志 吉田
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】暗状態から明状態および明状態から暗状態への
表示の切換えを高速で行なわせることができる、高デュ
ーティでの時分割駆動が可能な高分子分散型液晶表示素
子を提供する。 【構成】電極3,4を形成した一対の基板1,2間に、
高分子層11中に強誘電性12を分散させた液晶/高分
子複合膜10を設け、かつ、前記複合膜10中の各液晶
部Aの液晶12を、断面が年輪状のスメクティック層構
造をもつように配向させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子分散型液晶表示素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、液晶表示素子として、高分子分散
型の液晶表示素子が注目されている。この高分子分散型
液晶表示素子は、電極を形成した一対の基板間に、高分
子層中に液晶を分散させた液晶/高分子複合膜を設けた
ものである。
【0003】上記高分子分散型液晶表示素子の液晶/高
分子複合膜には、大別して、スポンジのような断面をも
つようにポリマー化した高分子層の各空隙部にそれぞれ
液晶が閉じ込められた構造のものと、液晶をマイクロカ
プセル化してこの液晶カプセルを高分子層中に分散させ
た構造のものとがあり、いずれの複合膜にも、誘電異方
性が正のネマティック液晶が用いられている。
【0004】この高分子分散型液晶表示素子は、上記液
晶/高分子複合膜に電界を印加して表示駆動されるもの
で、前記複合膜中の液晶の分子は、無電界状態ではラン
ダムな方向を向いており、電界を印加すると、液晶分子
が電界の印加方向に一様に配列する。そして、液晶の光
屈折率は、液晶分子の配列状態によって異なるため、前
記複合膜中の液晶は、無電界状態と電界印加状態とで異
なる屈折率を示す。
【0005】一方、上記複合膜は、電界印加状態におけ
る液晶の屈折率と高分子層の屈折率とがほぼ等しくなる
ような液晶物質と高分子材料とで構成されており、した
がって、無電界状態(液晶分子がランダムな方向を向い
ている状態)では、高分子層と液晶との屈折率が異な
り、液晶表示素子に入射した光が前記複合膜において散
乱されて、表示が白濁した暗状態になる。
【0006】また、両基板の電極間に電圧を印加する
と、前記複合膜中の液晶の分子が、電界の印加方向、つ
まり基板面に対してほぼ垂直な方向に一様に立上り配列
し、液晶の屈折率が高分子層の屈折率とほぼ等しくなる
ため、入射光がほとんど散乱されることなく複合膜を透
過し、この非散乱透過光により明状態が表示される。
【0007】すなわち、上記高分子分散型液晶表示素子
は、液晶/高分子複合膜での光の散乱と透過とを利用し
て暗状態と明状態とを表示するものであり、この高分子
分散型液晶表示素子は、偏光板を用いずに明暗を表示で
きるため、一般に用いられているTN型の液晶表示素子
のような偏光板での光吸収による光量ロスがなく、した
がって、TN型の液晶表示素子に比べて格段に画面が明
るいという特長をもっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の高分子
分散型液晶表示素子は、高デューティで時分割駆動する
ことが難しいという問題をもっていた。これは、液晶/
高分子複合膜に用いられているネマティック液晶の応答
性によるもので、ネマティック液晶は電界の印加に対す
る応答速度が遅いため、液晶分子がランダムな配列状態
から立上り配列するまでに時間がかかる。
【0009】また、電界印加状態から無電界状態にした
ときは、液晶分子の向きを電界で制御できないため、液
晶分子は自然にランダムな方向を向く状態に戻るしかな
く、したがって、液晶分子が立上り配列状態からランダ
ムな配列状態になるまでの時間は、液晶分子が立上り配
列するのに要する時間よりもかなり長くなる。
【0010】このため、従来の高分子分散型液晶表示素
子は、暗状態から明状態および明状態から暗状態への表
示の切換えを高速で行なわせることができず、したがっ
て、高デューティで時分割駆動することは難しい。
【0011】本発明は、暗状態から明状態および明状態
から暗状態への表示の切換えを高速で行なわせることが
できる、高デューティでの時分割駆動が可能な高分子分
散型液晶表示素子を提供することを目的としたものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子分散型液
晶表示素子は、電極を形成した一対の基板間に、高分子
層中に強誘電性または反強誘電性液晶を分散させた液晶
/高分子複合膜を設けてなり、かつ、前記複合膜中の各
液晶部の液晶が、断面が年輪状の層構造をなしているこ
とを特徴とするものである。
【0013】
【作用】すなわち、本発明の高分子分散型液晶表示素子
は、液晶/高分子複合膜の液晶に、スメクティック層構
造をもつ強誘電性または反強誘電性液晶を用いたもので
ある。
【0014】この強誘電性または反強誘電性液晶は、無
電界状態では、液晶分子が前記スメクティック層構造の
法線に沿って前記法線に対する傾き方向が層ごとに順次
ずれた螺旋状に配列しており、一方の極性の電界を印加
すると、前記法線に沿って配列している液晶分子が前記
法線に対して一方向に一様に傾いた状態に配列し、逆極
性の電界を印加すると、前記液晶分子が前記法線に対し
て反対方向に一様に傾いた状態に配列する。
【0015】そして、本発明の高分子分散型液晶表示素
子では、液晶/高分子複合膜中の各液晶部の液晶が、断
面が年輪状の層構造をなしているため、この層構造の法
線の方向が液晶部の各領域で異なっており、したがっ
て、液晶分子は、前記液晶部の各領域ごとに、その領域
における層構造の法線を基準として、無電界状態での螺
旋状の配列状態と、電界を印加したときの一様な配列状
態とに配列し、この液晶分子の配列状態の変化により、
液晶部全体での液晶の光屈折率が変化する。
【0016】このため、上記複合膜を、無電界状態また
は電界印加状態のいずれかにおける液晶の屈折率と高分
子層の屈折率とがほぼ等しくなるような液晶物質と高分
子材料とで構成しておけば、前記複合膜への電界の印加
を制御することにより、この複合膜での光の散乱と透過
とを利用して暗状態と明状態とを表示することができ
る。
【0017】また、上記強誘電性または反強誘電性液晶
は、電界に対する応答性が良いため、しきい値電圧以上
の電界を印加すると、液晶分子が螺旋状の配列状態から
速やかに一様な配列状態になるし、また、無電界状態で
は液晶分子が液晶固有の螺旋ピッチでねじれた状態に配
列するため、電界印加状態から無電界状態にしたとき
も、液晶分子が一様な配列状態から速やかに元の螺旋状
配列状態に戻る。
【0018】したがって、本発明の高分子分散型液晶表
示素子によれば、暗状態から明状態および明状態から暗
状態への表示の切換えを高速で行なわせることができる
から、高デューティでの時分割駆動が可能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の第1の実施例による高分子分散
型液晶表示素子の原理構成を模式的に示した図である。
なお、この実施例の液晶表示素子は、液晶/高分子複合
膜の液晶に強誘電性液晶を用いたものである。
【0020】この高分子分散型液晶表示素子は、透明電
極3、4を形成した一対の透明基板1,2間に液晶/高
分子複合膜10を設けたものであり、前記複合膜10
は、高分子層11中に、スメクティック層構造をもつ強
誘電性液晶12を分散させた構成となっている。
【0021】この液晶/高分子複合膜10は、光重合相
分離法と呼ばれる方法で形成されたものである。この光
重合相分離法は、対向配置した一対の基板1,2間に、
光によって重合反応する高分子材料と液晶12との混合
溶液を充填し、この混合溶液に紫外線を照射して前記高
分子材料を光重合させる方法であり、前記混合溶液に紫
外線を照射すると、モノマーあるいはオリゴマーの状態
にある高分子材料が、その二重結合が解けることによっ
てラジカル化し、隣り合う分子のラジカルが互いに結合
し合うラジカル重合反応により高分子となるとともに、
この高分子材料のポリマー化により液晶12が相分離し
て、高分子層11中に液晶12を分散させた複合膜10
が形成される。
【0022】なお、この光重合相分離法で形成された液
晶/高分子複合膜10は、ポリマー化した高分子層11
がスポンジのような断面をもっており、この高分子層1
1の各隙間部にそれぞれ液晶12が閉じ込められている
ため、複合膜10中の各液晶部(液晶12が閉じ込めら
れた部分)Aは、複雑な形状をもっているが、図1で
は、便宜上、前記液晶部Aを球形に図示している。
【0023】また、上記複合膜10の高分子層11は、
液晶分子を垂直配向させる配向性をもった高分子、例え
ば弗素系高分子で形成されており、前記複合膜10中の
各液晶部Aの強誘電性液晶12は、断面が年輪状の層構
造をなしている。
【0024】なお、この層構造の各層の形状は、前記液
晶部Aの外形、つまり高分子層11の隙間部の周面形状
と相似であり、仮に液晶部Aの外形が球形であるとすれ
ば、前記層構造は、同心球状の層構造である。また、前
記液晶部Aの強誘電性液晶12がこのような断面年輪状
の層構造をもつのは、前記高分子層11が垂直配向性を
もっているため、スメクティック層構造の法線の方向が
高分子層11の隙間部の周面に対して垂直になるためで
ある。
【0025】また、上記強誘電性液晶12は、液晶分子
配列の螺旋ピッチが小さいDHF液晶またはSDF液晶
であり、これらの強誘電性液晶は、無電界状態では液晶
分子が、スメクティック層構造の法線に沿って前記法線
に対する傾き方向が層ごとに順次ずれた螺旋状に配列し
ており、前記層構造の法線に対して交差する方向から一
方の極性の電界を印加すると、前記法線に沿って配列し
ている液晶分子が、前記法線に対して一方向に一様に傾
いた状態に配列し、逆極性の電界を印加すると、前記液
晶分子が、前記法線に対して反対方向に一様に傾いた状
態に配列する。
【0026】なお、上記液晶/高分子複合膜10の高分
子層11の隙間部の内幅は、上記DHF液晶またはSD
F液晶の螺旋ピッチより十分大きく、したがって、前記
高分子層11の隙間部に閉じ込められた液晶12の分子
12aは、高分子層11で拘束されることなく配列状態
を変える。
【0027】そして、上記高分子分散型液晶表示素子で
は、液晶/高分子複合膜10中の各液晶部Aの強誘電性
液晶12が、断面が年輪状のスメクティック層構造をな
しているため、この層構造の法線の方向が、液晶部Aの
各領域(液晶部Aを放射状に細く区画した各領域)で異
なっており、したがって、強誘電性液晶12の分子12
aは、液晶部Aの各領域ごとに、その領域における層構
造の法線を基準として、無電界状態での螺旋状の配列状
態(図1に示した配列状態)と、電界を印加したときの
一様な配列状態とに配列し、この液晶分子の配列状態の
変化により、液晶部A全体での液晶12の光屈折率が変
化する。
【0028】なお、上記複合膜10に対して垂直に入射
した光に対する屈折率の変化は、液晶部Aの各領域にお
いて異なり、上記層構造の法線方向が光の入射方向とほ
ぼ平行である領域での屈折率変化は小さいが、他の領
域、つまり前記層構造の法線方向が光の入射方向とずれ
ている領域での屈折率変化は大きいため、液晶部A全体
での、無電界状態における屈折率と電界を印加したとき
の屈折率との差は十分である。
【0029】このため、上記複合膜10を、無電界状態
または電界印加状態のいずれかにおける液晶12の屈折
率と高分子層11の屈折率とがほぼ等しくなるような液
晶物質と高分子材料とで構成しておけば、前記複合膜1
0への電界の印加を制御することにより、この複合膜で
の光の散乱と透過とを利用して暗状態と明状態とを表示
することができる。
【0030】すなわち、無電界状態における液晶部A全
体での液晶12の屈折率をn1 、電界印加状態における
液晶部A全体での液晶12の屈折率をn2 とし、高分子
層11の屈折率n0 とすると、例えばn1 =n0 であれ
ば、無電界状態では、光が複合膜10をほとんど散乱さ
れずに透過して表示が明状態になり、両基板1,2の電
極3,4間への電圧印加により前記複合膜10に一方の
極性または逆極性の電界を印加すると、液晶12と高分
子層11との屈折率の違いによって光が散乱され、表示
が暗状態になる。
【0031】また、n2 =n0 であれば、無電界状態の
ときに、液晶12と高分子層11との屈折率の違いによ
って光が散乱されて表示が暗状態になり、複合膜10に
一方の極性または逆極性の電界を印加すると、光が複合
膜10をほとんど散乱されずに透過して、表示が明状態
になる。
【0032】なお、上記液晶表示素子の表示駆動におい
て、複合膜10に印加する電界は、一方の極性と逆極性
との両方の電界でもよいし(その場合は、一方の極性の
電界と逆極性の電界とを交互に印加する)、いずれかの
極性の電界だけでもよい。
【0033】また、上記強誘電性液晶12は、電界に対
する応答性が良いため、しきい値電圧以上の電界を印加
すると、液晶分子12aが螺旋状の配列状態から速やか
に一様な配列状態に配列するし、また、無電界状態では
液晶分子12aが液晶固有の螺旋ピッチでねじれた状態
に配列するため、電界印加状態から無電界状態にしたと
きも、液晶分子が一様な配列状態から速やかに元の螺旋
状配列状態に戻る。
【0034】したがって、上記高分子分散型液晶表示素
子によれば、暗状態から明状態および明状態から暗状態
への表示の切換えを高速で行なわせることができるか
ら、高デューティでの時分割駆動が可能である。
【0035】図2は、上記第1の実施例をアクティブマ
トリックス液晶素子に適用した具体例を示す液晶素子の
一部分の断面図である。なお、このアクティブマトリッ
クス液晶素子は、その裏面に反射板32を配置した反射
型のものである。
【0036】図2において、下側の基板21は液晶素子
の裏面側基板、上側の基板22は表面側基板である。こ
れら基板21,22はガラス板等からなる透明基板であ
り、裏面側基板21には、行方向および列方向に配列さ
れた複数の透明な画素電極23と、これら各画素電極2
3にそれぞれ対応する複数の能動素子24とが配設さ
れ、表面側基板22には、そのほぼ全面にわたって、上
記裏面側基板21の全ての画素電極23が対向する透明
な対向電極30が設けられている。
【0037】上記能動素子24は例えばTFT(薄膜ト
ランジスタ)であり、このTFT24は、裏面側基板2
1面に形成されたゲート電極25と、このゲート電極2
5を覆うゲート絶縁膜26と、前記ゲート絶縁膜26の
上に前記ゲート電極25と対向させて形成されたa−S
i (アモルファスシリコン)等からなる半導体膜27
と、この半導体膜27の両側部の上に形成されたソース
電極28およびドレイン電極29とで構成されている。
【0038】なお、図示しないが、裏面側基板21に
は、上記TFT24にゲート信号を供給するゲートライ
ン(アドレスライン)と、前記TFT24に画像データ
に応じたデータ信号を供給するデータラインとが配線さ
れており、TFT24のゲート電極25は前記ゲートラ
インに一体に形成され、ドレイン電極29は前記データ
ラインにつながっている。
【0039】さらに、上記裏面側基板21には、この裏
面側基板21に配設する各画素電極23にそれぞれ対応
させて、光が当ると蛍光を発する蛍光体膜31が設けら
れている。この蛍光体膜31は、透明な樹脂基材に微細
な粒状の蛍光物質を点在状態で混入させたものである。
【0040】なお、この実施例では、上記蛍光体膜31
として、異なる色の蛍光を発する複数の蛍光体膜、例え
ば、赤の蛍光を発する蛍光体膜と、緑の蛍光を発する蛍
光体膜と、青の蛍光を発する蛍光体膜とを用い、これら
蛍光体膜を各画素電極23に対応させて交互に設けてい
る。
【0041】上記蛍光体膜31は裏面側基板21面に形
成されており、上記TFT24のゲート絶縁膜26で覆
われている。このゲート絶縁膜26は、Si N(窒化シ
リコン)等からなる透明膜であり、画素電極23は、前
記ゲート絶縁膜26の上に設けられ、その一端部におい
て対応するTFT24のソース電極28に接続されてい
る。
【0042】そして、上記裏面側基板21と表面側基板
22とは、その外周縁部において図示しない枠状のシー
ル材を介して接合されており、これら基板21,22間
の前記シール材で囲まれた領域に、上述した液晶/高分
子複合膜10が設けられている。
【0043】なお、この液晶表示素子は、一対の基板2
1,22をその外周縁部において図示しないシール材を
介して接合した後、この両基板21,22間に、前記シ
ール材の一部を欠落させて形成しておいた注入口から、
光によって重合反応する高分子材料と強誘電性液晶との
混合溶液を真空注入法により注入充填し、上述した光重
合相分離法によって液晶/高分子複合膜10を形成した
後、裏面側基板21の外面(裏面)に反射板32を接着
して完成される。
【0044】なお、この反射板32は、樹脂フィルムか
らなるベースシート33の表面に反射膜34を被着させ
たものであり、この反射膜34は、例えば表面を粗面化
したAl (アルミニウム)反射膜である。
【0045】すなわち、上記アクティブマトリックス液
晶表示素子は、上述した液晶/高分子複合膜10での光
の散乱と透過とを利用して表示するものであり、この複
合膜10は液晶に強誘電性液晶12を用いたものである
ため、暗状態から明状態および明状態から暗状態への表
示の切換えを高速で行なわせることができるから、高デ
ューティでの時分割駆動が可能である。
【0046】また、このアクティブマトリックス液晶表
示素子においては、その裏面側基板11に、光を受けて
蛍光を発する蛍光体膜31を各画素電極23にそれぞれ
対応させて設けているため、この蛍光体膜31が発する
蛍光によって出射光がより明るくなるから、画面が明る
くかつコントラストの高いカラー画像を表示することが
できる。
【0047】すなわち、この液晶表示素子では、明表示
が、液晶/高分子複合膜10を透過して素子の裏面の反
射板32で反射された光によって表示されるが、前記複
合膜10を透過した光のうちのある程度の光は、裏面側
基板11に設けた蛍光体膜31を通る際にその膜中の蛍
光物質に吸収されて蛍光を発生させるため、反射板32
で反射された光と蛍光体膜31が発する蛍光とが上記複
合膜10を再び透過して表面側に出射する。
【0048】このため、上記液晶表示素子の明表示は、
前記蛍光体膜31が発する蛍光の色に着色された表示で
あるし、また、前記蛍光体膜31中の蛍光物質は、可視
光だけでなく、可視光帯域外の波長光によっても蛍光を
発するため、蛍光体膜31から発せられる蛍光は高輝度
の光であるから、画面が明るくかつコントラストの高い
カラー画像が得られる。
【0049】なお、図2に示したアクティブマトリック
ス液晶表示素子では、裏面側基板21の外面に反射板3
2を設けているが、この反射板32に代えて、裏面側基
板21の内面側に反射膜を設けてもよい。
【0050】図3は上述した第1の実施例をアクティブ
マトリックス液晶素子に適用した他の具体例を示す液晶
素子の一部分の断面図である。このアクティブマトリッ
クス液晶素子は、裏面側基板21に設ける画素電極23
を、表面を粗面化したAl 膜等で形成して、この画素電
極23に反射膜を兼ねさせ、この画素電極23の上に蛍
光体膜31を設けたものであり、その他の構成は図2に
示した液晶表示素子と同じである。
【0051】また、本発明は、反射型のものに限らず、
透過型の液晶素子にも適用することができるし、一方の
基板に表示パターンに対応するセグメント電極を設け、
他方に基板にコモン電極を設けたセグメント表示型の液
晶素子にも適用することができる。
【0052】さらに、上記第1の実施例では、液晶/高
分子複合膜10の液晶に強誘電性液晶12を用いている
が、この液晶は反強誘電性液晶でもよい。図4は、本発
明の第2の実施例による高分子分散型液晶表示素子の原
理構成を模式的に示した図であり、この実施例の液晶表
示素子は、液晶/高分子複合膜10の液晶に反強誘電性
液晶13を用いたものである。
【0053】なお、この実施例は、前記複合膜10の液
晶に反強誘電性液晶13を用いたものであるが、その他
の構成は図1に示した第1の実施例と同じであるから、
重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0054】この実施例の液晶表示素子においても、無
電界状態では、反強誘電性液晶13の分子13aが、ス
メクティック層構造の法線に沿って前記法線に対する傾
き方向が層ごとに順次ずれた螺旋状に配列しており、一
方の極性の電界を印加すると、前記法線に沿って配列し
ている液晶分子13aが前記法線に対して一方向に一様
に傾いた状態に配列し、逆極性の電界を印加すると、液
晶分子13aが前記法線に対して反対方向に一様に傾い
た状態に配列する。
【0055】そして、この液晶表示素子においても、液
晶/高分子複合膜10中の各液晶部Aの液晶13が、断
面が年輪状の層構造をなしているため、この層構造の法
線の方向が液晶部Aの各領域で異なっており、したがっ
て、液晶分子13aは、前記液晶部Aの各領域ごとに、
その領域における層構造の法線を基準として、無電界状
態での螺旋状の配列状態(図4に示した配列状態)と、
電界を印加したときの一様な配列状態とに配列し、この
液晶分子の配列状態の変化により、液晶部A全体での液
晶の光屈折率が変化する。
【0056】このため、上記複合膜10を、無電界状態
または電界印加状態のいずれかにおける液晶13の屈折
率と高分子層11の屈折率とがほぼ等しくなるような液
晶物質と高分子材料とで構成しておけば、前記複合膜1
0への電界の印加を制御することにより、この複合膜1
0での光の散乱と透過とを利用して暗状態と明状態とを
表示することができる。
【0057】そして、この実施例の液晶表示素子におい
ても、上記反強誘電性液晶13の電界に対する応答性が
良いため、しきい値電圧以上の電界を印加すると、液晶
分子13aが螺旋状の配列状態から速やかに一様な配列
状態になるし、また、無電界状態では液晶分子13aが
液晶固有の螺旋ピッチでねじれた状態に配列するため、
電界印加状態から無電界状態にしたときも、液晶分子1
3aが一様な配列状態から速やかに元の螺旋状配列状態
に戻る。
【0058】したがって、この実施例の高分子分散型液
晶表示素子も、暗状態から明状態および明状態から暗状
態への表示の切換えを高速で行なわせることができるか
ら、高デューティでの時分割駆動が可能である。
【0059】なお、上述した第1の実施例および第2の
実施例の高分子分散型液晶表示素子における液晶/高分
子複合膜10は、光重合相分離法で形成されたものであ
るが、この複合膜10は、液晶をマイクロカプセル化し
てこの液晶カプセルを高分子層中に分散させた構造のも
のでもよく、その場合は、前記液晶カプセルのカプセル
体を垂直配向性をもった材料で形成して、複合膜中の各
液晶部(液晶カプセル)の液晶を、断面が年輪状のスメ
クティック層構造をもつように配向させればよい。
【0060】
【発明の効果】本発明の高分子分散型液晶表示素子は、
電極を形成した一対の基板間に、高分子層中に強誘電性
または反強誘電性液晶を分散させた液晶/高分子複合膜
を設けてなり、かつ、前記複合膜中の各液晶部の液晶
が、断面が年輪状の層構造をなしていることを特徴とす
るものであるから、暗状態から明状態および明状態から
暗状態への表示の切換えを高速で行なわせることがで
き、したがって、高デューティでの時分割駆動が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による高分子分散型液晶
表示素子の原理構成を模式的に示した図。
【図2】本発明の第1の実施例をアクティブマトリック
ス液晶素子に適用した具体例を示す液晶素子の一部分の
断面図。
【図3】本発明の第1の実施例をアクティブマトリック
ス液晶素子に適用した他の具体例を示す液晶素子の一部
分の断面図。
【図4】本発明の第2の実施例による高分子分散型液晶
表示素子の原理構成を模式的に示した図。
【符号の説明】
1,2…基板 3,4…電極 10…液晶/高分子複合膜 11…高分子層 A…液晶部 12…強誘電性液晶 12a…液性分子 13…反強誘電性液晶 13a…液性分子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極を形成した一対の基板間に、高分子層
    中に強誘電性または反強誘電性液晶を分散させた液晶/
    高分子複合膜を設けてなり、かつ、前記複合膜中の各液
    晶部の液晶が、断面が年輪状の層構造をなしていること
    を特徴とする高分子分散型液晶表示素子。
JP25696693A 1993-10-14 1993-10-14 高分子分散型液晶表示素子 Pending JPH07110466A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000049593A1 (fr) * 1999-02-19 2000-08-24 Seiko Epson Corporation Procede servant a fabriquer un panneau d'affichage et panneau d'affichage

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