JPH07110411A - 方向性結合器 - Google Patents

方向性結合器

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JPH07110411A
JPH07110411A JP25681293A JP25681293A JPH07110411A JP H07110411 A JPH07110411 A JP H07110411A JP 25681293 A JP25681293 A JP 25681293A JP 25681293 A JP25681293 A JP 25681293A JP H07110411 A JPH07110411 A JP H07110411A
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strip
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Hideaki Okayama
秀彰 岡山
Hiroki Yaegashi
浩樹 八重樫
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    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/29Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the position or the direction of light beams, i.e. deflection
    • G02F1/31Digital deflection, i.e. optical switching
    • G02F1/313Digital deflection, i.e. optical switching in an optical waveguide structure
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多モードを伝搬する多モードチャネル導波路
13と、該多モードチャネル導波路の長さ方向の両端そ
れぞれに接続された2本ずつの入出力導波路15a〜1
5dとを具える方向性結合器10であって、基本的には
波長に無依存で、然も、従来に比べ全長が短い方向性結
合器を提供する。 【構成】 多モードチャネル導波路13の幅W方向の中
央領域に当たりかつ該導波路13の長さL方向の中央領
域を含む該長さ方向に帯状の部分13aの屈折率若しく
は等価屈折率を他の部分13b,13cより高くしてあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2入力ポートと2出
力ポートとの間を接続する導波路型の方向性結合器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性結合器の一種として、2本の導波
路を並置することにより構成されたものがある(例えば
文献I:「光集積回路」,オーム社,昭和60年2月,
p304〜307)。この方向性結合器では、2本の導
波路のうちの一方の導波路の入力ポートより入力された
光は、他方の導波路に光のパワーを移して行き、この移
行する長さ(結合長と呼ばれる。)が結合器の長さに等
しいときに該他方の導波路の出力ポートより出射され
る。この動作は2本の導波路の固有モード(対称、反対
称)の干渉効果として表現できる。2つの固有モード間
の位相差をφとすると、これは(1)式で示される。
【0003】 φ=(2π/λ)LΔn01 ・・・(1) ここで、λは入力光の波長、Lは結合器の長さ、Δn01
は2つの固有モード間の等価屈折率差である。この方向
性結合器では、φ=(2m+1)πのときにクロス状態
が得られ、φ=2mπのときにバー状態が得られる(た
だし、mは整数)。したがって、クロス状態は(バー状
態も同様であるが)、Lとλとが特定の関係でなければ
達成できない。
【0004】また、方向性結合器の他の例として、多モ
ードを伝搬する多モードチャネル導波路を具え、かつ、
該多モードチャネル導波路の長さ方向の両端それぞれに
2本ずつの入出力導波路具えるものがあった(例えば文
献II:アイイーイーイー フォトニクス テクノロジー
レターズ(IEEE photonics Technology Letters ),
Vol.p.701,(1993.6))。この種の方
向性結合器の場合、多モードチャネル導波路の長さをL
としたとき、Lは下記の(2)式で示される値とされ
る。
【0005】 L=4mng 2 /λ ・・・(2) ここで、ng は多モードチャネル導波路の屈折率、Wは
多モードチャネル導波路の幅、mは整数、λは入力光の
波長である。
【0006】多モードチャネル導波路を用いた方向性結
合器は、上記(2)式中のmが奇数でクロス状態とな
り、mが偶数でバー状態となる。この場合もLとλとが
特定の関係でなければクロス状態は(バー状態も同様で
あるが)得られない。ただし、多モードチャネル導波路
を用いた方向性結合器の方が、上述の2本の導波路を並
置した型のものより、クロストークの低いクロス状態及
びバー状態を得ることが出来るL及びλの範囲はかなり
広いと言われている。また、この範囲を広くするには多
モードチャネル導波路の幅Wを広くする(〜20μm)
のが良いと言われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多モー
ドチャネル導波路を用いた従来の方向性結合器では、ク
ロストークの低いクロス状態及びバー状態を得ることが
出来るL及びλの範囲を広くするために多モードチャネ
ル導波路の幅を広くすると、(2)式から明らかなよう
に、多モードチャネル導波路の長さLがかなり増加して
しまうという問題点があった。例えば、λ=1.55μ
m、ng =3.5と仮定し上記(2)式よりLを求めた
場合L>3.5mmとなってしまう。
【0008】また、多モードチャネル導波路を用いた従
来の方向性結合器では、Lとλとが特定の関係の時のみ
でクロス状態(バー状態)が達成されるので、波長が異
なる光に対する汎用性が乏しいという問題点があった。
【0009】この発明はこのような点に鑑みなされたも
のであり、したがってこの発明の目的は、多モードチャ
ネル導波路を利用する方向性結合器であって基本的には
波長に無依存で(等価屈折率の(弱い)波長依存性は除
いての意味。)、かつ、従来より素子長の短い方向性結
合器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
めこの発明によれば、多モードを伝搬する多モードチャ
ネル導波路と、該多モードチャネル導波路の長さ方向の
両端それぞれに接続された2本ずつの入出力導波路とを
具える方向性結合器において、多モードチャネル導波路
の幅方向の中央領域に当たりかつ該導波路の長さ方向の
中央領域を含む該長さ方向に帯状の部分の屈折率若しく
は等価屈折率を他の部分より高くしてあることを特徴と
する。
【0011】この発明の実施に当たり、前記帯状部分の
長さを前記多モードチャネル導波路の長さに対しどの程
度の割合とするか、及び、前記帯状部分の幅を前記多モ
ードチャネル導波路の幅に対しどの程度の割合とするか
は、方向性結合器の設計に応じ決定出来る。
【0012】さらにこの発明の実施に当たり、前記帯状
部分の前記長さ方向の両端部に帯状部分の屈折率または
等価屈折率より低い屈折率または等価屈折率を有する部
分(この部分を「低屈折率部分」と称することもあ
る。)をそれぞれ設けることもできる。なお、低屈折率
部分は多モードチャネル導波路の長さ方向の端部まで達
するように設けるのが良い。
【0013】さらにこの発明の実施に当たり、前記帯状
部分と該帯状部分に前記多モードチャネル導波路の幅方
向で接する導波路部分(該導波路部分を「帯状部分側方
の導波路部分」と称することもある。)との屈折率の大
小関係を逆転させるための屈折率制御用電極を設けるの
が好適である。これは、例えば帯状部分上にこの部分の
屈折率を低下し得る屈折率制御用電極を設けるとか、こ
の逆に、帯状部分側方の導波路部分上に該導波路部分の
屈折率を帯状部分より高め得る屈折率制御用電極を設け
るとかの方法で実現出来る。
【0014】
【作用】この発明の構成によれば、該多モードチャネル
導波路の中央部に帯状に屈折率または等価屈折率が他の
部分より高い部分を具えるので、入力導波路から入力さ
れ多モードチャネル導波路に至った光は、多モードチャ
ネル導波路を伝搬するとき、上記帯状部分を設けた分、
多モードチャネル導波路の対角線方向に伝搬し易くな
る。したがって、入力光の波長にかかわらず入力光をク
ロス状態に伝搬させることができ、また、多モードチャ
ネル導波路の全長を従来より短くしても入力光をクロス
状態に伝搬させることができる。このため、この方向性
結合器によれば、例えば、全長の短い交差導波路が実現
される。
【0015】また、帯状部分の長さ方向の両端部に低屈
折率部分を設ける構成では、多モードチャネル導波路の
端部近傍部分における多モードチャネル導波路の横方向
の光の行き来を低減できることになるので、クロストー
クの低減がより図れる。
【0016】また、屈折率制御用電極を設ける構成で
は、方向性結合器にバー状態を形成することが出来るか
ら、基本的には波長に無依存性でかつ全長が短い方向性
結合器型の光スイッチが実現される。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の方向性結合
器の実施例について説明する。なお、説明に用いる各図
はこの発明を理解出来る程度に各構成成分の寸法、形状
及び配置関係を概略的に示してあるにすぎない。また、
各図において同様な構成成分には同一の番号を付して示
しその重複説明を省略する。
【0018】1.第1実施例 先ず、屈折率制御用電極は有しない例でかつこの発明で
言う帯状部分を多モードチャネル導波路の長さ方向全域
としてある例(第1実施例)について説明する。図1
(A)〜(C)はこの第1実施例の方向性結合器10の
説明に供する図である。ここで、(A)図はその平面
図、(B)図は(A)図のI−I線での断面図、(C)
図は(A)図のII−II線での断面図である。
【0019】図1において、11は電気光学効果を有す
る基板、13は多モードを伝搬する多モードチャネル導
波路、15a〜15dは多モードチャネル導波路13に
所定関係(後述する)で接続されている入出力導波路で
ある。ただし、多モードチャネル導波路13は、該導波
路の幅(図1(A)のW)方向の中央領域に当たりかつ
該導波路の長さ(図1(A)のL)方向の中央領域を含
む該長さ方向に帯状の部分13aの屈折率または等価屈
折率を、他の部分13b,13c(以下、「帯状部分側
方の導波路部分13b,13c」とも称する。)より高
くしたものとしてある。
【0020】ここで、電気光学効果を有する基板11と
して化合物半導体基板や、LiNbO3 基板等の種々の
ものを用いることが出来る。ここでは化合物半導体基板
を用いている。化合物半導体基板としては、InP基
板、GaAs基板などが挙げられる。
【0021】また、多モードチャネル導波路13及び各
入出力導波路15a〜15dは基板材料等を考慮した任
意の構成と出来る。ここでは化合物半導体層を用い構成
している。具体的には、基板11上に厚さがT(図1
(B)参照)の化合物半導体層を形成し、該層の、上記
帯状部分13aとしたい部分は厚さTのリッジ状になる
ように、また上記帯状部分側方の導波路部分13b,1
3cとしたい部分及び入出力導波路15a〜15dとし
たい部分それぞれは厚さt(T>t)のリッジ状になる
ように該化合物半導体層を加工し各導波路構造を形成し
ている。ただし、入出力導波路15a〜15dと多モー
ドチャネル導波路13との接続関係は、帯状部分側方の
導波路部分13b,13cそれぞれの長さ方向端部に入
出力導波路が1本づつ接続される関係となっている。こ
れら入出力導波路15a〜15dの端面は、それぞれ入
出力ポート17a〜17dとなる。なお、多モードチャ
ネル導波路13及び入出力導波路15a〜15dを形成
するための化合物半導体層としては、基板がInPであ
れば例えばInGaAsP層を、基板がGaAsであれ
ばGaAs層を用いることが出来る。また、図1では図
示を省略しているが、必要に応じて、基板と導波路層と
の間に下側クラッド層を設け、導波路上に上側クラッド
層を設ける。
【0022】次に、図2を参照してこの第1実施例の方
向性結合器10の動作について説明する。
【0023】入出力ポート17aより入力された光は、
入出力導波路15aを通って多モードチャネル導波路1
3の、帯状部分側方の導波路部分13bに入力される。
帯状部分側方の導波路部分13bを通る光21aは帯状
部分13aに位相整合する光21bに変換され、そし
て、該光21bは、 n1 cosQ=n2 ・・・(a) で与えられる角度Qで帯状部分13aを伝搬する。そし
て、この光21bは帯状部分側方の導波路部分13bに
位相整合する光21cに変換される。この光21cは入
出力導波路15dを通って出力ポート17dより出射さ
れる。
【0024】上記n1 cosQ=n2 の式において、n
1 は帯状部分13aの屈折率であり、n2 は帯状部分側
方の導波路部分13bの屈折率である。
【0025】ここで、n1 とn2 との屈折率差をΔnと
すれば、上記角度Qは次式で近似的に与えられる。
【0026】 Q=(2Δn/n1 1/2 ・・・(b) またここでQは、Q≒W/Lであるので、 Q=(2Δn/n1 1/2 =W/L ・・・(c) が成立する。この(c)式からLはλの関数でない(波
長依存性がない)ことが分かるから、この発明の方向性
結合器は広い波長範囲で動作可能なものであることが分
かる。ただし、Lが波長依存性がないとは、等価屈折率
の弱い波長依存性を除いての意味である。
【0027】次に、入出力ポート17aから帯状部分1
3を介し入出力ポート17dに光が移行することについ
て、BPM(Beam Propagation Method )により計算し
てみた結果を説明する。この計算に当たり、多モードチ
ャネル導波路の長さLを800μm、同幅Wを32μ
m、入力光の波長を1.55μm、上記Δnを3×10
-3、多モードチャネル導波路13の帯状部分13aの屈
折率を3.44としている。この条件は上記(c)式を
ほぼ成立させているものである。
【0028】図3(A)は、上記条件設定での第1実施
例の方向性結合器10での、BPMにより計算した光の
伝搬の様子を示した図、(B)は同じく等価屈折率分布
を示した図である。なお、図3(A)及び(B)におい
て、縦軸は方向性結合器10における全長方向での位
置、横軸は方向性結合器10における幅方向での位置で
ある。また、図3(A)において、Z軸相当の物理量は
光強度、図3(B)において、Z軸相当の物理量は屈折
率である。また、図3(A)(以下の図X(A)でも同
じ)では、図1との対応を明確にするため、多モードチ
ャネル導波路13や入出力導波路を示す図1に示した番
号をも示してある。
【0029】図3(A)から明らかなように、この方向
性結合器10においては、入出力ポート15aより入力
された光は、多モードチャネル導波路13の帯状部分1
3aを経て入出力ポート15dに至ることが分かる。入
力光を1.3μmとした場合も全く同様な特性を示し
た。また、クロストークは入力光の波長が1.55μm
場合、1.3μmの場合何れも、20dB以上の値が得
られている。
【0030】2.第2実施例 次に、多モードチャネル導波路13の、帯状部分13a
と帯状部分側方の導波路部分13b,13cとの屈折率
の大小関係を逆転させるための屈折率制御用電極を具え
た方向性結合器の例(第2実施例)について説明する。
図4はその説明に供する平面図である。
【0031】この第2実施例の方向性結合器30では、
多モードチャネル導波路13の帯状部分13a上に屈折
率制御用電極31を具えている。ただし、図示例では帯
状部分13aの中央部分に電極31を具える例を示して
ある。しかし、帯状部分13aの全域上に電極31を設
けても良い。なお、該電極31の他方の極は基板11
(図1(B)参照)の裏面に設けてある(図示せず)。
この電極31に電圧を加えることにより帯状部分13a
の屈折率は帯状部分側方の導波路部分13b,13cよ
り低下する。
【0032】この第2実施例の方向性結合器30では、
入出力ポート17aから入力された光は、第1実施例同
様、入出力導波路15aを通って帯状部分側方の導波路
部分13bに至る。該至った光21a(図4参照)は、
位相整合する光21bに変換され帯状部分31aに入る
が、電極31が駆動されて帯状部分13aの電極31下
の屈折率が帯状部分側方の導波路部分帯状部分側方の導
波路部分13b,13cより低くされているとここで反
射されて光21b’となる。該光21b’は再び帯状部
分側方の導波路部分13bに戻されて光21a’とな
り、その後、入出力ポート15cから出射される(バー
状態の光伝搬が行なわれる)。
【0033】電極31を駆動したときでの第2実施例の
方向性結合器30での光が移行する様子をBPMにより
計算してみた結果を、図5(A)及び(B)に示す。な
お、図5(A)及び(B)は図3(A)及び(B)と同
様な表記方法で示してある。
【0034】図5(A)から明らかなように、入出力ポ
ート17aからの光は該ポートと対角線相当位置の入出
力ポート17dには移れないことが分かる。現在までの
ところ、多モードチャネル導波路13の長さLを800
μmその幅Wを25μmとした方向性結合器においてバ
ー状態を得るために必要な電気的屈折率変化δnの最低
値は3.5×10-3であった。
【0035】ここで、ΔβL/πは ΔβL/π=2δnL/λ(=[(W/λ)(2δn・n
1 1/2 ]=V/2) であるので、入力光の波長を1.55μmとし、δnを
3.5×10-3とし、Lを上記800μmとすると、こ
の実施例の方向性結合器では、ΔβL/π=3.6とな
る。2本の導波路を並置した型の方向性結合器のΔβL
/πが1.73程度であるので、この発明の方向性結合
器は、2本の導波路を並置した型の方向性結合器に比べ
2倍程度の効率で動作可能なものといえる。
【0036】なお、方向性結合器においてバー状態を得
るために最低限必要な電気的屈折率変化δnは、図4中
の光21bが帯状部分13aの電極31を設けてある部
分と設けてない部分との界面で全反射される条件である
ので、δn=Δn(電極31の有無の両部分の屈折率
差)と予想される。しかし、BPMの計算からは、δn
=Δnの条件では、光は出力ポート17c,17d(図
4参照)から等分に出力されることが分かり、完全なス
イッチング状態を得るためにはδnの値としてΔnの2
〜3倍の値(この例では上記3.5×10-3という値)
が必要となっている。
【0037】3.第3実施例 次に、帯状部分13aの長さ方向の両端部に低屈折率部
分を設ける例(第3実施例)を説明する。図6はその説
明に供する平面図である。
【0038】この第3実施例の方向性結合器40は、第
1実施例の構成での帯状部分13aの両端部に該帯状部
分13aの屈折率または等価屈折率より低い屈折率また
は等価屈折率を有する低屈折率部分41a,41bを設
けてある。低屈折率部分41a,41bの屈折率は、例
えば基板11(図1(B)参照)の屈折率と同程度で良
い。また、この場合の低屈折率部41a、41bは三角
形状のものとしてあり、かつ、その一辺が帯状部分の長
さ方向の端部の辺に一致するようにしてある。これら低
屈折率部分41a,41bは次のような働きを示す。入
出力ポート17aより入力され多モードチャネル導波路
13の、帯状部分側方の導波路部分13bに至った光2
1aは帯状部分13aに位相整合する光21bに変換さ
れ、そして帯状部分13aを伝搬し、次に、帯状部分側
方の導波路部分13bに位相整合する光21cに変換さ
れる。ここまでは第1実施例と同じである。ここで光2
1cがもし光21a→光21bと同様な過程で光21d
となるとこの光21dは入出力導波路15c側に至る危
険性を持つ。そして、この光21dが入出力導波路15
cに至るとクロストークとなるのでクロストーク特性は
悪化する。ところが、この第3実施例では帯状部分13
aの両端部に低屈折率部分41a,41bを設けてある
ので、この光21dは図示例では低屈折率部分41bに
より反射されて入出力導波路15d側に戻される。この
ため、上記クロストークは防止される。低屈折率部分4
1a,41bを設けることで上記クロストークが低減さ
れるという点については、後の、スイッチング特性の説
明の項にて説明する。
【0039】なお、低屈折率部分41a,41bの大き
さや形状は設計に応じ任意なものと出来る。
【0040】4.スイッチング特性の説明 第1実施例の方向性結合器10及び第3実施例の方向性
結合器40それぞれにおいて、帯状部分13aの屈折率
と帯状部分側方の導波路部分13b,13cの屈折率と
の差を種々に違えた場合に、入出力ポート17aから入
れた光が入出力ポート17c及び17dそれぞれにどう
いう強度で出力されるかをBPMにより計算した結果
を、図7(A)及び(B)に示した。なお、この計算に
当たり、入力光の波長を1.55μm、多モードチャネ
ル導波路の長さを800μmその幅を23μmとしてい
る。またここで、Δnが正の値というのは、帯状部分側
方の導波路部分13b、13cの方が帯状部分13aよ
り等価屈折率が高いことを意味し、Δnが負の値という
のは両部分(13aと13b,13cとの間)の等価屈
折率の大小関係が上記関係の逆であることを意味する。
また、図7(A)は第1実施例の方向性結合器での特性
を示し、図7(B)は第3実施例の方向性結合器での特
性を示す。
【0041】図7(A)及び(B)から明らかなよう
に、第1及び第3実施例いずれの歩行性結合器の場合
も、広いΔnの範囲(図7(A)、(B)中にIA 〜II
B を付した範囲)で、クロストークが低いことが分か
る。また、第1実施例のものに比べ第3実施例のもの
(低屈折率部分を設けたもの)の方が、クロス状態にお
けるクロストーク(バー方向への漏れ光)は低くなるこ
とが分かる(図7(A)のIAと図7(B)のIIA とを
比較。)。
【0042】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の方向性結合器によれば多モードチャネル導波路
の中央部に高屈折率部分を設けたので、基本的には波長
に無依存で、然も、従来に比べ短い方向性結合器(実施
例の例で言えば多モードチャネル導波路の全長が800
μmのもので波長1.3〜1.55μmの光に対し同様
な特性を示す方向性結合器)が提供出来る。
【0043】また、低屈折率部を設ける構成ではクロス
トークをより低減できる。また、電極を設ける構成で
は、従来に比べ波長依存性が小さくかつ全長の短い方向
性結合器型の光スイッチが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、第1実施例の方向性結合器
の説明図である。
【図2】第1実施例の方向性結合器の動作説明図(その
1)である。
【図3】(A)及び(B)は、第1実施例の方向性結合
器の動作説明図(その2)である。
【図4】第2実施例の方向性結合器の説明図である。
【図5】(A)及び(B)は、第2実施例の方向性結合
器の動作説明図である。
【図6】第3実施例の方向性結合器の説明図である。
【図7】(A)及び(B)は、第1実施例及び第3実施
例の各方向性結合器のスイッチング特性の説明図であ
る。
【符号の説明】
10:第1実施例の方向性結合器 11:電気光学効果を有する基板 13:多モードチャネル導波路 13a:多モードチャネル導波路の高屈折率部分(帯状
部分) 13b,13c:帯状部分の側方部分 15a〜15d:入出力導波路 17a〜17d:入出力ポート 21a〜21c:光 21d:クロストークを悪化させる可能性の光 30:第2実施例の方向性結合器 31:屈折率制御用電極 40:第3実施例の方向性結合器 41a,41b:低屈折率部分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多モードを伝搬する多モードチャネル導
    波路と、該多モードチャネル導波路の長さ方向の両端そ
    れぞれに接続された2本ずつの入出力導波路とを具える
    方向性結合器において、 多モードチャネル導波路の幅方向の中央領域に当たりか
    つ該導波路の長さ方向の中央領域を含む該長さ方向に帯
    状の部分の屈折率若しくは等価屈折率を他の部分より高
    くしてあることを特徴とする方向性結合器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方向性結合器におい
    て、 前記帯状部分を前記多モードチャネル導波路の長さ方向
    の全域若しくは一部としてあることを特徴とする方向性
    結合器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方向性結合器におい
    て、 前記帯状部分の前記長さ方向の両端部に帯状部分の屈折
    率または等価屈折率より低い屈折率または等価屈折率を
    有する部分(低屈折率部分)をそれぞれ設けてあること
    を特徴とする方向性結合器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
    向性結合器において、 前記帯状部分と該帯状部分に前記多モードチャネル導波
    路の幅方向で接する導波路部分(帯状部分側方の導波路
    部分)との屈折率の大小関係を逆転させるための屈折率
    制御用電極を具えたことを特徴とする方向性結合器。
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