JPH0710974Y2 - 車両のシートベルトガイド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は車両のシートベルトガイド装置に関するもの
である。

（従来の技術） 従来、事故等において乗員の安全を確保する手段として
は、例えば、第５図に示す周知のシートベルトがある。

即ち、センタピラー101に、ショルダアンカー103の取付
部105と、該取付部105と一緒にベルトアーム107の基部1
09が回転自在（矢印）に取付けられ、ピラートリム111
の内側から外部上方へ延長されたショルダベルト113は
前記ショルダアンカー103のスルーリング104によって方
向を異にされ、さらに、ベルトアーム107のリング部115
に貫通支持された構造となっている。

（考案が解決しようとする課題） 前記した如くベルトアーム107は、回動可能となってい
る所から、ショルダベルト113に設けられたタング117を
フロアパネル、シート等に組込まれたバックル（図示し
ていない）に結合する際に、ショルダベルト113の動き
に合わせて上下動し、ショルダベルト113の円滑な繰出
しを確保するものであるが、ショルダアンカー103及び
ベルトアーム107の基部109はセンタピラー101に対して
直付されているために、ショルダアンカー103とベルト
アーム107の基部109は露出状態にあるため、見栄の面で
望ましくなく、特に高い品質感が要求されるグレードの
高い車種にあっては、採用しにくい面があった。

この場合、ショルダアンカー103をピラートリムの内側
に設けた見栄えの向上を図ることも可能であるが、ショ
ルダーベルト113の動きに対応して上下動するベルトア
ーム107にあっては取付けが出来ない不具合が起きない
ようにするために多大な設計工数と組付工数を必要とす
る。

そこで、この考案はベルト繰出性の向上を確保しなが
ら、しかも、見栄えの面でも勝れた車両のシートベルト
ガイド装置を提供することを目的としている。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 前記目的を達成するために、この考案にあっては、ベル
ト貫通孔とアーム貫通孔とを有するピラートリムの内側
に配され且つピラーインナパネルに、巻取装置から繰出
されたシートベルトを前記ベルト貫通孔からピラートリ
ムの外へ案内支持するようにしたショルダアンカーの取
付部材と、前記アーム貫通孔から上下動自在に外部へ突
出させた端部側の先端部に前記ピラートリムの外に延長
されたシートベルトを貫通支持させ且つピラートリムの
内側に配された基部および前記ショルダアンカーの取付
部材とが回転自在に取付けられたベルトアームとよりな
っている。

（作用） かかるシートベルトガイド装置によれば、ショルダアン
カーとベルトアームの基部はピラートリムの内側となる
ため、外部から直接見えることはない。また、ベルトア
ームはシートベルトに対応して上下動しシートベルトの
円滑な誘導案内が確保されるようになる。

（実施例） 以下、第１図乃至第４図の図面を参照しながらこの考案
の一実施例を詳細に説明する。

図中１は自動車３のセンタピラーを示している。センタ
ピラー１はピラーアウタパネル５とピラーインナパネル
７とから成り、ピラーインナパネル７の全領域はピラー
トリム９によって被覆され、ピラートリム９と、ピラー
インナパネル７との間には所定のスペース11が確保され
ている。スペース11の下方で、前記ピラーインナパネル
７には巻取装置13（リトラクタ）が固着されている。巻
取装置13から繰り出されたシートベルト15は乗員の上半
身を拘束するショルダベルト15aと腰の部分を拘束する
ラップベルト15bとから成る３点式シートベルトとなっ
ており、ショルダベルト15aの領域はショルダアンカー1
7に貫通支持されると共にベルト貫通孔19からピラート
リム９の外へ延びている。

ショルダアンカー17は、センタピラー１の上方に配置さ
れると共に取付部材21はピラートリム９の内側で、か
つ、ピラーインナパネル７の取付孔23に固定ボルト25に
よって後述するベルトアーム27の基部29と一緒に取付け
られている。

ショルダアンカー17が取付けられた領域のピラートリム
９は着脱可能なカバートリム31となっている。

カバートリム31はピラートリム９と同一の材質で形成さ
れ前面31aと側面31bとからなるアングル状に形成されて
おり、周囲にはピラートリム９の開口縁9aと係脱自在に
係合し合う複数のフック爪33が設けられている。また、
側面31bには前記ベルト貫通孔19と作業孔35が、前面31a
にはアーム貫通孔37がそれぞれ設けられている。作業孔
35は前記ショルダアンカー17を取付けた固定ボルト25の
頭と対向し合う位置に設けられ、作業孔35を利用するこ
とで固定ボルト25の締付け、取外しが可能となる。な
お、通常はキャップ39によって前記作業孔35は閉塞され
ている。

アーム貫通孔37は、上下方向に長い形状となっていて上
下にスライド可能なシャッタ41により閉塞されている。
シャッタ41には前記ベルトアーム27が貫通している。

ベルトアーム27は逆Ｌ字状に形成され、基部29は前記固
定ボルト25によってショルダアンカー17の取付部材21と
一緒にピラーインナパネル７の取付孔23に回転自在に取
付けられている。また、外部へ延長されたベルトアーム
27の一端部28にはリング部43が設けられ、リング部43に
は前記ベルト貫通孔19から外へ延長されたショルダベル
ト15aが貫通支持されている。これにより、ベルトアー
ム27はシートベルト15の動きに対応して上下動（第１図
矢印イ）可能となるもので、上方への回動量はピラーイ
ンナパネル７に固着されるストッパー45によってほぼ水
平状態まで回動可能となっている。

また、ベルトアーム27のリング部43に貫通支持されたシ
ートベルト15にはタング47が設けられ、車体側に組付け
られたバックル（図示していない）と着脱自在に結合可
能となっている。

なお、第２図において49はフロントピラー,51はリヤピ
ラーをそれぞれ示している。

このように構成されたシートベルトガイド装置によれ
ば、ショルダアンカー17とベルトアーム27の基部29はカ
バートリム31の内側に位置するため外から直接見えるこ
とがなくなり、外観品質が確保される。

次に、タング47を持って車体側のバックル（図示してい
ない）に結合する際に、第４図に示す如くシートベルト
15の動きに対応してベルトアーム27は上下動し、ベルト
貫通孔19から繰出されるシートベルト15を円滑に誘導案
内するようになる。

［考案の効果］ 以上、説明したように、この考案のシートベルトガイド
装置によれば、シートベルトを円滑に誘導案内すること
ができると共にショルダアンカーとベルトアームの基部
はピラートリムの内側に臨むため見栄えの向上を図るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のシートベルトガイド装置を示した要
部の分解斜視図、第２図はセンタピラーに取付けた状態
を車室内側からみた概要側面図、第３図、第４図は動作
説明図、第５図は従来例を示した第４図と同様の説明図
である。 ７……ピラーインナパネル ９……ピラートリム 13……巻取装置 15……シートベルト 17……ショルダアンカー 19……ベルト貫通孔 21……取付部材 27……ベルトアーム 28……一端部 29……基部 37……アーム貫通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベルト貫通孔とアーム貫通孔とを有するピ
   ラートリムの内側に配され且つピラーインナパネルに、
   巻取装置から繰出されたシートベルトを前記ベルト貫通
   孔からピラートリムの外へ案内支持するようにしたショ
   ルダアンカーの取付部材と、前記アーム貫通孔から上下
   動自在に外部へ突出させた一端部側の先端部に前記ピラ
   ートリムの外に延長されたシートベルトを貫通支持させ
   且つピラートリムの内側に配された基部および前記ショ
   ルダアンカーの取付部材とが回転自在に取付けられたベ
   ルトアームとより構成されたことを特徴とする車両のシ
   ートベルトガイド装置。