JPH07109280A - ヒダントサイジンの製造法 - Google Patents
ヒダントサイジンの製造法Info
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- JPH07109280A JPH07109280A JP27600493A JP27600493A JPH07109280A JP H07109280 A JPH07109280 A JP H07109280A JP 27600493 A JP27600493 A JP 27600493A JP 27600493 A JP27600493 A JP 27600493A JP H07109280 A JPH07109280 A JP H07109280A
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- hydantocidin
- epihydantosidine
- hydantosidine
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 強力な除草活性物質である(+)−ヒダント
サイジンおよび(−)−5−エピヒダントサイジンの短
工程製造法の提供。 【構成】 次の式 【化1】 で表されるD−イソアスコルビン酸と尿素とを反応させ
ることを特徴とする、次の式[I]で表される(+)−
ヒダントサイジンおよび次の式[II]で表される(−)
−5−エピヒダントサイジンの製造法。 【化2】 【効果】 (+)−ヒダントサイジンおよび(−)−5
−エピヒダントサイジンを極めて簡便に一段階で製造し
うる。
サイジンおよび(−)−5−エピヒダントサイジンの短
工程製造法の提供。 【構成】 次の式 【化1】 で表されるD−イソアスコルビン酸と尿素とを反応させ
ることを特徴とする、次の式[I]で表される(+)−
ヒダントサイジンおよび次の式[II]で表される(−)
−5−エピヒダントサイジンの製造法。 【化2】 【効果】 (+)−ヒダントサイジンおよび(−)−5
−エピヒダントサイジンを極めて簡便に一段階で製造し
うる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、次の式
【0002】
【化5】
【0003】および次の式
【0004】
【化6】
【0005】で表される強力な除草活性物質(+)−ヒ
ダントサイジンおよび(−)−5−エピヒダントサイジ
ンの極めて簡便で新規な一段階製造法に関する。
ダントサイジンおよび(−)−5−エピヒダントサイジ
ンの極めて簡便で新規な一段階製造法に関する。
【0006】
【従来技術】放線菌の代謝産物として得られる上記式
[I]で表される(+)−ヒダントサイジンは、優れた
植物体内への移行性を有し、単子葉、双子葉の一年生の
みならず多年生雑草に対しても強力な殺草活性および生
育抑制活性を有している。また、(+)−ヒダントサイ
ジンは、動物、魚類および微生物に対して際だった安全
性を示し、しかも、土壌中での分解性も高く、環境上望
ましい性質を有しており、新世代の除草剤としての用途
が期待される化合物である(三尾ら、第32回天然有機
化合物討論会、講演要旨集、p.495、1990、千
葉)。(+)−ヒダントサイジンは4個の不斉中心を有
するため、16種類のジアステレオマーが可能である。
この16種類のジアステレオマーが全て化学合成され、
その除草活性が調べられた結果、(+)−ヒダントサイ
ジンの5位に関するジアステレオマーである上記式[I
I]で表される(−)−5−エピヒダントサイジンのみ
が(+)−ヒダントサイジンの60%程度の除草活性を
有していることが明らかとなっている[S.Mio e
t al.,Tetrahedron,47,212
1,2133,2145(1991).]。さらに、
(+)−ヒダントサイジンは、酸性水溶液中で容易に平
衡混合物になることがごく最近明らかとなり、(+)−
ヒダントサイジンは(−)−5−エピヒダントサイジン
との混合物の形で除草剤として開発することが想定され
ている(G.W.J.Fleet et al.,Te
trahedron Lett.,34,3327(1
993).)。
[I]で表される(+)−ヒダントサイジンは、優れた
植物体内への移行性を有し、単子葉、双子葉の一年生の
みならず多年生雑草に対しても強力な殺草活性および生
育抑制活性を有している。また、(+)−ヒダントサイ
ジンは、動物、魚類および微生物に対して際だった安全
性を示し、しかも、土壌中での分解性も高く、環境上望
ましい性質を有しており、新世代の除草剤としての用途
が期待される化合物である(三尾ら、第32回天然有機
化合物討論会、講演要旨集、p.495、1990、千
葉)。(+)−ヒダントサイジンは4個の不斉中心を有
するため、16種類のジアステレオマーが可能である。
この16種類のジアステレオマーが全て化学合成され、
その除草活性が調べられた結果、(+)−ヒダントサイ
ジンの5位に関するジアステレオマーである上記式[I
I]で表される(−)−5−エピヒダントサイジンのみ
が(+)−ヒダントサイジンの60%程度の除草活性を
有していることが明らかとなっている[S.Mio e
t al.,Tetrahedron,47,212
1,2133,2145(1991).]。さらに、
(+)−ヒダントサイジンは、酸性水溶液中で容易に平
衡混合物になることがごく最近明らかとなり、(+)−
ヒダントサイジンは(−)−5−エピヒダントサイジン
との混合物の形で除草剤として開発することが想定され
ている(G.W.J.Fleet et al.,Te
trahedron Lett.,34,3327(1
993).)。
【0007】(+)−ヒダントサイジンを工業的に製造
しようとする場合、放線菌の代謝産物からの抽出で行う
ことは、夾雑する有機酸、糖、アミノ酸、核酸等の一次
代謝産物からの分離にカラムクロマトグラフィー等を繰
り返し使用することが不可欠で多大の困難を伴うと考え
られる[M.Nakajima et al., J.
Antibiot., 44, 293(199
1).]。 従って、(+)−ヒダントサイジンおよび
(−)−5−エピヒダントサイジンの合成法として、こ
れまでに、酒石酸誘導体とヒダントイン誘導体を出発
物質に用い、スピロ環閉環反応を応用した(+)−ヒダ
ントサイジンおよび(−)−5−エピヒダントサイジン
の合成[S.Mio et al., Tetrahe
dron, 47, 2121, 2145(199
1).]、D−フルクトースから得たD−プシコース
誘導体のN−グリコシル化反応を用いる(+)−ヒダン
トサイジンの合成[S.Mio et al., Te
trahedron, 47, 2121, 2145
(1991).]、D−リボース誘導体を出発物質に
用い、ヒダントイン環形成反応を応用した(+)−ヒダ
ントサイジンの合成[S.Mirza, ドイツ公開特
許公報 DE 4129728 A1(199
1).]、D−リボース誘導体を出発物質に用い、ア
ジド誘導体のテトラ−n−プロピルアンモニウムパール
テナートによる酸化反応を応用した(−)−5−エピヒ
ダントサイジンの合成(G.W.J.Fleet et
al., Tetrahedron Lett.,
34, 3327(1993).)、D−フルクトー
スから得たD−プシコース誘導体をN−アシル尿素誘導
体に導き、このものの分子内閉環反応を応用した(+)
−ヒダントサイジンと(−)−5−エピヒダントサイジ
ンの合成(T.Terashima et al.,
Tetrahedron Lett., 34,628
9(1993).)、が報告されている。
しようとする場合、放線菌の代謝産物からの抽出で行う
ことは、夾雑する有機酸、糖、アミノ酸、核酸等の一次
代謝産物からの分離にカラムクロマトグラフィー等を繰
り返し使用することが不可欠で多大の困難を伴うと考え
られる[M.Nakajima et al., J.
Antibiot., 44, 293(199
1).]。 従って、(+)−ヒダントサイジンおよび
(−)−5−エピヒダントサイジンの合成法として、こ
れまでに、酒石酸誘導体とヒダントイン誘導体を出発
物質に用い、スピロ環閉環反応を応用した(+)−ヒダ
ントサイジンおよび(−)−5−エピヒダントサイジン
の合成[S.Mio et al., Tetrahe
dron, 47, 2121, 2145(199
1).]、D−フルクトースから得たD−プシコース
誘導体のN−グリコシル化反応を用いる(+)−ヒダン
トサイジンの合成[S.Mio et al., Te
trahedron, 47, 2121, 2145
(1991).]、D−リボース誘導体を出発物質に
用い、ヒダントイン環形成反応を応用した(+)−ヒダ
ントサイジンの合成[S.Mirza, ドイツ公開特
許公報 DE 4129728 A1(199
1).]、D−リボース誘導体を出発物質に用い、ア
ジド誘導体のテトラ−n−プロピルアンモニウムパール
テナートによる酸化反応を応用した(−)−5−エピヒ
ダントサイジンの合成(G.W.J.Fleet et
al., Tetrahedron Lett.,
34, 3327(1993).)、D−フルクトー
スから得たD−プシコース誘導体をN−アシル尿素誘導
体に導き、このものの分子内閉環反応を応用した(+)
−ヒダントサイジンと(−)−5−エピヒダントサイジ
ンの合成(T.Terashima et al.,
Tetrahedron Lett., 34,628
9(1993).)、が報告されている。
【0008】しかしながら、これらの方法はいずれも多
段階合成法であり、特に、の方法では、四酸化オスミ
ウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、の方法で
は、三塩化ルテニウム、トリメチルシリルアジド、トリ
ブチルホスフィン、の方法では、無水トリフルオロメ
タンスルホン酸、四酸化オスミウム、の方法では、無
水トリフルオロメタンスルホン酸、t−ブチルジメチル
クロロシラン、テトラ−n−プロピルアンモニウムパー
ルテナート等高価でしかも毒性の高い試薬が多数使用さ
れていることから、(+)−ヒダントサイジンおよび
(−)−5−エピヒダントサイジンの工業的な製造には
多大の困難をともなっていた。
段階合成法であり、特に、の方法では、四酸化オスミ
ウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、の方法で
は、三塩化ルテニウム、トリメチルシリルアジド、トリ
ブチルホスフィン、の方法では、無水トリフルオロメ
タンスルホン酸、四酸化オスミウム、の方法では、無
水トリフルオロメタンスルホン酸、t−ブチルジメチル
クロロシラン、テトラ−n−プロピルアンモニウムパー
ルテナート等高価でしかも毒性の高い試薬が多数使用さ
れていることから、(+)−ヒダントサイジンおよび
(−)−5−エピヒダントサイジンの工業的な製造には
多大の困難をともなっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、優れた
除草活性物質である(+)−ヒダントサイジンおよび
(−)−5−エピヒダントサイジンの短工程製造法の開
発を目指して鋭意検討した結果、これらの化合物の極め
て簡便で新規な一段階製造法を見い出し本発明を完成し
た。
除草活性物質である(+)−ヒダントサイジンおよび
(−)−5−エピヒダントサイジンの短工程製造法の開
発を目指して鋭意検討した結果、これらの化合物の極め
て簡便で新規な一段階製造法を見い出し本発明を完成し
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の式
【0011】
【化7】
【0012】で表されるD−イソアスコルビン酸と次の
式
式
【0013】
【化8】
【0014】で表される尿素を反応させることを特徴と
する、前記式[I]で表される(+)−ヒダントサイジ
ンおよび前記式[II]で表される(−)−5−エピヒダ
ントサイジンの簡便で新規な一段階製造法に関する。
する、前記式[I]で表される(+)−ヒダントサイジ
ンおよび前記式[II]で表される(−)−5−エピヒダ
ントサイジンの簡便で新規な一段階製造法に関する。
【0015】式[III]で表されるD−イソアスコルビ
ン酸と式[IV]で表される尿素との反応は水、メタノー
ル、エタノール、トルエン、キシレン、アセトニトリ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルオキシド等の溶媒中でも行
われるが、より好適には無溶媒で行われる。反応は60
℃から160℃で行われ、より好適には120℃から1
40℃で行われる。また、D−イソアスコルビン酸と尿
素とのモル比は1:10から10:1の範囲から適宜選
択されるが、好適には1:1のモル比において行われ
る。また、このD−イソアスコルビン酸と尿素との反応
は、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、二塩化銅、p−トル
エンスルホン酸、D−カンファースルホン酸等の酸触
媒、あるいは、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシ
クロ[5,4,0]ウンデク−7−エンなどの塩基触媒
存在下でも行われうるが、これらの触媒を用いなくても
充分進行する。反応終了後、得られるカラメル様物質を
水に溶解し、逆相カラムクロマトグラフィー等で精製す
ると(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エピヒダ
ントサイジンの混合物が得られる。なお、カラメル様物
質を水溶液とし、酸性イオン交換樹脂で処理した場合、
(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エピヒダント
サイジンの収率が幾分向上する。
ン酸と式[IV]で表される尿素との反応は水、メタノー
ル、エタノール、トルエン、キシレン、アセトニトリ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルオキシド等の溶媒中でも行
われるが、より好適には無溶媒で行われる。反応は60
℃から160℃で行われ、より好適には120℃から1
40℃で行われる。また、D−イソアスコルビン酸と尿
素とのモル比は1:10から10:1の範囲から適宜選
択されるが、好適には1:1のモル比において行われ
る。また、このD−イソアスコルビン酸と尿素との反応
は、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、二塩化銅、p−トル
エンスルホン酸、D−カンファースルホン酸等の酸触
媒、あるいは、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシ
クロ[5,4,0]ウンデク−7−エンなどの塩基触媒
存在下でも行われうるが、これらの触媒を用いなくても
充分進行する。反応終了後、得られるカラメル様物質を
水に溶解し、逆相カラムクロマトグラフィー等で精製す
ると(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エピヒダ
ントサイジンの混合物が得られる。なお、カラメル様物
質を水溶液とし、酸性イオン交換樹脂で処理した場合、
(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エピヒダント
サイジンの収率が幾分向上する。
【0016】以下に実施例、参考例により本発明を詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない
ことは言うまでもない。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない
ことは言うまでもない。
【0017】
【実施例1】
【0018】
【化9】
【0019】D−イソアスコルビン酸(10.6g,6
0mmol)および尿素(3.6g,60mmol)を
よく混合し、130℃で1時間攪拌した。得られた茶褐
色カラメル状物質を逆相カラムクロマトグラフィー(Y
MC・GEL ODS−AQ120−S50, H
2O)で精製した。HPLC[(Asahipack、
HIKARISIL−C18、旭化成(6x150m
m)、0.2%酢酸緩衝液、0.5ml/min、UV
(220nm)で検出]により分析し、保持時間が9分
から12分の分画を集め、減圧濃縮して(+)−ヒダン
トサイジンと(−)−5−エピヒダントサイジンを含有
する粗製の反応成績体(1.98g)を得た。この粗製
反応成績体に(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−
エピヒダントサイジンが含まれていることは、以下のよ
うにして確認した。すなわち、この粗製の反応成績体を
ピリジン(8ml)に溶解し、無水酢酸(8ml)およ
び4−ジメチルアミノピリジン(80mg)を加え、室
温で1時間攪拌した。反応混合物に水(20ml)を加
え、酢酸エチル(40ml)で抽出し、有機層を1N硫
酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:2)で2回、さらに分取用シリカ
ゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
1:2)で2回精製し、(+)−テトラアセチルヒダン
トサイジン(2.7mg,0.012%)、[α]D 20
+93.6°(c=0.27,クロロホルム)および
(+)−テトラアセチル−5−エピヒダントサイジン
(8.9mg,0.038%)、[α]D 20+105°
(c=0.89,クロロホルム)をそれぞれ無色カラメ
ルとして得た。これらの生成物の各種スペクトルデータ
は標品の(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エピ
ヒダントサイジンの混合物をアセチル化して得た標品の
ものと完全に一致した。
0mmol)および尿素(3.6g,60mmol)を
よく混合し、130℃で1時間攪拌した。得られた茶褐
色カラメル状物質を逆相カラムクロマトグラフィー(Y
MC・GEL ODS−AQ120−S50, H
2O)で精製した。HPLC[(Asahipack、
HIKARISIL−C18、旭化成(6x150m
m)、0.2%酢酸緩衝液、0.5ml/min、UV
(220nm)で検出]により分析し、保持時間が9分
から12分の分画を集め、減圧濃縮して(+)−ヒダン
トサイジンと(−)−5−エピヒダントサイジンを含有
する粗製の反応成績体(1.98g)を得た。この粗製
反応成績体に(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−
エピヒダントサイジンが含まれていることは、以下のよ
うにして確認した。すなわち、この粗製の反応成績体を
ピリジン(8ml)に溶解し、無水酢酸(8ml)およ
び4−ジメチルアミノピリジン(80mg)を加え、室
温で1時間攪拌した。反応混合物に水(20ml)を加
え、酢酸エチル(40ml)で抽出し、有機層を1N硫
酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:2)で2回、さらに分取用シリカ
ゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
1:2)で2回精製し、(+)−テトラアセチルヒダン
トサイジン(2.7mg,0.012%)、[α]D 20
+93.6°(c=0.27,クロロホルム)および
(+)−テトラアセチル−5−エピヒダントサイジン
(8.9mg,0.038%)、[α]D 20+105°
(c=0.89,クロロホルム)をそれぞれ無色カラメ
ルとして得た。これらの生成物の各種スペクトルデータ
は標品の(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エピ
ヒダントサイジンの混合物をアセチル化して得た標品の
ものと完全に一致した。
【0020】
【実施例2】
【0021】
【化10】
【0022】D−イソアスコルビン酸(3.0g,14
mmol)および尿素(830mg,14mmol)を
よく混合し、130℃で1時間攪拌した。得られた茶褐
色カラメル状物質を水(35ml)に溶解し、Dowe
x 50W(1.1g)を加え、45℃で3時間攪拌し
た。イオン交換樹脂を濾去した後、溶媒を減圧留去し得
られた残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(YMC・
GEL ODS−AQ120−S50, H2O)で精
製した。HPLC[(Asahipack、HIKAR
ISIL−C18、旭化成(6x150mm)、0.2
%酢酸緩衝液、0.5ml/min、UV(220n
m)で検出]により分析し、保持時間が9分から12分
の分画を集め、減圧濃縮して(+)−ヒダントサイジン
と(−)−5−エピヒダントサイジンを含有する粗製の
反応成績体(0.32g)を得た。この粗製反応成績体
に(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エピヒダン
トサイジンが含まれていることは、以下のようにして確
認した。すなわち、この粗製の反応成績体をピリジン
(5ml)に溶解し、無水酢酸(5ml)および4−ジ
メチルアミノピリジン(100mg)を加え、室温で1
時間攪拌した。反応混合物に水(15ml)を加え、酢
酸エチル(35ml)で抽出し、有機層を1N硫酸およ
び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=1:2)および分取用シリカゲル薄層クロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で順次精
製し、(+)−テトラアセチルヒダントサイジンと
(+)−テトラアセチル−5−エピヒダントサイジンの
1:4の混合物(10.3mg,0.19%)を無色カ
ラメルとして得た。この生成物の各種スペクトルデータ
は、標品の(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エ
ピヒダントサイジンの混合物をアセチル化して得た標品
の混合物のものと完全に一致した。
mmol)および尿素(830mg,14mmol)を
よく混合し、130℃で1時間攪拌した。得られた茶褐
色カラメル状物質を水(35ml)に溶解し、Dowe
x 50W(1.1g)を加え、45℃で3時間攪拌し
た。イオン交換樹脂を濾去した後、溶媒を減圧留去し得
られた残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(YMC・
GEL ODS−AQ120−S50, H2O)で精
製した。HPLC[(Asahipack、HIKAR
ISIL−C18、旭化成(6x150mm)、0.2
%酢酸緩衝液、0.5ml/min、UV(220n
m)で検出]により分析し、保持時間が9分から12分
の分画を集め、減圧濃縮して(+)−ヒダントサイジン
と(−)−5−エピヒダントサイジンを含有する粗製の
反応成績体(0.32g)を得た。この粗製反応成績体
に(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エピヒダン
トサイジンが含まれていることは、以下のようにして確
認した。すなわち、この粗製の反応成績体をピリジン
(5ml)に溶解し、無水酢酸(5ml)および4−ジ
メチルアミノピリジン(100mg)を加え、室温で1
時間攪拌した。反応混合物に水(15ml)を加え、酢
酸エチル(35ml)で抽出し、有機層を1N硫酸およ
び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=1:2)および分取用シリカゲル薄層クロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で順次精
製し、(+)−テトラアセチルヒダントサイジンと
(+)−テトラアセチル−5−エピヒダントサイジンの
1:4の混合物(10.3mg,0.19%)を無色カ
ラメルとして得た。この生成物の各種スペクトルデータ
は、標品の(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−エ
ピヒダントサイジンの混合物をアセチル化して得た標品
の混合物のものと完全に一致した。
【0023】
【参考例1】
【0024】
【化11】
【0025】(+)−ヒダントサイジンと(−)−5−
エピヒダントサイジンの1:3の混合物(T.Tera
shima et al., Tetrahedron
Lett., 34,6289(1993).)(1
09.0mg)をピリジン(2ml)に溶解し、無水酢
酸(2ml)および4−ジメチルアミノピリジン(20
mg)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水
(10ml)を加え、酢酸エチル(30ml)で抽出
し、有機層を1N硫酸および飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去した。残渣を分取用シリカゲル薄層クロマ
トグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製
し、(+)−テトラアセチルヒダントサイジン(20.
1mg,10.4%)と(+)−テトラアセチル−5−
エピヒダントサイジン(61.3mg,31.7%)を
それぞれ無色カラメルとして得た。
エピヒダントサイジンの1:3の混合物(T.Tera
shima et al., Tetrahedron
Lett., 34,6289(1993).)(1
09.0mg)をピリジン(2ml)に溶解し、無水酢
酸(2ml)および4−ジメチルアミノピリジン(20
mg)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水
(10ml)を加え、酢酸エチル(30ml)で抽出
し、有機層を1N硫酸および飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去した。残渣を分取用シリカゲル薄層クロマ
トグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製
し、(+)−テトラアセチルヒダントサイジン(20.
1mg,10.4%)と(+)−テトラアセチル−5−
エピヒダントサイジン(61.3mg,31.7%)を
それぞれ無色カラメルとして得た。
【0026】(+)−テトラアセチルヒダントサイジ
ン: [α]D 20 +98.4°(c=1.18,CHCl3) IR (neat,cm-1) 3250, 1815, 1760, 1380, 1310, 1240, 1110, 1050, 76
01 H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 2.06 (3H, s, OAc) 2.10 (3H, s, OAc) 2.14 (3H, s, OAc) 2.57 (3H, s, NAc) 4.17 (1H, dd, J=12.4, 5.9Hz, CH2OAc) 4.58 (1H, dd, J=12.4, 2.7Hz, CH2OAc) 4.62 (1H, ddd, J=8.6, 5.9, 2.7Hz, H-2) 5.46 (1H, dd, J=8.6, 7.2Hz, H-3) 5.69 (1H, d, J=7.2Hz, H-4) 7.49 (1H, br s, NH) HRMS(m/z) C15H18N2O10(M+) 測定値 387.1058 計算値 387.1037
ン: [α]D 20 +98.4°(c=1.18,CHCl3) IR (neat,cm-1) 3250, 1815, 1760, 1380, 1310, 1240, 1110, 1050, 76
01 H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 2.06 (3H, s, OAc) 2.10 (3H, s, OAc) 2.14 (3H, s, OAc) 2.57 (3H, s, NAc) 4.17 (1H, dd, J=12.4, 5.9Hz, CH2OAc) 4.58 (1H, dd, J=12.4, 2.7Hz, CH2OAc) 4.62 (1H, ddd, J=8.6, 5.9, 2.7Hz, H-2) 5.46 (1H, dd, J=8.6, 7.2Hz, H-3) 5.69 (1H, d, J=7.2Hz, H-4) 7.49 (1H, br s, NH) HRMS(m/z) C15H18N2O10(M+) 測定値 387.1058 計算値 387.1037
【0027】(+)−テトラアセチル−5−エピヒダン
トサイジン: [α]D 20 +103°(c=0.92,CHCl3) IR (neat,cm-1) 3250, 1815, 1760, 1380, 1310, 1240, 1125, 1095, 10
50, 7601 H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 2.05 (3H, s, OAc) 2.14 (3H, s, OAc) 2.16 (3H, s, OAc) 2.54 (3H, s, NAc) 4.05 (1H, dd, J=12.4, 4.1Hz, CH2OAc) 4.67 (1H, dd, J=12.4, 2.7Hz, CH2OAc) 4.97 (1H, ddd, J=6.8, 4.1, 2.7Hz, H-2) 5.33 (1H, dd, J=8.6, 6.8Hz, H-3) 5.44 (1H, d, J=8.6Hz, H-4) 7.58 (1H, br s, NH) HRMS(m/z) C15H18N2O10(M+) 測定値 387.1022 計算値 387.1037
トサイジン: [α]D 20 +103°(c=0.92,CHCl3) IR (neat,cm-1) 3250, 1815, 1760, 1380, 1310, 1240, 1125, 1095, 10
50, 7601 H-NMR (400MHz, CDCl3) δ 2.05 (3H, s, OAc) 2.14 (3H, s, OAc) 2.16 (3H, s, OAc) 2.54 (3H, s, NAc) 4.05 (1H, dd, J=12.4, 4.1Hz, CH2OAc) 4.67 (1H, dd, J=12.4, 2.7Hz, CH2OAc) 4.97 (1H, ddd, J=6.8, 4.1, 2.7Hz, H-2) 5.33 (1H, dd, J=8.6, 6.8Hz, H-3) 5.44 (1H, d, J=8.6Hz, H-4) 7.58 (1H, br s, NH) HRMS(m/z) C15H18N2O10(M+) 測定値 387.1022 計算値 387.1037
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、安価で入手容易
なD−イソアスコルビン酸及び尿素を原料として用い
て、(+)−ヒダントサイジンおよび(−)−5−エピ
ヒダントサイジンを極めて簡便に一段階で製造しうる。
なD−イソアスコルビン酸及び尿素を原料として用い
て、(+)−ヒダントサイジンおよび(−)−5−エピ
ヒダントサイジンを極めて簡便に一段階で製造しうる。
Claims (1)
- 【請求項1】 次の式 【化1】 で表されるD−イソアスコルビン酸と次の式 【化2】 で表される尿素を反応させることを特徴とする、次の式 【化3】 で表される(+)−ヒダントサイジンおよび次の式 【化4】 で表される(−)−5−エピヒダントサイジンの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27600493A JPH07109280A (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | ヒダントサイジンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27600493A JPH07109280A (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | ヒダントサイジンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07109280A true JPH07109280A (ja) | 1995-04-25 |
Family
ID=17563442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27600493A Pending JPH07109280A (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | ヒダントサイジンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07109280A (ja) |
-
1993
- 1993-10-08 JP JP27600493A patent/JPH07109280A/ja active Pending
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