JPH07109129A - フロートバス内張用耐火れんが - Google Patents

フロートバス内張用耐火れんが

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JPH07109129A
JPH07109129A JP5254266A JP25426693A JPH07109129A JP H07109129 A JPH07109129 A JP H07109129A JP 5254266 A JP5254266 A JP 5254266A JP 25426693 A JP25426693 A JP 25426693A JP H07109129 A JPH07109129 A JP H07109129A
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JP
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refractory brick
lining
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float bath
weight
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JP5254266A
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English (en)
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Ryusuke Izumi
龍介 泉
Manabu Fukuyama
学 福山
Takashi Umezawa
孝志 梅沢
Katsumi Yoneyama
勝美 米山
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OSAKA YOGYO FIRE BRICK
YOOTAI KK
Original Assignee
OSAKA YOGYO FIRE BRICK
YOOTAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】板ガラスの製造に用いられるフロートバスの内
張に使用する耐火れんがであって、特にフレーキング現
象を起こしにくいフロートバス内張用耐火れんがを提供
する。 【構成】Al2 3 を35〜50重量%含有し、Na2
OとK2 Oの合量が1重量%以下であるSiO2 −Al
2 3 系耐火れんがからなるフロートバス内張用耐火れ
んがにおいて、MgOとCaOの合量を0.5〜2重量
%としたことを特徴とする。この耐火れんがによれば、
板ガラス中に含まれるアルカリが内張用耐火れんがに作
用して耐火れんがの表面を変質させ、耐火れんがの表面
を剥離させるフレーキング現象を効果的に防止できると
ともに、優れた耐スポーリング性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板ガラスの製造法の一
つであるフロート法に用いられるフロートバスの内張用
の耐火れんがに関し、特にフレーキング現象を起こしに
くいフロートバス内張用耐火れんがに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フロートバスは、金属製のケーシングに
耐火れんがを内張りして構成されており、通常は錫また
は錫合金からなる溶融金属をその内部に収容して水平な
浴面を形成させ、ガラス溶解炉で溶融したガラスをこの
浴面上に流出させて帯状のガラスとし、水平浴面に沿っ
てこの帯状のガラスを浮遊前進させることによって表面
が平滑化された板ガラスとした後、次工程へ送る設備で
ある。浴の温度は、製造される板ガラスの化学組成や目
標とするガラスの厚みによって異なるが、一般的にはソ
ーダ・ライム系ガラスの場合、ガラス溶解炉に隣接して
いるフロートバスの入口付近で約1050℃、フロート
バスの出口付近で約600℃にコントロールされてい
る。
【0003】かようなフロートバス内張用耐火れんがに
は、次のような性能が要求される。すなわち、内張用耐
火れんがの表面は溶融金属に直接接触するため、溶融金
属に対する耐食性を有していなければならない。また、
溶融金属の浴面を浮遊前進する板ガラス中に含まれるア
ルカリ成分であるNa2 OとK2 Oが、溶融金属を介し
て内張用耐火れんがの表面に達してれんがを変質させる
ため、耐アルカリ性が要求される。さらに、フロートバ
スの上部空間は溶融金属の酸化を防止するために窒素と
水素の混合ガスで満されているため、内張用耐火れんが
は耐還元雰囲気性も要求される。また、板ガラス製造品
種の交替と変化に伴って起るフロートバス内の温度変動
に耐えるための耐スポーリング性や、ガラスに接する耐
火物の基本性能として発泡しにくい性質あるいは泡切れ
しやすい性質も必要である。さらには、雰囲気ガスの気
泡が板ガラスと溶融金属浴との界面に留って板ガラスの
表面を傷付けないように、ガスがケーシング側へ逃げる
ための適性な気孔径分布と気孔率を有することも必要で
ある。
【0004】フロートバス内張用耐火れんがに必要な上
述したごとき一般的性能については、従来から良く研究
され殆どは解決ずみであり、良好なフロートバス内張用
耐火れんがとしては、Al2 3 が30〜80重量%の
SiO2 −Al2 3 系耐火れんがが従来から使用され
定着している。また、Al2 3 が35〜50重量%で
あり、Na2 OとK2 Oの合量が1重量%以下であるS
iO2 −Al2 3 系耐火れんがも、フロートバス内張
用耐火れんがとして従来から使用されている。(例え
ば、特公昭53−11521号公報やヨーロッパ特許公
開0453886号公報等。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、板ガラス中に
含まれるアルカリ(Na2 OとK2 O)はフロートバス
内張用耐火れんがに作用して耐火れんがの表面を変質さ
せ、耐火れんがの表面を剥離させるフレーキング現象が
しばしば観察される。フレーキング現象発生のメカニズ
ムは未だ充分に解明されていないが、以下のように推察
される。すなわち、板ガラス中に含まれるNa2 OとK
2 O(両者の作用メカニズムは同様であるので、以下の
説明ではNa2 Oのみについて記述する)は、フロート
バス内の溶融金属を介して内張用耐火れんがの表面に到
達し、SiO2 −Al2 3 系耐火れんがの成分と反応
してネフェリン(Na2 O・Al2 3 ・2SiO2
を生成して表面の変質を起し、容積の増大化を引き起こ
す。このネフェリンはもとの内張用耐火れんがに比べて
熱膨脹係数が大きいため、長期間使用中の温度変化によ
って、ネフェリンを生じている表面変質層ともとの耐火
れんがの鉱物組成のままの内部原質層との間にゆるみを
生じ、一定の厚みで表面が剥離することによりフレーキ
ング現象を引き起こすものと考えられる。
【0006】フロートバスは通常約10年間連続操業
し、その間に内張用耐火れんがを交換することができな
い。操業中にフレーキング現象が発生すると、板ガラス
製品に傷が付いたり、板ガラスに付着した剥離片によっ
てフロートバス出口端後方にあるロールを傷付けるとい
う大きなトラブルの原因になるので、フレーキング現象
は是非防止しなければならない問題であるが、その完全
な防止策は未だ見出されていない。
【0007】そこで本発明は、フロートバス内張用耐火
れんがとして要求される前述した一般的な諸性能を具備
するとともに、特にフレーキング現象が発生しにくい性
質を有するフロートバス内張用耐火れんがを提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述したように、Al2
3 を35〜50重量%含有し、Na2 OとK2 Oの合
量が1重量%以下であるSiO2 −Al2 3 系耐火れ
んがからなるフロートバス内張用耐火れんがは従来から
使用されているものであるが、この種の従来の耐火れん
がにおいては、MgO成分やCaO成分の含量に関して
は特に着目されておらず、これらの成分の含量とフレー
キング現象発生との関係については特に検討されていな
かった。
【0009】そこで本発明者らは、この種の耐火れんが
に耐フレーキング性を付与すべく鋭意研究した結果、M
gOとCaOの合量の所定量を耐火れんが中に含有させ
ることによってフレーキング現象を防止できることを見
出し、本発明を完成させたものである。
【0010】すなわち本発明のフロートバス内張用耐火
れんがは、Al2 3 を35〜50重量%含有し、Na
2 OとK2 Oの合量が1重量%以下であるSiO2 −A
23 系耐火れんがからなるフロートバス内張用耐火
れんがにおいて、MgOとCaOの合量を0.5〜2重
量%としたことを特徴とするものである。
【0011】MgOとCaOの合量として所定の範囲内
で含有させた本発明の耐火れんがをフロートバスの内張
りに使用した場合には、ガラス中のNa2 Oが耐火れん
がをアタックした際に、Na2 Oはネフェリンを生成し
ないか僅かしか生成せず、殆どのNa2 OはNa2 O−
CaO−SiO2 系およびNa2 O−MgO−SiO2
系の高融点、高粘性のガラスを耐火れんがの表面に生成
する。生成したこのガラスは、Na2 Oが耐火れんがの
更に深くまで浸透するのを防止するとともに、ネフェリ
ン生成による表面変質層の膨脹を吸収し、フレーキング
現象を効果的に防止する働きがある。
【0012】また、本発明の耐火れんがをフロートバス
のボトム耐火れんがとして内張りした場合には、アノー
サイト(CaO・Al2 3 ・2SiO2 )およびコー
ジライト(2MgO・2Al2 3 ・5SiO2 )系の
低膨脹性鉱物が形成されるため、耐火れんがは優れた耐
スポーリング性を示す。
【0013】本発明の耐火れんが中に所要量の[MgO
+CaO]量を含有させるためには、所要量の[MgO
+CaO]量を含有する耐火物骨材を使用するか、ドロ
マイト(CaCO3 ・MgCO3 )、フォルステライト
(MgO・SiO2 )、水酸化カルシウム、アルミナセ
メント、ウォラストナイト(CaO・SiO2 )、スピ
ネル(MgO・Al2 3 )、蛇紋岩、石膏(CaSO
4 )、タルク等のMgOまたはCaOを主成分とする原
料を耐火れんが中に必要量配合してMgOまたはCaO
の量を制御することにより、所要量の[MgO+Ca
O]量を含有させることができる。
【0014】耐火れんが中の[MgO+CaO]量は、
0.5〜2重量%、好ましくは0.7〜1.5重量%の
範囲内とする。0.5重量%より少ないとNa2 O−C
aO−SiO2 系およびNa2 O−MgO−SiO2
の高融点、高粘性ガラスの生成量が少いため、所望の機
能を発揮できない。一方、2重量%より多く含有させる
と、耐火れんがの製造時および保管時にスレーキング現
象が発生しやすくなるだけでなく、れんが製造時の杯土
の可使時間が短くなり、取り扱い難くなり、更には焼結
が進み過ぎて通気率が低くなり、耐スポーリング性も劣
るものとなる。
【0015】本発明の耐火れんがの主原料となるSiO
2 −Al2 3 系耐火物原料としては、骨材原料として
は、合成ムライトクリンカー、シャモット、ロー石、ア
ンダリュサイト、カイアナイト等の各種のSiO2 ・A
2 3 系原料が使用できる。また微粉原料としては、
カオリナイト質粘土、焼成アルミナ微粉、シリカフラワ
ー、木節粘土、ロー石等の各種のSiO2 −Al2 3
系原料が使用できる。いずれの原料を選んでも、耐火れ
んが全体のAl2 3 含量が35〜50重量%の範囲に
入れば、どの様な比率で組合わせてもよい。
【0016】Al2 3 含量が35重量%よりも少ない
と、相対的にSiO2 含量が多くなり、Na2 O−Si
2 系の低融点ガラスを生成する。フロートバスの操業
中にこの低融点ガラスの融液が製品板ガラスの下面に付
着すると不良品発生のもとになるため、Al2 3 含量
は35重量%以上としなければならない。一方、Al2
3 含量が50重量%を越すと、耐火れんが中のムライ
ト相が多くなり、その結果、ネフェリンの生成量が多く
なってフレーキングの発生につながりやすい。また、A
2 3 含量が多量に過ぎると、耐火れんがの熱膨張が
大きくなり、別のトラブルを生じ易くなる。
【0017】本発明の耐火れんがにおける[Na2 O+
2 O]量は1重量%以下、好ましくは0.6重量%以
下とする。1重量%より多くなると、耐火れんがの焼結
が進み過ぎて、通気性が悪く、耐スポーリング性に劣る
ものとなる。
【0018】以下に本発明の耐火れんがの製造方法を、
流し込み成形による製造方法を例に挙げて説明する。製
造工程としては、耐火れんが材料の配合工程、配合物へ
水を添加して混練する工程、混練物の成形工程、成形物
の硬化・乾燥工程、および乾燥成形物の焼成工程からな
る。
【0019】耐火れんが材料を配合するに際しては、先
ずSiO2 −Al2 3 系骨材原料とSiO2 −Al2
3 系微粉原料を配合して、Al2 3 含量が35〜5
0重量%の範囲となるようにするとともに、粒度調整し
て、1mm以上の粗粒が20〜60重量%、0.09m
m以下の微粉が20〜50重量%となるようにする。さ
らに、微粉のうち、粒径5μ以下の超微粉が耐火れんが
材料配合物(骨材、微粉の他に後述するアルミナセメン
ト等の耐火れんが材料全ての配合物)中に1〜25重量
%占めるようにする。5μ以下の超微粉が1重量%より
少ないと、配合物に水を加えて混練物としこれを成形す
る際に流動性が悪くなる。流動性を良くするために水の
添加量を増やすと、多孔質で強度の弱い耐火れんがが出
来上がる。5μ以下の超微粉が25重量%を越えると、
成形時の充填密度が低下するだけでなく、焼成時に変形
と収縮亀裂が発生する危険がある。
【0020】流し込み成形の場合には、木枠、金枠、プ
ラスチック枠といった通常吸水性のない枠に耐火れんが
材料の混練物を流し込むため、混練物に自硬性をもたせ
る必要がある。さらに、SiO2 −Al2 3 系原料の
配合だけでは[MgO+CaO]量を所定範囲に調整し
にくい。そこで、混練物に自硬性を与えるための結合
剤、さらにはCaO成分量をコントロールして[MgO
+CaO]量を所定範囲に調整するための調整剤とし
て、アルミナセメントをSiO2 −Al2 3 系原料に
配合する。アルミナセメントの配合量は耐火れんが材料
配合物に対して0.1〜8重量%とする。0.1重量%
より少ない配合量の場合、枠内に充填した後の硬化に長
時間を要するため能率が低下するだけでなく、硬化成形
物の強度が低いために脱枠時あるいは乾燥炉への搬入や
窯詰め等の次工程でのハンドリング中に破損するおそれ
がある。一方、8重量%を越えてアルミナセメントを配
合すると、流し込み成形時の混練物の可使時間が短くな
り過ぎるとともに、配合物への水の添加量を増加しなく
てはならないため、緻密な耐火れんがが得られなくな
る。
【0021】また、アルミナセメントの配合に伴ない、
アルミナセメントと超微粉とを十分に分散させて、材料
配合物への比較的少量の水の添加で良好な流動性をもつ
混練物が得られるようにするために分散剤を配合する。
分散剤の配合量は、所望の分散性が得られるのに必要な
有効量とすればよく、一般的には耐火れんが材料配合物
に対して外掛で0.05〜3重量%程度の配合量とす
る。分散剤としてはヘキサメタリン酸ナトリウム、フミ
ン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン
酸ナトリウム、ポリカルボン酸ナトリウム、ケイ酸ナト
リウム等の従来から慣用されているものが使用できる。
【0022】上述したSiO2 −Al2 3 系原料およ
びアルミナセメントの配合比率を調整することによっ
て、Al2 3 を35〜50重量%、[Na2 O+K2
O]量を1重量%以下、[MgO+CaO]量を0.5
〜2重量%の範囲内に入るような耐火れんが材料配合物
を得ることができる。
【0023】かくして得られた耐火れんが材料配合物に
7〜8重量%程度の水を加えて混練することにより、所
望の流動性をもつ混練物が得られる。流し込み成形によ
るときは、この混練物を枠に流し込み充填して成形物と
する。充填に際して振動を加えるとともに、減圧脱気を
行うことにより、内部の大きな気泡を除去することがで
きる。枠内の充填物を硬化させるに際しては、温度20
〜50℃、湿度60〜80%の恒温恒湿室で養生させる
と、内部に傷が生じにくい。
【0024】硬化を待って翌日〜1週間後に脱枠し、乾
燥工程を経て焼成するが、焼成温度は1100〜140
0℃とする。1100℃より低い温度で焼成したものは
鉱物組成が安定しておらず、フロートバスでの使用温度
において鉱物変化を起こして剥離損傷を発生しやすい。
一方、1400℃より高温で焼成すると、焼結が進み過
ぎて耐スポーリング性に劣るものとなる。
【0025】成形方法としては、上記した流し込み成形
の他にプレス成形や鋳込み成形を採用することもでき
る。プレス成形を採用する場合には、流し込み成形と同
様の耐火れんが材料配合物で添加水量を3〜5%に減ら
せば成形可能である。乾燥、焼成等のその後の工程は全
く同一である。ただし、アルミナセメントを添加した配
合物をプレス成形する場合、可使時間が短くなるので、
一度に大量に混練しないように配慮する必要がある。こ
のような問題があるので、アルミナセメント以外の結合
剤、例えばリグニンスルホン酸塩、糖蜜、フノリ、CM
C等の有機バインダーを使用するとよい。また、[Ca
O+MgO]量を調整するために、アルミナセメントの
代わりにドロマイトを使用することもできる。
【0026】成形方法として石膏枠を用いる鋳込み成形
を採用する場合には、石膏に水を吸収させて固めるの
で、混練物は自硬性を持たなくてよい。前記のようにA
2 3 量、[CaO+MgO]量、[Na2 O+K2
O]量を所定量に合わせて、少量の分散剤を加えて混練
し成形する。石膏枠による鋳込み成形も減圧脱気下の混
練が有効である。
【0027】本発明の耐火れんがをフロートバス内張用
としてユーザーへ供給する場合には、通常は、例えば3
00×600×900mmの焼成物の6面を研摩加工
し、固定用の穴あけ加工を行い、所定寸法に仕上げて供
給する。
【0028】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに説明する。表1に実施例および比較例で使用した
耐火れんが材料の化学分析値を示す。これらの材料のう
ち、AシャモットはCaOとMgOの含量が多い点に、
CシャモットはK2 O含量が多い点に特徴がある。
【0029】実施例1〜5および比較例1〜4は、流し
込み成形を用いて耐火れんがを製造したものである。表
2の配合比率とした耐火れんが材料の粉体配合物をそれ
ぞれ400Kgずつ調合し、これに7〜8重量%の水を
加えて600トル以下の減圧下で脱気しながら10分間
混練し、次いで振動テーブル上にセットした内寸300
×600×900mmの木枠に混練物を流し込み、5分
間振動を加えて充填した。温度20〜50℃、湿度60
〜80%の恒温恒湿室で養生して硬化させたのち脱枠
し、乾燥後、1300℃で10時間焼成した。
【0030】実施例6はプレス成形を用いて耐火れんが
を製造した例であり、内寸300×600×900mm
の金枠を用いて油圧プレスによって成形した。また、
[CaO+MgO]量を調整するために、アルミナセメ
ントの代わりにドロマイトを使用し、結合剤としてリグ
ニンスルホン酸塩からなる有機バインダーを使用した。
【0031】実施例7は鋳込み成形を用いて耐火れんが
を製造した例であり、内寸300×600×900mm
の石膏枠を用いて圧力鋳込みによって成形した。また、
[CaO+MgO]量を調整するためにドロマイトを使
用し、分散剤としてケイ酸ソーダを使用した。
【0032】各実施例および比較例で得られた焼成物に
ついて、下記の試験を行った。見掛気孔率、かさ比重、
圧縮強さ、X線検出鉱物および耐スポール性の試験結果
は表3に示し、アルカリ反応試験の結果は表4に示し
た。
【0033】見掛気孔率、かさ比重:65×115×1
15mmの並形半裁程度の試料を切り出してJIS R
2205に基づいて試験を行った。
【0034】圧縮強さ:65×115×115mmの並
形半裁程度の試料を切り出してJIS R2206に基
づいて試験を行った。
【0035】X線検出鉱物:X線回折試験のX線チャー
トのピークの高さを相対比で比較して示した。強度の順
に VS>S>M>W>F>− で表示した。VSが最も強く、Fは最も弱く、−は無視
できる程度のものとした。
【0036】耐スポール性:60×60×60mmの立
方体試料を切出して試験を行った。1000℃で15分
間全体加熱→3分間水冷→12分間空冷のサイクルを繰
り返し、最高25サイクルの加熱冷却を行った。途中で
剥落したものはその数字を示して中止した。
【0037】アルカリ反応試験:試験に用いた装置の概
略図を図1に示す。100×100×60mmの試料1
を切り出し、100×100mmの試料面1aに直径が
55mm、深さ3mmの皿状の窪み2を形成した。窪み
2にアルカリとして硫酸ナトリウム10gを載せ、シリ
コニット発熱体3および熱電対4を備えた上面加熱式の
電気炉にこの試料を置き、熱サイクルをかけて試験し
た。熱サイクルは、図2に示すように700〜1000
℃の昇降温を1サイクル60分で200回繰り返した。
この間、40サイクルごとに硫酸ナトリウムを10gず
つ4回追加装入し、合計50gの硫酸ナトリウムを使用
した。加熱面1aから5mmの深さの位置における試験
前後の寸法変化を測定して線変化率を求めるとともに、
加熱面1aから5mmの深さまでの変質層における平均
試料のX線回折試験を行った。X線回折試験のX線チャ
ートのピークの高さを相対比で比較し、その強度の順
を、上記「X線検出鉱物」の項で示した強度の順と同じ
記号で表示した。
【0038】
【0039】 表2の註 *1:粒径5μ以下の超微粉を5重量%未満含有する。 *2:粒径5μ以下の超微粉を10重量%未満含有す
る。 *3:粒径5μ以下の超微粉を5重量%以上含有する。 *4:粒径5μ以下の超微粉を30重量%以上含有す
る。 *5:粒径5μ以下の超微粉を90重量%以上含有す
る。 *6:粒径5μ以下の超微粉を95重量%以上含有す
る。
【0040】
【0041】
【0042】表2および表3からわかるように、Al2
3 、[CaO+MgO]および[K2 O+Na2 O]
の各含量が所定範囲にある実施例1〜5の耐火れんが
は、耐スポール性に優れている。比較例1は[K2 O+
Na2 O]量が所定量より多いため、焼結が進み過ぎて
耐スポール性を低下させている。比較例2は主骨材とし
て合成ムライトを使用したためAl2 3 量が所定量よ
り多いものであり、これも耐スポール性が悪い。比較例
3は[CaO+MgO]量が所定量よりも多く、比較例
4は逆に所定量よりも少ないものであり、いずれも耐ス
ポール性がやや悪い傾向にある。
【0043】表4に結果を示したアルカリ反応試験は、
フロートバスの操業条件を想定してフレーキング現象発
生の可能性を評価するものである。[Na2 O+K
2 O]量が所定量よりも多い比較例1と、Al2 3
が所定量よりも多い比較例2と、[CaO+MgO]量
が所定量よりも少い比較例4において、実施例1〜5の
ものに比べていずれも加熱面の線変化率が大きくなって
いる。線変化率の値は全て+(膨脹)を示す。また変質
層のX線検出鉱物からわかるように、所定量範囲のAl
2 3 量、[CaO+MgO]量および[Na2 O+K
2 O]量を含有している実施例1〜5の耐火れんがはネ
フェリンの生成が少く、逆に所定量範囲をはずれている
比較例1〜4のものはネフェリンの生成が多い。また比
較例2においては、変質層にβアルミナが生成されて膨
れている。従って、実施例による耐火れんがをフロート
バス内張用として使用する場合は、比較例のものと比べ
てフレーキング現象が発生しにくいことがわかる。
【0044】また、金枠を用いたプレス成形により製造
した実施例6、および石膏枠を用いた鋳込み成形により
製造した実施例7の耐火れんがも、木枠を用いた流し込
み成形により製造した実施例1〜5のものと同様に、フ
レーキング現象が発生しにくく、耐スポール性にも優れ
たものとなる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したところからわかるように、
本発明によるフロートバス内張用耐火れんがはフレーキ
ング現象の発生しにくい性質を有するとともに耐スポー
リング性にも優れたものとなる。従って、本発明の耐火
れんがをフロートバスの内張りに使用することによっ
て、フロート法によるガラス製造設備の安定操業が可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火れんがのアルカリ反応試験に用い
た装置の概略説明図である。
【図2】アルカリ反応試験における熱サイクルを説明す
るグラフである。
【符号の説明】
1…試料 2…窪み 3…シリコニット発熱体 4…熱電対。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al2 3 を35〜50重量%含有し、
    Na2 OとK2 Oの合量が1重量%以下であるSiO2
    −Al2 3 系耐火れんがからなるフロートバス内張用
    耐火れんがにおいて、MgOとCaOの合量を0.5〜
    2重量%としたことを特徴とするフロートバス内張用耐
    火れんが。
JP5254266A 1993-10-12 1993-10-12 フロートバス内張用耐火れんが Pending JPH07109129A (ja)

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