JPH0710896B2 - 高分子量カチオン性アクリル系重合体の製造方法 - Google Patents

高分子量カチオン性アクリル系重合体の製造方法

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JPH0710896B2
JPH0710896B2 JP10767687A JP10767687A JPH0710896B2 JP H0710896 B2 JPH0710896 B2 JP H0710896B2 JP 10767687 A JP10767687 A JP 10767687A JP 10767687 A JP10767687 A JP 10767687A JP H0710896 B2 JPH0710896 B2 JP H0710896B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水溶性が良好で、乾燥した粉粒状の高分子量カ
チオン性アクリル系重合体の製造方法に関する。さらに
詳しくは、粉粒状のカチオン性凝集剤として適した重合
体を製造するにあたり、その重合体ゲルの粘着性を低下
せしめ、細粒化して乾燥を容易ならしめ、水溶性が良好
で、かつ乾燥した粉粒状の高分子量カチオン性アクリル
系重合体の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
水溶性カチオン性重合体は、産業廃水、下水汚泥、屎尿
汚泥などの有機系物質を多く含有する廃水などの凝集処
理剤などとして広く用いられている。
現在、凝集剤として実用的に使用されているカチオン性
重合体として、ポリアクリルアミドのマンニッヒ反応ま
たはホフマン反応によるカチオン変性物、ポリアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアリルアミン
系重合体、ポリエチレンイミンなどの合成高分子を用い
たもの、さらには甲殻類から採取するキトサンのごとき
天然高分子を用いたものなどがある。とりわけ、有機系
物質を多量に含有する廃水などの処理に凝集剤として圧
倒的に多量使用されているのはアルキルアミノアルキル
アクリレート系重合体である。
通常、ジメチルアミノエチルアクリレートのごときジア
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類は、鉱酸
などで中和して第3級アミン塩にされたのち、またはア
ルキルハライド、ベンジルハライド、ジアルキルサルフ
ェートなどを付加させて第4級アンモニウム塩にされた
のち、単独または他の単量体とともに重合せしめられ
て、凝集剤として使用しうるカチオン性水溶性重合体が
製造されている。
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのごと
きジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類
なども、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト類と同様に凝集剤として使用しうるカチオン性水溶性
重合体にすることができる。
通常、これらの凝集剤として使用しうるカチオン性水溶
性重合体は粒子径が0.1〜3mm程度の細粒状物として製品
化され、使用者に供給される。
前記(メタ)アクリル系カチオン性水溶性重合体の乾燥
細粒状物は種々の方法によってえられるが、代表的な方
法としては水溶液重合を行ない、えられた含水重合体を
乾燥せしめ、粉砕する一連の工程からなる方法があげら
れる。
このような含水重合体を製造するばあい、取扱いやすい
流動性を有する重合体含有物となるように低い単量体濃
度で重合を行なわせると、重合反応の進行に多大の時間
を要し、乾燥物をうるには多量の水分を除去することが
必要となり、そのための設備規模も増大するなど、低い
製造効率しかえられない。
一方、高い単量体濃度で重合を行なったときには重合反
応が速やかにおこり、比較的少量の水分を除去すること
によって乾燥物が効率よくえられるなどの利点を有する
反面、含水重合体はゴム状の硬いゲル状を呈するなど、
取扱いが困難になることも少なくない。とくに問題とな
るのは、えられる重合体ゲルが強い粘着性を有し、重合
体ゲルと切断・破砕装置、乾燥機などとの付着性や重合
体ゲル同士の付着性が強く、それに対処するためには多
大の設備、作業者、高度の技術などを必要とすることで
ある。
アクリルアミドなどのノニオン性重合体ゲルまたはその
加水分解物などのアニオン性重合体ゲルを取扱うばあ
い、高級脂肪酸、そのナトリウム塩である石鹸などを添
加する方法が、重合体ゲルの粘着性を抑え、重合体ゲル
同士の付着性を低減させる有効な方法として従来から知
られている。しかし、このような添加剤を用いると、重
合時に単量体水溶液が泡だち、容器からあふれ出した
り、充分に酸素除去が行なえず重合反応を阻害したりす
るなどの問題が生ずるほか、重合体の使用時においても
起泡性が高く、作業上問題を生じることが多い。
ノニオン性またはアニオン性の重合体ゲルの付着性低減
に高級脂肪酸または石鹸を用いると、前記のごとき問題
はあるが効果も認められる。
しかし、本発明におけるがごときカチオン性重合体の製
造に用いると、高級脂肪酸あるいは石鹸がカチオン性単
量体水溶液にほとんど溶解せず、いわゆるスカム状不溶
解物を生成したり、カチオン性重合体と水不溶性の塩を
形成して、カチオン性重合体の水溶液を著しく低下させ
たりするなどの凝集剤として致命的ともいえる問題が生
じ、これらをカチオン性重合体ゲルの付着性低減に使用
することができないのが実状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、高濃度の単量体水溶液を重合させると製造効
率がよくなるが、前記のごとき水溶性が良好で、乾燥し
た粉粒状、好ましくは整粒された高分子量カチオン性ア
クリル系重合体を製造するのが困難であるという問題を
解消するためになされたものであり、第3級アミンの高
級脂肪酸塩型のカチオン性単量体をアクリル系カチオン
性単量体水溶液中に共存せしめて共重合することなどの
方法により、重合体ゲルの粘着性を抑制し、ゲル体相互
間の付着性を低減せしめんとするもので、水溶性を損わ
ず、凝集剤として優れたカチオン性重合体をうることを
目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、一般式(I): (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそ
れぞれ炭素数1〜3のアルキル基で、R2とR3とは同じで
ある必要はない、R4は水素原子、炭素数1〜3のアルキ
ル基またはベンジル基、Yは−O−または−NH−、mは
1〜3の整数、X はハロゲンアニオン、モノアルキル
硫酸アニオンまたは鉱酸に由来するアニオンを表わす)
で表わされる単量体および一般式(II): (式中、R5は水素原子またはメチル基、R6およびR7はそ
れぞれ炭素数1〜3のアルキル基で、R6とR7とは同じで
ある必要はない、Aは−O−または−NH−、nは1〜3
の整数、Z は炭素数8〜18の直鎖または分岐鎖を有す
る飽和モノカルボン酸に由来するアニオンを表わす)で
表わされる単量体の混合物または該混合物にさらにその
他の水溶性アクリル系単量体を含む混合水溶液を重合さ
せて、水溶性で乾燥した粉粒状の高分子量カチオン性ア
クリル系重合体を製造する際に、 (a)単量体水溶液中の全単量体濃度が60〜80%(重
量%、以下同様)で、pHが4〜7の単量体水溶液と (b)全単量体量に対して0.001〜1%の次亜燐酸塩、
低級脂肪族第3級アミンおよび尿素化合物よりなる群か
ら選ばれた1種または2種以上と (c)全単量体量に対して光重合開始剤であるべンゾイ
ンおよびその誘導体よりなる群から選ばれた1種または
2種以上からなる光重合開始剤(A)0.0005〜0.03%な
らびに水溶性アゾ化合物の1種または2種以上からなる
光重合開始剤(B)0.001〜0.1% とを含有してなる混合水溶液中の溶存酸素濃度を1mg/
以下としたのち、 気相中の酸素濃度が1容量%以下の雰囲気下にある
可動式ベルト上に該混合水溶液を3〜18mmの厚さになる
ように供給し、 かかる可動式ベルト上の単量体水溶液に波長300〜4
50nm、混合水溶液表面の光強度が10〜20W/m2の光を30〜
60分間照射したのち、さらに波長300〜450nm、混合水溶
液表面の光強度が20〜30W/m2の光を30〜60分間照射して
ゴム状重合体ゲルを形成せしめ、 えられたゴム状重合体ゲルを反応装置から取出した
のち、さらにこれに空気中で波長200〜600nm、光強度10
00〜2000W/m2の光を1〜6分間照射し、 このゴム状重合体ゲルを、その重合体濃度を60〜85
%に保ちながらローラー型カッターで3〜18mm角に破砕
し、 ついで、重合体濃度を60〜85%に維持しつつ竪型切
断機で0.3〜3mm径に細粒化し、 100℃以下の熱風で乾燥する。
ことからなる水溶性が良好で、乾燥した粉粒状の高分子
量カチオン性アクリル系重合体の製造方法に関する。
〔実施例〕
本発明においては、一般式(I): (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそ
ぞれ炭素数1〜3のアルキル基で、R2とR3とは同じであ
る必要はない、R4は水素原子、炭素数1〜3のアルキル
基またはベンジル基、Yは−O−または−NH−、mは1
〜3の整数、X はハロゲンアニオン、モノアルキル硫
酸アニオンまたは鉱酸に由来するアニオンを表わす)で
表わされる単量体および一般式(II): (式中、R5は水素原子またはメチル基、R6およびR7はそ
れぞれ炭素数1〜3のアルキル基で、R6およびR7とは同
じである必要はない、Aは−O−または−NH−、nは1
〜3の整数、Z は炭素数8〜18の直鎖または分岐鎖を
有する飽和モノカルボン酸に由来するアニオンを表わ
す)で表わされる単量体からなる混合物が特定条件下で
共重合せしめられる。
前記一般式(I)で表わされる単量体の具体例として
は、たとえばN−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
N,N,N−トリメチルアンモニウム塩(クロライド、メチ
ルサルフェート)、N−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロ
ライド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N
−ジメチルアミン塩(塩酸塩、硫酸塩)、N−(メタ)
アクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアミン塩、
N−(メタ)アクリルアミドプロピル−N,N,N−トリメ
チルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド塩(塩酸塩、硫酸塩)な
どがあげられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上
併用してもよい。
また、前記一般式(II)で表わされる単量体の具体例と
しては、たとえばN−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ル−N,N−ジメチルアミン、N−メタクリロイルオキシ
エチル−N,N−ジエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミドなどの第3級アミノ基を
有する化合物の少なくとも1種とカプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸などの飽和高級脂肪酸の少なくとも1種とからな
る高級脂肪酸塩があげられ、これらは単独で用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。
前記一般式(I)で表わされる単量体および一般式(I
I)で表わされる単量体の混合割合としては、モル比で
(I)/(II)=85/15〜99.5/0.5であるのが好まし
い。
本発明において、前記一般式(II)で表わされる単量体
の少なくとも1種を共重合体の必須構成成分にすること
により、好ましくは全単量体中に少なくとも0.2モル%
存在せしめることにより、従来見られなかった特筆すべ
き効果、すなわち、重合体ゲルの各製造装置との粘着性
の低減、重合体ゲル相互間の付着性の低減効果をうるこ
とが可能になる。一般式(II)で表わされる単量体は本
発明に不可欠の成分であるが、無制限に多く使用するの
は好ましくなく、該単量体を多量に含有する共重合体は
水溶性がわるくなりやすく、他方、該単量体含有量が少
なすぎると、本発明の効果が充分えられなくなる。した
がって、本発明における一般式(II)で表わされる単量
体の使用にはおのずと適正な範囲があるが、使用する単
量体の種類によって該単量体を含有する共重合体の水溶
性に及ぼす影響度合が異なり、粘着防止効果にも違いが
生じるので、使用する単量体の種類、量にあわせて適宜
使用量を設定するのが好ましい。一般式(II)で表わさ
れる単量体の適正使用範囲を一概に決定することは容易
ではないが、概略的には全単量体中に1〜10モル%が中
心となる。
一般式(II)で表わされる単量体は、第3級アミノ基を
有するカチオン性アクリル系単量体の高級脂肪酸塩であ
るが、使用される高級脂肪酸は炭素数8〜18のものであ
る。高級脂肪酸の炭素数が8未満のばあいには、えられ
る重合体ゲルの粘着性低減効果が充分でなくなり、反対
に炭素数が18をこえるばあいには、該単量体と他の単量
体との相溶性がわるく、均一な単量体水溶液をうるため
にごくわずかの量しか使用できず、しかも水溶性のよく
ない共重合体となり、所望の効果が期待しがたくなる。
本発明の効果は、高濃度単量体水溶液を重合させるばあ
いにとくに顕著であり、高い単量体濃度の水溶液を重合
させるのに適した光照射重合方法とを組合わせることに
より、水溶性が良好で高分子量の凝集剤として優れた性
能を有するカチオン性アクリル系重合体をうることがで
きるとともに、もっとも優れた重合体ゲルの粘着防止効
果をうることができる。
本発明におけるより好ましい条件としては、前記一般式
(II)で表わされる第3級アミン高級脂肪酸塩型のカチ
オン性アクリル系単量体を特定の範囲内の割合で単量体
混合物水溶液中に共存させることであり、この条件を採
用することにより、ゴム状シートとしてえられる重合体
ゲルの本質的な粘着性を低く抑え、破砕・細粒化・乾燥
用装置などとの粘着性や、重合体ゲル相互間の付着性を
低下せしめることができる。
界面活性剤の添加により重合体ゲルの粘着性を低減する
方法もあるが充分な効果がえられず、製造する重合体が
高分子量化するのを妨げるばあいも見受けられ、単量体
水溶液が泡起つ、重合体の乾燥粉粒化物の流動性を損な
い、凝集剤などとして水に溶解して使用する際にも起泡
性が問題となるなどの問題を有する点からも好ましくな
い。
さらに付加された効果として、有機系物質を多く含む廃
水などの処理によって生ずる汚泥の凝集脱水性能を向上
せしめることができる。この効果は一般式(II)で表わ
される単量体と一般式(I)で表わされる単量体とを共
重合させてえられるカチオン性重合体特有の性能に由来
するもので、この面からも、第3級アミンの高級脂肪酸
塩型単量体である一般式(II)で表わされる単量体の使
用が、重合に関与しない石鹸などの添加剤と異なり、重
合体自体を改質していることがわかる。
本発明においては、前記一般式(I)で表わされる単量
体および一般式(II)で表わされる単量体の混合物のみ
を重合させてもよいが、この混合物をその他の水溶性ア
クリル系単量体と混合させたのち重合させてもよい。
前記その他のアクリル系単量体としては、たとえば(メ
タ)アクリルアミド、モノまたはジアルキル(メタ)ア
クリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、スル
ホアルキル(メタ)アクリルアミド、その塩(アルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン
塩)、(メタ)アクリル酸、その塩(アルカリ金属
塩)、アンモニウム塩、アミン塩)、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシア
ルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキ
ルエステル、(メタ)アクリロニトリルなどがあげら
れ、これらは単独で併用してもよく、2種以上で併用し
てもよいが、前記一般式(I)で表わされる単量体およ
び一般式(II)で表わされる単量体の混合物と共存して
均一な混合水溶液を形成するものが好ましい。
その他の単量体の全単量体に対する割合としては、通常
90モル%以下とすることが好ましい。
本発明において使用される単量体水溶液の濃度は単量体
の品質を高く保持する、えられた重合体ゲルを細粒化物
としてうるなどの点から60〜80%、好ましくは70〜80%
であり、pHは4〜7の範囲である。
一般に単量体濃度が高くなるにつれて三次元網状化反応
がおこりやすく、また完全に水溶性を示す重合体をえよ
うとすると一般に重合度が低くなる。しかし、本発明の
方法により重合体ゲルを製造すると、前記のような高濃
度においても凝集剤として利用しうる水溶性高分子量重
合体がえられる。
本発明においては、次亜リン酸塩、尿素化合物および脂
肪酸第3級アミンに属する化合物の1種または2種以上
を添加することにより、えられる重合体における架橋反
応による水溶性の低下、すなわち、水不溶性の重合体の
生成を防止し、高分子量で、かつ水溶性の良好な重合体
をうることができる。
前記次亜リン酸塩の具体例としては、たとえば次亜リン
酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸アンモ
ニウム塩などがあげられ、また次亜リン酸と第3級アミ
ン類とからの次亜リン酸アミン塩であっても使用しう
る。
前記尿素化合物の具体例としては、たとえば尿素、チオ
尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素など、また脂肪
族第3級アミンの具体例としては、たとえばトリメチル
アミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、メ
チルジエチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジ
エタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、エチル
ジエタノールアミンなどがあげられる。
つぎにこれら化合物の配合量についてであるが、次亜リ
ン酸塩のばあい、全単量体量に対して0.001〜1%であ
るのが好ましく、また尿素化合物および脂肪族第3級ア
ミンのばあい、全単量体量に対してそれぞれ0.001〜1
%であるのが好ましい。次亜リン酸塩、尿素化合物、脂
肪族第3級アミンの組合わせは、任意に選定することが
できる。
本発明において、通常用いられる光重合開始剤であるベ
ンゾインおよびその誘導体よりなる群から選ばれた1種
または2種以上からなる光重合開始剤(A)と水溶性ア
ゾ化合物の1種または2種以上からなる光重合開始剤
(B)とを混合したものが光重合開始剤として用いられ
る。
前記光重合開始剤(A)として用いるベンゾイン誘導体
の具体例としては、たとえばベンゾインアルキルエーテ
ル、ベンゾインヒドロキシアルキルエーテルなどがあげ
られる。
また前記光重合開始剤(B)として用い水溶性アゾ化合
物の具体例としては、たとえば2,2′−アゾビス(2−
N−フェニルアミノアミジノプロパン)、2,2′−アゾ
ビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2′
−アゾビス(2−アミジノプロパン)などの化合物やそ
れらの鉱酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)、その塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミ
ン塩)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス(イソブチルアミド)、2,2′−ア
ゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プ
ロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N
−(1,1ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオン
アミド〕、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(1,1−
ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プ
ロピオンアミド〕などのアゾアミド化合物などがあげら
れる。
前記光重合開始剤(A)の使用量は全単量体量に対して
0.0005〜0.03%であり、光重合開始剤(B)の使用量は
全単量体に対して0.001〜0.1%、好ましくは0.005〜0.1
%である。
前記光重合開始剤(A)と光重合開始剤(B)との使用
割合としては、重量割合で(A)/(B)=1/5〜1/20
の範囲が好ましく、1/10〜1/15がより好ましい。
上記光重合開始剤(A)および光重合開始剤(B)の混
合物を用いて光重合を行なうことにより、光重合開始剤
(A)または光重合開始剤(B)のそれぞれ単独で使用
するばあいと比較して、きわだって高分子量の重合体を
容易に製造することができる。
本発明の方法において、重合段階における単量体水溶液
を含む混合水溶液中の溶存酸素量は、重合反応に極めて
重要な影響を及ぼすので、単量体混合物水溶液中の溶存
酸素量として1mg/以下におさえなければならない。前
記溶存酸素量が1mg/をこえると未重合部分が生ずる、
重合度が向上しないなどの問題が生ずる。それゆえ、混
合水溶液中の溶存酸素量は、重合反応にさきだち1mg/
以下にする必要があり、この方法としては、たとえばチ
ッ素ガス、炭素ガスなどのごとき不活性ガスを単量体水
溶液や混合水溶液に導入する方法などの方法をあげるこ
とができ、好ましい方法としてはモノマー水溶液に不活
性ガスを導入し、溶存酸素量を低下さしめる方法があげ
られる。
本発明の方法においては混合水溶液中の溶存酸素量だけ
でなく、光重合反応を行なわせる場所の気相中の酸素量
についても溶存酸素のばあいと同じ理由で制限する必要
があり、1容量%以下の雰囲気下にする必要がある。
このようにして調製された混合水溶液は気相中の酸素濃
度が1容量%以下の雰囲気下にある可動式ベルト上に3
〜18mmの厚さになるように供給されたのち、1段目とし
て波長300〜450nm、混合水溶液表面の光強度10〜20W/
m2、照射時間30〜60分、好ましくは30〜40分、2段目と
して波長300〜450nm、混合水溶液表面の光強度20〜30W/
m2、好ましくは20〜25W/m2、照射時間30〜60分、好まし
くは30〜40分なる条件の少なくとも2段の光照射を行な
うことにより重合せしめられる。
本発明に用いる光源にはとくに限定はなく、波長が300
〜450nmで所定の強さの光を照射しうる光源であるかぎ
り使用することができ、通常入手可能な光源、たとえば
キセノンランプ、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、炭素アーク灯のほか、高圧水銀ランプ、低圧水銀ラ
ンプなどが使用されうる。
本発明の方法により重合を行なう際、反応熱の除去を完
全に行なうために水もしくは冷水で冷却するのが好まし
い。
一般に、光強度が大きくなれば、重合反応が速くなる
が、えられる重合体の分子量は小さくなる。また重合時
の光照明時間は光強度と密接な関係を有しているので、
目的とする重合体の重合度に応じて、光強度と照射時間
を適宜調節する必要がある。従って、所定の高分子量重
合体をうるためには、光強度と照射時間を厳密に検討し
て設定しなければならない。
本発明の方法においては、上記のごとき特定の条件で少
なくとも2段の光照射をするのはこのように検討に基づ
くものであり、この2段以上の光照射により前述の光重
合開始剤(A)および光重合開始剤(B)の混合使用の
効果、すなわち、重合体の高分子量化が促進せしめられ
る。かくして本発明の目的である高分子量重合体の取得
が容易となる。
上記重合条件下で重合せしめられてえられる重合体ゲル
は、可動式ベルトから取り除かれる。とくに可動式ベル
トからの取り除きは剥離により連続的に容易になされ
る。
本発明に用いる可動式ベルトを四フッ化エチレン−エチ
レン共重合体で被覆すると、可動式ベルトから生成した
重合体ゲルを極めて容易に剥離により取り出すことがで
きる。また、可動式ベルトを金属で蒸着された裏面を有
する四フッ化エチレン−エチレン共重合体フィルムで被
覆することにより、照射された光を一層効果的に利用す
ることができ、重合反応を促進することができる。
可動式ベルトから連続的に取り除かれた重合体ゲルは空
気中で波長200〜600nmで光強度1,000〜2,000W/m2光が1
〜6分間、好ましくは1〜3分間照射される。
この光照射により重合体ゲル中に散在する未反応の残留
単量体は、必要な水準以下の値にまで低下せしめられ
る。また、この光照射により発生する熱もまた重合体ゲ
ルの温度を、たとえば80〜110℃まで上昇させ、未反応
の残留単量体の低下に貢献する。またこの空気中での光
照射による重合体ゲルの温度上昇は破砕機による重合体
ゲルの破砕に先立つ短時間の冷風により容易に冷却され
るので、実際には問題とならず、むしろ重合体ゲル表面
に存在する水分を減少させ、破砕後の細粒化された重合
体ゲル同士の相互付着を緩和しうるという効果がえられ
る。
なお、この後照射によって重合体ゲルに好ましくない三
次元的架橋が起こり、水溶性を劣化させる虞れは全くな
く、水への溶解性が損なわれることはない。しかし、光
照射時間が6分間以上になると重合体ゲルが着色しやす
くなるうえ、重合体の分子量を過度に低下させるので好
ましくない。1〜3分間の照射にとどめて、重合体の分
子量の低下を少なく押えるのが好ましい。
前述のような濃度のカチオン性(メタ)アクリル系単量
体混合物または該混合物を主体とする混合水溶液を重合
させると、流動性が全くなくて、硬いまたは弾力性の大
きい重合体ゲルがえられる。それゆえ、たとえばその重
合体ゲルを機械的に粗砕することなしに、そのまま含有
されている水を揮散せしめようとすると、非常に長時
間、高温下に放置しなければならず、その結果、折曲え
られた高分子量重合体の分子量が低下したり、重合体の
架橋が熱によって促進され、商品価値が著しく低下した
りする。従って、一般にえられた重合体ゲルをなんらか
の機械手段によって粗砕して細粒化したのち、加熱によ
り乾燥せしめて水を除去する方法が採用されている。
一般に重合によってえられた重合体ゲルを肉挽機のごと
き押出成形機を用いてストランド状にしたのち、加熱乾
燥する方法が広く採用されている。しかしながら、肉挽
機のごとき押出成形機を使用するばあい、とくに重合体
ゲルが著しく硬いばあいには、機械壁面との摩擦が大き
く、能率の低下がおこるばかりでなく、重合体自身も摩
擦熱や物理力などにより分子が切断して分子量が低下す
るなど劣化するので、あまり好ましい方法とはいえな
い。
本発明は、重合体自身が摩擦熱や物理力などにより劣化
せず、細粒化された重合体をうるための製造方法を組合
わせたものである。
たとえば、特開昭61−110510号公報に記載の破砕機に上
方から供給された重合体ゲルは、互いにかみあう方向に
回転する1対のローラー型カッターにより切断され、た
とえば短冊状のストランドにされる。なお、ローラー型
カッターに重合体ゲルを供給するのに可動式支持体、た
とえばエンドレスベルトの他端より重合体ゲルを連続的
に取り出し、ローラー型カッターにくいこませる方法な
どを用いて連続的に行なうと、工程を連続化することが
でき、生産効率を向上させることができる。たとえば短
冊状に切断された重合体ゲルストランドは、回転体の外
周部に設けられた回転刃と固定刃により切断され、細片
状、好ましくは平均粒径3〜18mmの角型の細片状にされ
る。このときの重合体濃度は60〜85%になるように維持
される。重合体濃度がこの範囲よりも低いばあいには、
所定の角状に破砕することが困難であり、またこの範囲
より高いばあいには、重合体ゲルが著しく硬くなり、機
械の負荷が多大となり、連続的に破砕することが不可能
となる。また、水溶性を保持すること、さらには分子量
の低下を防止するうえにおいてもこの範囲に維持するこ
とが必要である。
かくしてえられた3〜18mm角状の重合体ゲルは、竪型切
断機、たとえば特開昭61−110511号公報に記載された装
置により、ポリマー濃度が60〜85%になるように維持さ
れつつ、0.3〜3mm径に細粒化される。
前記切断機の構造の特徴は、その内部に竪方向に設置さ
れている竪型の固定刃と回転刃との間隙を調整するこ
と、篩目の孔径を変更すること、そして直列に複数台の
竪型切断機を配置し、該切断機を2〜数回通過させるこ
とによって、粉砕に必要な滞留時間の制御を可能ならし
め、たとえば1mmφ以下のごとき小さな粒径の重合体ゲ
ルにまで切断することが容易になる点にある。さらに、
1mmφ以下のごとき小さな粒径の重合体ゲルが球状に近
づくという好ましい効果を有している点にもある。
このような方法を採用すると、実質的に湿式状態にある
重合体ゲルを細粒化する段階において粉塵の発生がほと
んどなく、粒子径の均一な、いわば単分散に近い粒径分
布のものがえられる。従って、通常採用されているプロ
セス、すなわち、重合体ゲルを乾燥させたのち粉砕・整
粒するという工程が不要となる。
水分を多量に含有する重合体ゲルをそのまま細粒化する
方法を採用することが本発明の特徴の1つであり、この
方法の採用によって、はじめて水溶性が良好で粉粒化さ
れた、好ましくは整粒化された高分子量のカチオン性ア
クリル系重合体がえられる。
重合体ゲルを破砕して細粒化するばあいに、切断効率を
高くし、かつえられた細片状の重合体ゲルおよびさらに
細粒化された重合体ゲルの再付着を防止するために、切
断時の重合体ゲルの温度をできるだけ低くたもつことが
好ましい。重合体ゲルの温度を低くする方法としては、
細片状に破砕するに際し、重合段階において冷却を充分
行なう方法、重合によりえられた重合体ゲルを破砕機で
破砕する前に冷風などにより強制に冷却する方法、細粒
化する際に冷風を吹込む方法などによって達成されうる
が、通常20〜40℃、好ましくは30℃以下に調整される。
なお、破砕、細粒化加工において、必要により、ポリエ
チレングリコール、ノニオン性界面活性剤などを破砕機
や竪型切断機に投入したり、重合体ゲル表面や破砕重合
体ゲル表面に塗布したりして、細片状の重合体ゲルや細
粒化した重合体ゲルの再付着を防止したりしてもよい。
かくして再粒化された重合体ゲルは、通常、公知の方法
により、たとえば通風式ベルト上で熱風により乾燥せし
められ、水分率10%以下の粉粒体としてえられる。
本発明の製法では、上記のごとく、粉粒体をさらに粉砕
したり整粒したりする必要はほとんどないが、必要によ
り粉砕・整粒工程を採用してもよい。
えられた重合体の分子量は高く、水溶性が良好で、かつ
乾燥した粉粒状、好ましくは整粒された高分子量カチオ
ン性アクリル系重合体である。
次に、本発明の製造方法を実施例に基づき具体的に説明
する。
実施例1〜3および比較例1〜9 チッ素ガスで完全に満たされ、気相中の酸素濃度が1容
量%以下である室内に、ステンレス鋼製の巾450mm、有
効長3,000mmのエンドレスベルトに、裏面がアルミニウ
ムで蒸着された四フッ化エチレン−エチレン共重合体フ
ィルムを装着し、下方から温水〜冷水を前記エンドレス
ベルトに噴霧しうる構造としたものを重合用の可動式支
持体として設置し、50mm/分の定速度で駆動せしめ、ベ
ルトの下方から15℃の水を噴霧した。また、可動式支持
体の上部には光照射源として低圧水銀ランプを設置し、
ステンレス鋼製エンドレスベルトの1,500mmの部分に低
圧水銀ランプより発せられる波長300〜450nm、光強度15
W/m2の光が照射され、残りのステンレス鋼製エンドレス
ベルトの1,500mmの部分に波長300〜450nm、光強度25W/m
2の光が照射されるようにした。
つぎに、第1表に示す添加剤含有単量体水溶液から脱イ
オン水を除いたものを配合し、pHを調節したのち全量が
40,000gになるように脱イオン水を加えて添加剤含有単
量体水溶液を調製した。
この添加剤含有単量体水溶液40にチッ素ガスを吹込ん
で溶存酸素量を1mg/以下にし、定量ポンプを用いて駆
動状態にある前記ベルトの一端上へ13.5/時間の速度
で供給して光を照射して重合を行なった。
前記添加剤含有単量体水溶液を該ベルト上へ供給する直
前の流路において、第2表に示す組成になるように予め
調製し、別に設置した撹拌機付き貯槽(5容量)に貯
蔵した光重合開始剤溶液を、添加剤含有単量体水溶液1
および4のばあいには20.3g/時間、添加剤含有単量体水
溶液2のばあいには30.4g/時間、添加剤含有単量体水溶
液3のばあいには24.3g/時間の速度で添加して均一に混
合させて、混合水溶液として用いた。
混合水溶液がベルト上で重合される時間は60分間、混合
水溶液の厚さは10mmであった。混合水溶液供給開始から
60分後にエンドレスベルトの他端より約10mmの厚さで約
20℃のシート状の重合体ゲルがえられた。えられた重合
体ゲルはベルト表面から人力で容易に剥離される状態に
あり、約3時間の連続重合が可能であった。
エンドレスベルトの他端より連続的にえられた重合体ゲ
ルシートを空気中に連続的に取出したのち、波長200〜6
00nmの高圧水銀ランプより発せられる光強度1,900W/m2
の光を約2.0分間照射した。このとき重合体ゲルシート
の表面温度は約80℃まで上昇した。そののち、重合体ゲ
ルシートに直ちに15℃の冷風をあてて冷却し、特開昭61
−110510号公報に例示した破砕機に供給し、3mm×5mm×
10mmの角状の重合体ゲルを取得した。
ついで約15℃の冷風を通じながら、約3mmφのスクリー
ンをセットした特開昭61−110511号公報に示すごとき竪
型切断機にて細粒化し、つづいて約2mmφのスクリーン
および約1mmφのスクリーンをセットした切断機にこの
順にとおして切断し、約1mmφに整った細粒化した重合
体ゲルをえた。えられた約1mmφに整った細粒化した重
合体ゲルを通風式バンド型乾燥機により80℃で乾燥させ
たところ、約13分間で水分率10%以下の粉粒体がえられ
た。えられた粉粒体は約0.9mmφに整粒化されており、
その水溶液は水不溶性物質を全く含まず、えられた粉粒
体の塩溶液粘度〔ポリマー濃度0.5%の4%食塩水の溶
液をブルックフィールド粘度計を用い、ローターNo.1、
回転数60rpm、25℃で測定した粘度〕は第3表に示す通
りであった。
なお、比較例1〜3のばあいには、いずれもえられた重
合体ゲルシートの粘着性が強く、破砕機や竪型切断機を
連続して運転することができず、10〜30分おきに運転を
停止して取除かねばならなかった。
さらに細粒化された重合体ゲルは相互付着性が大きく、
実施例に比して3倍近い乾燥時間を要した。
このようにえられた重合体乾燥物の水溶性にやや難点が
あった。結果を第3表に示す。
[発明の効果] 本発明の方法でアクリル系重合体を製造すると、凝集剤
として使用しうる高分子量のもので、水溶性が良好な重
合体を細粒化した粉粒体としてうることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 3/12 CEY A 9268−4F 3/28 CEY 9268−4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそ
    れぞれ炭素数1〜3のアルキル基で、R2とR3とは同じで
    ある必要はない、R4は水素原子、炭素数1〜3のアルキ
    ル基またはベンジル基、Yは−0−または−NH−、mは
    1〜3の整数、X はハロゲンアニオン、モノアルキル
    硫酸アニオンまたは鉱酸に由来するアニオンを表わす)
    で表わされる単量体および一般式(II): (式中、R5は水素原子またはメチル基、R6およびR7はそ
    れぞれ炭素数1〜3のアルキル基で、R6とR7とは同じで
    ある必要はない、Aは−O−または−NH−、nは1〜3
    の整数、Z は炭素数8〜18の直鎖または分岐鎖を有す
    る飽和モノカルボン酸に由来するアニオンを表わす)で
    表わされる単量体の混合物または該混合物にさらにその
    他の水溶性アクリル系単量体を含む混合水溶液を重合さ
    せて、水溶性で乾燥した粉粒状の高分子量カチオン性ア
    クリル系重合体を製造する際に、 (a)単量体水溶液中の全単量体濃度が60〜80重量%
    で、pHが4〜7の単量体水溶液と (b)全単量体量に対して0.001〜1重量%の次亜燐酸
    塩、低級脂肪族第3級アミンおよび尿素化合物よりなる
    群から選ばれた1種または2種以上と (c)全単量体量に対して光重合開始剤であるベンゾイ
    ンおよびその誘導体よりなる群から選ばれた1種または
    2種以上からなる光重合開始剤(A)0.0005〜0.03重量
    %ならびに水溶性アゾ化合物の1種または2種以上から
    なる光重合開始剤(B)0.001〜0.1重量% とを含有してなる混合水溶液中の溶存酸素濃度を1mg/
    以下としたのち、 気相中の酸素濃度が1容量%以下の雰囲気下にある
    可動式ベルト上に該混合水溶液を3〜18mmの厚さになる
    ように供給し、 かかる可動式ベルト上の単量体水溶液に波長300〜4
    50nm、混合水溶液表面の光強度が10〜20W/m2の光を30〜
    60分間照射したのち、さらに波長300〜450nm、混合水溶
    液表面の光強度が20〜30W/m2の光を30〜60分間照射して
    ゴム状重合体ゲルを形成せしめ、 えられたゴム状重合体ゲルを反応装置から取り出し
    たのち、さらにこれに空気中で波長200〜600nm、光強度
    1000〜2000W/m2の光を1〜6分間照射し、 このゴム状重合体ゲルを、その重合体濃度を60〜85
    重量%に保ちながらローラー型カッターで3〜18mm角に
    破砕し、 ついで、重合体濃度を60〜85重量%に維持しつつ竪
    型切断機で0.3〜3mm径に細粒化し、 100℃以下の熱風で乾燥する ことからなる水溶性が良好で、乾燥した粉粒状の高分子
    量カチオン性アクリル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で表わされる単量体およ
    び一般式(II)で表わされる単量体の混合割合がモル比
    で(I)/(II)=85/15〜99.5/0.5で、かつ一般式(I
    I)で表わされる単量体が全単量体中に少なくとも0.2モ
    ル%存在する単量体水溶液を用いる特許請求の範囲第1
    項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記その他の水溶性アクリル系単量体が、
    (メタ)アクリルアミド、モノまたはジアルキル(メ
    タ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリ
    ン、スルホアルキル(メタ)アクリルアミド、その塩
    (アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム
    塩、アミン塩)、(メタ)アクリル酸、その塩(アルカ
    リ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩)、(メタ)アク
    リル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
    シアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシア
    ルキルエステルおよび(メタ)アクリロニトリルよりな
    る群から選ばれた1種または2種以上で、前記一般式
    (I)で表わされる単量体および一般式(II)で表わさ
    れる単量体の混合物と共存して均一な混合水溶液を形成
    する単量体である特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記光重合開始剤(A)として用いるベン
    ゾイン誘導体が、ベンゾインアルキルエーテルまたはベ
    ンゾインヒドロキシアルキルエーテルである特許請求の
    範囲第1項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記光重合開始剤(B)として用いる水溶
    性アゾ化合物が、2,2′−アゾビス(2−N−フェニル
    アミノアミジノプロパン)、2,2′−アゾビス(N,N′−
    ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2′−アゾビス
    (2−アミジノプロパン)、それらの鉱酸塩、4,4′−
    アゾビス(4−シアノ吉草酸)、その塩(アルカリ金属
    塩、アンモニウム塩、アミン塩)、2−(カルバモイル
    アゾ)イソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(イソブ
    チルアミド)、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−
    (2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2′
    −アゾビス〔2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキ
    シメチル)エチル)プロピオンアミド〕または2,2′−
    アゾビス〔2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシ
    メチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕
    である特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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