JPH0710862A - 2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体および2−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体の製造方法 - Google Patents

2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体および2−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体の製造方法

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JPH0710862A
JPH0710862A JP15563393A JP15563393A JPH0710862A JP H0710862 A JPH0710862 A JP H0710862A JP 15563393 A JP15563393 A JP 15563393A JP 15563393 A JP15563393 A JP 15563393A JP H0710862 A JPH0710862 A JP H0710862A
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JP
Japan
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acetic acid
phenyl
furfurylthio
acetate
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Application number
JP15563393A
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English (en)
Inventor
Yasunobu Nishimura
泰信 西村
Mitsuhiro Kagawa
光浩 香川
Akihisa Ishii
章央 石井
Yoshiyuki Kikuchi
祥之 菊池
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Fujirebio Inc
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Fujirebio Inc
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸フェニル誘導
体を酸化剤により酸化することによる一般式(II) 【化2】 で表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェ
ニル誘導体の製造方法、および、一般式(I)および/
または一般式(II)の化合物を酸化剤により酸化するこ
とによる一般式(III) 【化3】 で表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェ
ニル誘導体の製造方法。 【効果】 従来の方法では効率よく得られなかった2−
(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体および
2−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体を容
易に、かつ、選択的に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式(II)
【0002】
【化6】
【0003】(式中、Phはo−ニトロフェニル基、p
−ニトロフェニル基または2,4−ジニトロフェニル基
を示す。)で表わされる2−(フルフリルスルフィニ
ル)酢酸フェニル誘導体および一般式(III)
【0004】
【化7】
【0005】(式中、Phはo−ニトロフェニル基、p
−ニトロフェニル基または2,4−ジニトロフェニル基
を示す。)で表わされる2−(フルフリルスルホニル)
酢酸フェニル誘導体の製造方法に関するものである。
【0006】上記の式(II)で表わされる2−(フルフ
リルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体および式(II
I)で表わされる2−(フルフリルスルホニル)酢酸フ
ェニル誘導体は、医薬品、農薬あるいは各種機能材料な
どの製造中間体として有用な化合物である。
【0007】
【従来技術およびその問題点】前記の式(II)で表わさ
れる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニル誘導
体および式(III)で表わされる2−(フルフリルスル
ホニル)酢酸フェニル誘導体は、医薬品、特に抗消化性
潰瘍剤を製造するための中間体として知られている[特
開平1−230576号公報]。
【0008】従来、前記の式(II)で表わされる2−
(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体および
式(III)で表わされる2−(フルフリルスルホニル)
酢酸フェニル誘導体は、それぞれ2−(フルフリルスル
フィニル)酢酸とニトロフェノール類、2−(フルフリ
ルスルホニル)酢酸とニトロフェノール類とをジシクロ
ヘキシルカルボジイミドなどの脱水縮合剤を用いて脱水
縮合することにより製造されていた[特開平1−230
576号公報]。
【0009】しかしながら、従来の製造方法において
は、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの非常に高価
な脱水縮合剤を用いているため、経済的に不利であり、
また、脱水縮合剤に由来する化合物を除去するための工
程が必要であるため、操作が煩雑であり、工程数も多く
なるなど工業的製造方法としては問題の多い方法であ
る。
【0010】また、前記の一般式(I)で表わされる2
−(フルフリルチオ)酢酸フェニル誘導体のスルフィド
の酸化による製造方法は、具体的な例が知られていな
い。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、かかる
従来の製造方法の問題点に鑑み、鋭意検討を行なった結
果、酸化剤により2−(フルフリルチオ)酢酸フェニル
誘導体のスルフィドを酸化することにより、2−(フル
フリルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体および2−
(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体を容易
に、かつ、選択的に製造することができることを見出
し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明は、一般式(I)
【0013】
【化8】
【0014】(式中、Phはo−ニトロフェニル基、p
−ニトロフェニル基または2,4−ジニトロフェニル基
を示す。)で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸フ
ェニル誘導体を酸化剤により酸化させることを特徴とす
る一般式(II)
【0015】
【化9】
【0016】(式中、Phはo−ニトロフェニル基、p
−ニトロフェニル基または2,4−ジニトロフェニル基
を示す。)で表わされる2−(フルフリルスルフィニ
ル)酢酸フェニル誘導体の製造方法、および、一般式
(I)
【0017】
【化10】
【0018】(式中、Phはo−ニトロフェニル基、p
−ニトロフェニル基または2,4−ジニトロフェニル基
を示す。)で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸フ
ェニル誘導体および/または一般式(II)
【0019】
【化11】
【0020】(式中、Phはo−ニトロフェニル基、p
−ニトロフェニル基または2,4−ジニトロフェニル基
を示す。)で表わされる2−(フルフリルスルフィニ
ル)酢酸フェニル誘導体を酸化剤により酸化させること
を特徴とする一般式(III)
【0021】
【化12】
【0022】(式中、Phはo−ニトロフェニル基、p
−ニトロフェニル基または2,4−ジニトロフェニル基
を示す。)で表わされる2−(フルフリルスルホニル)
酢酸フェニル誘導体の製造方法である。
【0023】本発明の原料である前記の一般式(I)で
表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸フェニル誘導体
は、例えば、2−(フルフリルチオ)酢酸とニトロフェ
ノール類とをジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱
水縮合剤を用いて脱水縮合することにより製造すること
ができる。本発明者らは、この製造方法について鋭意検
討を行なった結果、2−(フルフリルチオ)酢酸とニト
ロフェノール類とを塩基の存在下、塩化チオニルを用い
て反応させることによっても縮合させることができ、前
記の一般式(I)で表わされる2−(フルフリルチオ)
酢酸フェニル誘導体を容易に製造することができること
を既に見出しており、また、この前記の一般式(I)で
表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸フェニル誘導体
を活性炭と接触させることにより容易に精製することが
でき、高純度の淡黄色結晶とすることができることも既
に見出している。この本発明の原料である前記の一般式
(I)で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸フェニ
ル誘導体を具体的に示すと、2−(フルフリルチオ)酢
酸−p−ニトロフェニル、2−(フルフリルチオ)酢酸
−o−ニトロフェニルおよび2−(フルフリルチオ)酢
酸−2’,4’−ジニトロフェニルである。
【0024】本発明の生成物である前記の一般式(II)
で表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェ
ニル誘導体は、原料である前記の一般式(I)で表わさ
れる2−(フルフリルチオ)酢酸フェニル誘導体を酸化
剤により酸化することにより製造することができる。ま
た、本発明の生成物である前記の一般式(III)で表わ
される2−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導
体は、原料である前記の一般式(I)で表わされる2−
(フルフリルチオ)酢酸フェニル誘導体を酸化剤により
酸化することにより製造することができ、また、前記の
一般式(I)で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸
フェニル誘導体を酸化剤により酸化することによって得
られた前記の一般式(II)で表わされる2−(フルフリ
ルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体をさらに酸化剤に
より酸化することによっても製造することができる。こ
の本発明の生成物である前記の一般式(II)で表わされ
る2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体
を具体的に示すと、2−(フルフリルスルフィニル)酢
酸−p−ニトロフェニル、2−(フルフリルスルフィニ
ル)酢酸−o−ニトロフェニルおよび2−(フルフリル
スルフィニル)酢酸−2’,4’−ジニトロフェニルで
ある。また、本発明の生成物である前記の一般式(II
I)で表わされる2−(フルフリルスルホニル)酢酸フ
ェニル誘導体を具体的に示すと、2−(フルフリルスル
ホニル)酢酸−p−ニトロフェニル、2−(フルフリル
スルホニル)酢酸−o−ニトロフェニルおよび2−(フ
ルフリルスルホニル)酢酸−2’,4’−ジニトロフェ
ニルである。
【0025】本発明で使用される酸化剤としては、特に
限定はなく、一般に用いられるものを使用すればよく、
例えば、メタクロロ過安息香酸、過酢酸などの過カルボ
ン酸類、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化水素または
過酸化水素−酢酸などを使用することができる。しかし
ながら、メタクロロ過安息香酸、過酢酸などの過カルボ
ン酸類、メタ過ヨウ素酸ナトリウムなどは爆発などの危
険性が高く、工業的には問題があるため、好ましくな
い。工業的に好ましい酸化剤は、より安価であり、取り
扱いやすい過酸化水素または過酸化水素−酢酸である。
過酸化水素としては、市販の30%〜35%水溶液を用
いるのが好ましい。また、過酸化水素−酢酸の場合、酢
酸は過酸化水素水に対して3倍重量以上とするのが好ま
しく、溶媒として使用することもできる。
【0026】酸化剤の使用量は、2−(フルフリルスル
フィニル)酢酸フェニル誘導体を製造する場合、原料で
ある2−(フルフリルチオ)酢酸フェニル誘導体に対し
て0.5当量〜1.5当量が適当である。0.5当量よ
り少ないと原料が多量に残り、収率が低下するので好ま
しくなく、また、1.5当量より多いと2−(フルフリ
ルスルホニル)酢酸フェニル誘導体まで酸化される割合
が大きくなり、収率が低下するので、好ましくない。よ
り望ましくは0.8当量〜1.2当量である。また、2
−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体を製造
する場合の酸化剤の使用量は、原料として2−(フルフ
リルチオ)酢酸フェニル誘導体を使用する場合にはこれ
に対して2当量以上使用すればよいが、好ましくは2当
量〜3当量である。3当量より多く使用しても反応に変
化はなく、過剰の酸化剤を処理するために後処理に負担
がかかるため、好ましくない。より望ましくは2当量〜
2.5当量である。また、原料として2−(フルフリル
スルフィニル)酢酸フェニル誘導体を使用する場合には
これに対して1当量以上使用すればよいが、好ましくは
1当量〜1.5当量である。1.5当量より多く使用し
ても反応に変化はなく、過剰の酸化剤を処理するために
後処理に負担がかかるため、好ましくない。より望まし
くは1当量〜1.2当量である。
【0027】また、本発明においては、反応溶媒を使用
するのが好ましく、例えば、塩化メチレン、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタン(EDC)などのハロゲン
化炭化水素類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ベ
ンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類などを使用す
ることができる。
【0028】ところで、本発明の原料である前記の一般
式(I)で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸フェ
ニル誘導体、本発明の生成物である前記の一般式(II)
で表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェ
ニル誘導体および前記の一般式(III)で表わされる2
−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体のう
ち、前記の一般式(II)で表わされる2−(フルフリル
スルフィニル)酢酸フェニル誘導体のみは、特異的に一
般の有機溶媒に難溶である。したがって、原料である前
記の一般式(I)で表わされる2−(フルフリルチオ)
酢酸フェニル誘導体を酸化すると、前記の一般式(II)
で表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェ
ニル誘導体が選択的に固体として析出し、これを濾過、
回収することにより容易に高純度で得ることができる。
【0029】一方、前記の一般式(III)で表わされる
2−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体を得
る場合には、まず、前述のように前記の一般式(II)で
表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニ
ル誘導体が析出するが、反応が進行するにつれて溶解す
る。したがって、溶液部分を濾過、回収して後処理する
ことにより前記の一般式(III)で表わされる2−(フ
ルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体を容易に高純
度で得ることができる。また、一旦、析出した前記の一
般式(II)で表わされる2−(フルフリルスルフィニ
ル)酢酸フェニル誘導体を分離、回収して有機溶媒に溶
解する不純物を除去し、高純度の前記の一般式(II)で
表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニ
ル誘導体を得た後、さらに再度、酸化反応に供すること
により、より高純度の前記の一般式(III)で表わされ
る2−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体を
得ることが可能である。
【0030】以上のように、本発明の方法は、前記の一
般式(II)で表わされる2−(フルフリルスルフィニ
ル)酢酸フェニル誘導体および前記の一般式(III)で
表わされる2−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル
誘導体を選択的に製造することができる優れた方法であ
る。
【0031】本発明における反応温度は、特に限定はな
いが、0℃〜80℃が好ましい。0℃より低温では反応
速度が遅くなるため、好ましくない。また、本発明の原
料および生成物はいずれも活性エステルであり、加水分
解されやすく、高温になるほど加水分解反応が促進され
て収率が低下するため、80℃より高温とするのは好ま
しくない。以上のような理由から、より好ましくは10
℃〜40℃である。
【0032】また、前記の一般式(II)で表わされる2
−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体を製
造する場合には、反応温度を10℃〜40℃程度とする
と、スルフィドのスルホキシドへの酸化の選択率が高く
なり、酸化剤を2当量程度使用しても前記の一般式(I
I)で表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸
フェニル誘導体を高収率で製造することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。参考例1 2−(フルフリルチオ)酢酸メチルの製造
【0034】
【化13】
【0035】フルフリルメルカプタン11.40g
(0.1mol)、クロロ酢酸メチル10.85g
(0.1mol)およびポリエチレングリコール−10
00(PEG−1000)0.11gをトルエン34.
2gに溶解し、無水炭酸カリウム13.82gを添加
し、95℃で5時間攪拌した。
【0036】冷却後、吸引濾過をすることにより塩を除
去し、溶媒を留去することにより褐色油状物19.47
gを回収した。これを減圧下、蒸留することにより無色
油状物として2−(フルフリルチオ)酢酸メチルを得
た。
【0037】収量16.21g 収率87.2% b.p.138℃/17mmHg GLC Pu.99.32%参考例2 2−(フルフリルチオ)酢酸メチルの製造 フルフリルメルカプタン8.55g(0.075mo
l)、クロロ酢酸メチル8.14g(0.075mo
l)および18−クラウン−6−エーテル0.03gを
トルエン100mlに溶解し、無水炭酸カリウム10.
37gを添加し、95℃で7時間攪拌後、冷却した。こ
のときの有機物組成をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、2−(フルフリルチオ)酢酸メチルは96.
69%であった。
【0038】次に、水50mlを加えて塩を溶解した
後、分液してトルエン層を回収し、この回収トルエン層
をそのまま参考例4に供した。参考例3 2−(フルフリルチオ)酢酸の製造
【0039】
【化14】
【0040】2−(フルフリルチオ)酢酸メチル34.
0g(0.183mol)をトルエン17.0gに溶解
し、氷冷下、15%−NaOH水溶液58.7g(0.
220mol)を徐々に滴下し、室温で2時間攪拌し
た。このときのトルエン層をガスクロマトグラフィーで
分析し、2−(フルフリルチオ)酢酸メチルのピークが
消失したことを確認した。
【0041】次に、分液して水層を回収し、氷冷下、こ
の水層に10%−HCl水溶液133.4gを滴下し、
中和酸性とした。このとき、下層に油状物が析出し、こ
れを分液、回収後、さらに水層に塩化メチレン102g
を加えて抽出し、塩化メチレン層を回収した。回収油状
物と回収塩化メチレン層を合わせ、飽和食塩水で洗浄
後、乾燥し、溶媒を留去することにより淡黄色油状物の
2−(フルフリルチオ)酢酸を得た。
【0042】収量31.0g 収率95.8% GLC Pu.97.17%参考例4 2−(フルフリルチオ)酢酸の製造 参考例2で回収した2−(フルフリルチオ)酢酸メチル
を含むトルエン溶液に20%−KOH水溶液30gを加
え、室温で5時間攪拌した。このときのトルエン層をガ
スクロマトグラフィーで分析し、2−(フルフリルチ
オ)酢酸メチルのピークが消失したことを確認した。
【0043】次に、分液して水層を回収し、氷冷下、こ
の水層に10%−HCl水溶液125gを滴下し、中和
酸性とした後、析出した油状物を塩化メチレンで2回抽
出し、飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、溶媒を留去するこ
とにより淡黄色油状物を回収した。さらに、減圧蒸留す
ることにより2−(フルフリルチオ)酢酸を得た。
【0044】収量9.75g 収率75.6% b.p.146〜147℃/3mmHg GLC Pu.99.36%参考例5 2−(フルフリルチオ)酢酸−p−ニトロフェニルの製
【0045】
【化15】
【0046】参考例3で得た2−(フルフリルチオ)酢
酸31.0g(Pu.97.17%、0.175mo
l)およびp−ニトロフェノール25.4g(0.18
3mol)を塩化メチレン157gに溶解し、氷冷下、
ピリジン31.8g(0.420mol)を徐々に滴下
した。次に、氷冷下、塩化チオニル22.9g(0.1
92mol)−塩化メチレン78gの溶液を徐々に滴下
した。塩化チオニル溶液の滴下終了後、さらに1時間攪
拌を続けた。
【0047】次に、冷水100mlを徐々に滴下し、過
剰の塩化チオニルを分解すると同時に洗浄した。次に1
0%−HCl水溶液107gで洗浄後、10%−K2
3水溶液50gで2回洗浄し、さらに水100mlで
洗浄後、乾燥し、溶媒を留去することにより黒褐色粘土
状化合物を得た。
【0048】この回収物を再度、塩化メチレン200g
に溶解し、粉末活性炭10gを加え、2時間攪拌後、濾
過して濾液を回収し、溶媒を留去することにより淡黄色
結晶の2−(フルフリルチオ)酢酸−p−ニトロフェニ
ルを得た。
【0049】収量40.9g 収率78.1% HPLC Pu.98.0% 上記回収物を酢酸エチル−n−ヘキサン(1:1)で再
結晶した。
【0050】HPLC Pu.99.8% m.p.67.0〜68.0℃実施例1 2−(フルフリルスルフィニル)酢酸−p−ニトロフェ
ニルの製造
【0051】
【化16】
【0052】2−(フルフリルチオ)酢酸−p−ニトロ
フェニル14.65g(0.05mol)を塩化メチレ
ン200mlに溶解し、氷冷下、m−クロロ過安息香酸
10.23g(Pu.84.3%、0.05mol)を
徐々に添加し、2時間攪拌した。
【0053】次に、析出した固体を濾過して回収し、塩
化メチレンで洗浄した後、エタノール150mlを加
え、1時間還流することにより不純物のm−クロロ安息
香酸を溶解除去し、冷却後、濾過し、乾燥することによ
り淡黄色結晶の2−(フルフリルスルフィニル)酢酸−
p−ニトロフェニルを得た。
【0054】収量11.03g 収率71.4% HPLC Pu.98.4% m.p.165〜166.5℃(分解)実施例2 2−(フルフリルスルフィニル)酢酸−p−ニトロフェ
ニルの製造 2−(フルフリルチオ)酢酸−p−ニトロフェニル3
4.8g(0.119mol)を塩化メチレン100g
および酢酸100gに溶解し、室温で30%過酸化水素
水13.5g(0.119mol)を徐々に滴下した。
【0055】過酸化水素水の滴下後、30分頃より結晶
が析出し始め、10時間攪拌後、析出した結晶を濾過し
て回収し、エタノールでよく洗浄し、乾燥することによ
り淡黄色結晶の2−(フルフリルスルフィニル)酢酸−
p−ニトロフェニルを得た。
【0056】収量31.4g 収率85.6% HPLC Pu.98.7% m.p.165〜166.5℃(分解)実施例3 2−(フルフリルスルホニル)酢酸−p−ニトロフェニ
ルの製造
【0057】
【化17】
【0058】2−(フルフリルスルフィニル)酢酸−p
−ニトロフェニル30.9g(0.1mol)を塩化メ
チレン300mlに懸濁し、氷冷下、m−クロロ過安息
香酸24.6g(Pu.84.3%、0.12mol)
を徐々に添加した。m−クロロ過安息香酸を添加して3
0分後、室温とし、さらに2.5時間攪拌した。
【0059】次に、ジメチルスルフィド1.24g
(0.02mol)を滴下し、過剰の過酸化物を分解
し、濾過により不純物を除去した後、溶媒を留去し、回
収物をショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:CH2Cl2/CH3OH=95/5)に付
し、2−(フルフリルスルホニル)酢酸−p−ニトロフ
ェニルを含むフラクション36.0gを回収した。さら
に、酢酸エチルで再結晶し、2−(フルフリルスルホニ
ル)酢酸−p−ニトロフェニル19.7g(収率60.
7%)を得た。
【0060】
【発明の効果】本発明の方法により、従来の方法では効
率よく得られなかった2−(フルフリルスルフィニル)
酢酸フェニル誘導体および2−(フルフリルスルホニ
ル)酢酸フェニル誘導体を容易に、かつ、選択的に製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 章央 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社東京研究所内 (72)発明者 菊池 祥之 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社東京研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Phはo−ニトロフェニル基、p−ニトロフェ
    ニル基または2,4−ジニトロフェニル基を示す。)で
    表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸フェニル誘導体
    を酸化剤により酸化することを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、Phはo−ニトロフェニル基、p−ニトロフェ
    ニル基または2,4−ジニトロフェニル基を示す。)で
    表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニ
    ル誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】酸化剤が過カルボン酸類、メタ過ヨウ素酸
    ナトリウム、過酸化水素または過酸化水素−酢酸である
    請求項1に記載の2−(フルフリルスルフィニル)酢酸
    フェニル誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(I) 【化3】 (式中、Phはo−ニトロフェニル基、p−ニトロフェ
    ニル基または2,4−ジニトロフェニル基を示す。)で
    表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸フェニル誘導体
    および/または一般式(II) 【化4】 (式中、Phはo−ニトロフェニル基、p−ニトロフェ
    ニル基または2,4−ジニトロフェニル基を示す。)で
    表わされる2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニ
    ル誘導体を酸化剤により酸化することを特徴とする一般
    式(III) 【化5】 (式中、Phはo−ニトロフェニル基、p−ニトロフェ
    ニル基または2,4−ジニトロフェニル基を示す。)で
    表わされる2−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル
    誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】酸化剤が過カルボン酸類、メタ過ヨウ素酸
    ナトリウム、過酸化水素または過酸化水素−酢酸である
    請求項3に記載の2−(フルフリルスルホニル)酢酸フ
    ェニル誘導体の製造方法。
JP15563393A 1993-06-25 1993-06-25 2−(フルフリルスルフィニル)酢酸フェニル誘導体および2−(フルフリルスルホニル)酢酸フェニル誘導体の製造方法 Pending JPH0710862A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106588833A (zh) * 2016-11-22 2017-04-26 宜昌东阳光长江药业股份有限公司 一种拉呋替丁氧化杂质的合成方法

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