JPH0710841B2 - 新規なtcnq錯体 - Google Patents

新規なtcnq錯体

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JPH0710841B2
JPH0710841B2 JP569487A JP569487A JPH0710841B2 JP H0710841 B2 JPH0710841 B2 JP H0710841B2 JP 569487 A JP569487 A JP 569487A JP 569487 A JP569487 A JP 569487A JP H0710841 B2 JPH0710841 B2 JP H0710841B2
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tcnq
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pyridine
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幹晃 田中
文良 浦野
正明 中畑
守 名古屋
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、導電性材料等として有用な新規TCNQ錯体に関
する。
〔発明の背景〕
TCNQ錯体は、有機半導体として知られる電荷移動型錯化
合物であり、その構成成分であるTCNQが電子を受け入れ
易く、陽イオンと極めて安定なラジカル塩を作り、TCNQ
自身が独自に積み重なるという構造的特徴を有すること
に起因して高導電性を示す。
TCNQ錯体は、軽量、電導の異方性、溶融性、フィルム形
成性、加工及び成形の容易さ等、有機化合物のもつ特徴
的性質と金属と性質を併せ有するという有利な点を有
し、このため、高機能導電性分子膜、非線形光学材料、
帯電防止剤、分子素子、生物素子への応用、電子機能を
もつ高秩序分子集合体の設計に、或は電解コンデンサや
電池の固体電解質等、様々な有機半導体分野に、その利
用が大いに期待されている化合物である。
TCNQ錯体に関しては、これまでに多数の含窒素複素環化
合物カチオンTCNQ錯体が合成されているが、本来TCNQ錯
体は有機化合物であり、置換基や構成している元素を代
えることによってわずかずつ構造や性質を変化させてい
くことができるので、これによって導電体として要求さ
れる様々な性質の最適化を目的に応じてはかることが可
能なため、それら各種ニーズに対応し得る更に新たなTC
NQ錯体の開発が望まれている。
〔発明の目的〕
本発明は、上記した如き現状に鑑みなされたもので、有
機導電性化合物であり、種々の電子化学的、或は光化学
的成果が期待できる新規なTCNQ錯体を提供することを目
的とする。
〔発明の構成〕 本発明は、式 [式中、R1,R2は夫々独立して水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、シアノ基、アセチル基又はハロゲン原子
を示し、R3,R4,R5は夫々独立して水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ
基、フルオロ基、トリフルオロメチル基又は水酸基を示
し、nは1〜3の整数を示す(但し、nが1又は2で、
且つR1,R2,R3,R4,R5がすべて水素原子である場合を除
く。)]で表わされる置換ピリジニウムカチオンと、7,
7,8,8−テトラシアノキノジメタンアニオンラジカル 及び中性TCNQ(TCNQ゜)とを構成成分とするTCNQ錯体の
発明である。
本発明のTCNQ錯体は、例えば下記の如く表わされる。
(式中、kは0.5≦k≦2.0なる任意の数を表わす。) 本発明のTCNQ錯体に於て、ドナー部の式 で表わされる置換ピリジニウムカチオンのR1,R2は、夫
々独立して水素原子、例えばメチル基,エチル基,プロ
ピル基,ブチル基等炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝
状のアルキル基、シアノ基、アセチル基又は塩素,臭
素,弗素,沃素等のハロゲン原子を示し、R3,R4,R5は夫
々独立して水素原子、例えばメチル基,エチル基,プロ
ピル基,ブチル基等炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝
状のアルキル基、例えばメトキシ基,エトキシ基,プロ
ポキシ基,ブトキシ基等炭素数1〜4の直鎖状若しくは
分枝状のアルコキシ基、ニトロ基、フルオロ基、トリフ
ルオロメチル基又は水酸基を示し、nは1〜3の任意の
整数を示す(但し、nが1又は2で、且つR1,R2,R3,R4,
R5がすべて水素原子である場合を除く。)。
本発明のTCNQ錯体は、自体公知の方法、例えば置換ピリ
ジニウムカチオンのハロゲン化物とTCNQのLi塩とを反応
させて を得、これに中性TCNQをドーピングさせる方法により容
易に合成し得る。置換ピリジニウムカチオンのハロゲン
化物は、例えば化合物 (式中、Xはハロゲン原子を示し、R3,R4,R5及びnは前
記と同じ。)を、要すれば適当な溶媒の存在下ピリジン
或は置換ピリジンと反応させることにより容易に得るこ
とができるので、この様にして得たものを用いることで
足りる。
で示される化合物は例えばBer.,95,2837(1962)、J.Or
g.Chem.,26,4220(1961)、J.Chem.Soc.,1961,206、J.C
hem.Soc.,1937,1619、J.Chem.Soc.,Part C,1970,1134、
Bull.Chem.Soc.,Japan,45,2810(1972)、J.Am.Chem.So
c.,70,3197(1948)、Belg.Pat.615,349(1962)、J.A
m.Chem.Soc.,85,567(1963)、J.Chem.Soc.,1959,3719
等に記載の方法に準じて、例えばピリジン等の脱塩酸剤
の存在下、要すれば適当な溶媒中、相当するカルビノー
ルと塩化チオニルとを加熱反応させれば容易に得られる
から、この様にして得られたものを用いればよい。ま
た、本発明のTCNQ錯体は、ヨードイオンI-の還元力を利
用し、置換ピリジニウムカチオンのアイオダイド の中性TCNQをモル比3:4で反応させる方法によっても同
様に合成し得ることは言うまでもない。
合成された本発明のTCNQ錯体は、電荷移動錯体特有の色
や電荷移動吸収帯の出現によって識別することができ、
錯体組成比は元素分析及び紫外線吸収スペクトルの測定
から決定することができる。電気的性質、例えば比抵抗
値は、試料粉末をペレットに成型し二端子法で電流電圧
を測定して抵抗値Rを算出し、次式から求めることがで
きる。ρ=R・A/l。但し、ρは比抵抗値(Ω・cm)、
Rは抵抗(Ω)、Aは電極接触面積(cm2)、lは試料
の厚さ(cm)である。また、熱的性質は、示差走査熱量
(DSC)測定等の熱分析で測定することができる。
本発明の新規なTCNQ錯体は、特にその単独又は混合品の
導電性、加工及び成形性に優れているので、これを高機
能導電性分子膜、非線形光学材料、これらの分子素子、
生物素子への応用など電子機能をもつ高秩序分子集合体
の設計に、或は電解コンデンサや電池の固体電解質とし
て等様々な有機半導体分野に於て有効に用い得ることが
期待できる。
以下に参考例及び実施例を示すが、本発明はこれら参考
例,実施例により何等制約を受けるものではない。
〔実施例〕
参考例1.2−(4−エトキシフェニル)エタノールの合
成 2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール(和光純薬
工業(株)製)25g(0.18モル)をアセトン中、ヨウ化
エチル56.4g及び炭酸カリウム49.8gと還流下25時間反応
させた。冷却後無機物を去し、液を減圧下濃縮し
た。濃縮残渣をベンゼン200mlに溶解後水洗し、無水MgS
O4で乾燥した。乾燥剤を去後溶媒を留去し、残渣を減
圧蒸留してbp135〜137℃/7mmHg留分26.4gを微黄色油状
物として得た(収率 87.8%)。
参考例2.2−(4−プロポキシフェニル)エタノールの
合成 2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール25g(0.18
モル)をアセトン中ヨウ化n−プロピル61.2g及び炭酸
カリウム49.8gと還流下27時間反応させた。以下、参考
例1と同様に後処理を行ない、bp140〜143℃/5mmHg留分
29.5gを淡黄色油状物として得た。留分は冷却後結晶化
した(収率 90.5%)。
mp 37〜38.5℃ 参考例3.2−(4−エチルフェニル)エタノールの合成 (1) 4−エチルフェニル酢酸メチルの合成 4−エチルアセトフェノン(東京化成(株)製)20.7g
(0.14モル)を10℃以下で硝酸タリウム(TTN)62g,メ
タノール350ml及び70%過塩素酸70mlの混合液中に滴下
し、更に室温で4時間攪拌反応させた。反応液を過
後、水700mlを注入し、塩化メチレン200mlで抽出した。
塩化メチレン層を水洗後無水MgSO4で乾燥し、乾燥剤を
去後溶媒を留去し、残渣を減圧蒸留してbp147〜149℃
/30mmHg留分18.8gを淡黄色油状物として得た(収率 7
7.0%)。1 HNMR δppm(CDCl3): 1.18(3H,t,J=8Hz,−CH2CH3 ),2.58(2H,q,J=8Hz,−
H2 CH3),3.52(2H,s,−CH2 COOCH3),3.59(3H,s,−C
OOCH3 ),7.08(4H,s,aromatic)。
(2) 2−(4−エチルフェニル)エタノールの合成 (1)で得た4−エチルフェニル酢酸メチル18.8g(0.1
1モル)を水素化リチウムアルミニウム2.5gを懸濁した
エーテル溶液中に5〜10℃で滴下し、室温で3時間攪拌
反応させた。反応液を希硫酸水溶液中に徐々に注入した
後エーテル抽出し、エーテル層を水洗後無水MgSO4で乾
燥した。乾燥剤を去後溶媒を留去し、残渣を減圧蒸留
してbp123〜125℃/10mmHg留分15.5gを無色油状物として
得た(収率 98.0%)。1 HNMR δppm(CDCl3): 1.12(3H,t,J=8Hz,CH3 CH2−),1.98〜3.00(5H,m,CH3C
H2 −及び−CH2 CH2O),3.56〜4.00(2H,m,−CH2CH2 O
H),7.12(4H,s,aromatic)。
参考例4.2−(3,4−ジメチルフェニル)エタノールの合
成 (1) 3,4−ジメチルフェニル酢酸メチルの合成 3,4−ジメチルアセトフェノン(アルドリッチ社製)20g
(0.14モル)を用いて参考例3の(1)と同様に反応及
び後処理を行ない、bp139〜142℃/17mmHg留分19.7gを淡
黄色油状物として得た(収率 82.0%)。1 HNMR δppm(CDCl3): 2.19(6H,s,CH3 −x2),3.48(2H,s,−CH2 COOCH3),3.6
0(3H,s,−COOCH3 ),6.96(3H,s,aromatic)。
(2) 2−(3,4−ジメチルフェニル)エタノールの
合成 (1)で得た3.4−ジメチルフェニル酢酸メチル19.7g
(0.11モル)を用いて参考例3の(2)と同様に反応及
び後処理を行ない、bp134〜135℃/10mmHg留分15.8gを無
色油状物として得た(収率 96.1%)。1 HNMR δppm(CDCl3): 2.20(6H,s,CH3 −,CH3 −),2.40〜2.98(3H,m,−CH2 CH
2O),3.50〜4.06(2H,m,−CH2CH2 OH),6.89(3H,s,ar
omatic)。
参考例5.p−ドルエンスルホン酸2−(4−メトキシフ
ェニル)エチルエステルの合成 ピリジン中に4−メトキシフェネチルアルコール(アル
ドリッチ社製)52.2g(0.34モル)を溶解し、−5〜0
℃でp−トルエンスルホニルクロライド71.9g(0.38モ
ル)を滴下し、同温度で2時間攪拌反応させた。次いで
反応液に水を注入し、10℃以下で1時間攪拌後析出晶を
取し、冷水洗後乾燥して白色粉末晶97.0gを得た(収
率 92.3%)。
mp57.5〜59℃。1 HNMR δppm(CDCl3): 2.39(3H,s,−CH3 ),2.86(2H,t,J=7Hz,−CH2 −CH2
−OSO2−),3.73(3H,s,−OCH3 ),4.17(2H,t,J=7Hz,
−CH2−CH2 −OSO2−),6.61〜8.05(8H,m,aromati
c)。
参考例6.3,4,5−トリメトキシベンジルクロライドの合
成 3,4,5−トリメトキシベンジルアルコール(和光純薬工
業(株)製)59.5g(0.3モル)を塩化メチレン200mlに
溶解し、これに36%塩酸110mlを注入し、室温で1時間
攪拌した。次いで静置、分液して塩化メチレン層を分取
し水洗後無水MgSO4で乾燥した。乾燥剤を去し、溶媒
留去して得た残渣をn−ヘキサンより再結晶して白色針
状晶56.0gを得た(収率 86.2%)。
mp59〜61℃。
参考例7.1−ブロム−2−(4−メチルフェニル)エタ
ンの合成 4−メチルフェネチルアルコール(アルドリッチ社製)
40.9g(0.3モル)及びピリジン6mlの溶液を氷冷下0〜
5℃で三臭化リン30gとベンゼン25mlの溶液に滴下し
た。次いで室温まで加温後20時間攪拌反応させた。反応
液を減圧下濃縮した後、残渣を減圧蒸留しbp93〜96℃/5
mmHg留分44.2gを無色油状物として得た(収率 74.0
%)。
参考例8.1−クロル−2−(4−メトキシフェニル)エ
タンの合成 4−メトキシフェネチルアルコール50g(0.33モル)を
ピリジン28.6g及びベンゼン300ml中に溶解し、室温で塩
化チオニル43.0g(0.36モル)を滴下して、還流下2時
間反応させた。反応後、冷却し、反応液を水1中に注
入してベンゼン層を分取し、水洗後無水MgSO4で乾燥し
た。乾燥剤を去後、溶媒を留去し、残渣を減圧蒸留し
てbp118〜121℃/8mmHg留分47.0gを無色油状物として得
た(収率 83.5%)。
参考例9.〜16. 各種置換フェネチルアルコール(アルドリッチ社製又は
和光純薬工業(株)製)を用いて参考例8と同様に反応
及び後処理を行ない、表−1の如き置換フェネチルクロ
ライドを得た。
参考例17.〜20. 参考例1〜4で得られた各種置換フェネチルアルコール
を用いて参考例8と同様に反応及び後処理を行ない、表
−2の如き置換フェネチルクロライドを得た。
参考例21.2−ヨードエチルベンゼンの合成 2−ブロムエチルベンゼン(和光純薬工業(株)製)7
4.0g(0.4モル)をアセトン中ヨウ化ナトリウム63.0gと
還流下1時間反応させ、冷却後、無機物を去し液を
濃縮した後残渣を減圧蒸留してbp111〜113℃/14mmHg留
分83.5gを微黄色油状物として得た(収率 90.0%)。
参考例22.,23. 1−ヨード−2−(置換フェニル)エ
タンの合成 参考例12で得られた1−クロル−2−(3−メチルフェ
ニル)エタン及び参考例7で得られた1−ブロム−2−
(4−メチルフェニル)エタンを用いて参考例21と同様
に反応及び後処理を行ない、対応する1−ヨード−2−
(置換フェニル)エタンを表−3の如く得た。
参考例24. 1−ヨード−2−(4−メトキシフェニ
ル)エタンの合成 参考例5で得られたp−トルエンスルホン酸2−(4−
メトキシフェニル)エチルエステル96.0g(0.31モル)
をアセトン中ヨウ化ナトリウム130.6g(0.87モル)と攪
拌還流下2時間反応を行ない、冷却後無機物を去し、
液を減圧下濃縮した後残渣を減圧蒸留してbp125〜127
℃/2mmHg留分66.1gの微黄色油状物を得た。留分は冷却
後、結晶化した(収率 80.5%)。
mp28〜30℃。1 HNMR δppm(CDCl3): 2.78〜3.53(4H,m,−CH2 H2 I),3.72(3H,s,−OC
H3 ),6.78(2H,d,J=8Hz,phenyl−C3,C5),7.16(2H,d,
J=8Hz,phenyl−C2,C6)。
参考例25. 1−ヨードメチル−4−メチルベンゼンの
合成 1−ブロムメチル−4−メチルベンゼン(和光純薬工業
(株)製)10g(54ミリモル)をアセトン中ヨウ化ナト
リウム12.1g(81ミリモル)と攪拌還流下5時間反応を
行い、冷却後無機物を去し、液を濃縮して結晶化し
た残渣をn−ヘキサンより再結晶して11.0gの淡黄色針
状晶を得た(収率 87.8%)。
mp46.5〜48℃。
参考例26.,27. 1−ヨードメチル−3−メチルベンゼ
ン及び1−ヨードメチル−2−メチルベンゼンの合成 1−ブロム−3−メチルベンゼン又は1−ブロム−2−
メチルベンゼン(和光純薬工業(株)製)各10g(54ミ
リモル)を用いて参考例25と同様に反応及び後処理を行
ない、対応する1−ヨードメチル−3−メチルベンゼン
又は1−ヨードメチル−2−メチルベンゼンを表−4の
如く得た。
実施例1. 1−[2−(4−メトキシフェニル)エチ
ル]ピリジニウムクロライドの合成 参考例8で得た1−クロル−2−(4−メトキシフェニ
ル)エタン8.6g(50ミリモル)とピリジン4.0g(50ミリ
モル)を90〜100℃で1時間反応させ、更に酢酸エチル3
0mlを注入して、還流下30分間攪拌し溶解させた。反応
液を冷却して結晶を取し、洗浄、乾燥して淡黄色結晶
11.2gを得た(収率 89.7%)。
mp177〜179℃。
元素分析値(C14H16ClNO) 理論値(%) C:67.33,H:6.46,N:5.61 実測値(%) C:67.28,H:6.61,N:5.63。1 HNMR δppm(CDCl3−DMSO−d6): 3.33(2H,t,J=7Hz, 3.77(3H,s,CH3 O−),5.10(2H,t,J=7Hz, 6.77(2H,d,J=8Hz,phenyl−C3,C5),7.20(2H,d,J=8H
z,phenyl−C2,C6),8.10(2H,t,J=7Hz,pyridine−C3,C
5),8.67(1H,t,J=7Hz,pyridine−C4),9.25(2H,d,J
=6Hz,pyridine−C2,C6). 実施例2.〜14.各種ピリジニウムクロライド化合物の合
成 市販の若しくは参考例6,9〜11,13〜20で得られた各種置
換フェネチルクロライド又は各種置換ベンジルクロライ
ドとピリジン又は置換ピリジンを用いて実施例1と同様
に反応及び後処理を行ない、表−5(1)〜(4)の如
きピリジニウムクロライド化合物を得た。
実施例15. 1−[2−(4−メチルフェニル)エチ
ル]ピリジニウムブロマイドの合成 参考例7で得た1−ブロム−2−(4−メチルフェニ
ル)エタン10g(50ミリモル)とピリジン4.0g(50ミリ
モル)を90〜110℃で2時間反応させ、更にアセトン50m
lを注入して還流下30分間攪拌し、溶解させた。反応液
を冷却し析出晶を取、洗浄、乾燥して微黄色結晶7.46
gを得た(収率 53.4%)。
mp180〜183℃。
元素分析値(C14H16BrN) 理論値(%) C:60.45,H:5.80,N:5.03 実測値(%) C:60.39,H:5.92,N:5.11。1 HNMR δppm(CDCl3−DMSO−d6): 2.30(3H,s,−CH3 ),3.37(2H,t,J=7Hz, 5.17(2H,t,J=7Hz, 7.13(4H,s,phenyl),8.10(2H,t,J=7Hz,pyridine−
C3,C5),8.67(1H,t,J=7Hz,pyridine−C4),9.28(2H,
d,J=6Hz,pyridine−C2,C6)。
実施例16. 1−(3−フェニルプロピル)ピリジニウ
ムブロマイドの合成 1−ブロム−3−フェニルプロパン(東京化成(株)
製)10g(50ミリモル)を用いて実施例15と同様に反応
させた後、反応液に酢酸エチルを加えて洗浄し、濃縮し
て黄色粘稠油状物13.5gを得た(収率 96.4%)。
元素分析値(C14H16BrN) 理論値(%) C:60.45,H:5.80,N:5.03 実測値(%) C:60.12,H:6.14,N:5.22。1 HNMR δppm(CDCl3): 2.87〜3.50(4H,m, 5.10(2H,t,J=7Hz, 7.23(5H,broad s,phenyl),7.87(2H,t,J=7Hz,pyridi
ne−C3,C5),8.53(1H,t,J=7Hz,pyridine−C4),9.35
(2H,d,J=6Hz,pyridine−C2,C6)。
実施例17. 1−[2−(4−ニトロフェニル)エチ
ル]ピリジニウムブロマイドの合成 1−ブロム−2−(4−ニトロフェニル)エタン(アル
ドリッチ社製)12.5g(54ミリモル)を用いて実施例15
と同様に反応させた後、反応液に酢酸エチル40ml及びメ
タノール12mlを注入して還流下30分攪拌し溶解させた。
冷却後析出晶を取し、洗浄、乾燥して黄褐色結晶8.3g
を得た(収率 49.0%)。
mp184〜186℃。
元素分析値(C13H13BrN2O2) 理論値(%) C:50.51,H:4.24,N:9.06 実測値(%) C:50.30,H:4.41,N:9.11。1 HNMR δppm(CDCl3): 3.57(2H,t,J=7Hz, 5.20(2H,t,J=7Hz, 7.56〜8.84(7H,m,phenyl,pyridine−C3,C4,C5),9.34
〜9.64(2H,m,pyridine−C2,C6)。
実施例18. 1−(2−フェニルエチル)−3,4−ジメチ
ルピリジニウムアイオダイドの合成 参考例21で得た2−ヨードエチルベンゼン11.6g(50ミ
リモル)と3,4−ルチジン5.4g(50ミリモル)を90〜110
℃で1時間攪拌反応した後、冷却、固化した反応生成物
をエタノールより再結晶して橙黄色針状晶15.9gを得た
(収率 93.0%)。
mp142〜143℃。
元素分析値(C15H18IN) 理論値(%) C:53.11,H:5.35,N:4.13 実測値(%) C:52.92,H:5.51,N:4.19。
実施例 19.〜49.各種ピリジニウムアイオダイド化合物
の合成 参考例21〜27で得られた、置換フェネチルアイオダイド
又は置換ベンジルアイオダイドと、ピリジン又は置換ピ
リジンとを、実施例18と同様に反応させ、表−6(1)
〜(8)の如きピリジニウムアイオダイド化合物を得
た。
実施例50 TCNQ−Li塩の合成 TCNQ(和光純薬工業(株)製)20.4g(0.1モル)をアセ
トニトリル1.5に加温溶解し、これにヨウ化リチウム2
6.8g(0.2モル)をアセトニトリル200mlに溶解した溶液
を滴下して還流下1時間反応させた。反応後、冷却して
結晶を取し、乾燥して、紫色粉末晶20.0gを得た(収
率 94.8%)。
実施例51 TCNQ単塩の合成 実施例1で得られた1−[2−(4−メトキシフェニ
ル)エチル]ピリジニウムクロライド1.0gを、実施例51
で得られたTCNQのLi塩0.84g(4ミリモル)のメタノー
ル50ml溶液に加え、還流下2時間反応させた。反応後冷
却して結晶を取し、洗浄、乾燥して、1−〔2−(4
−メトキシフェニル)エチル)ピリジニウムTCNQ単塩1.
48gを紫色粉末晶として得た(収率 88.3%)。
元素分析値(C26H20N5O) 理論値(%) C:74.62,H:4.82,N:16.74 実測値(%) C:74.49,H:4.83,N:16.99。
DSC:吸熱点204℃;発熱分解点268℃。
実施例52.〜67.各種TCNQ単塩の合成 実施例2〜17で得られたピリジニウムクロライド化合物
或はピリジニウムブロマイド化合物と、実施例50で得ら
れたTCNQのLi塩とを用い、実施例51と同様に反応及び後
処理を行い、表7(1)〜(4)に示す如き各種ピリジ
ニウムTCNQ単塩を得た。
実施例68. TCNQ錯体の合成(A法) 実施例51で得られた1−〔2−(4−メトキシフェニ
ル)エチル〕ピリジニウムTCNQ単塩1.26g(3ミリモ
ル)とTCNQ0.61g(3ミリモル)をアセトニトリル120ml
に加温溶解し、還流下2時間反応させた。反応後冷却し
て結晶を取し、アセトニトリルより再結晶して1.45g
の黒紫色短針状晶を得た。(収率 77.6%)。
元素分析値(C38H24N9O) 理論値(%) C:73.30,H:3.88,N:20.25 実測値(%) C:73.20,H:3.94,N:20.31。
比抵抗値:5Ω・cm。
DSC:吸熱点232℃;発熱分解点268℃。
実施例69. TCNQ錯体の合成(B法) アセトニトリル150mlにTCNQ3.06g(15ミリモル)を加温
溶解し、これに実施例18で得た1−(2−フェニルエチ
ル)−3,4−ジメチルピリジニウムアイオダイド3.82g
(11.25ミリモル)を溶解したアセトニトリル溶液を滴
下して還流下1時間反応を行った。冷却後、析出晶を
取し、アセトニトリルより再結晶して3.10gの黒紫色短
針状晶を得た(収率 66.7%)。
元素分析値(C39H26N9) 理論値(%) C:75.47,H:4.22,N:20.31 実測値(%) C:75.19,H:4.36,N:20.45。
比抵抗値:8Ω・cm。
DSC:吸熱点238℃;発熱分解点242℃。
実施例70.〜114.各種TCNQ錯体の合成 実施例19.〜49で得られた各種ピリジニウムアイオダイ
ド化合物、或は実施例52〜67で得られた各種TCNQ単塩を
用い、実施例68(A法)或は実施例69(B法)に準じて
反応及び後処理を行い、表8(1)〜(10)に示す如き
各種TCNQ錯体を合成した。
尚、中性TCNQ(TCNQ゜と表示)とアニオンラジカルTCNQ との錯体構成比 は文献(A.Rembaum et al.,J.Am.Chem.Soc.,93,2532(1
971))に従い紫外線吸収スペクトル測定方法で求め
た。また、吸熱点及び発熱分解点については示差走査熱
量(DSC)測定で求めた。電気的特性値については錯体
をペレットとし、以下常法に従って試料作製の後25℃で
電流電圧測定(二端子法)を行い、前記計算式に基づい
て比抵抗値ρ(Ω・cm)を求めた。
〔発明の効果〕 以上述べた如く、本発明は、これまでTCNQ錯体に用いら
れていなかったN−置換ピリジニウムカチオンをドナー
として用いた点に特徴を有する発明であり、従来にない
種々の電子化学的或は光学的成果が期待できる新規なTC
NQ錯体を提供し得るものである点に顕著な効果を奏する
ものであり、斯業に貢献するところ大なる発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 213/61 213/84 // H01B 1/12 B 7244−5G (72)発明者 名古屋 守 埼玉県川越市大字的場1633番地 和光純薬 工業株式会社東京研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−63571(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 [式中、R1,R2は夫々独立して水素原子、炭素数1〜4
    のアルキル基、シアノ基、アセチル基又はハロゲン原子
    を示し、R3,R4,R5は夫々独立して水素原子、炭素数1〜
    4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ
    基、フルオロ基、トリフルオロメチル基又は水酸基を示
    し、nは1〜3の整数を示す(但し、nが1又は2で、
    且つR1,R2,R3,R4,R5がすべて水素原子である場合を除
    く。)。]で表わされる置換ピリニジウムカチオンと、
    7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンアニオンラジカル
    (TCNQ-)及び中性TCNQ(TCNQ゜)とを構成成分とするT
    CNQ錯体。
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