JP5217030B2 - 新規有機常磁性イオン液体化合物及びそれを含む支持電解質 - Google Patents

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Description

本発明は、ドキシル基(2,5-ジメチルピロリジルオキシ基)をカチオン部位に有する新規な有機常磁性イオン液体化合物及びそれを含む支持電解質に関する。
従来知られていた有機常磁性イオン液体は、電気化学的に不安定なアニオンを有するものであり(非特許文献1)、電気化学的な応用用途としてイオン液体を支持電解質として用いる方法は以前から知られていたが(例えば非特許文献2)、支持電解質かつ内部標準のように複合的機能を持つ化合物は知られていなかった。
Chem. Lett., 36, 1096-1097 (2007). ChemPhysChem, 7, 176-180 (2006).
これまで知られていた有機常磁性イオン液体は、非特許文献1にあるように電気化学的に不安定な硫酸エステル構造を有しており、電気化学的な応用用途に限界があった。それゆえ、新規の有機常磁性イオン液体を合成し、その応用用途、とりわけ電気化学的応用用途を新たに開拓することは、社会への貢献である。
本発明の目的は、新規な有機常磁性イオン液体化合物を提供し、その伝導性及びニトロキシル基の酸化還元を応用し、有機常磁性イオン液体を電気化学的に応用することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、特定の有機常磁性イオン液体化合物を、支持電解質を別途加えていない有機溶媒に溶解させサイクリックボルタンメトリーを測定すると、ニトロキシル基に固有の酸化還元波が測定され、かつ酸化還元過程が可逆的であることを見出した。
すなわち、本発明は、下記式[I]で示される化合物を提供する。
Figure 0005217030
(式中、nは4〜12の整数を示し、XはCl、Br、I、PF6、BF4、ClO4又はN(SO2CF3)2を示す)。
また、本発明は、上記本発明の化合物を含む、電気化学測定用の支持電解質を提供する。
本発明の有機常磁性イオン液体化合物は、高い導電性と酸化還元により可逆的に構造変化をするニトロキシル基を有する。このことから電気化学測定において、一般的に用いられるテトラブチルアンモニウムパークロレートと同様、支持電解質としての利用が可能である。また電位を走査する過程において、ニトロキシル基が可逆的かつ電位が固有である酸化還元波を示すことから、一般的に用いられるフェロセンと同様に、内部標準としての利用も可能である。非金属化合物が支持電解質と内部標準の機能を果たした前例はなく、本発明で用いる有機常磁性イオン液体分子に特有の物性である。
上記の通り、本発明の化合物は、上記式[I]で示される化学構造を有する。式[I]中、nは4〜12の整数を示し、XはCl、PF6、BF4、ClO4又はN(SO2CF3)2を示す。nが4、8又は12の場合、合成に用いる原料が入手し易いので好ましい。また、式[I]で示される化合物においてキラル中心の立体が(±)体である化合物及び式[I]で示される化合物においてキラル中心の立体が(S)体である化合物が、高い導電性及び安定な酸化還元特性の観点から好ましい。
本発明の化合物は、基本的には下記反応式により得られる。
Figure 0005217030
なお、該反応式中、THFはテトラヒドロフラン、TBAFはテトラブチルアンモニウムフルオリドを表す。
該反応式に従った合成方法の具体的な条件等は、下記実施例に詳細に記載されており、その記述に基づいて容易に合成することができる。
上記の通り、本発明の化合物は、有機常磁性イオン液体の性質を示し、高い導電性と酸化還元により可逆的に構造変化をするニトロキシル基を有する。本発明の化合物中の、ニトロキシル基近傍の部分の酸化状態と還元状態における構造変化は、次の通りである。
Figure 0005217030
本発明の有機常磁性イオン液体化合物は、高い伝導性と、酸化還元により上記の通り可逆的に構造変化をするニトロキシル基を有する。このことから電気化学測定において、一般的に用いられるテトラブチルアンモニウムパークロレートと同様、支持電解質として用いることができる。すなわち、本発明は、上記本発明の化合物を含む、電気化学測定用の支持電解質をも提供する。この際、電位を走査する過程において、ニトロキシル基が可逆的かつ電位が固有である酸化還元波を示すことから、一般的に用いられるフェロセンと同様に、内部標準として利用することも可能である。すなわち、支持電解質として用いる場合に、内部標準としての機能を兼ねさせることができる。非金属化合物が支持電解質と内部標準の機能を果たした前例はなく、本発明の有機常磁性イオン液体化合物に特有の物性である。なお、支持電解質として用いる場合、好ましくは本発明の化合物単独で支持電解質として用いられるが、公知の他の支持電解質と併用することも可能である。
上記以外の応用用途の可能性として、本発明の有機常磁性イオン液体化合物は、他のイオン液体同様、有機溶媒に溶解していない状態においても高い伝導性を示すことが予測される。この伝導性とニトロキシル基の酸化還元による可逆的な構造変化を用いることにより、複合的機能を持つ材料として電気デバイスへの応用も期待される。例えば、色素増感型太陽電池においては電解液かつ酸化還元対の機能を併せ持つ部材としての応用が考えられる。
加えて本発明に用いた有機常磁性イオンはその構造から酸化触媒としての応用が考えられ、今後光学活性体を合成することができれば不斉触媒としての応用も考えられる。さらにはイオン液体特有の物性を用いた発展的な用途も期待できる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1 化合物の合成
上記反応式に従い、種々の本発明の化合物を合成した。化合物番号は、上記反応式の各化合物の下に記載してある番号である。
1.化合物1の合成
マグネシウム(2.76g,113mmol)を丸底二口フラスコにとり、減圧加熱により乾燥させ、フラスコをアルゴンで満たした。これにTHF(113mL)を加え、乾燥した臭化アリール(32.6g,113mmol)を滴下し、ヨウ素少量を添加後、軽く加熱することで反応を開始させ、常温で3時間攪拌しグリニャール試薬を得た。他方で、よく乾燥させたニトロン(7.22g,56.7mmol)をアルゴンで満たした別の二口フラスコに入れ、THF(57mL)を加えて-78℃に冷却後、注射器を用いてグリニャール試薬を滴下した。徐々に昇温した後、常温で一晩攪拌した。続いて反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を注ぎ、有機層を分離後、エーテル(100mL×2回、50mL×1回)で抽出を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後に溶媒を留去し、残渣をメタノール(227mL)に溶解させ、25%濃アンモニア水(15.9mL)と酢酸銅一水和物(1.81g,9.07mmol)を加え、酸素を二分間吹き込んだ。液色が濃青色に変化したのを確認後、反応液を減圧濃縮し、メタノールを完全に留去した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(400mL)を加え、エーテル(500mL×1回、150mL×2回)で抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜97:3)で精製した(収量5.06g,15.1mmol、収率27%)。なお、反応溶媒にはエーテルの使用も可能である。
2.化合物2の合成
ニトロキシル化合物1(1.84g,5.49mmol)をTHF(110mL)に溶解させ、0℃に冷却した。これに1MのTBAF(THF溶液)(11.0mL)を加え、20分間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(100 mL)を加えて有機層を分離し、エーテル(30 mL×2回)で抽出後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶出溶媒 ジクロロメタン:エーテル=9:1)で精製した(収量0.953g,4.33mmol、収率79%)。
3.化合物3(n=4)の合成
ニトロキシル化合物2(0.953g,4.33mmol)をアセトン(40mL)に溶解させ、炭酸カリウム(1.80g,13.0mmol)を加え、30分間加熱還流した。続けて1‐ブロモ‐4‐クロロブタン(1.86g,10.8mmol)を加え、52時間加熱還流した。濾過により沈殿を除去し、溶媒を留去した後、フラッシュクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:エーテル=9:1)で精製した(収量1.14g,3.66mmol、収率85%)。元素分析結果 計算値:C,65.69;H,8.11;N,4.51. 測定値:C,65.98;H,8.33;N,4.53.
反応溶媒にはプロトン性極性溶媒のアルコールや非プロトン性非極性溶媒のヘキサンなどは適さず、アセトンやアセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒が適すると考えられる。本反応ではアセトンを用いた。
4.化合物3(n=8)の合成
ニトロキシル化合物2(0.688g,3.12mmol)をアセトン(29mL)に溶解させ、炭酸カリウム(1.30g,9.37mmol)を加え、30分間加熱還流した。続けて1‐ブロモ‐8‐クロロオクタン(1.78g,7.81mmol)を加え、43時間加熱還流した。濾過により沈殿を除去し、溶媒を留去した後、フラッシュクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:エーテル=9:1)で精製した(収量0.845g,2.30mmol、収率74%)。元素分析結果 計算値:C,68.74;H,9.06;N,3.82. 測定値:C,68.30;H,9.10;N,3.79.
反応溶媒にはプロトン性極性溶媒のアルコールや非プロトン性非極性溶媒のヘキサンなどは適さず、アセトンやアセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒が適すると考えられる。本反応ではアセトンを用いた。
5.化合物3(n=12)の合成
ニトロキシル化合物2(0.583g,2.65mmol)をアセトン(25mL)に溶解させ、炭酸カリウム(1.10g,7.95mmol)を加え、30分間加熱還流した。続けて1‐ブロモ‐12‐クロロドデカン(1.87g,6.62mmol)を加え、49時間加熱還流した。濾過により沈殿を除去し、溶媒を留去した後、フラッシュクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:エーテル=9:1)で精製した(収量0.780g,1.84mmol、収率70%)。元素分析結果 計算値:C,70.98;H,9.77;N,3.31. 測定値:C,71.07;H,9.87;N,3.26.
反応溶媒にはプロトン性極性溶媒のアルコールや非プロトン性非極性溶媒のヘキサンなどは適さず、アセトンやアセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒が適すると考えられる。本反応ではアセトンを用いた。
6.化合物4(n=4)の合成(トルエン溶媒)
ニトロキシル化合物3(n=4)(0.624g,2.01mmol)をトルエン(0.76mL)に溶解させ、N‐メチルイミダゾール(3.02g,3.68mmol)を加え、80℃で8時間攪拌した。溶媒を留去後、エーテルで粗成生物を洗浄し、真空乾燥した(収量0.780g,1.84mmol、収率70%)。熱重量分析と元素分析から生成物は吸湿性であることが示唆されたため、これ以上の精製を行わず生成物を次段階の反応に用いた。
7. 無溶媒で反応を行った場合
ニトロキシル化合物3(n=4)(0.837g,2.69mmol)にN‐メチルイミダゾール(0.223g,2.69mmol)を加え、70℃で91時間攪拌した。溶媒を留去後、エーテルで粗成生物を洗浄し、真空乾燥した(収量0.658g,1.68mmol、収率62%)。溶媒としてトルエンを用いた場合は、無溶媒の場合と比べ反応時間が大幅に短縮された。
8.化合物4(n=8)の合成
ニトロキシル化合物3(n=8)(0.448g,1.22mmol)にN‐メチルイミダゾール(0.124g,1.53mmol)を加え、70℃で71時間攪拌した。溶媒を留去後、エーテルで粗成生物を洗浄し、真空乾燥した(収量0.246g,0.548mmol、収率45%)。構造の類似性から生成物はn=4の化合物と同じく吸湿性であることが予想されたため、これ以上の精製を行わず生成物を次段階の反応に用いた。n=4の反応例から、溶媒としてトルエンを用いると反応時間が短縮されることが予想される。
9.化合物4(n=12)の合成
ニトロキシル化合物3(n=12)(0.780g,1.84mmol)にN‐メチルイミダゾール(0.229g,2.77mmol)を加え、70℃で72時間攪拌した。溶媒を留去後、エーテルで粗成生物を洗浄し、真空乾燥した(収量0.187g,0.371mmol、収率20%)。構造の類似性から生成物はn=4の化合物と同じく吸湿性であることが予想されたため、これ以上の精製を行わず生成物を次段階の反応に用いた。n=4の反応例から、溶媒としてトルエンを用いると反応時間が短縮されることが予想される。
10.化合物5(n=4、X=PF6)の合成
ニトロキシル化合物4(n=4)(0.972g,2.47mmol)をアセトン(2.47 mL)に溶解させ、NaPF6(0.455g,2.71mmol)を加え、常温で24時間攪拌した。沈殿物を濾過して溶媒を留去後、組成生物をクロロホルム(40mL)に溶解させ、蒸留水(4 mL×6回)で洗浄した。溶媒を留去し、真空減圧下で乾燥した(収量0.791g,1.57mmol、収率64%)。元素分析結果 計算値:C,50.20;H,6.22;N,8.36. 測定値:C,50.46;H,6.09;N,8.29. EPR (THF): g=2.006, aN=1.4 mT. IR (NaCl) ν 3163, 3120, 2974, 2940, 2874, 1512, 1454, 1366, 1250, 1169, 1061, 833 cm-1.
11.化合物5(n=4、X=BF4)の合成
ニトロキシル化合物4(n=4)(0.270g,0.687mmol)をアセトン(0.69mL)に溶解させ、NaBF6(0.083g,0.756mmol)を加え、常温で24時間攪拌した。沈殿物を濾過して溶媒を留去後、組成生物をクロロホルム(40mL)に溶解させ、蒸留水(4 mL×5回)で洗浄した。溶媒を留去し、真空減圧下で乾燥した(収量0.192g,0.432mmol、収率63%)。元素分析結果 計算値:C,56.77;H,7.03;N,9.46. 測定値:C,56.48;H,7.05;N,9.46. EPR (THF): g=2.006, aN=1.4 mT. IR (NaCl) ν 3159, 3117, 2974, 2943, 2874, 1512, 1454, 1362, 1250, 1180, 1173, 1057, 833 cm-1.
12.化合物5(n=4、X=ClO4)の合成
ニトロキシル化合物4(n=4)(0.180g,0.458mmol)をアセトン(0.46mL)に溶解させ、NaClO4(0.063g,0.504mmol)を加え、常温で24時間攪拌した。沈殿物を濾過して溶媒を留去後、組成生物をクロロホルム(20mL)に溶解させ、蒸留水(10mL×5回)で洗浄した。溶媒を留去し、真空減圧下で乾燥した(収量0.091g,0.199mmol、収率43%)。元素分析結果 計算値:C,55.20;H,6.84;N,9.20. 測定値:C,55.30;H,6.83;N,9.19. EPR (THF): g=2.006, aN=1.4 mT. IR (NaCl) ν 3156, 3117, 2974, 2943, 2874, 1508, 1454, 1362, 1250, 1169, 1069, 837 cm-1.
13.化合物5(n=4、X=N(SO2CF3)2)の合成
ニトロキシル化合物4(n=4)(0.151g,0.384mmol)をアセトン(0.70mL)に溶解させ、LiN(SO2CF3)2(0.153g,0.534mmol)を加え、常温で24時間攪拌した。沈殿物を濾過して溶媒を留去後、組成生物をクロロホルム(30mL)に溶解させ、蒸留水(4mL×5回)で洗浄した。溶媒を留去し、真空減圧下で乾燥した(収量0.211g,0.331mmol、収率68%)。元素分析結果 計算値:C,43.32;H,4.90;N,8.79. 測定値:C,43.12;H,4.78;N,8.74. EPR (THF): g=2.006, aN=1.4 mT. IR (NaCl) ν 3156, 3117, 2974, 2943, 2878, 1512, 1454, 1358, 1246, 1184, 1142, 1057, 833 cm-1.
14.化合物5(n=8、X=PF6)の合成
ニトロキシル化合物4(n=8)(0.246g,0.548mmol)をアセトン(0.55mL)に溶解させ、NaPF6(0.101g,0.603mmol)を加え、常温で24時間攪拌した。沈殿物を濾過して溶媒を留去後、組成生物をクロロホルム(20mL)に溶解させ、蒸留水(10 mL×5回)で洗浄した。溶媒を留去し、真空減圧下で乾燥した(収量0.224g,0.401mmol、収率73%)。元素分析結果 計算値: C,56.00;H,7.59;N,7.54. 測定値:C,55.90;H,7.58;N,7.53. EPR (THF): g=2.006, aN=1.4 mT. IR (NaCl) ν 3167, 3120, 2974, 2940, 2862, 1508, 1454, 1362, 1250, 1169, 1088, 1030, 841 cm-1.
15.化合物5(n=12、X=PF6)の合成
ニトロキシル化合物4(n=12)(0.093g,0.184mmol)をアセトン(0.50mL)に溶解させ、NaPF6(0.035g,0.209mmol)を加え、常温で24時間攪拌した。続いて沈殿物を濾過し、溶媒を留去した(粗収量0.104g,0.169mmol、粗収率92%)。粗成生物をクロロホルム(20mL)に溶解させ、蒸留水(10mL×5回)で洗浄した。溶媒を留去し、真空減圧下で乾燥した。元素分析結果 計算値:C,56.67;H,7.71;N,6.84. 測定値:C,56.48;H,7.43;N,6.75. EPR (THF): g=2.006, aN=1.4 mT. IR (NaCl) ν 3167, 3121, 2974, 2932, 2855, 1508, 1454, 1362, 1250, 1169, 1088, 1030, 841 cm-1.
実施例2 電気化学的性質
実施例1で合成した(±)体の有機常磁性イオン液体分子(n=4, X=PF6)2.8mgをアセトニトリル5mLに溶解した。得られたイオン液体の濃度が1mMの溶解液を用いて、白金を作用電極及び対電極mAg/Ag+を参照電極としてサイクリックボルタンメトリーを測定したところ、NHEを基準として1.03Vと0.90Vの電位においてニトロキシル基に由来する酸化波と還元波がそれぞれ観測され、酸化電位と還元電位の平均値を表す酸化還元電位は0.97Vであった(図1)。ここで、NHEは標準水素電極を表す。
実施例において測定したサイクリックボルタンメトリーの結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 下記式[I]で示される化合物。
    Figure 0005217030
    (式中、nは4〜12の整数を示し、XはCl、Br、I、PF6、BF4、ClO4又はN(SO2CF3)2を示す)。
  2. 式[I]中、nは4、8又は12の整数を示す請求項1記載の化合物。
  3. 式[I]で示される化合物においてキラル中心の立体が(±)体である請求項1又は2記載の化合物。
  4. 式[I]で示される化合物においてキラル中心の立体が(S)体である請求項1又は2記載の化合物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物を含む、電気化学測定用の支持電解質。
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