JPH0710834Y2 - 連続鋳造設備におけるピンチロール装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、連続鋳造設備におけるピンチロール装置に関
する。

従来の技術 従来のこの種のピンチロール装置においては、たとえば
第５図および第６図に示すように、固定側ロール１に対
向させて可動側ロール２を設け、両ロール1,2の支軸3,4
の両端を軸受5,6により回転可能に支持し、この両支軸
3,4の一端にはそれぞれウォーム減速機8,9を配設してい
る。これらウォーム減速機8,9は、支軸3,4に固定された
ウォームホイール10,11と、これらウォームホイール10,
11に噛合する12,13からなり、両ウォーム12,13は中間に
ギヤカップリング14が介在された共通の駆動軸15により
連結され、駆動軸15の一端を自在接手16を介して駆動装
置（図示省略）に接続されている。

考案が解決しようとする課題 しかし、上記従来のピンチロール装置における両ロール
1,2の間隔調整はギヤカップリング14の軸方向の摺動に
より行われるが、この摺動量が小さいため可動側ロール
２の移動距離も大きくとることができず、したがって、
ほとんど単一サイズの鋳片17しか引き抜くことができな
いという問題があった。

本考案は、従来のピンチロール装置を改良して、このよ
うな問題点を解消することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案の連続鋳造設備にお
けるピンチロール装置は、互いに対向する一対のピンチ
ロールを接近・離間自在に設け、両ピンチロールをウォ
ーム減速機を介して共通の駆動軸に連動連結し、前記両
ウォーム減速機のいずれか一方のウォームにスプライン
孔を形成し、このスプライン孔内に駆動軸外周に設けた
スプライン部を摺動自在に嵌合し、両ピンチロールを接
近離間する移動手段を設けたものである。

作用 上記構成において移動手段により両ピンチロールを接近
離間させると、ウォーム減速機においてウォームのスプ
ライン孔内を駆動軸のスプライン部が摺動し、広範囲に
わたって駆動軸とウォームとを良好に連結でき、両ピン
チロール間隔を広い範囲で調整することができる。した
がって、種々のサイズの鋳片を同一のピンチロールで引
き抜くことができる。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図〜第４図に基づいて説
明する。

本実施例のピンチロール装置においては、第１図および
第２図に示すように、固定側ロール21に対向させて可動
側ロール22を接近・離間自在に設け、両ロール21,22の
支軸23,24の両端を軸受25,26により回転可能に支持し、
可動側ロール22の軸受26に移動装置27を接続している。
移動装置27は、可動側ロール22を固定側ロール21に対し
て接近・離間させるもので、油圧ジャッキや油圧シリン
ダなどを使用している。また、両支軸23,24の一端には
ウォーム減速機28,29のウォームホイール30,31を取り付
け、両ウォーム減速機28,29のウォーム32,33を共通の駆
動軸34により接続し、駆動軸34の一端を自在接手35を介
して駆動装置（図示省略）に接続している。さらに、第
３図および第４図に示すように、可動側ロール22のウォ
ーム減速機29のウォーム33にはスプライン孔36を設けて
おり、このスプライン孔36内に駆動軸34の中間部外周に
設けたスプライン部37を摺動可能に嵌合している。38
は、ウォーム33の両端を回転可能に支持する軸受である
（第３図参照）。

上記のように構成したピンチロール装置により連続鋳造
した鋳片39を引き抜くには、まず、鋳片39のサイズに合
わせて移動装置27により可動側ロール22を固定側ロール
21からに対して接近離間させ、両ロール21,22の間隔を
調整する。そして、ダミーバーに引き続いて挿入された
鋳片39を挾持して引き抜く。前記ロール間隔調整時に
は、可動側ロール22の移動に伴って駆動軸34のスプライ
ン部37に沿って可動側ロール22のウォーム33のスプライ
ン孔36が軸心方向に摺動するので、可動側ロール22の位
置をスプライン部37の摺動範囲で広く設定することがで
きる。引き抜き時には、両ロール21,22の間に鋳片39を
挾持し、駆動装置により駆動軸34を回転して両ウォーム
減速機28,29を介して両ロール21,22を互いに反対方向に
回転させることにより鋳片39を引き抜く。

上記のように、本実施例では、固定側ロール21に対する
可動側ロール22の移動距離を十分に大きくとることがで
きるので、両ロール21,22の間に種々のサイズの鋳片39
を挾持して引き抜くことが可能である。ちなみに、本考
案者は、従来の直径350mmの鋳片しか引き抜くことがで
きないピンチロール装置を本考案のように改良して、直
径170mm〜350mmの範囲の鋳片を引き抜くことができるよ
うにした。

なお、本実施例では、可動側ロール22のウォーム33に設
けたスプライン孔36内に駆動軸34の中間部外周に設けた
スプライン部37を摺動可能に嵌合したが、他の実施例と
して（図示省略）、両ロールを接近離間動可能な可動ロ
ールとし、両ロールのウォームにそれぞれスプライン孔
を設け、このスプライン孔内に駆動軸の外周に設けたス
プライン部をそれぞれ摺動可能に嵌合してもよく、同様
の効果を得ることができる。

考案の効果 以上述べたように本考案によれば、両ピンチロールに取
り付けたウォーム減速機のいずれか一方のウォームにス
プライン孔を設け、このスプライン孔内に駆動軸外周に
設けたスプライン部を摺動可能に嵌合したので、両ピン
チロールを接近離間させる移動距離を十分に大きくとる
ことができる。したがって、これら両ピンチロールの間
で種々のサイズの鋳片を挾持して引き抜くことが可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す連続鋳造設備における
ピンチロール装置の平面図、第２図は上記実施例のウォ
ーム減速機の正面図、第３図は上記実施例の固定側ロー
ルに取り付けたウォーム減速機のウォームの断面図、第
４図は第３図のＩ−Ｉ断面図、第５図は従来のピンチロ
ール装置の一例を示す平面図、第６図は従来のピンチロ
ール装置のウォーム減速機の正面図である。 21…固定側ロール、22…可動側ロール、28…ウォーム減
速機、29…ウォーム減速機、32…ウォーム、34…駆動
軸、36…スプライン孔、37…スプライン部、39…鋳片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに対向する一対のピンチロールを接近
   ・離間自在に設け、両ピンチロールをそれぞれウォーム
   減速機を介して共通の駆動軸に連動連結し、前記両ウォ
   ーム減速機のいずれか一方のウォームにスプライン孔を
   形成し、このスプライン孔内に前記駆動軸外周に設けた
   スプライン部を摺動自在に嵌合し、両ピンチロールを接
   近離間する移動手段を設けたことを特徴とする連続鋳造
   設備におけるピンチロール装置。