JPH07108131A - 排ガスの処理方法 - Google Patents

排ガスの処理方法

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JPH07108131A
JPH07108131A JP5252723A JP25272393A JPH07108131A JP H07108131 A JPH07108131 A JP H07108131A JP 5252723 A JP5252723 A JP 5252723A JP 25272393 A JP25272393 A JP 25272393A JP H07108131 A JPH07108131 A JP H07108131A
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JP
Japan
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line
gas
waste gas
absorption
gaseous
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5252723A
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English (en)
Inventor
Naohiko Ugawa
直彦 鵜川
Toru Takashina
徹 高品
Susumu Okino
沖野  進
Yuji Tanaka
裕士 田中
Kenji Inoue
井上  健治
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 SO2 を含む排ガスの湿式処理方法に関す
る。 【構成】 石灰石を吸収剤としてSO2 を含む排ガスを
湿式処理するにあたり、吸収塔入口の排ガスにNH3
スを供給する第1の工程と、吸収液の一部を系外に排出
する過程で、吸収液pHを10以上に予め調整後加熱し
て吸収液よりNH 3 をガスとして回収する第2の工程
と、第2の工程で発生したNH3 ガスを第1の工程で使
用するNH3 ガスの一部として供給するようにしてなる
排ガスの処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石炭焚き排ガスや重質油
燃焼排ガスの如きSO2 を含む排ガスの湿式処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】石灰石(CaCO3 )を吸収剤として排
ガスのSO2 を吸収除去し、副生品として石膏を回収す
る湿式石灰石膏法排煙脱硫装置は広く実用化されてい
る。我が国では1970年代初頭に、まず重質油燃焼排
ガス処理用として実用化され、1982年の第2次エネ
ルギ危機以降には石炭を使用するボイラが増加し、これ
に伴って石炭焚き排ガスを処理する排煙脱硫装置が増加
したのは周知のとおりである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】吸収剤であるCaCO
3 は粉体として供給され、吸収液中で溶解しながら酸性
ガスであるSO2 を中和する。ところが一般にはCaC
3 の溶解速度は比較的遅く、そのために吸収液中に未
反応分のCaCO3 が残留する。CaCO3 残留分が多
くなると、副生石膏に混入するため、その純度を低下さ
せる他、CaCO 3 の過剰消費をひき起こすため脱硫装
置の運転上問題となる。さらに石炭焚き排ガスにはダス
ト、HCl、HFなどSO2 以外の共存物質が多く含ま
れる場合があり、これらは石灰石の溶解を著しく阻害
し、ますます上記問題を助長することが知られている。
{例えば、J. Chem. Eng. Japan, 25, 146(1992)あるい
は J. Chem. Eng. Japan, 26, 112 (1993)など}
【0004】この対策として従来より種々の方法が採ら
れてきたが、中でも吸収液中に吸収助剤を加える方法は
広く知られている。吸収助剤として、Na2 SO4 ,N
2SO3 ,NaOH,Na2 CO3 ,NaHCO3
NaHSO3 などのナトリウム化合物を使用する方法
は、特開昭60−84133号公報や特許第89472
5号明細書や特許第903276号明細書を初め、特開
昭53−129167号、特開昭55−124530
号、特開昭56−65615号及び特開昭51−975
97号各公報において開示されており、マグネシウム化
合物を吸収助剤とする方法については、特開昭53−1
7565号公報により公開されている。しかしながら本
発明の重要な構成であるNH3 ガスを吸収助剤として使
用する方法については上記公開資料によっても全く触れ
られていない。
【0005】さて上記従来の吸収剤を使用する際の最大
の技術課題は吸収助剤の消費にあった。すなわち、一般
に湿式脱硫法で処理する排ガス中には、SO2 以外にダ
スト、HCl、HFなどの共存物質が含まれ、これらは
吸収液に溶解物質として蓄積し、前述のとおり石灰石の
溶解阻害や副生石膏の純度低下をひき起こす。このた
め、吸収液の一部を系外に排出して、上記溶解物質の蓄
積を防止する必要があった。吸収助剤は吸収液に溶解し
ているため、上記吸収液の排出に伴って系外に排出され
ることとなり、この排出分を補う量だけ新たに系外から
供給する必要があった。吸収助剤を加える効果により共
存物質の影響はある程度隠ぺいできるため、排水の排出
量は低減できるが、完全に無排水とすることは不可能で
ある。むしろ、吸収助剤の効果を高めるために吸収助剤
の吸収液中濃度を上げると、排水に伴って消費される吸
収助剤量がますます増大してしまう難点があった。吸収
助剤の大量消費は運転コストの増大を招くばかりか、排
煙脱硫装置を設置する地域によっては安定的な入手が困
難の場合もあり、装置の運転継続そのものにも悪影響を
及ぼす。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記従来法の欠点を改善
する方法について、本発明者らは鋭意研究の結果、吸収
液中に溶解したアンモニウム塩が従来使用されていたナ
トリウム塩やマグネシウム塩の吸収助剤としての効果に
比べて著しく高い効果を示すことを新たに見い出し、そ
の特性を利用し、かつ吸収助剤の消費量を低減可能とす
る本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は石灰石を吸収剤として
SO2 を含む排ガスを湿式処理するにあたり、吸収塔入
口の排ガスにNH3 ガスを供給する第1の工程と、吸収
液の一部を系外に排出する過程で、吸収液pHを10以
上に予め調整後加熱して吸収液よりNH3 をガスとして
回収する第2の工程と、第2の工程で発生したNH3
スを第1の工程で使用するNH3 ガスの一部として供給
することを特徴とする排ガスの処理方法である。
【0008】
【作用】次に本発明の作用を図1の一実施態様図をもっ
て説明する。石炭焚き排ガスが導かれる煙道1に、NH
3 ガスをラインa及びラインbより供給する。ラインa
によって系外から供給されるNH3 ガス流入量はスラリ
ろ液中のアンモニア濃度検知装置2からの信号を受け
て、該ろ液中のアンモニア濃度が一定となるようコント
ロール弁3により調整される。吸収塔4では、ラインc
により循環されたスラリが排ガスに接触し、SO2 とN
3 ガスの大部分を吸収除去する。浄化された排ガスは
煙道5より系外に排出される。吸収塔タンク6にはタン
ク底部にラインdより空気が供給され、SO2 吸収によ
り生成した亜硫酸イオンを酸化して石膏とする。
【0009】また塔底タンク6にはラインeより石灰石
粉体が吸収塔循環スラリのpHが一定となるよう供給さ
れる。吸収塔タンク6内のスラリは吸収塔循環ポンプ7
によって吸収塔6を循環するが、スラリ濃度を調整する
ために、ラインfより補給水が加えられる。循環スラリ
の一部はラインgによって抜き出され、固液分離機8に
供給され、ここでスラリ中の石膏と小量の未反応石灰石
の粒子が分離され、副生石膏9としてとり出される。ろ
液は一旦ろ液貯槽10に貯えられ、その大部分はライン
hにより再び吸収塔タンク6に戻されるが、一部はライ
ンiにより排水として抜き出される。抜き出された排水
はまずpH調整槽11に供給され、ここで強アルカリが
ラインjより加えられ、pH≧10に調整後、加熱装置
12に送液され、ここでろ液中のアンモニウム塩はNH
3 ガスとして回収され、ラインbより再び排ガス中に供
給される。強アルカリとしては例えばCa(OH)2
NaOHなどが使用でき、この際の中和反応と加熱によ
るNH3 ガスの回収は以下の反応式で表される。 中和反応 2NH4 X+Ca(OH)2 → 2NH4 OH+CaX2 (1) NH4 X+NaOH → NH4 OH+NaX (2) Xはアニオンを示す。 NH3 ガス回収 NH4 OH → NH3 +H2 O (3) 加熱装置12から排出される液は必要に応じて排水処理
を行った後、系外に排出される。
【0010】次に、本発明の根幹をなす、アンモニウム
塩共存時の石灰石溶解作用の促進効果を図2をもって説
明する。図2は本発明の出願人と同一グループが、学会
誌に発表{ J. Chem. Eng. Japan, 26, 112 (1993)}し
て公知となっている方法により、吸収液中の塩濃度が石
灰石の溶解速度に及ぼす影響を検討した結果である。
【0011】すなわち、各種塩を溶解した溶液中に一定
濃度(0.1モル/リットル)となるようCaCO3
粉体を加え、この溶液のpHが一定(5.2)となるよ
う硫酸を加えていったときの、硫酸添加速度から石灰石
の溶解速度を測定したものである。溶液中には予め試薬
石膏を10wt%加えて石膏飽和とし、温度は50℃で一
定とした。図2において、縦軸は塩を加えていない場合
に対する塩を加えた場合の石灰石の溶解速度の比、すな
わち石灰石の相対溶解速度を示したものである。横軸は
各種塩の濃度を示したものである。
【0012】図2から明らかなようにアンモニウム塩は
従来知られているナトリウム塩やマグネシウム塩のよう
な吸収助剤と異なり、低濃度でも石灰石の溶解速度を大
幅に増大する作用のあることが明らかである。本発明は
上記の事実に基づいて、なされたものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例をあげ、本発明の効果
を明らかにする。
【0014】(実施例1)石炭焚き排ガスを図1と同じ
実施態様をもつ吸収装置で処理した。吸収装置の規模は
パイロット規模とし、テスト条件を表1に示す。
【0015】
【表1】 表 1 パイロットプラントテスト条件 吸収剤 : CaCO3 325メッシュ 90%通過の粉体 処理ガス流量 : 200Nm3/h (ドライベース) 吸収塔入口ガスSO2 濃度 : 800ppm (ドライベース) 排ガス源 : 微粉炭燃焼排ガス 吸収塔液ガス比 : 17.5リットル/Nm3 スラリ設定pH : 6.3 平均排水量 : 1リットル/h pH調整用アルカリ : Ca(OH)2 アルカリ添加後のろ液調整pH : 10 ろ液加熱温度 : 95℃
【0016】吸収塔スラリろ液中のアンモニウム塩濃度
は0.15(モル/リットル as NH4 + ) となるよう
ラインaからの供給量を調整した。定常状態での脱硫
率、副生石膏の純度、ラインより供給したNH3 ガスの
平均供給量、Ca(OH)2 平均供給量は表2のとおり
であった。
【0017】
【表2】 表 2 実施例1の運転結果 脱硫率 : 98.2% 副生石膏純度 : 98.6% NH3 ガス(ラインa,ラインbからの合計量) の平均供給量 : 0.066モル/h Ca(OH)2 供給量 : 0.073モル/h
【0018】後述する比較例1、2に比較し、脱硫率及
び副生石膏の純度とも顕著に増大した。また、比較例2
に比較し、系外からの吸収助剤(NH3 ガス)の供給量
は著しく低減した。
【0019】(実施例2)実施例1のパイロットプラン
トテスト運転条件のうち、アルカリ添加後のpH調整値
を9.0とし、他は実施例1と全く同一条件で運転し
た。定常状態での脱硫率、副生石膏の純度、ラインaよ
り供給したNH3 ガスの平均供給量、Ca(OH)2
均供給量は表3のとおりであった。
【0020】
【表3】 表 3 実施例2の運転結果 脱硫率 : 98.1% 副生石膏純度 : 98.7% NH3 ガス(ラインa,ラインbからの合計量) の平均供給量 : 0.12モル/h Ca(OH)2 供給量 : 0.03モル/h
【0021】実施例1と比較すると、脱硫率、副生石膏
純度はほとんど変わらないものの、NH3 ガスの平均供
給量が著しく増加していることが判明した。これはpH
調整値が実施例1に比較して低いために排水中のアンモ
ニウム塩の回収が不完全であるためと推察され、実際加
熱処理後の排水中に、50%以上のアンモニウム塩が残
留していることが認められた。実施例1との比較から、
NH3 ガスを回収するために吸収液pHを10以上とし
た後加熱することが必要であることが明らかとなった。
【0022】(比較例1)実施例1と同一装置を使用
し、NH3 ガスの供給、Ca(OH)2 の供給を停止し
た以外は、実施例1と同一条件で運転を行った。定常状
態での脱硫率、副生石膏の純度は表4のとおりであっ
た。
【0023】
【表4】 表 4 比較例1の運転結果 脱硫率 : 92.8% 副生石膏の純度 : 91.8%
【0024】(比較例2)実施例1と同一装置を使用
し、NH3 ガスの替わりにNaOHを吸収塔タンク(図
1に図示なし)に供給し、吸収塔スラリろ液中のナトリ
ウム塩濃度を0.30(モル/リットル as Na+ )と
なるよう供給量を調整した。排水へのCa(OH)2
加は停止した。上記以外は、実施例1と同一条件で運転
を行ったところ、定常状態での脱硫率、副生石膏の純
度、NaOHの平均供給量は表5のとおりであった。
【0025】
【表5】 表 5 比較例2の運転結果 脱硫率 : 95.6% 副生石膏純度 : 95.2% NaOHの平均供給量 : 0.33モル/h
【0026】
【発明の効果】アンモニウム塩の吸収助剤としての顕著
な効果に注目した本発明の方法を適用することにより、
従来法に比較し、脱硫性能の著しい改善と副生石膏の純
度を高めることができるようになると共に、吸収助剤で
あるNH3 ガスを排水から回収し、循環利用すること
で、系外から供給する吸収助剤の量を著しく低減するこ
とを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す説明図。
【図2】アンモニウム塩共存時の石灰石溶解作用の促進
効果を示す図表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/34 125 B (72)発明者 田中 裕士 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 井上 健治 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰石を吸収剤としてSO2 を含む排ガ
    スを湿式処理するにあたり、吸収塔入口の排ガスにNH
    3 ガスを供給する第1の工程と、吸収液の一部を系外に
    排出する過程で、吸収液pHを10以上に予め調整後加
    熱して吸収液よりNH3 をガスとして回収する第2の工
    程と、第2の工程で発生したNH3 ガスを第1の工程で
    使用するNH3 ガスの一部として供給することを特徴と
    する排ガスの処理方法。
JP5252723A 1993-10-08 1993-10-08 排ガスの処理方法 Withdrawn JPH07108131A (ja)

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Cited By (4)

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