JPH07107867B2 - 多極マイクロギャップ式サージ吸収器 - Google Patents

多極マイクロギャップ式サージ吸収器

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JPH07107867B2
JPH07107867B2 JP61121838A JP12183886A JPH07107867B2 JP H07107867 B2 JPH07107867 B2 JP H07107867B2 JP 61121838 A JP61121838 A JP 61121838A JP 12183886 A JP12183886 A JP 12183886A JP H07107867 B2 JPH07107867 B2 JP H07107867B2
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JP
Japan
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terminal
ground terminal
surge absorber
microgap
type surge
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隆明 伊藤
誠 小野寺
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Mitsubishi Materials Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は多極マイクロギャップ式サージ吸収器に係り、
特に複数のサージ吸収部を具備し、サージ吸収機構のコ
ンパクト化を図ることが可能な多極マイクロギャップ式
サージ吸収器に関する。
[従来の技術] サージ電圧を吸収するサージ吸収素子には、エアギャッ
プ式サージ吸収器又はZnO系バリスタ等の電圧非直線抵
抗体等が現在広く用いられている。しかしながら、エア
ーギャップ式のサージ吸収器では、放電遅れが大きいと
いう問題点があり、また、電圧非直線抵抗体では、絶縁
抵抗が十分大きくなく、かつ静電容量が大きいため高周
波領域での信号が歪むなどの欠点を有しており、いずれ
も十分なサージ電圧吸収効果を得ることはできなかっ
た。
本出願人は、このような従来のサージ吸収器の特性不良
を解消するものとして、マイクロギャップ式サージ吸収
素子を先に特許出願した(特開昭55−128283。以下、
「先願」という。)。
この先願に係るマイクロギャップ式のものは、エアーギ
ャップ式のものに比べて放電遅れが非常に小さく、また
電圧非直線抵抗体に比べて絶縁抵抗が大きくかつ静電容
量が小さいという優れた特性を有している。
このため、マイクロギャップ式サージ吸収器は、IC、LS
I等のように信号速度の速い素子を保護するのに最適と
考えられており、その応用が広く検討されている。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、最近のIC、LSI等は、その耐サージ性が弱く
なっており、個々のIC、LSIに対してサージ電圧を保護
する必要が高まってきている。しかしながら、この場合
には、各IC、LSIの端子毎にマイクロギャップ式サージ
吸収素子を取り付けて保護することとなるが、このよう
に多数のサージ吸収素子を設置することは、部品点数及
びスペース上の問題で現実には不可能であると考えられ
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明の多極マイクロギャップ式サージ吸収器は、平行
な第1辺及び第2辺と、平行な第3辺及び第4辺とを有
した方向板状の絶縁体の表面に、それぞれ導電性セラミ
ックスの被膜よりなるアース端子及び複数の対向端子を
設け、該アース端子と各対向端子との間にマイクロギャ
ップを形成したマイクロギャップ式サージ吸収器であっ
て、該第1辺の中央部分から該第2辺に向って該アース
端子が延在し、該第3辺及び該第4辺からそれぞれ複数
の該対向端子が該アース端子に向って延在し、各対向端
子の延在方向の先端部は該アース端子に向って尖った形
状となっており、各対向端子の該先端部と該アース端子
との間に幅200μm以下のマイクロギャップが形成され
ており、これらのマイクロギャップは絶縁性被覆材によ
り被包されており、かつ、該絶縁性被覆材の内側に不活
性ガスが減圧、常圧もしくは加圧状態で封入されてお
り、各対向電極には、前記絶縁体の側面に回り込む端子
電極を取り付けてあることを特徴とするものである。
[作用] 本発明の多極マイクロギャップ式サージ吸収器は、方形
板状の絶縁体の表面にそれぞれ導電性セラミックス被膜
よりなるアース端子及び複数の対向端子を設け、該アー
ス端子と各対向端子との間にマイクロギャップを形成し
たものであり、2以上のIC,LSI等の端子を該対向端子に
取り付けられた端子電極に接続することにより、IC,LSI
等からのサージ電圧を該マイクロギャップを介してアー
ス端子に逃がすことができる。
このため、本発明の多極マイクロギャップ式サージ吸収
器によれば、1つの吸収器で複数の端子からのサージ電
圧を吸収することができ、ICやLSI等の回路において、
サージ吸収素子の部数及び設置スペースの低減を図るこ
とができる。
しかも、マイクロギャップは絶縁性被覆材により被包さ
れているため、埃や湿気の混入が防止され、また、絶縁
性被覆材の内側に不活性ガスが封入されているため、放
電の際の電極の酸化が防止され、また、不活性ガスによ
る放電電圧の制御も可能である。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明の多極マイクロギャップ式サージ吸収器
の一実施例を示す断面図であり、第2図は第1図のサー
ジ吸収器の導電性皮膜のパターンを示す平面図である。
第1図に示すサージ吸収器は、絶縁体としてのアルミナ
基板11の表面に、導電性皮膜としてTiNをスパッタリン
グにて付着させた後、フォトエッチングにて分割してア
ース端子12と対向端子12a〜12hを形成し、アース端子12
と各対向端子12a〜12hとの間にマイクロギャップ13を形
成している。各対向端子12a〜12hに端子電極14を取り付
け、鉛ガラス15にてマイクロギャップ13をArガス中に封
じ込めている。
アルミナ基板11は、第2図の通り4辺を有した方形のも
のであり、第2図の下辺中央から上辺に向ってアース端
子12が延在している。第2図の左辺及び右辺からそれぞ
れ4個(合計8個)の対向端子12a〜12hがアース端子12
に向って延在している。各端子電極14は、アルミナ基板
11の側面に回り込んでいる。
各対向端子12a〜12hの延在方向の先端部は、アース端子
12に向って尖った形状となっており、各対向端子12a〜1
2hの先端部とアース端子12との間に約50μmのマイクロ
ギャップ13が形成されている。
本実施例のサージ吸収器では、ICやLSI等で発生するサ
ージ電圧を、各々、電極14から対向端子12a〜12hを介し
て、マイクロギャップ13にて低い電圧で放電することに
より、アース端子12に逃がすことができる。
なお、本発明のサージ吸収器の各構成部材の詳細につい
ては以下に説明する。
絶縁体は、電極間にサージ電圧が印加された場合、導電
性皮膜のマイクロギャップに電界を集中させ、放電を起
こし易くするために、その抵抗率の大きいことが好まし
く、特に抵抗率が1013(Ω・cm)以上を有しているもの
が好適である。このような絶縁体としては、例えばムラ
イト磁器、フォルステライト磁器、アルミナ磁器、ステ
アタイト磁器等のセラミックス材料が好適である。
このような絶縁体の表面に形成する導電性皮膜として
は、導電性金属酸化物及び侵入型窒化物を含む導電性セ
ラミックスが挙げられ、導電性金属酸化物としては、Sn
O2、Nb2O3、M0O3、WO2等が好適である。一方、侵入型窒
化物としては主として遷移元素の窒化物がこれに相当
し、金属原子の隙間に窒素原子が侵入した構造であるの
で、微量の不純物を添加しなくても導電性を有するもの
であり、TiN、TaN等が好適である。これらの導電性金属
酸化物及び侵入型窒化物はいずれも融点が高く、耐酸化
性、耐食性に優れている。
絶縁体の表面にこれら導電性皮膜を形成するには、スパ
ッタリング、イオンプレーティング等の気相蒸着法が有
利である。
なお、導電性皮膜の厚さは寿命特性上厚い方が好まし
く、製造コストや皮膜の密着性等を考えて適宜決定され
る。
このような導電性皮膜に設けるマイクロギャップは、放
電遅れを低減するためには細い方が好ましいが、導電性
被膜が金属よりなる場合、マイクロギャップが狭すぎる
と放電の際の融着による短絡の恐れがある。これに対
し、導電性セラミック皮膜であれば融着の恐れがないこ
とから、マイクロギャップの幅は200μm以下、特に50
μm以下とすることが可能である。しかも、対向端子の
先端部を尖った形状とし、これをアース端子12の直線状
の辺部に対峙させているため、該マイクロギャップの幅
を高精度にて微小な所定幅とすることができる。
マイクロギャップは通常フォトエッチングやレーザー加
工により形成され、レーザーとしては、YAGレーザー等
の固体レーザー、アルゴンガスレーザー等のガスレーザ
ーが使用される。特にYAGレーザーは安定性が高く好適
である。
マイクロギャップを封入する絶縁性被覆材としては通常
ガラス等の絶縁性物質が採用される。また、封入ガスと
しては、通常、希ガス及び窒素ガスよりなる群の中から
選ばれた少なくとも一種のガスを使用する。特に、アル
ゴンガス0.1〜10.0%とネオンガス99.9%〜90.0%より
なる混合ガス(ペンニングガス)を封入するときは放電
開始電圧を最低とするため、好適である。封入ガスの圧
力については特に限定されず、減圧、常圧、加圧のいず
れでも良いが、減圧であることが好適である。
電極としては、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレ
ススチール等が用いられる。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の多極マイクロギャップ式サ
ージ吸収器は、マイクロギャップ式サージ吸収素子の著
しく優れたサージ吸収特性、即ち、放電遅れが少なく、
絶縁抵抗が大きく、かつ静電容量が小さいという優れた
特性を具備し、しかも1つの吸収器で複数サージ吸収機
能を備えるという特徴を有する。
また、マイクロギャップは絶縁性被覆材により被包され
ているため、埃や湿気の混入のおそれがなく、埃による
誤作動や湿気による劣化の問題もない。
更に、絶縁性被覆材の内側に不活性ガスが封入されてい
るため、電極の酸化のおそれもなく、耐久性に優れる上
に、不活性ガスによる放電電圧の制御も容易に行える。
従って、このような本発明の多極マイクロギャップ式サ
ージ吸収器によれば、ICやLSI等において、基板装着部
品数や設置スペース、設置工数の低減を図ることがで
き、各種機器の小型化、低コスト化に極めて有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の多極マイクロギャプ式サージ吸収器の
一実施例を示す断面図、第2図は第1図のサージ吸収器
の導電性皮膜のパターンを示す平面図である。 11……アルミナ基板、 12……アース端子、12a〜12h……対向端子、 13……マイクロギャップ、 14……端子電極、15……鉛ガラス。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−128283(JP,A) 実開 昭54−173941(JP,U) 実開 昭49−80351(JP,U) 実開 昭50−122834(JP,U) 実開 昭53−81332(JP,U) 実開 昭53−135561(JP,U) 実公 昭55−27997(JP,Y1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平行な第1辺及び第2辺と、平行な第3辺
    及び第4辺とを有した方形板状の絶縁体の表面に、それ
    ぞれ導電性セラミックスの被膜よりなるアース端子及び
    複数の対向端子を設け、該アース端子と各対向端子との
    間にマイクロギャップを形成したマイクロギャップ式サ
    ージ吸収器であって、 該第1辺の中央部分から該第2辺に向って該アース端子
    が延在し、 該第3辺及び該第4辺からそれぞれ複数の該対向端子が
    該アース端子に向って延在し、 各対向端子の延在方向の先端部は該アース端子に向って
    尖った形状となっており、 各対向端子の該先端部と該アース端子との間に幅200μ
    m以下のマイクロギャップが形成されており、 これらのマイクロギャップは絶縁性被覆材により被包さ
    れており、かつ、該絶縁性被覆材の内側に不活性ガスが
    減圧、常圧もしくは加圧状態で封入されており、 各対向電極には、前記絶縁体の側面に回り込む端子電極
    を取り付けてあることを特徴とする多極マイクロギャッ
    プ式サージ吸収器。
JP61121838A 1986-05-27 1986-05-27 多極マイクロギャップ式サージ吸収器 Expired - Lifetime JPH07107867B2 (ja)

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