JP2594861B2 - 保安機構付サージ吸収素子 - Google Patents

保安機構付サージ吸収素子

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JP2594861B2
JP2594861B2 JP4058960A JP5896092A JP2594861B2 JP 2594861 B2 JP2594861 B2 JP 2594861B2 JP 4058960 A JP4058960 A JP 4058960A JP 5896092 A JP5896092 A JP 5896092A JP 2594861 B2 JP2594861 B2 JP 2594861B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電話回線等に印加さ
れる誘導雷等のサージを吸収し、電子機器が損傷するこ
とを防止するための、放電間隙と電圧非直線抵抗体との
並列接続構造を備えたサージ吸収素子に係り、特に、素
子を偏平化すると共に、連続した過電流の通電を確実に
遮断することのできる保安機構付サージ吸収素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器の電子回路に通じる電源
ライン或いは通信ライン等を構成する線路間に種々のサ
ージ吸収素子を接続し、サージなどの過電圧から電子回
路を保護することが行われている。図4は、かかるサー
ジ吸収素子の一例を示すものである。このサージ吸収素
子72は、電圧非直線抵抗体74の両端に一対の放電電
極76,76を接続し、該放電電極76,76間に放電
間隙78を形成することによって、電圧非直線抵抗体7
4と放電間隙78との並列接続構造を実現し、これらを
放電ガスと共に両端が開口した外囲器80内に収納し、
上記放電電極76,76に接続されたキャップ部材8
2,82によって上記外囲器80の開口部を気密に封止
し、該キャップ部材82,82からリード線84,84
を導出した構造を有してなる。このサージ吸収素子72
は、上記線路間に、被保護電子回路に対して並列接続さ
れる。
【0003】しかして、上記線路に、上記サージ吸収素
子72の定格電圧以上のサージが瞬間的に印加された場
合には、直ちに上記電圧非直線抵抗体74を通して電流
が流れてサージ吸収が開始される。この電流は、サージ
吸収動作の進展に伴って増加し、電流による電圧非直線
抵抗体74の電圧降下が放電間隙78の放電開始電圧以
上となると、上記放電間隙78にグロー放電を経てアー
ク放電が生成し、該アーク放電の大電流を通じてサージ
が吸収される。
【0004】このサージ吸収素子72は、放電間隙78
(ガスアレスタ)と電圧非直線抵抗体74(バリスタ)
とを並列接続して一体化した構成を有するため、放電遅
れ時間が大きいというガスアレスタの欠点と、電流耐量
が小さいというバリスタの欠点とを相補い、即応性と大
電流耐量性とを併せ持つ、優れたサージ吸収特性を発揮
し得るものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】しかしながら、この従来のサージ吸収素子
72は、図示の通り、その外囲器80が嵩張る略円筒形
状をなしているため、各種電子機器内部に実装する際に
相当のスペースを確保する必要があり、近年における電
子機器の小型化の要請に反するものであった。
【0006】また、電力線との接触事故や、このような
事態を想定したULやCSA等の安全規格による過電圧
試験によって、上記サージ吸収素子72の定格電圧以上
の過電圧が連続して印加された場合には、放電間隙78
に生ずる放電による過電流の通電が持続状態となる。そ
して、この過電流の連続した通電に伴う発熱によって外
囲器80が溶融し、サージ吸収素子72が組み込まれた
回路基板を焼損させることとなり、その結果、上記過電
圧試験の合格基準を充足し得ないのは勿論のこと、実際
の使用状況下においては火災の原因となるおそれもあっ
た。
【0007】本発明は、上記従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、外形がコンパクトに納まると共に、過
電流の連続した通電を遮断することで焼損事故を未然に
防止し、各種安全規格に適合する保安機構付サージ吸収
素子を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る保安機構付サージ吸収素子は、絶縁基
板と、該絶縁基板の表面を気密に覆い、該表面との間に
放電ガスが充填される放電空間を形成する蓋部材と、上
記絶縁基板の表面に被着形成される電圧非直線抵抗膜
と、上記絶縁基板の表面に放電間隙を隔てて対向するよ
う被着形成され、上記電圧非直線抵抗膜の両端に電気的
に接続される第1及び第2の放電電極膜と、上記絶縁基
板の表面に被着形成され、上記第1及び第2の放電電極
膜の少なくとも一方に接続される発熱抵抗膜とを有して
なり、上記発熱抵抗膜の初期抵抗値を0.1Ω乃至5Ω
の範囲に設定すると共に、該発熱抵抗膜の抵抗温度係数
を2500ppm/°C乃至4000ppm/°Cの範
囲に設定し、また、上記絶縁基板の裏面における相対向
する両側端縁に脚部を突設した。
【0009】また、絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気
密に覆い、該表面との間に放電ガスが充填される放電空
間を形成する蓋部材と、上記絶縁基板の表面に被着形成
される電圧非直線抵抗膜と、上記絶縁基板の表面に放電
間隙を隔てて対向するよう被着形成され、上記電圧非直
線抵抗膜の両端に電気的に接続される第1及び第2の放
電電極膜とを有してなり、上記第1及び第2の放電電極
膜の少なくとも一方と上記電圧非直線抵抗膜とを、上記
絶縁基板の表面に被着形成された発熱抵抗膜を介して電
気的に接続し、また、該発熱抵抗膜の初期抵抗値を0.
1Ω乃至5Ωの範囲に設定すると共に、該発熱抵抗膜の
抵抗温度係数を2500ppm/゜C乃至4000pp
m/゜Cの範囲に設定し、さらに、上記絶縁基板の裏面
における相対向する両側端縁に脚部を突設した。
【0010】なお、上記「連続した過電流」における
「連続した」という表現は、「一定時間継続した」を意
味するものであり、「連続した過電流」には、直流電流
のみならず、時間の経過と共に電流値が変化する交流電
流も当然に含まれるものである。以下においても同様で
ある。
【0011】
【作用】絶縁基板の表面に、電圧非直線抵抗膜、放電電
極膜及び発熱抵抗膜とを被着形成するよう構成したの
で、保安機構付サージ吸収素子の形状は全体的に偏平化
し、小型化することが容易となる。
【0012】上記保安機構付サージ吸収素子は、電子機
器の電子回路に通じる電源ライン或いは通信ラインを構
成する線路間に、該電子回路に対して並列に接続され
る。そして、該線路に保安機構付サージ吸収素子の定格
電圧(保安機構付サージ吸収素子の動作電圧のことであ
り、具体的には電圧非直線抵抗膜の「バリスタ電圧」)
以上のサージが印加されると、まず電圧非直線抵抗膜の
いわゆるバリスタ動作により、10−9秒程度の応答速
度で直ちにサージ吸収が開始され、上記電圧非直線抵抗
膜の抵抗値とサージ電流値との積による電圧降下によっ
て、上記電圧非直線抵抗膜の両端に制限電圧が現れる。
続いて、電流量が増加するのに伴ってこの制限電圧も上
昇し、これが放電電極膜間の放電開始電圧を越えると、
放電電極膜間における電圧非直線抵抗膜の近傍領域で励
起放電が生じ、その付勢によって瞬時に放電間隙に放電
が転移し、グロー放電を経てアーク放電が生成する。そ
して、かかるアレスタ動作によって、大きなサージが吸
収される。
【0013】また、電力線との接触事故や、このような
事態を想定した過電圧試験によって、上記保安機構付サ
ージ吸収素子の定格電圧以上の過電圧が連続して印加さ
れた場合には、上記放電間隙で放電が持続し、この放電
を通じて連続した過電流が発熱抵抗膜に流れることとな
る。この連続した過電流の通電によって上記発熱抵抗膜
が発熱し、この自己発熱を契機としてその抵抗値が急激
に上昇し、その発熱量も相乗的に増加するため、最終的
に上記絶縁基板は熱歪みによって砕裂する。この結果、
放電空間内の放電ガスに空気が流入し、放電が消失して
過電流の通電が遮断されるので、上記保安機構付サージ
吸収素子の溶融や、これを組み込んだ回路基板の焼損等
を防止することができる。
【0014】上記発熱抵抗膜の抵抗温度係数は、その初
期抵抗値(連続した過電流の通電によって発熱抵抗膜が
発熱する前の、平常時における抵抗値)、予想される過
電流の電流値、或いは絶縁基板の割れ易さ等を基に、実
験を通じて具体的に決定される。例えば、発熱抵抗膜の
初期抵抗値を比較的に高く設定してもよい場合には、そ
の抵抗温度係数をそれほど高く設定しなくとも、当初か
ら十分な発熱量が得られるため、絶縁基板を砕裂し得
る。ところが、この種のサージ吸収素子は、後述のよう
に、保護すべき電子回路に対して並列に接続されるた
め、初期抵抗値が高いとサージ印加時の残留電圧が大き
くなり、その分大きな電圧が電子回路側に印加されるこ
ととなる。したがって、その初期抵抗値はできるだけ小
さくすべきとの要請がある。
【0015】そこで、上記保安機構付サージ吸収素子
は、発熱抵抗膜の初期抵抗値を0.1Ω乃至5Ωという
低い範囲に設定すると共に、その抵抗温度係数を250
0ppm/°C乃至4000ppm/°Cという非常に
高い範囲に設定することにより、通常の瞬間的なサージ
の印加に対しては低い抵抗値を維持できると共に、過電
流が連続的に流れた場合には、その抵抗値が急激に上昇
して絶縁基板を砕裂することができる。なお、一般的な
抵抗体の抵抗温度係数は200ppm/°C程度と低い
ため、発熱してもその抵抗値はほとんど変化しない。し
たがって、これによって上記発熱抵抗膜を形成した場合
には、初期抵抗値を5Ω乃至100Ωという高い範囲で
設定する必要がある。
【0016】なお、上記絶縁基板の裏面における相対向
する両側端縁に脚部を突設することにより、素子を回路
基板等に実装した際に、上記脚部によって上記絶縁基板
の中心部分が浮いた状態で支持される。そのため、絶縁
基板の砕裂が極めて容易となるのみならず、砕裂した部
分が下方に陥没して通電路が完全に遮断されるため、確
実に過電流の通電を遮断することができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を、図示の実施例に基づいて説
明する。図1及び図1のA−A断面図である図2に示す
ように、本実施例に係る第1の保安機構付サージ吸収素
子2は、厚さ0.4〜1.0mmのアルミナ等のセラミ
ックからなる絶縁基板4と、該絶縁基板4の表面6を覆
う蓋部材8と、上記表面6の略中央部に被着形成された
第1の電圧非直線抵抗膜10と、該第1の電圧非直線抵
抗膜10の両端に接続される第1の放電電極膜12及び
第2の放電電極膜14とを有してなる。該第1及び第2
の放電電極膜12,14間には、幅0.2〜10mmの
第1の放電間隙16が形成され、この結果、第1の電圧
非直線抵抗膜10と第1の放電間隙16との並列接続構
造が実現する。また、上記第1の放電電極膜12には、
第1の発熱抵抗膜18が接続される。さらに、上記絶縁
基板4の裏面22における左側端縁及び右側端縁には、
裏面22に対して略垂直方向に突出し、上記第1及び第
2の放電電極膜12,14の通電方向と略直交する方向
に延びる脚部24,24が、上記絶縁基板4と一体的に
形成される。上記絶縁基板4の表面6から脚部24,2
4の側面26,26にかけては、第1の外部端子薄膜2
8及び第2の外部端子薄膜30が被着形成されており、
第1の外部端子薄膜28は上記第1の発熱抵抗膜18
に、また、第2の外部端子薄膜30は上記第2の放電電
極膜14にそれぞれ接続される。
【0018】上記第1の電圧非直線抵抗膜10は、酸化
亜鉛(ZnO)やチタン酸バリウム(BaTiO)等
の金属酸化物によって構成される。上記第1及び第2の
放電電極膜12,14は、タングステン(W),モリブ
デン(Mo),六硼化ランタン(LaB),ニケイ化
モリブデン(MoSi),二酸化チタン(TiO
等の耐スパッタ性を有する導電物質や、42−6合金,
42合金等の金属薄板によって形成される。上記第1及
び第2の外部端子薄膜28,30は、銀・パラジウム
(Ag・Pd)やニッケル(Ni)系ペースト等の電気
的良導体によって形成される。
【0019】上記第1の発熱抵抗膜18は、ルテニウム
(Ru)系ペースト等によって形成され、その膜厚は1
0〜25μm程度に設定される。この第1の発熱抵抗膜
18の抵抗温度係数及び初期抵抗値は、上記ルテニウム
(Ru)系ペーストに所定の貴金属材料を所定量混入す
ることによって適宜設定することが可能であり、ここで
は抵抗温度係数が2500ppm/°C〜4000pp
m/°Cの範囲に、また初期抵抗値が0.1Ω〜5Ωの
範囲に設定されている。
【0020】上記蓋部材8は、ガラスやセラミック等の
絶縁物質からなり、該蓋部材8の各側面31は3〜10
mm程度の高さを有している。該側面31と絶縁基板4
の表面6とを低融点ガラス等からなる封着材32によっ
て固着することにより、絶縁基板4の表面6と蓋部材8
との間に、上記側面31の高さに相応した高さを有す
る、気密の放電空間34が形成される。該放電空間34
内には、ヘリウム(He),ネオン(Ne),アルゴン
(Ar),キセノン(Xe)等の希ガスの単体もしくは
混合物を主体とする放電ガスが封入される。なお、上記
のように側面31を有する蓋部材8を用いる代わりに、
平板状の蓋部材を用い、絶縁基板4との間にスペーサー
等を配して放電空間を形成するよう構成してもよい。
【0021】上記構成を有する第1の保安機構付サージ
吸収素子2を電子機器のプリント回路基板等に実装した
状態で、上記第1及び第2の外部端子薄膜28,30を
介して、外部から第1の保安機構付サージ吸収素子2の
定格電圧以上のサージを印加すると、まず上記第1の電
圧非直線抵抗膜10によって直ちにサージ吸収が開始さ
れ、ついでサージ電流量の増加に伴い、第1の電圧非直
線抵抗膜10の電圧降下が上記第1及び第2の放電電極
膜12,14間の放電開始電圧を越えると、上記第1の
放電間隙16にグロー放電を経て主放電たるアーク放電
が生成し、大きなサージが吸収される。
【0022】電力線との接触事故や、このような事態を
想定した過電圧試験によって、第1の保安機構付サージ
吸収素子2の定格電圧以上の過電圧が連続して印加され
た場合には、上記第1の放電間隙16で放電が持続し、
該放電を通じて連続した過電流が上記第1の発熱抵抗膜
18に流れることとなる。この連続した過電流の通電に
よって第1の発熱抵抗膜18が発熱し、該自己発熱を契
機としてその抵抗値が急激に上昇する。このため、その
発熱量も相乗的に増加し、最終的に上記絶縁基板4は熱
歪みを起こし、上記脚部24,24と平行する方向に砕
裂する。この結果、放電空間34内の放電ガスに空気が
流入し、放電が消失して過電流の通電が遮断される。
【0023】上記のように、第1の発熱抵抗膜18の初
期抵抗値を0.1Ω乃至5Ωと比較的低く設定したた
め、瞬間的なサージ印加による残留電圧を低く抑えるこ
とができる。また、その抵抗温度係数を2500ppm
/°C乃至4000ppm/°Cと高く設定したため、
初期抵抗値を上記のように低く設定しても、過電圧が連
続して印加された場合には、その抵抗値が急激に上昇し
て十分な発熱量が得られるので、絶縁基板4を確実に砕
裂し得る。
【0024】絶縁基板4の裏面22には脚部24,24
が形成されているため、回路基板等に実装した場合に、
絶縁基板4の裏面22が回路基板の表面に密着すること
なく、その中央付近が回路基板から浮いた状態で支持さ
れるため、絶縁基板4の砕裂が容易となる。また、砕裂
した部分が下方に陥没するので、通電路が寸断され、過
電流の通電をより確実に遮断できる。
【0025】なお、上記実施例においては、第1の放電
電極膜12にのみ第1の発熱抵抗膜18を接続したが、
これに限られるものではなく、第1及び第2の放電電極
膜12,14のそれぞれに発熱抵抗膜を接続するよう構
成しても良い。
【0026】図3は、本発明に係る他の実施例である、
第2の保安機構付サージ吸収素子52を示すものであ
る。この第2の保安機構付サージ吸収素子52は、絶縁
基板4と、該絶縁基板4の表面6を覆う蓋部材8と、上
記表面6に被着形成された第2の電圧非直線抵抗膜54
と、同表面6に被着形成された第2の発熱抵抗膜56及
び第3の発熱抵抗膜58と、同表面6に被着形成された
第3の放電電極膜60及び第4の放電電極膜62とを有
してなる。上記第3及び第4の放電電極膜60,62
は、それぞれ第2及び第3の発熱抵抗膜56,58を介
して上記第2の電圧非直線抵抗膜54の両端に接続され
る。また、この第3及び第4の放電電極膜60,62間
には、第2の放電間隙64が形成される。この結果、第
2の電圧非直線抵抗膜54と第2の放電間隙64との並
列接続構造が実現される。上記絶縁基板4の裏面22に
おける左側端縁及び右側端縁には、脚部24,24が上
記絶縁基板4と一体的に形成される。そして、上記絶縁
基板4の表面6から脚部24,24の側面26,26に
かけては、第3の外部端子薄膜66及び第4の外部端子
薄膜68が被着形成されており、該第3及び第4の外部
端子薄膜66,68は、上記第3及び第4の放電電極膜
60,62にそれぞれ接続される。
【0027】しかして、上記第2の保安機構付サージ吸
収素子52に定格電圧以上の過電圧が連続して印加され
た場合には、連続した過電流が上記第2及び第3の発熱
抵抗膜56,58に流れることとなる。この連続した過
電流の通電によって第2及び第3の発熱抵抗膜56,5
8が発熱し、該自己発熱を契機としてその抵抗値が急激
に上昇する。このため、その発熱量も相乗的に増加し、
最終的に上記絶縁基板4は熱歪みを起こし、上記脚部2
4,24と平行する方向に2箇所で砕裂する。
【0028】なお、上記においては、発熱抵抗膜として
第2及び第3の発熱抵抗膜56,58を用いるよう構成
したが、これに限られるものではない。例えば、第3の
放電電極膜60と第2の電圧非直線抵抗膜54の一端と
を、第2の発熱抵抗膜56を介して電気的に接続すると
共に、第4の放電電極膜62と第2の電圧非直線抵抗膜
54の他端とを、第3の発熱抵抗膜58を用いることな
く直接に接続するよう構成してもよい。絶縁基板4が、
少なくとも1箇所で砕裂すれば、過電流の通電を遮断で
きるからである。
【0029】
【発明の効果】上記のように、本発明に係る保安機構付
サージ吸収素子は、絶縁基板と、該絶縁基板を覆う蓋部
材と、上記絶縁基板の表面に被着形成される電圧非直線
抵抗膜、放電電極膜及び発熱抵抗膜とからなるよう構成
したので、その外形を偏平化することができる。その結
果、部品収容スペースの少ない小型の機器内に収容する
ことが可能になる等、保安機構付サージ吸収素子の使用
用途を拡大し、その利用価値を高めることができる。
【0030】また、発熱抵抗膜の初期抵抗値を0.1Ω
乃至5Ωという低い範囲に設定すると共に、その抵抗温
度係数を2500ppm/°C乃至4000ppm/°
Cという高い範囲に設定することにより、通常の瞬間的
なサージの印加に対しては低い抵抗値を維持できると共
に、電力線との接触事故や各種過電圧試験によって保安
機構付サージ吸収素子の定格電圧以上の過電圧が連続し
て印加され、該過電圧による過電流が連続的に流れた場
合には、その抵抗値が急激に上昇して絶縁基板を砕裂す
ることができる。その結果、放電空間内の放電ガスに空
気が流入し、これにより放電が消失して過電流の通電が
確実に遮断されるので、保安機構付サージ吸収素子の溶
融やこれを組み込んだ回路基板の焼損等を防止すること
ができる。
【0031】さらに、絶縁基板の裏面における相対向す
る両側端縁に脚部を突設したことにより、本発明に係る
保安機構付サージ吸収素子を回路基板等に実装した際
に、上記脚部によって上記絶縁基板の中心部分を浮いた
状態で支持できるので、絶縁基板の砕裂が極めて容易と
なるのみならず、砕裂した部分が下方に陥没して通電路
が完全に遮断されるため、確実に過電流の通電を遮断す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の保安機構付サージ吸収素子
を示す分解斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】第2の保安機構付サージ吸収素子を示す分解斜
視図である。
【図4】従来のサージ吸収素子の概略断面図である。
【符号の説明】
2 第1の保安機構付サージ吸収素子 4 絶縁基板 6 絶縁基板の表面 8 蓋部材 10 第1の電圧非直線抵抗膜 12 第1の放電電極膜 14 第2の放電電極膜 16 第1の放電間隙 18 第1の発熱抵抗膜 24 脚部 34 放電空間 52 第2の保安機構付サージ吸収素子 54 第2の電圧非直線抵抗膜 56 第2の発熱抵抗膜 58 第3の発熱抵抗膜 60 第3の放電電極膜 62 第4の放電電極膜 64 第2の放電間隙

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気密に
    覆い、該表面との間に放電ガスが充填される放電空間を
    形成する蓋部材と、上記絶縁基板の表面に被着形成され
    る電圧非直線抵抗膜と、上記絶縁基板の表面に放電間隙
    を隔てて対向するよう被着形成され、上記電圧非直線抵
    抗膜の両端に電気的に接続される第1及び第2の放電電
    極膜と、上記絶縁基板の表面に被着形成され、上記第1
    及び第2の放電電極膜の少なくとも一方に接続される発
    熱抵抗膜とを有してなり、上記発熱抵抗膜の初期抵抗値
    を0.1Ω乃至5Ωの範囲に設定すると共に、該発熱低
    抗膜の抵抗温度係数を2500ppm/°C乃至400
    0ppm/°Cの範囲に設定し、また、上記絶縁基板の
    裏面における相対向する両側端縁に脚部を突設したこと
    を特徴とする保安機構付サージ吸収素子。
  2. 【請求項2】 絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気密に
    覆い、該表面との間に放電ガスが充填される放電空間を
    形成する蓋部材と、上記絶縁基板の表面に被着形成され
    る電圧非直線抵抗膜と、上記絶縁基板の表面に放電間隙
    を隔てて対向するよう被着形成され、上記電圧非直線抵
    抗膜の両端に電気的に接続される第1及び第2の放電電
    極膜とを有してなり、上記第1及び第2の放電電極膜の
    少なくとも一方と上記電圧非直線抵抗膜とを、上記絶縁
    基板の表面に被着形成された発熱抵抗膜を介して電気的
    に接続し、また、該発熱抵抗膜の初期抵抗値を0.1Ω
    乃至5Ωの範囲に設定すると共に、該発熱抵抗膜の抵抗
    温度係数を2500ppm/°C乃至4000ppm/
    °Cの範囲に設定し、さらに、上記絶縁基板の裏面にお
    ける相対向する両側端縁に脚部を突設したことを特徴と
    する保安機構付サージ吸収素子。
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