JPH05226060A - 保安機構付サージ吸収素子 - Google Patents

保安機構付サージ吸収素子

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JPH05226060A
JPH05226060A JP5896092A JP5896092A JPH05226060A JP H05226060 A JPH05226060 A JP H05226060A JP 5896092 A JP5896092 A JP 5896092A JP 5896092 A JP5896092 A JP 5896092A JP H05226060 A JPH05226060 A JP H05226060A
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film
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Yoshito Kasai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外形をコンパクトに納めると共に、過電流の
連続した通電を確実に遮断して、素子の溶融や該素子を
組み込んだ回路基板の焼損等を防止する。 【構成】 絶縁基板4と、絶縁基板4の表面を気密に覆
い、放電ガスが充填される放電空間34を形成する蓋部材
8と、絶縁基板4の表面6に被着形成される第1の電圧
非直線抵抗膜10と、同表面6に放電間隙16を隔てて対向
するよう被着形成され、第1の電圧非直線抵抗膜10の両
端に電気的に接続される第1及び第2の放電電極膜12,
14とを有してなり、第1の放電電極膜12に、絶縁基板4
の表面6に被着形成された第1の発熱抵抗膜18を接続す
ると共に、第1の発熱抵抗膜18の抵抗値が、連続した過
電流の通電による自己発熱を契機として、絶縁基板4を
砕裂するに十分な発熱量が得られる値まで上昇するよう
に、第1の発熱抵抗膜18の抵抗温度係数を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電話回線等に印加さ
れる誘導雷等のサージを吸収し、電子機器が損傷するこ
とを防止するための、放電間隙と電圧非直線抵抗体との
並列接続構造を備えたサージ吸収素子に係り、特に、素
子を偏平化すると共に、連続した過電流の通電を確実に
遮断することのできる保安機構付サージ吸収素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器の電子回路に通じる電源
ライン或いは通信ライン等を構成する線路間に種々のサ
ージ吸収素子を接続し、サージなどの過電圧から電子回
路を保護することが行われている。図4は、かかるサー
ジ吸収素子の一例を示すものである。このサージ吸収素
子72は、電圧非直線抵抗体74の両端に一対の放電電極7
6,76を接続し、該放電電極76,76間に放電間隙78を形
成することによって、電圧非直線抵抗体74と放電間隙78
との並列接続構造を実現し、これらを放電ガスと共に両
端が開口した外囲器80内に収納し、上記放電電極76,76
に接続されたキャップ部材82,82によって上記外囲器80
の開口部を気密に封止し、該キャップ部材82,82からリ
ード線84,84を導出した構造を有してなる。このサージ
吸収素子72は、上記線路間に、被保護電子回路に対して
並列接続される。
【0003】しかして、上記線路に、上記サージ吸収素
子72の定格電圧以上のサージが瞬間的に印加された場合
には、直ちに上記電圧非直線抵抗体74を通して電流が流
れてサージ吸収が開始される。この電流は、サージ吸収
動作の進展に伴って増加し、電流による電圧非直線抵抗
体74の電圧降下が放電間隙78の放電開始電圧以上となる
と、上記放電間隙78にグロー放電を経てアーク放電が生
成し、該アーク放電の大電流を通じてサージが吸収され
る。
【0004】このサージ吸収素子72は、放電間隙78(ガ
スアレスタ)と電圧非直線抵抗体74(バリスタ)とを並
列接続して一体化した構成を有するため、放電遅れ時間
が大きいというガスアレスタの欠点と、電流耐量が小さ
いというバリスタの欠点とを相補い、即応性と大電流耐
量性とを併せ持つ、優れたサージ吸収特性を発揮し得る
ものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】しかしながら、この従来のサージ吸収素子
72は、図示の通り、その外囲器80が嵩張る略円筒形状を
なしているため、各種電子機器内部に実装する際に相当
のスペースを確保する必要があり、近年における電子機
器の小型化の要請に反するものであった。
【0006】また、電力線との接触事故や、このような
事態を想定したULやCSA等の安全規格による過電圧
試験によって、上記サージ吸収素子72の定格電圧以上の
過電圧が連続して印加された場合には、放電間隙78に生
ずる放電による過電流の通電が持続状態となる。そし
て、この過電流の連続した通電に伴う発熱によって外囲
器80が溶融し、サージ吸収素子72が組み込まれた回路基
板を焼損させることとなり、その結果、上記過電圧試験
の合格基準を充足し得ないのは勿論のこと、実際の使用
状況下においては火災の原因となるおそれもあった。
【0007】本発明は、上記従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、外形がコンパクトに納まると共に、過
電流の連続した通電を遮断することで焼損事故を未然に
防止し、各種安全規格に適合する保安機構付サージ吸収
素子を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る保安機構付サージ吸収素子は、絶縁基
板と、該絶縁基板の表面を気密に覆い、該表面との間に
放電ガスが充填される放電空間を形成する蓋部材と、上
記絶縁基板の表面に被着形成される電圧非直線抵抗膜
と、上記絶縁基板の表面に放電間隙を隔てて対向するよ
う被着形成され、上記電圧非直線抵抗膜の両端に電気的
に接続される第1及び第2の放電電極膜とを有してな
り、該第1及び第2の放電電極膜の少なくとも一方に、
上記絶縁基板の表面に被着形成された発熱抵抗膜を接続
すると共に、該発熱抵抗膜の抵抗値が、連続した過電流
の通電による自己発熱を契機として、上記絶縁基板を砕
裂するに十分な発熱量が得られる値まで上昇するよう
に、該発熱抵抗膜の抵抗温度係数を設定するよう構成し
た。
【0009】また、絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気
密に覆い、該表面との間に放電ガスが充填される放電空
間を形成する蓋部材と、上記絶縁基板の表面に被着形成
される電圧非直線抵抗膜と、上記絶縁基板の表面に放電
間隙を隔てて対向するよう被着形成され、上記電圧非直
線抵抗膜の両端に電気的に接続される第1及び第2の放
電電極膜とを有してなり、少なくとも上記第1の放電電
極膜と電圧非直線抵抗膜とを、上記絶縁基板の表面に被
着形成された発熱抵抗膜を介して電気的に接続すると共
に、該発熱抵抗膜の抵抗値が、連続した過電流の通電に
よる自己発熱を契機として、上記絶縁基板を砕裂するに
十分な発熱量が得られる値まで上昇するように、該発熱
抵抗膜の抵抗温度係数を設定するよう構成した。
【0010】上記発熱抵抗膜の抵抗温度係数は、その初
期抵抗値(連続した過電流の通電によって発熱抵抗膜が
発熱する前の、平常時における抵抗値)、予想される過
電流の電流値、或いは絶縁基板の割れ易さ等を基に、実
験を通じて具体的に決定される。例えば、発熱抵抗膜の
初期抵抗値を比較的に高く設定してもよい場合には、そ
の抵抗温度係数をそれほど高く設定しなくとも、当初か
ら十分な発熱量が得られるため、絶縁基板を砕裂し得
る。ところが、この種のサージ吸収素子は、後述のよう
に、保護すべき電子回路に対して並列に接続されるた
め、初期抵抗値が高いとサージ印加時の残留電圧が大き
くなり、その分大きな電圧が電子回路側に印加されるこ
ととなる。したがって、その初期抵抗値はできるだけ小
さくすべきとの要請がある。
【0011】そこで、例えば、発熱抵抗膜の初期抵抗値
を0.1Ω乃至5Ωという低い範囲に設定すると共に、
その抵抗温度係数を2500ppm/゜C乃至4000
ppm/゜Cという非常に高い範囲に設定することによ
り、通常の瞬間的なサージの印加に対しては低い抵抗値
を維持できると共に、過電流が連続的に流れた場合に
は、その抵抗値が急激に上昇して絶縁基板を砕裂するこ
とができる。なお、一般的な抵抗体の抵抗温度係数は2
00ppm/゜C程度と低いため、発熱してもその抵抗
値はほとんど変化しない。したがって、これによって上
記発熱抵抗膜を形成した場合には、初期抵抗値を5Ω乃
至100Ωという高い範囲で設定する必要がある。
【0012】なお、上記「連続した過電流」における
「連続した」という表現は、「一定時間継続した」を意
味するものであり、「連続した過電流」には、直流電流
のみならず、時間の経過と共に電流値が変化する交流電
流も当然に含まれるものである。以下においても同様で
ある。
【0013】
【作用】絶縁基板の表面に、電圧非直線抵抗膜、放電電
極膜及び発熱抵抗膜とを被着形成するよう構成したの
で、保安機構付サージ吸収素子の形状は全体的に偏平化
し、小型化することが容易となる。
【0014】上記保安機構付サージ吸収素子は、電子機
器の電子回路に通じる電源ライン或いは通信ラインを構
成する線路間に、該電子回路に対して並列に接続され
る。そして、該線路に保安機構付サージ吸収素子の定格
電圧(保安機構付サージ吸収素子の動作電圧のことであ
り、具体的には電圧非直線抵抗膜の「バリスタ電圧」)
以上のサージが印加されると、まず電圧非直線抵抗膜の
いわゆるバリスタ動作により、10-9秒程度の応答速度
で直ちにサージ吸収が開始され、上記電圧非直線抵抗膜
の抵抗値とサージ電流値との積による電圧降下によっ
て、上記電圧非直線抵抗膜の両端に制限電圧が現れる。
続いて、電流量が増加するのに伴ってこの制限電圧も上
昇し、これが放電電極膜間の放電開始電圧を越えると、
放電電極膜間における電圧非直線抵抗膜の近傍領域で励
起放電が生じ、その付勢によって瞬時に放電間隙に放電
が転移し、グロー放電を経てアーク放電が生成する。そ
して、かかるアレスタ動作によって、大きなサージが吸
収される。
【0015】また、電力線との接触事故や、このような
事態を想定した過電圧試験によって、上記保安機構付サ
ージ吸収素子の定格電圧以上の過電圧が連続して印加さ
れた場合には、上記放電間隙で放電が持続し、この放電
を通じて連続した過電流が発熱抵抗膜に流れることとな
る。この連続した過電流の通電によって上記発熱抵抗膜
が発熱し、この自己発熱を契機としてその抵抗値が急激
に上昇し、その発熱量も相乗的に増加するため、最終的
に上記絶縁基板は熱歪みによって砕裂する。この結果、
放電空間内の放電ガスに空気が流入し、放電が消失して
過電流の通電が遮断されるので、上記保安機構付サージ
吸収素子の溶融や、これを組み込んだ回路基板の焼損等
を防止することができる。
【0016】なお、上記絶縁基板における相対向する両
側端縁に脚部を突設することにより、素子を回路基板等
に実装した際に、上記脚部によって上記絶縁基板の中心
部分が浮いた状態で支持される。そのため、絶縁基板の
砕裂が極めて容易となるのみならず、砕裂した部分が下
方に陥没して通電路が完全に遮断されるため、確実に過
電流の通電を遮断することができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を、図示の実施例に基づいて説
明する。図1及び図1のA−A断面図である図2に示す
ように、本実施例に係る第1の保安機構付サージ吸収素
子2は、厚さ0.4〜1.0mmのアルミナ等のセラミッ
クからなる絶縁基板4と、該絶縁基板4の表面6を覆う
蓋部材8と、上記表面6の略中央部に被着形成された第
1の電圧非直線抵抗膜10と、該第1の電圧非直線抵抗膜
10の両端に接続される第1の放電電極膜12及び第2の放
電電極膜14とを有してなる。該第1及び第2の放電電極
膜12,14間には、幅0.2〜10mmの第1の放電間隙16
が形成され、この結果、第1の電圧非直線抵抗膜10と第
1の放電間隙16との並列接続構造が実現する。また、上
記第1の放電電極膜12には、第1の発熱抵抗膜18が接続
される。さらに、上記絶縁基板4の裏面22における左側
端縁及び右側端縁には、裏面22に対して略垂直方向に突
出し、上記第1及び第2の放電電極膜12,14の通電方向
と略直交する方向に延びる脚部24,24が、上記絶縁基板
4と一体的に形成される。上記絶縁基板4の表面6から
脚部24,24の側面26,26にかけては、第1の外部端子薄
膜28及び第2の外部端子薄膜30が被着形成されており、
第1の外部端子薄膜28は上記第1の発熱抵抗膜18に、ま
た、第2の外部端子薄膜30は上記第2の放電電極膜14に
それぞれ接続される。
【0018】上記第1の電圧非直線抵抗膜10は、酸化亜
鉛(ZnO)やチタン酸バリウム(BaTiO3)等の
金属酸化物によって構成される。上記第1及び第2の放
電電極膜12,14は、タングステン(W),モリブデン
(Mo),六硼化ランタン(LaB6),二ケイ化モリ
ブデン(MoSi2),二酸化チタン(TiO2) 等の
耐スパッタ性を有する導電物質や、42−6合金,42
合金等の金属薄板によって形成される。上記第1及び第
2の外部端子薄膜28,30は、銀・パラジウム(Ag・P
d)やニッケル(Ni)系ペースト等の電気的良導体に
よって形成される。
【0019】上記第1の発熱抵抗膜18は、ルテニウム
(Ru)系ペースト等によって形成され、その膜厚は1
0〜25μm程度に設定される。この第1の発熱抵抗膜
18の抵抗温度係数及び初期抵抗値は、上記ルテニウム
(Ru)系ペーストに所定の貴金属材料を所定量混入す
ることによって適宜設定することが可能であり、ここで
は抵抗温度係数が2500ppm/゜C〜4000pp
m/゜Cの範囲に、また初期抵抗値が0.1Ω〜5Ωの
範囲に設定されている。
【0020】上記蓋部材8は、ガラスやセラミック等の
絶縁物質からなり、該蓋部材8の各側面31は3〜10mm
程度の高さを有している。該側面31と絶縁基板4の表面
6とを低融点ガラス等からなる封着材32によって固着す
ることにより、絶縁基板4の表面6と蓋部材8との間
に、上記側面31の高さに相応した高さを有する、気密の
放電空間34が形成される。該放電空間34内には、ヘリウ
ム(He),ネオン(Ne),アルゴン(Ar),キセ
ノン(Xe)等の希ガスの単体もしくは混合物を主体と
する放電ガスが封入される。なお、上記のように側面31
を有する蓋部材8を用いる代わりに、平板状の蓋部材を
用い、絶縁基板4との間にスペーサー等を配して放電空
間を形成するよう構成してもよい。
【0021】上記構成を有する第1の保安機構付サージ
吸収素子2を電子機器のプリント回路基板等に実装した
状態で、上記第1及び第2の外部端子薄膜28,30を介し
て、外部から第1の保安機構付サージ吸収素子2の定格
電圧以上のサージを印加すると、まず上記第1の電圧非
直線抵抗膜10によって直ちにサージ吸収が開始され、つ
いでサージ電流量の増加に伴い、第1の電圧非直線抵抗
膜10の電圧降下が上記第1及び第2の放電電極膜12,14
間の放電開始電圧を越えると、上記第1の放電間隙16に
グロー放電を経て主放電たるアーク放電が生成し、大き
なサージが吸収される。
【0022】電力線との接触事故や、このような事態を
想定した過電圧試験によって、第1の保安機構付サージ
吸収素子2の定格電圧以上の過電圧が連続して印加され
た場合には、上記第1の放電間隙16で放電が持続し、該
放電を通じて連続した過電流が上記第1の発熱抵抗膜18
に流れることとなる。この連続した過電流の通電によっ
て第1の発熱抵抗膜18が発熱し、該自己発熱を契機とし
てその抵抗値が急激に上昇する。このため、その発熱量
も相乗的に増加し、最終的に上記絶縁基板4は熱歪みを
起こし、上記脚部24,24と平行する方向に砕裂する。こ
の結果、放電空間34内の放電ガスに空気が流入し、放電
が消失して過電流の通電が遮断される。
【0023】上記のように、第1の発熱抵抗膜18の初期
抵抗値を0.1Ω乃至5Ωと比較的低く設定したため、
瞬間的なサージ印加による残留電圧を低く抑えることが
できる。また、その抵抗温度係数を2500ppm/゜
C乃至4000ppm/゜Cと高く設定したため、初期
抵抗値を上記のように低く設定しても、過電圧が連続し
て印加された場合には、その抵抗値が急激に上昇して十
分な発熱量が得られるので、絶縁基板4を確実に砕裂し
得る。
【0024】絶縁基板4の裏面22には脚部24,24が形成
されているため、回路基板等に実装した場合に、絶縁基
板4の裏面22が回路基板の表面に密着することなく、そ
の中央付近が回路基板から浮いた状態で支持されるた
め、絶縁基板4の砕裂が容易となる。また、砕裂した部
分が下方に陥没するので、通電路が寸断され、過電流の
通電をより確実に遮断できる。
【0025】なお、上記実施例においては、第1の放電
電極膜12にのみ第1の発熱抵抗膜18を接続したが、これ
に限られるものではなく、第1及び第2の放電電極膜1
2,14のそれぞれに発熱抵抗膜を接続するよう構成して
も良い。
【0026】図3は、本発明に係る他の実施例である、
第2の保安機構付サージ吸収素子52を示すものである。
この第2の保安機構付サージ吸収素子52は、絶縁基板4
と、該絶縁基板4の表面6を覆う蓋部材8と、上記表面
6に被着形成された第2の電圧非直線抵抗膜54と、同表
面6に被着形成された第2の発熱抵抗膜56及び第3の発
熱抵抗膜58と、同表面6に被着形成された第3の放電電
極膜60及び第4の放電電極膜62とを有してなる。上記第
3及び第4の放電電極膜60,62は、それぞれ第2及び第
3の発熱抵抗膜56,58を介して上記第2の電圧非直線抵
抗膜54の両端に接続される。また、この第3及び第4の
放電電極膜60,62間には、第2の放電間隙64が形成され
る。この結果、第2の電圧非直線抵抗膜54と第2の放電
間隙64との並列接続構造が実現される。上記絶縁基板4
の裏面22における左側端縁及び右側端縁には、脚部24,
24が上記絶縁基板4と一体的に形成される。そして、上
記絶縁基板4の表面6から脚部24,24の側面26,26にか
けては、第3の外部端子薄膜66及び第4の外部端子薄膜
68が被着形成されており、該第3及び第4の外部端子薄
膜66,68は、上記第3及び第4の放電電極膜60,62にそ
れぞれ接続される。
【0027】しかして、上記第2の保安機構付サージ吸
収素子52に定格電圧以上の過電圧が連続して印加された
場合には、連続した過電流が上記第2及び第3の発熱抵
抗膜56,58に流れることとなる。この連続した過電流の
通電によって第2及び第3の発熱抵抗膜56,58が発熱
し、該自己発熱を契機としてその抵抗値が急激に上昇す
る。このため、その発熱量も相乗的に増加し、最終的に
上記絶縁基板4は熱歪みを起こし、上記脚部24,24と平
行する方向に2箇所で砕裂する。
【0028】なお、上記においては、発熱抵抗膜として
第2及び第3の発熱抵抗膜56,58を用いるよう構成した
が、これに限られるものではない。例えば、第3の放電
電極膜60と第2の電圧非直線抵抗膜54の一端とを、第2
の発熱抵抗膜56を介して電気的に接続すると共に、第4
の放電電極膜62と第2の電圧非直線抵抗膜54の他端と
を、第3の発熱抵抗膜58を用いることなく直接に接続す
るよう構成してもよい。絶縁基板4が、少なくとも1箇
所で砕裂すれば、過電流の通電を遮断できるからであ
る。
【0029】
【発明の効果】上記のように、本発明に係る保安機構付
サージ吸収素子は、絶縁基板と、該絶縁基板を覆う蓋部
材と、上記絶縁基板の表面に被着形成される電圧非直線
抵抗膜、放電電極膜及び発熱抵抗膜とからなるよう構成
したので、その外形を偏平化することができる。その結
果、部品収容スペースの少ない小型の機器内に収容する
ことが可能になる等、保安機構付サージ吸収素子の使用
用途を拡大し、その利用価値を高めることができる。
【0030】また、発熱抵抗膜の抵抗値が、連続した過
電流の通電による自己発熱を契機として、絶縁基板を砕
裂するに十分な発熱量が得られる値まで上昇するよう
に、発熱抵抗膜の抵抗温度係数を設定したため、電力線
との接触事故や各種過電圧試験によって保安機構付サー
ジ吸収素子の定格電圧以上の過電圧が連続して印加され
た場合に、該過電圧による過電流によって上記発熱抵抗
膜が発熱し、上記絶縁基板が砕裂する。その結果、放電
空間内の放電ガスに空気が流入し、これにより放電が消
失して過電流の通電が確実に遮断されるので、保安機構
付サージ吸収素子の溶融やこれを組み込んだ回路基板の
焼損等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の保安機構付サージ吸収素子
を示す分解斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】第2の保安機構付サージ吸収素子を示す分解斜
視図である。
【図4】従来のサージ吸収素子の概略断面図である。
【符号の説明】
2 第1の保安機構付サージ吸収素子 4 絶縁基板 6 絶縁基板の表面 8 蓋部材 10 第1の電圧非直線抵抗膜 12 第1の放電電極膜 14 第2の放電電極膜 16 第1の放電間隙 18 第1の発熱抵抗膜 24 脚部 34 放電空間 52 第2の保安機構付サージ吸収素子 54 第2の電圧非直線抵抗膜 56 第2の発熱抵抗膜 58 第3の発熱抵抗膜 60 第3の放電電極膜 62 第4の放電電極膜 64 第2の放電間隙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気密に
    覆い、該表面との間に放電ガスが充填される放電空間を
    形成する蓋部材と、上記絶縁基板の表面に被着形成され
    る電圧非直線抵抗膜と、上記絶縁基板の表面に放電間隙
    を隔てて対向するよう被着形成され、上記電圧非直線抵
    抗膜の両端に電気的に接続される第1及び第2の放電電
    極膜とを有してなり、該第1及び第2の放電電極膜の少
    なくとも一方に、上記絶縁基板の表面に被着形成された
    発熱抵抗膜を接続すると共に、該発熱抵抗膜の抵抗値
    が、連続した過電流の通電による自己発熱を契機とし
    て、上記絶縁基板を砕裂するに十分な発熱量が得られる
    値まで上昇するように、該発熱抵抗膜の抵抗温度係数を
    設定したことを特徴とする保安機構付サージ吸収素子。
  2. 【請求項2】 絶縁基板と、該絶縁基板の表面を気密に
    覆い、該表面との間に放電ガスが充填される放電空間を
    形成する蓋部材と、上記絶縁基板の表面に被着形成され
    る電圧非直線抵抗膜と、上記絶縁基板の表面に放電間隙
    を隔てて対向するよう被着形成され、上記電圧非直線抵
    抗膜の両端に電気的に接続される第1及び第2の放電電
    極膜とを有してなり、少なくとも上記第1の放電電極膜
    と電圧非直線抵抗膜とを、上記絶縁基板の表面に被着形
    成された発熱抵抗膜を介して電気的に接続すると共に、
    該発熱抵抗膜の抵抗値が、連続した過電流の通電による
    自己発熱を契機として、上記絶縁基板を砕裂するに十分
    な発熱量が得られる値まで上昇するように、該発熱抵抗
    膜の抵抗温度係数を設定したことを特徴とする保安機構
    付サージ吸収素子。
  3. 【請求項3】 上記発熱抵抗膜の抵抗温度係数を250
    0ppm/゜C乃至4000ppm/゜Cの範囲に設定
    したことを特徴とする、請求項1または2に記載の保安
    機構付サージ吸収素子。
  4. 【請求項4】 上記発熱抵抗膜の初期抵抗値を0.1Ω
    乃至5Ωの範囲に設定したことを特徴とする、請求項1
    乃至3の何れかに記載の保安機構付サージ吸収素子。
  5. 【請求項5】 上記絶縁基板における相対向する両側端
    縁に脚部を突設したことを特徴とする、請求項1乃至4
    の何れかに記載の保安機構付サージ吸収素子。
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