JPH07107169B2 - 銅微粒子の製造方法 - Google Patents

銅微粒子の製造方法

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JPH07107169B2
JPH07107169B2 JP1706587A JP1706587A JPH07107169B2 JP H07107169 B2 JPH07107169 B2 JP H07107169B2 JP 1706587 A JP1706587 A JP 1706587A JP 1706587 A JP1706587 A JP 1706587A JP H07107169 B2 JPH07107169 B2 JP H07107169B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は微細な銅粒子の製造方法に関するものである。
(従来技術とその問題点) 従来、銅微粒子の製造方法としては、酸化銅粒子を水性
媒体中でヒドラジンなどの還元剤を用いて還元する方法
が用いられてきた。
ところが、この方法では、還元された粒子の粒径が酸化
物の粒径に依存するために粒径のコントロールが難し
く、かつ還元された粒子同士が引き寄せ合うために凝集
した粒度分布の幅の広い銅粒子しか得られないという欠
点を有していた。
本発明は上記の欠点を解消せんがためになされたもので
あり、分散した、粒度分布の幅の狭い微細な銅粒子の粒
径コントロール可能な製造方法を提供せんとするもので
ある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は銅アンモニウム錯体溶液中の銅イオンを還元し
て銅微粒子を製造する方法において、還元剤としてL−
アスコルビン酸又はL−アスコルビン酸塩類を用いるこ
とによって単分散した銅微粒子を得ることを特徴とする
ものである。
而して本発明の製造方法において、L−アスコルビン酸
又は、L−アスコルビン酸塩類を用いる理由は、これら
の酸化還元電位が銅アンモニウム錯体溶液を還元するの
に適当であると同時に粒子同士の凝集を防ぐ働きがある
ためである。
また、本発明の請求範囲においてL−アスコルビン酸及
びL−アスコルビン酸塩類としては、ナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩等を問わない。
さらに本発明において、銅アンモニウム錯体溶液のpHは
7.5よりも低いと銅の水酸化物の沈殿が精製し、13より
高いとアンモニアガスの発生が多くなり、反応が遅くな
るので、7.5〜13の範囲がより好ましく、L−アスコル
ビン酸のpHは0.5よりも低いと反応が極端に遅くなるの
で、0.5以上がより好ましく、また、反応時の温度は30
℃より低いと反応が遅く、100℃を超えると銅微粒子が
凝集してくるので、30〜100℃の範囲がより好ましい。
ここで本発明の実施例について説明する。
(実施例1) 硫酸銅結晶197gを水に溶解し1の水溶液とした後、28
%のアンモニア水を加えて銅アンモニウム錯体溶液と、
そのpHを9に調整する。
また、L−アスコルビン酸200gを水に溶解し1の水溶
液とした後、水酸化ナトリウムを加えてpH=2.5に調整
する。ここで、この2液の温度を30℃にし、銅アンモニ
ウム錯体溶液を撹拌しながらL−アスコルビン酸溶液を
添加し、30分間反応させる。
得られた銅微粒子は濾過、洗浄して、粒度分布測定及び
電子顕微鏡観察を行った。
その結果、この銅微粒子はほぼ球状で、平均粒径が1.0
μm、粒度分布は0.8〜1.3μmに70%が入るシャープな
ものであった。
(実施例2) 硫酸銅結晶126gを水に溶解し1の水溶液とした後、28
%のアンモニア水を加えて銅アンモニウム錯体溶液と
し、そのpHを12に調整する。
また、L−アスコルビン酸128gを水に溶解し1の水溶
液とした後、28%のアンモニア水を加えてpH=5に調整
する。ここで、この2液の温度を60℃にし、銅アンモニ
ウム錯体溶液を撹拌しながらL−アスコルビン酸溶液を
添加し、30分間反応させる。
得られた銅微粒子は濾過、洗浄して、粒度分布測定及び
電子顕微鏡観察を行った。
その結果、この銅微粒子は多面体で平均粒径が1.7μ
m、粒度分布は1.3〜2.0μmに70%が入るシャープなも
のであった。
(実施例3) 硫酸銅結晶197gを水に溶解し1の水溶液とした後、28
%のアンモニア水を加えて銅アンモニウム錯体溶液と
し、そのpHを8に調整する。
また、L−アスコルビン酸ナトリウム200gを水に溶解し
1の水溶液にする。ここでこの2液の温度を50℃にし
銅アンモニウム錯体溶液を撹拌しながらL−アスコルビ
ン酸ナトリウムを添加し50分間反応させる。
得られた銅微粒子は濾過、洗浄して、粒度分布測定及び
電子顕微鏡観察を行った。
その結果、この銅微粒子は多面体で平均粒径が0.8μ
m、粒度分布は0.5〜1.2μmに70%が入るシャープなも
のであった。
(従来例) 水1,000mlを撹拌しながら平均粒径5μmの酸化第2銅5
0gを分散懸濁させる。
さらにこの液を撹拌しながら70℃まで昇温し、80%の抱
水ヒドラジン水溶液200mlを添加後、70℃で2時間撹拌
した。
得られた銅微粒子は濾過、洗浄して粒度分布測定及び電
子顕微鏡観察をおこなった。
その結果、この銅微粒子は不定形で、平均粒径が3.5μ
m、粒度分布は0.5〜10μmと幅が広く、凝集したもの
であった。
(発明の効果) 上記の説明で明らかなように本発明の製造方法は銅アン
モニウム錯体溶液を還元して銅微粒子を製造する方法に
おいて、還元剤としてL−アスコルビン酸又はL−アス
コルビン酸塩類を用いることにより、従来法では得られ
なかった単分散した粒度分布の幅の狭い微細な銅粒子を
粒径をコントロールして製造できるので、従来の製造方
法にとって代わることのできる画期的なものと言える。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅アンモニウム錯体溶液を還元して銅微粒
    子を製造する方法において、還元剤としてL−アスコル
    ビン酸又はL−アスコルビン酸塩類を用いることによっ
    て単分散した銅微粒子を得ることを特徴とする銅微粒子
    の製造方法。
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