JPH0710636Y2 - 浴槽用手摺 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は浴槽用手摺に係り、特に手で把持するに際し軽
い力でしっかりと把むことができる浴槽用手摺に関す
る。

［従来の技術］ かかる浴槽用手摺に比較的近似する従来技術として実公
昭60−41196号や同60−41197号に示されたものがある。
これら公報に示されたものは、第11、12図に概略的に示
す通り、水平手摺部１と傾斜手摺部２とを備えたもので
ある。３は手摺全体を示し、４は浴槽を示す。

かかる浴槽用手摺３にあっては、浴槽底面に尻を置いた
入浴姿勢においては傾斜手摺部２を把んで身体を引き起
こして中腰にし、その後、水平手摺部１を把んで中腰姿
勢から起立姿勢に移ることができる。浴槽４に入るとき
にはこれと逆の手順による。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来の浴槽用手摺３にあっては、浴槽４に出入りす
る際には必ず棒状の手摺１又は２を手で把持する必要が
あり、かなりの握力が必要とされる。このため、高齢者
には使いにくかったり、あるいは握っているときに掌が
手摺に沿って滑ったりするおそれがあった。

［課題を解決するための手段］ 本考案の浴槽用手摺は、浴槽の内壁面に取り付けられる
浴槽用手摺であって、該浴槽に取り付けられた状態にお
いて浴槽内壁面から交叉方向に延在する前縁部と、該状
態において浴槽内壁面と対向する対向部とを有する浴槽
用手摺において、該対向部のうち前記前縁部側の部分
に、前記内壁面から離反する方向に突出した突部を設け
たことを特徴とするものである。

［作用］ 本考案の浴槽用手摺にあっては、人指指や中指、薬指等
を前縁部に引掛けると共に、親指を突部の下側に回り込
ませることができる。

このように、浴槽への出入りに際しては指先を引掛ける
ので、握力が小さくても身体を引き起こすことができ
る。しかも、親指を突部の下側に回し込むことにより、
掌全体で浴槽用手摺を包むように把持でき、軽く握った
だけでしっかり把持することが可能となる。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案の実施例に係る浴槽用手摺の斜視図、第
２図は平面図、第３図は第２図のIII−III線に沿う側面
図である。この浴槽用手摺５は、略々平板形状であり、
一側面６は浴槽４の内壁面に当接され、該浴槽４に固定
取り付けされる。符号6aは雌螺子孔であり、浴槽４側か
ら突出するボルトが該雌螺子孔6aにねじ込まれることに
より浴槽用手摺５が浴槽４に固定される。なお、雌螺子
孔6aを設ける代わりに、ボルトを手摺５に一体的に設け
ても良い。

前記側面６と対向する他方の側面７は、該側面６から離
反する方向に突出する突部８を有している。符号９は浴
槽４の内壁面から交叉方向に延在する前縁部を示してい
る。

このように構成された浴槽用手摺５においては、前縁部
９に人差指、中指、薬指あるいはさらに小指を掛け、身
体を身体前方方向に引き寄せることができる。この際、
親指を突部８の下側に回し込むことができる（第７図の
Ａ参照）。このため、入浴姿勢の状態から中腰の状態に
まで身体を身体前方方向に移動させる場合、浴槽用手摺
５を強固に把む必要がなく、軽く握るだけで身体の引き
起こしを行なうことができる。そして、身体引き寄せ方
向が前縁部９と直交方向になっていると共に、親指を突
部８の下側に回し込むことにより、浴槽用手摺５を掌全
体で包むように把むことができるから、手が浴槽用手摺
５から外れにくく、身体がきわめて安定したものとな
る。

なお、本実施例にあっては、浴槽用手摺５が略平板状と
なっているから、入浴中に手摺５の上に掌を置いておく
ことができる。

第４図は本考案の異なる実施例に係る浴槽用手摺の斜視
図、第５図は同平面図である。本実施例にあっては、前
縁部９のうち、側面６側の部分に凹部10が設けられてい
る。かかる凹部10を設けると、この凹部10に小指あるい
はさらに薬指を引掛け、浴槽用手摺５の符号ａで示す部
分を掌全体で把むように把持できる。このため、浴槽用
手摺５を軽い力できわめてしっかりと把むことが可能と
なる。第４図及び第５図のその他の構成は上記実施例と
同様であり、同一部分は同一符号にて示されている。

第６図は本考案のさらに異なる実施例に係る浴槽用手摺
の斜視図、第７図はその使用状態を示す斜視図である。
この浴槽用手摺11は、該浴槽用手摺11を浴槽４の内壁面
に取り付けるための取付部12、13と、取付部12、13の間
に跨がる握棒部14を備えている。握棒部14は、浴槽用手
摺11が浴槽４に取り付けられた状態において、浴槽４の
壁面との間に掌を差し込むことだできる間隙15が形成さ
れるように、取付部12、13の取付面12a、13aから離反し
た位置に設けられている。なお、握棒部14は、取付部12
側の水平部14aと、取付部13側の傾斜部14bを備えている
ものであるが、全体として略円弧形状に湾曲している。

第６図に示す如く、握棒部14の水平部14a側は、取付部1
2の側面12bから若干前記側面12a側に寄った部分におい
て取付部12に連結されており、取付部12のコーナー部12
cは握棒部14よりも浴槽内壁面から離れる方向に突出し
た突部となっている。

このように構成された浴槽用手摺11においては、第７図
に示す如く、取付部12を把んだ使用方法Ａと、握棒部14
を把んだ使用方法Ｂなどを採ることができる。第７図の
Ａで示す使用状態にあっては、人差指、中指、薬指及び
小指が取付部12の前縁部12dに掛けられており、かつ親
指がコーナー部（突部）12cの下側に回り込んでいる。
従って、軽く握っただけで取付部12をしっかりと把持す
ることができ、しかも身体を引き寄せる方向が前縁部12
dと直交方向となっているから身体を引き起こす際に取
付部12から手が滑って外れることもない。

第８図は本考案の更に異なる実施例に係る浴槽用手摺の
平面図、第９図は同正面図である。本実施例では、その
握棒部14が途中において折曲した略く字形状となってい
る。その他の構成は第６図に示したものと同様である。

第10図は本考案の更に別の実施例に係る浴槽用手摺の斜
視図である。この第10図の実施例では、取付部12の前縁
に凹部10を設けている。かかる凹部10を設けることによ
り、前記第４図及び第５図の実施例と同様に、取付部12
の把持がきわめて安定したものとなる。第８、９、10図
においてその他の構成は第６図のものと同様であり、同
一符号は同一部分を示している。

［効果］ 以上の通り、本考案の浴槽用手摺によると、手の人差
指、中指、薬指さらには小指を浴槽用手摺の前縁部に引
掛け、親指を浴槽用手摺の下側に回り込ませるようにし
て該手摺を把むことができる。従って、軽く握っただけ
でしっかりと把持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る浴槽用手摺の斜視図、第
２図は同平面図、第３図は同側面図である。第４図は異
なる実施例を示す斜視図、第５図は同平面図である。第
６図は更に異なる実施例を示す斜視図、第７図はその使
用方法を示す斜視図である。第８図は更に異なる実施例
に係る浴槽用手摺の平面図、第９図は同正面図である。
第10図は更に別の実施例を示す斜視図である。第11図は
従来例を示す平面図、第12図は同平面図である。 ５……浴槽用手摺、6,7……側面、８……突部、９……
前縁部、10……凹部、11……浴槽用手摺、12,13……取
付部、14……握棒部、12c……突部、12d……前縁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽の内壁面に取り付けられる浴槽用手摺
   であって、該浴槽に取り付けられた状態において浴槽内
   壁面から交叉方向に延在する前縁部と、該状態において
   浴槽内壁面と対向する対向部とを有する浴槽用手摺にお
   いて、 該対向部のうち前記前縁部側の部分に、前記内壁面から
   離反する方向に突出した突部を設けたことを特徴とする
   浴槽用手摺。