JPH0710634Y2 - 浴槽洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、特に洗い場と兼用する浴槽の洗浄吐水装置に
関するものである。

（従来の技術） 今日、ホテル用あるいはユニットバス用の浴槽として、
浴槽内を洗い場と兼用するいわゆる洋式浴槽が増加して
おり、該浴槽は、浴室内の省スペースを行うのに好適で
ある。

（考案が解決しようとする問題点） ところで以上の浴槽にあっては、浴槽内で石鹸等を用い
て体を洗うため、浴槽の壁面に石鹸及び垢等が付着して
汚れ易く、入浴後の浴槽内の洗浄が不可欠である。

しかしながら、従来浴槽内の洗浄は、浴槽用水栓から流
出する水をホースや手で浴槽側壁に浴びせたり、シャワ
ーのノズル等を操作して側壁に沿って流れる水流を作
り、側壁を洗い流す操作をしなければならないため、浴
槽内の洗浄が面倒であった。

本考案は、上記問題点を解決するためになされたもの
で、その目的とする処は、浴槽内の洗浄を容易に行なえ
るようにするにある。

（問題を解決するための手段） 上記問題を解決するために本考案は、内側上部壁面に脚
部と把持部を有する手摺装置を備えた浴槽において、浴
槽の上部壁面に複数個の洗浄用流水噴出ノズルと手摺装
置を配設し、この手摺装置の脚部に洗浄液噴出部を設
け、この洗浄液噴出部及び洗浄用流水噴出ノズルは浴槽
の上部壁面に沿って放射状に噴出される洗浄用流水域が
互いに重なる間隔で配設した。

（作用） 上記手段によれば、洗浄用流水噴出ノズルを浴槽内側上
部壁面に配設しこの壁面に沿って放射状に洗浄用流水を
噴出する様にしたので、洗浄用流水を噴出するだけで始
めから浴槽の壁面に沿った水流を作ることが出来、浴槽
の洗浄を行うのに人手を煩わす必要がなく、水がはねる
こともない。又、浴槽内側上部壁面に手摺装置を設けた
ので、身体の不自由な人や老人が利用する病院等の浴槽
では、これらの人の入浴が多少共楽になる。そしてこの
様な場合浴槽内で身体を洗うことが普通であるから、浴
槽内側壁面に汚れが付き易く、こまめに洗浄する必要が
あるが、上記手段によれば、人手を煩わせること無く浴
槽内側壁面を洗浄することが出来る。更に上記作用効果
をあげるため、手摺装置、洗浄用流水噴出ノズル共浴槽
内側上部壁面に設ける必要があるが、流水噴出ノズルか
らの流水噴出の邪魔になる手摺装置は、手摺装置の脚部
に洗浄用流水を噴出する機能を持たせることで、手摺装
置の脚部直下の浴槽内側壁面を洗浄することが出来る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。

先ず、本考案の浴槽洗浄装置を設けた浴室及び浴槽を第
１図及び第２図を参照して説明する。

第１図は浴室内を示す斜視図、第２図は浴槽の長手方向
断面図であり、第１図に示されるように、浴室１内に配
設される浴槽３は、浴室の壁面5a,5b,5cにより前、後壁
部7a,7b方向及び一方の側壁部9a方向が囲まれている。

浴槽３前壁部7a方向を囲む前記壁面5aには、蛇口11aが
浴槽３内に臨む水栓11が設けられており、該水栓11には
シャワー用ノズル12がフレキシブルホール12aを介して
接続している。またはシャワー用ノズル12は壁面5aに設
けられる係止具12bにより浴槽３上方係脱自在に係止さ
れる。該水栓11には、流水方向を蛇口11a又はシャワー
用ノズル12のいずれか一方に選択する切り変え用コック
13が設けられている。

浴槽３の側壁部9a上部には、特に第２図によく示される
ように、噴出した洗浄用流水域が互いに重なる間隔で複
数個の浴槽内洗浄用流水噴出ノズル15a,15b,15cと、手
摺装置31とが埋設されている。

ここで第３図乃至第５図を参照して洗浄用流水噴出ノズ
ル15aの構造について説明する（15b,15cの構造も同様で
あるので説明を省略する）。

ノズル15aは、浴槽３の側壁9aに設けた開口19に螺合さ
れる基部21と、この基部21の先端に形成され基部21より
も大径のノズル部23とを有し、ノズル部23には浴槽の下
方及び前後方向に開放された切欠部25が設けられてい
る。又、切欠部25は基部21を貫通する洗浄用流水通路27
に連通されて浴槽３の側壁9aを洗浄する流水を側壁9aの
下方に噴出できるようになっている。

ノズル部23は、第４図の仮想線で示される位置まで浴槽
３の側壁9aに埋装され、洗浄用流水通路27は、任意の開
閉手段（不図示）を備える水路29に連通されている。

次に第６図乃至第７図を参照して手摺装置31の外観を説
明する。

第６図は、手摺装置31の正面図、第７図は第６図矢印Ａ
方向からの側面図であり、図面からも明らかなように、
手摺装置31は、不図示の浴槽壁部に設けられた開口に螺
合される基部33を備える各々一対の脚部35a,35bと、該
脚部35a,35bをその先端部にて連結する正面形状逆Ｌ型
の把持部37とから成り、脚部35aには、浴槽内を洗浄す
る流水噴出用の切欠部41が設けられている。

ここで更に、第８図及び第９図を参照して脚部35aの構
造を詳しく説明する。

第８図は第６図VIII−VIII線矢視断面図、第９図は第７
図IX−IX矢視断面図であり、図面からも明らかなように
脚部35aは、前述の基部33を備えるとともに、先端に把
持部材取付用突部40を備えており、把持部37は両端の凹
部37aを該突部40と、脚部35aの同様の突部とに嵌合し、
両者35a,35bを連結する。

また脚部35aは、前記基部33近傍に、浴槽の下方及び前
後方向に開放された切欠部41が設けられており、該切欠
部41は、基部33を貫通する洗浄用流水通路43に連通され
る。

脚部35aは、第８図の仮想線で示される位置まで浴槽の
側壁9aに埋装され、また前記流水通路43は、任意の開閉
手段（不図示）を備える水路29に連通される。

この浴槽内洗浄用流水噴出ノズル15a,15b,15c及び手摺
装置31によれば入浴後に前記開閉手段により水路29を開
くことにより、第２図に示すように、洗浄用流水が浴槽
３の側壁部9aに沿って下方に向って放射状に流れ、該側
壁部9aを洗浄する。尚、側壁部9aと向い合うもう一方の
側壁部及び前、後壁部7a,7bにあっても、同様の浴槽内
洗浄用流水噴出ノズル及び手摺装置31が設けられること
は言うまでもない。

以上説明した構成の手摺装置31によれば、浴槽３内に取
付けられる手摺装置31の脚部35aが、浴槽３内洗浄用ノ
ズルを兼ねているため、ノズル取付け用開口が少なくて
すむ。また、例えば脚部35bに脚部35aと同様の切欠部等
を設けることにより、脚部35a,35bにより側壁部9aを流
れる流水が邪魔されることが全くなくなり、手摺部も洗
浄することが出来る。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、洗浄用流水噴出
ノズルを浴槽内側上部壁面に配設しこの壁面に沿って放
射状に洗浄用流水を噴出する様にしたので、洗浄用流水
を噴出するだけで始めから浴槽の壁面に沿って放射状の
水流を作ることが出来、浴槽の洗浄を行うのに人手を煩
わす必要がなく、水がはねることもない。又、浴槽内側
上部壁面に手摺装置を設けたので、身体の不自由な人や
老人が利用する病院等の浴槽では、これらの人の入浴が
多少共楽になる。そしてこの様な場合浴槽内で身体を洗
うことが普通であるから、浴槽内側壁面に汚れが付き易
く、こまめに洗浄する必要があるが、上記手段によれ
ば、人手を煩わせること無く浴槽内側壁面を洗浄するこ
とが出来る。更に上記作用効果をあげるため、手摺装
置、洗浄用流水噴出ノズル共浴槽内側上部壁面に設ける
必要があるが、流水噴出ノズルからの流水噴出の邪魔に
なる手摺装置は、手摺装置の脚部に洗浄用流水を噴出す
る機能を持たせることで、手摺装置の脚部直下の浴槽内
側壁面を洗浄することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の好適実施例を示すもので、第１図は浴槽
内の斜視図、第２図は浴槽の断面図、第３図は洗浄用流
水噴出ノズルの側面図、第４図はその浴槽内に埋設され
た状態での側断面図、第５図は第３図のＶ−Ｖ線矢視断
面図、第６図は手摺装置の平面図、第７図は第６図の矢
視Ａ方向からの側面図、第８図は第６図VIII−VIII線矢
視断面図、第９図は第７図IX−IX矢視断面図でである。 尚図面中、３は浴槽、9aは浴槽の側壁部、15a,15b,15c
は浴槽内洗浄用流水噴出ノズルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内側上部壁面に脚部と把持部を有する手摺
   装置を備えた浴槽において、 前記浴槽の上部壁面に複数個の洗浄用流水噴出ノズルと
   前記手摺装置を配設し、この手摺装置の脚部に洗浄液噴
   出部を設け、この洗浄液噴出部及び洗浄用流水噴出ノズ
   ルは浴槽の上部壁面に沿って放射状に噴出される洗浄用
   流水域が互いに重なる間隔で配設したことを特徴とする
   浴槽洗浄装置。