JPH07106175A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

Info

Publication number
JPH07106175A
JPH07106175A JP26793693A JP26793693A JPH07106175A JP H07106175 A JPH07106175 A JP H07106175A JP 26793693 A JP26793693 A JP 26793693A JP 26793693 A JP26793693 A JP 26793693A JP H07106175 A JPH07106175 A JP H07106175A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recess
electronic component
conductor layer
green sheet
green
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26793693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2561643B2 (ja
Inventor
Chikashi Nakazawa
睦士 中澤
Hiroshi Takahashi
高橋  宏
Masayuki Fujimoto
正之 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP5267936A priority Critical patent/JP2561643B2/ja
Publication of JPH07106175A publication Critical patent/JPH07106175A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2561643B2 publication Critical patent/JP2561643B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層セラミック電子部品の製造方法におい
て、金型などをグリ−ンシ−トに押し付けて凹部を形成
する場合の欠点を解消する目的から開発されもので、グ
リ−ンシ−トにレ−ザ加工を施すことによって凹部を形
成し、成形密度に差のない、すなわち成形密度が均一な
凹部付きのグリ−ンシ−トを製造することによって、特
性のより向上した積層セラミック電子部品を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 少なくとも、セラミックを主成分とするグリ
−ンシ−トの所望部分に、レ−ザ光を照射して凹部を形
成して、該凹部に導体層を形成し、複数の該グリ−ンシ
−トを積層して圧着するようにしたことを特徴とする積
層セラミック電子部品の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックを主体とし
たセラミック電子部品の製造方法に関し、とくにセラミ
ックのグリ−ンシ−トを積層して形成する積層セラミッ
ク電子部品の製造方法に関する。なお、ここで、積層セ
ラミック電子部品の用語を、簡単に説明すると、積層セ
ラミック電子部品とは、セラミックを主成分とするグリ
−ンシ−トの上に導体層を形成して、これらグリ−ンシ
−トを積層、圧着、焼成することによって、積層セラミ
ック体内に、電子素子、電子回路などを構成したもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、これら電子部品の高集積化が進
み、小形で面実装型の部品が提供されている。しかしな
がら、一方では、さらに外形寸法を小さくする要望があ
り、他方では、取得する静電容量、インダクタンス、抵
抗値などの特性向上の要望があり、また大電流化に伴い
許容電流を大きくする必要がある。これら相反する条件
を備えた積層セラミック電子部品の提供が要望されてい
る。
【0003】たとえば、積層セラミック電子部品の一つ
である積層インダクタは、フェライト磁性体内にコイル
導体を埋設したものであり、その製造方法は、フェライ
ト磁性体のグリ−ンシ−トにスル−ホ−ルを形成すると
共に、このグリ−ンシ−ト上にコイル導体層を印刷し、
これらグリ−ンシ−トを積層圧着して、各グリ−ンシ−
ト上に形成されたコイル導体層をスル−ホ−ル接続し、
このコイル導体層の末端を、グリ−ンシ−ト積層体側面
に形成された外部電極に接続して、積層セラミックのイ
ンダクタを製造している。
【0004】積層インダクタに於ける取得インダクタン
スの拡大は、コイルの巻数の増加によって行われ、具体
的には、セラミックのグリ−ンシ−トの厚みを薄くし
て、コイル導体層を印刷したグリ−ンシ−トを多く積層
する事によって対応している。一方、許容電流の増大
は、コイル線の幅を広くしたり厚くしたりして、導体層
の断面積拡大によって対応している。
【0005】セラミック・グリ−ンシ−トを薄くした
り、コイル導体層を厚くして導体層の断面積を大きくし
たりすると、積層の圧着時に積層ずれが生じ易くなり、
結果として、特性のばらつきが増大すると言う課題が生
ずる。このため、これらの条件の兼ね合いにより、バラ
ンスを保ちながら、グリ−ンシ−トの薄さならびにコイ
ル導体層の厚さが、決定されていた。
【0006】これらの課題を解決する積層インダクタの
製造方法として、コイル導体層のパタ−ンに相当するパ
タ−ン金型を、グリ−ンシ−トに押圧して凹部を形成す
ると共に、該凹部に導体層を印刷し、これらグリ−ンシ
−トを積層し圧着する方法が提案されている。この製造
方法は、グリ−ンシ−ト上にそのままコイル導体層を形
成した場合の導体層厚みより、凹部分だけ導体層厚みを
厚く形成でき、結果として、積層インダクタの導体層断
面積を大きくする事が出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、グリ
−ンシ−トに金型を押し付けて凹部を形成し、該凹部に
導体層を埋設する方法は、コイル導体層の断面積を大き
くする優れた方法であるが、しかしながら、この方法に
よると、均一にシ−ト化されたグリ−ンシ−トに、局部
的に金型を押し付けて凹部を形成するため、押し付けら
れた凹部は、その他の部分と比較して成形密度が高くな
ることになる。このようなグリ−ンシ−トを用いて、積
層し圧着すると、凹部の底面部の密度が高いため、この
底面部は他と比べて変形し難くなり、圧着による応力は
導体層の部分に作用することになって、積層ずれが生じ
ることになる。
【0008】一方、該凹部に導体層を形成したフェライ
トのグリ−ンシ−トを焼成すると、成形密度の高い部分
は透磁率が高くなり、成形密度の低い部分は透磁率が低
くなる。結果として、透磁率の高い部分にコイル導体層
が形成されるようになるので、隣接するコイル導体層間
で磁束が周回し易くなり、いわゆる漏洩磁束が多くなっ
て、コイル全体としてのインダクタ特性を低下させると
言う課題が生じた。
【0009】本発明による積層セラミック電子部品の製
造方法は、グリ−ンシ−トにレ−ザ加工を施す事によっ
て凹部を形成し、成形密度に差の無い、すなわち成形密
度が均一な凹部付きのグリ−ンシ−トにすることによっ
て、上記の課題を解消することを目的に開発されたもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による積層セラミ
ック電子部品の製造方法は、セラミックを主成分とする
グリ−ンシ−トの所望部分に、レ−ザ光を照射して凹部
を形成して、該凹部に導体層を形成し、複数の該グリ−
ンシ−トを積層し圧着するようにしたことを特徴とし、
さらには、セラミックを主成分とするグリ−ンシ−トの
所望部分に、レ−ザ光を照射して凹部を形成すると共
に、該凹部に接してスル−ホ−ルを形成して、該凹部と
スル−ホ−ルに導体層を形成し、複数の該グリ−ンシ−
トを積層し圧着するようにしたことを特徴とする。
【0011】また、本発明による積層セラミック電子部
品の製造方法は、セラミックを主成分とするグリ−ンシ
−トの所望部分に、レ−ザ光を照射し、凹部の深さが変
化している凹部を形成して、該凹部に導体層を形成し、
複数の該グリ−ンシ−トを積層し圧着するようにしたこ
とを特徴とし、さらには、セラミックを主成分とするグ
リ−ンシ−トの所望部分に、レ−ザ光を照射し、凹部の
深さがスロ−プ状に変化している凹部を形成すると共
に、該凹部の深さが最も深い部分にスルホ−ルを形成し
て、該凹部とスル−ホ−ルに導体層を形成し、複数の該
グリ−ンシ−トを積層して圧着するようにしたことを特
徴とする。
【0012】
【作用】したがって本発明によると、レ−ザ光が照射さ
れた部分はセラミックのグリ−ンシ−ト部材が除去され
るのみで、グリ−ンシ−トの凹部は成形密度が変わらな
く均一になる。したがって、凹部とその他の部分との間
には、成形密度に変化が無いため、このグリ−ンシ−ト
を焼成しても、焼成密度に差が無いことになる。さら
に、この凹部に導体層を形成してつくる積層インダクタ
の場合、コイル導体層周囲の透磁率が高く成らないた
め、漏洩磁束が少なくなり、特性が向上する。
【0013】加えて、凹部をスロ−プ状に形成すると共
に、最も深い凹部の部分にスル−ホ−ルを形成し、凹部
とスル−ホ−ルとに導体層を形成してのちに、積層圧着
するスル−ホ−ル接続は、スル−ホ−ルに段差が無くな
って、確実な接続が出来ることになる。また、導体パタ
−ンに相当するパタ−ンの凹部を、グリ−ンシ−トの表
側ならびに裏側にそれぞれ形成し、一方の凹部に導体層
を形成して積層すると、該導体層に接する隣接したグリ
−ンシ−トの凹部と重なって、二個の凹部で導体層を包
み込む状態に成る。この状態で圧着すると、導電ペ−ス
トの導体層は二個の凹部内に収まり、積層ずれ等が生じ
ないことになる。
【0014】なお、本発明の製造方法を、積層セラミッ
クコンデンサに適用すると、対向する内部電極のあいだ
の誘電体の層厚を、実質的に薄くできることになって、
静電容量の値を大きくできる効果がある。また、マスク
のレ−ザ光透過率を除々に変えるようにすると、容易に
凹部をスロ−プ状にする事ができ、凹部の深さが最も深
くなったスロ−プ先端に、スル−ホ−ルを形成すると、
スル−ホ−ル部分の段差が少なくなり、凹部とスル−ホ
−ルとに導体層を形成してのち、積層し圧着すると、ス
ル−ホ−ル導体層周辺のクラック、接続不良などがなく
なって、スル−ホ−ル接続が確実になる。
【0015】
【実施例1】以下に本発明を、その実施例について、添
付の図面を参照して説明する。図1から図4は、本発明
による第1の実施例を、概略的に説明するための斜視図
ならびに断面図であり、便宜上、それぞれチツプの1個
分、すなわち積層セラミック電子部品の1個分を示して
いる。
【0016】まず、第1の実施例を図1から図4を使用
して要約的に説明する。図1は、図示省略のレ−ザ加工
装置に用いられる板状のマスク11の斜視図を示す。こ
のマスク11は、ガラス等からなって、マスク11のほ
ぼ全体にわたる略Uの字状の半透明部12を有する。こ
の半透明部12は、レ−ザ光の所定量を透過する。U字
状の半透明部12の一端部には、円形の透明部13が形
成され、レ−ザ光をほとんど透過する。これら以外は不
透明部14で、この不透明部14はレ−ザ光を遮断して
透過しない。
【0017】図2は、図1のマスク11をレ−ザ加工装
置に配設して、レ−ザ光をグリ−ンシ−ト21の上に照
射し、U字状の凹部22とスル−ホ−ル部23を形成し
た状態を示す。なお、グリ−ンシ−ト21の下には、ベ
−スフイルム24が適宜に配される。図3は、前記グリ
−ンシ−ト21の凹部22とスル−ホ−ル部23とに、
導電ペ−ストの導体層31が塗布された状態を示す。図
4は、上述のようにして形成された複数のグリ−ンシ−
ト21を、適切に組み合わせて積層し圧着などして形成
されたチップの1個分、すなわち積層セラミック電子部
品1個分の断面図を示す。図中の41は導体層で、導電
ペ−ストの導体層31が圧着、焼成などして形成され
る。
【0018】ここで、さらに第1の実施例を詳細に説明
する。まず最初、ニッケル・亜鉛(Ni−Zn)系のフ
ェライト粉を主成分とするスラリ−体を、厚さ60μm
の長尺なシ−トに形成し、さらに100mm角の大きさに
切断したフェライトのグリ−ンシ−トを多数枚用意する
と共に、銀(Αg)粉を導電粉末とする市販の導電ペ−
ストを用意する。
【0019】略Uの字状の凹部22(図2を参照)を形
成するためのマスク11(図1を参照)は、ガラス板の
ほぼ中央の略Uの字状部を、照射のレ−ザ光が50%程
度透過するように半透明部12にし、この略U字状部パ
タ−ンの一端部には、レ−ザ光が100%近く透過する
ように透明にした、円形パタ−ンの透明部13を形成
し、残りの他の部分は、レ−ザ光を遮光する不透明部1
4にしたガラスのマスク11を用意する。なお、図1は
一個分のパタ−ンを示している。また、これとは別に、
コイル導体層の引き出しパタ−ン用のマスク(図示略)
を用意することは、勿論である。
【0020】これらの用意が出来たら、図示省略のレ−
ザ加工装置にガラスの該マスク11を装着し、さらに前
記グリ−ンシ−ト21を配設して、このレ−ザ加工装置
を作動し、マスク11を通してレ−ザ光を照射し、フェ
ライトのグリ−ンシ−ト21に20μmの深さの凹部2
2(図2を参照)を形成すると共に、さらに深いスル−
ホ−ル23を形成する。これを繰り返して、前記グリ−
ンシ−ト21上に複数のパタ−ンを形成する。すなわち
凹部22とスル−ホ−ル23との組合せを、複数、等間
隔に形成する。なお、図面には一個のパタ−ンのみしか
示されていない。前記コイル導体層の引き出し用パタ−
ンを有するグリ−ンシ−ト(図示略)も同様に形成する
ことは勿論である。
【0021】ついで、凹部22が形成されたグリ−ンシ
−ト21に、前記Agの導電ペ−ストの導電層31をス
クリ−ン印刷して、前記略U字状のパタ−ンである凹部
22に、40μmの厚さに印刷すると共に、スル−ホ−
ル23にも導電ペ−ストを詰めるように印刷する。前記
コイル導体層の引き出し用パタ−ンも同様に、導電ペ−
ストの導電層をスクリ−ン印刷する。
【0022】これらの印刷が終了した後、図4に示され
るように、まずレ−ザ加工していないフェライトのグリ
−ンシ−ト21をカバ−シ−トとして数枚重ね、その上
にコイル導体層の引き出しパタ−ンを印刷したグリ−ン
シ−ト21を一枚重ね、そのつぎに略U字状のパタ−ン
を印刷したグリ−ンシ−ト21を選択的順序に従って積
み重ね、その上に再び、コイル導体層の引き出しパタ−
ンを印刷したグリ−ンシ−ト21を一枚重ね、さらに、
レ−ザ加工しないフェライトのグリ−ンシ−ト21をカ
バ−シ−トとして数枚重ねる。
【0023】こうして、複数のグリ−ンシ−ト21が重
ねられた積層体を圧着し、所望の電子部品のチップ寸法
に切断してのち焼成し、この焼成されたチップ形積層体
の端面に、導出されたコイル導体層の端末を接続するた
めの、外部電極ペ−ストを塗布し、さらに焼付けて外部
電極(図示略)を形成する。こうして得られた積層イン
ダクタは、導体層41の断面積が大きいため許容電流が
大きく、かつ、形成されたコイル導体層周辺と他の部分
との焼成密度は均一であり、加えて、コイル導体層周辺
の透磁率が高くならないため、いわゆる漏洩磁束が少な
くなって、従来よりも優れた特性を有していた。
【0024】なお、導体層41となる導電ペ−ストを、
凹部22に形成する方法として、凹部22が深い場合
は、グリ−ンシ−ト22への直接のスクリ−ン印刷は困
難である。したがって、図示略の担持体、たとえば離形
シ−トに、予め導体層41用の導電ペ−ストを印刷して
置き、この担持体の離形シ−ト上の導電ペーストを、凹
部22に転写する方法が好ましい。
【0025】
【実施例2】図5から図8は、本発明による第2の実施
例を、概略的に説明するための斜視図ならびに断面図で
あり、便宜上、それぞれチツプの1個分、すなわち積層
セラミック電子部品の1個分を示している。ここでま
ず、第2の実施例を図5から図8を使用して要約的に説
明する。
【0026】図5は、図示省略のレ−ザ加工装置に用い
られる板状のマスク51の斜視図を示す。このマスク5
1は、ガラス等からなっていて、マスク51のほぼ全体
にわたる略Uの字状の透明変化部52を有する。この透
明変化部52は、U字状の一端部から他端部にかけ、レ
−ザ光に対する透明度が徐々に変化するように形成され
ている。U字状の透明変化部52の一端部、すなわち、
最も透明度の高い端部には、角形の透明部53が形成さ
れ、レ−ザ光をほとんど透過する。これら以外は不透明
部54で、この不透明部54は、レ−ザ光を遮断して透
過しない。
【0027】図6は、図5のマスク51をレ−ザ加工装
置に配設して、レ−ザ光をグリ−ンシ−ト61の上に照
射し、深さが除々に深くなるU字状の凹部62と、深さ
が最も深くなるスル−ホ−ル63とを形成した状態を示
す。なお、グリ−ンシ−ト61の下には、ベ−スフイル
ム64が適宜に配される。図7は、前記グリ−ンシ−ト
61の凹部62とスル−ホ−ル63とに、導電ペ−スト
の導体層71が塗布された状態を示し、凹部62の一端
では導電ペ−ストの導体層71が盛り上がり、他端すな
わちスル−ホ−ル63では充填されている状態が示され
ている。
【0028】図8は、上述のようにして形成された複数
のグリ−ンシ−ト61を、適切に組み合わせて積層し圧
着などして形成されたチップの1個分、すなわち積層セ
ラミック電子部品1個分の断面図を示す。図中の81は
導体であり、導電ペ−ストの導体層71が圧着、焼成な
どにて形成される。
【0029】ここで、第2の実施例をさらに詳細に説明
する。第1の実施例の半透明部12を有するマスク11
に変えて、透明変化部52を有するマスク51を使用す
る。透明変化部52は、略Uの字状のパタ−ンが不透明
から順次に透明度が増加するように透明度を上げて行
き、ほぼ透明なスル−ホ−ルのパタ−ンである透明部5
3に連続している。
【0030】つぎに、ガラスのマスク51を用いて、グ
リ−ンシ−ト61に凹部62とスルホ−ル63を形成す
る。得られたグリ−ンシ−ト61には、略Uの字状のパ
タ−ンの一端から、凹部62の深さが順次に変化するよ
うなスロ−プ状の凹部62が形成されると共に、凹部6
2の深い端部にスル−ホ−ル63が形成され、凹部62
とスル−ホ−ル63との段差が少ないグリ−ンシ−ト6
1が形成される。
【0031】一方、離形性に富んだ図示略のシ−トに、
前記グリ−ンシ−ト61に必要な導体パタ−ンを、導電
ペ−ストにて印刷し、この担持体である離形シ−トを前
記グリ−ンシ−ト61に圧着して、導電ペ−ストを転写
し、前記凹部62に導電ペ−ストの導電層71を形成す
る。
【0032】導電層71の一部は、図7に示されるごと
く、前記凹部62に埋まり、凹部62の浅い部分は、グ
リ−ンシ−ト61の全体面より盛り上がって形成され
る。このようなグリ−ンシ−ト61を、第1の実施例と
同様に積み重ねて圧着すると、スル−ホ−ル63部分の
接続は段差が無くなって確実になり、最終的に形成され
るコイル導体層周辺の焼成密度と他の部分の焼成密度と
が等しくなり、コイル導体層周辺の透磁率が他に比べ高
くなるという事がなく、いわゆる、漏洩磁束が少なくな
り、従来よりも優れた特性を有する積層インダクタが得
られる。
【0033】なお、ベ−スフィルム64付きグリ−ンシ
−ト61の場合、スル−ホ−ル63の径が小さくなる
と、十分に、スル−ホ−ル63内に導電ペ−ストを充填
する事が出来ないことがあるが、本実施例によると、凹
部62がスロ−プ状に形成され、最も深い部分にスル−
ホ−ル63が形成されているため、スル−ホ−ル63と
の段差が少なく、スル−ホ−ル63内に導電ペ−ストを
確実に充填することが出来る。
【0034】また、第1の実施例のように、レ−ザ光の
半透明部12と不透明部14とをもつマスク11を用い
て、凹部22を形成する場合は、レ−ザ光をスポット照
射して加工する方法が使用される。第2の実施例の場合
も、レ−ザ光のスポット照射が使用される。すなわち、
マスク51のレ−ザ光の透過部分の透過率を変える事に
より、マスク51を通過するレ−ザ光の量を変え得るた
めである。レ−ザ光の量が少ないと、レ−ザ加工量が少
なくなるため、マスク51のレ−ザ透過率を変えること
によって、加工量を制御できることになる。
【0035】
【実施例3】次に、図示省略の第3の実施例を説明す
る。第3の実施例では、スロ−プ状の凹部を、グリ−ン
シ−トの表面サイドならびに裏面サイドに、それぞれ重
なるように形成する。すなわち、グリ−ンシ−トの表面
に形成したスロ−プ状の凹部と、グリ−ンシ−トの裏面
に形成した凹部とが、深い凹部と浅い凹部とが重なり合
うように形成し、該表面に形成したスロ−プ状の凹部に
導電層となる導電ペ−ストを形成すること以外は、第2
の実施例と同様に処理する。
【0036】この結果、導電層が隣接するグリ−ンシ−
トの凹部内に収納されて積層されるため、導電層に局部
的な圧力が加わらずに積層されることになる。こうして
得られた積層インダクタは、より一層、導電層の断面積
を大きくする事が出来るので、大きな許容電流が得られ
ることになる。
【0037】
【実施例4】さらに、図示略の第4の実施例を説明す
る。第4の実施例では、誘電体セラミックを主成分とす
るグリ−ンシ−トを用意すると共に、積層コンデンサの
内部電極を形成するためのレ−ザ加工装置用のマスクを
用意する。該マスクでは、外部電極と接続するための内
部電極のパタ−ン端部を、対向する内部電極部分よりも
レ−ザ透過率が増すようにしている。すなわち、このマ
スクでレ−ザ加工される凹部の一端、すなわち、外部電
極と接する部分の凹部が、深くレ−ザ加工されるように
なっている。
【0038】該マスクを用いて、誘電体セラミックのグ
リ−ンシ−トに、積層コンデンサの内部電極に相当する
パタ−ンをレ−ザ加工し、該グリ−ンシ−トの凹部に導
電ペ−ストの導電層を形成して、これらグリ−ンシ−ト
を積層し焼成する。この結果、積層体の端面に露出する
内部電極の導電層の厚みが厚くなり、積層体の端面に形
成される外部電極との接続が確実になると共に、等価直
列抵抗の低い積層セラミックのコンデンサが得られるこ
とになる。
【0039】上述のようにして構成された積層セラミッ
クのコンデンサは、対向する内部電極の間の誘電体シ−
ト厚が、他の部分の誘電体シ−ト厚よりも薄くなり、結
果として、実質的に薄いグリ−ンシ−トを用いて形成し
た場合と、同等の効果が得られることになった。
【0040】
【発明の効果】以上のようになる本発明の製造方法は、
セラミックを主成分とするグリ−ンシ−トの所望部分
に、レ−ザ光を照射して凹部を形成して、該凹部に導体
層を形成し、複数の該グリ−ンシ−トを積層し圧着する
ようにしたことを特徴とするから、プロセスに簡単な構
成を付加することにより、金型などをグリ−ンシ−トに
押し付けて凹部を形成した場合に比べて、グリ−ンシ−
トの成形密度が均一となり、焼成時などに密度差による
支障が生じないことになって、品質の良い積層セラミッ
ク電子部品が得られることになる。
【0041】さらに具体的には、本発明によると、磁性
体セラミック内に埋設されるコイル導体層の周囲には、
透磁率の高い部分が無いため、コイル導体層間に生ずる
漏洩磁束がなくなって、損失の少ない積層インダクタを
含む電子部品が提供できる効果があり、加えて、磁性体
セラミック内に埋設されるコイル導体層の厚みを厚くす
る事が出来るため、インダクタの許容電流値を大きくで
きる効果がある。
【0042】また、本発明による製造方法を、積層コン
デンサの製造に適用すると、等価直列抵抗が低く、静電
容量の大きい積層セラミックのコンデンサが得られる利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例に使用されたマスク
の斜視図である。
【図2】図1のマスクを用いてレーザ加工により形成し
た凹部とスルーホールを持つグリーンシートおよびこれ
を支持するベースフィルムの斜視図である。
【図3】図2のグリーンシートの凹部に導電ペーストの
導体層が塗布された状態を示す斜視図である。
【図4】本発明による第1の実施例により製造されたイ
ンダクタの断面図である。
【図5】本発明による第2の実施例に使用されたマスク
の斜視図である。
【図6】図5のマスクを用いてレーザ加工により形成し
た徐々に深くなる凹部とスルーホールを持つグリーンシ
ートおよびこれを支持するベースフィルムの斜視図であ
る。
【図7】図6のグリーンシートの凹部に導電ペーストの
導体層が塗布された状態を示す斜視図である。
【図8】本発明による第2の実施例により製造されたイ
ンダクタの断面図である。
【符号の説明】
11、51 マスク 12 半透明部 13、53 透明部 14、54 不透明部 21、61 グリ−ンシ−ト 22、62 凹部 23、63 スル−ホ−ル 31、71 導電ペ−ストの導体層 41、81 導電層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックを主成分とするグリ−ンシ−
    トの所望部分に、レ−ザ光を照射して凹部を形成して、
    該凹部に導体層を形成し、複数の該グリ−ンシ−トを積
    層し圧着するようにしたことを特徴とする積層セラミッ
    ク電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックを主成分とするグリ−ンシ−
    トの所望部分に、レ−ザ光を照射して凹部を形成すると
    共に、該凹部に接してスル−ホ−ルを形成して、該凹部
    とスル−ホ−ルに導体層を形成し、複数の該グリ−ンシ
    −トを積層し圧着するようにしたことを特徴とする積層
    セラミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 セラミックを主成分とするグリ−ンシ−
    トの所望部分に、レ−ザ光を照射し、凹部の深さが変化
    している凹部を形成して、該凹部に導体層を形成し、複
    数の該グリ−ンシ−トを積層し圧着するようにしたこと
    を特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記凹部の深さがスロ−プ状に変化して
    いることを特徴と請求項3に記載の積層セラミック電子
    部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 セラミックを主成分とするグリ−ンシ−
    トの所望部分に、レ−ザ光を照射し、凹部の深さがスロ
    −プ状に変化している凹部を形成すると共に、該凹部の
    深さが最も深い部分にスル−ホ−ルを形成して、該凹部
    とスル−ホ−ルに導体層を形成し、複数の該グリ−ンシ
    −トを積層し圧着するようにしたことを特徴とする積層
    セラミック電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 レ−ザ発振ユニットによって発振される
    レ−ザ光を、透過する部分と透過しない部分とをもつマ
    スクを介して、セラミックのグリ−ンシ−トに照射し
    て、該グリ−ンシ−トに凹部を形成するようにしたこと
    を含む積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 レ−ザ光の透過部分と非透過部分とをも
    つ前記マスクが、レ−ザ光透過部分の透過率を部分的に
    変えたマスクであるこを特徴とする請求項6に記載の積
    層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記凹部が、セラミックグリ−ンシ−ト
    の表側および裏側にそれぞれ形成され、少なくとも一方
    の該凹部に導体層を形成するようにしたことを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載の積層セラミック電子
    部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記導体層が、担体上に印刷された導電
    ペ−ストを、前記凹部に転写して形成されるようにした
    ことを含む請求項1〜8のいずれかに記載の積層セラミ
    ック電子部品の製造方法。
JP5267936A 1993-09-30 1993-09-30 セラミック電子部品用グリーンシートのレーザ加工法および積層セラミック電子部品の製造方法 Expired - Fee Related JP2561643B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5267936A JP2561643B2 (ja) 1993-09-30 1993-09-30 セラミック電子部品用グリーンシートのレーザ加工法および積層セラミック電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5267936A JP2561643B2 (ja) 1993-09-30 1993-09-30 セラミック電子部品用グリーンシートのレーザ加工法および積層セラミック電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07106175A true JPH07106175A (ja) 1995-04-21
JP2561643B2 JP2561643B2 (ja) 1996-12-11

Family

ID=17451667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5267936A Expired - Fee Related JP2561643B2 (ja) 1993-09-30 1993-09-30 セラミック電子部品用グリーンシートのレーザ加工法および積層セラミック電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2561643B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004080023A (ja) * 2002-07-30 2004-03-11 Sumitomo Special Metals Co Ltd 積層型インダクタ
WO2007072612A1 (ja) * 2005-12-23 2007-06-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層コイル部品及びその製造方法
JP2008103482A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Murata Mfg Co Ltd 電極パターンの形成方法、積層電子部品の製造方法及び積層電子部品
JP2013042102A (ja) * 2011-08-11 2013-02-28 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd コイル部品及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52135050A (en) * 1976-05-06 1977-11-11 Murata Manufacturing Co Method of manufacturing laminated ceramic capacitor
JPS63136697A (ja) * 1986-11-28 1988-06-08 株式会社日立製作所 セラミツク多層回路基板及びその製造方法
JPH03219605A (ja) * 1990-01-24 1991-09-27 Murata Mfg Co Ltd 積層型インダクタンス素子
JPH05190367A (ja) * 1992-01-14 1993-07-30 Tdk Corp 積層型磁性体部品の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52135050A (en) * 1976-05-06 1977-11-11 Murata Manufacturing Co Method of manufacturing laminated ceramic capacitor
JPS63136697A (ja) * 1986-11-28 1988-06-08 株式会社日立製作所 セラミツク多層回路基板及びその製造方法
JPH03219605A (ja) * 1990-01-24 1991-09-27 Murata Mfg Co Ltd 積層型インダクタンス素子
JPH05190367A (ja) * 1992-01-14 1993-07-30 Tdk Corp 積層型磁性体部品の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004080023A (ja) * 2002-07-30 2004-03-11 Sumitomo Special Metals Co Ltd 積層型インダクタ
WO2007072612A1 (ja) * 2005-12-23 2007-06-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層コイル部品及びその製造方法
EP1965395A1 (en) * 2005-12-23 2008-09-03 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer coil component and method for fabricating same
EP1965395A4 (en) * 2005-12-23 2008-12-24 Murata Manufacturing Co MULTILAYER COIL COMPONENT AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
US7944336B2 (en) 2005-12-23 2011-05-17 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated coil component and method for manufacturing the same
JP2008103482A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Murata Mfg Co Ltd 電極パターンの形成方法、積層電子部品の製造方法及び積層電子部品
JP2013042102A (ja) * 2011-08-11 2013-02-28 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd コイル部品及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2561643B2 (ja) 1996-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6871391B2 (en) Method of manufacturing laminated ceramic electronic component and laminated ceramic electronic component
EP0929207A2 (en) Multi-layer ceramic substrate and method for producing the same
US11627662B2 (en) Passive component and electronic device
JP2002252116A (ja) 積層型電子部品及びその製造方法
JPH06224043A (ja) 積層チップトランスとその製造方法
EP1367611A1 (en) Inductor part, and method of producing the same
JP2000195720A (ja) 積層電子部品
JP2561643B2 (ja) セラミック電子部品用グリーンシートのレーザ加工法および積層セラミック電子部品の製造方法
JPH1012455A (ja) 積層型コイル部品とその製造方法
JPH03219605A (ja) 積層型インダクタンス素子
JP2999357B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP4372493B2 (ja) セラミックグリーンシートの製造方法および当該セラミックグリーンシートを用いた電子部品の製造方法
JP2004253771A (ja) セラミックグリーンシートの製造方法および当該セラミックグリーンシートを用いた電子部品の製造方法
JP4064049B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2001319822A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JPS6373606A (ja) 厚膜インダクタの製造方法
KR100243360B1 (ko) 적층세라믹트랜스포머의제조방법
JPH11288832A (ja) 積層インダクタ部品及びその製造方法
JP2561643C (ja)
JP2002270451A (ja) インダクタ部品の製造方法
JPH03263310A (ja) 積層インダクタの製造方法
JP3684290B2 (ja) 積層電子部品とその製造方法
US20240021364A1 (en) Electronic component and method for manufacturing electronic component
JP2005302844A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2006128224A (ja) 積層基板の製造方法及び積層基板

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960709

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees