JPH071045U

JPH071045U - 曲げ板ガラス

Info

Publication number: JPH071045U
Application number: JP2974393U
Authority: JP
Inventors: 淳川口; 靖典白石
Original assignee: Nippon Sheet Glass Co Ltd
Current assignee: Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date: 1993-06-03
Filing date: 1993-06-03
Publication date: 1995-01-10

Abstract

(57)【要約】【目的】板ガラスを曲げ成形する型にセラミックカラ
ーが転写されるのを防止する。【構成】曲げ板ガラスＧの一面には黒色セラミックカ
ラー層１が形成され、この黒色セラミックカラー層１の
表面にはＢi系セラミックカラー層２が形成され、この
Ｂi系セラミックカラー層２の表面には導電層３が形成
されている。ここで、Ｂi系セラミックカラー層２の厚
みは１〜８μｍとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車のウインドガラス等として用いる曲げ板ガラスに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のリヤウインド等として用いる曲げ板ガラスには図４（ａ）に示すように、板ガラスＧの周縁部に接着部を外部から見えないようにするための黒色セラミックカラー層１０を形成し、この黒色セラミックカラー層１０の上にブスバー等の導電層１１を形成したものがある。

【０００３】上記の曲げ板ガラスは、黒色セラミックカラー層となるペーストを塗布乾燥し、この上に導電層となる銀ペーストを塗布乾燥し、この後板ガラスを加熱炉内で加熱してセラミックペースト及び銀ペーストを焼成するとともに、プレス型、吸引型等を用いて板ガラスを曲げ成形して得るようにしている。

【０００４】上述した曲げ板ガラスの製法によると、成形時に型に黒色セラミックカラー層となるペーストが付着する不利がある。そこで、特開昭６４−２４０５０号公報にあっては黒色セラミックカラー層の上に離型剤層を形成するようにしている。また、離型剤層を形成する代りに、セラミックカラーペースト中にフィラーを混ぜたり、Ｂi系の結晶化ガラスフリットを混ぜて黒色セラミックカラー層の表面を粗面にして型にセラミックペーストが転写されるのを防止する手段も考えられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

特開昭６４−２４０５０号公報に示されるように離型剤層を形成すると、窓枠に板ガラスの周縁部を接着する際に、離型剤が接着を阻害することになる。特に自動車用ウインドガラスにあっては全周を接着するため、一部のみに離型剤層を形成しても接着が不十分になる。

【０００６】また、セラミックカラーペースト中にジルコニア、アルミナ、窒化ホウ素、酸化マグネシウムやマイカパウダー等のフィラーを混ぜる手段にあっては、フィラー表面が不活性で他の金属と反応しないので、セラミック層を形成せず、またフィラーは一般に白色に近いのでセラミックカラー層を黒色に調色するのが困難となる。

【０００７】更に、Ｂi系の結晶化ガラスフリットをセラミックカラーペースト中に混ぜた場合には、セラミックカラーの熱膨張係数が導電層に比べて大きくなり、焼成の際に導電層の収縮に耐えられず、図４（ｂ）に示すように、黒色セラミックカラー層１０と導電層１１との境界部にクラック１２が発生する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決すべく本考案は、表面にセラミックカラー層と導電層を形成した曲げ板ガラスにおいて、前記セラミックカラー層を板ガラス表面に形成される黒色セラミックカラー層と、この黒色セラミックカラー層の表面に形成される厚みが１〜１０μｍ好ましくは２〜８μｍのＢi系セラミックカラー層とで構成した。

【０００９】

【作用】

Ｂi系セラミックカラー層の厚みを所定範囲にコントロールすることによって、導電層の収縮にＢi系セラミックカラー層を追従させることができる。

【００１０】

【実施例】

以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。ここで、図１は本考案に係る曲げ板ガラスの要部断面図であり、曲げ板ガラスＧの一面には黒色セラミックカラー層１が形成され、この黒色セラミックカラー層１の表面にはＢi系セラミックカラー層２が形成され、このＢi系セラミックカラー層２の表面には導電層３が形成されている。

【００１１】このような曲げ板ガラスＧを成形するには、先ず所定形状に切断した板ガラスに例えばシルクスクリーン印刷にて所定パターンの黒色セラミックカラーペーストをプリントし、この黒色セラミックカラーペーストを乾燥せしめた後、Ｂi系セラミックカラーペーストを同様の手段で塗布して乾燥せしめ、この後導電層となる銀ペーストを塗布乾燥せしめ、更に板ガラスを加熱炉内に投入して６５０℃ 程度まで加熱して各ペーストを焼成し、加熱炉内または加熱炉外に配置したプレス成形装置にて曲げ成形する。

【００１２】ここで、前記Ｂi系セラミックカラー層２の組成は、成形型に対する離型性を基準にして決定し、好ましい範囲としては焼成後において、Ｂi₂Ｏ₃が３７〜８４wt%、ＳiＯ₂が１８〜２８wt%、ＺnＯが０〜２wt%、ＡgＯが０〜２wt%、ＰbＯが０〜４５wt%とする。

【００１３】また、以下の（表１）はＢi系セラミックカラー層２の厚みとクラックの発生との関係を調べた結果を示すものであり、この（表１）からＢi系セラミックカラー層２の厚みは１０μｍ以下望ましくは８μｍ以下とすべきことが分る。また、Ｂi系セラミックカラー層２の厚みは余り薄いとクラックは生じないが離型性の点或いは形成の困難さが生じるため１μｍ以上、望ましくは２μｍ以上とする。

【００１４】

【表１】

【００１５】図２及び図３は別実施例に係る曲げ板ガラスの要部断面図であり、このうち図２に示すものは、黒色セラミックカラー層１の表面に導電層３を形成し、この導電層３を覆うようにＢi系セラミックカラー層２を形成しており、図３に示すものは、板ガラスＧの表面に導電層３を形成し、この導電層３を覆うように黒色セラミックカラー層１を形成し、この黒色セラミックカラー層１の表面にＢi系セラミックカラー層２を形成している。

【００１６】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案によれば、黒色セラミックカラー層の表面にＢi 系セラミックカラー層を形成したので、黒色セラミックカラーが型に転写されることがなく、またＢi系セラミックカラー層の厚みを１〜１０μｍとしたので、導電層の収縮にＢi系セラミックカラー層を追従させることができ、導電層とＢi 系セラミックカラー層との境界部に外部から視認できるようなクラックが発生するのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る曲げ板ガラスの要部断面図

【図２】別実施例に係る曲げ板ガラスの要部断面図

【図３】別実施例に係る曲げ板ガラスの要部断面図

【図４】（ａ）及び（ｂ）は従来の曲げ板ガラスの要部
断面図

【符号の説明】

１…黒色セラミックカラー層、２…Ｂi系セラミックカ
ラー層、３…導電層、Ｇ…板ガラス。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】表面にセラミックカラー層と導電層を形
成した曲げ板ガラスにおいて、前記セラミックカラー層
は板ガラス表面に形成される黒色セラミックカラー層
と、この黒色セラミックカラー層の表面に形成されるＢ
i系セラミックカラー層とからなり、このＢi系セラミッ
クカラー層の厚みは１〜１０μｍであることを特徴とす
る曲げ板ガラス。
【請求項２】前記Ｂi系セラミックカラー層の組成割
合は、Ｂi₂Ｏ₃が３７〜８４wt%、ＳiＯ₂が１８〜２８wt
%、ＺnＯが０〜２wt%、ＡgＯが０〜２wt%、ＰbＯが０〜
４５wt%であることを特徴とする曲げ板ガラス。