JPH0710450Y2 - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はパック商品や煙草等を収
容する直積み式の自動販売機の商品搬出装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の自動販売機の商品搬出装置
として特開昭６２−１１９８９号に開示されたものが知
られている。

【０００３】この商品搬出装置は、直積み式に商品を収
容した複数列の商品コラムの間に上下に延在された駆動
軸と、この駆動軸を間欠的に回転させるモ−タと、駆動
軸に固定され駆動軸の間欠回転により各商品コラム側に
交互に突出する突出部を有する商品保持用カムと、各商
品列の最下位から２番目の商品にそれぞれ対向するとと
もに該突出部の該各商品コラム側への突出により該最下
位から２番目の商品に向かって上方に回転して該商品を
押圧保持する一対の商品保持フラッパと、各商品保持フ
ラッパにより保持された商品の下方に位置する最下位の
商品の支持状態を解除する商品搬出フラッパとを備え、
各商品コラムの最下位の商品から左右交互に落下搬出す
るようになっている。

【０００４】ところで、商品はその種類により上下方向
の長さが異なる場合があり、これ起因して商品保持フラ
ッパと最下位から２番目の商品との対応位置が異なるこ
とがある。そこで、この商品搬出装置においては、この
ような事態に対処するため、各商品保持フラッパを一個
のケ−シングに一体に収容し、このケ−シングを上下に
移動し得る上下位置調節機構を設けている。このケ−シ
ングを上下に移動することにより、各商品保持フラッパ
の位置を各種の商品に対応するよう調節している。

【０００５】

【考案が解決しょうとする課題】しかしながら、前記従
来の自動販売機の商品搬出装置では、各商品保持フラッ
パを一個のケ−シングに一体に固定しているため、上下
位置調節機構により調節される商品保持フラッパの位置
は左右いずれも同じ上下位置となる。従って、左右の商
品コラムに異なる商品、即ち上下方向の長さが異なる商
品をそれぞれ別個に各商品コラムに収容するときは、一
方の商品に合わせて上下位置調節機構を操作した場合
に、他方の商品（最下位から２番目の商品）と商品保持
フラッパとの対向位置がずれるおそれがある。よって、
左右の商品コラムに収容される商品は常に同一のものを
収容することを要し、多品種の商品収容を要求される自
動販売機においては不利なものとなっていた。

【０００６】本考案の目的は前記従来の課題に鑑み、左
右の商品コラムに異なる商品を収容するときでも、各商
品コラムの商品を確実に搬出することができる自動販売
機の商品搬出装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は前記課題を解決
するため、直積み式に商品を収容した複数列の商品コラ
ムの間に上下に延在された駆動軸を間欠的に回転させる
モ−タと、該駆動軸に固定され該駆動軸の間欠回転によ
り各商品コラム側に交互に突出する突出部を有する商品
保持用カムと、該各商品列の最下位から２番目の商品に
それぞれ対向するとともに該商品保持用カムの突出部が
該各商品コラム側に突出したとき該突出部により該最下
位から２番目の商品に向かって上方に回転し該商品に押
圧される一対の商品保持フラッパと、該一方の商品保持
フラッパにより商品が保持されたとき該保持された商品
の下方に位置する最下位の商品の支持状態を解除する商
品搬出フラッパとを備え、該各商品コラムの最下位の商
品から左右交互に落下搬出する自動販売機の商品搬出装
置において、前記商品保持用カムと前記各商品保持フラ
ッパとの間に、該商品保持用カムの突出部が前記各商品
コラム側に突出するとき該突出部が当接して水平方向に
回転し該各商品保持フラッパに当接して該各商品保持フ
ラッパを商品側に向かって回転させる上下方向に所定幅
を有する一対の連結フラッパを設けるとともに、相互に
連動する一組の前記商品保持フラッパと前記連結フラッ
パはそれぞれ別個の取り付け部材に固定され、前記各取
り付け部材はそれぞれ上下に位置調節可能な上下位置調
節機構に支持したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】本考案によれば、最下位の商品を搬出するとき
は、モ−タが回転しこれに伴い商品保持用カムが所定角
度回転し、商品保持用カムの突出部が一方の商品コラム
側に突出する。これにより、この突出部が一方の連結フ
ラッパに当接し、この連結フラッパが水平方向に回転す
る。この連結フラッパの回転により、この連結フラッパ
が一方の商品保持フラッパに当接し、商品保持フラッパ
を上方に回転させる。商品保持フラッパの上方への回転
により一方の商品コラムに収容された最下位から２番目
の商品がこの商品保持フラッパにより押圧保持される。
この２番目の商品の保持動作が中に、この保持商品の下
方に位置する商品搬出フラッパが最下位の商品の支持状
態を解除し、一方の商品コラムの最下位の商品を落下搬
出する。

【０００９】他方、この一方の商品コラムの商品の搬出
が終了した後、他方の商品コラムの商品を搬出するとき
は、モ−タが更に所定角度回転し、商品保持用カムの回
転動作により他方の連結フラッパ、商品保持フラッパ及
び商品搬出フラッパも前述の動作と同様に作用し、他方
の商品コラムの商品を搬出する。

【００１０】このような各商品コラムの商品の搬出動作
において、一方の商品コラムの商品と他方の商品コラム
の商品とがそれぞれその上下方向の高さが異なる商品で
あるときは、最下位から２番目の商品の高さ位置が左右
の商品コラムで異なることとなる。従って、各商品コラ
ムの商品に合わせて商品保持フラッパの高さ位置を調節
することを要する。

【００１１】このようなときは、それぞれ上下位置調節
機構により商品保持フラッパの固定された取り付け部材
を上下に移動し、商品保持フラッパの高さ位置を調節
し、商品保持フラッパと最下位から２番目の商品とを対
応させる。ここで、この上下位置調節機構及び取り付け
部材は左右の商品保持フラッパに対してそれぞれ別個に
形成されているため、各商品保持フラッパ毎に高さ位置
を調節することができる。従って、上下方向の高さが異
なる商品が左右の商品コラムに収容されている場合にあ
っても、各種商品を一個ずつ確実に搬出することができ
る。

【００１２】また、この商品保持フラッパの高さ調節操
作に伴い商品保持用カムの突出部に対して商品保持フラ
ッパの対向部分が上下に移動するが、この突出部の当接
部分は連結フラッパであり、また、この連結フラッパは
上下方向に所定幅を有しているため、取り付け部材を上
下方向へ移動したとしても、この上下方向へのずれが連
結フラッパにより吸収され、この連結フラッパの回転角
度が変化することがない。従って、商品保持フラッパの
回転角度も変化せず商品保持フラッパで最下位から２番
目の商品が確実に押圧保持される。

【００１３】

【実施例】図１乃至図１１は本考案に係る自動販売機の
商品搬出装置の一実施例を示すもので、図１は直積み式
自動販売機の商品搬出装置の断面図である。

【００１４】図中、１は自動販売機本体で、中空の仕切
り壁２を挟んで左右に商品コラム３ａ，３ｂを配置し、
この商品コラム３ａ，３ｂ内に方形状の商品Ａを多数直
積みで収容している。また、この仕切り壁２の最下位か
ら２番目の商品Ａ１，Ａ２に対向する側壁には方形状の
穴２ａ，２ｂが穿設されている。さらに、この仕切り壁
２の中空部分には上下に延在された駆動軸４が配置され
ている。この駆動軸４はその上端がモ−タ５に連結し、
下端が軸受け６により支持され、モ−タ５により半回転
ずつ間欠駆動する。

【００１５】また、駆動軸４の下部には水平方向に回転
する半円盤状の商品搬出用カム７が固定されており、こ
の商品搬出用カム７が半回転ずつ間欠動作するとき、各
商品コラム３ａ，３ｂの商品Ａを支持する商品搬出フラ
ッパ８ａ，８ｂが下方に向かって回転し、交互に各商品
コラム３ａ，３ｂの商品Ａの支持状態を解除する。

【００１６】さらに、この商品搬出用カム７の上方の駆
動軸４には、図２、図５乃至図１１に示すように、水平
に突出部９ａを延設した商品保持用カム９が固定されて
いる。この商品保持用カム９は駆動軸４が半回転すると
きその回転の途中で突出部９ａが一方の商品コラム３ａ
側に突出し、更に半回転するときその途中でこの突出部
９ａが他方の商品コラム３ｂ側に突出する。また、この
商品保持用カム９と対向して商品コラム３ａ，３ｂの最
下位から２番目の商品Ａ１，Ａ２をそれぞれ保持する保
持機構１０ａ，１０ｂが設置されている。

【００１７】図２は一方の保持機構１０ａを示す組み立
て斜視図で、各保持機構１０ａ，１０ｂは駆動軸４を挟
んで左右に対称に配置されている。この一方の保持機構
１０ａは中央に開口部を形成した方形状の取り付け部材
１１ａを有し、その裏面には駆動軸４が位置し商品保持
用カム９が開口部に臨んでいる。この開口部周縁の上部
には水平に軸支された商品保持フラッパ１２ａが設けら
れ、この商品保持フラッパ１２ａが上下方向に回転自在
となっている。

【００１８】また、この商品保持フラッパ１２ａと商品
保持用カム９との間には上下方向に所定幅、即ち後述す
る上下の位置規制溝１９ａ，１９ｂ間の距離より大きな
幅を有する連結フラッパ１３ａが介装されている。この
連結フラッパ１３ａは開口部周縁の側面に上下に軸支さ
れ、水平方向に回動自在となっている。また、この連結
フラッパ１３ａは、商品保持用カム９の突出部９ａが商
品コラム３ａ側に回転突出するとき、この突出部９ａの
先端が連結フラッパ１３ａの裏面に当接してこの連結フ
ラッパ１３ａが商品コラム３ａ側に回転し、この回転に
より商品保持フラッパ１２ａを上方に向かって回転させ
るようになっている。このような商品保持フラッパ１２
ａの回転は、仕切り壁２の穴２ａを通って動作し商品コ
ラム３ａ内の商品Ａ１に向かってなされる。

【００１９】このように保持機構１０ａは取り付け部材
１１ａ、商品保持フラッパ１２ａ及び連結フラッパ１３
ａから構成されており、他方の保持機構１０ｂについて
もこの保持機構１０ａと同様に形成された取り付け部材
１１ｂ、商品保持フラッパ１２ｂ及び連結フラッパ１３
ｂから構成されている。

【００２０】図３及び図４はこの各保持機構１０ａ，１
０ｂを支持調節する上下位置調節機構（以下調節機構と
いう）１４を示す斜視図である。この調節機構１４は、
各保持機構１０ａ，１０ｂの取り付け部材１１ａ，１１
ｂの上部にその後端側を除く部分が挿入される支持棒１
５ａ，１５ｂを有し、この支持棒１５ａ，１５ｂの後端
部には板状の引っ掛けクリップ１６ａ，１６ｂが設けら
れている。

【００２１】また、この調節機構１４は仕切り壁２の前
面にネジ止めされた基板１７を有している。この基板１
７には２列に上下に延びる棒案内溝１８ａ，１８ｂが設
けられ、支持棒１５ａ，１５ｂが貫通している。この棒
案内溝１８ａ，１８ｂの上下及び中央には引っ掛けクリ
ップ１６ａ，１６ｂを固定する位置規制溝１９ａ，１９
ｂが３段に切り込まれ、この引っ掛けクリップ１６ａ，
１６ｂをこの位置規制溝１９ａ，１９ｂのいずれかに固
定することにより、各保持機構１０ａ，１０ｂが仕切り
壁２に支持される。

【００２２】図５は商品Ａの搬出待機状態を示す平断面
図、図６はその縦断面図、図７は一方の商品コラム３ａ
の商品Ａの搬出動作を示す平断面図、図８はその縦断面
図、図９は他方の商品コラム３ｂの商品Ａの搬出動作を
示す断面図、図１０はその縦断面図であり、この各図に
基づき本実施例に係る商品搬出装置の搬出工程を説明す
る。

【００２３】即ち、搬出待機状態にあるときはモ−タ５
は非駆動状態にあり、図５及び図６に示すように、商品
保持用カム９の突出部９ａが前方に向いており、この突
出部９ａは各連結フラッパ１３ａ，１３ｂに非接触状態
となっている。従って、各商品保持フラッパ１２ａ，１
２ｂにより最下位から２番目の商品Ａ１，Ａ２が保持さ
れず、図１に示すように各商品コラム３ａ，３ｂの各商
品Ａが商品搬出フラッパ８ａ，８ｂにより支持され、各
商品コラム３ａ，３ｂ内に収容されている。

【００２４】ここで、各商品コラム３ａ、３ｂ内の商品
Ａを搬出するときは、モ−タ５を駆動し、商品保持用カ
ム９を半回転させる。この商品保持用カム９の回転によ
り突出部９ａが水平方向に回転して一方の連結フラッパ
１３ａに当接し、この連結フラッパ１３ａを商品コラム
３ａ側に水平に回転させるとともに、一方の商品保持フ
ラッパ１２ａを上方に回転させる。この商品保持用カム
９の回転角度が９０度のとき、図７及び図８に示すよう
に、この商品保持フラッパ１２ａが商品Ａ１に押圧さ
れ、この商品Ａ１及びこの商品Ａ１の上方に位置する商
品Ａ全体を保持する。他方、このように商品Ａ１が保持
状態にあるときは、商品搬出フラッパ８ａの支持状態が
解除されこの商品Ａ１の下方に位置する商品、即ち最下
位の商品Ａ３が落下搬出される。

【００２５】このような商品Ａ３の搬出が終了したとき
は、図示しないが突出部９ａが後方に向かって位置して
商品Ａ１の押圧が解除されるとともに、再度商品搬出フ
ラッパ８ａが水平に支持され、商品コラム３ａの商品Ａ
が再度収容保持される。

【００２６】この商品搬出操作の後に続けて商品Ａを搬
出するときは、再度モ−タ５が駆動する。これにより、
突出部９ａが水平方向に回転して他方の連結フラッパ１
３ｂ及び他方の商品保持フラッパ１２ｂを回転させ、図
９及び図１０に示すように、前述の搬出動作と同様に商
品コラム３ｂの最下位から２番目の商品Ａ２を保持し
（回転角度９０度）、最下位の商品Ａ４を落下搬出させ
る。

【００２７】このような商品搬出操作において、各商品
コラム３ａ，３ｂ内に収容されている商品Ａが同一の商
品であるときは、各商品コラム３ａ，３ｂ内の商品Ａ
１、Ａ２の高さ位置が同一であることから、図３に示す
ように、上下位置調節機構１４の引っ掛けクリップ１６
ａ，１６ｂを同一の高さ位置の位置規制溝１９ａ，１９
ｂに固定しておけば良い。しかしながら、商品コラム３
ａ内の商品Ａが商品コラム３ｂ内の商品Ａよりその上下
方向の長さが大きいときは、商品Ａ１，Ａ２の高さ位置
が例えば図１１に示すように異なる場合が起きる。この
ようなときは、図４に示すように、一方の引っ掛けクリ
ップ１６ａを上部に位置する位置規制溝１９ａに引っ掛
け、一方の保持機構１０ａの取り付け部材１１ａを他方
の保持機構１０ｂの取り付け部材１１ｂより高くして固
定すれば良い。これにより、一方の商品コラム３ａ内の
商品Ａ１と商品保持フラッパ１２ａを所望の位置で対向
させることができる。

【００２８】また、このように商品Ａの高さが異なる商
品を各商品コラム３ａ，３ｂに収容するときは、この商
品保持フラッパ１２ａ，１２ｂの高さ調節操作に伴い商
品保持用カム９の突出部９ａに対して商品保持フラッパ
１２ａ，１２ｂの対向部分が上下に移動する。しかしな
がら、本実施例ではこの突出部９ａの当接部分は連結フ
ラッパ１３ａ，１３ｂであり、また、この連結フラッパ
１３ａ，１３ｂはその上下方向の幅が上下の位置規制溝
１９ａ，１９ｂ間の距離より大きくなっているため、取
り付け部材１１ａ，１１ｂを上下方向へ移動したとして
も、図１１に示すように、この上下方向へのずれが連結
フラッパ１３ａ，１３ｂにより吸収され、連結フラッパ
１３ａ，１３ｂの回転角度が変化することがない。従っ
て、商品保持フラッパ１２ａ，１２ｂの回転角度も変化
せず商品保持フラッパ１２ａ，１２ｂにより最下位から
２番目の商品Ａ１，Ａ２を確実に押圧保持できる。

【００２９】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
各商品コラムに上下方向の高さが異なる商品を収容する
ときでも、各商品コラムの商品に合わせて個別に各商品
保持フラッパの上下位置を設定することができ便利なも
のとなっているし、また、個別にこの商品保持フラッパ
を移動するときに起きる商品保持フラッパと商品保持用
カムの突出部とのずれも、連結フラッパにより吸収さ
れ、各商品コラムの商品を確実に搬出することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る直積み式自動販売機の商品搬出装
置の断面図である。

【図２】一方の保持機構を示す組み立て斜視図である。

【図３】上下位置調節機構を示す斜視図である。

【図４】上下位置調節機構の要部を示す斜視図である。

【図５】商品の搬出待機状態を示す平断面図である。

【図６】商品の搬出待機状態を示す縦断面図である。

【図７】一方の商品コラムの商品の搬出動作を示す平断
面図である。

【図８】一方の商品コラムの商品の搬出動作を示す縦断
面図である。

【図９】他方の商品コラムの商品の搬出動作を示す平断
面図である。

【図１０】他方の商品コラムの商品の搬出動作を示す縦
断面図である。

【図１１】各商品コラムに異なる商品が収容されている
ときの搬出動作を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１…自動販売機本体、３ａ，３ｂ：商品コラム、４…駆
動軸、５…モ−タ、９…商品保持用カム、９ａ…突出
部、１１ａ，１１ｂ…取り付け部材、１２ａ，１２ｂ…
商品保持フラッパ、１３ａ，１３ｂ…連結フラッパ、１
４…上下位置調節機構、Ａ，Ａ１〜Ａ４…商品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】直積み式に商品を収容した複数列の商品コ
   ラムの間に上下に延在された駆動軸と、該駆動軸を間欠
   的に回転させるモ−タと、該駆動軸に固定され該駆動軸
   の間欠回転により各商品コラム側に交互に突出する突出
   部を有する商品保持用カムと、該各商品列の最下位から
   ２番目の商品にそれぞれ対向するとともに該突出部の該
   各商品コラム側への突出により該最下位から２番目の商
   品に向かって上方に回転して該商品を押圧保持する一対
   の商品保持フラッパと、該各商品保持フラッパにより保
   持された商品の下方に位置する最下位の商品の支持状態
   を解除する商品搬出フラッパとを備え、該各商品コラム
   の最下位の商品から左右交互に落下搬出する自動販売機
   の商品搬出装置において、前記商品保持用カムと前記各
   商品保持フラッパとの間に、該商品保持用カムの突出部
   が前記各商品コラム側に突出するとき該突出部が当接し
   て水平方向に回転するとともに該各商品保持フラッパに
   当接して該各商品保持フラッパを商品側に向かって回転
   させる上下方向に所定幅を有する一対の連結フラッパを
   設け、相互に連動する一組の前記商品保持フラッパと前
   記連結フラッパはそれぞれ別個の取り付け部材に固定さ
   れるとともに、該各取り付け部材はそれぞれ上下に位置
   調節可能な上下位置調節機構により支持したことを特徴
   とする自動販売機の商品搬出装置。