JPH0639430Y2 - 自動販売機の商品飛出し防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は積層した商品を順次投出する自動販売機の商品
飛出し防止装置に関する。

（ロ）従来の技術 従来、商品コラムに商品を積層した状態で収納し、該商
品を順次投出する自動販売機の商品飛出し防止装置とし
ては、特開昭61-275995号公報に開示される様な構成が
一般的である。ここで前述の公報に開示される商品飛出
し防止装置の構成について説明すると、商品コラムの開
口に上端部及び下端部を回動可能に支持された保持棒を
垂設し、商品販売時には該保持棒を商品保持位置に位置
せしめ積層された商品の一面を保持し、また商品補充時
には前記保持棒を前記上端部及び前記下端部を中心に回
動させ、退避位置に移動せしめた後商品の補充を行う構
成である。

（ハ）考案が解決しようとする課題 最近、自動販売機で販売する商品の多品種化傾向が強く
なり、単一の商品コラム内の収容数よりも収容銘柄数に
対応した商品コラムの数の増大の要望が高くなってい
る。従って自動販売機の高さは制限されているため、前
記商品コラムの数を増加させるには、前記商品コラムの
多段化を招き、それに伴ない前記商品コラムの縦方向の
寸法は短くなる傾向にある。

そこで前記商品コラムの縦方向の寸法が短くなった場
合、前述の公報に開示される様な構成の商品飛出し防止
装置では、保持棒の下端部を支持する部材が、前記商品
コラム前面からの商品の補充操作時に邪魔になるという
不具合が生じる課題が存在する。

また商品の補充動作が完了したら、保持棒を保持位置ま
で回動させ、ロックしなければならないという煩わしい
作業が必要となるという課題が存在する。

更に前記保持棒は視覚的に位置を確認しにくい構成であ
るため、前記保持棒が商品補充時に位置する退避位置か
ら商品販売時に位置する保持位置へと移動されないま
ま、商品の販売が行われれば自動販売機本体の振動等に
より、商品の積層状態が乱れる、或いは商品が商品コラ
ムより落下するために、商品送出部で商品が詰り、販売
ができなくなるというトラブルが発生するため、そのた
めの異常検知装置を設けなければならないという課題が
存在する。

本考案は前記課題を解決するために、商品販売時には商
品コラム前面に垂設され、商品の飛出しを防止する保持
部材を、商品補充時には前記商品コラムの手前側の上方
に向って回動させ、開口を完全に開放した状態とし、そ
の状態を保持手段により保持できる自動販売機の商品飛
出し防止装置を提供する。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案は前記課題を解決するためになされたものであ
り、商品を積層状態で収納し、前面に開口を設けた商品
コラムを有し、該商品コラム内に積層している最下位の
商品を送出する商品送出装置を備えた自動販売機におい
て、前記商品コラムの前面にあって揺動自在なようにガ
イド部材に支持される保持部材と、この保持部材の揺動
時に回動始点となるよう該保持部材に設けられる一対の
第１の突子と、該保持部材の揺動側に設けられる第２の
突子と、前記ガイド部材に設けられて挿入される前記一
対の第１の突子の上下方向への移動を可能にする一対の
第１の案内溝と、前記ガイド部材に設けられて前記第２
の突子が挿入される第２の案内溝を前記第１の突子の上
下方向への移動に伴う前記第２の突子の上下方向への移
動を可能にする上下案内部と、前記第１の突子が前記第
１の案内溝の上端部に位置した状態で該第１の突子を回
動支点に前記保持部材が前記商品コラムの前面より退避
するように回動するときに、前記第２の突子の回動移動
を可能にする回動案内部と、前記保持部材が前記商品コ
ラムの開口を開放させた退避位置まで回動した際、前記
保持部材を前記退避位置に保持する保持手段とを具備し
たことにより前記課題を解決する。

（ホ）作用 本考案の自動販売機の商品飛出し防止装置では商品販売
時には保持部材は保持位置に位置し、商品コラムの前面
に垂設され積層された商品の一面を保持する。また商品
補充時には、前記保持部材は第１の突子及び第２の突子
が各々第１の案内溝及び第２の案内溝に案内され、まず
前記第１の突子が前記第１の案内溝の上端部に当接する
まで前記保持部材が上動した後に、前記第１の突子を中
心に前記保持部材の前面が、前記商品コラムの上面に近
接する方向へ回動すれば、前記商品コラムの前面の開口
から前記保持部材は退避し該開口を開放させ、保持手段
により前記保持部材を保持した状態で、前記商品コラム
の前面から商品の補充を行う。

（ヘ）実施例 図面に従って本考案の実施例を説明すると、第１図及び
第２図は各々本考案の一実施例としての自動販売機の商
品飛出し防止装置の側断面図及び要部斜視図であり、第
３図及び第４図は各々本考案の他の実施例としての自動
販売機の商品飛出し防止装置の側断面図及び要部斜視図
である。

第１図及び第２図に示した本考案の一実施例の符号及び
構成を説明すると、（１）は基台（２）上にて積層され
た商品（３）を収納し前面に開口（４）を設けた商品コ
ラムであり、後壁（５）と複数のコラム仕切板（６）に
よりコの字形状に区画され、水平方向に複数並設されて
いる。そして前記商品コラム（１）は縦方向に多段設け
られており、自動販売機の本体の高さ方向の寸法は限ら
れているため、前記商品コラム（１）の縦方向の寸法は
短かいものとする。（７）は商品送出装置を形成し前記
基台（２）に設けられた溝部（８）内をベンドモータ
（図示せず）の駆動力により摺動する商品搬出板であ
り、前記商品コラム（１）の前面に設けられた商品送出
口（９）より前記商品（３）を押し出す。（10）は前記
開口（４）に垂設され、保持位置にて前記商品（３）の
一面を保持して前記開口（４）からの前記商品（３）の
飛出しを防止する保持部材としての保持板である。（1
1）は該保持板（10）の上部両側方へ突設した一対の第
１の突子である。（12）は該一対の第１の突子（11）の
下方にて前記保持板（10）の両側方に突設した一対の第
２の突子である。（13）は一対の第１の案内溝であり、
前記一対の第１の突子（11）を各々挿入し、前記保持板
（10）を前記保持位置から上方に移動可能に案内する。
（14）は一対の第２の案内溝であり、前記一対の第２の
突子（12）を各々挿入し、前記保持板（10）を前記保持
位置から上方に移動可能に案内すると共に前記第１の突
子（11）が前記第１の案内溝（13）の上端部に位置する
際、前記第１の突子（11）を中心に前記開口（４）を開
放する方向への前記保持板（10）の回動を案内する。
（15）はガイド部材であり、両側面に前記一対の第１の
案内溝（13）及び前記一対の第２の案内溝（14）を各々
設け、前記商品コラム（１）の上壁（16）に固定されて
いる。（17a）（17b）は各々前記第１の案内溝（13）及
び前記第２の案内溝（14）の上端部より延長された固定
手段としての第１の係合部及び第２の係合部である。

次に第１図及び第２図に示した本考案の一実施例の動作
について説明すると、まず商品販売時には、第１図に示
すように、保持板（10）は第１の突子（11）及び第２の
突子（12）が各々第１の案内溝（13）及び第２の案内溝
（14）の下端部にあり、前後方向に不動な状態となる保
持位置に位置し、商品コラム（１）の開口（４）を塞
ぎ、商品（３）の飛出しを防止し、この状態で商品搬出
板（７）を第１図における左方向に移動させ商品送出口
（９）より前記商品（39を押出す。また商品補充時に
は、管理者は前記保持板（10）を前記第１の案内溝（1
3）及び前記第２の案内溝（14）に沿って上方に移動さ
せれば、前記第１の突子（11）は前記第１の案内溝（1
3）の上端部に当接する。この時管理者は前記保持板（1
0）を前記開口（４）より退避させる方向、即ち前記第
１の突子（11）を中心に第１図における時計方向に回動
させる。そして前記保持板（10）が水平状態となったら
管理者は、前記保持板（10）を第１図における左方向に
水平移動させれば、前記第１の突子（11）及び前記第２
の突子（12）は各々第１の係合部（17a）及び第２の係
合部（17b）に係合され、前記保持板（10）は退避位置
に保持される。そして前記保持板（10）は水平状態を保
ち、前記開口（４）を完全に開放し、この状態で管理者
は、商品の補充を行う。そして商品の補充が完了した
ら、管理者が第１図における右方向に前記保持板（10）
を水平移動させれば、前記第１の突子（11）及び前記第
２の突子（12）は各々前記第１の係合部（17a）及び前
記第２の係合部（17b）より離間し、自重により回動し
た後下方へと移動し前記保持板（10）は前記保持位置へ
と戻る。

以上が第１図及び第２図に示した本考案の一実施例の動
作である。

また第３図及び第４図に示す本考案の他の実施例では、
第１図及び第２図に示した同一符号は同一箇所を示し、
保持板（10）を水平状態である退避位置に保つための保
持手段に第１の係合部（17a）及び第２の係合部（17b）
を用いたのに対し、固定用の磁石（18）を用いている。

そして第３図及び第４図に示す本考案の他の実施例の動
作は、前述の動作と同様な動作を行い前記保持板（10）
を水平状態まで回動させれば、前記磁石（18）より水平
状態を保持されるものである。以下同様の動作を行うも
のである。

尚保持手段は前述の係合部及び磁石に限ったものではな
く、保持板を保持状態にて水平状態に保ち、また簡単に
保持状態を解除できるものであれば構わない。

（ホ）考案の効果 本考案の自動販売機の商品飛出し防止装置によれば、保
持部材を商品コラムの上方へと回動させ該商品コラムの
開口より完全に退避させることができるため、商品の補
充操作が、スムーズに行うことができ、また商品の補充
完了時に保持部材を保持手段による保持状態より解除す
れば、自重により保持位置へと戻るため、操作性が向上
し、従来の保持棒を用いた商品飛出し防止装置より、保
持部材が保持位置にないことを目視しやすいため、保持
部材が保持位置に位置しないまま商品の販売を行うトラ
ブルを防ぎやすいという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は各々本考案の一実施例としての自動
販売機の商品飛出し防止装置の側断面図及び要部斜視
図、第３図及び第４図は同考案の他の実施例としての自
動販売機の商品飛出し防止装置の側断面図及び要部斜視
図である。 （１）…商品コラム、（３）…商品、（４）…開口、
（10）…保持板、（11）…第１の突子、 （12）…第２の突子、（13）…第１の案内溝、 （14）…第２の案内溝、（17a）…第１の係合部、 （17b）…第２の係合部、（18）…磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】商品を積層状態で収納し、前面に開口を設
   けた商品コラムを有し、該商品コラム内に積層している
   最下位の商品を送出する商品送出装置を備えた自動販売
   機において、前記商品コラムの前面にあって揺動自在な
   ようにガイド部材に支持される保持部材と、この保持部
   材の揺動時に回動支点となるよう該保持部材に設けられ
   る一対の第１の突子と、該保持部材の揺動側に設けられ
   る第２の突子と、前記ガイド部材に設けられて挿入され
   る前記一対の第１の突子の上下方向への移動を可能にす
   る一対の第１の案内溝と、前記ガイド部材に設けられて
   前記第２の突子が挿入される第２の案内溝を前記第１の
   突子の上下方向への移動に伴う前記第２の突子の上下方
   向への移動を可能にする上下案内部と、前記第１の突子
   が前記第１の案内溝の上端部に位置した状態で該第１の
   突子を回動支点に前記保持部材が前記商品コラムの前面
   より退避するように回動するときに、前記第２の突子の
   回動移動を可能にする回動案内部と、前記保持部材が前
   記商品コラムの開口を開放させた退避位置まで回動した
   際、前記保持部材を前記退避位置に保持する保持手段と
   から構成される自動販売機の商品飛出し防止装置。